JP2009042666A - 眼鏡のレンズ歪防止構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】眼鏡レンズに歪を生じることなくレンズ枠に対して装着、固定し、眼鏡レンズでそれぞれの中央寄りのレンズコーナ部を含むレンズ側辺の幅を広げて視野を拡大することができる眼鏡のレンズ歪防止構造の提供。
【解決手段】眼鏡レンズ1を装着する一体形状のレンズ枠2を備え、眼鏡レンズ1は中央側の側辺を幅方向に拡大し、かつ上辺と側辺の交差部を中央ブリッジ位置までコーナ部1aとして延長し、このコーナ部1aの下辺に逆円弧状曲線部を形成してその端に延長端1bを形成し、このコーナ部1aの延長端1b又は眼鏡レンズ外周を眼鏡レンズに歪を生じない固定手段によりレンズ枠2に対して固定するように構成した。
【選択図】図1

Description

この発明は、眼鏡レンズの形状を、左右のレンズでそれぞれの中央寄りのレンズコーナ部を延長した形状とすることにより眼鏡のレンズ枠による歪の発生を防止し、かつレンズ視野を拡大する構造とした眼鏡のレンズ歪防止構造に関する。
度付きの眼鏡レンズの形状は、一般に左右の目に対し、それぞれ対応する円形のレンズ素材に処方箋で指示された眼鏡度数に適合するのに必要な内面研削を施した度付レンズからグラインダ、ヤゲンカッタ等の砥石による切削加工、或いはエンドミルのようなドライ刃物による面取り加工やレンズ周面の研削をして、所定のデザイン形状のレンズ枠形状データに適合する形状(外周形状)に仕上げる加工をしている。この場合、仕上げされるレンズの外周形状として、予め種々形状にデザインされたレンズ枠を使用することが前提であり、一般にこの所定形状のレンズ枠は上辺が下辺より少し長い略台形状(玉形とも呼ばれる)で、上下辺、両側辺のいずれも緩やかな円形の曲線状の眼鏡レンズを想定し、かつレンズ枠のデザインに適合するデザイン性を施した形状として形成され、かつレンズ内側に中心点を有する異なる円弧部分を連ねてそれぞれのコーナ部を丸く仕上げたものが、標準の形状として採用されている。
ただし、レンズ枠については、形状として眼鏡外周の全周を枠材で囲む形状のフルリムフレーム、上辺にのみフレームがあり、下辺はナイロン糸などで引っ張ってレンズを固定する形式のナイロールと呼ばれるもの、或いはいわゆる縁無し眼鏡と呼ばれ、左右のレンズに穴を開け、ねじや接着剤で左右1対の眼鏡レンズを「ツーポイント」と呼ばれる連結部材により連結したリムレスフレームと呼ばれる形式のものがある。材質としては、主要部品に金・チタン・ニッケル合金、コバルト合金などの金属を使用したメタルフレーム、セルロイド・アセテート・エポキシなどの合成樹脂を使用したプラスチックフレーム、メタルとプラスチックなどの異なる素材を組み合わせたコンビネーションフレーム等がある。
このような度付きの眼鏡のレンズ枠に適合する眼鏡レンズの形状に加工することを前提とする眼鏡レンズの加工方法又は装置については、一例として特許文献1の「メガネレンズ加工装置及び方法」に示されているが、このような加工方法により形成される眼鏡レンズの形状は、いずれも上述した従来からの一般的な外周縁が円形状の曲線台形状(玉形)のものであり、レンズ枠により両方の眼鏡レンズを互いに連結、固定することが前提とされている。このような眼鏡レンズの加工法は、上記以外にも多数提案されているが、いずれの場合も眼鏡レンズの形状は同様に曲線台形状に曲線を連ねた玉形状である。
