JP2009043979A - 太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた太陽電池裏面保護膜 - Google Patents

太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた太陽電池裏面保護膜 Download PDF

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Abstract

【課題】大型の太陽光発電システムを構築し得る、優れた機械的性質、耐熱性、耐湿性を有するポリエステルフィルムからなり、耐トラッキング性を有する太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムおよびそのうえに設けれた樹脂皮膜からなり、樹脂皮膜の樹脂の炭素含有率が55〜65%であることを特徴とする、太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、太陽電池において最外層に配置して用いられる太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムに関する。
近年、太陽光発電システムは、クリーンエネルギーを利用する発電手段の一つとして、普及が進んでいる。太陽電池モジュールの構造は、例えば実開平6−38264号公報に記載があるように、一般的には、受光側のガラス基板と、裏面側の保護膜との間に、複数の板状太陽電池素子を挟み、内部の隙間に封止樹脂を充填した構造となっている。このとき裏面保護膜は絶縁材料として機能しており、外部の高電圧電線などから太陽電池素子を保護する役割を果たしている。
裏面の保護膜には、優れた機械的性質、耐熱性、耐湿性を有することから、近年ポリエステルフィルムが用いられるようになってきた。しかしながら、表面が汚染された場合の絶縁性(以下、耐トラッキング性という)は必ずしも十分ではない。発電システム、特に大型の発電システムを構築する際には耐トラキング性の改善が大きな課題となっている。
実開平6−38264号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、大型の太陽光発電システムを構築し得る、優れた機械的性質、耐熱性、耐湿性を有するポリエステルフィルムからなり、耐トラッキング性を有する太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムを提供することを課題とする。
すなわち本発明は、ポリエステルフィルムおよびそのうえに設けられた樹脂皮膜からなり、樹脂皮膜の樹脂の炭素含有率が55〜65%であることを特徴とする、太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムである。
本発明によれば、優れた機械的性質、耐熱性、耐湿性を有するポリエステルフィルムからなり、耐トラッキング性を有する太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリエステルフィルム]
本発明におけるポリエステルフィルムを構成するポリエステルとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分と、例えばエチレングリコール、1,4―ブタンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、1,6―ヘキサンジオール等のグリコール成分とから構成される芳香族ポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレートがさらに好ましく、特にポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。ポリエステルは共重合ポリエステルであっても良い。
ポリエステルには、製膜時のフィルムの巻取り性や、太陽電池用裏面保護膜加工工程におけるフィルムの搬送性等を良くするため、必要に応じて滑剤としての有機または無機の微粒子を含有させることができる。かかる微粒子としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子が例示される。
太陽電池裏面保護膜としての意匠性の観点から、白色や黒色、また他の色に着色してもよい。
[紫外線吸収剤]
本発明におけるポリエステルフィルムを構成するポリエステルには、フィルムの耐候性を向上させるために、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。この紫外線吸収剤としては、下記式(I)
Figure 2009043979
(式中、Xは上記式に表わされたXからの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある、2価の芳香族残基であり;nは1、2または3であり;Rはn価の炭化水素残基で、これはさらにヘテロ原子を含有していてもよい、またはRはn=2のとき直接結合であることができる。)
で表わされる環状イミノエステルおよび下記式(II)
Figure 2009043979
(式中、Aは下記式(II)−a
Figure 2009043979
で表わされる基であるかまたは
下記式(II)−b
Figure 2009043979
で表わされる基であり;RおよびRは同一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり;Xは4価の芳香族残基で、これはさらにヘテロ原子を含有していてもよい。)
で表わされる環状イミノエステルから選ばれる少なくとも1種の化合物を、未反応の形態で用いるのが好ましい。
かかる環状イミノエステルは紫外線吸収剤として公知の化合物であり、例えば特開昭59−12952号公報に記載されている。
前記一般式(I)中、Xは式(I)に表わされたXからの2本の結合手が1位、2位の位置関係にある2価の芳香族残基であり;nは1、2または3であり;Rはn価の炭化水素残基で、これはさらにヘテロ原子を含有していてもよい、またはRはn=2のとき直接結合であることができる。
としては、好ましくは例えば1,2−フェニレン、1,2−ナフチレン、2,3−ナフチレン、下記式
Figure 2009043979
(式中、Rは−O−、−CO−、−S−、−SO−、−CH−、−(CH)−または−C(CH−である。)
で表わされる基を挙げることができる。これらのうち、特に1,2−フェニレンが好ましい。
