JP2009047006A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関 Download PDF

Info

Publication number
JP2009047006A
JP2009047006A JP2007211078A JP2007211078A JP2009047006A JP 2009047006 A JP2009047006 A JP 2009047006A JP 2007211078 A JP2007211078 A JP 2007211078A JP 2007211078 A JP2007211078 A JP 2007211078A JP 2009047006 A JP2009047006 A JP 2009047006A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
internal combustion
combustion engine
cylinder
spark plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007211078A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisao Suzuki
久雄 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007211078A priority Critical patent/JP2009047006A/ja
Publication of JP2009047006A publication Critical patent/JP2009047006A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】混合気への着火性の低下を抑制すること。
【解決手段】内燃機関1は、空気と燃料との混合気が燃焼する筒内燃焼空間101に設けられて混合気に点火する点火プラグ12と、燃料を筒内燃焼空間101に向けて吐出するインジェクタ13と、燃料を留める燃料保留部10と、を備え、燃料保留部10は、燃料保留部10が留める燃料FSaによって形成される可燃層AFSが、点火プラグ電極12aを内包するように設けられる。これにより、燃料保留部10によって燃料FSaを点火プラグ12近傍に留めることができる。これにより、吸気行程中にインジェクタ13によって燃料を吐出しても点火プラグ電極12a近傍に、可燃層AFSを成層できる。よって、点火プラグ12による混合気への着火性の低下を抑制できる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、内燃機関に関し、さらに詳しくは、成層燃焼を行う内燃機関に関する。
従来、内燃機関において、筒内燃焼空間の点火プラグ近傍空燃比が筒内燃焼空間内で相対的に低い層である可燃層を点火プラグ近傍に形成する、いわゆる成層燃焼を行う内燃機関がある。このような内燃機関では、可燃層を点火プラグ近傍に形成することにより着火性を確保しつつ、筒内燃焼空間内全体では燃料に対する空気の質量比が大きい、つまりリーンな状態で燃焼を行う。これにより、成層燃料を行う内燃機関では、燃費が向上する。
例えば、特許文献1には、ピストン頂面にキャビティを設けて形成した燃焼室を、主燃焼室と副燃焼室とを設けて構成すると共に、燃料噴射ノズルに、主燃焼室に向けて燃料を吐出する主噴口と副燃焼室に向けて燃料を吐出する副噴口とを設け、点火プラグを副燃焼室に臨ませることで、高負荷時及び低負荷時共に燃焼性を良好にできる技術が開示されている。
実開平01−130028号公報(第3項)
一般的に、ピストン頂部にキャビティを設け、このピストン頂部のキャビティを利用して成層燃焼を行う内燃機関では、圧縮行程中の限られた期間内に燃料をピストン頂部のキャビティに向けて吐出する。特許文献1に開示された内燃機関も、ピストン頂部を利用して成層燃焼を行っているので、圧縮行程中の限られた期間内に燃料を吐出する必要がある。しかしながら、内燃機関の機関回転数が高くなると、これにともなって圧縮行程に要する時間も短くなり、燃料を吐出してから混合気に点火するまでの時間も短くなる。これに起因して、燃料の霧化に十分な時間が確保できず、燃料の霧化が不十分となる。よって、従来の成層燃焼を行うこれらの内燃機関は、混合気への着火性が低下するおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、混合気への着火性の低下を抑制することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る内燃機関は、空気と燃料との混合気が燃焼する筒内燃焼空間に設けられ、前記混合気に点火する点火手段と、前記燃料を筒内燃焼空間に向けて吐出する燃料吐出手段と、前記燃料を留める燃料保留部材と、を備え、前記燃料保留部材は、前記燃料保留部材が留める前記燃料によって形成される可燃層が、前記点火手段の点火部を内包するように設けられることを特徴とする。
上記構成により、本発明に係る内燃機関は、燃料保留部材によって燃料を点火手段近傍に留めることができる。これにより、燃料吐出から点火までの時間を、通常の成層燃焼を行う内燃機関の時間よりも長く設定しても筒内燃焼空間内の気流によって可燃層が点火手段近傍から拡散するおそれを抑制できる。よって、燃料吐出から点火までの時間を通常よりも長く確保できるので、十分に燃料が霧化できる。これにより本発明に係る内燃機関は、混合気への着火性の低下を抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記燃料吐出手段は、前記燃料の少なくとも一部を前記燃料保留部材へ向けて吐出することが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記点火手段は、シリンダの内壁面とピストンの頂部と共に前記筒内燃焼空間を形成する筒内天井部の中央部に設けられ、前記燃料吐出手段は、前記燃料保留部材と対向する前記筒内天井部の部位に設けられることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記燃料吐出手段は、燃料を吐出する開口を複数備え、少なくとも1つの開口は、前記燃料保留部材を避けて前記燃料を吐出することが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記燃料保留部材を避けて前記燃料を吐出する第2の燃料吐出手段を備えることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記燃料吐出手段から吐出された前記燃料のうち少なくとも一部の進行方向を、前記燃料保留部材へ転ずる燃料誘導手段を備えることