JP2005266450A - 電解液及びそれを用いた表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気化学的な酸化還元反応により消着色する有機化合物と支持電解質からなる電解液に電圧を印加することにより有機化合物を消着色させて表示を行う酸化還元型電解液において、長時間の消着色繰り返しにおいても優れた繰り返し消着色安定性を有する酸化還元型電解液を提供することを課題とする。
【解決手段】
電解液が
1.プロトンの授受により消着色する有機化合物(1)と、
2.該有機化合物(1)の酸化過電圧および還元過電圧より絶対値が小さい、酸化過電圧および還元過電圧をそれぞれ有し、電気化学的な酸化還元反応に伴いプロトンの授受を行う有機化合物(2)と、
3.支持電解質
とを含有する電解液、及びこれを用いた表示素子を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気化学的な酸化還元反応により消着色する有機化合物と支持電解質からなる電解液に電圧を印加することにより電解液を消着色させて表示を行う酸化還元型電解液に関する。
高度情報化社会の発展に伴いデジタル情報を視認化する表示媒体のニーズが増大している。これらを実現する技術としてCRT、EL、LED等の自発光型表示技術が開発されてきた。これらの自発光システムの他に、低消費電力であり、人間の目に違和感の少ない反射型表示システム開発が検討されてきた。反射型システムとしては、反射型液晶技術が有力な技術として開発された。しかし、更に視認性に違和感が少なく、安価であり、そして軽量、柔軟性等の携帯性に優れた表示システムへのニーズが大きいが、それを実現する有望な技術が確立されていないのが現状である。候補技術としては、電気化学的酸化還元反応消着色、電気泳動、ツイストボール等の技術が知られている。中でも電気化学的酸化還元反応型表示装置は、低電力、高速応答性に優れ有力な反射型表示装置の一つである。
電気化学的酸化還元反応型表示装置の1つとして、電極間にフルオラン誘導体を電解液と共に封止したことを特徴とする電気化学的酸化還元反応型表示装置が知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。該方式では、電気化学的な酸化還元反応により、フルオラン誘導体を消着色させ光学的反射特性を変化させることにより表示を行う。
しかしながら、前述の方式では、次第に消色しなくなり、可逆的な消着色が得られないことが問題であった。
特公昭61−4869号公報 特公平3−7711号公報 特開昭63−200128号公報
本発明は、電気化学的な酸化還元反応により消着色する有機化合物と支持電解質からなる電解液に電圧を印加することにより有機化合物を消着色させて表示を行う酸化還元型電解液において、優れた繰り返し消着色安定性を有する消着色表示を行う酸化還元型電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは、電気化学的な酸化還元により消着色する有機化合物(1)について検討を行った結果、該有機化合物(1)を直接電気化学的に酸化還元せず、有機化合物(1)の酸化過電圧及び還元過電圧の絶対値より、それぞれ小さい絶対値の酸化過電圧及び還元過電圧を有する化合物を電気化学的に酸化還元し、プロトンを授受させることにより間接的に化学反応にて前記有機化合物(1)を消着色させることにより本発明の課題が達成されることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、電解液が
1.プロトンの授受により消着色する有機化合物(1)と、
2.該有機化合物(1)の酸化過電圧および還元過電圧より絶対値が小さい酸化過電圧および還元過電圧をそれぞれ有し、電気化学的な酸化還元反応に伴いプロトンの授受を行う有機化合物(2)と、
3.支持電解質
とを含有することを特徴とする電解液を提供する。
本発明は、消着色する有機化合物の本来の酸化及び還元電位より低い電位で消着色が可能となり、したがって、消着色有機化合物の電気分解が抑えられることから、消着色繰り返し安定性に優れた酸化還元型電解液を提供することができる。また、併せて表示に要する消費電力が低減された酸化還元型電解液を提供することができる。
以下詳細に本発明を詳述する。
[電気酸化還元型表示素子の形態]
図1に本発明の基本構成を示した。
