JP2009049776A - 超音波センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用環境における環境因子、衝撃などによる劣化や破壊を防ぐことができる超音波センサを実現する。
【解決手段】 超音波センサ10は、障害物で反射された超音波を検出する圧電素子11と、超音波を受信し、圧電素子11に振動を伝達する音響整合部材12とを備えている。音響整合部材12は、圧電素子11より音響インピーダンスが小さい樹脂材料を用いて、圧電素子11と、第1電極14及び第2電極15に接続される配線とが、インサート成形により埋め込まれて形成されている。この構成によれば、圧電素子11と各電極に接続される配線及びその接続部とを、水分など環境因子から遮断することができるので、超音波センサ10の耐環境性を向上させることができる。また、音響整合部材12の受信面12aに衝撃が加えられたような場合でも、圧電素子11の破壊を防ぐことができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、音響整合部材に圧電素子を装着した超音波センサに関する。
従来から、送受波する超音波の伝達効率を向上させる音響整合層に圧電素子を装着した超音波センサが知られている。この超音波センサは、超音波の送信が可能な素子から超音波を送信して、被検出体に当たって反射された超音波を、超音波の受信が可能な素子によって受信することにより、周囲にある物体の位置測定または距離測定や、当該物体の2次元形状または3次元形状の測定などを行う。
このような超音波センサとして、医療分野で用いられるエコー診断機で利用されているものがあり、例えば、特許文献1には、超音波を送受波する圧電振動子と音響整合層とを備え、この音響整合層下に共通電極を介して2次元的に圧電振動子を積層して配列した超音波プローブが開示されている。
特開平5−123317号公報
しかし、上述のような構成の超音波プローブを車載用センサに応用して適用する場合には、車載環境に耐える耐環境性が求められる。特に、圧電振動子の電極部や配線接続部などに水分が付着する可能性があるため、超音波プローブが電気的または構造的に破壊されるおそれがあるという問題があった。
そこで、この発明では、使用環境における環境因子、衝撃などによる劣化や破壊を防ぐことができる超音波センサを実現することを目的とする。
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、圧電体を対向する第1の電極と第2の電極とにより挟み込んで形成され、超音波を送信する送信素子から送信され被検出体にて反射された超音波を検出する圧電素子と、前記第1の電極と対向して形成され前記被検出体にて反射された超音波を受信する受信面が前記被検出体の存在する空間側に露出し、前記受信面で受信した超音波を前記第1の電極から前記圧電素子に伝達する音響整合部材と、前記圧電素子と電気的に接続され、前記圧電素子から出力される電圧信号を処理する回路素子と、を備えた超音波センサにおいて、前記音響整合部材は、インサート成形により、少なくとも、前記第1の電極と、前記第1の電極に隣接する側面の一部と、を覆って前記圧電素子を埋め込むとともに、前記圧電素子と前記回路素子とを電気的に接続する配線の少なくとも一部を埋め込んで形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項1に記載の発明によれば、音響整合部材は、インサート成形により、少なくとも、第1の電極と、第1の電極に隣接する側面の一部と、を覆って圧電素子を埋め込むとともに、圧電素子と回路素子とを電気的に接続する配線の少なくとも一部を埋め込んで形成されているため、第1の電極と、第1の電極と接続される配線及びその接続部とを、圧電素子を劣化させる水分など環境因子から遮断することができるので、超音波の検出精度を確保することができ、超音波センサの信頼性を向上させることができる。つまり、超音波センサの耐環境性を向上させることができる。
また、圧電素子が音響整合部材に埋め込まれて保持されているため、音響整合部材の受信面に小石などの飛来物の衝突などにより衝撃が加えられたような場合でも、圧電素子が変位するのを拘束するため、圧電素子の割れや、圧電素子が音響整合部材から脱離するような破壊を防ぐことができる。つまり、超音波センサの耐衝撃性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の超音波センサにおいて、前記音響整合部材は、前記圧電素子の全面を覆って形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項2に記載の発明によれば、音響整合部材は、圧電素子の全面を覆って形成されているため、第2の電極と、第2の電極と接続される配線及びその接続部とを、水分など環境因子から遮断することができるので、超音波の検出精度を確保することができ、超音波センサの信頼性を向上させることができる。つまり、超音波センサ10の耐環境性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の超音波センサにおいて、前記第2の電極と前記回路素子とを接続する配線がバンプである、という技術的手段を用いる。
請求項3に記載の発明によれば、第2の電極と回路素子とを接続する配線がバンプであるため、配線を短くすることができるので、配線からのノイズを低減して超音波の検出感度を向上させることができる。
