JP2009050208A - 乳酸菌スターター、該乳酸菌スターターを用いて製造された漬物及び該漬物の製造方法 - Google Patents

乳酸菌スターター、該乳酸菌スターターを用いて製造された漬物及び該漬物の製造方法 Download PDF

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【課題】すんきなどの漬物において継代初期・中期・後期の発酵段階毎に関与している乳酸菌を明らかにし、得られた知見から良好な品質を有する漬物を安定して製造することが可能な乳酸菌スターター及び該乳酸菌スターターを用いた漬物の製造方法を提供する。
【解決手段】ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)と、ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)と、ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)と、ラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)と、を含む、乳酸菌スターターにより解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、乳酸菌スターター、該乳酸菌スターターを用いて製造された漬物及び該漬物の製造方法に関する。
一般的に漬物は微生物の発酵作用によって風味を醸成するものが多く、野菜を塩漬けにすると数日後には乳酸菌や酵母類が繁殖して発酵を始める。野菜を塩漬けにする理由は、塩漬けにすることによって細胞が死滅し、細胞内の成分が漬け液中に浸出し、これらが発酵微生物の栄養源となるためである。また、食塩は、発酵食品を製造する過程の中で、微生物汚染を防いだり、たんぱく質や澱粉の分解に関与する酵素の制御・変色・褐色の防止などにも関与している。そのため、長時間変敗することなく保存されてきた多くの漬物は食塩により保存性が高められており、アミノ酸や酸味料を多用し、乳酸発酵を極力抑えて作られてきた。そして現在では、漬物は世界各地で製造され、その土地の風土や環境によって様々な種類の漬物が存在し、広く国民食として愛されている。このように、世界各地で製造される多くの漬物が微生物汚染の防止や品質保持のために食塩添加の下に発酵が行なわれてきたが、漬物の中にはネパールの「グンドラック」、「シンキ」など無塩のものもいくつか存在している。これら漬物の発酵には、加塩・無塩に関わらずラクトバチルス(Lactobacillus)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属などの乳酸菌の代謝や発酵が関与しており、その中でもラクトバチルス プランタラム(L. plantarum)やラクトバチルス ブレビス(L. brevis)などが主要発酵菌として分離されている。
そこで本発明者らは、我が国の無塩漬物「すんき」に着目した。すんきは、長野県木曽地方特有に伝統的発酵食品であり、約400年前の食塩が貴重だった時代に生まれ、赤蕪の蕪菜の部分だけを用いた無塩漬物である。そして、現在でも木曽地方の多くの農家で作られ、味噌汁やそばの具として食され愛されている。
すんきの作成工程は、まず蕪菜を洗浄し、その後沸騰した湯にて軽く湯通しをする。冷たい蕪菜が入ることにより湯は70℃程度になる。湯通しをした蕪菜と前年度のすんきを種(スターター)とし(一般的に乾燥すんき・冷蔵漬け汁・ズミの実など)、それらを交互に漬け込み、最後に湯を蕪菜がつかるまで加え、重石をし、20℃〜30℃の屋内の暖かい場所で一晩発酵させた後、低温で保存する。その後2〜3日熟成させた後、完成する。そして、今度はこの2〜3日目の出来上がったすんきをタネとして新しく湯通しをした蕪菜と交互に漬け込み、新たにすんきを作成する。このように、その年一番最初のすんき作成時には、前年度のすんきを種として用い、その後は出来上がったすんきをタネとし、継代を重ねていく。一般的に各家庭ではその年に4〜5回継代を重ねていく。
このようにして作成されたすんきは無塩にも関わらず品質を保持し続けることができ、その発酵には乳酸菌による乳酸発酵が関与していると考えられてきたが、その実態は明確ではなかった。
これまですんきの研究は、1950年に山梨大学の中山らがすんきからの乳酸菌を分離して報告をした(非特許文献1及び2)。そして、1980年には共立女子短期大学の板橋らがすんきの栄養学的成分について報告しており(非特許文献3)、最近では、信州大学の保井らがすんきから分離された乳酸菌の抗アレルギー作用・免疫賦活作用などを報告している(非特許文献4)。