について例示した上記芳香族残基は、例えば炭素数1〜10のアルキル例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等;炭素数6〜12のアリール例えばフェニル、ナフチル等;炭素数5〜12のシクロアルキル例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等;炭素数8〜20のアラルキル例えばフェニルエチル等;炭素数1〜10のアルコキシ例えばメトキシ、エトキシ、デシルオキシ等;ニトロ;ハロゲン例えば塩素、臭素等;炭素数2〜10のアシル例えばアセチル、プロポニル、ゼンゾイル、デカノイル等;などの置換基で置換されていてもよい。
はn価(ただし、nは1、2または3である)の炭化水素残基であるか、またはnが2であるときに限り直接結合であることができる。
1価の炭化水素残基(n=1の場合)としては、第一に、例えば炭素数1〜10の未置換脂肪族基、炭素数6〜12の未置換芳香族基、炭素数5〜12の未置換脂環族基が挙げられる。
炭素数1〜10の未置換脂肪族基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、デシル等を、炭素数6〜12の未置換芳香族基としては、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニル等を;炭素数5〜12の未置換脂環族基としては、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
また、上記1価の炭化水素残基としては、第二に、例えば下記式(c)
Figure 2009043979
(式中、Rは炭素数2〜10のアルキレン、フェニレンまたはナフチレンである。)
で表わされる基、下記式(d)
Figure 2009043979
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基またはナフチル基である。)
で表わされる基、下記式(e)
Figure 2009043979
(式中、RおよびRの定義は上記に同じであり、Rは水素原子またはRに定義された基のいずれかである。)
で表わされる基、下記式(f)
Figure 2009043979
(式中、RおよびRの定義は上記に同じであり、Rは水素原子またはRに定義された基のいずれかである。)
で表わされる置換された脂肪族残基または芳香族残基を挙げることができる。
また、上記1価の炭化水素残基としては、第三に、上記未置換の芳香族残基が例えば上記Xを表わす芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されているものを挙げることができる。それ故、かかる置換基で置換された場合の例としては、例えばトリル、メチルナフチル、ニトロフェニル、ニトロナフチル、クロロフェニル、ベンゾイルフェニイル、アセチルフェニルまたはアセチルナフチル等を挙げることができる。
1価の炭化水素残基としては、上記式(c)、(d)、(e)または(f)で表わされる基、すなわち置換された脂肪族残基または芳香族残基、特にそのうち置換された芳香族残基が好ましい。
2価の炭化水素残基(n=2の場合)としては、第一に、例えば2価の、炭素数2〜10の未置換の脂肪族残基、炭素数6〜12の未置換の芳香族残基、炭素数5〜12の未置換の脂環族残基基が挙げられる。
2価の炭素数2〜10の未置換の脂肪族基としては、例えばエチレン、トリメチレン、テトラメチレン、デカメチレン等を、2価の炭素数6〜12の未置換の芳香族残基としては、例えばフェニレン、ナフチレン、P,P’−ビフェニレン等を;2価の炭素数5〜12の未置換の脂環族残基としては、例えばシクロペンチレン、シクロヘキシレン等を挙げることができる。
また、上記2価の炭化水素残基としては、第二に、例えば下記式(g)
Figure 2009043979
(式中、RはRに定義された基のいずれかである。)
で表わされる基、または下記式(h)
Figure 2009043979
(式中、Rの定義は上記に同じであり、RはRに定義された基のいずれかであり、そしてR10はRに定義された基のいずれかである。)
で表わされる置換された脂肪族残基または芳香族残基を挙げることができる。
また、上記2価の炭化水素残基としては、第三に、上記未置換の2価の芳香族残基が、例えば上記Xを表わす芳香族基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されているものを挙げることができる。
nが2の場合には、Rとしては、これらのうち直接結合または上記第一〜第三の群の未置換または置換された2価の芳香族炭化水素残基が好ましく、特に2本の結合手が最も離れた位置から出ている第一または第三の群の未置換または置換された芳香族炭化水素残基が好ましく、就中P−フェニレン、P,P’−ビフェニレンまたは2,6−ナフチレンが好ましい。
3価の炭化水素残基(n=3の場合)としては、例えば3価の炭素数6〜12の芳香族残基を挙げることができる。
かかる芳香族残基としては、例えば
Figure 2009043979
等を挙げることができる。
かかる芳香族残基は、上記1価の芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されていてもよい。
上記一般式(I)中、RおよびRは同一もしくは異なり1価の炭化水素残基であり、Xは4価の芳香族炭化水素残基である。
およびRとしては、上記式(I)の説明において、n=1の場合のRについて例示したと同じ基を例として挙げることができる。
4価の芳香族炭化水素残基としては、例えば
Figure 2009043979
(ここで、Rの定義は式(a)に同じ。)
で表わされる基を挙げることができる。
上記4価の芳香族残基は、上記式(I)の説明において、Rを表わす1価の芳香族残基の置換基として例示したと同じ置換基で置換されていてもよい。
本発明において用いられる上記式(I)および(II)で表わされる環状イミノエステルの具体例としては、例えば下記の化合物を挙げることができる。
上記式(I)の化合物
n=1の場合の化合物
