JP2009047430A - X線集光レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノメートルレベルの高強度なX線マイクロビームを実現する。
【解決手段】X線集光レンズは、X線の屈折率がN1のコア層であるカーボン層3の上下をX線の屈折率がN2のクラッド層であるルテニウム層2,4で挟んだX線導波路構造を有し、カーボン層3の一部に、X線が透過する材料からなる屈折率がN3(N1の実数部分<N3の実数部分<N2の実数部分)のX線位相シフター層5を有する。X線位相シフター層5は、X線の波長をλ、焦点距離をfとしたとき、X線ビームの中心からAY方向に沿った距離が(2nλf)1/2(nは0,1,2,・・・)の位置と{(2n+1)λf}1/2の位置との間の第1の領域、この第1の領域を除く第2の領域のうちのいずれかに配置され、X線位相シフター層5の長さtは、t=λ/{2×(N3−N1)}である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X線集光装置に関し、より詳細には導波路と位相シフトゾーンを併用して集光するX線集光レンズに関するものである。
近年、ナノテクノロジー開発の進展に伴い、ナノメートルレベルでの材料の構造評価が求められている。ナノメートルレベルの評価手法としては走査型顕微鏡や電子顕微鏡等があるが、いずれも高真空条件や試料の薄片化などが必要であり、観察したい試料をそのまま測定することは困難であった。これに対し、近年X線の集光化技術の進展に伴い、マイクロメーターレベルのX線ビームが得られるようになってきており、このようなX線ビームを利用したX線回折や蛍光X線分析などの材料評価がようやく可能となってきた。
X線ビームの集光には大きく分けて、(A)X線ミラー等のX線用光学素子を利用する手法(非特許文献1参照)、(B)結晶の非対称ブラッグ(Bragg )反射を利用する手法(非特許文献2参照)、(C)X線フレネルゾーンプレートを利用する手法(非特許文献3参照)、(D)透過積層型ゾーンプレートを利用する手法(非特許文献4参照)、(E)X線導波路を利用する手法(非特許文献5参照)がある。
このうち(A)のX線ミラー等のX線用光学素子を利用する手法および(B)の結晶の非対称ブラッグ反射を利用する手法については現状でほぼ技術的限界に来ており、これ以上の集光化は困難である。
これに対しX線のエネルギーが5keV以上である硬X線領域では、(C)のX線フレネルゾーンプレートを利用する手法でビームサイズが100ナノメートル以下の集光ビームが得られている。フレネルゾーンプレートにX線ビームを照射すると、X線ビームの一部はゾーンプレートにより吸収されるため透過しないが、他のX線ビームはゾーンプレートをそのまま透過する。このとき、X線ビームの波長をλ、X線フレネルゾーンプレートの焦点距離をfとして、X線ビームの中心からビームの進行方向に対して直交する方向に対して(2nλf)1/2(n=0,1,2,・・・)の位置と{(2n+1)λf}1/2の位置との間、または{(2n+1)λf}1/2の位置と{(2n+2)λf}1/2の位置との間にX線が透過しない材料からなる遮蔽ゾーンを設けると、透過したX線が相互に干渉することにより、X線ビームを集光することができる。
この集光原理は可視光と同様であり、その詳細については例えば非特許文献6に述べられており、ゾーンプレート集光系の空間分解能はほぼ最外殻ゾーン幅と等しいことが知られている。したがって、X線フレネルゾーンプレートの場合、最大空間分解能はゾーンプレートを構成する遮蔽ゾーンのうち最も細いものの幅で規定される。このようなゾーンプレートを作製するためには、電子ビーム描画を初めとする半導体作製用のリソグラフィ技術が用いられる。半導体リソグラフィ技術自体は10ナノメートルの直線状パターンの描画が可能であるが、X線フレネルゾーンプレートとして必要なリング状のパターンを作製する場合、40ナノメートル程度の幅の描画が現状では限界であり、X線フレネルゾーンプレート自体の分解能も50ナノメーター程度である。さらに、X線フレネルゾーンプレートを作製する際、リング状の非常に多くのパターンを精密に作製する必要があるため、X線フレネルゾーンプレート自体も非常に高価なものとなる。
X線フレネルゾーンプレートではX線が透過できない遮蔽ゾーンを設けることによりX線を集光したのに対し、(D)の透過積層型ゾーンプレートを利用する手法の場合、X線が透過する重元素層とX線が透過する軽元素層とを積層した構造を用いる。非特許文献4には、X線ビームの中心からZ方向に沿った距離が(2nλf11/2(n=0,1,2,・・・)の位置と{(2n+1)λf11/2の位置との間の第1の領域、この第1の領域を除く第2の領域のうちいずれかに配置された積層型フレネルゾーンプレート構造により、X線を線状に集光する可能性が提案されている。また、2つの積層型フレネルゾーンプレート構造を組み合わせることにより、点状に集光する方法が最近提案されている。
