JP2009047533A - 圧力センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】センサチップに接する保護部材からのオイル抜けを防止して保護部材の硬化を回避し、センサチップの特性に影響を及ぼさないようにすることができる圧力センサを提供する。
【解決手段】センサチップ20の裏面側に配置されるチップ裏面側保護部材50を構成する第1保護部材51および第2保護部材52において、センサチップ20の裏面に接する第1保護部材51に含まれるオイル量よりも圧力媒体に接する第2保護部材52に含まれるオイル量を多くする。これにより、第2保護部材52を第1保護部材51へのオイル供給源として機能させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、オイルが含まれる保護部材でセンサチップの圧力受圧面を被覆保護してなる圧力センサに関する。
従来より、圧力を検出してその検出値に応じたレベルの電気信号を発生する検出部を、耐薬品性を有する保護部材で被覆して保護するようにした圧力センサが、例えば特許文献1で提案されている。具体的に、特許文献1では、樹脂パッケージと、樹脂パッケージの凹部に搭載され、圧力検出を行うセンサチップとこのセンサチップを保持するガラス台座とにより構成される検出部と、当該検出部を覆って保護する保護部材とを備えて構成される圧力センサが提案されている。
保護部材は、上層と下層との2層構造とされており、下層の保護部材として例えばフッ素ゴムが採用され、上層の保護部材として下層の保護部材よりも低弾性率のフッ素ゲルが採用される。これら各保護部材は、母材よりもガラス転移温度の低いフッ素系オイルが混合され、各保護部材のガラス転移温度が母材のガラス転移温度よりもそれぞれ低下させられたものとなっている。これにより、低温で保護部材が硬くならないようにされ、センサチップの特性の悪化の低減が図られている。
そして、上層および下層の各保護部材それぞれに同量の無官能のフッ素系オイルがそれぞれ混合されている。これにより、保護部材の各層の界面でフッ素系オイルの移動が起こらないようになっている。
特開2001−304999号公報
しかしながら、上記従来の技術では、無官能のフッ素系オイルはフッ素系ゴムやフッ素ゲルと結合しないため、ブリードあるいは揮発によって上層の保護部材から抜け出てしまうという問題がある。これにより、上層の保護部材においてフッ素系オイルが抜け出た場所に、当該フッ素系オイルが抜け出た場所よりも下層の保護部材側に位置するフッ素系オイルが移動し、当該フッ素系オイルも上層の保護部材から抜け出てしまう。
このようなフッ素系オイルの移動が上層の保護部材で起こると、下層の保護部材から上層の保護部材へフッ素系オイルが移動してしまう。したがって、上層および下層の各保護部材に混合されたフッ素系オイルが最初に混合された量よりもそれぞれ低減してしまう。これにより、各保護部材の経時変化によって各保護部材が収縮して硬くなってしまい、センサチップの特性に影響を及ぼす可能性がある。
本発明は、上記点に鑑み、センサチップに接する保護部材からのオイル抜けを防止して保護部材の硬化を回避し、センサチップの特性に影響を及ぼさないようにすることができる圧力センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、複数の保護部材(50)のうち、少なくとも、センサチップ(20、70)の圧力受圧面に接する第1保護部材(51)に含まれるオイル材の量よりも、この第1保護部材(51)に接する第2保護部材(52)に含まれるオイル材の量が多くなっており、第2保護部材(52)が第1保護部材(51)のオイル供給源になっていることを特徴とする。
これによると、オイル供給源である第2保護部材(52)からセンサチップ(20、70)に接する第1保護部材(51)に常にオイルを供給することができる。したがって、第1保護部材(51)に常にオイルを供給できる形態となっていることで、第1保護部材(51)からのオイル抜けを防止することができ、センサチップ(20、70)に接する第1保護部材(51)が経時的に収縮して硬くなることを回避することができる。これにより、センサチップ(20、70)の特性に影響を与えないようにすることができ、センサチップ(20、70)の特性が安定した圧力センサを提供することができる。
この場合、圧力センサは、一面および他面を有する板状のものであって、一面に凹部(12)が形成され、この凹部(12)の底面と他面とを貫通する圧力導入孔(13)が形成されたケース(10)を備え、センサチップ(20)は、一面および他面を有する板状のものであって、一面および他面が圧力受圧面になっており、各圧力受圧面にそれぞれ印加される圧力の差圧を検出するようになっており、圧力受圧面の一方がケース(10)の圧力導入孔(13)に対向するように凹部(12)内に配置されている構成とすることができる。
このように、差圧を検出するセンサチップ(20)において、圧力受圧面の一方に接する第1保護部材(51)を経時的に硬くならないようにすることができる。
また、複数の保護部材(50)を、第1保護部材(51)と第2保護部材(52)との二層のみによって構成し、第1保護部材(51)をセンサチップ(20)の圧力受圧面の一方に接するように圧力導入孔(13)内に充填すると共に、第2保護部材(52)を圧力導入孔(13)内であって第1保護部材(51)の上に配置することができる。
さらに、第2保護部材(52)を、オイル材が含まれたシート状であって、第1保護部材(51)の上に配置されるプレート部材(53)として構成することができる。
これによると、プレート部材(53)が第1保護部材(51)の上を摺動することで第1保護部材(51)を介してセンサチップ(20)の圧力受圧面に圧力を導くことができる。さらに、プレート部材(53)が第1保護部材(51)のオイル供給源として機能することで、第1保護部材(51)のオイル抜けを防止することができる。
