JP2006058223A - 圧力センサおよびその設計方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ケースに接着されたセンサチップに加わる表面側圧力と裏面側圧力との差圧に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサにおいて、センサチップの接着部の信頼性を適切に確保する。
【解決手段】 表面20aおよび裏面20bに圧力が印加されるセンサチップ20がその裏面20bをケース10に対向させた状態でケース10に接着され、ケース10には、センサチップ20の裏面20bへ圧力を印加するための圧力導入穴13が設けられ、センサチップ20の表面20aに印加される表面側圧力よりも裏面20bに印加される裏面側圧力の方が大きいものであり、表面側圧力と裏面側圧力の差圧に基づいて圧力検出を行う圧力センサ100において、センサチップ20の表面20aの面積をS1、圧力導入穴13の穴面積をS2、表面側圧力をP1、裏面側圧力をP2としたとき、(S1×P1)≧(S2×P2)の関係が満足されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 表面20aおよび裏面20bに圧力が印加されるセンサチップ20がその裏面20bをケース10に対向させた状態でケース10に接着され、ケース10には、センサチップ20の裏面20bへ圧力を印加するための圧力導入穴13が設けられ、センサチップ20の表面20aに印加される表面側圧力よりも裏面20bに印加される裏面側圧力の方が大きいものであり、表面側圧力と裏面側圧力の差圧に基づいて圧力検出を行う圧力センサ100において、センサチップ20の表面20aの面積をS1、圧力導入穴13の穴面積をS2、表面側圧力をP1、裏面側圧力をP2としたとき、(S1×P1)≧(S2×P2)の関係が満足されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、相対圧型の圧力センサおよびその設計方法に関する。
従来より、相対圧型の圧力センサとしては、ケースに接着されたセンサチップに加わる表面側圧力と裏面側圧力との差圧に基づいて圧力検出を行うようにしたものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
このものは、表面および裏面に圧力が印加される圧力検出用のセンサチップがその裏面をケースに対向させた状態でケースに接着され、ケースには、センサチップの裏面へ圧力を印加するための圧力導入穴が設けられており、表面側圧力と裏面側圧力の差圧に基づいて圧力検出を行うようにしたものである。
また、このものにおいては、ケースにおける圧力導入穴には、センサチップの裏面を封止するようにゲル部材が充填されており、センサチップ裏面をカーボン等の汚染物質や結露水の氷結からゲル部材によって保護する構造としている。
特開2002−221462号公報
ところで、このような圧力センサは、このものは、たとえば自動車のディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム(DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)システム)を構成する一部品として、排気ガスの圧力を検出するものとして適用できる。
そのため、通常は、センサチップの表面に印加される表面側圧力(たとえば大気圧)よりも裏面に印加される裏面側圧力(たとえば排気ガス圧)の方が大きい。
そのため、センサチップに加わる力は、センサチップの裏面側の方が表面側よりも大きくなり、センサチップのケースへの接着部に引っ張り応力が加わる可能性があり、当該接着部の信頼性が低下する。
ここで、センサチップに加わる力は、面積×圧力であるため、単純には、接着部の信頼性を確保するためには、ケースの圧力導入穴を小さくするのが望ましい。
しかしながら、ケースの圧力導入穴を小さくすると、この圧力導入穴にゲル部材を充填する構造では、充填しにくくなったり、ゲルの熱収縮による体積変化によってゲルによる圧力伝達特性が変化するなど、誤差要因が大きくなるという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ケースに接着されたセンサチップに加わる表面側圧力と裏面側圧力との差圧に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサにおいて、センサチップの接着部の信頼性を適切に確保できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、表面(20a)および裏面(20b)に圧力が印加される圧力検出用のセンサチップ(20)がその裏面(20b)をケース(10)に対向させた状態でケース(10)に接着され、ケース(10)には、センサチップ(20)の裏面(20b)へ圧力を印加するための圧力導入穴(13)が設けられており、センサチップ(20)の表面(20a)に印加される表面側圧力よりも裏面(20b)に印加される裏面側圧力の方が大きいものであり、表面側圧力と裏面側圧力との差圧に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサの設計方法であって、センサチップ(20)の表面(20a)の面積をS1、圧力導入穴(13)の穴面積をS2、表面側圧力をP1、裏面側圧力をP2としたとき、(S1×P1)≧(S2×P2)の関係を満足するように、圧力導入穴(13)の穴面積S2を規定することを特徴としている。
