JP2009047771A - 光ファイバラマンレーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高次ストークス光の発生を抑制し、ポンプ光から一次ストークス光への変換効率を向上させることができる光ファイバラマンレーザ装置を提供する。
【解決手段】光ファイバ1内にて特性波長で誘導ラマン散乱を発生する光ファイバラマンレーザ装置40を以下のようにして構成する。光ファイバ1は、第1の屈折率を有するコア領域11と、該コア領域11の外周に設けられた、第2の屈折率を有するクラッド領域12とを有し、コア領域11はレーザ放射を光ファイバの長手方向に搬送し、かつ誘導ラマン散乱によりストークス光を生じるものであり、前記クラッド領域12は高次のストークス光の波長に対して吸収特性を有し、前記光ファイバは長手方向の少なくとも一部が屈曲されているように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ加工やレーザ計測に用いる光ファイバラマンレーザに関する。
従来、光ファイバの誘導ラマン散乱を利用したレーザ装置が市販されている。誘導ラマン散乱は、媒体に入射した光波が媒体を構成する物質の格子振動により変調され、入射した光波とは波長の異なる光が散乱される現象である。また、格子振動の振動数は物質の構造から決まる固有の振動数であるが、振動数は一様ではなく分布している。
入射した光波の振動数をνp、格子振動の振動数をνmとすると、散乱される光波の振動数は、νp−νmで与えられるνs、および、νpmで与えられるνaである。振動数νpの入射光を励起光、あるいはポンプ光と呼び、振動数νsの光波をストークス光、振動数νaの光波をアンチストークス光と呼ぶ。格子振動の振動数νmは分布しているので、ストークス光νsの振動数も分布する。光の振動数と波長の間には、(波長)=(光速)/(振動数)の関係があるので、振動数の分布により波長も分布することになる。
ポンプ光νpの強度が強くなると、ポンプ光νpとストークス光νsとが非線形な相互作用を起こし、その結果、格子振動に強制力が働くようになり、格子振動が激しくなる。格子振動が激しくなるとストークス光νsが強くなり、非線形相互作用を通じてさらに格子振動が激しくなる。
光ファイバに強いポンプ光νpが入射すると、ストークス光νsは伝播するにつれて強くなる。これは光ファイバを光の伝播方向に微小区間に区切って考えると理解が容易である。すなわち、途中の微小区間ではその区間でストークス光νsが発生すると共に、その一つ前の区間に存在したストークス光νsが伝播し到達する。ストークス光強度としては後者の方が強いのでストークス光νsとポンプ光νpの相互作用は主に伝播してきたストークス光νsとポンプ光νpとの間で起こる。その結果、ストークス光νsの強度は一つ前の区間での強度より大きいものとなる。
光ファイバでさらに効率よく誘導ラマン散乱を生じせしめるために、光ファイバの両端近くにファイバ内を伝播するストークス光νsを反射させ進行方向を反転させる機構を設けることがある(特許文献1参照)。ストークス光νsとポンプ光νpとの相互作用は光の伝播方向には無関係に起きるので、ストークス光νsを反射させて1本の光ファイバの中で多数回の相互作用を起こさせることができ、効率よく誘導ラマン散乱が起きる。ただし、ストークス光νsを取り出すためには前述の反射は100%の反射でなく、部分反射として一部を取り出すことになる。このような装置を光ファイバラマンレーザ、あるいは単に、ファイバラマンレーザと称する。
図6に、従来公知技術による光ファイバラマンレーザ装置100の構成を示す。図6において、101は光ファイバ、102は出力端、103はポンプ光源、104、105、106は反射器となる光ファイバブラッググレーティング(以下、FBGと呼称する)である。
光ファイバ101は通常の単一モード光ファイバや、非線形効果を高めた光ファイバ(特許文献2参照)である。ポンプ光源103は波長が1064nmのYAGレーザであり、出力は2Wである。FBG104は特定の波長の光を反射する部品であって、図6の例では波長1064nmの光を反射する。FBG105、106は波長1120nmの光を反射し、反射率はFBG106がほぼ100%、FBG105は20%である。
このような構成によって、光ファイバ101では波長1120nmで誘導ラマン散乱が起こり、光出力端102からはその一部が出力光として取り出される。
さらに、近年、ダブルクラッドファイバの発明によりファイバレーザの高出力化が著しく進展しており、市販装置のシングルモードファイバレーザが2kW出力に至っている。ダブルクラッドファイバとはクラッドが2重になっているもので、内側のクラッドがコアを光励起するための励起光を伝播させ、コアには誘導放出を起こす元素を添加したものである。励起光源としては半導体レーザが用いられ、コアへの添加元素としてはYb等の希土類元素が用いられる。