当該配線として、複数個のバンプを用いた場合には、圧電素子と回路素子との平行度、接合強度を向上させることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記音響整合部材は、前記回路素子を埋め込んで形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項4に記載の発明によれば、音響整合部材は、回路素子を埋め込んで形成されているため、圧電素子、配線に加えて回路素子の耐環境性及び耐衝撃性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記音響整合部材は、前記受信面と前記第1の電極との距離が、前記音響整合部材中を伝達する超音波の波長の1/4となるように形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項5に記載の発明によれば、音響整合部材は、受信面と第1の電極との距離が、音響整合部材中を伝達する超音波の波長の1/4程度となるように形成されているため、音響整合部材に受信した超音波による定在波を発生させることができるので、振動の音圧を高くすることができ、超音波の検出感度を向上させることができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、複数の前記音響整合部材と前記圧電素子との組がアレイ状に配置されて設けられている、という技術的手段を用いる。
請求項6に記載の発明のように、本発明は、複数の音響整合部材と圧電素子との組がアレイ状に配置された超音波センサにも適用することができる。当該超音波センサは、複数の音響整合部材と圧電素子との組を有するため、各圧電素子で受信した超音波の時間差または位相差を求めることにより、その各差に基づいて、被検出体との距離だけでなく、被検出体の位置も測定することができる。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の超音波センサにおいて、前記音響整合部材と前記圧電素子との各組が、前記音響整合部材に生じる定在波の節部近傍に設けられた固定部で互いに固定されている、という技術的手段を用いる。
請求項7に記載の発明によれば、音響整合部材と圧電素子との各組が、音響整合部材に生じる定在波の節部近傍に設けられた固定部で互いに固定されているため、固定部での拘束による超音波振動の減衰を小さくすることができ、信号強度を高くすることができ、超音波の検出感度を向上させることができる。また、受信面が各組で分離して配置されるため、各組でのクロストークが生じないので、超音波の検出感度を向上させることができる。
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記音響整合部材は、ポリカーボネート系樹脂により形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項8に記載の発明のように、音響整合部材を、ポリカーボネート系樹脂により形成すると、音響整合部材内の音速の温度変化が小さいため、温度変化に伴う超音波の波長の変化を小さくすることができるので、振動の伝達を安定して行うことができる。
また、ポリカーボネート系樹脂はインサート成形に好適に用いることができるので、音響整合部材を容易に作製することができる。
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記圧電素子は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系材料により形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項9に記載の発明のように、圧電素子を、圧電定数の大きいチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いて形成することにより、音圧が低い超音波の受信をすることができ、超音波センサの感度を向上させることができる。
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記圧電素子は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料により形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項10に記載の発明のように、圧電素子を、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料を用いて形成することにより、音響整合部材との音響インピーダンスの差を小さくすることができるので、超音波振動の減衰を小さくすることができる。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料は樹脂材料であるため、音響整合部材のインサート成形が容易であり、好適に用いることができる。
請求項11に記載の発明では、請求項1ないし請求項10のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記圧電素子は、前記音響整合部材のインサート成形後に分極処理を行うことにより所望の圧電特性を発現するように形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項11に記載の発明によれば、圧電素子を、音響整合部材のインサート成形後に分極処理を行うことにより所望の圧電特性を発現するように形成することができる。これにより、インサート成形時の加熱により圧電素子の圧電特性が低下または消失することを避けることができる、もしくは圧電特性が低下または消失した場合でも、分極処理を行うことにより、圧電特性を回復して、所望の圧電特性を発現させることができる。
請求項12に記載の発明では、請求項2に記載の超音波センサにおいて、前記音響整合部材は、前記圧電素子を挟んで対称形状に形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項12に記載の発明のように、音響整合部材は、圧電素子を挟んで対称形状に形成されているため、音響整合部材が圧電素子に対して対称に振動するので、振動が安定するとともに、感度または音圧を向上させることができる。
