JP2009046208A - 被記録材の分離装置及び記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】突当て分離式の被記録材の分離装置において、被記録材のセット枚数の多少によって生ずる被記録材の突入角度の角度差を小さくして被記録材の分離性能を安定化させる。
【解決手段】給送用トレイ5上の被記録材Pを給送用ローラ14と揺動構造のホッパ16との挟圧送り作用によって給送する際、記録の実行に使用する最上位の被記録材P1と、次位以降の被記録材P2とに分離する装置であって、重送された被記録材Pの先端縁30を突き当てる突当て分離面38を有しており、前記突当て分離面38は最大枚数セット時の被記録材Pが当接する上流当接位置A1と、数枚セット時の被記録材Pが当接する下流当接位置A2とで、被記録材Pの突入角度θの角度差Δθが小さくなるように面勾配βが調整された側面視凹形状に形成されている。
【選択図】図5
【解決手段】給送用トレイ5上の被記録材Pを給送用ローラ14と揺動構造のホッパ16との挟圧送り作用によって給送する際、記録の実行に使用する最上位の被記録材P1と、次位以降の被記録材P2とに分離する装置であって、重送された被記録材Pの先端縁30を突き当てる突当て分離面38を有しており、前記突当て分離面38は最大枚数セット時の被記録材Pが当接する上流当接位置A1と、数枚セット時の被記録材Pが当接する下流当接位置A2とで、被記録材Pの突入角度θの角度差Δθが小さくなるように面勾配βが調整された側面視凹形状に形成されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、給送用トレイ上に積畳された被記録材を給送用ローラと揺動式のホッパとによって給送する際、最上位の被記録材を次位以降の被記録材と分離する被記録材の分離装置及び該被記録材の分離装置を備えた記録装置に関する。ここで「記録装置」とは、プリンタ(シリアルプリンタ、ラインプリンタ等)、ファクシミリ、複写機等を含む概念である。
記録装置に搭載されている自動給送装置には、重送された被記録材を記録の実行に使用する最上位の被記録材と、次位以降(後続)の被記録材とに分離する分離装置が設けられている。例えば下記の特許文献1では、支点を中心にして給送用ローラの接近離反方向に回動するアーム状の分離部材と、該分離部材の自由端を給送用ローラの周面に圧接させる分離圧バネとを備える被記録材の分離装置が開示されている。そして、前記分離部材の自由端には被記録材の先端縁を突き当てて被記録材を分離する傾斜面が設けられており、摩擦部材を使用した従来の摩擦分離式の分離装置に比べて異音の発生を抑えられるという作用効果を有している。
このような突当て分離式の分離装置は、記録装置の一例であるインクジェットプリンタにも搭載されている。具体的には、リタードローラ等を使用した本分離部の上流位置に予備分離部として、図11、図12に示したような搬送案内部材と一体の固定式の突当て分離部102が設けられていた。該固定式の突当て分離部102は、被記録材(以下用紙ともいう)Pの下面に摺接して用紙Pの搬送を案内する前記搬送案内部材の表面に設けられているリブ状の突条によって構成されており、該突条の最上流位置に用紙Pの先端縁を突き当てて分離する上述した特許文献1の傾斜面に相当する突当て分離面103が設けられている。
従来の突当て分離部102における突当て分離面103としては、突当て分離面103の傾斜角度(水平線Hに対する傾斜角度)βが常に一定の下流側が低くなるように傾斜した側面視平坦形状の突当て分離面103A(図11)、あるいは側面視凸形状に湾曲した突当て分離面103B(図12)が採用されていた。そして、これらの突当て分離面103A、103Bに対して重送された用紙Pの先端縁104が突き当たり(当接し)、用紙Pのコシの強さと用紙Pを搬送する搬送力とによって発生する突当て分離面103A、103Bからの反力を利用して用紙Pを分離する突当て分離が実行される。
