JP2009042697A - エレクトロクロミック素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】還元着色剤としてビフェニルジカルボン酸ジエチルを含み、酸化着色剤としてフェロセンまたはフェノチアジンを含むEC液でEC層を構成する。反射型素子の場合、反射率のピーク波長が510〜600nmにあり、400〜510nmの平均反射率が10%以下、510〜600nmの平均反射率が23%以上、600〜800nmの平均反射率が15%以下である。透過型素子の場合、透過率のピーク波長が510〜600nmにあり、400〜510nmの平均透過率が15%以下、510〜600nmの平均透過率が20%以上、600〜800nmの平均透過率が35%以下である。
【選択図】図1
Description
(a)固体型ECミラー(図2の特性A)はハロゲン光(図3)に対する防眩性が高いが、HID光(図4)に対する防眩性は十分でない。
(b)液体型ECミラー(図2の特性B)はHID光(図4)に対する防眩性が高いが、ハロゲン光(図3)に対する防眩性が十分でない。
(c)固体型ECミラー、液体型ECミラーとも、人間の目の視感度が高い領域(510〜600nm)の反射率が低く、防眩時の対象物の視認性が悪い。
この発明の反射型EC素子の実施の形態を図1に模式断面図で示す。この反射型EC素子10は車両用ミラー(インナーミラー、アウターミラー)等として構成されるものである。反射型EC素子10は2枚の基板12,14を具える。基板12は透明ガラス基板で構成され、一方の面にITO(酸化インジウムスズ)等による透明導電膜16が成膜されている。基板14はガラス基板等(透明、不透明、半透明のいずれも可)で構成され、一方の面にクロム等の金属(クロム以外にシリコン、チタン、白金、ロジウム、鉄、アルミ、ニオブ等の金属またはこれら金属を主成分とする合金も使用可能である)による導電膜兼反射膜18が成膜されている。基板12と基板14とは透明導電膜16と導電膜兼反射膜18を向かい合わせにして所定長の空隙20を隔てて対向配置される。基板12,14は空隙20の外周位置に充填された封止樹脂22で相互に貼り合わされて一体化される。このとき空隙20は周囲が封止樹脂22で封止されてセル24(小室)を構成する。
〈EC液の組成〉
(a)還元着色剤:ビフェニルジカルボン酸ジエチル、濃度10〜100mmol/l(好ましくは40〜60、より好ましくは50mmol/l)
(b)酸化着色剤:フェロセンまたはフェノチアジン、濃度10〜100mmol/l(好ましくは40〜60、より好ましくは50mmol/l)
(c)電解質:過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)、濃度10〜100mmol/l(好ましくは40〜60、より好ましくは50mmol/l)。その他の電解質としてテトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム(TBABF4)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI)等も使用可能である。
(d)溶媒:N−メチルピロリドン。その他の溶媒としてガンマブチロラクトン(GBL)、ジメチルスルホシキド(DMSO)等も使用可能である。
(a)短波長域(400〜510nm)の平均反射率が低いのでHID光に対する防眩性が向上する。
(b)長波長域(600〜800nm)の平均反射率が低いのでハロゲン光に対する防眩性が向上する。
(c)人間の目の視感度が高い領域(510〜600nm)の平均反射率が高いので対象物の視認性が向上する。
(d)車両用ミラーとして構成した場合、昼間(消色時)の反射色は無色に近い色調であるので、意匠性を損なわない。
この発明の反射型EC素子の他の実施の形態を図7に模式断面図で示す。これは第2基板の裏面側に反射膜を形成したものである。図1の実施の形態と共通する部分には同一の符号を用いる。この反射型EC素子40は2枚の基板12,42を具える。基板12は透明ガラス基板で構成され、一方の面にITO等による透明導電膜16が成膜されている。基板42は透明ガラス基板で構成され、一方の面に透明導電膜44が成膜され、他方の面にクロム等の金属等による反射膜46が成膜されている。基板12と基板42とは透明導電膜16,44どうしを向かい合わせにして所定長の空隙20を隔てて対向配置される。基板12,42は空隙20の外周位置に充填された封止樹脂22で相互に貼り合わされて一体化される。このとき空隙20は周囲が封止樹脂22で封止されてセル24を構成する。セル24内には実施の形態1と同じ組成のEC液が注入される。他の構成は実施の形態1と同じである。
この発明の反射型EC素子のさらに別の実施の形態を図8に模式断面図で示す。これは第2基板の表面側(視認者の視点に近い側)に反射膜を形成し、該反射膜の上に透明導電膜を積層形成したものである。反射膜と透明電極膜との間に必要に応じて別途透明無機質膜を形成することもできる。図1の実施の形態と共通する部分には同一の符号を用いる。この反射型EC素子50は2枚の基板12,14を具える。基板12は透明ガラス基板で構成され、一方の面にITO等による透明導電膜16が成膜されている。基板14はガラス基板等(透明、不透明、半透明のいずれも可)で構成され、一方の面にクロム等の金属等による反射膜52が成膜され、その上に透明導電膜54が積層成膜されている。基板12と基板14とは透明導電膜16,54どうしを向かい合わせにして所定長の空隙20を隔てて対向配置される。基板12,14は空隙20の外周位置に充填された封止樹脂22で相互に貼り合わされて一体化される。このとき空隙20は周囲が封止樹脂22で封止されてセル24を構成する。セル24内には実施の形態1と同じ組成のEC液が注入される。他の構成は実施の形態1と同じである。