請求項13に記載の発明では、圧電体を対向する第1の電極と第2の電極とにより挟み込んで形成され、超音波を送信する送信素子から送信され被検出体にて反射された超音波を検出する圧電素子と、前記被検出体にて反射された超音波を受信する受信面が前記被検出体の存在する空間側に露出し、前記受信面で受信した超音波を前記圧電素子に伝達する音響整合部材と、前記圧電素子と電気的に接続され、前記圧電素子から出力される電圧信号を処理する回路素子と、を備えた超音波センサにおいて、前記圧電素子は、前記第1の電極に隣接する側面を前記受信面に対向して配置されており、前記音響整合部材は、インサート成形により、少なくとも前記側面と前記第1の電極と前記第2の電極とを覆って前記圧電素子を埋め込むとともに、前記圧電素子と前記回路素子とを電気的に接続する配線の少なくとも一部を埋め込んで形成されている、という技術的手段を用いる。
請求項13に記載の発明のように、音響整合部材が、インサート成形により、少なくとも第1の電極に隣接する側面と第1の電極と第2の電極とを覆って圧電素子を埋め込むとともに、圧電素子と回路素子とを電気的に接続する配線の少なくとも一部を埋め込んで形成されている構成を用いることができる。この構成によれば、第1の電極と、第2の電極と、圧電素子と回路素子とを電気的に接続する配線及びその接続部とを、圧電素子を劣化させる水分など環境因子から遮断することができるので、超音波の検出精度を確保することができ、超音波センサの信頼性を向上させることができる。つまり、超音波センサの耐環境性を向上させることができる。
また、圧電素子が音響整合部材に埋め込まれて保持されているため、音響整合部材の受信面に小石などの飛来物の衝突などにより衝撃が加えられたような場合でも、圧電素子が変位するのを拘束するため、圧電素子の割れや、圧電素子が音響整合部材から脱離するような破壊を防ぐことができる。つまり、超音波センサの耐衝撃性を向上させることができる。
請求項14に記載の発明では、請求項1ないし請求項13のいずれか1つに記載の超音波センサにおいて、前記圧電素子は、超音波を送信する送信素子として作動するとともに、前記圧電素子が送信素子として作動するときに、前記回路素子は、前記圧電素子が送信する超音波を制御する電圧信号を前記圧電素子に対して出力し、前記音響整合部材は、前記圧電素子から送信された超音波を前記受信面から前記被検出体の存在する空間側に送信する、という技術的手段を用いる。
請求項14に記載の発明のように、本発明の超音波センサの圧電素子は、超音波を送信する送信素子として作動させることができる。これによれば、送信素子を別に設ける必要がないので、超音波センサの体格を小型化することができる。
[第1実施形態]
この発明に係る超音波センサの第1実施形態について、図を参照して説明する。ここでは、超音波センサを車両に搭載して障害物センサとして使用する場合を例に説明する。
図1は、第1実施形態の超音波センサの説明図である。図1(A)は、第1実施形態の超音波センサを音響整合部材側から見た平面説明図であり、図1(B)は、図1(A)のA−A矢視断面図である。
ここで、図1(A)の手前側及び図1(B)の上方向が車両の外部を示す。なお、各図では、説明のために一部を拡大し、一部を省略して示している。
図1(A)及び(B)に示すように、超音波センサ10は、超音波送信素子から車両前方に送信され、車両前方に存在する被検出体(障害物)で反射された超音波を検出する圧電素子11と、超音波を受信し、圧電素子11に対し振動を伝達する音響整合部材12と、外部からの音響整合部材12への振動の伝達を防止する振動減衰部材13と、圧電素子11から出力される電圧信号を検知する回路素子19とを備えている。
超音波センサ10は、少なくとも一端が開口した箱状の筐体71に収容され、車両の所定の位置、本実施形態ではバンパ90に取り付けられている。超音波センサ10は、超音波を受信する受信面12aをバンパ90の外部に露出させた状態で、音響整合部材12の受信面12a近傍の側面12cにおいて振動減衰部材13を介在して筐体71の開口部に固定されている。また、回路素子19は、筐体71の底部71aに固定されている。
超音波センサ10は、超音波送信素子により送信され、被検出体により反射された超音波を、音響整合部材12の受信面12aにおいて受信する。受信面12aにおいて受信された超音波は、音響整合部材12を介して、圧電素子11に伝達される。圧電素子11に伝達された超音波は、圧電素子11により検出され、電圧信号に変換される。
回路素子19は、ECU(Electronic Control Unit:図示せず)に電気的に接続されており、圧電素子11から入力された電圧信号に基づいて演算処理を行い、電気的に接続されているECUに対して振動信号として出力する。これにより、例えば、送信した超音波と受信した超音波との時間差や位相差を求めることにより、障害物との距離測定などを行うことができる。
圧電素子11は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる四角柱状に形成された圧電体を、対向する面において、PtやCuのスパッタ、めっき、導電ペーストの焼き付けなどにより形成された1組の電極により挟んで形成されている。ここで、圧電素子11を音響整合部材12の受信面12a側に形成された電極を第1電極14、第1電極14に対向して形成された電極を第2電極15とする。
第1電極14には、ボンディングワイヤ16aを介してリードフレーム16bの一端が接続されており、リードフレーム16bの他端には超音波センサ10の外部と接続可能なパッド16cが設けられている。
第2電極15には、電極部材18aがはんだなどの導電材料を介して接続されており、電極部材18aは、ボンディングワイヤ18bを介して超音波センサ10の外部と接続可能なパッド17bと電気的に接続されている。
圧電素子11は、パッド17a及びパッド17bを介して、リード線72、73により回路素子19と電気的に接続されている。
音響整合部材12は、圧電素子11より音響インピーダンスが小さい樹脂材料を用いて、インサート成形により圧電素子11が埋め込まれて外形が四角柱状に形成されている。本実施形態では、音響整合部材12は、ポリカーボネート系樹脂により形成されている。ポリカーボネート系樹脂は音響整合部材12内の音速の温度変化が小さいため、温度変化に伴う超音波の波長の変化を小さくすることができる。