2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(1−または2−ナフチル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−(4−ビフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−m−ニトロフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−ベンゾイルフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−o−メトキシフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−シクロヘキシル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−p−(またはm−)フタルイミドフェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、N−フェニル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−ベンゾイル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、N−ベンゾイル−N−メチル−4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン、2−(p−(N−メチルカルボニル)フェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン。
n=2の場合の化合物
2,2’−ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−エチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−テトラメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−デカメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−m−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2,6−または1,5−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−メチル−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−ニトロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(2−クロロ−p−フェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(1,4−シクロヘキシレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、N−p−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フェニル、4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)フタルイミド、N−p−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゾイル、4−(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)アニリン。
n=3の場合の化合物
1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン、2,4,6−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレン
上記式(II)の化合物
2,8−ジメチル−4H,6H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジメチル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,9−ジオン、2,8−ジフェニル−4H,8H−ベンゾ(1,2−d;5,4−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、2,7−ジフェニル−4H,9H−ベンゾ(1,2−d;4,5−d’)ビス(1,3)−オキサジン−4,6−ジオン、6,6’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−エチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−エチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−ブチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−オキシビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−スルホニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,6’−カルボニルビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−エチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−オキシビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−スルホニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、7,7’−カルボニルビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−ビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メチレンビス(2−メチル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、6,7’−メチレンビス(2−フェニル−4H,3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)。
上記例示化合物のうち、上記式(I)の化合物、より好ましくはn=2の場合の上記式(I)の化合物、特に好ましくは下記式(I)−1
Figure 2009043979
(式中、R11は2価の芳香族炭化水素残基である。)
で表わされる化合物が有利に用いられる。
式(I)−1の化合物としては、就中2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−(4,4’−ジフェニレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)および2,2’−(2,6−ナフチレン)ビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好ましい。