この発明の透過型EC素子の実施の形態を図9に模式断面図で示す。この透過型EC素子60はサングラス等として構成されるものである。その構成は図7の反射型EC素子40から反射膜46を取り去ったものと同じである。図7と共通する部分には同一の符号を用いる。この透過型EC素子60は2枚の基板12,42を具える。基板12は透明ガラス基板で構成され、一方の面にITO等による透明導電膜16が成膜されている。基板42は透明ガラス基板で構成され、一方の面に透明導電膜44が成膜されている。基板12と基板42とは透明導電膜16,44どうしを向かい合わせにして所定長の空隙20を隔てて対向配置される。基板12,42は空隙20の外周位置に充填された封止樹脂22で相互に貼り合わされて一体化される。このとき空隙20は周囲が封止樹脂22で封止されてセル24を構成する。セル24内には反射型EC素子の前記各実施の形態と同じ組成のEC液が注入される。他の構成は図7の反射型EC素子40と同じである。
(a)短波長域(400〜510nm)の平均透過率が低いのでHID光に対する防眩性が高い。
(b)長波長域(600〜800nm)の平均透過率が低いのでハロゲン光に対する防眩性が高い。
(c)人間の目の視感度が高い領域(510〜600nm)の平均透過率が高いので対象物の視認性が良好である。
(d)サングラスとして構成した場合、昼間(消色時)の透過色は無色に近い色調であるので、意匠性を損なわない。
Claims (7)
- 透明な第1基板の一方の面に透明な第1導電膜を形成し、
第2基板の一方の面に第2導電膜を形成し、
該第2基板のいずれか一方の面に反射膜を形成し、
これら第1基板と第2基板を前記第1、第2導電膜どうしを向かい合わせにして所定の空隙を隔てて対向配置してセルを構成し、
前記第2導電膜が前記反射膜を兼用する金属反射膜で構成され、もしくは前記第2基板が透明基板で構成されかつ前記第2導電膜が透明導電膜で構成されかつ前記反射膜が前記第2基板の前記第2導電膜と反対側の面に形成され、または前記第2導電膜が透明導電膜で構成されかつ前記反射膜が前記第2基板と前記第2導電膜の間に形成され、
前記セル内に、還元着色剤としてビフェニルジカルボン酸ジエチルまたはその誘導体を含みかつ酸化着色剤としてフェロセンもしくはその誘導体またはフェノチアジンもしくはその誘導体を含むEC液を注入してEC層を構成してなり、
着色時に前記第1基板の表面側から入射した光が前記反射膜で反射され、該反射光が前記第1基板の表面側から出射されるときの入射光に対する出射光の反射率特性が、
反射率のピーク波長が510〜600nmにあり、
400〜510nmの平均反射率が10%以下、
510〜600nmの平均反射率が23%以上、
600〜800nmの平均反射率が15%以下
である反射型エレクトロクロミック素子。 - 車両用ミラーを構成する請求項1記載の反射型エレクトロクロミック素子。
- 透明な第1基板の一方の面に第1透明導電膜を形成し、
透明な第2基板の一方の面に第2透明導電膜を形成し、
これら第1基板と第2基板を前記第1、第2透明導電膜どうしを向かい合わせにして所定の空隙を隔てて対向配置してセルを構成し、
前記セル内に、還元着色剤としてビフェニルジカルボン酸ジエチルまたはその誘導体を含みかつ酸化着色剤としてフェロセンもしくはその誘導体またはフェノチアジンもしくはその誘導体を含むEC液を注入してEC層を構成してなり、
着色時に前記第1基板の表面側から入射した光が該第1基板、前記第1透明導電膜、前記EC層、前記第2透明導電膜、前記第2基板を透過して該第2基板の裏面側から出射されるときの入射光に対する出射光の透過率特性が、
透過率のピーク波長が510〜600nmにあり、
400〜510nmの平均透過率が15%以下、
510〜600nmの平均透過率が20%以上、
600〜800nmの平均透過率が35%以下
である透過型エレクトロクロミック素子。 - サングラスを構成する請求項3記載の透過型エレクトロクロミック素子。
- 前記EC液における前記還元着色剤としてのビフェニルジカルボン酸ジエチルまたはその誘導体の濃度が10〜100mmol/l好ましくは40〜60mmol/lであり、前記酸化着色剤としてのフェロセンもしくはその誘導体またはフェノチアジンもしくはその誘導体の濃度が10〜100mmol/l好ましくは40〜60mmol/lである請求項1から4のいずれか1つに記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記EC液が電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウムのいずれかを含む請求項1から5のいずれか1つに記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記EC液が溶媒としてN−メチルピロリドン、ガンマブチロラクトン、ジメチルスルホシキドのいずれかを含む請求項1から6のいずれか1つに記載のエレクトロクロミック素子。
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