一方、(E)のX線導波路を利用する手法の場合、導波路を構成するコアのサイズでX線ビームの大きさが決まる。ここで、コア層のX線領域での屈折率をN1、コア層を覆うクラッド層のX線領域での屈折率をN2とすると、(N1の実数部分)<(N2の実数部分)の関係がある。X線導波路のコア層にX線ビームを入射させると、X線ビームはコア層の中を進行する。このとき、コア層の厚さが充分小さいとき、ある特定の状態のX線しか伝達されず、このときにコア層の厚さDとX線ビームの波長λとX線ビームのクラッド層への入射角φとの間に以下の関係があることが知られている(非特許文献7参照)。
2Dsin(φ)=mλ(m=0,1,2,・・・) ・・・(1)
式(1)の条件は、X線導波路に入射するX線の入射角φに制限があることを示しており、それ以外の入射角を持つX線はコア層を透過することができないことを示している。コア層からクラッド層へのX線ビームの入射角φとして全反射を起こす角度程度を選択し、クラッド層を通過するX線ビームがすべて吸収されてしまって導波路出口に透過しないような長さのX線導波路を用いると、導波路の出口ではX線ビームをコア層のサイズとほぼ同程度のサイズまで集光することができる。このようなX線導波路は蒸着によって作製することができるため、コア層の厚さを10ナノメートル以下にすることは容易であり、数ナノメートルのサイズを持つX線ビームを作製することが原理的に可能となる。
しかし、X線導波路を利用する手法の場合、コアの厚み方向にX線ビームを集光することはできるが、厚み方向及びビームの進行方向に対して垂直なコアの面内方向に対してX線を集光することはできない。すなわち、X線導波路の出口で取り出すことのできるX線は水平方向については入射X線と同じサイズとなるので、このX線導波路で得られるのは一次元方向のみに集光された線状のX線マイクロビームであり、二次元方向に集光された点状のX線マイクロビームを得ることは困難である。
以上のように、X線フレネルゾーンプレートを利用する手法では、10ナノメートルサイズのX線ビームを得ることは困難であり、またX線導波路を利用する手法では、数ナノメートルのサイズのX線ビームを得ることが可能であるが、X線ビームの集光方向が一次元方向のみで、二次元方向に集光されたX線ビームを得ることができず、X線強度が弱いという問題点があった(非特許文献8参照)。前述のとおり、ナノ構造材料研究の進展に伴って、10ナノメートルレベルの空間分解能でナノ構造材料を評価する技術が要求されているが、従来のX線ビームの集光方法では10ナノメートルレベルの空間分解能を実現することは困難である。
このような技術的困難を克服するために、発明者は、X線領域における屈折率がN1であるコア薄膜層の上下を、屈折率N2であるクラッド薄膜層で挟み、屈折率N1とN2の間に(N1の実数部分)<(N2の実数部分)の関係があるX線導波路を用いて、導波路の一部にX線を透過しない遮蔽層により構成されたフレネルゾーンプレートを組み込むことにより垂直方向および水平方向に対するナノメーターレベルで集光されたX線マイクロビームの形成を可能とするX線集光レンズを提案した(特願2006−172450)。
山内他,「Two-dimensional Submicron Focusing of Hard X-rays by Two Elliptical Mirrors Fabricated by Plasma Chemical Vaporization Machining and Elastic Emission Machining」,Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.42,2003,p.7129-7134 津坂他,「Formation of Parallel X-Ray Microbeam and Its Application」,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.39,2000,p.635-637 E.Spiller,「Soft X-ray Optics」,The international Society for Optical Engineering,p.81-97 H.C.Kang,J.Maser,G.B.Stephenson,C.Liu,R.Conley,A.T.Macrander,and S.Vogt,「Nanometer Linear Focusing of Hard X Rays by a Multilayer Laue Lens」,Phys.Rev.Lett.,96,127401,2006 河合潤,「X線進行波」,表面科学,Vol.22,No.6,p.397−403,2001年 久保田広,「波動光学」,岩波書店,p.305,1971年 W.Jark他,「High gain beam compression in new-generation thin-film x-ray waveguide」,Applied Physics Letters,Vol.78,No.9,2001,p.1192-1194 青木貞雄他,「放射光実験の基礎 III.X線マイクロビームとその応用」,PF懇談会,p.68−86,1997年