音響整合部材12には、第1電極14に接続される配線を構成するボンディングワイヤ16a及びリードフレーム16bと、第2電極15に接続される配線を構成する電極部材18a及びボンディングワイヤ18bとが封入されている。
パッド17a及びパッド17bは、受信面12aに対向する底面12b上に設けられている。
音響整合部材12は、幅Wが超音波の空気中における波長の半分以下になるように形成されている。また、受信面12aと第1電極14は平行であり、その距離Lが超音波の音響整合部材12中における波長の1/4程度となるように形成されている。
音響整合部材12の厚さTを超音波の波長の1/4程度となるように形成することにより、音響整合部材12内で定在波を発生させることができる。これにより、音響整合部材12内に入射した超音波と、音響整合部材12と圧電素子11との界面において反射された超音波とが干渉して互いに打ち消し合うことを低減することができるので、圧電素子11に効率よく超音波を伝達することができる。
音響整合部材12に圧電素子11をインサート成形するには、成形金型内に、第1電極14に接続される配線を構成するボンディングワイヤ16a及びリードフレーム16bと、第2電極15に接続される配線を構成する電極部材18a及びボンディングワイヤ18bとが形成された圧電素子11を配置、固定した後に、射出成形、トランスファー成形などの公知の方法により熱硬化性樹脂、本実施形態ではポリカーボネート系樹脂を射出して行う。
ここで、インサート成形時の加熱により圧電素子11の圧電特性が低下または消失することがある。その場合には、インサート成形後に所定の温度と電圧を印加するなど公知の方法により分極処理を行うことにより、所定の圧電特性を回復させることができる。
また、インサート成形前に圧電素子11に分極処理を行わずに、インサート成形後に初めて分極処理を行う構成を用いることもできる。
上述の構成によれば、圧電素子11の第1電極14及び第2電極15と、各電極に接続される配線及びその接続部とを音響整合部材12に埋め込むことにより、圧電素子11を劣化させる水分など環境因子から遮断することができるので、超音波の検出精度を確保することができ、超音波センサ10の信頼性を向上させることができる。つまり、超音波センサ10の耐環境性を向上させることができる。
圧電素子11が音響整合部材12に埋め込まれて保持されているため、音響整合部材12の受信面12aに小石などの飛来物の衝突などにより衝撃が加えられたような場合でも、圧電素子11が変位するのを拘束するため、圧電素子11の割れや、圧電素子11が音響整合部材12から脱離するような破壊を防ぐことができる。つまり、超音波センサ10の耐衝撃性を向上させることができる。
また、圧電素子11などの位置決めを行ってからインサート成形を行うため、位置決め精度が高い超音波センサ10を形成することができる。
音響整合部材12の側面12cと筐体71との間には、音響整合部材12を側面12cにおいて筐体71に固定するとともに、バンパ90からの振動の伝達を防止する振動減衰部材13が介在している。
振動減衰部材13は、接着材などで音響整合部材12の側面12c及び筐体71の内側面71bに固定されている。固定方法は接着固定、2色成形などによる一体成形または挟みこみや組み合わせといった構造的な固定方法が用いられている。
振動減衰部材13は、音響整合部材12より音響インピーダンスが小さく、減衰定数が高い材料、例えば、シリコンゴムにより形成されている。更に、音響整合部材12には、弾性率が低い材料及び密度が小さい材料が好適に用いられる。例えば、ゴム系材料、発泡樹脂などの気孔を含む樹脂、スポンジなどを用いることができる。
このような材料により形成された振動減衰部材13が、バンパ90と音響整合部材12との間に介在することにより、超音波がバンパ90から音響整合部材12の側面12cに伝達されてノイズの原因となることを防止することができる。
また、弾性率が低い材料では、超音波による音響整合部材12の振動を拘束する力が小さいため、超音波振動の減衰を小さくすることができる。
これにより、超音波のノイズを低減し、振動の減衰を小さくすることができるので、超音波の検出感度を向上させることができる。
音響整合部材12の形状は、四角柱状に限らず、例えば、円柱でもよい。また、音響整合部材12の幅Wを超音波の波長の半分以下となるように形成することにより、後述する第5実施形態に示すように複数の超音波センサ10をアレイ状に配置して用いる場合に、音響整合部材12の中央部の間隔が空気中を伝達する超音波の波長の1/2以下とすることにより検出精度が高い配置を行うことができる。音響整合部材12の幅Wは超音波の空気中における波長の半分以下でない場合においても、音響整合部材として作用する。
本実施形態では、音響整合部材12をポリカーボネート系樹脂により作製したが、ポリエーテルイミド系樹脂、エポキシ樹脂などを用いて作製することもできる。
また、第2電極15とパッド17bとの間に電極部材18aを介在させた構成を用いたが、ボンディングワイヤ18bにより直接接続してもよい。
圧電素子11は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料を用いて形成することもできる。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料は樹脂材料であるため、音響整合部材12との音響インピーダンスの差を小さくすることができるので、超音波振動の減衰を小さくすることができる。また、音響整合部材12のインサート成形が容易であり、好適に用いることができる。ここで、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料の音響インピーダンスが音響整合部材12の音響インピーダンスと等しいまたはほぼ等しい場合には、圧電素子11まで含めた長さを波長の1/2程度にすることが好ましい。