本発明の電解液およびそれを用いた酸化還元型表示用素子の基本構成を下記に示す。つまり本発明の電解液は、プロトンの授受により消着色する有機化合物(1)(以下有機化合物(1)と言う場合がある。)と、有機化合物(1)の酸化過電圧と還元過電圧より絶対値が小さい酸化過電圧と還元過電圧をそれぞれ有し、かつ電気化学的な酸化還元反応に伴いプロトンの授受を行う有機化合物(2)(以下、有機化合物(2)と言う場合がある。)と、支持電解質とを含有する電解液5である。
また、有機化合物(2)は、有機化合物(1)の酸化過電位と還元過電位より絶対値が小さい酸化過電位と還元過電位をそれぞれ有しているが、有機化合物(1)が直接電気化学的に酸化還元されないためには、有機化合物(1)と有機化合物(2)との酸化過電圧及び還元過電圧との差は、0.1V以上であることが好ましい。
また、本発明の表示素子として、前記電解液5を、少なくとも一方の基板が、透明基板である基材1、4の上に、透明基板上の電極が透明である電極2及び電極3を有する2枚の基板間に(図1では1が透明電極基材、2が透明電極)配置し、スペーサーとなる絶縁物質6を介し基板を接着、封止した酸化還元型表示素子が例示することができる。
尚、ここで言うところの酸化過電圧および還元過電圧は、その化合物の持つ平衡酸化還元電位と実際に酸化および還元反応が開始するするそれぞれの電位との差を酸化過電圧および還元過電圧と呼ぶ。
本発明で使用する有機化合物(1)は、基本的には電気化学的な酸化還元状態によりそれ自体、消着色はするが、消着色の繰り返し操作により消色着色が十分に成されず、表示面全体が黒色化したり、着色が十分に行われなくなったりするといった問題があった。(従って、本発明は、この消着色の不可逆性の改良を目的とし、プロトンの授受により消着色する有機化合物(1)を直接電気化学的に酸化還元させるのではなく、有機化合物(1)の酸化過電圧と還元過電圧の絶対値より小さい酸化過電圧と還元過電圧を有し、電気化学的な酸化還元反応に伴いプロトンの授受を行う有機化合物(2)を酸化還元することから生じたプロトンを用いて化学的に有機化合物(1)を酸化還元し消着色することで、有機化合物(1)の消着色の可逆性を大幅に改善した。
図1に示した表示素子は、電極基材1,4及び電極2,3が全て透明の場合は、透過型着色素子となる。
また、必要に応じ、着色剤が無色透明表示時に表示装置を白色表示させるために、電極下部、または電極間に白色表示させるための手段を講じることで、白地に着色剤色の表示が可能な反射表示型表示素子となる。
白色表示する為の手段としては、特に限定しないが、例えば、電極下部に手段を講じる場合は、下部電極の裏面を白色に塗装する、或いは、電極の下部に白色板を配置する等の手段があげられる。また、電極間に手段を講じる際は、電極間に電解液を保持可能な白色多孔質膜に電解液を保持させる方法、或いは、酸化チタンなどに代表される白色顔料を分散させたポリフッ化ビニリデン等に代表される高分子固体電解質に本発明による電解液を含浸させる法方等があげられる。
(電解液)
本発明に使用される電解液は、有機化合物(1)と有機化合物(2)と支持電解質とそれらを溶解する溶媒から構成される。
また、必要に応じて有機化合物(2)の酸化還元反応を活性化する為、或いは、可逆的な消着色を安定的に行う為にこれら物質のレドックスペアを添加することが有効である。
(プロトンの授受により消着色する有機化合物(1))
電解液を構成する有機化合物(1)が授受するプロトンの作用により、消色または着色する有機化合物であれば特に限定するものではないが、例えば、山本化成株式会社製のODB(2−アミノ−6−ジエチルアミノ−3−メチルフルオラン)等のフルオラン骨格をベースとした黒色ロイコ染料、山本化成株式会社製のCLV(3,3−ビス(4−ジメチル−アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド)等のクリスタルバイオレット系青色染料、山本化成株式会社製のRed−3(9−ジエチルアミノベンゾ〔α〕フルオラン)、RED−40(3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチル−インドール−3−イル)フタリド))等の赤色ロイコ染料等が挙げられる。
(電気化学的な酸化還元反応に伴いプロトンの授受を行う有機化合物(2))
