JP2009043580A - イオナイザ用接続コネクタおよび連結型イオナイザ - Google Patents

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靖則 寺崎
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Abstract

【課題】全ての電極が等間隔となるように2個のイオナイザの位置決めを行うことで、設置作業の容易化、および、除電能力の向上に寄与するイオナイザ用接続コネクタを提供する。また、このようなイオナイザ用接続コネクタにより連結されて大型の除電対象の除電を偏りなく行う連結型イオナイザを提供する。
【解決手段】嵌合部に嵌め込まれるとともに固定部により固定された2個のイオナイザ20の側端部近くの2個の電極23を所定の電極間隔Aとするように2個のイオナイザ20の位置決めを行う位置決め部14を備えるイオナイザ用接続コネクタ10とした。また、このようなイオナイザ用接続コネクタ10によりイオナイザ20を連結して全ての電極23を所定の電極間隔Aとする連結型イオナイザ100とした。
【選択図】図9

Description

本発明は、イオナイザを複数連結するイオナイザ用接続コネクタ、および、このようなイオナイザ用接続コネクタにより連結された連結型イオナイザに関するものである。
従来技術のバー型のイオナイザとしては、針状の電極(放電針)に高電圧を印加して空気からプラスイオンとマイナスイオンと(以下、プラスイオンとマイナスイオンとを総称するとき単にイオンという)を発生させ、帯電している除電対象にイオンとともに気体流を噴射して除電するコロナ放電式イオナイザがある。この除電対象の一例として、例えば板状のガラス基板などを挙げることができる。このガラス基板は、例えば、TFT(薄膜トランジスタ)液晶パネル、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、または、LCD(液晶ディスプレイ)等で用いられる基板である。
さて、このようなコロナ放電式イオナイザは、さらに電極に印加する高圧電源に直流電源を使用する直流方式イオナイザと、交流電源を使用する交流方式イオナイザと、に大別される。各々のイオナイザに特徴があり、使用する目的によって選択する必要がある。
直流方式イオナイザは、プラス電極とマイナス電極とをそれぞれ同数交互に設けたものであり、プラス電極がプラスイオンを、マイナス電極がマイナスイオンをそれぞれ生成する。電極は噴射ノズル内に配置されており、発生したイオンを気体流に載せて移動速度を速くすることで、除電効果を高めている。
交流方式イオナイザは主として商用周波数の交流電源を昇圧トランスで昇圧した電源電圧を使用しており、プラスイオンとマイナスイオンとが1本の電極から交互に発生する。電極は噴射ノズル内に配置されており、発生したイオンを気体流に載せて移動速度を速くすることで、除電効果を高めている。
さて、近年のPDPやLCDの画面大型化に伴い、先に除電対象として例示したガラス基板は、大型化する傾向にあり、イオナイザもこのような大型のガラス基板の除電に対応する必要がある。その解決策として従来技術ではイオナイザを複数個用いる手法が採られていた。このようなイオナイザを複数個用いる先行技術として、例えば、特許文献1(特開2002−216997号公報,発明の名称:イオン化装置及びその放電電極バー)が開示されている。
この特許文献1の図3には、横並びに並置した複数本の放電電極バー1を組33として、この組33を複数列に並べたレイアウトが開示されている。このようにして横方向に大きい大型の除電対象にも対応している。
特開2002−216997号公報(段落番号0021、図3)
特許文献1の図3に記載のように、隣接する2個の放電電極バーの中間の間隔が広いとこれら放電電極バーの最外に設置される2個の電極は離れたものとなり、この中間の間隔の直下付近へはイオンが到達しないおそれがあるという問題があった。
そこで、隣接する2個のイオナイザを配置するときに全ての電極間隔を統一することで、除電対象へ偏りなくイオンを到達させることが好ましい。しかしながら、全ての電極間隔を統一する場合、設置現場にて2個のイオナイザの電極間隔を確認しつつ、取付位置を割り出して取り付けるなど作業性が良くなかった。簡単な作業にて正確に電極間隔を決定したいという要請があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、全ての電極が等間隔となるように2個のイオナイザの位置決めを行うことで、設置作業の容易化、および、除電能力の向上に寄与するイオナイザ用接続コネクタを提供することにある。