また、圧力センサを製造する場合、圧力導入孔(13)内に第1保護部材(51)を充填した後、第1保護部材(51)の上にプレート部材(53)を載せるだけであるので、プレート部材(53)の設置を容易に行うことができる。
そして、ケース(10)内に液状のオイル(17)が配置されたオイル供給室(16)を設け、オイル供給室(16)から圧力導入孔(13)に通じる通路(19)にオイル(17)を通過させて圧力導入孔(13)内に配置された第1保護部材(51)にオイル(17)を直接接するようにし、オイル(17)を第1保護部材(51)に対するオイル供給源とすることができる。
これにより、第1保護部材(51)に含まれるオイル材の量が減らないようにすることができ、第1保護部材(51)の硬化を防止することができる。
他方、圧力導入孔(13)は、ケース(10)の他面に開口する第1孔(13a)と、第1孔(13a)よりも径が小さくケース(10)の凹部(12)の底面に開口する第2孔(13b)とによって構成され、第2孔(13b)の開口部分に第1孔(13a)内に突出する堤防部(15)が設けられており、複数の保護部材(50)は、第1保護部材(51)とオイル供給部材(54)とのみによって構成され、第1保護部材(51)はセンサチップ(20)の圧力受圧面の一方に接するように第2孔(13b)内に充填されると共に、オイル供給部材(54)は第1孔(13a)内であってこの第1孔(13a)の壁面と堤防部(15)とで囲まれた領域に配置されると共に第1保護部材(51)に覆われており、オイル供給部材(54)に含まれるオイル材の量は、第1保護部材(51)に含まれるオイル材の量よりも多くなっており、オイル供給部材(54)は第1保護部材(51)のオイル供給源になっている構造とすることができる。
これによると、第1保護部材(51)から圧力媒体中にオイル抜けが生じる構成となるが、第1保護部材(51)に覆われたオイル供給部材(54)から常に第1保護部材(51)にオイル材を供給することができる。したがって、オイル抜けによって第1保護部材(51)が硬くならないようにすることができ、センサチップ(20)の特性に影響を及ぼさないようにすることができる。
この場合、ケース(10)内に液状のオイル(17)が配置されたオイル供給室(16)が設け、オイル(17)がオイル供給室(16)から第1孔(13a)に通じる通路(19)を通過して第1孔(13a)内に配置されたオイル供給部材(54)に直接接するようにすることができ、オイル(17)をオイル供給部材(54)に対するオイル供給源にすることができる。
上記では、差圧を検出するセンサチップ(20)を備えた圧力センサについて述べたが、絶対圧を検出するセンサチップ(70)を複数の保護部材で被覆保護してなる圧力センサにおいても、各保護部材に含まれるオイル材の量を上記と同様に規定することにより、センサチップ(70)に接する保護部材の硬化を防止することができ、センサチップ(70)の特性を良好に維持することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示される圧力センサは、例えば、インテークマニホールド等に設置される吸気圧センサや、自動車用ディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム(DPFシステム)において排気ガスの圧力を検出する圧力センサとして用いられるものである。
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。この図に示されるように、圧力センサは、ケース10と、センサチップ20と、回路チップ30と、チップ表面側保護部材40と、チップ裏面側保護部材50とを備えて構成されている。
ケース10は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)やエポキシ樹脂等の樹脂材料を、金型を用いて型成形してなる板状のものであり、複数の導体部11がインサート成形されたものである。導体部11は、圧力センサと外部との電気的な接続を行う端子であり、例えば銅などの導電材料よりなるものが採用される。また、ケース10をなす板の一面に凹部12が形成され、当該凹部12に圧力検出用のセンサチップ20が収納されている。
センサチップ20は、圧力を検出してその圧力に応じたレベルの電気信号を発生するものであり、ピエゾ抵抗効果を利用した板状のものである。具体的に、センサチップ20は、板の一面に薄肉部であり歪み部であるダイヤフラム21を有すると共に、板の他面にダイヤフラム21を構成するために異方性エッチング等により形成された凹部22を有する半導体ダイヤフラム式のものである。すなわち、センサチップ20は、板の他面に凹部22を有し、この凹部22に対応した板の一面に歪み部としてのダイヤフラム21を有している。
以下では、センサチップ20のうちダイヤフラム21が形成された面をセンサチップ20の表面といい、凹部22が形成された面をセンサチップ20の裏面という。本実施形態では、センサチップ20の表面および裏面で圧力を受圧するため、センサチップ20の両面が圧力受圧面となる。
ダイヤフラム21には、例えば、拡散抵抗などにより構成されたブリッジ回路などを備えたセンシング部が設けられている。これにより、センサチップ20の板の両面に圧力が印加されると、両圧力の差圧によってダイヤフラム21が歪み、ブリッジ回路にて差圧に応じた電気信号が生成される。
上記センサチップ20の裏面には、ガラス等よりなる台座23が陽極接合などによって接合されセンサチップ20と一体化されている。この台座23は、接着剤24を介してケース10の凹部12の底面に接着され、ケース10に収納固定されている。これにより、センサチップ20は、当該センサチップ20の裏面がケース10に対向した状態でケース10に固定されている。
接着剤24として、この接着剤24の熱応力がセンサ特性に影響を与え難いような軟らかい接着剤、例えばシリコン系接着剤やフロロシリコン系接着剤等が採用される。
また、ケース10にインサート成形された導体部11は、その一端部がケース10の凹部12内に露出している。そして、センサチップ20は、凹部12内にて、導体部11の露出部にボンディングワイヤ61を介して結線され、外部と電気的に接続されている。