特願2006−172450で提案したX線集光レンズでは、1次元のゾーンプレート部に遮蔽層を用いるため、入射X線が遮蔽層で吸収され、集光効率が良くないという問題点があった。
本発明は、この課題を解決するためのものであり、従来のX線ビームの集光技術では困難であったナノメートルレベルの高強度なX線マイクロビームを高効率で実現することができるX線集光レンズを提供することを目的とする。
本発明は、X線の屈折率がN1のコア層の上下をX線の屈折率がN2のクラッド層で挟んだX線導波路を用いてX線を集光するX線集光レンズであって、X線が入射する前記コア層の一部または前記コア層の前に、X線が透過する材料からなる屈折率がN3(N1の実数部分<N3の実数部分<N2の実数部分)の位相シフター層を有し、前記位相シフター層は、X線の波長をλ、焦点距離をfとし、X線ビームの進行方向をAX、この進行方向AXと直交する方向のうち前記コア層と前記クラッド層の積層方向をAZ、前記AX及びAZと直交する方向をAYとしたとき、前記X線ビームの中心から前記AY方向に沿った距離が(2nλf)1/2(nは0,1,2,・・・)の位置と{(2n+1)λf}1/2の位置との間の第1の領域、この第1の領域を除く第2の領域のうちのいずれかに配置され、前記位相シフター層の前記AX方向の長さtは、t=λ/{2×(N3−N1)}であることを特徴とするものである。
また、本発明のX線集光レンズの1構成例において、前記位相シフター層は、X線集光レンズの焦点から前記進行方向と逆方向に沿って前記焦点距離fだけ上流に配置されるものである。
また、本発明のX線集光レンズの1構成例において、前記クラッド層は、W、Ru、Ta、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、In、Ba、Re、Os、Ir、Pt、Au、Pb、Tl、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのうち少なくとも1つを含む材料からなり、前記コア層は、C、Si、Be、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Te、高分子材料のうち少なくとも1つを含む材料からなり、前記位相シフター層は、W、Ru、Ta、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、In、Ba、Re、Os、Ir、Pt、Au、Pb、Tl、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのうち少なくとも1つを含む材料、あるいはC、Si、Be、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Te、高分子材料のうち少なくとも1つを含む材料からなるものである。
また、本発明のX線集光レンズの1構成例は、さらに、前記位相シフター層を含むX線導波路の後方に配置された積層型フレネルゾーンプレート構造を備え、前記積層型フレネルゾーンプレート構造は、X線が透過しない材料からなる重元素層とX線が透過する材料からなる軽元素層とを交互に積層した構造であり、前記重元素層は、前記積層型フレネルゾーンプレート構造の焦点距離をf1としたとき、前記X線ビームの中心から前記AZ方向に沿った距離が(2nλf11/2の位置と{(2n+1)λf11/2の位置との間の第3の領域、この第3の領域を除く第4の領域のうちのいずれかに配置されることを特徴とするものである。
また、本発明のX線集光レンズの1構成例において、前記積層型フレネルゾーンプレート構造の出口側の端面は、前記位相シフター層の出口側の端面から前記X線ビームの進行方向AXに沿って下流側に距離Lの位置にあり、前記X線導波路の焦点距離fと前記積層型フレネルゾーンプレート構造の焦点距離f1との間にf=f1+Lの関係が成り立つことを特徴とするものである。
また、本発明のX線集光レンズの1構成例において、前記積層型フレネルゾーンプレート構造の重元素層は、W、Ru、Ta、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、In、Ba、Re、Os、Ir、Pt、Au、Pb、Tl、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのうち少なくとも1つを含む材料からなり、前記軽元素層は、C、Si、Be、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Te、高分子材料のうちすくなくとも1つを含む材料からなるものである。