図1(B)では、パッド17a、17bの全体が表出する構成が図示されているが、パッド17a、17bはインサート成形により、表面部だけが表出するように設けてもよい。
圧電素子11は、超音波を送信する送信素子として作動させることができる。これによれば、送信素子を別に設ける必要がないので、超音波センサ10の体格を小型化することができる。
圧電素子11を送信素子として作動させる、つまり、超音波センサ10から超音波を送信する時には、回路素子18は、ECUから出力された、発振する超音波の音圧、位相を制御する制御信号に基づいて、圧電素子11pに対して電圧信号を出力する。この電圧信号に基づいて圧電素子11pが振動し、所定の音圧、位相の超音波を発振する。圧電素子11pにより発振された超音波は、音響整合部材12pに伝達され、受信面12aから車両外部へ送信される。
ここで、圧電素子11は、送信のみ行う素子として用いることもできる。複数の素子を用いる場合に、特定の素子を送信素子とすることにより、送信および受信の回路を分けることができるため、回路構成を単純化できる。また、受信素子は送信時の残響の影響を受けないため、近距離の障害物からの反射波を受信することができる。
[第1実施形態の効果]
(1)本実施形態の超音波センサ10によれば、音響整合部材12は、インサート成形により、少なくとも、第1電極14と、第1電極14に隣接する側面11aの一部と、を覆って圧電素子11を埋め込む、本実施形態では、圧電素子11の全面を覆って埋め込むとともに、圧電素子11と回路素子19とを電気的に接続する配線、つまり、第1電極14と接続される配線及び第2電極15と接続される配線の少なくとも一部を埋め込んで形成されているため、第1電極14、第2電極15、第1電極14と接続される配線及びその接続部、第2電極15と接続される配線及びその接続部を、水分など環境因子から遮断することができるので、超音波の検出精度を確保することができ、超音波センサの信頼性を向上させることができる。つまり、超音波センサ10の耐環境性を向上させることができる。
圧電素子11が音響整合部材12に埋め込まれて保持されているため、音響整合部材12の受信面12aに小石などの飛来物の衝突などにより衝撃が加えられたような場合でも、圧電素子11が変位するのを拘束するため、圧電素子11の割れや、圧電素子11が音響整合部材12から脱離するような破壊を防ぐことができる。つまり、超音波センサ10の耐衝撃性を向上させることができる。
また、圧電素子11などの位置決めを行ってからインサート成形を行うため、位置決め精度が高い超音波センサ10を形成することができる。
(2)音響整合部材12は、受信面12aと第1電極14との距離が、音響整合部材12中を伝達する超音波の波長の1/4程度となるように形成されているため、音響整合部材12内部に受信した超音波による定在波を発生させることができるので、振動の音圧を高くすることができ、超音波の検出感度を向上させることができる。
(3)音響整合部材12を、ポリカーボネート系樹脂により形成すると、音響整合部材12内の音速の温度変化が小さいため、温度変化に伴う超音波の波長の変化を小さくすることができるので、振動の伝達を安定して行うことができる。また、ポリカーボネート系樹脂はインサート成形に好適に用いることができるので、音響整合部材12を容易に作製することができる。
(4)圧電素子11を、圧電定数の大きいチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いて形成することにより、音圧が低い超音波の受信をすることができ、超音波センサ10の感度を向上させることができる。
また、圧電素子11を、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料を用いて形成する構成を用いると、音響整合部材12との音響インピーダンスの差を小さくすることができるので、超音波振動の減衰を小さくすることができる。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料は樹脂材料であるため、音響整合部材12のインサート成形が容易であり、好適に用いることができる。
(5)音響整合部材12のインサート成形後に圧電素子11の分極処理を行うことにより、インサート成形時の加熱により圧電素子11の圧電特性が低下または消失した場合でも、圧電特性を回復して、所望の圧電特性を発現させることができる。
(6)圧電素子11を超音波を送信する送信素子として作動させる構成を用いることができる。これによれば、送信素子を別に設ける必要がないので、超音波センサ10の体格を小型化することができる。
[第2実施形態]
この発明に係る超音波センサの第2実施形態について、図を参照して説明する。図2は、第2実施形態の超音波センサの断面説明図である。図3は、第2実施形態の超音波センサの変更例の断面説明図である。
なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を使用するとともに説明を省略する。
図2に示すように、第2実施形態の超音波センサ20では、圧電素子11から回路素子19への接続をバンプ21及びバンプ22を用いて行う点において、第1実施形態の超音波センサ10と異なっている。
圧電素子11は、第2電極15を底面12bから表出した状態で音響整合部材12に埋め込まれている。第1電極14には、ボンディングワイヤ16aを介してリードフレーム16bの一端が接続されており、リードフレーム16bの他端にはパッド17aが設けられている。ボンディングワイヤ16a及びリードフレーム16bは、音響整合部材12に封入されており、パッド17aは底面12bから表出した状態で音響整合部材12に埋め込まれている。
第2電極15にはバンプ21が、パッド17aにはバンプ22がそれぞれ形成されており、このバンプ21、22により回路素子19が電気的に接続されている。つまり、バンプ21が第2電極15と回路素子19とを接続する配線に相当する。圧電素子11と回路素子19とを接続する配線を短くすることができるので、配線からのノイズを低減して超音波の検出感度を向上させることができる。