中山大樹・小池弘子:食塩を使わない漬物「スンキ」の乳酸菌群について(第一報)菌の分離および桿菌群の同定 醗酵工学雑誌 第43巻、第3号、157-164(1965) 中山大樹・小池弘子:食塩を使わない漬物「スンキ」の乳酸菌群について(第二報)球菌群の同定 醗酵工学雑誌 第43巻、第11号、799-806(1965) 板橋雅子:すんきに関する研究〜木曽地方産の数種のすんきの栄養学的成分について〜 共立女子短期大学家政科紀要 第28号、135-141 (1985) 保井久子:伝統発酵食品由来乳酸菌の免疫調節機能の解析とその成果に基づく疾病予防機能に関する研究 財団法人 アサヒビール学術振興財団 研究助成報告 (2004)
従来、すんきは工業的ではなく、各家庭で製造されていた。なぜなら、すんき製造は湯通しをした蕪菜と前年度のすんき(一般的に乾燥すんき、冷蔵漬け汁、ズミの実など)を種(スターター)として利用していたため、すんきの品質が一定せず、工業的にすんきを製造することが困難であったためである。
現在まで、山梨大学及び本発明者らにより、すんきから分離された乳酸菌については、出来上がったすんきからの分離報告がなされているが、継代初期・中期・後期の発酵段階毎に関与している乳酸菌については明らかにされていない。
そこで、本発明は、すんきなどの漬物において継代初期・中期・後期の発酵段階毎に関与している乳酸菌を明らかにし、得られた知見から良好な品質を有する漬物を安定して製造することが可能な乳酸菌スターター及び該乳酸菌スターターを用いた漬物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、各家庭の経時的なサンプルを採取し、現在まで明らかにされていないすんきの漬け込み日数ごとの経時的な菌叢の変遷を確認し、伝統的発酵食品であるすんき中にどのような乳酸菌が生息し、どのような乳酸菌が発酵に関与しているのかを検討した。その結果、ある特定の乳酸菌がすんきの発酵に関与しているとの知見を得た。
本発明はかかる知見に基づくものであり、(1)ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)と、ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)と、ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)と、ラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)と、を含む、乳酸菌スターターを提供するものである。
また、上記発明の好ましい態様は次の通りである。(2)前記乳酸菌が、植物質から分離された乳酸菌である、前記(1)に記載の乳酸菌スターター;
(3)前記乳酸菌が、pH4、10〜15℃、3日間の培養条件下で生育可能な乳酸菌である、前記(1)又は(2)に記載の乳酸菌スターター。
また、本発明は、前記(1)〜(3)のいずれか1に記載の乳酸菌スターターを用いて製造された漬物を提供するものである。
上記発明の好ましい態様は次の通りである。(5)前記漬物が、無塩発酵漬物である、前記(4)に記載の漬物;
(6)前記漬物が、すんきである、前記(4)又は(5)に記載の漬物。
さらに、本発明は、(7)漬物原料に、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)及びラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)を含む乳酸菌スターターを添加し、20〜35℃で20〜24時間乳酸発酵させた後、さらに5〜15℃で2〜3日熟成させる、漬物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、乳酸菌スターターとしてラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)と、ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)と、ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)と、ラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)と、を用いることにより、乳酸発酵において上記4菌種を中心とする安定した菌叢を形成する。そのため、従来、自然に混入してきた微生物に依存する発酵漬物製造においても、本発明の乳酸菌スターターを用いることにより良好な品質を有する漬物を安定して製造することが可能となる。
(乳酸菌スターター)