本発明によれば、X線導波路に位相シフター層を設けることにより、コア層の厚み方向についてはX線導波路構造を用いてX線ビームを集光することができ、コア層の厚み方向およびX線ビームの進行方向と直交する方向についてはX線フレネルゾーンプレートと同様の集光作用を利用してX線ビームを集光することができる。その結果、本発明では、ナノメートルオーダーまで集光した高強度のX線マイクロビームを簡便に得ることができ、量子ドット、ナノドット、ナノワイヤー、ナノ粒子や高集積化した半導体材料の微細ゲートなど種々のナノ材料の構造評価が可能となり、半導体材料や半導体デバイスの開発に貢献することができる。また、本発明では、X線導波路構造に遮蔽層を用いる従来のX線集光レンズに比べて、X線集光レンズの集光効率を理論上約4倍に高くすることができ、分析などにも利用しやすいX線ビームを得ることができる。
また、本発明では、X線集光レンズの焦点からX線ビームの進行方向と逆方向に沿って焦点距離fだけ上流の領域に位相シフター層を配置することにより、通常のX線ミラー等で更に集光することが容易で、分析等にも利用し易いX線ビームを得ることができる。
また、本発明では、X線導波路構造の後方に積層型フレネルゾーンプレート構造を配置することにより、X線集光レンズと試料との間のワーキングディスタンスを十分に確保しながら、ナノメートルレベルの径のビーム集光を実現することが可能となる。
また、本発明では、積層型フレネルゾーンプレート構造の出口側の端面が、位相シフター層の出口側の端面からX線ビームの進行方向AXに沿って下流側に距離Lの位置になるようにし、X線導波路の焦点距離fと積層型フレネルゾーンプレート構造の焦点距離f1との間にf=f1+Lの関係が成り立つようにすることにより、X線集光レンズから離れた位置にX線を集光することが容易になり、分析などにも利用しやすいX線ビームを得ることができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1(A)は本発明の第1の実施の形態に係るX線集光レンズの構成を示す平面図、図1(B)は図1(A)のX線集光レンズのI−I線断面図である。なお、図1(A)では、後述する上部ルテニウム層の下にあるX線位相シフター層と、X線集光レンズを透過するX線ビームとを透視しているものとする。
本実施の形態のX線集光レンズは、X線導波路の一部にフレネルゾーンプレートを組み込んだものであり、X線ビーム6を垂直方向に集光するためのX線導波路部7と、X線ビーム6を水平方向に集光するためのX線ゾーンプレート部8およびX線集光部9とから構成される。図1において、1はシリコン基板、2はシリコン基板1の上に形成されたクラッド層である下部ルテニウム層、3は下部ルテニウム層2の上に形成されたコア層であるカーボン層、4はカーボン層3の上に形成されたクラッド層である上部ルテニウム層、5は下部ルテニウム層2とカーボン層3と上部ルテニウム層4とからなるX線導波路の一部に形成された、X線ゾーンプレートとして機能する銀材料からなるX線位相シフター層である。
ここで、X線導波路構造のコア層のX線領域での屈折率をN1、クラッド層のX線領域での屈折率をN2、位相シフター層の屈折率をN3とすると、屈折率N1とN2とN3の間には、(N1の実数部分)<(N3の実数部分)<(N2の実数部分)の関係がある。
本実施の形態では、クラッド層から漏洩するX線を防止するため、下部ルテニウム層2及び上部ルテニウム層4の厚さを100ナノメートルとし、X線が透過するカーボン層3の厚さを10ナノメートル、X線が透過するX線位相シフター層5のビーム進行方向の長さtを3.6μmとしている。また、入射X線の波長λを0.154ナノメートルとしている。下部ルテニウム層2、カーボン層3、上部ルテニウム層4およびX線位相シフター層5の屈折率は、X線の波長λと各層の密度から求めることができる(非特許文献8参照)。ルテニウム、カーボン、銀の密度は、それぞれ12.4、3.5、10.5g/cm3である。
X線集光レンズのX線位相シフター層5は、X線の波長をλ、X線集光レンズの焦点距離をfとしたとき、X線ビームの中心(図1(A)のI−I線)からX線ビームの進行方向AXと直交する方向AYに沿った距離がY2n(nは0,1,2,・・・)の位置とY2n+1の位置との間の第1の領域、この第1の領域を除く第2の領域のうちのいずれかに配置され、かつX線導波路出口10からX線ビームの進行方向AXと逆方向に沿って焦点距離fだけ上流に配置される。X線位相シフター層5のX線ビームの中心からの距離(座標)Y2n,Y2n+1は以下の式で求められる。
2n=(2nλf)1/2 ・・・(2)
2n+1={(2n+1)λf}1/2 ・・・(3)