電解液を構成する有機化合物(2)は、有機化合物(1)の酸化過電圧と還元過電圧の絶対値より小さい過電圧と還元過電圧を有し、プロトンの授受を行うものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ハイドロキノン、クロロヒドロキノン、メチルハイドロキノン、1-ナフトール、4,4‘−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル等のフェノール系化合物や、ジエチルアミン、t-ブチルアミンなどのアミン系化合物等が挙げられる。有機化合物(2)の酸化還元電位の絶対値は、有機化合物(1)の酸化還元電位の絶対値より、0.1V以上小さいことが好ましい。0.3V以上小さいことが更に好ましい。
(レドックスペア)
電解液を構成する有機化合物(2)対するレドックスペアは、特に限定するものではないが、有機化合物(2)が陽極で酸化反応するものであるとき、前記電解液が、レドックスペアとして陰極で還元反応を行う化合物(3)(以下、化合物(3)と言う場合がある。)を含有することが好ましい。
例えば、化合物(3)としては、1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン、p−トルキノン等が挙げられる。
(支持電解質)
電解液を構成する支持電解質としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、ホウフッ化リチウム等のリチウム塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロリド、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム等のアンモニウム塩等があげられる。
(溶媒)
電解液を構成する溶媒としては、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、2−エトキシエタノール、2−メトキシメタノール、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ブチロニトリル、グルタロニトリル、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の極性溶媒が挙げられる。
[基板]
基板は、電極と電極基材とからなる。
(電極)
通常の表示記録用途では、表示は一方側からだけ観察できれば良い為、電極2及び3の内の一方が透明であれば良く、たとえば電極3は、不透明でも構わない。透明電極は、一般に知られている、たとえばITO、ATO、FTO、AZO等の透明電極が用いることができる。
また、表示を観察する際は、透明電極を介して分散系を見ることから、透明電極の透明度はより高い方が望ましく、透過率75%以上であることが望ましく、より好ましくは80%以上である。また、電極の抵抗値は、より小さい方が望ましく、好ましくは100オーム以下、より好ましくは50オーム以下である。
(基材)
一般に電極の透明導電物質を保持している基材は、ガラスもしくはポリーマーフィルムなどであり、いずれの利用も可能であるが、表示素子に柔軟性を付与できることを考慮するとポリマーフィルムや薄層ガラスであることがより望ましい。
また、電極2、3は、一方或いは両方が帯状又は点状などのマトリックス状、或いはセグメント状に分割エッチングされていてもよい。これらの帯状又は、点状電極を組み合わせて文字、数字、画像など所定の形状を構成し、それら電極に同時に電圧を印加するか、走査によって時分割に電圧を印加し、静止画像、或いは動画像を表示することができる。
[スペーサー]
スペーサー6は、電極間に配置する為、絶縁物質である必要がある。材質は特に限定するものではないが、電解液(質)を配置する厚みを与えるのもであることから、その厚さは、黒色表示した時の白隠蔽性にて決定される。しかし、スペーサーの厚みが厚いと消費電力が大きくなるため、好ましくはより薄いことが望まれ、例えば500μm以下が好ましく、更に100μm以下が好ましい。
スペーサーを接着剤等で電極と張り合わせることや、シール材中にスペーサーを添加して基板を接着することにより、本発明の表示記録装置を得ることができる。
(実施例1)