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記筒内燃焼空間に開口する吸気ポートと、前記吸気ポートと前記筒内燃焼空間との連通を開鎖する吸気弁と、を備え、前記燃料誘導手段は、前記吸気弁であると共に、前記燃料吐出手段は前記燃料の少なくとも一部を前記燃料誘導手段としての前記吸気弁に向けて吐出することが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記燃料誘導手段は、前記シリンダ内を往復運動する前記ピストンの前記頂部に形成されると共に、前記燃料吐出手段は前記燃料の少なくとも一部を前記ピストンの前記頂部に形成された前記燃料誘導手段に吐出することが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記燃料吐出手段は、燃料を吐出する開口を複数備え、少なくとも1つの開口は、前記燃料保留部材及び前記燃料誘導手段を避けて前記燃料を吐出することが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記燃料保留部材及び前記燃料誘導手段を避けて前記燃料を吐出する第2の燃料吐出手段を備えることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記燃料吐出手段と前記点火手段との間に、前記燃料保留部材を前記筒内燃焼空間に支持する支柱を備えることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記燃料を前記燃料保留部材へと導く燃料通路を備え、前記燃料吐出手段は、前記燃料の少なくとも一部を前記燃料通路を介して前記燃料保留部材へ吐出することが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記燃料保留部材は、前記点火手段と対向する位置に設けられることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記燃料保留部材は、窪みを有する半球状に形成されることが望ましい。
本発明に係る内燃機関は、混合気への着火性の低下を抑制できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る内燃機関を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る内燃機関1は、乗用車やトラックなどの車両に搭載されて動力発生源となる。内燃機関1は、シリンダ100内を往復運動するピストン14が2往復する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行う、いわゆる4ストロークエンジンである。
内燃機関1は、円筒形状に形成されるシリンダ100の中心軸であるシリンダ軸線SL方向に往復運動するピストン14と、筒内燃焼空間101と、クランク室102aと、を備える。空気と燃料との混合気が燃焼する空間である筒内燃焼空間101は、ピストン14を挟んでシリンダ軸線SL方向の一方側に設けられる。クランク室102aは、筒内燃焼空間101とは反対側である他方側に設けられる。
内燃機関1は、筒内燃焼空間101に接続される吸気ポート103及び排気ポート104と、筒内燃焼空間101内に突出し筒内燃焼空間101内に燃料を吐出する燃料吐出手段としてのインジェクタ13と、筒内燃焼空間101内の混合気に点火する点火手段としての点火プラグ12と、ピストン14の往復運動を回転運動に変換するクランクシャフト105とを備える。さらに、内燃機関1は、シリンダヘッド106、シリンダブロック107及びクランクケース102を備える。
シリンダヘッド106は、シリンダブロック107に締結され、クランクケース102は、シリンダヘッド106とは反対側のシリンダブロック107に締結される。シリンダブロック107の内部には、上述した円筒形状のシリンダ100が形成される。また、シリンダ100の内壁面であるシリンダ内壁面100aを、ピストン14が摺動する。
クランクシャフト105は、クランクケース102に回転可能に支持される。ピストン14は、コネクティングロッド108の一端と回動可能に連結される。クランクシャフト105は、コネクティングロッド108において、ピストン14と連結される端部とは反対側の端部に回転可能に連結される。上記構成により、ピストン14の往復運動は、クランクシャフト105の回転運動に変換されて、内燃機関1の出力として取り出される。なお、クランクシャフト105は、その回転を円滑にするため、その軸周りにカウンタウェイト105aを有する。
筒内燃焼空間101は、シリンダヘッド106においてシリンダ100側の端面である筒内天井部101a及び、シリンダ100のシリンダ内壁面100a及び、ピストン14のクランク室102aとは反対側の端面であるピストン頂部14aにより形成される空間である。
吸気ポート103には吸気弁109が設けられ、吸気弁109は、吸気ポート103と筒内燃焼空間101とを連通する開口を所定のタイミングで開閉する。また、排気ポート104には排気弁110が設けられ、筒内燃焼空間101と排気ポート104とを連通する開口を所定のタイミングで開閉する。
ピストン14がシリンダ100のクランク室102a側へ、つまり下死点側へ移動すると、筒内燃焼空間101内に空気が吸入され、インジェクタ13から吐出された燃料と混合することによって混合気が形成される(吸気行程)。さらに、ピストン14が吸気行程下死点を経てシリンダ100内をシリンダヘッド106の筒内天井部101a側へ、つまり上死点側へ移動すると、混合気が圧縮される(圧縮行程)。
さらに、ピストン14が圧縮行程上死点付近に近づくと、点火プラグ12により混合気に点火される。これにより、筒内燃焼空間101内で混合気が燃焼し、その燃焼圧力によりピストン14を下死点側へ移動させる(膨張行程)。燃焼後の混合気(排気ガス)は、ピストン14が下死点を経て上死点に向かって再び移動することで排気ポート104及び排気ポート104と連結される排気通路112を介して筒内燃焼空間101から排出される(排気行程)。上記構成により、本実施形態に係るピストン14を備える内燃機関1は、クランクシャフト105から出力を発生させる。
さらに、内燃機関1は、各種制御手段として、マイクロコンピュータを中心に構成されることにより内燃機関1の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)50を備える。インジェクタ13の燃料吐出時期及び燃料吐出量、点火プラグ12の点火時期などを制御する。