X線位相シフター層5をY2n(nは0,1,2,・・・)とY2n+1との間の第1の領域に設ける場合を図2に示す。なお、図2においても、上部ルテニウム層4の下にあるX線位相シフター層5を透視しているものとする。X線位相シフター層5をY2nとY2n+1との間を除く第2の領域に設ける場合は、図2の黒地の領域の間にX線位相シフター層5を配置すればよい。
X線ゾーンプレート部8でX線を効率良く集光するためには、X線位相シフター層5を透過するX線が存在しなくなるまでX線位相シフター層5を長くするか、あるいは透過したX線を焦点(X線導波路出口10)で位相を揃えて干渉させる必要がある。本実施の形態では、X線を焦点で位相を揃えて干渉させる手法を採用する。このため、本実施の形態では、カーボン層3の密度3.5g/cm3、X線位相シフター層5の密度10.5g/cm3から見積もることにより、X線ゾーンプレート部8(X線位相シフター層5)のビーム進行方向の長さtを、t=λ/{2×(N3−N1)}の関係式により、3.6ミクロンとしている。
この見積もりでは、近似式としてt=λ/{2×(N3−N1)}=λ/{2×(δ3−δ1)}、δ=1.3×10-6ρλ2の関係式を用いた(非特許文献8参照)。ここで、ρは物質の密度である。このような長さt=3.6ミクロンの銀からなるX線位相シフター層5を設けると、一次回折光に対して隣接ゾーンの位相差がπとなり、X線の位相を揃えることができる。
次に、本実施の形態のX線集光レンズの作製方法を説明する。まず、シリコン基板1の上に下部ルテニウム層2を例えば蒸着によって形成する。この下部ルテニウム層2の上に銀を蒸着後、電子ビームリソグラフィ等の方法により加工して、X線位相シフター層5を形成する。続いて、下部ルテニウム層2の上にカーボン層3を例えばスパッタによって形成する。このとき、カーボン層3の厚さは、X線位相シフター層5の厚さ以下となるようにする。最後に、カーボン層3とX線位相シフター層5の上に上部ルテニウム層4を例えば蒸着によって形成することにより、X線集光レンズの作製が完了する。
こうして作製したX線集光レンズにX線ビーム6を図1(A)、図1(B)の左側から入射させた場合、X線導波路部7を透過したX線は、次にX線ゾーンプレート部8に入射する。このとき、X線の一部はX線位相シフター層5によって位相変調され、奇数ゾーン(X線位相シフター層5が存在するゾーン)を透過するX線は偶数ゾーン(X線位相シフター層5が存在せずカーボン層3が存在するゾーン)を透過するX線に対して位相がπだけシフトして、X線集光部9に到達する。
シリコン基板1と垂直な方向についてはX線ビームは広がることができないため、X線ビームの垂直方向(図1(B)の上下方向)のX線ビームのサイズはX線導波路部7の場合と同様に約10ナノメートル程度となる。
一方、導波路の水平面内についてはX線ビームのモードを束縛するものはないため、X線ゾーンプレート部8を出たX線は一次元の球面波としてX線集光部9の中を進行する。前述のとおり、X線ゾーンプレート部8のX線位相シフター層5が存在しないゾーンを透過したX線とこのゾーンに隣接するX線位相シフター層5を透過したX線との間には位相差πが存在する。このため、X線集光部9の中を進行するX線は、同位相で干渉して水平方向(図1(A)の上下方向)に集光され、X線集光部9のX線導波路出口10に集光される。このときのX線ビームの水平方向のサイズは、X線位相シフター層5の最小幅(図1(A)の上下方向の寸法)によって決まる。本実施の形態の場合、X線導波路出口10において、垂直方向のビームサイズは約10ナノメートルとなる。また、X線位相シフター層5の幅の最小値は約8ナノメートルであるから、水平方向ビームサイズは約10ナノメートルとなる。
以上例示したように、本実施の形態のX線集光レンズでは、入射するX線ビームのエネルギーを有効に活用しながらX線ビームの点状集光を行うことができ、ナノメートルレベルの高強度なX線マイクロビームを実現することができるので、ナノメートルレベルの材料の高度な構造評価が可能になる。本実施の形態では、X線導波路構造に遮蔽層を用いる従来のX線集光レンズ(特願2006−172450)に比べて、X線集光レンズの集光効率を理論上約4倍に高くすることができ、分析などにも利用しやすいX線ビームを得ることができる。
本実施の形態のX線集光レンズを材料評価に用いる場合には、X線集光レンズを出射した光をそのまま評価対象の材料に照射したり、X線集光レンズを出射した光をさらにミラーで集光して評価対象の材料に照射したりして、材料によって回折したX線または材料から発生した蛍光X線を検出して材料を評価すればよい。
なお、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではない。例えば本実施の形態では、X線位相シフター層5をX線導波路のコア層中に設けているが、コア層の外に設けてもよい。この場合には、X線導波路出口10から焦点距離fだけ上流にX線位相シフター層5を設けるようにすればよい。