本発明のように、(S1×P1)≧(S2×P2)の関係を満足させれば、センサチップ(20)に加わる力は、センサチップ(20)の表面(20a)側の方が裏面(20b)側よりも大きくなるため、センサチップ(20)のケース(10)への接着部(23)では圧縮応力となり、当該接着部(23)の信頼性が確保される。
また、(S1×P1)=(S2×P2)の関係を満足する圧力導入穴(13)の穴面積S2が、当該接着部の信頼性が確保可能な最大の穴面積S2として求められる。
このように、本発明によれば、ケース(10)に接着されたセンサチップ(20)に加わる表面側圧力と裏面側圧力との差圧に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサにおいて、センサチップ(20)の接着部(23)の信頼性を適切に確保することのできる設計手法を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の圧力センサの設計方法において、ケース(10)における圧力導入穴(13)には、センサチップ(20)の裏面(20b)を封止するようにゲル部材(52)が充填されていることを特徴としている。
それによれば、上記請求項1に記載の発明のようにして適切な圧力導入穴(13)の最大限の大きさを求めることができることから、圧力導入穴(13)へゲル部材(52)を充填する構成において、ゲル部材(52)の熱収縮による誤差要因を極力抑制することができる。
請求項3に記載の発明では、表面(20a)および裏面(20b)に圧力が印加される圧力検出用のセンサチップ(20)がその裏面(20b)をケース(10)に対向させた状態でケース(10)に接着され、ケース(10)には、センサチップ(20)の裏面(20b)へ圧力を印加するための圧力導入穴(13)が設けられており、センサチップ(20)の表面(20a)に印加される表面側圧力よりも裏面(20b)に印加される裏面側圧力の方が大きいものであり、表面側圧力と裏面側圧力の差圧に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサにおいて、センサチップ(20)の表面(20a)の面積をS1、圧力導入穴(13)の穴面積をS2、表面側圧力をP1、裏面側圧力をP2としたとき、(S1×P1)≧(S2×P2)の関係が満足されていることを特徴としている。
それによれば、センサチップ(20)に加わる力は、センサチップ(20)の表面(20a)側の方が裏面(20b)側よりも大きくなるため、センサチップ(20)のケース(10)への接着部(23)は圧縮応力となり、当該接着部の信頼性を適切に確保することができる。
ここで、請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の圧力センサにおいて、ケース(10)における圧力導入穴(13)には、センサチップ(20)の裏面を封止するようにゲル部材(52)が充填されていることを特徴としている。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
限定するものではないが、本実施形態は、たとえば自動車のディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム(DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)システム)を構成する一部品として、排気ガスの圧力を検出するものとして適用できる。
限定するものではないが、本実施形態は、たとえば自動車のディーゼルエンジンの排気ガス浄化システム(DPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)システム)を構成する一部品として、排気ガスの圧力を検出するものとして適用できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る相対圧型の圧力センサ100の概略断面構成を示す図である。
図1において、ケース10は圧力センサ本体を区画するもので、たとえばPBT(ポリブチレンテレフタレート)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂材料等よりなるケースである。
このケース10は、ターミナルなどの導体部11がインサート成形されたものである。このケース10の一面側には、凹部12が形成され、この凹部12には、印加された圧力値に応じたレベルの電気信号を発生するセンシング部としてのセンサチップ20が収納されている。
ここでは、このセンサチップ20は、シリコン半導体等の半導体基板よりなり、その表面(図1中の上面)20a側に薄肉部としてのダイアフラム21を有し、他面(図1中の下面)20b側に、このダイアフラム21を構成するために異方性エッチング等により形成された凹部を有する半導体ダイアフラム式のチップである。
このようなセンサチップ20は、表裏両面20a、20bにて圧力を受け、両圧力の差圧によってダイアフラム21が歪み、たとえばダイアフラム21に形成された抵抗により構成されたブリッジ回路によって、このダイアフラム21の歪みに基づく信号を出力するものである。
