JP2009049776A - 超音波センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 超音波センサ10は、障害物で反射された超音波を検出する圧電素子11と、超音波を受信し、圧電素子11に振動を伝達する音響整合部材12とを備えている。音響整合部材12は、圧電素子11より音響インピーダンスが小さい樹脂材料を用いて、圧電素子11と、第1電極14及び第2電極15に接続される配線とが、インサート成形により埋め込まれて形成されている。この構成によれば、圧電素子11と各電極に接続される配線及びその接続部とを、水分など環境因子から遮断することができるので、超音波センサ10の耐環境性を向上させることができる。また、音響整合部材12の受信面12aに衝撃が加えられたような場合でも、圧電素子11の破壊を防ぐことができる。
【選択図】 図1
Description
このような超音波センサとして、医療分野で用いられるエコー診断機で利用されているものがあり、例えば、特許文献1には、超音波を送受波する圧電振動子と音響整合層とを備え、この音響整合層下に共通電極を介して2次元的に圧電振動子を積層して配列した超音波プローブが開示されている。
また、圧電素子が音響整合部材に埋め込まれて保持されているため、音響整合部材の受信面に小石などの飛来物の衝突などにより衝撃が加えられたような場合でも、圧電素子が変位するのを拘束するため、圧電素子の割れや、圧電素子が音響整合部材から脱離するような破壊を防ぐことができる。つまり、超音波センサの耐衝撃性を向上させることができる。
当該配線として、複数個のバンプを用いた場合には、圧電素子と回路素子との平行度、接合強度を向上させることができる。
また、ポリカーボネート系樹脂はインサート成形に好適に用いることができるので、音響整合部材を容易に作製することができる。
また、圧電素子が音響整合部材に埋め込まれて保持されているため、音響整合部材の受信面に小石などの飛来物の衝突などにより衝撃が加えられたような場合でも、圧電素子が変位するのを拘束するため、圧電素子の割れや、圧電素子が音響整合部材から脱離するような破壊を防ぐことができる。つまり、超音波センサの耐衝撃性を向上させることができる。
この発明に係る超音波センサの第1実施形態について、図を参照して説明する。ここでは、超音波センサを車両に搭載して障害物センサとして使用する場合を例に説明する。
図1は、第1実施形態の超音波センサの説明図である。図1(A)は、第1実施形態の超音波センサを音響整合部材側から見た平面説明図であり、図1(B)は、図1(A)のA−A矢視断面図である。
ここで、図1(A)の手前側及び図1(B)の上方向が車両の外部を示す。なお、各図では、説明のために一部を拡大し、一部を省略して示している。
第2電極15には、電極部材18aがはんだなどの導電材料を介して接続されており、電極部材18aは、ボンディングワイヤ18bを介して超音波センサ10の外部と接続可能なパッド17bと電気的に接続されている。
圧電素子11は、パッド17a及びパッド17bを介して、リード線72、73により回路素子19と電気的に接続されている。
パッド17a及びパッド17bは、受信面12aに対向する底面12b上に設けられている。
ここで、インサート成形時の加熱により圧電素子11の圧電特性が低下または消失することがある。その場合には、インサート成形後に所定の温度と電圧を印加するなど公知の方法により分極処理を行うことにより、所定の圧電特性を回復させることができる。
また、インサート成形前に圧電素子11に分極処理を行わずに、インサート成形後に初めて分極処理を行う構成を用いることもできる。
また、圧電素子11などの位置決めを行ってからインサート成形を行うため、位置決め精度が高い超音波センサ10を形成することができる。
振動減衰部材13は、接着材などで音響整合部材12の側面12c及び筐体71の内側面71bに固定されている。固定方法は接着固定、2色成形などによる一体成形または挟みこみや組み合わせといった構造的な固定方法が用いられている。
このような材料により形成された振動減衰部材13が、バンパ90と音響整合部材12との間に介在することにより、超音波がバンパ90から音響整合部材12の側面12cに伝達されてノイズの原因となることを防止することができる。
また、弾性率が低い材料では、超音波による音響整合部材12の振動を拘束する力が小さいため、超音波振動の減衰を小さくすることができる。
これにより、超音波のノイズを低減し、振動の減衰を小さくすることができるので、超音波の検出感度を向上させることができる。
また、第2電極15とパッド17bとの間に電極部材18aを介在させた構成を用いたが、ボンディングワイヤ18bにより直接接続してもよい。