インジェクタ13から筒内燃焼空間101内に燃料が吐出されると、吸気通路111から吸入された空気とインジェクタ13から吐出された燃料とが混合して混合気が形成される。この混合気は、燃料の質量と空気の質量との比である空燃比に基づいてその状態を理論空燃比と、リーンと、リッチとに区別する。具体的には、理論空燃比は、空燃比14.7(空気:燃料=1:14.7)の状態である。理論空燃比は、空気中の酸素と燃料が過不足なく反応する空燃比である。また、リーンは、理論空燃比と比較して燃料に対する空気の割合が小さい状態、つまり燃料が希薄な状態である。また、リッチは、理論空燃比と比較して燃料に対する空気の割合が大きい状態、つまり燃料が濃厚な状態である。
図2は、本実施形態に係る筒内燃焼空間近傍を模式的に示す断面図である。図2に示すように、本実施形態に係る内燃機関1は、燃料保留部10と、支柱11と、点火プラグ12と、インジェクタ13と、ピストン14と、リセス15とを備える。燃料保留部10は、例えば中抜きの半球状に形成され、中抜きの部分が燃料を留める燃料保留空間となる。なお、燃料保留部10の形状は、半球状に限定されず、燃料を燃料保留空間に留めることができる形状であればよい。また、燃料保留部10は、器型でなくてもよく、例えば、多孔板や繊維を積層させて成るウール状の材料を用いて、燃料を留めるように構成されてもよい。つまり、燃料を少なくとも一時的に留めておくことができれば、本実施形態に係る燃料保留部は、素材及び形状によって限定されない。
支柱11は、燃料保留部10を筒内燃焼空間101内の点火プラグ12近傍に支持する。ここでいう点火プラグ12近傍とは、燃料保留部10に留められた燃料が、霧化することによって形成される可燃層AFSが、点火プラグ12の点火プラグ電極12aを内包する範囲をいう。すなわち、燃料保留部10は、例えば点火プラグ電極12aを囲うように設けられる。支柱11は、一方の端部が筒内天井部101aに連結され、他方の端部が燃料保留部10に連結される。なお、燃料の霧化とは、燃料が霧状である状態、または霧状よりもさらに微粒化した状態をいう。
なお、本実施形態に係る支柱11は、前記一方の端部が筒内天井部101aに連結され、前記他方の端部が燃料保留部10に連結されるとしたが、支柱11は、筒内天井部101aに固定されてもよいし、筒内天井部101aに対して揺動または移動可能に連結されていてもよい。また、支柱11は、燃料保留部10に固定されてもよいし、燃料保留部10に対して揺動または移動可能に連結されていてもよい。
また、支柱11は、点火プラグ12とインジェクタ13とを結ぶ線分上、または前記線分近傍の筒内天井部101aに前記一方の端部が連結され、前記他方の端部は、燃料保留部10の最もインジェクタ13側の部位に連結されることが好ましい。つまり、インジェクタ13と点火プラグ電極12aとの間に、支柱11が配置される。また、燃料保留部10において、燃料を留めておく空間である燃料保留空間10aは、支柱11よりも点火プラグ12側に配置される。つまり、本実施形態に係る燃料保留部10の燃料保留空間10aは、点火プラグ12と対向する位置に設けられる。
なお、一般的に点火プラグの放電電極である点火プラグ電極12aにインジェクタから吐出された燃料が付着すると、混合気への着火性の低下を招き、いわゆるくすぶり現象が生じる。本実施形態に係る内燃機関1は、点火プラグ12の放電電極である点火プラグ電極12aとインジェクタ13との間に支柱11が配置される。インジェクタ13から吐出された燃料は、支柱11に阻害されて点火プラグ電極12aに到達しにくい。よって、本実施形態に係る内燃機関1は、くすぶり現象を抑制できる。
本実施形態に係る支柱11の前記一方の端部は、筒内天井部101aに連結されるとしたが、ピストン14の往復運動または吸気弁109または排気弁110などの稼動部材と干渉しないのであれば、例えばシリンダ内壁面100aに連結されてもよい。このとき、インジェクタ13と点火プラグ電極12aとの間に、支柱11を配置するのは困難であるため、図5を用いて後述する保護壁11Acを設けると好ましい。
また、支柱11を、筒内天井部101aに連結せずに、点火プラグ12に連結してもよい。すなわち、燃料保留部10と、支柱11と、点火プラグ12とを一体に形成し、燃料保留部付き点火プラグとして1つの部材として構成してもよい。
本実施形態に係る内燃機関1は、インジェクタ13と点火プラグ12との間に、燃料保留部10を筒内燃焼空間101に支持する支柱11を備える。上記構成により、本実施形態に係る支柱11は、インジェクタ13から吐出された燃料から点火プラグ電極12aを保護する。よって、本実施形態に係る内燃機関1は、いわゆるくすぶり現象を抑制し、着火性の低下を抑制できる。
リセス15は、ピストン14のピストン頂部14aにピストン頂部14aの基面よりも窪んだ状態で形成される。リセス15は、本実施形態では例えば半球状に形成され、ピストン14が上死点に位置するときに燃料保留部10とピストン頂部14aとの干渉を回避する。
インジェクタ13の燃料が噴出される吐出口13aは、吸気側の筒内天井部101aに突出する。また、インジェクタ13の吐出口13aは、点火プラグ12を中心としたとき吸気ポート103よりも径方向外側の筒内天井部101aに配置される。
本実施形態に係るインジェクタ13の吐出口13aは、吸気弁109が開弁した時に、吐出した燃料の一部または全部が吸気弁109に接触するように設けられる。上記構成により、インジェクタ13から吐出された燃料が、吸気弁109に接触することで前記燃料の一部はその進行方向を転ぜられる。ここで、吸気弁109によって進行方向を転ぜられた前記燃料のうち、燃料保留部10へ向かう燃料を燃料FSaとする。なお、上述した燃料FSbは、インジェクタ13から吐出された燃料のうち、燃料FSa以外の燃料である。つまり、燃料FSbは、燃料保留部10を避けて筒内燃焼空間101に吐出される。
図3−1は、本実施形態に係る燃料保留部を筒内天井部側から模式的に示す平面図である。図3−1に示すように、本実施形態に係る燃料保留部10は、燃料保留空間10aに燃料FSaを導入する燃料導入主開口部10bを備える。燃料導入主開口部10bは、支柱11を挟んでインジェクタ13側と反対側に設けられる。図2に示す吸気弁109に接触し、進行方向を燃料保留部10へ転ぜられた燃料FSaは、霧状の噴霧となり拡散しながら燃料保留部10を支柱11側から覆う。ここで、燃料導入主開口部10b側の支柱11近傍の空間NPSは、相対的に低圧となる。よって、霧状の燃料FSaは、空間NPSに巻き込まれ、燃料保留空間10aに燃料導入主開口部10bから導入される。なお、点火プラグ電極12aは、燃料FSaの進行方向に対して、支柱11の裏側に配置されているので、燃料FSaの直接的な点火プラグ電極12aへの付着を抑制できる。
図3−2は、本実施形態に係る燃料保留部及び支柱を拡大して模式的に示す斜視図である。本実施形態に係る支柱11は、図3−2に示すように、略板状に形成される。支柱11において、図2に示すピストン14側には、燃料保留部10の燃料保留空間10aに開口する燃料導入主開口部10bが形成される。ここで、本実施形態に係る支柱11は、上記構成に限定されない。例えば、図4−1及び図4−2に示すように支柱11を構成してもよい。