一方、上記眼鏡レンズの形状は、どのようなデザインのレンズ枠を使用するかという点で、レンズ枠と互いに密接な関係を有し、特に従来の度付きレンズを備えた眼鏡では、好みのデザインのレンズ枠に眼鏡レンズの外形形状を合わせて切削加工して嵌め込み、使用するというのが一般的な眼鏡の設計である。この場合、一般的にはフルリムフレーム又はナイロールを使用するのが一般的であるが、このような一般的なフルリムフレーム以外の例として、特許文献2の「リムレスメガネ」が公知である。このメガネでは、レンズ枠がなく、眼鏡の1対のレンズ中央にブリッジ、側方にテンプルの先端を連結する形式とされている。このメガネでは、眼鏡レンズは玉形であり、ブリッジ、テンプルを連結している多数のねじを外せば眼鏡レンズを他の種類のレンズに取替えすることができる。
特開平11−10501号公報 特開2005−309345号公報
ところで、特許文献1の加工方法により加工された眼鏡レンズでは、種々の形式、材質のフレーム形状に眼鏡レンズを適合させることを前提として眼鏡レンズの形状が設計されてきたため、各眼鏡レンズのコーナ部の形状は玉形の曲線状に切削、研削して形状が決められていた。このように切削、研削して成形された眼鏡レンズはレンズ枠内に強制的に嵌め込まれて使用される。特にレンズ枠が金属製の高強度のフルリムフレームやナイロール形式を採用している場合、レンズ枠内に眼鏡レンズを強制的に嵌め込むと、プラスチックレンズの場合はレンズ枠の締め付け力によりレンズ枠に沿うように眼鏡レンズを強制的に変形させるため、眼鏡レンズ内部に歪が発生して眼鏡レンズに設定された度数分布が変化する。このため、遠視、近視、老眼のような処方度数を有する眼鏡の種類に対応した度数分布が眼鏡の設計の通りに得ることができない場合が生じる。
そのため、このような極めて微妙、かつ数値化し難い変化があることは、従来仕方がないものとして捕らえられており、このような変化を避ける方法の1つとして特許文献2のリムレス(縁無し)眼鏡が利用されている。しかし、このようなリムレスメガネであっても、ブリッジ部を形成するため眼鏡レンズの端に穴あけ加工が施され、その穴にネジを螺合することにより歪が生じ、このため完全に歪の発生を避けることはできない。従って、眼鏡レンズに加工された穴に螺合されるねじによるレンズ枠の締め付け力によりレンズ枠の形状に沿って眼鏡レンズを歪ませることなく確実にレンズ枠に眼鏡レンズを保持できる眼鏡レンズとレンズ枠の関係を有する眼鏡レンズの構造とするのが望ましい。
しかし、従来のレンズ枠のデザイン形状ではフルリムフレーム、ナイロール形式のいずれであれ、玉形の眼鏡レンズとすることが常識とされていたため、レンズ枠は少なくとも上半分で玉形の眼鏡レンズをレンズ枠の形状に強制的に嵌め込む形式であり、眼鏡のレンズ枠にはレンズを嵌めこむと、レンズが枠から外れないようにレンズ枠にレンズ外周のヤゲン凸部又は凹部が嵌合して固定される。眼鏡レンズをレンズ枠内に嵌め込んで締め付けると、レンズ枠の締め付け力でレンズ枠形状に沿わせる力により変形して眼鏡レンズに歪が生じることを避けることができなかった。従って、レンズに歪が生じないようにするためには、レンズ枠に眼鏡レンズを強制的に嵌合させる以外の手段で眼鏡レンズをレンズ枠に固定する手段を工夫する必要がある。
このような固定手段を検討する場合、従来のように眼鏡レンズが玉形であるため中央のブリッジ位置にブリッジ金具が設けられ、少なくとも上半部分で眼鏡レンズをレンズ枠に強制的に嵌合させる形式では、レンズ枠による変形の影響を避けることができないから、その形式のままとするのではなく、例えば眼鏡レンズの一端または両端に保持部を形成し、その保持部を固定手段により固定して眼鏡レンズをレンズ枠に確実に固定し、レンズ枠は眼鏡レンズに対して締め付け力が作用しない形状とすることが考えられる。この場合、玉形の左右の眼鏡レンズの中央寄り側辺と上辺の交叉するコーナ部を含むレンズ内側側辺の形状は、眼鏡レンズの機能、特に視野の広さに影響を及ぼすという点でその形状をどのように決めるかはレンズ設計の上で重要な要素であり、このコーナ部に保持部を形成し、かつコーナ部を含むレンズ内側側辺の幅を広げ、さらに広い視野の眼鏡レンズとすることが可能かという点が重要な問題である。