回路チップ30は、センサチップ20に対する駆動信号の出力や外部への検出用信号の出力、センサチップ20からの電気信号を入力し、演算・増幅処理して外部へ出力する等の機能を有する制御回路等を備えたものである。このような回路チップ30として、例えばシリコン基板等に対してCMOSトランジスタやバイポーラトランジスタ等が半導体プロセスで形成されたものである。
このような回路チップ30は、ケース10の凹部12に収納固定されている。そして、当該回路チップ30とセンサチップ20とが、金やアルミニウムなどからなるボンディングワイヤ62を介して結線され電気的に接続されている。
さらに、ケース10には回路チップ30の近傍に図示しない導体部がインサート成形されており、当該導体部と回路チップ30とがボンディングワイヤなどを介して結線され、外部と電気的に接続されている。
また、台座23には、センサチップ20が固定された面から中を貫いて反対側の面に抜ける貫通孔23aが形成されている。他方、ケース10の凹部12の底面には、台座23の貫通孔23aに対応する位置に、ケース10をなす板の一面から他面に貫通する圧力導入孔13が設けられている。
圧力導入孔13は、センサチップ20の裏面に圧力を導く貫通した孔であり、台座23を介してセンサチップ20によって閉じられている。このように、ケース10の一面に形成されている凹部12とケース10の他面に開口した圧力導入孔13とは、センサチップ20によって区画されている。これにより、センサチップ20のダイヤフラム21は、ケース10の一面側と、ケース10の他面側とからそれぞれ圧力を受ける構成となっている。
そして、圧力導入孔13は、ケース10の他面に開口する第1孔13aと、当該第1孔13aよりも径が小さくケース10の凹部12の底面に開口する第2孔13bとによって構成されている。本実施形態では、第1孔13aと第2孔13bとの径の違いによって、第1孔13aと第2孔13bとの連結部が段差状になっている。このように、センサチップ20側の第2孔13bよりも第1孔13aの径が大きくなっていることで、受圧面積を広くすることができる。
チップ表面側保護部材40およびチップ裏面側保護部材50は、上記各構成要素を封止して保護するものである。上述のように、圧力センサは、例えば排気ガスという腐食性の高い圧力媒体にさらされる厳しい環境に置かれるため、腐食性の高い圧力媒体から圧力センサの各構成要素を保護する必要があるからである。
具体的には、ケース10の凹部12内にチップ表面側保護部材40が充填されている。このチップ表面側保護部材40によって、導体部11とケース10との界面、センサチップ20、回路チップ30およびこれらのボンディングワイヤ61、62などによる接続部が封止され、保護されている。
他方、センサチップ20の裏面側において、圧力導入孔13および台座23の貫通孔23aにチップ裏面側保護部材50が充填されている。このチップ裏面側保護部材50によって、センサチップ20の裏面が封止され、圧力導入孔13への異物の侵入が阻止される。また、センサチップ20の裏面への汚れ付着による特性変動、結露水の凍結による圧力導入孔13の閉塞、さらには水の凍結時の体積膨張によるセンサチップ20の破壊などの不具合を防止できるようになっている。
これらチップ表面側保護部材40、チップ裏面側保護部材50として、例えば、フッ素ゲル、シリコンゲル、フロロシリコンゲルなどが採用される。特に、圧力センサにて排気ガス圧の測定が行われる場合、排気ガスによる凝縮水は、排気ガスの窒素酸化物や硫黄酸化物が溶け込み強い酸性を持つため、これらチップ表面側保護部材40、チップ裏面側保護部材50として、耐酸性が強いフッ素ゲルを採用することが望ましい。
また、チップ裏面側保護部材50は、センサチップ20の裏面に接するように台座23の貫通孔23a、圧力導入孔13に充填される第1保護部材51と、圧力導入孔13の第1孔13a内であって第1保護部材51を覆うと共に圧力媒体に接するように設けられた第2保護部材52との2層構造として構成されている。
第1保護部材51と第2保護部材52とでは、圧力導入孔13の軸方向に沿った厚さをみた場合、第2保護部材52は第1保護部材51よりも薄く層状に設けられている。これら各保護部材51、52として、上述のフッ素ゲル等が採用される。
第1保護部材51および第2保護部材52には、これら各保護部材51、52が経時的に硬くなってしまうことを防止するため、オイル材がそれぞれ混合されている。このオイル材は、各保護部材51、52への混合量に応じて各保護部材51、52の硬さを調整できるものであり、例えばフッ素系オイルが採用される。フッ素系オイルには無官能のものがあり、無官能のフッ素系オイルとして例えば無官能パーフロロアルキルを用いることができる。
また、センサチップ20の裏面に接する第1保護部材51に含まれるオイル量よりも圧力媒体に接する第2保護部材52に含まれるオイル量が多くなっている。例えば、第1保護部材51に含まれるオイル量は40重量%であり、第2保護部材52に含まれるオイル量は60重量%である。
このように、第1保護部材51よりも第2保護部材52に含まれるオイル量を大きくした根拠について説明する。
発明者らは、(1)オイルで膨潤する方向は応力開放するため、オイルはセンサチップ20に影響を与えない、(2)各保護部材51、52において、オイルの減量スピードは大気にさらされる第2保護部材52の面積で決定されるが、その飽和値は各保護部材51、52のトータルの体積で決定される、(3)オイル移行スピードは各保護部材51、52の接触面積で決定されるが、その飽和値は各保護部材51、52のトータルの体積で決定されることを前提事項として、各保護部材51、52のオイルに関する特性について調べた。
本発明ではすべての構造で少なくとも一箇所の開放端を有している。具体的には、図1では保護部材50のセンサチップ20と対向する(センサチップ20とは反対側の)面側は開放されている。なお、摺動部を有するプレート部材53が乗っている後述する図8の構成も同様、センサチップ70と対向する面を開放端の一種とみなすことができる。