また、このような突当て分離式の分離部102の場合には、用紙Pの分離性能に突当て分離面103に対する用紙Pの突入角度θが重要に関係している。即ち、用紙Pの突入角度θは、最上位の用紙P1が通過できる範囲で、突入角度θが大きくなるほど後続の用紙P2との分離性能が向上する。しかし、揺動式のホッパによって上方に押し上げられた用紙Pと給送用ローラ105とのニップ点Nは、用紙Pのセット枚数が少なくなるに伴って用紙搬送方向Yに移動する。そのため、当該ニップ点Nから繰り出される用紙Pの傾斜姿勢は、図11、図12に示すように、用紙Pのセット枚数が少なくなるに連れて緩やかになり、突当て分離面103に対する当接位置Aも上流当接位置A1から下流当接位置A2へと移動するようになる。
例えば、図11に示す側面視平坦形状の突当て分離面103Aにあっては、最大枚数セット状態の用紙Pの突入角度θ(=θmax)と、用紙Pのセット枚数が少なくなって残り数枚になった状態の突入角度θ(=θmin)との間には比較的大きな角度差Δθ=θmax―θminが生じていた。
また、図12に示す側面視凸形状の突当て分離面103Bにあっては、最大枚数セット状態の用紙Pの突入角度θ(=θmax)と、用紙Pのセット枚数が少なくなって残り数枚になった状態の突入角度θ(=θmin)との間には、更に大きな角度差Δθ=θmax―θminが生じていた。そして、このような突入角度θの大きな角度差Δθは、突当て分離部102の分離性能のバラ付きとなって現れ、特に用紙Pのセット枚数が少なくなって残り数枚となった状態の用紙Pの分離が良好に行われない要因となっていた。
また、用紙Pの表裏両面に連続して記録を実行する場合には、先に記録を実行した一方の面(表面)の乾燥が十分でない状態で当該一方の面を下にして他方の面(裏面)に記録を実行すると、前記図11に示すような側面視平坦形状の突当て分離面103Aや前記図12に示すような側面視凸形状の突当て分離面103Bにあっては、乾燥が十分でない用紙Pの一方の面がこれらの突当て分離面103の表面に貼り付いてしまって用紙Pの良好な給送ないし搬送ができなくなってしまうことがあった。
また、ハガキのように剛性の強い用紙Pを使用して当該用紙Pに対して記録を実行する場合には、用紙Pの本分離部としてリタードローラを使用している時、該リタードローラを挟んでその左右に配置されている突当て分離面103、103の間の位置に存する用紙Pの中央部が下方に大きく撓んでリタードローラを下方に押し下げてしまうことがあった。そして、リタードローラが下方に押し下げられてしまうと、給送用ローラ105との間の所望のニップ圧が確保できなくなり、リタードローラは本来の用紙Pの分離性能を発揮できなくなってしまう。
特開2003−321138号公報
本発明の課題は、突当て分離式の被記録材の分離装置において、被記録材のセット枚数の多少によって生ずる突当て分離面に対する被記録材の突入角度の角度差を小さくして被記録材の分離性能のバラ付きをなくして常に安定した被記録材の分離性能が得られる被記録材の分離装置及び該被記録材の分離装置を備えた記録装置を提供することにある。また、両面印刷時の被記録材の突当て分離面に対する付着を防止し、剛性の強い被記録材を使用した場合のリタードローラの押し下げによる被記録材の分離性能の低下を防止することにある。
前記課題を解決するために本発明の第1の態様に係る被記録材の分離装置は、給送用トレイ上に積畳された被記録材を給送用ローラと揺動構造のホッパとによって給送する際、最上位の被記録材を次位以降の被記録材と分離する被記録材の分離装置であって、重送された被記録材の先端縁を突き当てる突当て分離面を備え、該突当て分離面は、被記録材が最大枚数セットされた状態で被記録材の先端縁が当接する上流当接位置と、被記録材が数枚セットされた状態で被記録材の先端縁が当接する下流当接位置とで、それぞれの当接位置に当接する被記録材の突入角度の角度差が小さくなるように面勾配が調整された側面視凹形状に形成されていることを特徴とするものである。