また、図3に示すように、第2電極15にバンプ21を形成した圧電素子11を、バンプ21の一部が底面12bから表出するように音響整合部材12にインサート成形してもよい。
ここで、ボンディングワイヤ16aにより第1電極14と電気的に接続されたパッド17aを、音響整合部材12の側面12cに設けることもできる。
本実施形態において、バンプ21の個数及び配置は任意である。複数個のバンプ21を用いた場合には、圧電素子11と回路素子19との平行度、接合強度を向上させることができる。このとき、バンプ21を第2電極15の中央部について対称に配置することが好ましい。
第2電極15と回路素子19との空隙にアンダーフィル23を注入してもよい。アンダーフィル23を用いることにより、耐環境性及び接続強度を向上させることができる。第2電極15と回路素子19との空隙に接着テープなどによりスペーサーを形成して平行度を確保することもできる。
また、リードフレーム16bを第1電極14に直接はんだ付けして接続することができる。第2電極15を回路素子19にダイボンドすることもできる。
[第2実施形態の効果]
(1)本実施形態の超音波センサ20によれば、第1実施形態の超音波センサ10と同様の効果を奏することができるとともに、第2電極15と回路素子19とを接続する配線がバンプ21であるため、配線を短くすることができるので、配線からのノイズを低減して超音波の検出感度を向上させることができる。
[第3実施形態]
この発明に係る超音波センサの第3実施形態について、図を参照して説明する。図4は、第3実施形態の超音波センサの断面説明図である。図5は、第3実施形態の超音波センサの変更例の断面説明図である。
図4に示すように、第3実施形態の超音波センサ30では、第1電極14からボンディングワイヤ16aを介して接続されたパッド17aと、第2電極15から電極部材18a及びボンディングワイヤ18bを介して接続されたパッド17bが音響整合部材12の側面12cに設けられており、筐体71の内側面71bに配置された回路素子19にリード線72、73により電気的に接続されている。
これによれば、筐体71の内側面71bに回路素子19を配置することができ、設計の自由度を高めることができる。
また、図5に示すように、音響整合部材12を圧電素子11に対して対称になるように形成することもできる。つまり、底面12bと第2電極15は平行であり、その距離が超音波の音響整合部材12中における波長の1/4程度となるように形成されている。
この構成を用いると、音響整合部材12が圧電素子11に対して対称に振動するため、振動が安定するとともに、音圧を向上させることができる。
このとき受信面の溝を節部を保持している材料より弾性率の小さい材料によって封止することにより、検知精度にほぼ影響を与えない状態で、溝部への侵入物を防止できるため、耐環境性が向上する。
ここで、第1実施形態の超音波センサ10及び第2実施形態の超音波センサ20では、音響整合部材12は、受信面12a近傍の側面12cにおいて振動減衰部材13を介在して筐体71の開口部に固定されているが、音響整合部材12の長手方向の中央部で固定することもできる。この構成によれば、定在波の振動の節となる音響整合部材12の長手方向の中央部で音響整合部材12を固定するため、固定部が超音波検出素子の振動を拘束することがなく、振動の減衰を小さくすることができるので、信号強度を高くすることができ、検出感度を向上させることができる。
[第3実施形態の効果]
(1)本実施形態の超音波センサ30によれば、第1実施形態の超音波センサ10と同様の効果を奏することができるとともに、パッド17a及びパッド17bが音響整合部材12の側面12cに設けられているため、筐体71の内側面71bに回路素子19を配置することができ、設計の自由度を高めることができる。
(2)音響整合部材12を圧電素子11を挟んで対称になるように形成する構成では、音響整合部材12が圧電素子11に対して対称に振動するため、振動が安定するとともに、感度または音圧を向上させることができる。
[第4実施形態]
この発明に係る超音波センサの第4実施形態について、図を参照して説明する。図6は、第4実施形態の超音波センサの断面説明図である。図7は、第4実施形態の超音波センサの変更例の断面説明図である。
図6に示すように、第4実施形態の超音波センサ40では、第2実施形態の超音波センサ20において、回路素子19も音響整合部材12に埋め込まれた構成が用いられている。回路素子19には、ECUなどの外部装置に接続するための配線であるボンディングワイヤ41とパッド42とが形成されている。配線としては、バンプリードフレームなどを採用することもできる。
超音波センサ40では、音響整合部材12は、回路素子19を埋め込んで形成されているため、圧電素子11、配線に加えて回路素子19の耐環境性及び耐衝撃性を向上させることができる。
また、回路素子19を圧電素子11の近くに配置することができるため、配線を短くすることができるので、配線からのノイズを低減して超音波の検出感度を向上させることができる。
図7に示すように、第1電極14及び第2電極15の一部を側面11aに延長して形成し、その延長部分においてバンプ21を介して回路素子19を接続する構成を用いることもできる。回路素子19には、ECUなどの外部装置に接続するための配線であるボンディングワイヤ41と外部配線43とが形成されている。
この構成を用いると、上述の構成の効果を奏することができるとともに、配線を少なくすることができる。
[第4実施形態の効果]
本実施形態の超音波センサ40によれば、第1実施形態の超音波センサ10と同様の効果を奏することができるとともに、音響整合部材12は、回路素子19を埋め込んで形成されているため、圧電素子11、配線に加えて回路素子19の耐環境性及び耐衝撃性を向上させることができる。
[第5実施形態]