また、このようなイオナイザ用接続コネクタにより連結されて大型の除電対象の除電を偏りなく行う連結型イオナイザを提供することにある。
本発明の請求項1に係るイオナイザ用接続コネクタは、
長尺体として形成されるイオナイザ本体と、
イオナイザ本体内部に設けられる電気系回路と、
長手方向に所定の電極間隔で複数並べられてイオナイザ本体外部へ突出するように設けられ、電気系回路から供給される電圧が印加されてイオンを生成する複数個の電極と、
を備えるコロナ放電式のイオナイザを連結するためのイオナイザ用接続コネクタであって、
このイオナイザ用接続コネクタは、
イオナイザの側端部が嵌め合わされる2個の嵌合部と、
連結する2個のイオナイザの側端部を固定する2個の固定部と、
嵌合部に嵌め込まれるとともに固定部により固定された2個のイオナイザの側端部近くの2個の電極を所定の電極間隔とするように2個のイオナイザの位置決めを行う位置決め部と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るイオナイザ用接続コネクタは、
請求項1記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
前記2個の嵌合部は、連続する中空孔部により一体に形成されることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るイオナイザ用接続コネクタは、
請求項2に記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
前記イオナイザ用接続コネクタは、中空孔部を開く切り込み部を備えて側面から見て断面C字状に形成され、切り込み部が拡げられて前記2個の嵌合部が拡開される機能を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係るイオナイザ用接続コネクタは、
請求項1,2,3の何れか一項に記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
前記イオナイザは、側端部に側面カバーを備えるものであり、
前記固定部は、この側面カバーに係止される係止部であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る連結型イオナイザは、
請求項1,2,3,4の何れか一項に記載のイオナイザ用接続コネクタn(nは正の整数)個を用いてn+1個のイオナイザを連結してなる連結型イオナイザであって、全ての電極が長手方向に所定の電極間隔を保ちつつ複数並べられることを特徴とする。
本発明の請求項6に係るイオナイザ用接続コネクタは、
長尺体として形成されるイオナイザ本体と、
イオナイザ本体内部に設けられる電気系回路と、
イオナイザ本体内部に設けられる流体系回路と、
長手方向に所定の電極間隔で複数並べられてイオナイザ本体外部へ突出するように設けられ、電気系回路から供給される電圧が印加されてイオンを生成する複数個の電極と、
長手方向に複数並べられてイオナイザ本体外部に設けられ、流体系回路からイオン搬送用の気体流が供給されて噴射する複数個の気体噴射部と、
気体供給源から供給される気体流を流体系回路へ供給するようになされ、イオナイザ本体の側面に設けられる気体通流口と、
を備えるコロナ放電式のイオナイザを連結するためのイオナイザ用接続コネクタであって、
このイオナイザ用接続コネクタは、
イオナイザの側端部が嵌め合わされる2個の嵌合部と、
連結する2個のイオナイザの側端部を固定する2個の固定部と、
嵌合部に嵌め込まれるとともに固定部により固定された2個のイオナイザの側端部近くの2個の電極を所定の電極間隔とするように2個のイオナイザの位置決めを行う位置決め部と、
連結する2個のイオナイザの側面にある2個の気体通流口に連結される気体流路部と、
気体流路部を収容する収容部と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に係るイオナイザ用接続コネクタは、
請求項6記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
前記2個の嵌合部と前記収容部とは、連続する中空孔部により一体に形成されることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に係るイオナイザ用接続コネクタは、
請求項7に記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