そして、この少なくとも一箇所の開放端を有する構成は、膨潤した材料が開放端側、すなわちセンサチップ20と対向する面側(センサチップ20とは反対側)に応力を開放することができるため、ダイヤフラム21に好まざる応力を発生することがない。したがって、センサチップ20はオイルによって影響を受けない。
まず、発明者らは、調査対象をゲル材料とし、オイル濃度Xのゲル材料に対し、車両に搭載される圧力センサが受ける一般的な温度である120℃以上、例えば150℃の温度を加えたときのゲル材料の重量を調べた。その結果を図2に示す。
図2に示されるように、ゲル材料に含まれるオイルのオイル濃度がXの場合、ゲル材料の重量は時間と共に減少し、2.0%減少して飽和する。また、ゲル材料に含まれるオイルのオイル濃度を2倍とした2Xの場合、ゲル材料の重量はオイル濃度をXとした場合の2倍、すなわち4.0%減少して飽和する。すなわち、ゲル材料からオイルが抜け出たことによってゲル材料の重量が減少した。この場合、オイル濃度を高くするほど、時間の経過と共にゲル材料の重量は減少する傾向にあると言える。このように、オイルを含むゲル材料は、時間の経過によってオイルが抜けることでその重量が減少する。
この結果を本実施形態に当てはめると、図1に示されるチップ裏面側保護部材50の構成においては、第2保護部材52の重量が時間の経過と共に最終的に2.0%減少する。したがって、第2保護部材52の加熱重量減量を考慮したオイル量が、オイルを補充される第1保護部材51に含まれるオイル量よりも大きくなるようにする。
このため、オイル供給源として機能する第2保護部材52のオイル混合量を第1保護部材51のオイル混合量の例えば1.02倍以上として各保護部材51、52においてオイル濃度勾配を設けることで、第1保護部材51のオイル混合量が減少しないようにすることができると言える。また、第1保護部材51のオイル濃度が2Xの場合、第1保護部材51のオイル混合量に対して第2保護部材52のオイル混合量を例えば1.04倍以上とすれば良い。なお、1.02倍等のオイル濃度勾配は一例であり、保護部材51、52の材料や体積等によってオイル濃度勾配が決められる。
そして、発明者らは、各保護部材51、52のオイル混合量の移動量について調べた。オイルを補充される保護部材の増加重量と時間との相関関係を図3に示す。図3において、2X:0は、オイル濃度が2Xの第2保護部材52とオイル濃度が0の第1保護部材51とを接触させた場合のオイル濃度が0の第1保護部材51の増加重量を示している。同様に、2X:Xは、オイル濃度が2Xの第2保護部材52とオイル濃度がXの第1保護部材51とを接触させた場合、2X:2Xは、オイル濃度が2Xの第2保護部材52とオイル濃度が2Xの第1保護部材51とを接触させた場合について示している。
図3に示されるように、オイル濃度が2Xどうし(2X:2X)の各保護部材51、52を接触させたとしても、第1保護部材51の重量はほとんど変化しない。しかしながら、オイルを補充する側である第2保護部材52のオイル量を、オイルを補充される側である第1保護部材51よりも大きくする(2X:X、2X:0)、すなわち各保護部材51、52にそれぞれ含まれるオイル量の差を大きくすることで、オイルを補充される側である第1保護部材51の重量が増加することがわかる。
つまり、各保護部材51、52に含まれるオイル量の差が大きいと、オイル供給源である第2保護部材52からセンサチップ20の裏面に接する第1保護部材51に移動するオイル量も大きくなる。これにより、時間の経過と共に第1保護部材51のオイル量を増加させることができ、第1保護部材51を軟らかくすることができる。
上記結果に基づいて、各保護部材51、52にオイルを混合させた場合、上述のように、各保護部材51、52に混合されたオイルは無官能であり、各保護部材51、52を構成するゲル部材と結合しない状態になっている。このため、オイルは各保護部材51、52内を移動し、第2保護部材52から圧力媒体内に抜け出る。
しかしながら、第1保護部材51よりも第2保護部材52のオイルの混合量が多いため、第2保護部材52から圧力媒体内にオイルが抜け出たとしても、第2保護部材52に第1保護部材51からオイルが移動できる場所が形成されない。したがって、第1保護部材51から第2保護部材52へのオイルの移動は起こらず、第1保護部材51と第2保護部材52との界面でのオイルの移動を阻止することができる。これにより、第1保護部材51のオイル量は減らないため、第1保護部材51は硬くなることはなく、センサチップ20の特性に影響が起こらないようにすることができる。
さらに、第1保護部材51よりも第2保護部材52のオイルの混合量が多いことから、第2保護部材52から第1保護部材51へのオイルの移動が起こる。このため、第1保護部材51のオイル量を経時的に多くすることができ、圧力センサの製造時よりも第1保護部材51を軟らかくすることができる。すなわち、第2保護部材52は、第1保護部材51へのオイル供給源として機能する。このように、第2保護部材52から第1保護部材51にオイルを供給することができるので、第1保護部材51が硬くならないようにすることができる。
次に、上記圧力センサの製造方法について説明する。まず、導体部11がインサート成形され、凹部12、圧力導入孔13が設けられたケース10を型成形により形成する。
他方、凹部22が設けられ、歪み部としてのダイヤフラム21が形成された圧力検出用のセンサチップ20を用意する。また、半導体プロセス等で形成された処理回路等が設けられた回路チップ30を用意する。
さらに、貫通孔23aが設けられた台座23を用意する。そして、センサチップ20の裏面と台座23の貫通孔23aとが対向するように、センサチップ20と台座23とを例えば陽極接合によって接合する。
続いて、ケース10の凹部12に台座23を固定する。具体的には、台座23の貫通孔23aと圧力導入孔13とが繋がるように台座23をケース10の凹部12に接着固定する。これにより、センサチップ20の裏面がケース10の圧力導入孔13に対向した状態となる。また、回路チップ30をケース10の凹部12に接着固定する。
