JP2009047037A - 船外機用気化器 - Google Patents
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Abstract
【課題】船外機用気化器について、製造コストの高騰を招くことなく傾斜時の燃料漏洩防止機能を充分に発揮可能とする。
【解決手段】 吸気通路2内に配置された先端側を開口したメインノズル4内を通り定燃料室3と吸気通路2とを接続するメイン通路6を備えており、且つ、前記定燃料室3を本体ボディ内に設けられたエアベント通路5を外部に開放する船外機用の気化器1Aにおいて、メイン通路6及びエアベント通路5を開閉する遮断弁としてのソレノイドバルブ10,11が各々設けられており、両ソレノイドバルブ10,11をエンジン運転時に開弁しエンジン停止時に閉弁するものとして、エンジン停止後に定燃料室3からの燃料漏出経路を閉鎖することを特徴とするものとした。
【選択図】図2
【解決手段】 吸気通路2内に配置された先端側を開口したメインノズル4内を通り定燃料室3と吸気通路2とを接続するメイン通路6を備えており、且つ、前記定燃料室3を本体ボディ内に設けられたエアベント通路5を外部に開放する船外機用の気化器1Aにおいて、メイン通路6及びエアベント通路5を開閉する遮断弁としてのソレノイドバルブ10,11が各々設けられており、両ソレノイドバルブ10,11をエンジン運転時に開弁しエンジン停止時に閉弁するものとして、エンジン停止後に定燃料室3からの燃料漏出経路を閉鎖することを特徴とするものとした。
【選択図】図2
Description
本発明は、船体外部に設けられるエンジン(以下「船外機」という)に用いられる気化器に関し、殊に、船外機が傾斜した状態で燃料漏れ防止機能を発揮する船外機用気化器に関する。
船外機は、停止時にスクリュー側を上方向に跳ね上げるチルトアップを行ったり、保管時に90°横倒しにしたりする機会が多い。そのため、この船外機に配設される気化器には、吸気通路やエアベントを経由して燃料が漏れ出さないように、所定レベルの燃料漏洩防止機能を有していることが要求される。
即ち、従来の船外機においては図3に示すように、気化器1Bを正立状態にしてエンジン運転を行うのが通常であるが、図4に示すように、その保管時または運搬時に気化器1Bをエアベント通路5側が下になるように横倒し状態にすることがある。すると、定燃料室3内の燃料面Xは図4のような状態となり、これより下に位置するメイン通路6の入口部分(メインジェット部分)を経由してメインノズル4の噴口41から吸気通路2側に燃料が漏出するとともに、エアベント通路5を経由してエンジン外部側に燃料が漏出する。
また、船外機は樹脂カバーでエンジンが覆われている関係で、エンジン停止直後には輻射熱により燃料供給配管内の燃料圧力が上昇するため、フロートバルブを押し下げて規定量以上の燃料が定燃料室3に流入することがあり、定燃料室3内の圧力を上昇させて、メインノズル4及びエアベント5を経由する漏出燃料の量を増大させることになる。そして、吸気通路2内に燃料が漏れると過渡状態でのエンジン始動が困難となり、エンジン外部に燃料が漏れると火災の危険を生じることになる。
このようなトラブルを避ける傾斜耐圧を確保するため、従来、エアベント通路5の配設方法、フロート及びフロートバルブの形状の工夫、定燃料室3の燃料充填設定量の減量、などの様々な設計上の手法により対応しているのが一般的であり、例えば特開平10−122049号公報には、メインノズル4の噴口41の位置を吸気通路2の軸線に直交する所定のラインよりも上流側に配置するとともに、燃料導入路の位置をこのラインよりも下流側にすること等して、各燃料通路の配置上の工夫により、傾斜しても燃料が漏れにくい構成とした気化器が提案されている。
しかしながら、このような手法を実施する場合、多くの設計検討項目及び実機確認項目が要求され、それらの要求される仕様を満足させるためには膨大な開発期間・工数が必要となって製造コストの高騰を招く結果となる。また、このような手法を用いた場合でも、図4のように船外機が完全に90°横倒し状態となったり、傾斜した状態でさらに運搬等による振動や揺れが加わったりした場合には、燃料漏洩防止機能の充分な発揮が期待できない状態となりやすい。
特開平10−122049号公報
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、船外機用気化器について、製造コストの高騰を招くことなく傾斜時の燃料漏洩防止機能を充分に発揮可能とすることを課題とする。