前記イオナイザ用接続コネクタは、中空孔部を開く切り込み部を備えて側面から見て断面C字状に形成され、切り込み部が拡げられて前記2個の嵌合部が拡開される機能を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項9に係るイオナイザ用接続コネクタは、
請求項6,7,8の何れか一項に記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
前記イオナイザは、側端部に側面カバーを備えるものであり、
前記固定部は、この側面カバーに係止される係止部であることを特徴とする。
本発明の請求項10に係る連結型イオナイザは、
請求項6,7,8,9の何れか一項に記載のイオナイザ用接続コネクタn個を用いてn+1個のイオナイザを連結してなる連結型イオナイザであって、n個の気体流路部でn+1個のイオナイザの流体系回路が連結されるとともに、全ての電極が長手方向に所定の電極間隔を保ちつつ複数並べられることを特徴とする。
また、本発明の請求項11に係る連結型イオナイザは、
請求項10に記載の連結型イオナイザにおいて、
前記気体流路部はT字型気体流路部であって、2個の気体通流口に連結されるとともに気体供給源と連結され、前記T字型気体流路部が連結される両側のイオナイザへ気体供給することを特徴とする。
また、本発明の請求項12に係る連結型イオナイザは、
請求項10または請求項11に記載の連結型イオナイザにおいて、
前記気体噴射部は、電極が内部に収容されており、全ての電極および気体噴射部が長手方向に所定の電極間隔を保ちつつ複数並べられるとともに、流体系回路からイオン搬送用の気体流が供給されて電極周囲のイオンとともに噴射することを特徴とする。
以上のような本発明によれば、全ての電極が等間隔となるように2個のイオナイザの位置決めを行うことで、設置作業の容易化、および、除電能力の向上の実現に寄与するイオナイザ用接続コネクタを提供することができる。
また、このようなイオナイザ用接続コネクタにより連結されて大型の除電対象の除電を偏りなく行う連結型イオナイザを提供することができる。
続いて、本発明を実施するための最良の形態のイオナイザ用接続コネクタおよび連結型イオナイザについて図を参照しつつ説明する。図1は本形態の連結型イオナイザを構成するイオナイザ用接続コネクタおよびイオナイザの要部の斜視外観図、図2は同じく正面図、図3は同じく平面図、図4は同じく底面図である。本形態の連結型イオナイザ100では、図1〜図4で示すように、1個のイオナイザ用接続コネクタ10により、2個のイオナイザ20が連結される構造を有する。
ここにイオナイザ用接続コネクタ10および連結型イオナイザ100を説明するにあたって、図2,図3,図4の左右方向をイオナイザ用接続コネクタ10およびイオナイザ20の長手方向とし、図2,図3,図4の上下方向をイオナイザ用接続コネクタ10およびイオナイザ20の短手方向として説明する。
続いて、イオナイザ用接続コネクタ10について図を参照しつつ説明する。図5はイオナイザ用接続コネクタの構造図であり、図5(a)は正面図、図5(b)は左側面図、図5(c)は平面図、図5(d)は底面図である。図6はイオナイザ用接続コネクタの構造図であり、図6(a)はA−A線断面図、図6(b)はB−B線断面図、図6(c)はC−C線断面図である。
イオナイザ用接続コネクタ10は、図5,図6に示すように、C字状本体11、中空孔部12、切り欠き部13、位置決め部14、係止部15を備える。このイオナイザ用接続コネクタ10の中空孔部12の空間内にはさらに嵌合部16、収容部17が構成されることとなる(後述)。
C字状本体11は、図5(a),(b),(c),(d)で示すように、筒状に形成されて中空孔部12が形成されている。このC字状本体11は、さらに図5(b)で示すように、上側に形成された切り欠き部13により断面略C字状に形成される。図5(b)で示すC字状本体11の開口は、後述するイオナイザ20の側端部にある側面カバー22が嵌合されるような形状に形成されている。
位置決め部14は、中空孔部12内に突出するようにC字状本体11に一体に形成される。図5(b),図6(a),図6(b),図6(c)で示すように、断面凹字状の略立方体として形成されている。イオナイザ20の側面カバー22は位置決め部14の側面となる側壁部141に当接してイオナイザ20の位置決めがなされる。位置決め部14を用いる位置決めについては後述する。
係止部15は、本発明の固定部の具体例であり、C字状本体11の開口付近で中空孔部12側に向けて突出する係止片である。一方の開口に高さを変えて2個の係止部15が配置されており、また、他方の開口に高さを変えて2個の係止部15が配置される。係止部15を用いる係止については後述する。