本発明の乳酸菌スターターを実施するための最良の形態について説明する。本実施形態の乳酸菌スターターは、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)と、ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)と、ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)と、ラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)と、を含む。
上記4種類の乳酸菌は、乳酸発酵において主要菌叢を形成することで、上記4菌種によるバイオプリザベーションを行うことが可能となる。そのため、漬物製造において雑菌の混入を防止し、良好な品質を有する漬物を安定して製造することが可能となる。
上記4種類の乳酸菌は相互に拮抗する関係にはなく、発酵漬物製造中で各乳酸菌が適宜増殖するため、その配合割合に特に限定はない。本実施形態の乳酸菌スターターを漬物製造に用いる場合、上記4種類の乳酸菌が漬物においてバランスよく増殖することが、漬物の良好な風味を形成する上で好ましいと考えられるため、上記乳酸菌の配合割合を、例えば1:1:1:1とすることができる。
前記乳酸菌は、植物質から分離された乳酸菌であることが好ましい。
前記植物質としては、漬物原料として使用される野菜類を挙げることができ、特に根菜類の葉茎部分や、葉茎類が挙げられる。また、漬物原料は漬物の種類に応じて適宜選択されるものであるため、当該漬物に一般的に使用される漬物原料から分離された乳酸菌を用いることが好ましい。例えば、すんき製造においては、古来から蕪菜を原料としてきたため、かかる観点からは、蕪菜から分離された乳酸菌であることが特に好ましい。
前記乳酸菌は、10〜15℃、3日間の培養条件下で、良好に乳酸を作り続けpH4前後に至るまで生育可能な乳酸菌であることが好ましい。
漬物製造においては、pHが4前後となることが多いため、漬物製造に本実施形態の乳酸菌スターターを用いることを考慮すれば、pH4前後に至るまで生育可能な乳酸菌である必要がある。一方、乳酸菌の生育至適温度は概ね25℃〜37℃の範囲にあり、一般の乳酸菌は10℃で概ね生育しない。しかし、そのような乳酸菌の中に、特段に低温域(例えば5℃〜10℃域)まで生育可能なものが存在する。そのため、先述した乳酸菌の中から、pH4、10〜15℃、3日間の培養条件下で生育可能な乳酸菌を更に選抜することにより、より漬物製造に好適な乳酸菌スターターを得ることができる。
本実施形態の乳酸菌スターターに用いられる乳酸菌は、すべて東京農業大学応用生物科学部菌株保存室に保管されており、分譲も可能である。
(漬物の製造方法)
本発明の漬物の製造方法を実施するための最良の形態について説明する。本実施形態の漬物の製造方法は、漬物原料に、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)及びラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)を含む乳酸菌スターターを添加し、20〜35℃で20〜24時間乳酸発酵させた後、さらに5〜15℃で2〜3日以上熟成し、食用に供される。
漬物原料としては、漬物の種類に応じて適宜選択することができ、特に根菜類の葉茎部分や、葉茎類が挙げられる。例えば、すんき製造においては、古来から蕪菜を原料としてきたため、かかる観点からは、蕪菜を用いることが好ましい。
漬物原料は、必要に応じて適宜水洗いなどの洗浄処理や湯通しなどの加熱処理を行うことが雑菌の増殖を防止し、乳酸発酵を安定して行わせる観点から好ましい。
前記乳酸菌スターターとしては、上述したラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)及びラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)を含む乳酸菌スターターを用いる。
上記4種類の乳酸菌は、その配合割合に特に限定はない。本実施形態の乳酸菌スターターを漬物製造に用いる場合、上記4種類の乳酸菌が漬物においてバランスよく増殖することが、漬物の良好な風味を形成する上で好ましいと考えられるため、上記乳酸菌の配合割合を、例えば1:1:1:1とすることができる。
一般に、乳酸菌の生育至適温度は概ね25℃〜37℃の範囲にあり、一般の乳酸菌は10℃で概ね生育しない。しかし、そのような乳酸菌の中に、特段に低温域(例えば5℃〜10℃域)まで生育可能なものが存在する。そこで、より好適な熟成を行う観点からは、前記乳酸菌は、10〜15℃、3日間の培養条件下で、良好に乳酸を作り続けpH4前後に至るまで生育可能な乳酸菌を用いることが好ましい。
添加量は特に限定されないが、乳酸菌の増殖速度と乳酸蓄積量を考慮すれば、前記湯通しした蕪菜1g当たり、乳酸菌細胞数として10 〜10個であることが好ましい。