この後、センサチップ20と導体部11との間、回路チップ30と導体部との間、センサチップ20と回路チップ30との間をそれぞれワイヤボンディングする。これにより、各部材の間をボンディングワイヤ61、62で結線する。
次に、ケース10にチップ表面側保護部材40およびチップ裏面側保護部材50を設ける。具体的には、ケース10の凹部12にチップ表面側保護部材40を注入・充填する。また、ケース10の圧力導入孔13にチップ裏面側保護部材50を注入・充填する。このように、ケース10にチップ表面側保護部材40、チップ裏面側保護部材50を充填した後、気泡発生を防ぐために真空脱泡する。
ケース10の圧力導入孔13にチップ裏面側保護部材50を充填する際には、混合されるオイル量が異なる第1保護部材51および第2保護部材52を用いる。上述のように、第1保護部材51よりも第2保護部材52のオイル量が多くなるように、液状の各保護部材51、52に異なる量のオイルをそれぞれ混合させたものを用意し、先に、圧力導入孔13の第2孔13bに第1保護部材51を充填する。これにより、第1保護部材51がセンサチップ20の裏面に接すると共に、台座23の貫通孔23aに充填される。第1保護部材51は、圧力導入孔13の第2孔13b内まで充填される。次に、圧力導入孔13の第2孔13b内であって、第1保護部材51の上に第2保護部材52を充填する。
この後、保護部材51、52を加熱硬化させることにより、保護部材51、52の配設が終了する。これら第1保護部材51および第2保護部材52の配設において、第1保護部材51を充填・硬化した後、第2保護部材52を充填・硬化してもよいが、第1保護部材51と第2保護部材52とを充填した後に同時に硬化を行うことが好ましい。
なお、チップ表面側保護部材40とチップ裏面側保護部材50とでは、充填・硬化は同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。こうして、図1に示される圧力センサが完成する。
次に、上記のようにして製造された圧力センサの圧力検出方法について説明する。まず、チップ表面側保護部材40を介して、センサチップ20の表面に表面側圧力P1が印加される。他方、圧力導入孔13からチップ裏面側保護部材50を介して、センサチップ20の裏面に裏面側圧力P2が印加される。
例えば、圧力センサがDPFシステムに採用される場合、センサチップ20の表面で表面側圧力P1として排ガスフィルタの上流側の圧力が検出され、センサチップ20の裏面で裏面側圧力P2として排ガスフィルタの下流側の圧力が検出される。また、圧力センサが吸気圧センサとして採用される場合、センサチップ20の表面で表面側圧力P1として大気圧が検出され、センサチップ20の裏面で裏面側圧力P2としてインテークマニホールド内の吸気圧が検出される。
そして、センサチップ20のダイヤフラム21は、センサチップ20の表面側と裏面側との差圧によって歪み、この歪みに応じたレベルの電気信号がセンサチップ20から出力される。そして、この電気信号は、回路チップ30にて処理され、導体部11から圧力センサの外部に出力される。
以上説明したように、本実施形態では、センサチップ20の裏面側に配置されるチップ裏面側保護部材50を構成する第1保護部材51および第2保護部材52において、センサチップ20の裏面に接する第1保護部材51に含まれるオイル量よりも圧力媒体に接する第2保護部材52に含まれるオイル量を多くしていることが特徴となっている。
これにより、第2保護部材52から第1保護部材51に常にオイルを供給することができ、第1保護部材51からオイルが抜けて第1保護部材51が硬くならないようにすることができる。
この場合、第2保護部材52に含まれるオイルが圧力媒体中に抜け出てしまったとしても、第1保護部材51よりも第2保護部材52に含まれるオイル量を多くしてあるため、第1保護部材51から第2保護部材52へのオイルの移動が起こらないようにすることができ、第1保護部材51のオイル量が減少しないようにすることができる。したがって、オイル抜けによる第1保護部材51や第2保護部材52の硬化を回避することができ、ひいてはセンサチップ20の特性に影響を及ぼさないようにすることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第1実施形態では、オイル供給源である第2保護部材52とセンサチップ20の裏面に接する第1保護部材51とを同じ材質のもので構成していたが、本実施形態では、第2保護部材52に代えてオイルを含有したプレートを用いることが特徴となっている。
図4は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。この図に示されるように、圧力センサにおいて、第1保護部材51の上にシート状のプレート部材53が配置され、第1保護部材51およびプレート部材53によってチップ裏面側保護部材50が構成されている。
このプレート部材53は、オイルを含んだオイル供給源として機能するものであり、例えば樹脂やゴムの材質のものが採用される。また、第1実施形態と同様に、プレート部材53に含まれるオイル量は、第1保護部材51に含まれるオイル量よりも多くなっている。
そして、プレート部材53は、第1保護部材51の上に配置される一方、圧力導入孔13の壁面に接しているが固定されていない。すなわち、プレート部材53は、第1保護部材51の表面に浮いた状態とされている。
このような構造によると、プレート部材53は圧力媒体から圧力を受けると、圧力印加方向に摺動するだけである。また、プレート部材53が熱収縮したとしても、プレート部材53自体が応力を発生することはなく、センサチップ20の特性に影響を及ぼすことはない。
図2に示される圧力センサを製造するに際し、チップ裏面側保護部材50を形成する場合、第1保護部材51よりもプレート部材53のオイル量が多くなるように、第1保護部材51およびプレート部材53をそれぞれ用意し、圧力導入孔13内に第1保護部材51を充填する。この後、第1保護部材51の上にプレート部材53を載せ、第1保護部材51を硬化させる。これにより、チップ裏面側保護部材50を形成できる。このように、第1保護部材51の上にプレート部材53を載せるだけでよいので、チップ裏面側保護部材50を容易に形成することができる。