本態様によれば、最大枚数セット状態の被記録材の突入角度と、数枚セット状態の被記録材の突入角度の角度差が小さくなるので、被記録材の分離性能のバラ付きが防止され、安定した被記録材の分離性能が得られるようになる。また、突当て分離面を側面視凹形状に形成したことにより、十分、乾燥していない一方の面を下にして被記録材の他方の面に記録を実行する場合に問題となる突当て分離面に対する被記録材の付着の虞を回避し、円滑な被記録材の給送と搬送とが実現される。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係る被記録材の分離装置において、前記突当て分離面は、前記上流当接位置と下流当接位置との間の位置でも被記録材の突入角度の角度差が小さくなるように面勾配が調整された凹曲面によって形成されていることを特徴とするものである。
本態様によれば、前記第1の態様の作用効果に加えて以下の作用効果が得られる。上流当接位置と下流当接位置との間の位置でも被記録材の突入角度の角度差が小さくなるので、突当て分離面全体の広い範囲に亘って安定した被記録材の分離性能が得られるようになる。また、突当て分離面を連続した凹曲面に形成したことにより、被記録材のセット枚数の変化に対応した、きめの細かな突当て分離面の面勾配の調整が実現される。
本発明の第3の態様は、前記第1の態様または第2の態様に係る被記録材の分離装置において、前記突当て分離面は、給送用ローラを挟んで、その左右側傍の位置に配置されていることを特徴とするものである。
本態様によれば、前記第1の態様または第2の態様の作用効果に加えて以下の作用効果が得られる。揺動構造のホッパによって押し上げられた被記録材と給送用ローラとのニップ点に対してその左右方向の位置においてバランス良く被記録材の突当て分離が実行されるようになる。従って、突当て分離実行時に被記録材のスキュー(傾き)は生ぜず、複数の突当て分離面の存在により被記録材の分離性能の向上と安定化が期待できる。
本発明の第4の態様は、前記第3の態様に係る被記録材の分離装置において、前記突当て分離面は、被記録材の下面に摺接して被記録材の搬送を案内する搬送案内部材の表面に設けられているリブ形状の突条の上流位置に設けられていることを特徴とするものである。
本態様によれば、前記第3の態様の作用効果に加えて以下の作用効果が得られる。突当て分離面がリブ形状の突条に形成されているので、該突当て分離面が小幅になり、被記録材との接触面積が小さくなる。従って、先に記録を実行した一方の面の乾燥が十分でない状態で当該一方の面を下にして被記録材の他方の面に記録を実行する場合、被記録材の一方の面の突当て分離面に対する付着を防止でき、当該付着によって生ずる給送負荷や搬送負荷の増大を抑えて、良好な被記録材の給送と搬送を実現することが可能になる。
本発明の第5の態様は、前記第4の態様に係る被記録材の分離装置において、前記給送用ローラを挟んでその左右に位置する突当て分離面の間には、当該突当て分離面よりも高さの低い支えリブが設けられていることを特徴とするものである。
本態様によれば、前記第4の態様の作用効果に加えて以下の作用効果が得られる。ハガキのように剛性のある被記録材を使用した場合に突当て分離面によって支えられていない中央部での過剰な被記録材の撓みが支えリブに支えられることによって防止される。従って前記被記録材の中央部での過剰な撓みによって従来、生じていたリタードローラの押し下げによる分離性能の低下は生じない。また支承リブは被記録材の分離装置を構成する突条よりも高さが低くなっているから前記突当て分離面の良好な分離性能もそのまま維持されている。
本発明の第6の態様は、前記第1の態様から第5の態様のいずれか一つの態様に係る被記録材の分離装置において、前記突当て分離面の被記録材搬送方向における下流位置に本分離部を備えていることを特徴とするものである。
本態様によれば、前記第1の態様から第5の態様のいずれか一つの態様の作用効果に加えて以下の作用効果が得られる。予備分離部における被記録材の予備分離性能が向上するので、本分離部での負担が軽減され、確実な被記録材の分離が実行されるようになる。特に予備分離部として前記第5の態様に係る被記録材の分離装置を採用した場合には前記第5の態様と同様の作用効果によって剛性のある被記録材を使用した場合のリタードローラの押し下げによる本分離性能の低下も生じない。