圧電素子11を送信素子として作動させる、つまり、超音波センサ10から超音波を送信する時には、回路素子18は、ECUから出力された、発振する超音波の音圧、位相を制御する制御信号に基づいて、圧電素子11pに対して電圧信号を出力する。この電圧信号に基づいて圧電素子11pが振動し、所定の音圧、位相の超音波を発振する。圧電素子11pにより発振された超音波は、音響整合部材12pに伝達され、受信面12aから車両外部へ送信される。
ここで、圧電素子11は、送信のみ行う素子として用いることもできる。複数の素子を用いる場合に、特定の素子を送信素子とすることにより、送信および受信の回路を分けることができるため、回路構成を単純化できる。また、受信素子は送信時の残響の影響を受けないため、近距離の障害物からの反射波を受信することができる。
(1)本実施形態の超音波センサ10によれば、音響整合部材12は、インサート成形により、少なくとも、第1電極14と、第1電極14に隣接する側面11aの一部と、を覆って圧電素子11を埋め込む、本実施形態では、圧電素子11の全面を覆って埋め込むとともに、圧電素子11と回路素子19とを電気的に接続する配線、つまり、第1電極14と接続される配線及び第2電極15と接続される配線の少なくとも一部を埋め込んで形成されているため、第1電極14、第2電極15、第1電極14と接続される配線及びその接続部、第2電極15と接続される配線及びその接続部を、水分など環境因子から遮断することができるので、超音波の検出精度を確保することができ、超音波センサの信頼性を向上させることができる。つまり、超音波センサ10の耐環境性を向上させることができる。
圧電素子11が音響整合部材12に埋め込まれて保持されているため、音響整合部材12の受信面12aに小石などの飛来物の衝突などにより衝撃が加えられたような場合でも、圧電素子11が変位するのを拘束するため、圧電素子11の割れや、圧電素子11が音響整合部材12から脱離するような破壊を防ぐことができる。つまり、超音波センサ10の耐衝撃性を向上させることができる。
また、圧電素子11などの位置決めを行ってからインサート成形を行うため、位置決め精度が高い超音波センサ10を形成することができる。
また、圧電素子11を、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料を用いて形成する構成を用いると、音響整合部材12との音響インピーダンスの差を小さくすることができるので、超音波振動の減衰を小さくすることができる。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料は樹脂材料であるため、音響整合部材12のインサート成形が容易であり、好適に用いることができる。
この発明に係る超音波センサの第2実施形態について、図を参照して説明する。図2は、第2実施形態の超音波センサの断面説明図である。図3は、第2実施形態の超音波センサの変更例の断面説明図である。
なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を使用するとともに説明を省略する。
ここで、ボンディングワイヤ16aにより第1電極14と電気的に接続されたパッド17aを、音響整合部材12の側面12cに設けることもできる。
第2電極15と回路素子19との空隙にアンダーフィル23を注入してもよい。アンダーフィル23を用いることにより、耐環境性及び接続強度を向上させることができる。第2電極15と回路素子19との空隙に接着テープなどによりスペーサーを形成して平行度を確保することもできる。
また、リードフレーム16bを第1電極14に直接はんだ付けして接続することができる。第2電極15を回路素子19にダイボンドすることもできる。
(1)本実施形態の超音波センサ20によれば、第1実施形態の超音波センサ10と同様の効果を奏することができるとともに、第2電極15と回路素子19とを接続する配線がバンプ21であるため、配線を短くすることができるので、配線からのノイズを低減して超音波の検出感度を向上させることができる。
この発明に係る超音波センサの第3実施形態について、図を参照して説明する。図4は、第3実施形態の超音波センサの断面説明図である。図5は、第3実施形態の超音波センサの変更例の断面説明図である。
これによれば、筐体71の内側面71bに回路素子19を配置することができ、設計の自由度を高めることができる。
この構成を用いると、音響整合部材12が圧電素子11に対して対称に振動するため、振動が安定するとともに、音圧を向上させることができる。