嵌合部16は、図6(a)に示すように、中空孔部12の空間のうち、C字状本体11の左右両側の開口部付近にあって、位置決め部14がない空間を指している。嵌合部16は、左右両側の開口部に形成される。この左右両側の嵌合部16にイオナイザ20の側端部の側面カバー22が配置される。イオナイザ20の側端部の側面カバー22は位置決め部14の側壁部141に当接して位置決めがなされた状態で嵌合部16に配置される。
収容部17は、図6(a)に示すように、中空孔部12の空間のうち、両側の嵌合部16により挟まれる空間(嵌合部16以外の空間)であって、位置決め部14の上方の空間を指している。この収容部17においては、イオナイザ20の側面に設けられた2個のコネクタなどである気体通流口(後述)に対し、チューブなどである気体流路部(後述)が連結された状態で配置収容される。
イオナイザ用接続コネクタ10の構成はこのようなものである。
続いてイオナイザ用接続コネクタ10を用いるイオナイザの接続について、図を参照しつつ説明する。図7,図8はイオナイザ用接続コネクタによる連結箇所の拡大断面図、図9はイオナイザ用接続コネクタによる連結時の電極間隔の説明図である。イオナイザ用接続コネクタ10の切り欠き部13(図5,図6参照)を開いて中空孔部12の開口付近(嵌合部16)が拡開された状態で、左右両側からイオナイザ20が挿入される。すると係止部15に引っ掛かることなく開口を通過し、その後は側面カバー22に係止部15が当接して拡開された状態が維持されつつイオナイザ20が嵌め込まれていく。この際、一方の気体通流口25には硬いチューブである気体流路部18が取り付けられており、イオナイザ20の取付とともに気体流路部18が他方の気体通流口25に固定されることとなる。
イオナイザ用接続コネクタ10へのイオナイザ20の挿入が進むと、図7,図8で示すように、側面カバー22から係止部15が外れて、係止部15が側面カバー22を係止する状態となってイオナイザ用接続コネクタ10の両側にイオナイザ20が連結される。この連結と同時に、図8で示すように、位置決め部14の側壁141がイオナイザ20の側面カバー22に当接して長手方向(左右方向)で位置決めがなされる。また、気体流路部18が両側の気体通流口25に連結される。この場合、中空孔部12のうち側面カバー22がある箇所が嵌合部16となり、左右両側の嵌合部16により挟まれた空間が収容部17となる。すると、図9で示すように、イオナイザ用接続コネクタ10により2個のイオナイザ10の側端部にある側面カバー22近くの2個の電極23を所定の電極間隔Aとするように2個のイオナイザ20の位置決めがされる。ここに、イオナイザ20の電極23の電極が所定の電極間隔Aであり、その結果、連結型イオナイザ100の全ての電極23が所定の電極間隔Aとなるように位置決めされる。
このようにイオナイザ用接続コネクタ10の両側にイオナイザ20が連結されると同時に位置決めがなされるため、連結型イオナイザ100の設置作業の容易化を実現する。さらに、連結型イオナイザ100の全ての電極23が所定の電極間隔Aに維持されるため除電能力の向上の実現に寄与する。
続いてイオナイザ用接続コネクタ10を用いて構成した連結型イオナイザ100について図を参照しつつ説明する。まずイオナイザ20の具体例について概略説明する。本形態ではパルスAC方式のイオナイザ20を想定して説明する。図10はイオナイザの説明図である。ここにイオナイザ20は、イオナイザ本体21、側面カバー22(図7,図8,図9参照)、電極23、噴射ノズル24、気体通流口25、気体供給路26、電源電圧入力端子27、電源供給線28、電源回路部29、電源線30を備えている。
イオナイザ本体21は、図10でも明らかなように電極配列方向に長くバー状に形成されている。イオナイザ本体21は、図5(b)でも明らかなように側面形状が略長方形状に形成されるものである。なお、イオナイザ本体21は側面形状が略長方形状に限定されるものではなく、側面が略楕円形状に形成されるなど各種の形態が可能である。バー型のイオナイザは、クリーンルームにおいてファンフィルタユニットからのダウンフローを妨げることなく効率よくイオンを除電対象のある下方に運ぶ必要があり、このような理由からもダウンフローを流しやすくする上下方向に長い楕円や長方形の形状となる。
側面カバー22は、イオナイザ本体21の中に内部構成を組み込んだ後にイオナイザ本体21の側端部に嵌め込まれて固定されるカバーである。
電極23は、図10で示すように、例えばイオナイザ本体21の長尺方向に4個配置される。なお、この個数は設計時に適宜選択が可能である。隣接する2個の電極23の間隔は所定の電極間隔Aとなるように構成される。