本発明の第7の態様に係る記録装置は、複数枚の被記録材を積畳した状態で載置し得る給送用トレイと、前記給送用トレイ上に載置された被記録材を給送用ローラに向けて押し付ける揺動構造のホッパと、前記ホッパとの協働によって上位の被記録材をピックアップする給送用ローラと、前記ピックアップされた上位の被記録材を最上位の被記録材と次位以降の被記録材とに分離する被記録材の分離装置とを備えた記録装置であって、前記被記録材の分離装置は前記第1の態様から第6の態様のいずれか一つの態様の被記録材の分離装置であることを特徴とするものである。
本態様によれば、インクジェットプリンタ等の記録装置において、前記各態様の被記録材の分離装置と同様の作用効果が得られるようになる。そして搬送経路への被記録材の重送が防止され、円滑な被記録材の給送と記録ポジションに向けての搬送とが実行されるようになる。
以下、本発明の実施例に係る被記録材の分離装置及び該被記録材の分離装置を備えた記録装置について説明する。最初に本願発明の記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ100を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の被記録材の分離装置を適用したインクジェットプリンタにおける自動給送装置を示す斜視図である。また図2は同上、最大枚数セットの状態を示す側断面図、図3は同上、数枚セットの状態を示す側断面図である。
インクジェットプリンタ100は、記録装置本体の一例であるプリンタ本体を備え、該プリンタ本体の一例として後部側中央に自動給送装置2が設けられている。自動給送装置2は、多数枚の用紙Pを積畳した状態で載置し得る給送用トレイ5と、該給送用トレイ5上に載置された用紙Pを給送用ローラ14に向けて押し上げる揺動構造のホッパ16と、該ホッパ16との挟圧送り作用によって給送用トレイ5上に載置された上位の用紙Pをピックアップする給送用ローラ14と、該給送用ローラ14によってピックアップされた上位の用紙Pを記録の実行に使用する最上位の用紙P1と、次位以降の用紙P2とに分離する本発明の被記録材の分離装置1と、該被記録材の分離装置1によって分離された次位以降の用紙P2を再び給送用トレイ5上に戻す図示しない戻し手段とを備えることによって基本的に構成されている。
前記ホッパ16によって上方に押し上げられた用紙Pと前記給送用ローラ14とのニップ点Nの用紙搬送方向Yにおける下流には、用紙Pの下面を支持して案内する搬送案内部材17が設けられている。本発明の被記録材の分離装置1と前記戻し手段(図示せず)は、前記搬送案内部材17に設けられている。また、搬送案内部材17の上面には用紙搬送方向Yに沿って延びる複数の案内リブ18が設けられており、該案内リブ18の上方空間が用紙Pの搬送経路19になっている。そして、給送用トレイ5上に積畳された用紙Pは、エッジガイド15によって左右の側縁(エッジ)が案内され、前記給送用ローラ14とホッパ16との挟圧送り作用と、前記被記録材の分離装置1と図示しない戻し手段とによる分離、戻し作用と、前記搬送案内部材17の搬送案内作用とによって1枚ずつ自動給送されるようになっている。
搬送経路19に導かれた用紙Pは、一対のニップローラによって構成される図示しない搬送用ローラに供給され、該搬送用ローラの搬送力によって記録の実行を司る記録ポジションに導かれる。記録ポジションには記録実行手段である図示しない記録ヘッドと、記録ヘッドの往復移動方向Xへの移動手段である図示しないキャリッジと、用紙Pの下面を支持して記録ヘッドとの間のギャップを規定する図示しないプラテンとがそれぞれ設けられている。そして、記録が実行された用紙Pは、一対のニップローラによって構成される図示しない排出用ローラによって用紙搬送方向Yの下流端の図示しない搬出用スタッカの載置面上に排出され積畳状態でスタックされるようになっている。
[実施例]