このとき受信面の溝を節部を保持している材料より弾性率の小さい材料によって封止することにより、検知精度にほぼ影響を与えない状態で、溝部への侵入物を防止できるため、耐環境性が向上する。
(1)本実施形態の超音波センサ30によれば、第1実施形態の超音波センサ10と同様の効果を奏することができるとともに、パッド17a及びパッド17bが音響整合部材12の側面12cに設けられているため、筐体71の内側面71bに回路素子19を配置することができ、設計の自由度を高めることができる。
この発明に係る超音波センサの第4実施形態について、図を参照して説明する。図6は、第4実施形態の超音波センサの断面説明図である。図7は、第4実施形態の超音波センサの変更例の断面説明図である。
超音波センサ40では、音響整合部材12は、回路素子19を埋め込んで形成されているため、圧電素子11、配線に加えて回路素子19の耐環境性及び耐衝撃性を向上させることができる。
また、回路素子19を圧電素子11の近くに配置することができるため、配線を短くすることができるので、配線からのノイズを低減して超音波の検出感度を向上させることができる。
この構成を用いると、上述の構成の効果を奏することができるとともに、配線を少なくすることができる。
本実施形態の超音波センサ40によれば、第1実施形態の超音波センサ10と同様の効果を奏することができるとともに、音響整合部材12は、回路素子19を埋め込んで形成されているため、圧電素子11、配線に加えて回路素子19の耐環境性及び耐衝撃性を向上させることができる。
この発明に係る超音波センサの第5実施形態について、図を参照して説明する。図8は、第5実施形態の超音波センサの断面説明図である。
また、スリット12eの受信面12a側の開口部は、音響整合部材12より弾性率が低いゴムやゲルなどの材料からなる充填材51により目封じされている。これにより、超音波の伝達を阻害せずに、水分や異物の侵入などを防ぐことができる。
各圧電素子11は、同一の回路素子19に電気的に接続されている。なお、回路素子19は、各圧電素子11に設けることもできる。
この製造方法によれば、個別に音響整合部材12及び圧電素子11の組を形成して固定部12dにより固定する製造方法に比べて、製造工程を削減することができるとともに、音響整合部材12及び圧電素子11の組の位置決め精度を向上させることができる。
このように各音響整合部材12を構成すると、受信した超音波の位相差からも時間差を検出することができるので、受信した超音波の時間差を精度良く検出することができ、被検出体との距離及び位置の測定精度を向上させることができる。
なお、幅Wが超音波の空気中における波長の半分以下でない場合においても、被検出体の位置の3次元検知に用いることができる。
また、音響整合部材12及び圧電素子11の数及び配置は、用途に応じて任意である。例えば、2次元検知を行うなら、音響整合部材12及び圧電素子11の組を2組用意すればよい。
(1)本実施形態の超音波センサ50によれば、第1実施形態の超音波センサ10と同様の効果を奏することができるとともに、複数の音響整合部材12と圧電素子11との組を有するため、各圧電素子11で受信した超音波の時間差または位相差を求めることにより、その各差に基づいて、被検出体との距離だけでなく、被検出体の位置も測定することができる。
(1)圧電素子11と回路素子19とを接続する配線を導電性樹脂材料または導電性ゴムにより形成してもよい。例えば、第3実施形態の超音波センサ30において、ボンディングワイヤ16a、電極部材18a及びボンディングワイヤ18bに代えて、導電性樹脂材料による配線を形成することができる。この構成を用いると、インサート成形時に2色成形により配線を形成することなどが可能であるため、配線を少なくするとともに、工程を簡略化することができる。
本実施形態の超音波センサ60によれば、第1実施形態の超音波センサ10と同様の効果を奏することができる。
更に、圧電体は、分極処理を行う関係上、第1電極14と第2電極15とが対向して形成される圧電定数が大きい方向の厚さに制限があるが、本実施形態の超音波センサ60によれば、第1電極14に隣接する寸法に制限のない方向に形成される側面11aで超音波を受信するため、圧電素子11の寸法を超音波の伝達方向に大きくすることができ、検出感度を向上させることができる。
11 圧電素子
11a 側面
12 音響整合部材
12a 受信面
12c 側面
12d 固定部
14 第1電極(第1の電極)
15 第2電極(第2の電極)
19 回路素子
21 バンプ
N 定在波の節部
Claims (14)