噴射ノズル24は、図10で示すように、例えばイオナイザ本体21の長尺方向に4個配置される。本形態では電極23は噴射ノズル24の中に配置される。このため隣接する4個の噴射ノズル24の間隔も所定の電極間隔Aとなるように構成される。なお、電極23と噴射ノズル24とが別の箇所に形成される分離したイオナイザ20であっても良い。なお、この個数は設計時に適宜選択が可能である。
気体通流口25は、外部からの供給気体を入力したり、外部へ出力したりするため、チューブなどの気体流路部18と着脱自在に構成されたコネクタである。
気体供給路26は、左右の側端部両側に気体通流口25と連通するとともに噴射ノズル24とも連通している。気体通流口25へ供給された供給気体が気体供給路26へ供給され、さらに噴射ノズル24へ供給される。
電源電圧入力端子27は、例えば、電源用のコネクタであり、外部からの電源電圧を入力する。本形態では左右の側面部に電源電圧入力端子27が配置される構成を採用したが、何れか一方に配置されていれば良い。さらに、電源電圧入力端子27は側面ではなくイオナイザ本体21の前後面に配置される構成を採用しても良い。
電源供給線28は、電源電圧入力端子27に供給された電源電圧を電源回路部28へ伝達する。
電源回路部29は、外部からの電源電圧が供給されると、ACパルス高圧電源を生成し電源線30に供給する。
電源線30は複数本(図2では4本)が電源回路部29に接続されるものであり、それぞれの電源線30に電極23が電気的に接続されている。電源線30は、適宜設けた封止部(図示せず)によりリークがないように気体供給路26の内部へ引き込まれている。
イオナイザ20はこれらのような構成を有する。
ここに、電源電圧入力端子27、電源供給線28、電源回路部29、電源線30は電気系回路に含められる。電気系回路は、イオナイザ本体21の内部に設けられ、電源系等の各種回路を含む回路を指している。なお、図示しないが電気回路系では信号処理系を含めるようにしても良い。信号処理系は、各種の信号処理を行う。例えば、無線式リモコン送信を利用した設定部(図示せず)から制御コマンドを入力し、電極23に印加する高圧電源を自在に加減できる機能を有している。この場合、外部からの通信信号を受け付ける外部入出力部や動作状態を表示する動作表示パネル(図示せず)を備えるようにしても良い。またこれら信号処理系に供給する低圧電源を電源回路部29が生成するようにしても良い。さらにACパルス高圧電源は、例えば、図示しないセンサに基づいて、生成する波形・波高・周波数を制御するような構成を採用しても良い。このように電気系回路は各種構成が考えられる。
また、気体通流口25、気体供給路26は、流体系回路に含められる。先に説明したように、供給気体が気体通流口25から導入されると、気体供給路26を介して噴射ノズル24から気体流が出力される。流体系回路は、イオナイザ本体10の内部に設けられている流体回路を指している。この流体系回路も上記以外の各種構成が考えられる。
このようなバー型のイオナイザ20は、電気系回路とエア系回路とを上下領域に分けて配置するため、側面から見ると、一般的に上下方向に長い楕円もしくは長方形の構造である。この場合、図示しない隔壁により、電気系回路とエア系回路とを上下に分けて配置しても良い。さらに、バー型のイオナイザ20は、放電針となる電極23がイオナイザ本体21の底部に横方向に並んで配列されるが、一般的なイオナイザと同様に放電針先端部におよそ7000〜1000Vの高電圧をかけてコロナ放電させる。
イオナイザ20の構造はこのようなものである。
続いて、これらイオナイザ用接続コネクタ10およびイオナイザ20を用いる連結型イオナイザ100について図を参照しつつ説明する。図11は連結型イオナイザ100の説明図であり、図11(a)はイオナイザ20を2台連結した連結型イオナイザの説明図、図11(b)はイオナイザ20を3台連結した連結型イオナイザの説明図である。まず、図11(a)で示すように1個のイオナイザ用接続コネクタ10を用いて2台のイオナイザ20を連結した連結型イオナイザ100であるものとする。そして、2台のイオナイザ20の電源電圧入力端子27にそれぞれ電源電圧線(図示せず)を接続して電源供給を行う。この場合、一方のイオナイザ20(図11(a)では右側)の気体供給路26(図10参照)は、一端に接続される気体通流口25から気体流が供給されている。また、この気体供給路26と連通する他端の気体通流口25から他方のイオナイザ20(図11(a)では左側)へ気体流が放出される。
また、他方のイオナイザ20(図11(a)では左側)の気体供給路26(図10参照)は、一端に接続される気体通流口25から気体流が供給されている。この他方のイオナイザ20(図11(a)では左側)の他端の気体通流口25は封止部40により封止されている。これら2台のイオナイザ20の気体供給路26には複数(本形態では8個)の噴射ノズル24が接続されるというものであり、圧縮された供給気体が気体通流口25から導入されると、気体供給路26を介して噴射ノズル24から気体流が出力される。