しかし、上記従来の玉形形状を前提とし、処方度数を有する度付きの眼鏡レンズでは、加工技術の制約から上記中央寄りコーナ部の外周縁をレンズ内側に円弧の中心点を有する円弧状とするのが一般的であり、そのため従来の玉形形状の眼鏡レンズのままでは保持部や固定手段を設けたり、中央寄りの側辺の幅を拡大して眼鏡レンズの視野を広げたりすることはできない。従って、従来のレンズ形状のままでは眼鏡レンズの中央寄りの視野が狭くなり、十分な視野が確保できない。これは、このような制約は眼鏡という特定の視力矯正具では避けることができないと考えられていたからである。上記加工技術の制約とは、眼鏡レンズのコーナ部に保持部としての突出形状部を形成しようとすると、突出形状部の一部に従来とは異なり、必ずレンズ外側の位置に円弧中心の中心点を有する逆円弧状部を形成する必要が生じ、このような加工は従来不可能とされていたことによる。
この発明は、上記の種々の問題に留意して、左右の度付きの眼鏡レンズに対して眼鏡レンズに歪を生じることなくレンズ枠に対して装着、固定し、眼鏡レンズでそれぞれの中央寄りのレンズコーナ部を含むレンズ側辺の幅を広げて視野を拡大することができる構成を得ると共に、固定手段としてコーナ部の延長端を固定ピースで固定するレンズ固定手段とする、或いはレンズ枠の内周面に形成した係合片によりを眼鏡レンズの全周に亘り係合するように形成して固定手段とする眼鏡のレンズ歪防止構造を得ることである。
この発明のもう一つの課題として、さらに左右の度付きの眼鏡レンズでそれぞれの中央寄りのレンズコーナ部の視野を拡大し、レンズ枠に対して着脱自在に眼鏡レンズを装着することができ、かつ複数種類の眼鏡レンズを時と場所に応じて使い分けることができる眼鏡のレンズ歪防止構造を得ることを課題とするものである。
この発明は、上記の課題を解決する手段として、左右両眼の眼鏡レンズを装着する一体形状のレンズ枠を備え、眼鏡レンズは中央側の側辺を幅方向に拡大し、かつ上辺と側辺の交差部を中央ブリッジ位置までコーナ部として延長し、このコーナ部の下辺に逆円弧状曲線部を形成してその端に延長端を形成し、このコーナ部の延長端又は眼鏡レンズ外周を眼鏡レンズに歪を生じない固定手段によりレンズ枠に対して固定するように構成した眼鏡のレンズ歪防止構造の構成としたのである。
上記の構成としたこの発明の眼鏡のレンズ歪防止構造は、従来の眼鏡ではレンズ枠に眼鏡レンズを強制的に嵌合することにより生じることがあった眼鏡レンズの歪を防止しながら、レンズ枠に眼鏡レンズを安定して固定し、かつメガネ中央位置でのレンズ幅を広げて視野の拡大を実現したものである。このため、眼鏡レンズは中央側の側辺を幅方向に拡大し、かつ上辺と側辺の交差部を中央ブリッジ位置までコーナ部として延長し、このコーナ部の下辺に逆円弧状曲線部を形成してその端に延長端を形成したのである。上記コーナ部のそれぞれの延長端の下辺の逆円弧状曲線部は、眼鏡レンズの外側に円弧中心位置を有する円弧部として、エンドミルを用いて切削加工により形成される。但し、眼鏡レンズは、処方度数を有する度付きのレンズを対象としている。
上記のもう一つの課題を解決する手段として、上記眼鏡のレンズ歪防止構造において、固定手段を、コーナ部の延長端を固定ピースで固定するレンズ固定手段とすることができる。このような眼鏡レンズの歪防止構造とする場合、固定手段として、眼鏡のコーナ部の延長端に溝部を形成し、レンズ固定手段をレンズ枠のブリッジ部に対向する表面に2つの固定ピースと、ブリッジ部の裏面に枠形状の固定ピースを取り付けて形成し、許容しうる最小数のねじで両固定ピースを締結することにより眼鏡レンズを挟持し、かつ固定ピースの裏面に形成した凸条片を上記溝部に嵌合することにより眼鏡レンズを固定するように構成した眼鏡のレンズ歪防止構造とすることができる。但し、眼鏡レンズは、処方度数を有する度付きのレンズを対象としている。