- 圧電体を一組の電極により挟み込んで形成され、超音波を送信する送信素子から送信され被検出体にて反射された超音波を検出する圧電素子と、前記第1の電極と対向して形成され前記被検出体にて反射された超音波を受信する受信面が前記被検出体の存在する空間側に露出し、前記受信面で受信した超音波を前記第1の電極から前記圧電素子に伝達する音響整合部材と、前記圧電素子と電気的に接続され、前記圧電素子から出力される電圧信号を処理する回路素子と、を備えた超音波センサにおいて、
前記音響整合部材は、インサート成形により、少なくとも、前記第1の電極と、前記第1の電極に隣接する側面の一部と、を覆って前記圧電素子を埋め込むとともに、前記圧電素子と前記回路素子とを電気的に接続する配線の少なくとも一部を埋め込んで形成されていることを特徴とする超音波センサ。 - 前記音響整合部材は、前記圧電素子の全面を覆って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
- 前記第2の電極と前記回路素子とを接続する配線がバンプであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波センサ。
- 前記音響整合部材は、前記回路素子を埋め込んで形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の超音波センサ。
- 前記音響整合部材は、前記受信面と前記第1の電極との距離が、前記音響整合部材中を伝達する超音波の波長の1/4となるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の超音波センサ。
- 複数の前記音響整合部材と前記圧電素子との組がアレイ状に配置されて設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の超音波センサ。
- 前記音響整合部材と前記圧電素子との各組が、前記音響整合部材に生じる定在波の節部近傍に設けられた固定部で互いに固定されていることを特徴とする請求項6に記載の超音波センサ。
- 前記音響整合部材は、ポリカーボネート系樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1つに記載の超音波センサ。
- 前記圧電素子は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系材料により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波センサ。
- 前記圧電素子は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)系材料により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の超音波センサ。
- 前記圧電素子は、前記音響整合部材のインサート成形後に分極処理を行うことにより所望の圧電特性を発現するように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1つに記載の超音波センサ。
- 前記音響整合部材は、前記圧電素子を挟んで対称形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の超音波センサ。
- 圧電体を対向する第1の電極と第2の電極とにより挟み込んで形成され、超音波を送信する送信素子から送信され被検出体にて反射された超音波を検出する圧電素子と、前記被検出体にて反射された超音波を受信する受信面が前記被検出体の存在する空間側に露出し、前記受信面で受信した超音波を前記圧電素子に伝達する音響整合部材と、前記圧電素子と電気的に接続され、前記圧電素子から出力される電圧信号を処理する回路素子と、を備えた超音波センサにおいて、
前記圧電素子は、前記第1の電極に隣接する側面を前記受信面に対向して配置されており、
前記音響整合部材は、インサート成形により、少なくとも前記側面と前記第1の電極と前記第2の電極とを覆って前記圧電素子を埋め込むとともに、前記圧電素子と前記回路素子とを電気的に接続する配線の少なくとも一部を埋め込んで形成されていることを特徴とする超音波センサ。 - 前記圧電素子は、超音波を送信する送信素子として作動するとともに、前記圧電素子が送信素子として作動するときに、前記回路素子は、前記圧電素子が送信する超音波を制御する電圧信号を前記圧電素子に対して出力し、前記音響整合部材は、前記圧電素子から送信された超音波を前記受信面から前記被検出体の存在する空間側に送信することを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1つに記載の超音波センサ。
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