特開平11−54853号公報 特開昭56−70683号公報 「シングルモードYb系ファイバーレーザーの高出力化の現状と動向」、レーザー研究、Vol. 33, No. 4, pp. 254-261
しかしながら、上記した高出力のファイバレーザ光を光ファイバラマンレーザのポンプ光として用いる場合、ポンプ光の強度が非常に強いためストークス光の強度も非常に強くなり、従来の数Wレベルのポンプ光では起こりにくかったことであるが、ストークス光を新たなポンプ光としてさらに次のストークス光が発生することが起こり得る。その際の周波数νs’はνs−νmである。νsを一次ストークス光、νs’を二次ストークス光と言う。以下、二次以降を高次のストークス光と呼ぶこととする。
ラマン散乱は格子振動を介する過程であるため、熱的なエネルギーロスが不可避であり、ポンプ光からストークス光への変換効率は最大で80%程度である。高次のストークス光が発生するほど熱への放散が増しトータルとしての光のエネルギーは低下することになる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、高次ストークス光の発生を抑制し、ポンプ光から一次ストークス光への変換効率を向上させることができる光ファイバラマンレーザ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の要旨は、下記のごとくである。
(1)光ファイバ内にて特性波長で誘導ラマン散乱を発生する光ファイバラマンレーザ装置であって、該光ファイバは、第1の屈折率を有するコア領域と、該コア領域の外周に設けられた、第2の屈折率を有するクラッド領域とを有し、前記コア領域はレーザ放射を前記光ファイバの長手方向に搬送し、かつ誘導ラマン散乱によりストークス光を生じるものであり、前記クラッド領域は高次のストークス光の波長に対して吸収特性を有し、前記光ファイバは長手方向の少なくとも一部が屈曲されていることを特徴とする光ファイバラマンレーザ装置。
(2)前記コア領域の直径がストークス光の波長より長い波長の光を閉じ込めないように所定の大きさ以下であることを特徴とする(1)に記載の光ファイバラマンレーザ装置。
(3)前記コア領域にラマン利得の大きな物質を添加したことを特徴とする(1)または(2)に記載の光ファイバラマンレーザ装置。
(4)前記第2の屈折率を有するクラッド領域を第1のクラッド領域とし、該第1のクラッド領域の外周に第3の屈折率を有する第2のクラッド領域を有し、前記第1のクラッド領域はポンプ光を光ファイバの長手方向に搬送し、かつ内包するコア領域において誘導放出によりレーザ放射を生じさせることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光ファイバラマンレーザ装置。
本発明の光ファイバラマンレーザ装置によれば、高次ストークス光の発生による効率低下を抑制し、ポンプ光から一次ストークス光への変換効率を向上させることができる光ファイバラマンレーザ装置を提供することができる。
本発明の実施の形態を、図を用いて詳細に説明する。なお、下記の各図において、同一の機能を有する部分には同一の番号を付記した。
本発明の第1の実施の形態に係る光ファイバラマンレーザ装置40の一例について図1を参照して説明する。
図1に示す光ファイバラマンレーザ装置40は、図6に示す従来公知技術による光ファイバラマン装置100の構成と概ね同様に構成されている。即ち、図1に示すように、光ファイバ1の両端に出力端42、ポンプ光源43が設けられており、また、ポンプ光源43と出力端42との間には、光ファイバブラッググレーティング(以下、FBGと呼称する)としての反射器46、45、44がポンプ光源43側から順に設けられている。
光ファイバ1は石英系の光ファイバであり受動素子である。本発明の第1の実施の形態では、光ファイバ1の全長は例えば1kmであり、途中、レーザ光伝播の曲げ損失を導入する目的で、この光ファイバ1を屈曲させた屈曲部48が設けられている。図1に示す場合には、屈曲部48は、FBG45とFBG46との間に設けられており、光ファイバ1が直径50mm以下のコイル状に20回以上巻かれた構成になっている。なお、この屈曲部48は、光ファイバ1の長手方向の少なくとも一部に設けられていればよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光ファイバラマンレーザ装置40が備える光ファイバ1の構成を示す構成図である。図2に示すように、光ファイバ1は、第1の屈折率を有するコア領域(以下、コアと呼称する)11の外周に、第2の屈折率を有するクラッド領域12が設けられた構成を有する。なお、光ファイバ1の被覆部分については図示していない。第1の屈折率は、第2の屈折率よりも高くなっている。