また、本実施の形態では、コア層の材料として、カーボンを用いているが、コア層の材料はカーボン、シリコン、ベリリウム、高分子材料のうち少なくとも1つを含む材料であればよい。また、コア層の材料として、ホウ素、ベリリウム、アルミニウム、フッ素、カルシウム、マグネシウム、チタンのうち少なくとも1つを含む材料を用いてもよく、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、フッ素樹脂あるいは塩素樹脂を用いてもよい。
また、本実施の形態では、クラッド層の材料としてルテニウムを用いているが、タングステン、ルテニウム、タンタルのうち少なくとも1つを含む材料であればよい。また、クラッド層の材料として、ニッケル、コバルト、クロム、バナジウム、チタン、ゲルマニウム、モリブデン、ジルコニウム、インジウム、レニウム、銀、金、白金、タンタルのうち少なくとも1つを含む材料を用いてもよい。X線位相シフター層5の材料はクラッド層と同一でもよいし、クラッド層の材料としてあげたものの中からクラッド層とは別の材料を用いてもよい。
また、本実施の形態では、X線位相シフター層5の材料に銀を用いているが、タングステン、ルテニム、タンタル、ルビジウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、バリウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、鉛、タリウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛のうち少なくとも1つを含む材料、あるいはカーボン、シリコン、ベリリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジム、クロム、マンガン、テルル、高分子材料のうち少なくとも1つを含む材料を用いてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3(A)は本発明の第2の実施の形態に係るX線集光レンズの構成を示す平面図、図3(B)は図3(A)のX線集光レンズのI−I線断面図であり、図1(A)、図1(B)と同一の構成には同一の符号を付してある。なお、図3(A)では、X線位相シフター層5と、X線導波路レンズ構造及び積層型フレネルゾーンプレート構造を透過するX線ビームとを透視しているものとする。
本実施の形態のX線集光レンズは、X線導波路部7とX線ゾーンプレート部8とX線集光部9とからなるX線導波路レンズ構造と、1次元型のフレネルゾーンプレートと呼ばれる積層型フレネルゾーンプレート構造13とを同一基板上に形成したものである。
図3(A)、図3(B)の例では、X線ビームの進行方向をAX、この進行方向AXと直交する方向のうちX線導波路レンズ構造のコア層とクラッド層の積層方向をAZ、AX及びAZと直交する方向をAYとしている。
X線導波路レンズ構造は第1の実施の形態と同様の構成なので、説明は省略する。ただし、第1の実施の形態では、X線位相シフター層5がX線導波路出口10からX線ビームの進行方向AXと逆方向に沿って焦点距離fだけ上流に配置されたのに対し、本実施の形態では、X線位相シフター層5がX線集光レンズの焦点15から焦点距離fだけ上流に配置される。
積層型フレネルゾーンプレート構造13は、X線がほとんど透過しない重元素層11とX線が透過する軽元素層12とを交互に積層した構造である。
重元素層11は、集光レンズとしての焦点距離をf1としたとき、X線ビームの中心(図3(B)のII−II線)からX線ビームの進行方向AXと直交する方向AZに沿った距離がZ2n(nは0,1,2,・・・)の位置とZ2n+1の位置との間の第3の領域、この第3の領域を除く第4の領域のうちのいずれかに配置され、かつX線集光レンズの焦点15からX線ビームの進行方向AXと逆方向に沿って焦点距離f1だけ上流に配置される。重元素層11のX線ビームの中心からの距離(座標)Z2n,Z2n+1は以下の式で求められる。
2n=(2nλf11/2 ・・・(4)
2n+1={(2n+1)λf11/2 ・・・(5)
重元素層11をZ2n(nは0,1,2,・・・)とZ2n+1との間の第3の領域に設ける場合を図4に示す。重元素層11をZ2nとZ2n+1との間を除く第4の領域に設ける場合は、図4の黒地の領域の間に重元素層11を配置し、図4の黒地の領域に軽元素層12を配置すればよい。
X線導波路部7とX線ゾーンプレート部8とX線集光部9とからなるX線導波路レンズ構造の作製方法は、第1の実施の形態とほぼ同じであるが、本実施の形態では、シリコン基板1にエッチングによりメサ構造を形成し、マスクを用いてメサ構造の上にのみ下部ルテニウム層2を形成する。以後の工程は第1の実施の形態で説明したとおりである。