次に、このようにして構成されるインクジェットプリンタ100に対して設けられる本発明の被記録材の分離装置1について図面に基づいて具体的に説明する。
図4は用紙を最大枚数セットした状態の本実施例に係る被記録材の分離装置の突当て分離面周辺の拡大側断面図、図5は数枚の用紙をセットした状態の本実施例に係る被記録材の分離装置の突当て分離面周辺の拡大側断面図である。また図6は本実施例に係る被記録材の分離装置を拡大して示す斜視図、図7は本実施例に係る被記録材の分離装置を拡大して示す平面図である。
次に、このようにして構成されるインクジェットプリンタ100に対して設けられる本発明の被記録材の分離装置1について図面に基づいて具体的に説明する。
図4は用紙を最大枚数セットした状態の本実施例に係る被記録材の分離装置の突当て分離面周辺の拡大側断面図、図5は数枚の用紙をセットした状態の本実施例に係る被記録材の分離装置の突当て分離面周辺の拡大側断面図である。また図6は本実施例に係る被記録材の分離装置を拡大して示す斜視図、図7は本実施例に係る被記録材の分離装置を拡大して示す平面図である。
本実施例に係る被記録材の分離装置1は、揺動構造のホッパ16を備える前述した自動給送装置2の構成部材の一部として使用される。そして、本実施例では被記録材の分離装置1は、用紙Pの搬送経路19の上流位置に設けられる突当て分離式の予備分離部33と、該予備分離部33の下流位置に設けられるリタードローラ36の回転抵抗を利用した本分離部35とを備えることによって構成されている。
予備分離部33は、重送された用紙Pの先端縁30に最初に当接し、本分離部35による本分離が確実に行われるようにリタードローラ36への用紙Pの過剰な供給を防止するための用紙Pの予備的な分離を実行する。そして、前記予備分離部33は、重送された用紙Pの先端縁30を突き当てる突当て分離面38を有している。当該突当て分離面38は、用紙Pが給送用トレイ5に最大枚数セットされたときに用紙Pの先端縁30が当接する上流当接位置A1と、用紙Pが数枚セットされたときに用紙Pの先端縁30が当接する下流当接位置A2とで、それぞれの当接位置A1、A2に当接する用紙Pの突入角度θの角度差Δθが小さくなるように面勾配βが調整された側面視凹形状に形成されている。
具体的には、突当て分離面38は、図4、図5に示すように、前記上流当接位置A1と下流当接位置A2との間の位置でも用紙Pの突入角度θの角度差Δθが小さくなるように面勾配βが調整された連続した凹曲面によって形成されている。尚、図4において、符号N1で示す点は、用紙Pの最大枚数セット状態のニップ点、符号Hは水平線、符号L1は上流当接位置A1での突当て分離面38に対する接線、符号β1は上流当接位置A1での面勾配(水平線Hに対する接線L1の傾斜角度)、符号θmaxは用紙Pの最大枚数セット状態の突入角度θである。
一方、図5において、符号N2で示す点は、用紙Pの数枚セット状態のニップ点、符号Hは水平線、符号L2は下流当接位置A2での突当て分離面38に対する接線、符号β2は下流当接位置A2での面勾配(水平線Hに対する接線L2の傾斜角度)、符号θminは用紙Pの数枚セット時の突入角度θである。そして、上流当接位置A1と下流当接位置A2での突入角度θの角度差Δθ=θmax―θminは、前述した図11に示す側面視平坦形状の従来の突当て分離面103Aの場合の突入角度θの角度差Δθに比べて約3分の1、図12に示す側面視凸形状の従来の突当て分離面103Bの場合の突入角度θの角度差Δθに比べて約6分の1と格段に小さくなっている。
また、本実施例では、突当て分離面38は、図4、図5に示すように、搬送案内部材17の上面に形成されている案内リブ18よりも高さの高いリブ形状の突条37の上流側の端部に形成されている。また、該突条37は前記案内リブ18と同様、用紙搬送方向Yに沿って延びるように形成されており、前記突当て分離面38と突条37は、給送用ローラ14を挟んでその左右側傍の対称な位置に1個ないし1本ずつ、設けられている。