これら環状イミノエステルの紫外線吸収特性は、例えばその代表的化合物について特開昭59−12952号公報に記載されているので、それを援用する。
前記環状イミノエステルは、ポリエステルに対して優れた相溶性を有するが、前記特開昭59−12952号公報や米国特許第4291152号明細書に記載されているように、ポリエステルの末端水酸基と反応する能力を有する。そこで、環状イミノエステルが実質的に未反応な状態で含有されるように、環状イミノエステルとポリエステルとを注意深く混合させることが求められる。ただし、ポリエステルとして、主たる割合の末端基がカルボキシル基であるポリエステルや、末端水酸基が該環状イミノエステルと反応性の無い末端封鎖剤で封鎖されているポリエステルを用いる場合、環状イミノエステルを未反応の状態で含有する組成物を製造するのに特別の注意を払う必要は無い。末端基の主たる割合が水酸基であるポリエステルを用いる場合には、溶融混合の時間は、下記式
Logt≦−0.008T+4.8
および
Tm<T<320
(式中、tは溶融混合時間(秒)、Tは溶融混合温度(℃)およびTmはポリエステルの溶融温度(℃)である。)
を満足するように、短時間で完了するようにするのが望ましい。この場合、環状イミノエステルとポリエステルとが少しの割合で反応する可能性があるが、この反応によってポリエステルの分子量は大きくなるので、この割合によっては可視光吸収剤によるポリエステルの劣化による分子量低下を防ぐことが可能である。なお、環状イミノエステルがポリエステルと反応した場合、紫外線吸収波長領域が、一般に、未反応の状態の紫外線吸収波長領域より低波長側にずれる傾向を示し、それ故高波長側の紫外線を透過する傾向をもつ。
前記環状イミノエステルは、適量を添加する場合、昇華物が殆どないので、製膜でダイ周辺を汚すことが少なく、紫外線から380nm付近の光線を吸収するのでフィルムの着色が無く、可視光線吸収剤やフィルムの劣化を防止する特性に優れている。
前記紫外線吸収剤の添加量は、ポリエステル100重量%あたり、好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.2〜3重量%である。0.1重量%未満では紫外線劣化防止効果が小さく、他方、5重量%を超えるとポリエステルの製膜特性が低下し、好ましくない。
前記紫外線吸収剤のポリエステルへの添加方法としては、例えば、ポリエステル重合工程またはフィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込み、二軸延伸フィルムへの含浸といた方法をとることができる。ポリエステル重合度低下を防止する観点から、フィルム製膜前の溶融工程でのポリマー中への練込みの方法が好ましい。この練込みは、例えば化合物粉体の直接添加法、マスターバッチ法により行うことができる。
[樹脂皮膜]
本発明では、ポリエステルフィルムのうえに樹脂皮膜が設けられる。樹脂皮膜の樹脂の炭素含有率は55〜65%であることが肝要であり、57〜62%であることが好ましい。ここで、「樹脂の炭素含有率」は樹脂皮膜の樹脂自体の含有率である。例えば、樹脂皮膜が樹脂と架橋剤から構成される場合、架橋反応を経て両者が樹脂皮膜の樹脂を構成することになるので、「樹脂の炭素含有率」は樹脂と架橋剤を構成する元素の総量あたりの炭素元素の含有率である。また、例えば樹脂皮膜が架橋剤のみから構成される場合にはこれが樹脂皮膜の樹脂となることから、「樹脂の炭素含有率」は架橋剤を構成する元素の総量あたりの炭素元素の含有率である。
樹脂皮膜の樹脂の炭素含有率が65%を超えると耐トラッキング性が低下する。他方、炭素含有率が55%未満であると耐トラッキング性が損なわれることはないが、耐熱性が不十分な皮膜となる。本発明では、水性塗液を塗布して樹脂皮膜を形成することから、樹脂としては、水に溶解、乳化または懸濁する水性高分子が好ましい。
これらの条件を満足する樹脂として、例えばポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドンおよびこれらの共重合体を挙げることができる。
樹脂皮膜の樹脂は、樹脂から構成されてもよく、架橋剤から構成されてもよく、両者から構成されてもよい。架橋剤としては、例えば、オキサゾリン基含有ポリマー、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂を用いることができる。
樹脂皮膜を樹脂から構成する場合、樹脂としては、ポリエステルフィルムとの良好な接着性および密着性を得る観点からポリエステル樹脂またはアクリル樹脂が好ましい。樹脂皮膜の樹脂のガラス転移点は、ポリエステル樹脂であってもアクリル樹脂であっても好ましくは20〜100℃、さらに好ましくは30〜90℃である。ガラス転移点が20℃未満であるとフィルム同士のブロッキングが発生する場合があり好ましくなく、100℃を超えると塗布層が脆くなるため好ましくない。
ポリエステル樹脂としては、以下のような多塩基酸またはそのエステル形成誘導体とポリオールまたはそのエステル形成誘導体から成るポリエステルを用いることができる。すなわち、多塩基酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6ーナフタレンジカルボン酸、1、4ーシクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。これら酸成分を2種以上用いて共重合ポリエステル樹脂を合成する。また、若干量ながら不飽和多塩基酸成分のマレイン酸、イタコン酸等およびp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸を用いることができる。また、ポリオール成分としては、エチレングリコール、1、4ーブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6ーヘキサンジオール、1、4ーシクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等が挙げられる。また、これらモノマーが挙げられる。