図4−1は、本実施形態に係る燃料保留部を筒内天井部側から模式的に示す平面図である。図4−1に示すように、本実施形態に係る燃料保留部10は、燃料保留空間10aに燃料FSaを導入する開口を2つ備える。一方の開口は、前記燃料導入主開口部10bである。他方の開口は、支柱11よりもインジェクタ13側の開口である燃料導入副開口部10cである。燃料導入副開口部10cは、支柱11を挟んで燃料導入主開口部10bと反対側に形成される。
図4−2は、本実施形態に係る燃料保留部及び支柱を拡大して模式的に示す斜視図である。図4−2に示すように、本実施形態に係る支柱11は、略板状に形成される。支柱11において、インジェクタ13側の面である燃料付着面11aの図2に示すピストン14側には、燃料保留部10の燃料保留空間10aに開口する燃料導入副開口部10cが形成される。また、燃料付着面11aの幅方向両端に、支柱面の基面よりも隆起した隆起部11bを、燃料導入副開口部10c近傍まで延伸して形成することが好ましい。ここで、本実施形態に係る内燃機関1が、図1に示すシリンダ軸線SLを鉛直方向に沿うように正立して車両に搭載された場合、図4−2に示す燃料導入副開口部10cは、燃料付着面11aに対して鉛直方向下側に位置する。
上記構成により、燃料付着面11aに付着した燃料FSaは、重力によって鉛直下側に移動する。このとき、隆起部11bは、燃料FSaを効率よく燃料導入副開口部10cへ導くガイドの機能をはたす。燃料導入副開口部10c近傍に達した燃料FSaは、さらに重力により、燃料導入副開口部10cを介して燃料保留空間10aへ導入される。なお、いわゆる水平対向型内燃機関やV型内燃機関のように、シリンダ軸線SLが、鉛直方向に対して角度を有する場合は、適宜、上述の配置を変更できる。例えば、本実施形態に係る燃料保留部10は、点火プラグ12と対向する位置に設けられるとしたが、水平対向型内燃機関の場合は、点火プラグ12に対して鉛直方向下側に燃料保留部10を設ければよい。
また、図4−1に示すように、支柱11近傍の空間NPSによって巻き込まれた燃料FSaは、図4−2に示す支柱11を挟んで燃料導入副開口部10cと反対側の燃料導入主開口部10bを介して燃料保留空間10aに導入される。上記構成により、支柱11により、点火プラグ電極12aへの燃料付着を抑制すると共に、燃料FSaを効率よく燃料保留部10の燃料保留空間10aに収集できる。燃料保留部10の燃料保留空間10aに保留された燃料FSaは、点火プラグ12による点火が行われるまで、燃料保留空間10a内で液状もしくは霧状に保たれる。上記構成により、燃料保留空間10a内で液状もしくは霧状に保たれている燃料FSaの一部または全部が気化し、点火プラグ電極12a近傍で図2に示す可燃層AFSを形成する。
図5は、本実施形態に係る燃料保留部及び他の支柱を拡大して模式的に示す斜視図である。本実施形態に係る支柱11は、上記構成に限定されず、例えば、図5に示す支柱11Aのように、燃料保留部10Aにおいて点火プラグ12から遠い部位に、例えば略板状部材として形成されてもよい。支柱11Aにおいて、インジェクタ13側の面である燃料付着面11Aaの鉛直方向下側には、燃料保留部10Aの燃料保留空間10Aaに開口する燃料導入主開口部10Abが形成される。また、燃料付着面11Aaの幅方向両端には、支柱面の基面よりも隆起した隆起部11Abが、燃料導入主開口部10Ab近傍まで延伸して形成される。
また、点火プラグ12近傍には、点火プラグ電極12aを燃料FSaから保護する略板状の保護壁11Acが形成されてもよい。これにより、点火プラグ電極12aに燃料FSaが付着することによる内燃機関1の着火性の低下を抑制できる。
上記構成により、燃料付着面11Aaに付着した燃料FSaは、重力によって鉛直下側に移動する。このとき、隆起部11Abは、燃料FSaを効率よく燃料導入主開口部10Abへ導くガイドの機能をはたす。燃料導入主開口部10Abに達した燃料FSaは、さらに重力により、燃料導入主開口部10Abを介して燃料保留空間10Aaへ導入される。また、保護壁11Acに付着した燃料も、重力によって落下し、燃料導入主開口部10Abへ導入される。
上記構成により、支柱11Aは、支柱11Aと同様に、燃料FSaを効率よく燃料保留部10Aの燃料保留空間10Aaに収集できる。また、保護壁11Acが、点火プラグ電極12aへの燃料付着を抑制するので、着火性の低下も抑制できる。上記構成により、燃料保留空間10Aa内の燃料FSaは、点火プラグ電極12a近傍で図2に示す可燃層AFSを形成する。
図6は、本実施形態に係る吸気ポート及び排気ポートの開度と、点火プラグによる点火時期と、インジェクタによる燃料吐出時期とを示すタイミングチャートである。図1、図2、及び図6を用いて本実施形態に係る内燃機関1の燃料吐出時期について説明する。図6において、BDCとは下死点を表し、TDCとは上死点を表す。また、Inは吸気弁109の開度を表し、Exは排気弁110の開度を表す。
本実施形態に係る内燃機関1は、図1に示すECU50によって、点火プラグ12の点火時期Tigと、インジェクタ13の燃料吐出時期Tsw01とを制御する。本実施形態に係る内燃機関1は、圧縮行程のTDCよりも前の吸気行程中に点火プラグ12による混合気への点火を行う。
ここで、従来、リッチな混合気を点火プラグ近傍に集めて可燃層を形成し、可燃層に点火する成層燃焼の場合、燃料吐出時期Tsw02は、点火時期Tigと同じ圧縮行程中の点火時期Tigよりもわずかに前の時期である。具体的には、吸気ポート103から導入された吸気流によるリッチな混合気の層の拡散を抑制するため、図中Inのグラフが示すように、吸気ポート103が吸気弁109により閉塞した後に燃料が吐出される。よって、従来の成層燃焼における燃料吐出時期Tsw02では、点火時期Tigまでの時間が非常に短く燃料の霧化が不十分になるおそれがある。十分な燃料の霧化時間が確保できない場合は、点火プラグによる混合気への着火性が低下し、結果的に出力できるトルクの低下を招くおそれがある。
ここで、内燃機関には、内燃機関から取り出せるトルクの向上を図るために、筒内燃焼空間内の燃料及び空気を十分に攪拌し、筒内燃焼空間内の均質な空燃比である混合気に点火する均質燃焼を行う内燃機関がある。均質燃焼では、空気及び燃料の攪拌に十分な時間を確保するため、また吸気ポート103から流入する吸気流により空気と燃料との攪拌を促進するため、吸気行程中に燃料を吐出する。
本実施形態に係る内燃機関1は、吸気行程の排気ポート104が排気弁110によって閉塞した後である燃料吐出時期Tsw01に燃料をインジェクタ13から吐出する。この燃料吐出時期Tsw01は、本来は均質燃焼を行うときの燃料吐出時期であり、上述したように、従来の成層燃焼の燃料吐出時期Tsw01に燃料を吐出した場合と比較して点火時期Tigまでの時間が長い。よって、燃料が十分に霧化されるので、混合気への着火性の低下を抑制できる。