乳酸発酵は、前記乳酸菌スターターを添加した後、20〜35℃で20〜24時間乳酸発酵を行う一次発酵と、さらに5〜15℃で2〜3日熟成を行う二次発酵の2段階で行う。前記一次発酵は主発酵工程、前記二次発酵は熟成工程である。
一次発酵では、発酵温度は乳酸菌生育の最適条件の観点から20〜35℃で行い、発酵時間は過発酵を防止する観点から20〜24時間で行う。
二次発酵では、発酵温度は、乳酸発酵を抑制し、漬物を熟成させて風味を高める観点と、過度の熟成を停止する観点、および長期間の保存性を高める観点から、5〜15℃で行う。
(漬物)
本発明は、上述した乳酸菌スターターを用いて製造された漬物を提供するものである。
前記漬物としては、漬物製造において塩を用いる発酵漬物と、塩を用いない無塩発酵漬物が挙げられるが、いずれにおいても上述の乳酸菌スターターを用いることが可能である。但し、上述した乳酸菌スターターは、無塩発酵漬物においてもバイオプリザベーションを行うことが可能であり、従来、自然に混入してきた微生物に依存する発酵漬物製造においても、良好な品質を有する漬物を安定して製造することが可能となる。このような特徴をより活かすことを考慮すれば、無塩発酵漬物であることが好ましい。
特に、上述した乳酸菌スターターを用いて製造された漬物がすんきである場合、良好な品質を有する漬物を安定して製造することが可能となる。
1.乳酸菌スターターの選抜
ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)及びラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)の4菌種を1菌種当たり約10株程度、計40株に対してすんきの発酵環境を考慮し、10℃・15℃及びpH4.0での生育を3日間、経時的にO.D.600nmにて測定した。その結果、培養3日目の生育能により、1菌種2株ずつ選抜し、計8株を乳酸菌スターターとした。pH4.0及び10℃・15℃での生育試験の結果を表1及び表2に示す。なお、各試験にはMRS培地を用い、吸光度用ワッセルマンに1.98ml分注後、菌液を20μl接種した。また、10℃・15℃の生育能は30℃の結果をpositive controlとし、pH4.0の生育能はpH6.8の結果をpositive controlとして評価した。さらに、pH試験の際の培養温度は30℃で行った。
表1及び表2に示す結果に基づき、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)としては47-1及び50-4を選抜し、ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)としてはSNK93及び50-1を選抜し、ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)としてはSNK82及び18を選抜し、ラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)としてはSNA11及びSNJ50を選抜した。
2.乳酸菌スターターの培地中での生残性
選抜したスターター乳酸菌8株に対して、それぞれの株を30℃の培養を0日目とし、その後10℃で1日〜7日程度培養し、すんきの継代されていく環境を培地中で再現し、培地中での生残性を確認した。
そこで、各培養日数ごとのプレート上での生菌数を調べた。実験方法を図1に、生菌数の結果を表3に、折れ線グラフにした結果を図2に示す。表3及び図2に示すように、一週間程度経過しても8株全て0日目の菌数を保つことが確認された。
3.乳酸菌スターターを用いたすんきの製造
(1)乳酸菌スターターの調製
上記1で選抜した乳酸菌8株を用いた。スターター乳酸菌は最初GYP 液体培地で5mlのワッセルマンで培養した。なお、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)及びラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)は30℃で一日間培養を行った。ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)及びラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)は37℃で二日間培養を行った。GYP 液体培地の組成は、Glucose 20g, Yeast extract 10g, Peptone 10g, 酢酸ナトリウム(CH3COONa・3H2O )0.5g, MgSO4・7H2O 200mg, MnSO4・4H2O 10mg, FeSO4・7H2O 10mg, NaCl 10mg, 水 1,000 ml, pH 6.8 である。