アクリル樹脂としては、以下に例示するようなアクリルモノマーを重合してなるアクリル樹脂が挙げられる。このアクリルモノマーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を含有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、Nーアルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N、N−ジアルコキシアクリルアミド、N、N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、 N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、αーメチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のモノマーが挙げられる。
なかでも、水酸基を含むモノマー、例えば2ーヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒドロキシプロピルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドを含むものが好ましい。水酸基を含むモノマーの含有量は、好ましくは2〜20モル%、さらに好ましくは4〜15モル%である。
樹脂皮膜には、フィルムのハンドリング性を向上させたり、フィルム同士のブロッキングを防止する目的で、不活性な微粒子を添加してもよい。かかる微粒子としては、有機または無機の微粒子を用いることができ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子を例示することができる。
樹脂皮膜には、より優れた易滑性を得る目的で、さらにワックスを添加してもよい。このワックスの具体例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックスなどの鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックスなどの合成炭化水素系ワックス等である。就中、ハードコートや粘着剤に対する易接着性と滑性が良好なことから、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが好ましい。ワックスは、環境負荷の低減および取扱のし易さから、水分散体として用いることが好ましい。
樹脂皮膜を樹脂から構成する場合であっても、耐久性を向上させる目的で架橋剤を添加するのが好ましい。
架橋剤としては、例えば、オキサゾリン基含有ポリマー、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂を用いることができる。
前記オキサゾリン基含有ポリマーとしては、特公昭63−48884号公報、特開平2−60941号公報、特開平2−99537号公報に記載の重合体、あるいはこれらに準じた重合体を挙げることができる。具体的には、下記式で表わされる付加重合性オキサゾリン(a)、および必要に応じて他のモノマー(b)を重合させて得られる重合体が挙げられる。
Figure 2009043979
(但し、式中のR、R、RおよびRは、それぞれ、水素、ハロゲン、アルキル基、アラルキル基、フェニル基および置換フェニル基から選ばれる置換基を示し、Rは付加重合性不飽和結合基を有する非環状有機基を示す。)
前記式で表わされる付加重合性オキサゾリン(a)の具体例としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン等を挙げることができる。これらは1種または2種以上の混合物として使用することができる。これらの中、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手しやすく好適である。
次に、付加重合性オキサゾリン以外のモノマー(b)としては、付加重合性オキサゾリン(a)と共重合可能なモノマーであれば特に制限はなく、例えばアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどの不飽和アミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどの含ハロゲン−α,β−不飽和モノマー類、スチレン、α−メチルスチレンなどのα,β−不飽和芳香族モノマー類などを挙げることができる。これらは1種または2種以上の混合物として使用することができる。
前記付加重合性オキサゾリン(a)および必要に応じて少なくとも1種以上の他のモノマー(b)を用いて重合体を得るためには、従来から知られている重合法によって重合することができる。例えば、乳化重合法(重合触媒、水、界面活性剤およびモノマーを一括混合して重合する方法)、モノマー滴下法、多段重合法、プレエマルジョン法など各種の方法を採用できる。
重合触媒は、従来から知られているものを使用することができる。例えば、過酸化水素、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)2塩酸塩など、通常のラジカル重合開始剤を挙げることができる。
重合温度は、通常0〜100℃、好ましくは50〜80℃である。また、重合時間は、通常1〜10時間である。
付加重合性オキサゾリン(a)および少なくとも1種以上の他のモノマー(b)を用いて重合体を得る場合、付加重合性オキサゾリン(a)の配合量は、全モノマーに対して0.5重量%以上の範囲で適宜決めることが好ましい。付加重合性オキサゾリン(a)の配合量が0.5重量%未満では、本発明の目的を達成することが困難となることがある。
前記架橋剤として用いるエポキシ樹脂としては、具体的には、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物などが挙げられる。このポリエポキシ化合物としては、例えばソルビトトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等を挙げることができる。ジエポキシ化合物としては、例えばネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。また、モノエポキシ化合物としては、例えばアリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。この中でも、N,N,N’,N’−テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンが好ましく例示できる。
前記架橋剤として用いる尿素樹脂としては、例えばジメチロール尿素、ジメチロールエチレン尿素、ジメチロールプロピレン尿素、テトラメチロールアセチレン尿素、4−メトキシ5−ジメチルプロピレン尿素ジメチロールを好ましく挙げることができる。