図6のInが示すように、本実施形態に係る内燃機関1は、燃料吐出時期Tsw01の時、吸気弁109は開弁状態となっている。よって、インジェクタ13が、燃料吐出時期Tsw01で燃料を吐出すると、上記構成により、燃料の一部または全部が開弁中の吸気弁109に接触し、燃料FSaが燃料保留部10に向かう。これにより、燃料FSaは、燃料保留部10の燃料保留空間10aに保留され、上述のように燃料保留部10の燃料保留空間10aに保留された燃料FSaは、点火プラグ12による点火が行われるまで、燃料保留空間10a内で液状もしくは霧状に保たれる。または、燃料保留空間10aに保留された燃料FSaは、燃料保留空間10a内の燃料FSaの一部が気化し、気体として点火プラグ電極12a近傍で可燃層AFSを形成する。
図7は、本実施形態に係る筒内燃焼空間内の混合気における燃料濃度の分布を模式的に示す平面図である。図2に示すように、燃料保留部10以外の筒内燃焼空間101に進行した燃料FSbは、吸気ポート103から流入した吸気流によって十分に空気と攪拌される。また、本実施形態に係る内燃機関1は、空気と燃料との混合に必要な時間も十分に確保できる。よって、燃料保留部10を除く筒内燃焼空間101内の混合気は、図7に示すように均質な混合気AFLとなる。また、点火プラグ電極12a近傍は、燃料保留部10により、可燃層AFSが確保される。
本実施形態に係る内燃機関1は、吐出する燃料を吸入空気量に対して少なくすることで、筒内燃焼空間101全体では、リーンな状態とする。これにより、燃費が向上する。また、燃料保留部10以外の筒内燃焼空間101は、均質な混合気で満たされているため、トルク向上も図れる。一方、図2に示すように、点火プラグ12の近傍である燃料保留部10に燃料FSaを供給し、燃料FSaを留めることで、従来の内燃機関と比較して長期間にわたって点火プラグ12近傍に理論空燃比もしくはリッチな状態の混合気を確保できる。つまり、図2及び図7に示す可燃層AFSが、図1に示す筒内燃焼空間101内の気流により拡散されない。これにより、混合気への着火性低下を抑制できる。
なお、本実施形態に係るインジェクタ13は、燃料誘導手段としての吸気弁109に向けて燃料を吐出したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、インジェクタ13は、吸気弁109に接触しないように、点火プラグ12に向けて燃料を吐出してもよい。この場合であっても、燃料保留部10の燃料保留空間10aに燃料FSaを導入できる。燃料保留部10の燃料保留空間10aに導入された燃料FSaは、点火プラグ電極12a近傍に可燃層AFSを形成する。これにより、本実施形態に係る内燃機関1は、混合気への着火性低下を抑制できる。
また、本実施形態に係るインジェクタ13は、吸気行程中である図6に示す燃料吐出時期Tsw01に燃料を吐出する。この時、筒内燃焼空間101内は、吸気による気流が生じる。燃料保留部10の燃料保留空間10aに導入されなかった燃料FSbは、筒内燃焼空間101内の気流により攪拌され、均質な混合気を形成する。これにより、本実施形態に係る内燃機関1は、均質燃焼を行えるので、内燃機関1から取り出せるトルクが向上する。
本実施形態に係る内燃機関1の燃料吐出手段は、燃料の少なくとも一部である燃料FSaを燃料保留部10へ向けて吐出する。上記構成により、本実施形態に係る内燃機関1は、燃料保留部10に燃料FSaを効率よく供給できる。
図8は、本実施形態に係るガイド部材を模式的に示す斜視図である。本実施形態に係る内燃機関1は、燃料誘導手段として吸気弁109を用いたが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、図8に示すように、インジェクタ13から吐出された燃料を、燃料誘導手段としてのガイド部材16を備えることによって、燃料保留部10へ燃料FSaを供給してもよい。
ガイド部材16は、燃料保留部側ガイド面16aと、ピストン側ガイド面16bと、燃料分岐点16cと、ガイド部材用支柱17とを備える。燃料分岐点16cは、ガイド部材16を構成する部材のうち、最もインジェクタ13側にガイド部材16の先端部として設けられる。これにより、燃料分岐点16cは、インジェクタ13から吐出された燃料を燃料保留部側ガイド面16a側とピストン側ガイド面16b側とに分割する。燃料保留部側ガイド面16aは、燃料分岐点16cによって分割された燃料のうちの燃料FSaを、燃料保留部10の方向へ導く。ピストン側ガイド面16bは、燃料分岐点16cによって分割された燃料のうちの燃料FSbを、燃料保留部10を除く筒内燃焼空間101の方向、例えばピストン14の方向へ導く。
ガイド部材用支柱17は、上記構成のガイド部材16を、インジェクタ13近傍に支持する支持部材である。ガイド部材用支柱17は、燃料FSaまたは燃料FSbの進行を阻害しないように、例えば、棒状部材で構成される。
上記構成により、吸気弁109の開弁及び閉弁動作に依存することなく、燃料FSaを燃料保留部10に供給すると共に、燃料FSbを燃料保留部10を除く空間に供給できる。これにより、吸気弁109の開弁及び閉弁動作に依存することなく、図7に示すように、点火プラグ電極12a近傍に可燃層AFSを形成すると共に、燃料保留部10を除く筒内燃焼空間101内に均質な混合気AFLを形成できる。つまり、吸気弁109が開弁していなくても、上記効果と同等な効果を奏する。よって、インジェクタ13による燃料を吐出する時期である燃料吐出時期Tsw01の範囲が広がる。
なお、燃料誘導手段は、上述の吸気弁109及びガイド部材16に限定されない。例えば、ピストン頂部14aに設けられるリセス15を、いわゆるキャビティの機能を有するように形成し、上記構成に加えて、このリセス15を補助的な燃料誘導手段として利用するように構成してもよい。例えば、ピストン14が圧縮行程の上死点近傍に位置する時に再度インジェクタ13から燃料を吐出する。これにより、燃料FSaを燃料保留部10に供給し、燃料FSbをキャビティとして機能するリセス15を介して燃料保留部10に供給できる。よって、点火プラグ電極12a近傍に可燃層AFSをより好適に形成できる。
本実施形態に係る内燃機関1の燃料誘導手段は、シリンダ100内を往復運動するピストン頂部14aに形成されると共に、インジェクタ13は燃料の少なくとも一部をピストン頂部14aに形成された燃料誘導手段に吐出する。上記構成により、リセス15を補助的な燃料誘導手段として利用できるので、効率よく燃料保留部10に燃料FSaを供給できる。これにより、点火プラグ12による混合気への着火性の低下をより好適に抑制できる。