そこで、本発明は、吸気通路に配置された先端側を開口したメインノズル内を通り定燃料室と前記吸気通路とを接続するメイン通路を備えており、前記定燃料室がエアベント通路により外部に開放する船外機用気化器において、前記メイン通路及びエアベント通路にこれらの通路を開閉する遮断弁が各々設けられており、前記両遮断弁をエンジン運転時に開弁しエンジン停止時に閉弁するとともに、エンジン停止後に前記定燃料室からの燃料漏出経路を閉鎖することにした。
このように、エンジン使用時にのみ開弁する遮断弁を設けて、エンジン不使用時に定燃料室側と吸気通路側及びエンジン外部側とを接続する経路を各々遮断するようにしたことで、船外機を傾斜状態で扱う機会の多いエンジン停止後において、定燃料室から燃料が漏洩するトラブルを有効に回避できるものとなる。
また、その両遮断弁をソレノイドバルブとして、エンジンのイグニション回路と電気的に接続することによりイグニションON時に開弁し、イグニションOFF時に閉弁するものとすれば、エンジン停止時に燃料漏出の畏れのある経路を確実に閉鎖することができる。
この場合、そのソレノイドバルブがイグニションON時に電磁コイルへの通電による励磁力で開弁し、イグニションOFF時にバネ手段の付勢力で閉弁する常閉式ソレノイドバルブであれば、閉弁状態の維持が確実なものとなる。
さらに、上述した船外機用気化器には、定燃料室から燃料タンク側に燃料の過剰分を戻す燃料リターン通路が接続されているとともに、この燃料リターン通路の入口となる接続部分に、定燃料室内が所定圧力以上となった場合に開弁して燃料リターン通路に連通させる逆止弁を安全弁として設ければ、上述した遮断弁で燃料漏出路を閉鎖した場合であっても、定燃料室内の圧力上昇に伴う危険の発生を回避することができる。
エンジン停止時に定燃料室と吸気通路、及び定燃料室とエンジン外部とを接続する両経路を遮断するものとした本発明によると、製造コストの高騰を招くことなく傾斜時の燃料漏洩防止機能を充分に発揮できるものとなる。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明における実施の形態の船外機用の気化器1Aについての縦断面図を示している。気化器1Aは、気化器としての基本構成は前記図3及び図4に示した従来の気化器1Bと同様であるが、その定燃料室3側と外部とを接続するエアベント通路5の途中でこれを開閉する遮断弁であるソレノイドバルブ10が配設されているとともに、メインノズル4内を経由して定燃料室3と吸気通路2とを接続するメイン通路6の入口部分に、遮断弁としてのソレノイドバルブ11が配設され、エンジン停止時に両ソレノイドバルブ10,11を閉弁して両通路5,6を閉鎖するようにした点を特徴としている。
即ち、船外機は一般に、エンジン停止後に傾斜または横倒し状態で保管または運搬される場合が多く、図3に示した従来の気化器1Bにおいては定燃料室3内に貯留した燃料がメイン通路6を経由してメインノズル4の噴口41から吸気通路2側に漏出するとともに、エアベント通路5を経由してエンジン外部側に漏出するトラブルが多発していた。これに対し、本実施の形態において、エンジン停止時に両通路5,6を遮断弁で閉鎖するようにしたことにより、傾斜時の燃料漏出を防止するようにしたものである。
ソレノイドバルブ10,11は、各々イグニションスイッチ15のイグニション回路に配線で接続され、スイッチON状態で電磁コイルに通電されてその励磁力で開弁し、スイッチOFF状態で非通電となり弁バネの付勢力で閉弁する常閉式のものであり、その弁体で各通路5,6における燃料の連通を開閉するように配設されている。尚、ソレノイドバルブ10,11の配設は、気化器1Aの外側から所定の径を有するネジ孔を所定位置に穿設し、そのネジに螺合するネジ山を先端側周面に備えたソレノイドバルブを螺入する等して、比較的容易に取り付けることができる。
このように、ソレノイドバルブ10,11を常閉式としたことでエンジン停止時において電力の供給を要することなく確実且つ連続的に通路5,6を閉鎖して、確実に燃料の漏洩を防止できるものとなる。また、このソレノイドバルブ10,11は汎用品をそのまま利用することができ、一般的な構成の気化器1Bに取付け部分の加工を加えるのみで、比較的容易に配設して気化器1Aを製造することができるため、多大な設計検討項目及び実機確認項目を要する従来の対策手段の場合のように製造コストの高騰を伴うことなく、傾斜時の燃料漏洩防止機能を確実に実現することができる。