続いて連結型イオナイザ100の使用方法について説明する。
使用開始により、流体系回路の噴射ノズル24から気体流が出力される状態とする。また、電極23にACパルス高圧電源を印加して電極23の周囲にプラスイオンおよびマイナスイオンを交互に生成させる。すると、噴射ノズル24内のプラスイオンやマイナスイオンは気体流に載って噴射ノズル24の噴射部開口から下側へ向けて噴射される。このように電極23の周囲を気体流により噴出させることでイオンを遠距離まで搬送し、併せて電極23へのゴミの付着を低減する。
以上説明した連結型イオナイザ100では全ての電極23の間隔を所定の電極間隔Aに維持しており、マイナスイオンやプラスイオンが長手方向の位置によって偏在するおそれを低減しているため、特に大型のガラス基板など電極配列方向に長い除電対象に対して今までにない高度な除電機能を提供するなど除電能力を向上させることができる。
続いて、図11(b)は、2個のイオナイザ用接続コネクタ10を用いて3台のイオナイザ20を連結した連結型イオナイザ100である。この連結型イオナイザの構成、動作は容易に類推可能であるため、説明を省略する。
以上説明した連結型イオナイザ100では、イオナイザ20を多数連結して幅が長い除電対象の除電が可能となる。また、全ての電極23が所定の電極間隔Aを維持しており、マイナスイオンやプラスイオンが長手方向の位置によって偏在するおそれを低減できるため、さらに大型のガラス基板など電極配列方向に長い除電対象に対して今までにない高度な除電機能を提供するなど除電能力を向上させることができる。
続いて他の形態について図を参照しつつ説明する。図12は他の形態の連結型イオナイザ100の説明図であり、図12(a)は平面の拡大断面図、図12(b)は正面の拡大断面図である。本形態では先に説明した形態と比較すると気体流路部18を変更した以外は先の説明と同じ構成であり、同じ構成については重複する説明を省略する。
相違点について説明する。例えば、先に図11(b)を用いて説明した連結型イオナイザ100では一端の気体通流口25から気体供給を行い噴射ノズル23から気体が噴射されていくため、その気体通流口25から最も遠い箇所である封止部40付近では気体の圧力が低くなるというものであり、噴射ノズル23の箇所によって除電能力に偏りが生じるおそれがある。
そこで、気体供給路26の途中で気体供給する、具体的には隣接するイオナイザ20の間にある気体通流口25の間で気体供給すれば良い。このような気体供給を実現するため、図8で示した気体流路部18に代えて、図12で示すようなT字型気体流路部19を採用する。このT字型気体流路部19は、2個の気体通流口25に連結されるとともにT字型気体流路部19の残る開口が気体供給源(図示せず)と連結される。例えば、2個のイオナイザ20が連結される場合、2個のイオナイザ20の間ではT字型気体流路部19が接続され、イオナイザ20のそれぞれ残る他端には何れも封止部40が配置される。このT字型気体流路部19は、自らが連結される両側のイオナイザ20へ気体供給するため、従来技術と比較しても場所による圧力差が少なくなるため、除電能力を高めることができる。
また、封止部40を設けずに全ての気体通流口25に気体供給源を連結して気体供給しても良い。これにより更に場所による圧力差が少なくなるため、連結型イオナイザ100の除電能力を高めることができる。
以上、連結型イオナイザ100について説明した。そしてこの連結型イオナイザ100は更に各種の変形形態が可能である。上記の形態では、電気系回路から供給される電圧をACパルス電圧として電極に印加するACパルス方式の連結型イオナイザ100とした。
しかしながら、ACパルス方式に代えて、電気系回路から供給される電圧を通常の正弦波状のAC電圧として電極に印加する交流方式の連結型イオナイザ100としても良い。
また、交流方式に代えて直流方式としても良い。プラス電極とマイナス電極とを交互に配列し、プラス電極に正電圧が印加されてプラスイオンを生成し、また、マイナス電極に負電圧が印加されてマイナスイオンを生成するようにしても良い。この場合隣接する2個のイオナイザ20の間でもプラス電極とマイナス電極とを交互に配列するように配慮する。このような連結型イオナイザ100はイオン再結合が少ない直流方式となり、生成されたプラスイオンとマイナスイオンとを混在させて気体流で除電対象に吹き付けるようにして除電するようにしても良い。しかしながら直流方式であっても、特殊用途ではあるが、電気系回路から供給される電圧をプラスの直流電圧のみとしてプラスイオンのみ生成するようにしたり、または、電気系回路から供給される電圧をマイナスの直流電圧のみとしてマイナスイオンのみというようにしても良い。このような場合でも本発明の効果を奏しうるものとなる。