以上、本実施形態に係る内燃機関1は、空気と燃料との混合気が燃焼する筒内燃焼空間101に設けられて混合気に点火する点火手段としての点火プラグ12と、燃料を筒内燃焼空間101に向けて吐出する燃料吐出手段としてのインジェクタ13と、燃料を留める燃料保留部材としての燃料保留部10と、を備え、燃料保留部10は、燃料保留部10が留める燃料FSaによって形成される可燃層AFSが、点火プラグ12の点火部としての点火プラグ電極12aを内包するように設けられる。
上記構成により、本実施形態に係る内燃機関1は、燃料保留部10によって燃料FSaを点火プラグ12近傍に留めることができる。これにより、燃料吐出から点火までの時間を、通常の成層燃焼を行う内燃機関の時間よりも長く設定しても筒内燃焼空間101内の気流によって可燃層AFSが点火プラグ12近傍から拡散するおそれを抑制できる。つまり、吸気行程中にインジェクタ13によって燃料を吐出しても点火プラグ電極12a近傍に、可燃層AFSを成層できる。よって、燃料吐出から点火までの時間を通常よりも長く確保できるので、十分に燃料が霧化できる。これにより本実施形態に係る内燃機関1は、混合気への着火性の低下を抑制できる。
本実施形態に係る内燃機関1は、インジェクタ13から吐出された燃料のうち少なくとも一部の進行方向を、燃料保留部10へ転ずる燃料誘導手段を備える。また、本実施形態に係る内燃機関1は、筒内燃焼空間101に開口する吸気ポート103と、吸気ポート103と筒内燃焼空間101との連通を開鎖する吸気弁109とを備え、燃料誘導手段は、吸気弁109であると共に、インジェクタ13は燃料の少なくとも一部を燃料誘導手段としての吸気弁109に向けて吐出する。
本実施形態に係るインジェクタ13が燃料を吐出する燃料吐出時期Tsw01は吸気行程中の時期であり、この時、吸気弁109は開弁状態である。よって、上記構成により、本実施形態に係る内燃機関1は、従来内燃機関が備える吸気弁109を、燃料誘導手段として利用できる。これにより、特別な部材を設けることなく、燃料の少なくとも一部である燃料FSaを、燃料保留部10へ供給できる。
本実施形態に係る燃料保留部10は、点火プラグ12と対向する位置に設けられる。上記構成により、本実施形態に係る燃料保留部10は、点火プラグ電極12aを囲うように設けられる。これにより、点火プラグ電極12aは、燃料保留部10の燃料保留空間10a内の燃料FSaによって形成される可燃層AFSに内包される。よって、本実施形態に係る内燃機関1は、より好適に着火性の低下を抑制できる。
本実施形態に係る内燃機関1の燃料保留部10は、窪みを有する半球状に形成される。上記構成により、本実施形態に係る燃料保留部10は、前記窪みに燃料保留空間10aが形成されるので、この燃料保留空間10aに燃料FSaを好適に留めることができる。
なお、本実施形態に係る内燃機関1のインジェクタ13は、図2に示すように、筒内燃焼空間1に突出して設けられるものとして説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、インジェクタ13を吸気ポート103に突出させて設け、吸気弁109が開弁した時に、吸気ポート103と吸気弁109との隙間を介して、筒内燃焼空間101の燃料保留部10に燃料FSaを吐出するように設けてもよい。
(実施形態2)
図9は、本実施形態に係るマルチホールインジェクタ近傍を模式的に示す斜視図である。本実施形態に係る内燃機関2は、複数の吐出口を備えるマルチホールインジェクタ23を備える点で、上述の実施形態に係る内燃機関とは異なる。なお、上述の実施形態と同一の構成には、同一の符号を付す。
図9に示すように、本実施形態に係る内燃機関2は、吐出口23a及び吐出口23bを備える燃料吐出手段としてのマルチホールインジェクタ23を備える。吐出口23aは、燃料保留部10へ向けて燃料FSaを吐出する。また、吐出口23bは、燃料保留部10を除く筒内燃焼空間101へ燃料FSbを吐出する。
上記構成により、吸気弁109の開弁及び閉弁動作に依存することなく、燃料FSaを燃料保留部10に供給できる。また、マルチホールインジェクタ23は、燃料FSbを燃料保留部10及び燃料誘導手段、例えばピストン頂部14aに形成された補助的な燃料誘導手段としてのリセス15以外に向けて吐出することにより、燃料保留部10を除く筒内燃焼空間に燃料FSbを供給できる。これにより、吸気弁109の開弁及び閉弁動作に依存することなく、図7に示すように、点火プラグ電極12a近傍に可燃層AFSを形成すると共に、燃料保留部10を除く筒内燃焼空間101内に均質な混合気AFLを形成できる。
以上、本実施形態に係る内燃機関2のマルチホールインジェクタ23は、燃料を吐出する開口としての吐出口23a及び吐出口23bを備え、少なくとも1つの開口である吐出口23bは、燃料保留部10を避けて燃料を吐出する。上記構成により、吸気弁109が開弁していなくても、マルチホールインジェクタ23は、燃料保留部10へ燃料FSaを供給できる。よって、本実施形態に係る内燃機関2は、点火プラグ12による混合気への着火性の低下を抑制できる。また、マルチホールインジェクタ23は、燃料保留部10を除く筒内燃焼空間101に燃料FSbを供給できる。これにより、均質な混合気AFLを形成できるので、内燃機関2から取り出せるトルクが向上する。本実施形態に係る内燃機関2は、上述の効果を奏すると共に、マルチホールインジェクタ23による燃料を吐出する時期である燃料吐出時期Tsw01の範囲も広がる。
本実施形態に係る燃料吐出手段は吐出口23a及び吐出口23bを有するマルチホールインジェクタ23として説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、複数の燃料吐出手段を備えてもよい。つまり、本実施形態に係る内燃機関2は、実施形態1に係るインジェクタ13に加えて、燃料保留部10及び上述の燃料誘導手段を除く筒内燃焼空間101に燃料FSbを吐出する第2の燃料吐出手段としての第2インジェクタを備えてもよい。上記構成により、特殊なインジェクタを用いることなく、本実施形態に係る内燃機関2は、上述の効果と同様の効果を奏する。
(実施形態3)
図10は、本実施形態に係る筒内燃焼空間を模式的に示す断面図である。本実施形態に係る内燃機関3は、点火プラグ12近傍の筒内天井部101aに、インジェクタ33が突出する、つまり筒内天井部101aの中央部にインジェクタ33が突出する点で上述の実施形態に係る内燃機関とは異なる。
本実施形態に係るインジェクタ33は、筒内天井部101aの中央部にピストン14と対向するように設けられる。また、インジェクタ33は、ピストン14のピストン頂部14aに向けて燃料を吐出する。このとき、インジェクタ33は、燃料の一部である燃料FSaを燃料保留部10に接触させて吐出するように設けられる。これにより、燃料保留部10に燃料FSaが供給され、燃料FSa以外の燃料である燃料FSbは、燃料保留部10を除く筒内燃焼空間101に拡散する。