前記架橋剤として用いるメラミン樹脂としては、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロールメラミン誘導体に低級アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等を反応させてエーテル化した化合物およびそれらの混合物を好ましく挙げることができる。
メチロールメラミン誘導体としては、例えばモノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンを挙げることができる。
架橋剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
樹脂皮膜は、樹脂、架橋剤またはこれら両者の組成物の塗液を作成し、この塗液をポリエステルフィルムに塗布して形成性する。
塗液における架橋剤の含有量は、架橋剤の種類により異なる。例えば、架橋剤がオキサゾリン基含有ポリマーであれば、塗液の固形分重量100重量%あたり好ましくは20〜100重量%であり、例えば尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂であれば、塗液の固形分重量100重量%あたり、好ましくは10〜50重量%である。架橋剤がこれより少ないと樹脂皮膜の凝集力が低下し、特に高湿下での耐久性が低下するので好ましくない。なお、塗液の固形分重量100重量%あたり100重量%のとき、塗液の固形分は架橋剤から構成される。
塗液における樹脂の含有量は、塗液の固形分重量100重量%あたり例えば20重量%以下である。例えば架橋剤としてオキサゾリン基含有ポリマーを用いる場合、樹脂の含有量は塗液の固形分重量100重量%あたり、好ましくは20重量%以下である。例えば架橋剤として尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂を用いる場合、樹脂の含有量は塗液の固形分重量100重量%あたり好ましくは90〜50重量%である。樹脂がこれより多いと樹脂皮膜の凝集力が低下し、特に高湿下での耐久性が低下するので好ましくない。
[フィルムの製造方法]
本発明においては、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に前記組成物の樹脂皮膜を設ける。樹脂皮膜は、好ましくは塗布によって塗設する。この塗設は、延伸可能なポリエステルフィルムもしくはポリエステルシート、すなわち配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムもしくはポリエステルシートに、樹脂皮膜を形成する塗液を塗布して、乾燥、延伸および熱処理することによって行うことが好ましい。塗布に用いる塗液は、好ましくは水性塗液であり、塗液の固形分濃度は、通常30重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
前記の延伸可能なポリエステルフィルムとは、未延伸ポリエステルフィルム、一軸延伸ポリエステルフィルムまたは二軸延伸ポリエステルフィルムである。このうちフィルムの押出し方向(縦方向)に一軸延伸した縦延伸ポリエステルフィルムが特に好ましい。
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。
かかる界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促進するものであり、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン―脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する組成物中に、1〜10重量%含まれていることが好ましい。この範囲であれば40mN/m以下にすることができ、塗膜のハジキを防止することができる。
ポリエステルフィルムに水性塗液を塗布する場合は、通常の塗工工程、即ち二軸延伸熱固定したポリエステルフィルムに該フィルムの製造工程と切り離した工程で行うと、芥、塵埃等を巻込み易く、好ましくない。かかる観点より、クリーンな雰囲気での塗布、即ちフィルム製造工程での塗布が好ましい。そして、この塗布によれば、塗膜としての樹脂皮膜のポリエステルフィルムへの密着性がさらに向上する。
塗布方法としては、公知の任意の塗布法を適用することができる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法およびカーテンコート法などを単独または組合せて用いることができる。塗布量は走行しているフイルム1m当り、例えば0.5〜20g、好ましくは1〜10gである。水性塗液は水分散液または乳化液として用いるのが好ましい。なお、塗設は、必要に応じ、フィルムの片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
水性塗液を塗布した延伸可能なポリエステルフィルムは、必要に応じて乾燥工程、延伸処理工程に導かれる。かかる処理は、従来から当業界に蓄積された条件で行うことができる。好ましい条件としては、乾燥条件は90〜130℃×2〜10秒であり、延伸温度は90〜150℃、延伸倍率は縦方向3〜5倍、横方向3〜5倍、必要ならば再縦方向1〜3倍であり、熱固定する場合は180〜250℃×2〜60秒である。
かかる処理後の二軸配向ポリエステルフィルムの厚さは50〜250μmであること、また樹脂皮膜の厚さは0.01〜1μmであることが好ましい。
[裏面保護膜]
本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは、単独または2枚以上を貼り合わせて、太陽電池裏面保護膜として使用することができる。
本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムには、水蒸気バリア性を付与する目的で、水蒸気バリア性を有するフィルムや箔を積層することができる。水蒸気バリア層を設けた太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは、JIS Z0208−73に従い測定される水蒸気の透過率が5g/(m・24h)以下であることが好ましい。
かかる水蒸気バリア性を有するフィルムとしては、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、ポリフッ化ビニリデンコートフィルム、酸化ケイ素蒸着フィルム、酸化アルミニウム蒸着フィルム、アルミニウム蒸着フィルムが例示でき、箔としては、アルミニウム箔、銅箔が例示できる。