本分離部35は、給送用ローラ14の周面の一部に押圧状態で圧接して回転すると共に回転抵抗が付与されているリタードローラ36と、該リタードローラ36を所定の圧接力で給送用ローラ14に圧接させる図示しない付勢手段とを備えることによって構成されている。そして、リタードローラ36は、本実施例では図1に示したように、搬送案内部材17の幅方向の中央で、幾分上流寄りの位置に形成されている角窓状の開口部39内に収容されている。
また、前記開口部39の上流には、図4、図5に示すように突出量Tの分だけ、突当て分離面38よりも高さの低い支えリブ41が等間隔に一例として5本設けられている。該5本の支えリブ41は、給送用ローラ14を挟んでその左右に位置する突当て分離面38、38の間に位置しており、ハガキ等の剛性の強い用紙Pに記録を実行する場合の用紙Pの中央部での下方への過剰な撓みを防止して、該過剰な撓みによって生ずるリタードローラ36の押し下げを防止する役割を有している。
次に、このように構成される本実施例の被記録材の分離装置1の作動態様を、給送用トレイ5に(1)最大枚数の用紙がセットされている場合と、(2)数枚の用紙がセットされている場合とに分けて説明する。
(1)最大枚数の用紙がセットされている場合(図2、図4参照)
給送用トレイ5に最大枚数の用紙Pがセットされている状態では、ホッパ16は揺動支点42を中心にして、図2に示す位置まで上昇する。ホッパ16が図2に示す位置まで上昇すると、給送方向Bに回転する給送用ローラ14と前記ホッパ16との間にすべての用紙Pが挟持されるようになり、給送用ローラ14とホッパ16との挟圧送り作用によって上位の用紙Pの数枚が引き出される。
給送用トレイ5に最大枚数の用紙Pがセットされている状態では、ホッパ16は揺動支点42を中心にして、図2に示す位置まで上昇する。ホッパ16が図2に示す位置まで上昇すると、給送方向Bに回転する給送用ローラ14と前記ホッパ16との間にすべての用紙Pが挟持されるようになり、給送用ローラ14とホッパ16との挟圧送り作用によって上位の用紙Pの数枚が引き出される。
前記引き出された用紙Pのうち最上位の用紙P1は、ニップ点N1から突入角度θ=θmaxで、図4に示すように突当て分離面38に向かって移動し、最上位の用紙P1の先端縁30は、上流当接位置A1において突当て分離面38に突き当たる。そして、給送用ローラ14が更に回転すると、基本的に最上位の用紙P1のみが突当て分離面38に沿って移動して搬送経路19に導かれる。一方、次位以降(後続)の用紙P2は、前記最上位の用紙P1と分離されて突当て分離面38に先端縁30が当接した状態で当該位置に残る。
また、搬送経路19に導かれた用紙Pは、下流に位置するリタードローラ36によって本分離される。前記突当て分離面38による分離で最上位の1枚だけに分離できない場合に該リタードローラ36によって本分離されるようになっており、最上位の1枚の用紙P1のみが給送されて記録ポジションに向けて搬送される。一方、予備分離部33及び本分離部35によって分離され、残った後続の用紙P2は、図示しない戻し手段によって再び給送用トレイ5上に戻される。
(2)数枚の用紙がセットされている場合(図3、図5参照)
給送用トレイ5にセットされている用紙Pの数が少なくなって残り数枚になった状態あるいは数枚の用紙Pのみを当初からセットした状態では、ホッパ16は揺動支点42を中心にして前記図2に示す位置よりも高い図3に示す位置まで上昇する。ホッパ16が図3に示す位置まで上昇すると、給送方向Bに回転する給送用ローラ14とホッパ16との間に前記数枚の用紙Pが挟持されるようになり、給送用ローラ14とホッパ16との挟圧送り作用によって前記数枚の用紙Pのほとんどが引き出される。
給送用トレイ5にセットされている用紙Pの数が少なくなって残り数枚になった状態あるいは数枚の用紙Pのみを当初からセットした状態では、ホッパ16は揺動支点42を中心にして前記図2に示す位置よりも高い図3に示す位置まで上昇する。ホッパ16が図3に示す位置まで上昇すると、給送方向Bに回転する給送用ローラ14とホッパ16との間に前記数枚の用紙Pが挟持されるようになり、給送用ローラ14とホッパ16との挟圧送り作用によって前記数枚の用紙Pのほとんどが引き出される。