ODB(山本化成株式会社製ロイコ染料;有機化合物(1))0.1部、過塩素酸テトラブチルアンモニュウム0.1部、ヒドロキノン(有機化合物(2))0.1部をプロピレングリコール10部に溶解させることでロイコ染料電解液が得られた。得られたロイコ染料電解液をスペーサーを用いて電極間距離が100μmに調整されたITO付きガラス(表面抵抗10Ω/□:透過率85%)間に配置し、2液系エポキシ樹脂接着剤にて封止し、電解表示素子を得た。得られた電解表示素子の底部に白色度80%のコピー紙を置き、表示素子の上部より白色度を測定したところ39%(マクベス光学濃度系換算値)の反射率であった。
得られた表示素子に2.3V〜−1.5の直流電圧を掃引速度5000mv/secで連続的に印加することで黒色から透明に消着色を繰り返し、透明時には、底部のコピー紙の白色が表示された。黒色表示時の反射率は、2.5%でコントラスト比は、15.6であった。また、上記繰り返し表示を1時間行なった後の白表示時の反射率は31%であった。
ODB(有機化合物(1))の酸化過電圧:1.3V 、還元過電圧:−1.3V
ヒドロキノン(有機化合物(2))の酸化過電圧:1.1V 、還元過電圧:−1.1V
尚、酸化過電圧の測定には、上記セル同様に2枚のITO電極間距離が100μmに調整された電解セルに各試料(ODB、ヒドロキノン)の電解液(各試料0.1部、支持電解質:過塩素酸テトラブチルアンモニウム0.1部、プロピレンカーボネート10部)を封入しサイクリックボルタンメトリー測定を行って、酸化過電圧、還元過電圧を求めた。
その時の参照電極および対向電極は、同様のITO電極を用い、対極側のITO電極を参照電極とし測定を行った。
(実施例2)
ODB(山本化成株式会社製ロイコ染料;有機化合物(1))0.1部、過塩素酸テトラブチルアンモニュウム0.1部、ヒドロキノン(有機化合物(2))0.1部をプロピレングリコール10部に溶解させることでロイコ染料電解液が得られた。得られたロイコ染料電解液をスペーサーを用いて100μmに調整されたITO付きガラス(表面抵抗10Ω/□:透過率85%)間に配置し、2液系エポキシ樹脂接着剤にて封止し、電解表示素子を得た。得られた電解表示素子の底部に白色度80%のコピー紙を置き、表示素子の上部より白色度を測定したところ39%(マクベス光学濃度系換算値)の反射率であった。
得られた表示素子に1.6V〜−0.8の直流電圧を掃引速度5000mv/secで連続的に印加することで黒色から透明に消着色を繰り返し、透明時には、底部のコピー紙の白色が表示された。黒色表示時の反射率は、3.6%でコントラスト比は、10.8であった。また、上記繰り返し表示を1時間行なった後の白表示時の反射率は34%であった。
(実施例3)
<ロイコ染料+顕色剤(プロトン発生剤)+レドックスペア電解液>
ODB(山本化成株式会社製ロイコ染料;有機化合物(1))0.1部、過塩素酸テトラブチルアンモニュウム0.1部、ヒドロキノン(有機化合物(2))0.1部、1,4−ベンゾキノン(化合物(3))0.1部をプロピレングリコール10部に溶解させることでロイコ染料電解液が得られた。得られたロイコ染料電解液をスペーサーを用いて100μmに調整されたITO付きガラス(表面抵抗10Ω/□:透過率85%)間に配置し、2液系エポキシ樹脂接着剤にて封止し、電解表示素子を得た。得られた電解表示素子の底部に白色度80%のコピー紙を置き、表示素子の上部より白色度を測定したところ39%(マクベス光学濃度系換算値)の反射率であった。
得られた表示素子に1.6V〜−0.8の直流電圧を掃引速度5000mv/secで連続的に印加することで黒色から透明に消着色を繰り返し、透明時には、底部のコピー紙の白色が表示された。黒色表示時の反射率は、2.4%でコントラスト比は、16.2であった。また、上記繰り返し表示を1時間行った後の白表示時の反射率は37%であった。
(比較例1)
ODB(山本化成株式会社製ロイコ染料;有機化合物(1))0.1部、過塩素酸テトラブチルアンモニュウム0.1部をプロピレングリコール10に溶解させることでロイコ染料電解液が得られた。得られたロイコ染料電解液をスペーサーを用いて100μmに調整されたITO付きガラス(表面抵抗10Ω/□:透過率85%)間に配置し、2液系エポキシ樹脂接着剤にて封止し、電解表示素子を得た。得られた電解表示素子の底部に白色度80%のコピー紙を置き、表示素子の上部より白色度を測定したところ40%(マクベス光学濃度系換算値)の反射率であった。