また、センサチップ20の裏面20bには、ガラス等よりなる台座22が接合されセンサチップ20と一体化されている。そして、センサチップ20は、この台座22を介して、ケース10の凹部12の底面に、接着剤からなる接着部23を介して接着され、ケース10に収納固定されている。
このようにセンサチップ20は、その裏面20bをケース10に対向させた状態でケース10に接着されているが、ここで、接着部23を構成する接着剤としては、この接着部23の熱応力がセンサ特性に影響を与え難いような柔らかい接着剤、たとえばシリコーン系接着剤やフロロシリコーン系接着剤等を採用することができる。
ここで、台座22には、圧力導入通路としての孔部(貫通孔)22aが形成されている。そして、ケース10の凹部12の底面には、この台座22の孔部22aに対応する位置に圧力導入穴13が設けられている。この圧力導入穴13は、凹部12の底面からケース10の他面側へ貫通する貫通穴である。
このように、本実施形態において、ケース10の一面側に形成されている凹部12とケース10の他面側に開口した圧力導入穴13とは、センサチップ20によって区画されている。
また、ケース10の凹部12内には、センサチップ20からの信号を増幅したり調整したりするなどの信号処理を行うための回路チップ30が収納され固定されている。そして、この回路チップ30とセンサチップ20とは、金やアルミニウムなどからなるボンディングワイヤ40を介して結線され電気的に接続されている。
また、センサチップ20は、導体部11ともボンディングワイヤ40を介して結線され電気的に接続されている。さらに、図示しないが、ケース10においては、回路チップ30の近傍にも導体部が設けられており、当該導体部と回路チップ30とはボンディングワイヤなどを介して結線され電気的に接続されている。
また、ケース10の凹部12内には、フッ素ゲルなどのゲル材料からなる第1のゲル部材51が充填されている。この第1のゲル部材51によって、導体部11とケース10との界面、センサチップ20、回路チップ30およびこれらのボンディングワイヤ40などによる接続部が封止され、保護されている。
また、センサチップ20の裏面20b側において、圧力導入穴13および台座22の孔部22aにはフッ素ゲルなどのゲル材料からなる第2のゲル部材52が充填されている。この第2のゲル部材52により、センサチップ20の裏面が封止され、圧力導入穴13への異物の侵入が防止されるようになっている。
排気ガスによる凝縮水は、排気ガスの窒素酸化物や硫黄酸化物が溶け込み強い酸性を持つため、これらゲル部材51、52としては、耐酸性が強いフッ素ゲルを使用することが望ましい。
また、ケース10における圧力導入穴13の外方側には、第2のゲル部材52の表面積(受圧面積)を広く稼ぐためのキャビティ14が設けられており、第2のゲル部材52はこのキャビティ14の部分まで注入されている。
こうして、センサチップ20の表面20aには、第1のゲル部材51を介して、たとえば大気圧などの表面側圧力P1が印加され、センサチップ20の裏面20bには、圧力導入穴13から第2のゲル部材52を介して、たとえば排気ガス圧などの裏面側圧力P2が印加されるようになっている。
具体的に、表面側圧力としては、たとえば100kPa程度の大気圧であり、裏面側圧力としては、100kPa〜200kPa程度の排気ガス圧であり、表面側圧力よりも裏面側圧力の方が大きい環境で使用される。
そして、センサチップ20においてダイアフラム21は、チップの表面20a側と裏面20b側との差圧によって歪み、この歪みに応じたレベルの電気信号がセンサチップ20から出力される。そして、この信号は、回路チップ30にて処理され、導体部11から外部へ出力されるようになっている。
かかる圧力センサ100の製造方法について述べる。まず、導体部11がインサート成形され、凹部12、圧力導入穴13が形成されたケース10を用意する。このようなケース10は、型成形により容易に作成することができる。
ケース10の凹部12に、台座22と一体化されたセンサチップ20および回路チップ30を、上記接着剤により接着固定する。その後、センサチップ20と導体部11との間、回路チップ30と導体部との間、センサチップ20と回路チップ30との間を、ワイヤボンディングすることによって、ボンディングワイヤ40で結線する。
次に、ケース10に対して第1のゲル部材51および第2のゲル部材51を配設する。具体的には、上記図1に示されるような状態となるように、ゲル部材51、52を注入・充填した後、気泡発生を防ぐために真空脱泡し、その後、ゲル部材51、52を加熱硬化させることにより、ゲル部材51、52の配設が終了する。こうして、図1に示される圧力センサ100が完成する。
ところで、上述したように、本実施形態の圧力センサ100は、通常の使用環境では、センサチップ20の表面20aに印加される表面側圧力(たとえば大気圧、通常100kPa)よりも裏面20bに印加される裏面側圧力(たとえば排気ガス圧、通常100〜200kPa)の方が大きい。
そのため、センサチップ20に加わる力は、センサチップ20の裏面20b側の方が表面20a側よりも大きくなり、センサチップ20のケース10への接着部23に対し、センサチップ20がケース10から引き離される方向の力すなわち引っ張り応力が加わる可能性があり、当該接着部23の信頼性が低下する。