前記引き出された用紙Pのうち最上位の用紙P1は、下流に移動したニップ点N2から突入角度θ=θminで、図5に示すように突当て分離面38に向かって移動し、最上位の用紙P1の先端縁30は、下流当接位置A2において突当て分離面38に突き当たる。そして、給送用ローラ14が更に回転すると、基本的に最上位の用紙P1のみが突当て分離面38に沿って移動して搬送経路19に導かれる。一方、後続の用紙P2は前記最上位の用紙P1と分離されて突当て分離面38に先端縁30が当接した状態で当該位置に残る。尚、本実施例では、数枚セット時の突入角度θminと前記最大枚数セット時の突入角度θmaxとの角度差Δθ=θmax―θminが極めて小さくなるように設定されているから、用紙Pを数枚セットしただけの状態でも安定した分離性能が発揮される。
また、搬送経路19に導かれた用紙Pは、前記最大枚数の用紙Pがセットされている場合と同様、下流に位置するリタードローラ36によって本分離され、最上位の1枚の用紙P1のみが給送されて記録ポジションに向けて搬送される。一方、予備分離部33及び本分離部35によって分離された後続の用紙P2は図示しない戻し手段によって再び給送用トレイ5上に戻される。
[他の実施例]
本願発明に係る被記録材の分離装置1、該被記録材の分離装置1を備えた記録装置100は、以上述べたような構成を基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
本願発明に係る被記録材の分離装置1、該被記録材の分離装置1を備えた記録装置100は、以上述べたような構成を基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
例えば、図8に示すように、前記5本の支えリブ41を一体化し、広い面積で用紙Pの中央部での撓みを抑えるようにした支え台45を設けることも可能である。
また、図9に示すように、突当て分離面38を屈曲点Qで傾斜角度βを異ならせた2つの平坦面43、44を連接したような屈曲面によって構成することも可能である。
また、図10に示すように、面勾配(傾斜角度)βを予め異ならせた平坦面43、44を各別に備える突当て分離面38A、38Bを給送用ローラ14の幅方向に並べて配置することによって、前記図9に示す実施例と同様の側面視凹形状を形成するようにすることも可能である。
この他、突当て分離面38、突条37及び支えリブ41の数や前記実施例の説明中で例示した突入角度θの値は、前記実施例のものに限定されることなく、当該インクジェットプリンタ100の使用頻度の高い用紙Pの種類、大きさ、厚さ等に応じて適宜調整することが可能である。
また、リタードローラ36の前記押し下げの問題が生じないインクジェットプリンタ100であれば、前記支えリブ41や支え台45を省略することが可能であるし、本発明の被記録材の分離装置1を本分離部35として使用することも可能である。また本発明の被記録材の分離装置1はインクジェットプリンタ100以外の他の記録装置、例えばレーザープリンタや複写機等に装備されている給送用カセット用の自動給送装置等に対して適用することも可能である。
1 (被記録材の)分離装置、2 自動給送装置、5 給送用トレイ、14 給送用ローラ、15 エッジガイド、16 ホッパ、17 搬送案内部材、18 案内リブ、19 搬送経路、30 先端縁、33 予備分離部、35 本分離部、36 リタードローラ、37 突条、38 突当て分離面、39 開口部、40 軸部、41 支えリブ、42 揺動支点、43 平坦面、44 平坦面、45 支え台、100 インクジェットプリンタ(記録装置)、P 用紙(被記録材)、P1 最上位の用紙(被記録材)、P2 次位以降の用紙(被記録材)、X 往復移動方向、Y 用紙搬送方向、β 面勾配、β1 A1での面勾配(傾斜角度)、β2 A2での面勾配(傾斜角度)、θ 突入角度、θmax(最大枚数セット時の)突入角度、θmin (数枚セット時の)突入角度、N ニップ点、N1 (最大枚数セット時の)ニップ点、N2 (数枚セット時の)ニップ点、A 当接位置、A1 上流当接位置、A2 下流当接位置、T 突出量、H 水平線、L 接線、L1 (A1での)接線、L2 (A2での)接線、B 給送方向、Q 屈曲点