次に三角フラスコに作ったGYP 液体培地100mlに上記と同様の培養条件で大量培養し、すんき作成の当日に菌体洗浄(10000rpm, 10min, ×3回)を行った。そして全乳酸菌を合わせて、30mlの生理食塩水に懸濁させたものを乳酸菌スターターとした。
なお、参考例として、すんき製造において従来から用いられてきたスターターについても検討した。すなわち、スターターとして上記乳酸菌スターターを使用せず、蕪菜に付着している天然の乳酸菌を利用したもの(参考例1)、上記で調製した乳酸菌スターターに替えて、前年度のすんきを乾燥させたもの(参考例2)、上記で調製した乳酸菌スターターに替えて、前年度に製造されたすんきの漬け汁を冷蔵保存したもの(参考例3)、上記(1)で調製した乳酸菌スターターに替えて、バラ科植物のズミ(酢実)の実を使用したもの(参考例4)を準備した。表4に各スターターに含まれる菌の名称と生菌数を示す。
参考例1はスターターを用いていないが、検討の結果、蕪菜に複数の乳酸菌が存在していることが判明した。すんきを作成する際の湯通しは70℃程度の湯に軽く通すだけであるため、その湯通しの甘さから蕪菜に付着している乳酸菌が生残している可能性が考えられた。
乾燥すんき(参考例2)は生菌数が極めて少なく、さらに分離株も有胞子乳酸菌であるバシルス コアグランス(B. coagulans)のみであり、我々がこれまで明らかにしたすんきの乳酸菌とは異なるものであった。これは、乾燥中に乳酸菌が死滅し、乾燥耐性のある乳酸菌のみが生残できたためと考えられる。また、冷蔵漬け汁(参考例3)も生菌数が極めて少なく、半年間以上の冷蔵保存中に乳酸菌が死滅したものと考えられる。さらに、ズミ(参考例4)からは乳酸菌を分離することができなかった。このため、これまで一般的に使用されてきたすんきスターターは、スターターとしての本来の役割を果たしていないと考えらた。
(2)すんきの製造
すんきの製造原料として、赤蕪の葉茎部分である蕪菜を用いた。蕪菜約500gを洗浄し、約2cm の長さに刻んだ。刻んだ蕪菜を再度洗浄した後、80℃に沸かした湯で湯通しした。この際、火が通り易い菜の部分は軽く湯通しし、火の通りにくい茎の部分は葉の部分よりも長時間湯通しした。湯通しした蕪菜を樽に敷き詰め、樽の中の温度が40℃ぐらいに下がった頃を見計らって、表4に示すスターターを各々添加した。押し蓋をして蕪菜が全体に浸かる程度まで冷めた湯通しに用いた湯を樽の中に入れた後、一晩35℃で保温し、一次発酵を行った。次いで、約10℃の涼しい場所で静置し、二次発酵を行った。
その結果、製造されたすんきは順調に発酵が進み、35℃で保温した翌日はラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)及びラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)のヘテロ乳酸菌によると思われるガス発生を伴い、すんき独特の酸っぱい香りを呈しており、2日程度ですんきが得られた。
その年の一番最初に漬けたすんきを以後、「0回目」とした。その後、0回目のすんきをタネとしたものを1回目、2回目…とした。
0回目のすんきを製造してから3日後、上記と同様の要領で再びすんきを製造した。以降は、基本的な手順は同じだが、蕪菜は1.2kg使用し、樽の中に漬ける際、0回目のすんきをタネとし、湯通しした蕪菜と交互に漬け込んだ。同様に、蕪菜の量を増やし、2回分を作成した。
4.評価試験
(1)PCR-DGGE法による乳酸菌スターターの生残性確認
実施例1及び2のスターターを用いて製造したすんきから漬け汁を採取し、そこからBenzyl chloride法によりDNAを抽出してPCR-DGGE法を行い、継代を重ねることによるスターター乳酸菌の生残性を確認した。
DGGE法の結果を図3に示す。図3中、「0-1」、「0-2」等の数字は、「仕込み回数−仕込み後の日数」を意味する。例えば、「0-2」は「仕込み回数0回目で、2日間経過したすんき」を意味する。0回目で出来たすんきの一部を、次の仕込みのスターターにして製造したすんきは「仕込み回数が1回目」となり、その経過日数がハイフン後の数字を表す。さらに「仕込み回数が1回目」のすんきの一部をスターターにして仕込んだすんきは「仕込み回数が2回目」となり、その経過日数がハイフン後の数字を表す。
その結果、ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)及びラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)は継代を重ねてもバンドを確認することができた。一方、ラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)は時間とともにバンドが薄くなり、これは経時的なサンプルの解析結果と似た傾向を示した。