この発明に係る超音波センサの第5実施形態について、図を参照して説明する。図8は、第5実施形態の超音波センサの断面説明図である。
本実施形態の超音波センサ50では、複数組の音響整合部材12及び圧電素子11がアレイ状に並んで配置されている。図8に示すように、本実施形態では、横方向に2組、図示しない奥行き方向に2組ずつ計4組の音響整合部材12及び圧電素子11、ここでは第2実施形態の超音波センサ20の音響整合部材12及び圧電素子11が配置され、被検出体の位置の3次元検知が可能な超音波センサ50が構成されている。
各音響整合部材12は、受信面12aがスリット12eで分離され、定在波の振動の節N近傍において固定部12dにより互いに接続されて固定されている。これにより、固定部12dでの拘束による超音波振動の減衰を小さくすることができ、信号強度を高くすることができ、超音波の検出感度を向上させることができる。
また、スリット12eの受信面12a側の開口部は、音響整合部材12より弾性率が低いゴムやゲルなどの材料からなる充填材51により目封じされている。これにより、超音波の伝達を阻害せずに、水分や異物の侵入などを防ぐことができる。
各圧電素子11は、同一の回路素子19に電気的に接続されている。なお、回路素子19は、各圧電素子11に設けることもできる。
音響整合部材12及び圧電素子11の組は、4つの圧電素子11をインサート成形により1つの音響整合部材により埋め込んだ後に、固定部12dのみを残して超音波の伝達方向にスリット12eを形成することにより形成することができる。
この製造方法によれば、個別に音響整合部材12及び圧電素子11の組を形成して固定部12dにより固定する製造方法に比べて、製造工程を削減することができるとともに、音響整合部材12及び圧電素子11の組の位置決め精度を向上させることができる。
超音波センサ50は、複数組の音響整合部材12及び圧電素子11を備えることにより、各圧電素子11で受信した超音波の時間差または位相差を求めることによって、その各差に基づいて、被検出体との距離だけでなく、被検出体の位置も測定することができる。
各音響整合部材12は、幅Wが超音波の空気中における波長の半分以下となるように形成され、互いに隣り合った各音響整合部材12の中心部の間隔dが、超音波の半波長にほぼ等しくなるように配置されている。
このように各音響整合部材12を構成すると、受信した超音波の位相差からも時間差を検出することができるので、受信した超音波の時間差を精度良く検出することができ、被検出体との距離及び位置の測定精度を向上させることができる。
なお、幅Wが超音波の空気中における波長の半分以下でない場合においても、被検出体の位置の3次元検知に用いることができる。
各音響整合部材12の受信面12aはスリット12eにより分離して配置されるため、各組でのクロストークが生じないので、超音波の検出感度を向上させることができる。
固定部12dは、底面12b近傍に設けることもできる。また、固定部12dを振動減衰部材13と同様の材料により形成する場合には、受信面12a近傍で各音響整合部材12を固定することもできる。
複数組の音響整合部材12及び圧電素子11の構成は、上述の構成に限定されるものではなく、第1ないし第4実施形態の超音波センサの構成を用いることができる。
また、音響整合部材12及び圧電素子11の数及び配置は、用途に応じて任意である。例えば、2次元検知を行うなら、音響整合部材12及び圧電素子11の組を2組用意すればよい。
[第5実施形態の効果]
(1)本実施形態の超音波センサ50によれば、第1実施形態の超音波センサ10と同様の効果を奏することができるとともに、複数の音響整合部材12と圧電素子11との組を有するため、各圧電素子11で受信した超音波の時間差または位相差を求めることにより、その各差に基づいて、被検出体との距離だけでなく、被検出体の位置も測定することができる。
(2)音響整合部材12と圧電素子11との各組が、音響整合部材12に生じる定在波の節部N近傍に設けられた固定部12dでのみ互いに固定される構成を用いると、固定部12dでの拘束による超音波振動の減衰を小さくすることができ、信号強度を高くすることができ、超音波の検出感度を向上させることができる。また、受信面12aが各組で分離して配置されており、振幅の小さい節部で保持されることにより各組でのクロストークが生じないので、超音波の検出感度を向上させることができる。
[その他の実施形態]
(1)圧電素子11と回路素子19とを接続する配線を導電性樹脂材料または導電性ゴムにより形成してもよい。例えば、第3実施形態の超音波センサ30において、ボンディングワイヤ16a、電極部材18a及びボンディングワイヤ18bに代えて、導電性樹脂材料による配線を形成することができる。この構成を用いると、インサート成形時に2色成形により配線を形成することなどが可能であるため、配線を少なくするとともに、工程を簡略化することができる。
(2)図9に示すように、超音波センサ60において、第1電極14に隣接する側面11aが受信面12aに対向して配置されるように圧電素子11が音響整合部材12に埋め込まれている構成を用いることができる。
本実施形態の超音波センサ60によれば、第1実施形態の超音波センサ10と同様の効果を奏することができる。
更に、圧電体は、分極処理を行う関係上、第1電極14と第2電極15とが対向して形成される圧電定数が大きい方向の厚さに制限があるが、本実施形態の超音波センサ60によれば、第1電極14に隣接する寸法に制限のない方向に形成される側面11aで超音波を受信するため、圧電素子11の寸法を超音波の伝達方向に大きくすることができ、検出感度を向上させることができる。
(3)圧電素子11として、受信だけでなく、送受信可能な圧電素子を用いることもできる。
(4)音響整合部材12と筐体71の空間の一部もしくはすべてを弾性材料でおおう構成を用いることもできる。例えば、図10に示すように、音響整合部材12の底面12bと筐体71の底部71aとの間と、音響整合部材12の側面12cと筐体71の内側面71bとの間の一部とを充填する弾性部材70を設けることができる。これにより、音響整合部材12に衝撃が加わった際に、弾性材料によって衝撃を吸収することができるため、耐衝撃性を向上させることができる。