次に、本実施の形態の積層型フレネルゾーンプレート構造13の作製方法を説明する。X線位相シフター層5の出口側の端面からX線ビームの進行方向AXに沿って下流側に距離Lの位置が積層型フレネルゾーンプレート構造13の出口側の端面となるように、タングステンからなる重元素層11とタングステンシリサイドからなる軽元素層12とを交互に例えばスパッタによって形成する。本実施の形態では、重元素層11を式(4)に示したZ2nと式(5)に示したZ2n+1との間の第3の領域に設けている。このとき、X線導波路レンズ構造から入射するX線ビームのAZ方向の中心(図3(B)のII−II線)の位置が、中央の重元素層11の中心と一致するように配置する。これで、X線集光レンズの作製が完了する。
こうして作製したX線集光レンズにX線ビーム6を図3(A)、図3(B)の左側から入射させた場合、X線導波路レンズ構造の長さによっては導波路モードで進行するX線以外のX線の存在が無視できない可能性もあるが、本実施の形態ではX線導波路レンズ構造の長さと積層型フレネルゾーンプレート構造13の長さをそれぞれ10ミリメートルとしている。この値はX線の波長に比べると充分大きいことから、X線導波路レンズ構造を透過するX線ビームは式(1)を満足するビームのみしか存在せず、シリコン基板1に垂直な方向(図3(B)の上下方向)のX線ビームのサイズは約10ナノメートル程度となる。
X線導波路部7とX線ゾーンプレート部8とX線集光部9とからなるX線導波路レンズ構造によるX線の集光原理は第1の実施の形態で説明したとおりである。第1の実施の形態と異なる点は、水平方向の集光位置が図1(A)、図1(B)に示したX線導波路出口10から焦点15に変わったことである。
X線導波路レンズ構造の出口14におけるX線ビームの垂直方向のサイズは約10ナノメートル程度となる。出口14から出射するX線ビームは、垂直方向に入射角の2倍の発散角をもって出射する。このX線ビームは、X線導波路レンズ構造の後方に配置された積層型フレネルゾーンプレート構造13により再び集光する。
一方、X線導波路レンズ構造のX線ゾーンプレート部8から出たX線は一次元の球面波としてX線集光部9と積層型フレネルゾーンプレート構造13の中を進行する。この結果、X線集光部9と積層型フレネルゾーンプレート構造13の中を進行するX線は、干渉効果によって水平方向(図3(A)の上下方向)に集光される。
したがって、X線導波路レンズ構造のX線ゾーンプレート部8及びX線集光部9による焦点15の位置と積層型フレネルゾーンプレート構造13による集光位置とを一致させるようにすれば、X線集光レンズと焦点15との間に距離をとることができる。
第1の実施の形態のX線集光レンズでは、X線がX線導波路の端面で集光されるため、立体構造を持つ試料の測定では、試料の形状によっては微小部分の調整が困難である。すなわち、第1の実施の形態のX線集光レンズでは、仮に試料をX線導波路の端面から離れた場所に置いた場合、導波路から出射したX線はその進行方向に対して垂直な方向について再び発散光となり試料に照射されるため、X線集光レンズで集光したナノビームの特性を有効に利用することができない。
これに対して、本実施の形態では、X線導波路レンズ構造の後方に積層型フレネルゾーンプレート構造を配置することにより、X線集光レンズと試料との間のワーキングディスタンスを十分に確保しながら、ナノメートルレベルの径のビーム集光を実現することが可能となる。これにより、本実施の形態では、試料測定時における位置合わせの自由度を高めることができる。
なお、本実施の形態では、重元素層11の材料としてタングステンを用いているが、重元素層11の材料は、Ru、Ta、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、In、Ba、Re、Os、Ir、Pt、Au、Pb、Tl、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのうち少なくとも1つを含む材料であればよい。また、軽元素層12の材料としてタングステンシリサイドを用いているが、軽元素層12の材料は、C、Si、Be、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Te、高分子材料のうちすくなくとも1つを含む材料を用いてもよく、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、フッ素樹脂あるいは塩素樹脂を用いてもよい。
本発明は、X線集光装置に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るX線集光レンズの構成を示す平面図および断面図である。 本発明の第1の実施の形態におけるX線位相シフター層の位置を説明するための平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るX線集光レンズの構成を示す平面図および断面図である。 本発明の第2の実施の形態における積層型フレネルゾーンプレート構造の重元素層の位置を説明するための断面図である。
符号の説明