また、本実施形態に係る圧力センサは、ケース10の凹部12には、ケース10の凹部12の底面と台座23との接着部、ボンディングワイヤ61と導体部11との接続部を覆うゴム部材14が設けられた構成となっている。このゴム部材14は、導体部11とケース10との界面等からの気泡の発生を抑制する機能を果たすものであり、高弾性率を持ち且つ耐薬品性を有する材料からなるものが採用される。このゴム部材14の上にチップ表面側保護部材40が設けられている。このようなゴム部材14は、第1実施形態に示される圧力センサに採用することもできる。
以上説明したように、チップ裏面側保護部材50の構成として、第1保護部材51にオイルを供給するプレート部材53を採用することができる。このプレート部材53をオイル供給源とすることで、第1保護部材51が硬くならないようにすることができ、ひいてはセンサチップ20の特性に影響を及ぼさないようにすることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記各実施形態では、圧力導入孔13の第1孔13a内において第1保護部材51の上に第2保護部材52やプレート部材53が配置されていたが、本実施形態では、第1孔13a内においてオイル供給源となる部材の上に第1保護部材51が配置された構造になっていることが特徴となっている。
図5は、本発明の第3実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。この図に示されるように、ケース10に設けられた圧力導入孔13の第2孔13b内に中空筒状のパイプ部材15が配置されている。このパイプ部材15の外径は、第2孔13bの径と同じになっており、パイプ部材15の外壁が第2孔13bの壁面に接するように取り付けられている。また、パイプ部材15は第2孔13bから第1孔13a側に突出する長さになっている。パイプ部材15の材質として、例えば金属やセラミックスが採用される。なお、パイプ部材15は、本発明の堤防部に相当する。
また、第1孔13a内に突出するパイプ部材15の外壁と第1孔13aの壁面とで構成される領域にオイル供給源としてのゴム部材54が配置されている。そして、センサチップ20の裏面に接するように台座23の貫通孔23a、パイプ部材15の中空部分、およびゴム部材54の上に第1保護部材51が充填されている。これにより、センサチップ20の裏面に接する第1保護部材51が圧力媒体に接すると共に、オイル供給源であるゴム部材54が第1保護部材51に完全に覆われた形態となっている。本実施形態では、これら第1保護部材51およびゴム部材54によってチップ裏面側保護部材50が構成されている。なお、ゴム部材54は、本発明のオイル供給部材に相当する。
上記パイプ部材15は、第1孔13aの底面にゴム部材54を充填するための堤防として機能するものである。パイプ部材15を用いずに、当該第2孔13bの開口部分に第1孔13a内に突出する堤防部があらかじめ設けられたケース10を採用しても良い。
このような構成を有するチップ裏面側保護部材50において、センサチップ20の裏面に接する第1保護部材51に含まれるオイル量よりもゴム部材54に含まれるオイル量が多くなっている。
ここで、センサチップ20の裏面に接する第1保護部材51が圧力媒体に接する形態とされているため、第1保護部材51からオイルが抜け出る。しかしながら、第1保護部材51に接するゴム部材54から常にオイルが供給されるため、第1保護部材51に含まれるオイル量が減少しないようにすることができる。
したがって、オイル供給源であるゴム部材54を第1保護部材51で覆うと共に、第1保護部材51を圧力媒体にさらす形態としても、第1保護部材51が硬くならないようにすることができ、センサチップ20の特性に影響を与えないようにすることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、第1保護部材51にオイルを直接供給することが特徴となっている。
図6は、本発明の第4実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。この図に示されるように、ケース10内にオイル供給室16が設けられており、このオイル供給室16内に液状のオイル17が配置されている。オイル17は、ケース10をなす板の一面に設けられた供給口18からオイル供給室16内に入れられている。
さらに、ケース10内に設けられた通路19によって、オイル供給室16と圧力導入孔13の第1孔13aとが繋がれている。これにより、第1孔13a内に第1保護部材51が充填され、オイル17がオイル供給室16内に入れられると、オイル17が第1保護部材51に直接接するようになっている。
このような構成によると、第1保護部材51は第2保護部材52からオイルを供給される一方、通路19を介してオイル供給室16からオイル17が直接供給される。したがって、第1保護部材51に含まれるオイル量が減少することはなく、供給されるオイル量によっては圧力センサ完成時よりも第1保護部材51はオイルによって軟らかくなる。
以上のように、ケース10にオイル供給室16を設け、第1保護部材51にオイル17を直接接するようにすることで、第2保護部材52からだけでなく、オイル17を第1保護部材51に供給することができる。
この場合、第1保護部材51にオイル17を直接供給できることから、第1保護部材51と第2保護部材52とにそれぞれ含まれるオイル量を同じにしても構わない。また、本実施形態に示されるオイル供給室16を図4および図5に示される圧力センサに採用することもできる。図5に示される圧力センサにおいては、オイル17がゴム部材54に直接接する形態とすることができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記各実施形態では、圧力センサはセンサチップ20の表面と裏面とでそれぞれ受けた圧力の差圧を検出するものとして構成されていたが、絶対圧を検出する圧力センサに上記した発明の内容を適用することができる。