また、電極の個数も4個であるものとして説明した。しかしながら、電極の個数は設計時に適宜選択できるものであり、例えば、5個の電極および噴射ノズルを有するイオナイザ、6個の電極および噴射ノズルを有するイオナイザなど、電極および噴射ノズルを適宜増やしたイオナイザを採用できる。
また、イオナイザ20の連結数も4台以上を採用しても良く、除電対象の幅に応じて適数のイオナイザを連結した連結型イオナイザを採用できる。すなわち、n(nは正の整数)個のイオナイザ用接続コネクタ10を用いてn+1個のイオナイザ20を連結することにより連結型イオナイザ100を構成することができる。
さらに、イオナイザ20は流体系回路を持つものとして説明したが、先に説明したイオナイザ20から流体系回路を取り去って電気系回路のみとしたイオナイザ20とし、このようなイオナイザ20と連結するイオナイザ用接続コネクタ10、および、このイオナイザ用接続コネクタ10を用いて複数個のイオナイザ20を連結した連結型イオナイザ100としても良い。この場合も、全ての電極を所定の電極間隔に設定するため、除電能力の向上に寄与する。
以上説明した本発明のイオナイザ用接続コネクタによれば、イオナイザの連結は容易となり、簡単な作業で連結型イオナイザを組み立てることができる。
また、イオナイザ用接続コネクタは簡素な構成であり、コスト増大を低く抑えることもできる。
また、このような連結型イオナイザによれば、特に幅が広い除電対象を除電できるようになり、その取り付け条件に応じて連結数を増減すれば良く、設置における自由度を改善することができる。また、電極配列方向(長手方向)へ延長するためのイオナイザの増設作業は容易であり、作業負担を少なくすることができる。
本発明を実施するための最良の形態の連結型イオナイザを構成するイオナイザ用接続コネクタおよびイオナイザの要部の斜視外観図である。 イオナイザ用接続コネクタおよびイオナイザの要部の正面図である。 イオナイザ用接続コネクタおよびイオナイザの要部の平面図である。 イオナイザ用接続コネクタおよびイオナイザの要部の底面図である。 イオナイザ用接続コネクタの構造図であり、図5(a)は正面図、図5(b)は左側面図、図5(c)は平面図、図5(d)は底面図である。 イオナイザ用接続コネクタの構造図であり、図6(a)はA−A線断面図、図6(b)はB−B線断面図、図6(c)はC−C線断面図である。 イオナイザ用接続コネクタによる連結箇所の平面の拡大断面図である。 イオナイザ用接続コネクタによる連結箇所の正面の拡大断面図である。 イオナイザ用接続コネクタによる連結時の電極間隔の説明図である。 イオナイザの説明図である。 連結型イオナイザの説明図であり、図11(a)はイオナイザを2個連結した連結型イオナイザの説明図、図11(b)はイオナイザを3個連結した連結型イオナイザの説明図である。 他の形態の連結型イオナイザの説明図であり、図12(a)は平面の拡大断面図、図12(b)は正面の拡大断面図である。
符号の説明
100:連結型イオナイザ
10:イオナイザ用接続コネクタ
11:C字状本体
12:中空孔部
13:切り欠き部
14:位置決め部
141:側壁部
15:係止部
16:嵌合部
17:収容部
18:気体流路部
19:T字型気体流路部
20:イオナイザ
21:イオナイザ本体
22:側面カバー
23:電極
24:噴射ノズル
25:気体通流口
26:気体供給路
27:電源電圧入力端子
28:電源供給線
29:電源回路部
30:電源線
40:封止部

Claims (12)

  1. 長尺体として形成されるイオナイザ本体と、
    イオナイザ本体内部に設けられる電気系回路と、
    長手方向に所定の電極間隔で複数並べられてイオナイザ本体外部へ突出するように設けられ、電気系回路から供給される電圧が印加されてイオンを生成する複数個の電極と、
    を備えるコロナ放電式のイオナイザを連結するためのイオナイザ用接続コネクタであって、
    このイオナイザ用接続コネクタは、
    イオナイザの側端部が嵌め合わされる2個の嵌合部と、
    連結する2個のイオナイザの側端部を固定する2個の固定部と、
    嵌合部に嵌め込まれるとともに固定部により固定された2個のイオナイザの側端部近くの2個の電極を所定の電極間隔とするように2個のイオナイザの位置決めを行う位置決め部と、
    を備えることを特徴とするイオナイザ用接続コネクタ。
  2. 請求項1記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