Claims (7)
- 給送用トレイ上に積畳された被記録材を給送用ローラと揺動構造のホッパとによって給送する際、最上位の被記録材を次位以降の被記録材と分離する被記録材の分離装置であって、
重送された被記録材の先端縁を突き当てる突当て分離面を備え、
該突当て分離面は、被記録材が最大枚数セットされた状態で被記録材の先端縁が当接する上流当接位置と、被記録材が数枚セットされた状態で被記録材の先端縁が当接する下流当接位置とで、それぞれの当接位置に当接する被記録材の突入角度の角度差が小さくなるように面勾配が調整された側面視凹形状に形成されていることを特徴とする被記録材の分離装置。 - 請求項1に記載の被記録材の分離装置において、
前記突当て分離面は、前記上流当接位置と下流当接位置との間の位置でも被記録材の突入角度の角度差が小さくなるように面勾配が調整された凹曲面によって形成されていることを特徴とする被記録材の分離装置。 - 請求項1または2に記載の被記録材の分離装置において、
前記突当て分離面は、給送用ローラを挟んで、その左右側傍の位置に配置されていることを特徴とする被記録材の分離装置。 - 請求項3に記載の被記録材の分離装置において、
前記突当て分離面は、被記録材の下面に摺接して被記録材の搬送を案内する搬送案内部材の表面に設けられているリブ形状の突条の上流位置に設けられていることを特徴とする被記録材の分離装置。 - 請求項4に記載の被記録材の分離装置において、
前記給送用ローラを挟んでその左右に位置する突当て分離面の間には、当該突当て分離面よりも高さの低い支えリブが設けられていることを特徴とする被記録材の分離装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の被記録材の分離装置において、
前記突当て分離面の被記録材搬送方向における下流位置に本分離部を備えていることを特徴とする被記録材の分離装置。 - 複数枚の被記録材を積畳した状態で載置し得る給送用トレイと、
前記給送用トレイ上に載置された被記録材を給送用ローラに向けて押し付ける揺動構造のホッパと、
前記ホッパとの協働によって上位の被記録材をピックアップする給送用ローラと、
前記ピックアップされた上位の被記録材を最上位の被記録材と次位以降の被記録材とに分離する被記録材の分離装置とを備えた記録装置であって、
前記被記録材の分離装置は請求項1〜6のいずれか1項に記載の被記録材の分離装置であることを特徴とする記録装置。
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---|---|---|---|
JP2007211249A JP2009046208A (ja) | 2007-08-14 | 2007-08-14 | 被記録材の分離装置及び記録装置 |
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JP2016150802A (ja) * | 2015-02-16 | 2016-08-22 | セイコーエプソン株式会社 | 給紙装置 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005008363A (ja) * | 2003-06-19 | 2005-01-13 | Ricoh Co Ltd | 分離部材、シート材の給送装置及び画像形成装置 |
JP2007045634A (ja) * | 2005-07-12 | 2007-02-22 | Seiko Epson Corp | 被記録媒体給送装置、記録装置、液体噴射装置 |
-
2007
- 2007-08-14 JP JP2007211249A patent/JP2009046208A/ja not_active Withdrawn
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