また、エンジン停止時にソレノイドバルブ10,11が閉弁状態になって外部との連通が閉鎖されると、エンジンの輻射熱等で定燃料室3内の温度が上昇して燃料圧力が上昇することに加え、燃料導入通路内の燃料温度も上昇して高圧となって定燃料室3に流入するため、定燃料室3内の過剰な圧力上昇を招いて火災等のおそれがある。
そこで、本実施の形態では、図に示すように、本実施の形態では定燃料室3内部を図示しない燃料タンク側に連通させる燃料リターン通路21が気化器1Aに接続されるものであり、その入口側接続部分となる本体ボディの所定位置に、通常は通路を閉鎖し、定燃料室3内が所定圧力以上になった場合に開弁して通路を開通させる、安全弁としての逆止弁12が配設されている。
従って、定燃料室3内が設定圧力以上になった場合に、これに設けた逆止弁12を開弁させて安全弁として作用させ、余分な燃料を燃料リターン通路21を介して燃料タンク側に逃がすことにより燃料高圧化による危険を回避することができる。
次に、本実施の形態の気化器1Aの作用について説明すると、図1のエンジン運転状態から、エンジンを停止するためにイグニションスイッチ15をOFFにすると、イグニションスイッチ15に連動するソレノイドバルブ10,11は、それぞれの通路5,6を閉鎖する。
そのため、例えば図2に示すような船外機横倒し状態における気化器1Aの場合のように、どのような向きにして船外機を保管・運搬しても気化器1Aから燃料が漏出する心配のないものとなり、傾斜時に発生するトラブルを確実に回避することができる。
また、燃料リターン通路21との接続部分に設けた逆止弁12が、定燃料室3内が所定圧力以下の状態ではその圧力を維持するように機能するので、定燃料室3内圧力が過剰に上昇した場合には、図に示すように開弁し安全弁として作用して圧力の過剰分を燃料タンク側に逃がすことにより、ガス燃料を定燃料室3内で安定的に保持する気密性を確保するとともに、耐圧時に発生しやすい火災等のトラブルを有効に回避することができる。
以上、述べたように、船外機用気化器について、本発明により製造コストの高騰を招くことなく傾斜時の燃料漏洩防止機能を充分に発揮させることができる。
1A 気化器、2 吸気通路、3 定燃料室、4 メインノズル、5 エアベント通路、6 メイン通路、10,11 ソレノイドバルブ、12 逆止弁、15 イグニションスイッチ、21 燃料リターン通路
Claims (4)
- 吸気通路に配置された先端側を開口したメインノズル内を通り定燃料室と前記吸気通路とを接続するメイン通路を備えており、前記定燃料室がエアベント通路により外部に開放する船外機用気化器において、前記メイン通路及びエアベント通路にこれらの通路を開閉する遮断弁が各々設けられており、前記両遮断弁をエンジン運転時に開弁しエンジン停止時に閉弁するとともに、エンジン停止後に前記定燃料室からの燃料漏出経路を閉鎖することを特徴とする船外機用気化器。
- 前記両遮断弁はソレノイドバルブであり、エンジンのイグニション回路と電気的に接続されてイグニションON時に開弁し、イグニションOFF時に閉弁することを特徴とする請求項1に記載した船外機用気化器。
- 前記両ソレノイドバルブは、イグニションON時に電磁コイルへの通電による励磁力で開弁し、イグニションOFF時にバネ手段の付勢力で閉弁する常閉式ソレノイドバルブであることを特徴とする請求項2に記載した船外機用気化器。
- 前記定燃料室から燃料タンク側に燃料の過剰分を戻すための燃料リターン通路が接続されており、前記燃料リターン通路の入口となる接続部分に、前記定燃料室内が所定圧力以上となった場合に開弁して前記燃料リターン通路に連通させる逆止弁が安全弁として設けられていることを特徴とする請求項1,2または3に記載した船外機用気化器。
Priority Applications (1)
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JP2007212615A JP2009047037A (ja) | 2007-08-17 | 2007-08-17 | 船外機用気化器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019042278A1 (zh) * | 2017-08-28 | 2019-03-07 | 华益机电有限公司 | 内置式可倾斜通用汽油机燃油供给系统 |
-
2007
- 2007-08-17 JP JP2007212615A patent/JP2009047037A/ja not_active Withdrawn
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