    前記2個の嵌合部は、連続する中空孔部により一体に形成されることを特徴とするイオナイザ用接続コネクタ。
  3. 請求項2に記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
    前記イオナイザ用接続コネクタは、中空孔部を開く切り込み部を備えて側面から見て断面C字状に形成され、切り込み部が拡げられて前記2個の嵌合部が拡開される機能を有することを特徴とするイオナイザ用接続コネクタ。
  4. 請求項1,2,3の何れか一項に記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
    前記イオナイザは、側端部に側面カバーを備えるものであり、
    前記固定部は、この側面カバーに係止される係止部であることを特徴とするイオナイザ用接続コネクタ。
  5. 請求項1,2,3,4の何れか一項に記載のイオナイザ用接続コネクタn(nは正の整数)個を用いてn+1個のイオナイザを連結してなる連結型イオナイザであって、全ての電極が長手方向に所定の電極間隔を保ちつつ複数並べられることを特徴とする連結型イオナイザ。
  6. 長尺体として形成されるイオナイザ本体と、
    イオナイザ本体内部に設けられる電気系回路と、
    イオナイザ本体内部に設けられる流体系回路と、
    長手方向に所定の電極間隔で複数並べられてイオナイザ本体外部へ突出するように設けられ、電気系回路から供給される電圧が印加されてイオンを生成する複数個の電極と、
    長手方向に複数並べられてイオナイザ本体外部に設けられ、流体系回路からイオン搬送用の気体流が供給されて噴射する複数個の気体噴射部と、
    気体供給源から供給される気体流を流体系回路へ供給するようになされ、イオナイザ本体の側面に設けられる気体通流口と、
    を備えるコロナ放電式のイオナイザを連結するためのイオナイザ用接続コネクタであって、
    このイオナイザ用接続コネクタは、
    イオナイザの側端部が嵌め合わされる2個の嵌合部と、
    連結する2個のイオナイザの側端部を固定する2個の固定部と、
    嵌合部に嵌め込まれるとともに固定部により固定された2個のイオナイザの側端部近くの2個の電極を所定の電極間隔とするように2個のイオナイザの位置決めを行う位置決め部と、
    連結する2個のイオナイザの側面にある2個の気体通流口に連結される気体流路部と、
    気体流路部を収容する収容部と、
    を備えることを特徴とするイオナイザ用接続コネクタ。
  7. 請求項6記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
    前記2個の嵌合部と前記収容部とは、連続する中空孔部により一体に形成されることを特徴とするイオナイザ用接続コネクタ。
  8. 請求項7に記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
    前記イオナイザ用接続コネクタは、中空孔部を開く切り込み部を備えて側面から見て断面C字状に形成され、切り込み部が拡げられて前記2個の嵌合部が拡開される機能を有することを特徴とするイオナイザ用接続コネクタ。
  9. 請求項6,7,8の何れか一項に記載のイオナイザ用接続コネクタにおいて、
    前記イオナイザは、側端部に側面カバーを備えるものであり、
    前記固定部は、この側面カバーに係止される係止部であることを特徴とするイオナイザ用接続コネクタ。
  10. 請求項6,7,8,9の何れか一項に記載のイオナイザ用接続コネクタn個を用いてn+1個のイオナイザを連結してなる連結型イオナイザであって、n個の気体流路部でn+1個のイオナイザの流体系回路が連結されるとともに、全ての電極が長手方向に所定の電極間隔を保ちつつ複数並べられることを特徴とする連結型イオナイザ。
  11. 請求項10に記載の連結型イオナイザにおいて、
    前記気体流路部はT字型気体流路部であって、2個の気体通流口に連結されるとともに気体供給源と連結され、前記T字型気体流路部が連結される両側のイオナイザへ気体供給することを特徴とする連結型イオナイザ。
  12. 請求項10または請求項11に記載の連結型イオナイザにおいて、
    前記気体噴射部は、電極が内部に収容されており、全ての電極および気体噴射部が長手方向に所定の電極間隔を保ちつつ複数並べられるとともに、流体系回路からイオン搬送用の気体流が供給されて電極周囲のイオンとともに噴射することを特徴とする連結型イオナイザ。
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