図7は、本発明の第5実施形態に係る圧力センサの一部概略断面図であり、センサチップ70付近の拡大図である。圧力センサは、例えば、ケース80に凹部81が設けられており、この凹部81の底面にガラス台座71を介してセンサチップ70が固定されている。また、センサチップ70の各入出力端子(図示せず)は、ケース80にインサート成形され、凹部81の底面に露出するターミナル82の一端側に対しボンディングワイヤ83を介して電気的に接続されている。
センサチップ70は板状をなしており、絶対圧を検出するものとして構成されている。すなわち、センサチップ70を構成する板の一方の面が圧力受圧面、板の他方の面が基準圧力である真空圧を検出する面になっている。
さらに、ケース80の凹部81の底部には、ゴム部材55がターミナル82とボンディングワイヤ83との接続部およびその周辺部を覆うように設けられている。そして、ゴム部材55の上面にセンサチップ70の圧力受圧面に接する第1保護部材51が積層され、この第1保護部材51の上に第2保護部材52が設けられている。
このような構成の圧力センサにおいても、センサチップ70の圧力受圧面に接する第1保護部材51に含まれるオイル量よりも圧力媒体に接する第2保護部材52に含まれるオイル量を多くすることで、第2保護部材52から第1保護部材51にオイルを供給することができ、第1保護部材51の硬化を防止することができる。
(第6実施形態)
本実施形態では、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図8は、本発明の第6実施形態に係る圧力センサの一部概略断面図である。この図に示されるように、第1保護部材51の上に、第1保護部材51よりも多くのオイルが混合されたプレート部材53が配置されている。このように、絶対圧を測定する圧力センサにおいて、プレート部材53を採用した構成とすることもできる。
(第7実施形態)
本実施形態では、第5、第6実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図9は、本発明の第7実施形態に係る圧力センサの一部概略断面図である。本実施形態では、センサチップ70の圧力受圧面に接する第1保護部材51よりも、当該第1保護部材51よりも下層のゴム部材55に含まれるオイル量を多くしてゴム部材55をオイル供給源として機能させている。このように、第1保護部材51に覆われたゴム部材55をオイル供給源とすることもできる。なお、本実施形態に係るゴム部材55は、本発明のオイル供給部材に相当する。
(他の実施形態)
上記各実施形態に示される圧力センサの形態は一例を示すものであって、これらに限らず他の形態であっても構わない。
上記各実施形態では、チップ裏面側保護部材50の第2保護部材52として、ゲル部材が採用されているが、例えばゴム等の樹脂材料を用いることも可能である。この場合であっても、第2保護部材52に混合するオイルの量を第1保護部材51よりも多くすれば良い。
上記各実施形態では、チップ裏面側保護部材50が2層構造のものについて説明したが、3層以上になっていても良い。この場合、少なくとも、センサチップ20に接する第1保護部材に含まれるオイル量よりも、この第1保護部材に接する第2保護部材に含まれるオイル量を多くすれば良い。
また、上記第1〜第4実施形態では、チップ裏面側保護部材50のみがオイルを含んだ保護部材51、52で構成されているが、チップ表面側保護部材40がオイルを含んだ各保護部材51、52で構成されていても良い。この場合、上記のようにチップ表面側保護部材40を複数の保護部材で構成することもできる。
上記第5〜第7実施形態で示された絶対圧を検出する圧力センサに対し、第4実施形態に示されるオイル供給室16を設けることもできる。これにより、オイル供給室16内のオイル17が凹部81内に設けられた第1保護部材51に直接接するため、オイル17を第1保護部材51に対するオイル供給源とすることができる。この場合、第7実施形態における図9に示される圧力センサにおいては、オイル17がゴム部材55に直接接する形態とすることができる。
本発明の第1実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。 オイル濃度Xの保護部材を加熱した場合の減量重量と時間との相関関係を示した図である。 オイルを補充される保護部材の増加重量と時間との相関関係を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。 本発明の第4実施形態に係る圧力センサの概略断面図である。 本発明の第5実施形態に係る圧力センサの一部概略断面図である。 本発明の第6実施形態に係る圧力センサの一部概略断面図である。 本発明の第7実施形態に係る圧力センサの一部概略断面図である。
符号の説明
10、80…ケース、12、81…ケースの凹部、13…圧力導入孔、13a…第1孔、13b…第2孔、15…パイプ部材、16…オイル供給室、17…オイル、19…通路、20、70…センサチップ、50…チップ裏面側保護部材、51…第1保護部材、52…第2保護部材、53…プレート部材、54、55…ゴム部材。

Claims (13)

  1. 圧力受圧面を有し、前記圧力受圧面で圧力媒体の圧力を検出してその圧力に応じた電気信号を発生するセンサチップ(20、70)を、オイル材が混合された複数の保護部材(50)で被覆保護してなる圧力センサであって、
    前記複数の保護部材(50)のうち、少なくとも、前記センサチップ(20、70)の圧力受圧面に接する第1保護部材(51)に含まれるオイル材の量よりも、この第1保護部材(51)に接する第2保護部材(52)に含まれるオイル材の量が多くなっており、前記第2保護部材(52)は前記第1保護部材(51)のオイル供給源になっていることを特徴とする圧力センサ。
  2. 一面および他面を有する板状のものであって、前記一面に凹部(12)が形成され、この凹部(12)の底面と前記他面とを貫通する圧力導入孔(13)が形成されたケース(10)を備え、