(2)評価
上記3で得られたすんきをサンプルとして、「pH」、「外観及び色」、「におい」、「酸味」、「味」の各項目について評価を行った。なお、「pH」はpHメーターを用いて行い、pH3.8〜4.2(3点)、pH4.2〜4.5(2点)、pH4.5以上およびpH3.8以下(1点)で評価した。「外観及び色」は、パネラー5〜7人による目視観察により行い、よい(3点)、普通(2点)、悪い(1点)で評価した。「におい」はパネラー5〜7人がサンプルのにおいを嗅ぐことにより行い、よい(3点)、普通(2点)、悪い(1点)で評価した。「酸味」は、パネラー5〜7人がサンプルを試食し、酸味が強い(1点)、酸味が良好(3点)、酸味が弱い(1点)で評価した。「味」は、パネラー5〜7人がサンプルを試食し、おいしい(3点)、普通(2点)、まずい(1点)で評価した。そして、これらの評価を合計して平均点を求め、下記評価基準を用いてすんきを評価した。結果を表5に示す。
評価基準
A:平均点が2.6点以上
B:平均点が2.2点以上〜2.6点未満
C:平均点が2.2点未満
実施例1及び2のスターターを用いて製造されたすんき1及び2は、pH、外観及び色、におい、酸味、味のいずれの項目において良好な結果を示した。
参考例1ではスターターを用いなかったが、得られたすんき3は乳酸発酵が正常に行われ、風味も悪くなかった。参考例2〜4のスターターを用いて製造されたすんき4〜6も、従来通りの製造方法を踏襲したものであるため、正常に乳酸発酵が行われた。
一般的にすんき製造時には前年度のすんきを種として漬け込むが、スターターを用いず、蕪菜のみですんきを製造する家庭もある。蕪菜に付着していたこれらの乳酸菌は、すんきの発酵過程で主要菌として検出された乳酸菌だった。そのため、すんき中の乳酸菌の供給源は蕪菜由来であると考えられた。従って、参考例2〜4のスターターは乳酸菌供給源としては実質的に意味をなさないものであり、乳酸菌の供給源は蕪菜に付着する乳酸菌に依存することになる。事実、従来、すんきは各家庭で作られており、家庭によっては発酵が上手く行われず失敗を伴うことがあった。これは、蕪菜を湯通しする際の加減により、生残させる必要のある乳酸菌全てが殺菌されてしまうと、その後の乳酸菌の生育がなくなるためと考えられている。これに対して、本発明の乳酸菌スターターを用いることにより、誰でも失敗が少なく安全に、なおかつおいしいすんきを製造することができると考えられた。
乳酸菌スターターの培地中での生残性の試験方法を説明するための図である。 乳酸菌スターターの培地中での生残性の試験結果を示す図である。 本実施形態の乳酸菌スターターを用いて試作したすんき中の細菌叢を解析した結果を示す図である。

Claims (7)

  1. ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)と、
    ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)と、
    ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)と、
    ラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)と、
    を含む、乳酸菌スターター。
  2. 前記乳酸菌が、植物質から分離された乳酸菌である、請求項1に記載の乳酸菌スターター。
  3. 前記乳酸菌が、pH4、10〜15℃、3日間の培養条件下で生育可能な乳酸菌である、請求項1又は2に記載の乳酸菌スターター。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳酸菌スターターを用いて製造された漬物。
  5. 前記漬物が、無塩発酵漬物である、請求項4に記載の漬物。
  6. 前記漬物が、すんきである、請求項4又は5に記載の漬物。
  7. 漬物原料に、ラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス デルブリュッキー(Lactobacillus delbrueckii)及びラクトバチルス パラブフネリ(Lactobacillus parabuchneri)を含む乳酸菌スターターを添加し、20〜35℃で20〜24時間乳酸発酵させた後、さらに5〜15℃で2〜3日熟成させる、漬物の製造方法。
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