特に、接着部23を構成する接着剤としては、たとえばシリコーン系接着剤やフロロシリコーン系接着剤のような接着部23の熱応力がセンサ特性に影響を与え難いような柔らかい接着剤を使用する場合には、接着部23の破壊耐圧が約1MPa程度しか確保することができない。
ここで、センサチップ20に加わる力は、面積×圧力であるため、単純には、接着部23の信頼性を確保するためには、ケース10の圧力導入穴13を小さくするのが望ましいが、上述したように、圧力導入穴13を小さくすると、ゲル部材52を充填しにくくなったり、ゲル部材の熱収縮に起因する特性変動が生じ、誤差要因が大きくなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、接着部23の信頼性を保ちつつ、ケース10における圧力導入穴13を最大限に大きくするための独自の設計方法を採用している。
すなわち、本実施形態によれば、表面20aおよび裏面20bに圧力が印加される圧力検出用のセンサチップ20がその裏面20bをケース10に対向させた状態でケース10に接着され、ケース10には、センサチップ20の裏面20bへ圧力を印加するための圧力導入穴13が設けられており、センサチップ20の表面20aに印加される表面側圧力よりも裏面20bに印加される裏面側圧力の方が大きいものであり、表面側圧力と裏面側圧力との差圧に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサの設計方法であって、センサチップ20の表面20aの面積をS1、圧力導入穴13の穴面積をS2、表面側圧力をP1、裏面側圧力をP2としたとき、(S1×P1)≧(S2×P2)の関係を満足するように、圧力導入穴13の穴面積S2を規定することを特徴とする圧力センサ100の設計方法が提供される。
本設計方法のように、(S1×P1)≧(S2×P2)の関係を満足させれば、センサチップ20に加わる力は、センサチップ20の表面20a側の方が裏面20b側よりも大きくなるため、センサチップ20のケース10への接着部23では圧縮応力となる。つまり、センサチップ20はケース10へ押しつけられるようにセンサチップ20に力が加わるため、当該接着部23の信頼性が確保される。
また、(S1×P1)=(S2×P2)の関係を満足する圧力導入穴13の穴面積S2が、当該接着部の信頼性が確保可能な最大の穴面積S2として求められる。ここで、センサチップ20の表面20aの面積S1は、たとえば3mm□のチップサイズとして9mm2程度とすることができる。
また、圧力導入穴13の穴面積S2が小さすぎると、上述したようにゲル部材による特性変動が生じるため、円形穴の圧力導入穴13における穴径としては、たとえばφ1.25mm以上であることが望ましい。この場合、圧力導入穴13の穴径は、φ1、25mm以上であって上記不等式の関係から求められる穴径の大きさとすることができる。
このように、本実施形態によれば、ケース10に接着されたセンサチップ20に加わる表面側圧力と裏面側圧力との差圧に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサ100において、センサチップ20の接着部23の信頼性を適切に確保することのできる設計手法を提供することができる。
また、本実施形態の設計方法では、ケース10における圧力導入穴13には、センサチップ20の裏面20bを封止するようにゲル部材52が充填されていること圧力センサ100としたことも特徴点である。
上記圧力センサ100において、ゲル部材51、52が無い構成であってもよいが、上記設計方法により、適切な圧力導入穴13の最大限の大きさを求めることができることから、圧力導入穴13へゲル部材52を充填する構成において、ゲル部材52の熱収縮による誤差要因を極力抑制できる。
また、本実施形態によれば、表面20aおよび裏面20bに圧力が印加される圧力検出用のセンサチップ20がその裏面20bをケース10に対向させた状態でケース10に接着され、ケース10には、センサチップ20の裏面20bへ圧力を印加するための圧力導入穴13が設けられており、センサチップ20の表面20aに印加される表面側圧力よりも裏面20bに印加される裏面側圧力の方が大きいものであり、表面側圧力と裏面側圧力の差圧に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサにおいて、センサチップ20の表面20aの面積をS1、圧力導入穴13の穴面積をS2、表面側圧力をP1、裏面側圧力をP2としたとき、(S1×P1)≧(S2×P2)の関係が満足されていることを特徴とする圧力センサ100が提供される。
それによれば、センサチップ20に加わる力は、センサチップ20の表面20a側の方が裏面20b側よりも大きくなるため、センサチップ20のケース10への接着部23は圧縮応力となり、当該接着部23の信頼性を適切に確保することができる。
なお、上記設計方法は、圧力センサの製造工程の一環として組み込まれるものであり、さらに言うならば、本実施形態は、上記した特徴を有する設計工程を備えた圧力センサの製造方法を提供することができるものである。
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態に係る相対圧型の圧力センサ200の概略断面構成を示す図である。上記実施形態との相違点を中心に述べる。