以上、本実施形態に係る内燃機関3の点火プラグ12は、シリンダ内壁面100aとピストン頂部14aと共に筒内燃焼空間101を形成する筒内天井部101aの中央部に設けられ、インジェクタ33は、燃料保留部10と対向する筒内天井部101aの部位に設けられる。上記構成により、本実施形態に係る内燃機関3は、上述の実施形態に係る内燃機関よりも直接的に燃料保留部10に燃料を供給できる。よって、本実施形態に係る内燃機関3は、より好適に可燃層AFSを点火プラグ電極12a近傍に形成できる。これにより、点火プラグ12による混合気への着火性の低下をより好適に抑制できる。
なお、本実施形態に係るインジェクタ33に代えて、実施形態2に係るマルチホールインジェクタ23を筒内天井部101aの中央部に設けてもよい。また、インジェクタ33以外に複数の燃料吐出手段を設けてもよい。つまり、燃料吐出手段の個数及び形態は限定されず、燃料保留部10に少なくとも一部の燃料FSaが供給されればよい。
(実施形態4)
図11は、本実施形態に係る筒内燃焼空間を模式的に示す断面図である。本実施形態に係る内燃機関4は、燃料保留部40を支持する支柱41の内部に、燃料を燃料保留部10に直接供給する燃料通路42が形成されている点で上述の実施形態に係る内燃機関とは異なる。
本実施形態に係る内燃機関4は、燃料保留部材としての燃料保留部40と、支柱41と、燃料吐出手段としてのポンプ43a及びインジェクタ43bとを備える。支柱41は、その内部に燃料FSaを直接燃料保留部40に供給する燃料通路42が形成されている。ポンプ43aは、燃料FSaを燃料保留部40へ供給する。インジェクタ43bは、燃料保留部40及び上述の燃料誘導手段を避けて燃料FSbを筒内燃焼空間101に吐出する。燃料通路42は、一方が燃料保留部40に開口し、他方がポンプ43aに連結されている。これにより、燃料FSaは、燃料通路42を介して直接燃料保留部40に供給される。また、燃料FSbは、インジェクタ43bにより、燃料保留部40以外の筒内燃焼空間101に供給される。
以上、本実施形態に係る内燃機関4は、燃料を燃料保留部40へと導く燃料通路を備え、ポンプ43aは、燃料FSaを燃料通路42を介して燃料保留部40へ吐出する。上記構成により、本実施形態に係る内燃機関4は、好適に燃料保留部40に燃料FSaを供給できる。また、インジェクタ43bにより、燃料FSbを燃料保留部40以外の筒内燃焼空間101に供給できる。これにより、本実施形態に係る内燃機関4は、好適に点火プラグ12による混合気への着火性の低下を抑制できる。
以上のように、本発明に係る内燃機関は、成層燃焼を行う内燃機関に有用であり、特に、着火性の低下を抑制する内燃機関に適している。
本実施形態に係る内燃機関を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る筒内燃焼空間近傍を示す模式的断面図である。 本実施形態に係る燃料保留部を筒内天井部側から模式的に示す平面図である。 本実施形態に係る燃料保留部及び支柱を拡大して模式的に示す斜視図である。 本実施形態に係る燃料保留部を筒内天井部側から模式的に示す平面図である。 本実施形態に係る燃料保留部及び支柱を拡大して模式的に示す斜視図である。 本実施形態に係る燃料保留部及び他の支柱を拡大して模式的に示す斜視図である。 本実施形態に係る吸気ポート及び排気ポートの開度と、点火プラグによる点火時期と、インジェクタによる燃料吐出時期とを示すタイミングチャートである。 本実施形態に係る筒内燃焼空間内の混合気における燃料濃度の分布を模式的に示す平面図である。 本実施形態に係るガイド部材を模式的に示す斜視図である。 本実施形態に係るマルチホールインジェクタ近傍を模式的に示す斜視図である。 本実施形態に係る筒内燃焼空間を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る筒内燃焼空間を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1、2、3、4 内燃機関
10、10A、40 燃料保留部
10a、10Aa 燃料保留空間
10b、10Ab 燃料導入主開口部
10c 燃料導入副開口部
11、11A、41 支柱
11a 燃料付着面
11b 隆起部
11Aa 燃料付着面
11Ab 隆起部
11Ac 保護壁
12 点火プラグ
12a 点火プラグ電極
13、33、43b インジェクタ
13a 吐出口
14 ピストン
14a ピストン頂部
15 リセス
16 ガイド部材
16a 燃料保留部側ガイド面
16b ピストン側ガイド面
16c 燃料分岐点
17 ガイド部材用支柱
23 マルチホールインジェクタ
23a、23b 吐出口
42 燃料通路
43a ポンプ
50 ECU
100 シリンダ
100a シリンダ内壁面
101 筒内燃焼空間
101a 筒内天井部
102 クランクケース
102a クランク室
103 吸気ポート
104 排気ポート
105 クランクシャフト
105a カウンタウェイト
106 シリンダヘッド
107 シリンダブロック
108 コネクティングロッド
109 吸気弁
110 排気弁
111 吸気通路
112 排気通路
AFL 混合気
AFS 可燃層
FSa 燃料
FSb 燃料
NPS 空間
SL シリンダ軸線
Tig 点火時期
Tsw01 燃料吐出時期
Tsw02 燃料吐出時期

Claims (14)

  1. 空気と燃料との混合気が燃焼する筒内燃焼空間に設けられ、前記混合気に点火する点火手段と、
    前記燃料を筒内燃焼空間に向けて吐出する燃料吐出手段と、
    前記燃料を留める燃料保留部材と、
    を備え、前記燃料保留部材は、前記燃料保留部材が留める前記燃料によって形成される可燃層が、前記点火手段の点火部を内包するように設けられることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記燃料吐出手段は、前記燃料の少なくとも一部を前記燃料保留部材へ向けて吐出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記点火手段は、シリンダの内壁面とピストンの頂部と共に前記筒内燃焼空間を形成する筒内天井部の中央部に設けられ、前記燃料吐出手段は、前記燃料保留部材と対向する前記筒内天井部の部位に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関。
  4. 前記燃料吐出手段は、燃料を吐出する開口を複数備え、少なくとも1つの開口は、前記燃料保留部材を避けて前記燃料を吐出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関。
  5. 前記燃料保留部材を避けて前記燃料を吐出する第2の燃料吐出手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関。