得られた表示素子に2.3V〜−1.6の直流電圧を掃引速度5000mv/secで連続的に印加することで黒色から透明に消着色を繰り返し、透明時には、底部のコピー紙の白色が表示された。黒色表示時の反射率は、15.8%でコントラスト比は、2.53であった。また、上記繰り返し表示を1時間行った後の透明時の白色度は16.6%であった。
(比較例2)
ODB(山本化成株式会社製ロイコ染料;有機化合物(1))0.1部、過塩素酸テトラブチルアンモニュウム0.1部をプロピレングリコール10に溶解させることでロイコ染料電解液が得られた。得られたロイコ染料電解液をスペーサーを用いて100μmに調整されたITO付きガラス(表面抵抗10Ω/□:透過率85%)間に配置し、2液系エポキシ樹脂接着剤にて封止し、電解表示素子を得た。得られた電解表示素子の底部に白色度80%のコピー紙を置き、表示素子の上部より白色度を測定したところ40%(マクベス光学濃度系換算値)の反射率であった。
得られた表示素子に実施例2と同等の黒色度を得る為の電圧として3.0V〜−1.7の直流電圧を掃引速度5000mv/secで連続的に印加することで黒色から透明に消着色を繰り返し、透明時には、底部のコピー紙の白色が表示された。黒色表示時の反射率は、3.4%でコントラスト比は、11.76であった。また、上記繰り返し表示を1時間行なった後の透明時の白色度は10.4%であった。
実施例1〜3及び比較例1、2の結果を表1にまとめた。
Figure 2005266450
表1の1時間動作後の白色度(低下率)は、各実施例・比較例で記載した印加条件で1時間消着色を繰り返した後の白色度及び電圧印加前の初期の白色度からの低下率を示す。
電解液に有機化合物(1)しか含まない比較例1は、実施例2,3と同様の電圧印加では、電気酸化による着色が悪いため、黒の反射率が高く、コントラストが悪い。また、白色度は1時間のオンオフ動作後により40%から16.6%に低下した。これは、有機化合物(1)の還元による消色が十分に行われなくなったことが原因と考えられる。
更に、比較例2では、実施例2と同等の黒色度が得られるまでの電圧を印加したが、そのときの電圧は、3.0Vと実施例2の約2倍の電位が必要であった。
一方、実施例1〜3では、長時間のオンオフ動作によっても着色及び消色の劣化が見られず、優れた消着色繰り返し安定性を示した。
以上の結果より、本発明の電解液を使用した表示素子は、優れた繰り返し消着色安定性を示すことがわかる。
本発明の電解液は、長時間の消着色繰り返しにおいても高コントラストに優れた表示素子、特に反射型表示素子として非常に有用である。
本発明の表示記録素子の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 透明基材
2 透明電極
3 電極
4 電極基材
5 電解液
6 スペーサー

Claims (7)

  1. 電解液が
    1.プロトンの授受により消着色する有機化合物(1)と、
    2.該有機化合物(1)の酸化過電圧および還元過電圧より絶対値が小さい酸化過電圧および還元過電圧をそれぞれ有し、電気化学的な酸化還元反応に伴いプロトンの授受を行う有機化合物(2)と、
    3.支持電解質
    とを含有することを特徴とする電解液。
  2. 前記有機化合物(1)の酸化過電圧と有機化合物(2)の酸化過電圧、および前記有機化合物(1)の還元過電圧と有機化合物(2)の還元過電圧の差の絶対値が0.1V以上である請求項1記載の電解液。
  3. 前記プロトンの授受により消着色する有機化合物(1)が、ロイコ染料である請求項1または2記載の電解液。
  4. 前記電気化学的な酸化還元反応に伴いプロトンの授受を行う有機化合物(2)がフェノール系化合物である請求項1〜3のいずれかの請求項に記載の電解液。
  5. 前記電気化学的な酸化還元反応に伴いプロトンの授受を行う有機化合物(2)が陽極で酸化反応するものであり、前記電解液が、陰極で還元反応を行う化合物(3)を更に含有する請求項1〜4のいずれかの請求項に記載の電解液。
  6. 前記陰極で還元反応を行う化合物(3)がキノン系化合物である請求項5記載の電解液。
  7. 少なくとも一方が透明電極かつ透明基板である、電極を有する2枚の基板を、電極を内側にした相対向させた基板間に請求項1〜6のいずれかの請求項に記載の電解液を保持させることを特徴とする表示素子。



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