    前記センサチップ(20)は、一面および他面を有する板状のものであって、前記一面および他面が圧力受圧面になっており、前記各圧力受圧面にそれぞれ印加される圧力の差圧を検出するようになっており、前記圧力受圧面の一方が前記ケース(10)の圧力導入孔(13)に対向するように前記凹部(12)内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記複数の保護部材(50)は、前記第1保護部材(51)と前記第2保護部材(52)との二層のみによって構成され、前記第1保護部材(51)は前記センサチップ(20)の圧力受圧面の一方に接するように前記圧力導入孔(13)内に充填されると共に、前記第2保護部材(52)は圧力導入孔(13)内であって前記第1保護部材(51)の上に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力センサ。
  4. 前記第2保護部材(52)は、オイル材が含まれたシート状をなしており、前記第1保護部材(51)の上に配置されるプレート部材(53)として構成されていることを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。
  5. 前記ケース(10)内に液状のオイル(17)が配置されたオイル供給室(16)が設けられており、前記オイル(17)は前記オイル供給室(16)から前記圧力導入孔(13)に通じる通路(19)を通過して前記圧力導入孔(13)内に配置された前記第1保護部材(51)に直接接しており、前記オイル(17)が前記第1保護部材(51)に対するオイル供給源になっていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  6. 前記圧力導入孔(13)は、前記ケース(10)の他面に開口する第1孔(13a)と、前記第1孔(13a)よりも径が小さく前記ケース(10)の凹部(12)の底面に開口する第2孔(13b)とによって構成され、前記第2孔(13b)の開口部分に前記第1孔(13a)内に突出する堤防部(15)が設けられており、
    前記複数の保護部材(50)は、前記第1保護部材(51)とオイル供給部材(54)とのみによって構成され、前記第1保護部材(51)は前記センサチップ(20)の圧力受圧面の一方に接するように前記第2孔(13b)内に充填されると共に、前記オイル供給部材(54)は前記第1孔(13a)内であってこの第1孔(13a)の壁面と前記堤防部(15)とで囲まれた領域に配置されると共に前記第1保護部材(51)に覆われており、
    前記オイル供給部材(54)に含まれるオイル材の量は、前記第1保護部材(51)に含まれるオイル材の量よりも多くなっており、前記オイル供給部材(54)は前記第1保護部材(51)のオイル供給源になっていることを特徴とする請求項2に記載の圧力センサ。
  7. 前記ケース(10)内に液状のオイル(17)が配置されたオイル供給室(16)が設けられており、前記オイル(17)は前記オイル供給室(16)から前記第1孔(13a)に通じる通路(19)を通過して前記第1孔(13a)内に配置された前記オイル供給部材(54)に直接接しており、前記オイル(17)が前記オイル供給部材(54)に対するオイル供給源になっていることを特徴とする請求項6に記載の圧力センサ。
  8. 凹部(81)を有するケース(80)を備え、
    前記センサチップ(70)は、圧力受圧面を有する板状のものであって、前記圧力受圧面に印加される圧力を絶対圧として検出するように前記凹部(81)内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  9. 前記複数の保護部材(50)は、前記第1保護部材(51)と前記第2保護部材(52)との二層のみによって構成され、前記第1保護部材(51)は前記センサチップ(20)の圧力受圧面の一方に接するように前記凹部(81)内に充填されると共に、前記第2保護部材(52)は凹部(81)内であって前記第1保護部材(51)の上に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の圧力センサ。
  10. 前記第2保護部材(52)は、オイル材が含まれたシート状をなしており、前記第1保護部材(51)の上に配置されるプレート部材(53)として構成されていることを特徴とする請求項9に記載の圧力センサ。
  11. 前記ケース(80)内に液状のオイル(17)が配置されたオイル供給室(16)が設けられており、前記オイル(17)は前記オイル供給室(16)から前記凹部(81)に通じる通路(19)を通過して前記凹部(81)内に配置された前記第1保護部材(51)に直接接しており、前記オイル(17)が前記第1保護部材(51)に対するオイル供給源になっていることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1つに記載の圧力センサ。
  12. 前記複数の保護部材(50)は、第1保護部材(51)とオイル供給部材(55)との二層のみによって構成され、前記第1保護部材(51)は前記センサチップ(70)の圧力受圧面に接するように前記凹部(81)内に充填されると共に、前記オイル供給部材(55)は前記凹部(81)の底面に充填され前記第1保護部材(51)に覆われていることを特徴とする請求項8に記載の圧力センサ。
  13. 前記ケース(80)内に液状のオイル(17)が配置されたオイル供給室(16)が設けられており、前記オイル(17)は前記オイル供給室(16)から前記凹部(81)に通じる通路(19)を通過して前記凹部(81)内に配置された前記オイル供給部材(55)に直接接しており、前記オイル(17)が前記オイル供給部材(55)に対するオイル供給源になっていることを特徴とする請求項12に記載の圧力センサ。
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