  6. 前記燃料吐出手段から吐出された前記燃料のうち少なくとも一部の進行方向を、前記燃料保留部材へ転ずる燃料誘導手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関。
  7. 前記筒内燃焼空間に開口する吸気ポートと、
    前記吸気ポートと前記筒内燃焼空間との連通を開鎖する吸気弁と、
    を備え、前記燃料誘導手段は、前記吸気弁であると共に、前記燃料吐出手段は前記燃料の少なくとも一部を前記燃料誘導手段としての前記吸気弁に向けて吐出することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関。
  8. 前記燃料誘導手段は、前記シリンダ内を往復運動する前記ピストンの前記頂部に形成されると共に、前記燃料吐出手段は前記燃料の少なくとも一部を前記ピストンの前記頂部に形成された前記燃料誘導手段に吐出することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関。
  9. 前記燃料吐出手段は、燃料を吐出する開口を複数備え、少なくとも1つの開口は、前記燃料保留部材及び前記燃料誘導手段を避けて前記燃料を吐出することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の内燃機関。
  10. 前記燃料保留部材及び前記燃料誘導手段を避けて前記燃料を吐出する第2の燃料吐出手段を備えることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の内燃機関。
  11. 前記燃料吐出手段と前記点火手段との間に、前記燃料保留部材を前記筒内燃焼空間に支持する支柱を備えることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の内燃機関。
  12. 前記燃料を前記燃料保留部材へと導く燃料通路を備え、前記燃料吐出手段は、前記燃料の少なくとも一部を前記燃料通路を介して前記燃料保留部材へ吐出することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の内燃機関。
  13. 前記燃料保留部材は、前記点火手段と対向する位置に設けられることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の内燃機関。
  14. 前記燃料保留部材は、窪みを有する半球状に形成されることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の内燃機関。
JP2007211078A 2007-08-13 2007-08-13 内燃機関 Pending JP2009047006A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007211078A JP2009047006A (ja) 2007-08-13 2007-08-13 内燃機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007211078A JP2009047006A (ja) 2007-08-13 2007-08-13 内燃機関

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009047006A true JP2009047006A (ja) 2009-03-05

Family

ID=40499461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007211078A Pending JP2009047006A (ja) 2007-08-13 2007-08-13 内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009047006A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010074116A1 (ja) 2008-12-25 2010-07-01 日本写真印刷株式会社 押圧検出機能を有するタッチパネル及び当該タッチパネル用感圧センサ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010074116A1 (ja) 2008-12-25 2010-07-01 日本写真印刷株式会社 押圧検出機能を有するタッチパネル及び当該タッチパネル用感圧センサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7204225B2 (en) Internal combustion engine with auxiliary combustion chamber
JP4280928B2 (ja) 直接噴射火花点火内燃機関
US7597085B2 (en) Direct fuel injection-type spark ignition internal combustion engine
JP3186373B2 (ja) 筒内噴射式火花点火機関
JP3741494B2 (ja) 筒内噴射式エンジン
JP2007092693A (ja) 火花点火式直噴エンジン
EP1041259B1 (en) Combustion chamber structure of in-cylinder direct fuel injection engine
JP2002188447A (ja) 筒内直接噴射式内燃機関
JP5060353B2 (ja) 副室式エンジン
JP2004232583A (ja) 筒内直噴火花点火式内燃機関
JP2000104551A (ja) 直接噴射ガソリンエンジン
JP2004245171A (ja) 混合気を圧縮自着火させる自着火運転が可能な内燃機関
JP4075453B2 (ja) 直噴火花点火式内燃機関
JP2009047006A (ja) 内燃機関
JP2000130171A (ja) 直噴火花点火式内燃機関
JPH0713465B2 (ja) 直噴式2サイクル内燃機関
JPH10288038A (ja) 直接噴射式ディーゼルエンジン
WO2018221639A1 (ja) エンジンの燃焼室構造
JPS63215817A (ja) エンジンの燃焼室構造
JP4872885B2 (ja) 内燃機関
JP2001140651A (ja) 2サイクルエンジン
JP6627843B2 (ja) エンジンの燃焼室構造
JP2004251152A (ja) 筒内空気噴出装置
JPH1193779A (ja) 筒内噴射式ガスエンジン
RU2204031C1 (ru) Предкамерный двигатель внутреннего сгорания