クラッド12には、鉄、コバルト、セレンなどの赤外線吸収元素が混入されている。これにより、浸み出してきた二次ストークス光成分を吸収させるようになっている。また、コア11にゲルマニウムなどの不純物を混入することによりラマン利得を増すことができる。
ポンプ光源43としては例えば出力1kW、発振波長1085nmのYbファイバレーザを用いることができる。本発明の第1の実施の形態では、ポンプ光源43からのポンプ光は、光ファイバ1のコア11に導入されるように構成されている。ポンプ光源43の光ファイバ1への結合方法としてはファイバ同士のスプライシングでもよいし、自由空間からのレンズ集光によってもよい。光ファイバ1は石英系の光ファイバであり受動素子である。このポンプ光源43からのポンプ光は、誘導ラマン散乱により波長が1142nm程度であるストークス光と、波長が1206nm程度である二次ストークス光を生じる。
FBG44は特定の波長の光を反射する部品であって、図1の例では波長1085nmの光を反射する。FBG45、46は波長1142nmの光を反射し、反射率はFBG46がほぼ100%、FBG45は20%である。
光ファイバラマンレーザ装置40を作動させ、誘導ラマン散乱を発生する光ファイバ1のコア11に誘導ラマン散乱のポンプ光となるレーザ放射をポンプ光源43から導波させるとストークス光が発生する。このようにして波長1142nmで誘導ラマン散乱が起こり、出力端42からその一部が出力光として取り出される。
ポンプ光の伝播に伴いストークス光の強度が次第に強くなり、二次ストークス光が発生するようになる。上述の非線形現象と同様に二次ストークス光が強くなるほど新たにポンプ光となった一次ストークス光との非線形相互作用が大きくなり二次ストークス光が強くなる性質があるため、本発明の第1の実施の形態では、以下のようにして、二次ストークス光が成長する前に二次ストークス光を弱めることによって、ストークス光から二次ストークス光へのエネルギーの移譲を防いでいる。
本発明の第1の実施の形態によれば、光ファイバ1を屈曲させた場合に曲げ損失の波長依存性において長波長成分の損失が大となる性質を利用して、光ファイバ1を適当な半径を有するコイル状に巻いた屈曲部48を設け、ストークス光よりも長波長である二次ストークス光の成長を抑制すると共に、クラッド12に二次ストークス光波長の光に対し吸収特性を有する物質を混入することにより、曲げによりクラッド層に浸み出した二次ストークス光成分に対してさらに強い抑制効果を導入した。光ファイバ1に屈曲部48を設けるだけでは、ポンプ光の強度が例えば数Wレベルの小出力の場合にだけしか有効とならなかったが、上述したように吸収特性を有する物質を混入したことによって、レーザ加工等に用いる例えばkWレベルの高出力の場合にも適用することが可能になった。なお、上記では、二次ストークス光についてのみ説明したが、三次以降の高次ストークス光についても同様に抑制効果があることは言うまでもない。
さらに、コア11にラマン利得の大きな媒質を用いることによって、ラマン変換の効率をより向上させることができる。
上述のように、本発明の高次ストークス光抑制光ファイバラマンレーザ装置によれば、高次ストークス光の発生による効率低下を抑制し、ポンプ光からストークス光へのラマン変換効率を最大化させる光ファイバラマンレーザ装置を提供することができる。
そして、本発明の第1の実施の形態では、光ファイバラマンレーザ装置40におけるポンプ光からストークス光への波長変換が効率的に行われる。なお、上記のレーザ種類や波長、およびファイバ長は一例であり、他の値のものを選ぶこともできる。光ファイバ1に設ける屈曲部48の形状や曲げの回数も特にこだわるものではない。また、クラッド12に波長依存吸収のあるTmなどを添加させると更に有利である。
本発明の第2の実施の形態として、図3に示すように、光ファイバラマンレーザ装置40が備える光ファイバ1のコア11の直径の大きさ2r(即ち、半径の大きさr)を後述する所定の大きさ以下に設定することによって、ストークス光の波長より長い光をコア11の中に閉じ込めないようにしてもよい。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る光ファイバラマンレーザ装置40が備える光ファイバ1の構成を示す構成図である。