図2は、本発明の第2実施形態に係る相対圧型の圧力センサ200の概略断面構成を示す図である。上記実施形態との相違点を中心に述べる。
上記実施形態の圧力センサ100では、ケース10の凹部12には第1のゲル部材51が充填されていたが、本実施形態の圧力センサ200では、図2に示されるように、第1のゲル部材51の下層にゴム部材53を設け、センサチップ20の保護構造を、ゲル・ゴ2層構造としている。
この2層構造において下層に位置するゴム部材53は、導体部11とケース10との界面等からの気泡の発生を抑制するために高弾性率を持ち且つ耐薬品性を有する材料からなるものにできる。限定するものではないが、たとえば、フッ素系のゴム材料などを採用することができる。
また、このようにセンサチップ20の保護構造をゲル・ゴム2層構造とすることによって、ゴム部材53による接着効果が期待でき、接着部23の信頼性をより向上させることができる。
なお、このような2層構造は、ゲル部材51を配設する前に、ケース10の凹部12へゴム部材53を配設し、その後は、上記実施形態と同様にしてゲル部材51、52の配設を行うことにより容易に実現することができる。
そして、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、センサチップ20の接着部23の信頼性を適切に確保することのできる設計手法、圧力センサ、および製造方法を提供することができることは明らかである。
以上述べてきたように、上記実施形態によれば、従来のこの種の圧力センサにおいては存在しなかった、センサチップの接着部の信頼性確保のための新規な設計指針に基づく設計方法および圧力センサが提供される。
なお、本発明は、表面および裏面に圧力が印加される圧力検出用のセンサチップがその裏面をケースに対向させた状態でケースに接着され、ケースには、センサチップの裏面へ圧力を印加するための圧力導入穴が設けられており、センサチップの表面に印加される表面側圧力よりも裏面に印加される裏面側圧力の方が大きいものであり、表面側圧力と裏面側圧力との差圧に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサであるならば、上記した構成や用途等に限定されることなく、適用可能なものである。
10…ケース、13…圧力導入穴、20…センサチップ、
20a…センサチップの表面、20b…センサチップの裏面、
52…第2のゲル部材。
20a…センサチップの表面、20b…センサチップの裏面、
52…第2のゲル部材。
Claims (4)
- 表面(20a)および裏面(20b)に圧力が印加される圧力検出用のセンサチップ(20)がその裏面(20b)をケース(10)に対向させた状態で前記ケース(10)に接着され、
前記ケース(10)には、前記センサチップ(20)の裏面(20b)へ圧力を印加するための圧力導入穴(13)が設けられており、
前記センサチップ(20)の表面(20a)に印加される表面側圧力よりも裏面(20b)に印加される裏面側圧力の方が大きいものであり、
前記表面側圧力と前記裏面側圧力との差圧に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサの設計方法であって、
前記センサチップ(20)の表面(20a)の面積をS1、前記圧力導入穴(13)の穴面積をS2、前記表面側圧力をP1、前記裏面側圧力をP2としたとき、(S1×P1)≧(S2×P2)の関係を満足するように、前記圧力導入穴(13)の穴面積S2を規定することを特徴とする圧力センサの設計方法。 - 前記ケース(10)における前記圧力導入穴(13)には、前記センサチップ(20)の裏面(20b)を封止するようにゲル部材(52)が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサの設計方法。
- 表面(20a)および裏面(20b)に圧力が印加される圧力検出用のセンサチップ(20)がその裏面(20b)をケース(10)に対向させた状態で前記ケース(10)に接着され、
前記ケース(10)には、前記センサチップ(20)の裏面(20b)へ圧力を印加するための圧力導入穴(13)が設けられており、
前記センサチップ(20)の表面(20a)に印加される表面側圧力よりも裏面(20b)に印加される裏面側圧力の方が大きいものであり、
前記表面側圧力と前記裏面側圧力の差圧に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサにおいて、
前記センサチップ(20)の表面(20a)の面積をS1、前記圧力導入穴(13)の穴面積をS2、前記表面側圧力をP1、前記裏面側圧力をP2としたとき、(S1×P1)≧(S2×P2)の関係が満足されていることを特徴とする圧力センサ。 - 前記ケース(10)における前記圧力導入穴(13)には、前記センサチップ(20)の裏面を封止するようにゲル部材(52)が充填されていることを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。
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2004
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