これらのフィルムまたは箔は、本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムのポリエステルフィルムに積層したり、皮膜側を外側にして2枚の本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムで挟みこむ構造をとる形態で用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。各特性値は以下の方法で測定した。
(1)ガラス転移点(Tg)
デュポン製Thermal Analyst 2000型示差熱量計にて、20℃/分の昇温速度にて測定した。
(2)固有粘度
オルソクロロフェノール溶媒による溶液の粘度を35℃にて測定して求めた。
(3)耐トラッキング性
IEC60112およびUL746Aに準拠して実施した。30mm角に切り出し厚さが3mmとなる枚数(50μmフィルムの場合、60枚)を重ねてサンプルとした。試験機には日立化成工業(株)製耐トラッキング試験器HAT−500B−2を用い、試験電極は白金製で先端羽先角度30°、電極配置は4mm±0.1mmで対向角度は60°とした。電解液に塩化アンモニウム水溶液(0.1%)を用い、51滴以上の滴下に耐性を示す電圧をCTIとした。下記の評価基準で評価した。
○: 300V ≦ CTI
△: 250V ≦ CTI < 300V
×: CTI < 250V
[実施例1]
ポリエチレン−2,6−ナフタレート(固有粘度:0.58)を60℃に維持した回転冷却ドラム上に溶融押出しして未延伸フィルムとした。次いでこの未延伸フィルムを縦方向に140℃で3.3倍に延伸した後、その両面に、表1に示す樹脂皮膜形成用組成物の濃度8重量%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布して塗布フィルムとした。この塗布フィルムを引き続いて130℃で乾燥し、横方向に150℃で3.6倍に延伸し、240℃で幅方向に3%収縮させ熱固定して、皮膜厚み0.05μmの樹脂皮膜を設けられた厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。実施例1における樹脂皮膜の樹脂の炭素含有率は59.8%であり、評価結果は表2に示すとおりであった。
Figure 2009043979
樹脂成分A−1:
メチルメタクリレート60モル%/エチルアクリレート37モル%/N−メチロールアクリルアミド3モル%で構成されているアクリル樹脂(Tg=35℃)
樹脂成分A−2:
酸成分がテレフタル酸70モル%/イソフタル酸20モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸10モル%、グリコール成分がエチレングリコール60モル%/ジエチレングリコール40モル%で構成されている共重合ポリエステル(Tg=43℃)
樹脂成分A−3:
酸成分が2,6―ナフタレンジカルボン酸70モル%/イソフタル酸20モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸10モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている共重合ポリエステル(Tg=80℃)
架橋剤B−1:
メチルメタクリレート30モル%/2−イソプロペニル−2−オキサゾリン30モル%/ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリレート10モル%/アクリルアミド30モル%で構成されているオキサゾリン基を有する重合体(Tg=50℃)
架橋剤B−2
エポキシ樹脂;N,N,N’,N’−テトラグリシジルメタキシリレンジアミン
フィラー:
シリカフィラー(平均粒径80nm)
添加剤:
カルナバワックス
濡れ剤:
ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル
Figure 2009043979
[実施例2および3ならびに比較例1]
樹脂皮膜形成用組成物を表1記載のものに変更する以外は、実施例1と同様にして実施して皮膜厚み0.05μmの樹脂皮膜を設けられた厚み50μmのポリエステルフィルムを得た。実施例2および3における樹脂皮膜の樹脂の炭素含有率はそれぞれ60.9%、59.8%であり、比較例1における樹脂皮膜の樹脂の炭素含有率は65.7%であり、評価結果は表2に示すとおりであった。
[比較例2]
樹脂皮膜を形成するための水性塗液を塗布しない以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
表2に示す結果から明らかなように、本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは耐トラッキング性に優れ、太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムとして有用である。
本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは、太陽電池裏面の保護膜として好適に用いることができる。本発明の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムは、樹脂皮膜が裏面の最外層になるように太陽電池に配置して用い、耐トラッキング性を備える裏面保護膜として用いることができる。

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルムおよびそのうえに設けられた樹脂皮膜からなり、樹脂皮膜の樹脂の炭素含有率が55〜65%であることを特徴とする、太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
  2. 樹脂皮膜がフィルムの配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムもしくはポリエステルシートに、樹脂皮膜を形成する塗液を塗布して、乾燥、延伸および熱処理することにより塗設された、請求項1記載の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルム。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムを含む太陽電池裏面保護膜。
  4. 請求項3記載の太陽電池裏面保護膜を樹脂皮膜が裏面の最外層なるように配置して用いた太陽電池。
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