本発明の第2の実施の形態に係る光ファイバラマンレーザ装置40は、図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る光ファイバラマンレーザ装置40と概ね同様にして構成されている。即ち、ポンプ光源43としては例えば出力1kW、発振波長1085nmのYbファイバレーザを用いている。1は石英系の光ファイバであり受動素子である。光ファイバ1の全長は1kmあり、途中、直径50mm以下のコイル状に20回以上巻いた屈曲部48が設けられて、レーザ光伝播の曲げ損失を導入している。ストークス光の波長は1142nm、二次ストークス光の波長は1206nm程度になっている。
コア11の直径の大きさについて、二次ストークス光を閉じ込めない所定の大きさは、例えば次のようにして定めることができる。図3に示す光ファイバ1の各特性値が、例えば、ストークス光の波長λ、二次ストークス光の波長λ2、コア11の屈折率n1、コア11の半径r、クラッドの屈折率n2のとき、
2.405λ/{2π(n1 2−n2 2)1/2} <r < 2.405λ2/{2π(n1 2−n2 2)1/2}
となるようにコア11の半径rを設計しておくことにより、ストークス光と二次ストークス光のうち、二次ストークス光はコアから染み出すことになる。その結果、二次ストークス光だけが損失を多く受けるようになり、強度の成長を抑制することができる。例えば、n1=1.5、n2=1.499のとき、8.0μm <r < 8.4μmである。
上述の場合には、光の閉じ込め効果として、波長が長いほど空間モードの基本モードの直径が大きくなるので、同じコア径の場合は波長が長いほどクラッド領域への光波電界の浸み出しが増し、クラッド領域での吸収の影響を受けやすくなる現象を利用した。
本発明の第2の実施の形態によれば、光ファイバ1のコア11の直径の大きさ2rを所定の大きさ(例えば(8.0×2=)16.0μm越(8.4×2=)16.8μm未満)に設定することによって、ストークス光をコア11の中に閉じ込め、ストークス光より波長の長い二次ストークス光をコア11からしみ出さることができる。これにより、高次ストークス光の発生による効率低下をより抑制し、光ファイバラマンレーザ装置40によるポンプ光から一次ストークス光への波長変換を効率的に行い、変換効率をさらに向上させることができる。そして、本発明の第2の実施の形態は、図2に示す本発明の第1の実施の形態と同様の効果も有する。
なお、上記のレーザ種類や波長、およびファイバ長は一例であり、他の値のものを選ぶこともできる。光ファイバ1に設ける屈曲部48の形状や曲げの回数も特にこだわるものではない。また、クラッド12に波長依存吸収のあるTmなどを添加させると更に有利である。
本発明の第3の実施の形態として、本発明の第1の実施の形態及び本発明の第2の実施の形態の場合のようにコア11に外部からポンプレーザ光を導入するのでなく、2重クラッド構造としてビーム質の悪い半導体レーザ光を内側にある第1クラッド13に導光してポンプ光として用いて、コア11自体に誘導放出を起こさせてファイバレーザとしてもよい。図5は、本発明の第3の実施の形態における、ポンプ光源部分の構造を例示的に説明する図である。図5に示すように、光ファイバ1は第1の屈折率を有するコア領域11の外周に、第2の屈折率を有する第1のクラッド(以下、第1のクラッドと呼称する)13が設けられた構成を有する。さらに、第1のクラッドの外周には、第3の屈折率を有する第2のクラッド領域(以下、第2のクラッドと呼称する)14が設けられた構成を有する。なお、光ファイバ1の被覆部分については図示していない。第1の屈折率は、第2の屈折率よりも高く、第2の屈折率は第3の屈折率よりも高くなっている。
本発明の第3の実施の形態では、図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る光ファイバラマンレーザ装置40と概ね同様にして構成されている。即ち、図4に示すように、光ファイバ1の両端に出力端42、ポンプ光源43が設けられており、また、ポンプ光源43と出力端42との間には、FBGとしての反射器47、46、45、44がポンプ光源43側から順に設けられている。ポンプ光源43としては例えば出力1kW、発振波長980nmの半導体レーザを用いている。光ファイバ1は、石英系のダブルクラッド光ファイバでありコアにYbをドープした能動素子である。
ポンプ光源43の半導体レーザからの発振波長980nmのレーザ光は、第1クラッド13に結合され、第1クラッド13内を伝播しながらYbがドープされたコア11を励起して波長1085nmにおいて誘導放出によるレーザ動作を起こさせるようになっている。このレーザ光が誘導ラマン散乱のポンプ光となる。ストークス光の波長は1142nm、二次ストークス光の波長は1206nm程度になる。