1…シリコン基板、2…下部ルテニウム層、3…カーボン層、4…上部ルテニウム層、5…X線位相シフター層、6…X線ビーム、7…X線導波路部、8…X線ゾーンプレート部、9…X線集光部、10…X線導波路出口、11…重元素層、12…軽元素層、13…積層型フレネルゾーンプレート構造、14…X線導波路レンズ構造の出口、15…X線集光レンズの焦点。

Claims (6)

  1. X線の屈折率がN1のコア層の上下をX線の屈折率がN2のクラッド層で挟んだX線導波路を用いてX線を集光するX線集光レンズであって、
    X線が入射する前記コア層の一部または前記コア層の前に、X線が透過する材料からなる屈折率がN3(N1の実数部分<N3の実数部分<N2の実数部分)の位相シフター層を有し、
    前記位相シフター層は、X線の波長をλ、焦点距離をfとし、X線ビームの進行方向をAX、この進行方向AXと直交する方向のうち前記コア層と前記クラッド層の積層方向をAZ、前記AX及びAZと直交する方向をAYとしたとき、前記X線ビームの中心から前記AY方向に沿った距離が(2nλf)1/2(nは0,1,2,・・・)の位置と{(2n+1)λf}1/2の位置との間の第1の領域、この第1の領域を除く第2の領域のうちのいずれかに配置され、
    前記位相シフター層の前記AX方向の長さtは、t=λ/{2×(N3−N1)}であることを特徴とするX線集光レンズ。
  2. 請求項1記載のX線集光レンズにおいて、
    前記位相シフター層は、X線集光レンズの焦点から前記進行方向と逆方向に沿って前記焦点距離fだけ上流に配置されることを特徴とするX線集光レンズ。
  3. 請求項1又は2記載のX線導波路レンズにおいて、
    前記クラッド層は、W、Ru、Ta、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、In、Ba、Re、Os、Ir、Pt、Au、Pb、Tl、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのうち少なくとも1つを含む材料からなり、
    前記コア層は、C、Si、Be、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Te、高分子材料のうち少なくとも1つを含む材料からなり、
    前記位相シフター層は、W、Ru、Ta、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、In、Ba、Re、Os、Ir、Pt、Au、Pb、Tl、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのうち少なくとも1つを含む材料、あるいはC、Si、Be、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Te、高分子材料のうち少なくとも1つを含む材料からなることを特徴とするX線集光レンズ。
  4. 請求項1記載のX線集光レンズにおいて、
    さらに、前記位相シフター層を含むX線導波路の後方に配置された積層型フレネルゾーンプレート構造を備え、
    前記積層型フレネルゾーンプレート構造は、X線が透過しない材料からなる重元素層とX線が透過する材料からなる軽元素層とを交互に積層した構造であり、前記重元素層は、前記積層型フレネルゾーンプレート構造の焦点距離をf1としたとき、前記X線ビームの中心から前記AZ方向に沿った距離が(2nλf11/2の位置と{(2n+1)λf11/2の位置との間の第3の領域、この第3の領域を除く第4の領域のうちのいずれかに配置されることを特徴とするX線集光レンズ。
  5. 請求項4記載のX線集光レンズにおいて、
    前記積層型フレネルゾーンプレート構造の出口側の端面は、前記位相シフター層の出口側の端面から前記X線ビームの進行方向AXに沿って下流側に距離Lの位置にあり、
    前記X線導波路の焦点距離fと前記積層型フレネルゾーンプレート構造の焦点距離f1との間にf=f1+Lの関係が成り立つことを特徴とするX線集光レンズ。
  6. 請求項4又は5記載のX線集光レンズにおいて、
    前記積層型フレネルゾーンプレート構造の重元素層は、W、Ru、Ta、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、Cd、In、Ba、Re、Os、Ir、Pt、Au、Pb、Tl、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのうち少なくとも1つを含む材料からなり、
    前記軽元素層は、C、Si、Be、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Te、高分子材料のうちすくなくとも1つを含む材料からなることを特徴とするX線集光レンズ。
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