第1実施形態の超音波センサの説明図である。図1(A)は、第1実施形態の超音波センサを音響整合部材側から見た平面説明図であり、図1(B)は、図1(A)のA−A矢視断面図である。 第2実施形態の超音波センサの断面説明図である。 第2実施形態の超音波センサの変更例の断面説明図である。 第3実施形態の超音波センサの断面説明図である。 第3実施形態の超音波センサの変更例の断面説明図である。 第4実施形態の超音波センサの断面説明図である。 第4実施形態の超音波センサの変更例の断面説明図である。 第5実施形態の超音波センサの断面説明図である。 その他の実施形態の超音波センサの断面説明図である。 弾性部材を設けた超音波センサの断面説明図である。
符号の説明
10 超音波センサ
11 圧電素子
11a 側面
12 音響整合部材
12a 受信面
12c 側面
12d 固定部
14 第1電極(第1の電極)
15 第2電極(第2の電極)
19 回路素子
21 バンプ
N 定在波の節部

Claims (14)

  1. 圧電体を一組の電極により挟み込んで形成され、超音波を送信する送信素子から送信され被検出体にて反射された超音波を検出する圧電素子と、前記第1の電極と対向して形成され前記被検出体にて反射された超音波を受信する受信面が前記被検出体の存在する空間側に露出し、前記受信面で受信した超音波を前記第1の電極から前記圧電素子に伝達する音響整合部材と、前記圧電素子と電気的に接続され、前記圧電素子から出力される電圧信号を処理する回路素子と、を備えた超音波センサにおいて、
    前記音響整合部材は、インサート成形により、少なくとも、前記第1の電極と、前記第1の電極に隣接する側面の一部と、を覆って前記圧電素子を埋め込むとともに、前記圧電素子と前記回路素子とを電気的に接続する配線の少なくとも一部を埋め込んで形成されていることを特徴とする超音波センサ。
  2. 前記音響整合部材は、前記圧電素子の全面を覆って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
  3. 前記第2の電極と前記回路素子とを接続する配線がバンプであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波センサ。
  4. 前記音響整合部材は、前記回路素子を埋め込んで形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の超音波センサ。
  5. 前記音響整合部材は、前記受信面と前記第1の電極との距離が、前記音響整合部材中を伝達する超音波の波長の1/4となるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の超音波センサ。
  6. 複数の前記音響整合部材と前記圧電素子との組がアレイ状に配置されて設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の超音波センサ。
  7. 前記音響整合部材と前記圧電素子との各組が、前記音響整合部材に生じる定在波の節部近傍に設けられた固定部で互いに固定されていることを特徴とする請求項6に記載の超音波センサ。
  8. 前記音響整合部材は、ポリカーボネート系樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の超音波センサ。
  9. 前記圧電素子は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系材料により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波センサ。
  10. 前記圧電素子は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波センサ。
  11. 前記圧電素子は、前記音響整合部材のインサート成形後に分極処理を行うことにより所望の圧電特性を発現するように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1つに記載の超音波センサ。
  12. 前記音響整合部材は、前記圧電素子を挟んで対称形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の超音波センサ。
  13. 圧電体を対向する第1の電極と第2の電極とにより挟み込んで形成され、超音波を送信する送信素子から送信され被検出体にて反射された超音波を検出する圧電素子と、前記被検出体にて反射された超音波を受信する受信面が前記被検出体の存在する空間側に露出し、前記受信面で受信した超音波を前記圧電素子に伝達する音響整合部材と、前記圧電素子と電気的に接続され、前記圧電素子から出力される電圧信号を処理する回路素子と、を備えた超音波センサにおいて、
    前記圧電素子は、前記第1の電極に隣接する側面を前記受信面に対向して配置されており、
    前記音響整合部材は、インサート成形により、少なくとも前記側面と前記第1の電極と前記第2の電極とを覆って前記圧電素子を埋め込むとともに、前記圧電素子と前記回路素子とを電気的に接続する配線の少なくとも一部を埋め込んで形成されていることを特徴とする超音波センサ。
  14. 前記圧電素子は、超音波を送信する送信素子として作動するとともに、前記圧電素子が送信素子として作動するときに、前記回路素子は、前記圧電素子が送信する超音波を制御する電圧信号を前記圧電素子に対して出力し、前記音響整合部材は、前記圧電素子から送信された超音波を前記受信面から前記被検出体の存在する空間側に送信することを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1つに記載の超音波センサ。
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