本発明の第3の実施の形態では、図4に示すFBG44、47は特定の波長の光を反射する部品であって、図4の例では、波長1085nmの誘導放出レーザ光を反射する。FBG45、46は波長1142nmのストークス光を反射し、反射率はFBG46がほぼ100%、FBG45は20%である。FBG47は前述したように波長1085nmの光を反射し、FBG44と共に誘導放出レーザ光をコア11内に閉じこめる。光ファイバ1の全長は30mあり、途中、直径50mmのコイル状に20回以上巻いた屈曲部48が設けられて、曲げ損失を導入している。また、第1クラッド13に鉄、コバルト、セレンなどの赤外線吸収元素を混入し浸み出してきた二次ストークス光成分を吸収させる。このような構成によって、光ファイバ1では波長1142nmで誘導ラマン散乱が起こり、FBG44をからその一部が透過し、出力端42から出力光として取り出される。
本発明の第3の実施の形態によれば、コア11自体に誘導放出を起こさせてファイバレーザとすることができるようにしたことで、光ファイバ1へ外部からラマン散乱のポンプ光を導入するための処理や光学系を省略することができ、トータルの効率を向上させる効果がある。なお、本発明の第3の実施の形態は、図2に示す本発明の第1の実施の形態と同様の効果も有する。
そして、本発明の第3の実施の形態では、光ファイバラマンレーザ装置40におけるポンプ光からストークス光への波長変換が効率的に行われる。また、第1クラッド13に波長依存吸収のあるTmなどを添加させると更に有利である。なお、上記のレーザ種類や波長、およびファイバ長は一例であり、他の値のものを選ぶこともできる。また、光ファイバ1に設ける屈曲部48の形状や曲げの回数は特にこだわるものではない。また、第一クラッド13の断面形状も図2に示す略円形状以外の形状であってもよい。さらに、FBG44の後段で光ファイバ1を一旦切って、ダブルクラッドでない通常の光ファイバにスプライシングなどによりつないでも良い。
本発明は、レーザ加工や計測に用いる光ファイバラマンレーザに利用できる。
本発明の第1の実施の形態に係る光ファイバラマンレーザ装置40の構成を示す構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る光ファイバラマンレーザ装置40が備える光ファイバ1の構成を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光ファイバラマンレーザ装置40が備える光ファイバ1の構成を示す構成図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光ファイバラマンレーザ装置40の構成を示す構成図である。 本発明の第3の実施の形態における、ポンプ光源部分の構造を例示的に説明する図である。 従来のラマン光ファイバレーザを例示的に説明する図である。
符号の説明
1 本発明による光ファイバ
11 コア
12 クラッド
13 第1クラッド
14 第2クラッド
40 本発明による光ファイバラマンレーザ装置
42、102 出力端
43、103 ポンプ光源
44〜47、104〜106 FBG
48 光ファイバの屈曲部
100 従来公知技術による光ファイバラマンレーザ装置
101 従来公知技術による光ファイバ

Claims (4)

  1. 光ファイバ内にて特性波長で誘導ラマン散乱を発生する光ファイバラマンレーザ装置であって、
    該光ファイバは、
    第1の屈折率を有するコア領域と、
    該コア領域の外周に設けられた、第2の屈折率を有するクラッド領域とを有し、
    前記コア領域はレーザ放射を前記光ファイバの長手方向に搬送し、かつ誘導ラマン散乱によりストークス光を生じるものであり、前記クラッド領域は高次のストークス光の波長に対して吸収特性を有し、
    前記光ファイバは長手方向の少なくとも一部が屈曲されていることを特徴とする光ファイバラマンレーザ装置。
  2. 前記コア領域の直径がストークス光の波長より長い波長の光を閉じ込めないように所定の大きさ以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバラマンレーザ装置。
  3. 前記コア領域にラマン利得の大きな物質を添加したことを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバラマンレーザ装置。
  4. 前記第2の屈折率を有するクラッド領域を第1のクラッド領域とし、該第1のクラッド領域の外周に第3の屈折率を有する第2のクラッド領域を有し、前記第1のクラッド領域はポンプ光を光ファイバの長手方向に搬送し、かつ内包するコア領域において誘導放出によりレーザ放射を生じさせることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバラマンレーザ装置。
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