このような構成の眼鏡レンズの歪防止構造では、コーナ部がレンズ枠の中央のブリッジ部の位置まで延び、蝶結びのリボン羽根の基部のような形状のコーナ部とし、かつコーナ部の下辺に逆円弧状曲線部を形成してその端に延長端を形成したことにより、中央側の側辺が従来より広がり、このためレンズ幅が広く、視野が広い眼鏡として形成される。また、この歪防止構造では、眼鏡レンズに歪を生じることなく、左右両眼の視野がコーナ部により、従来の一般形状の眼鏡より格段に広がり、左右両眼の前面を一体のレンズフレームにより形成した広い視野、形状の眼鏡が得られる。レンズ固定手段はねじによる締め付け形式、ブリッジ部と止め部との隙間への挿入方式等の方式のものがあるが、ねじによる締め付け方式の場合、1対の眼鏡レンズに対してそのコーナ部の延長端を固定する眼鏡レンズの締め付けが最小数のねじで簡単に解除され、眼鏡レンズのそれぞれを取り外すことができる。
従って、小さなねじを回転させるねじ回しを常に眼鏡ケース内で手元に所有しておけば、2つ程の最小数のねじを外すことにより眼鏡レンズを異なる種類の眼鏡レンズに取替えが可能となる。なお、前記固定手段として、レンズ固定手段をブリッジ部の表面に突出するコの字形の止め部材から形成し、眼鏡のコーナ部の延長端を上記止め部材とブリッジ部の表面との隙間に挿通させることにより固定するように形成し、挿入方式のレンズ固定手段とすることもできる。この場合は、上記隙間にレンズのコーナ部の先端を挿入するだけでよい。さらに、前記固定手段を、レンズ枠の内周面に形成した係合凸状辺又は係合凹辺を眼鏡レンズの外周辺に対して所定の隙間を以って全周に亘り係合するように形成して固定手段とすることもできる。
これにより、複数種類のレンズへの取替え可能な形式の眼鏡が得られる。眼鏡レンズは偏光レンズを使用している場合、薄黄色又は薄茶色に着色されて見えるが、その偏光状態を種々選択することによりレンズの色は種々に変化する。また、眼鏡レンズを複数枚眼鏡ケースに用意しておけば、眼鏡の使用状態によってレンズの種類を使い分けすることができる。使用する時と場所によって眼鏡レンズの種類を多様に使い分けすることができるようになる。このためには、レンズ枠と、複数種類の眼鏡レンズのそれぞれの種類毎のコストが安価で、かつ取替えが簡単である必要がある。
しかし、レンズ枠は射出成形により簡単に一体成形され、また眼鏡レンズは、大略の外周形状を砥石によるグラインダにより研削加工し、さらに眼鏡レンズの各コーナ部はエンドミルによる精細な加工を施すことにより、外周面は平面状、又は鏡面状に形成しており、その外周面には従来の眼鏡レンズのようにヤゲン加工による溝、凸部の複雑な端面加工面が施されていない。このため、全体のコストは安価に製作できる。また、上記レンズ固定手段を使用するため、取替え作業も簡単になる。従って、従来の眼鏡では、複数枚の眼鏡レンズを揃えておき、時と場所に応じて1つのレンズ枠に対して複数種類の眼鏡レンズを取り替えて使用できるという新しい使用方法を提案することとなる。
この発明の眼鏡のレンズ歪防止構造は、左右両眼の眼鏡レンズに対し一体形状のレンズ枠を備え、眼鏡レンズは中央側の側辺を幅方向に拡大し、かつ上辺と側辺の交差部を中央ブリッジ位置までコーナ部として延長し、このコーナ部の下辺に逆円弧状曲線部を形成してその端に延長端を形成し、このコーナ部の延長端又は眼鏡レンズ外周を眼鏡レンズに歪を生じない固定手段によりレンズ枠に対して固定するように構成したから、左右の度付きの眼鏡レンズに対して眼鏡レンズに歪を生じることなくレンズ枠に対して装着、固定し、眼鏡レンズでそれぞれの中央寄りのレンズコーナ部を含むレンズ側辺の幅を広げて視野を拡大することができる眼鏡のレンズ歪防止構造を得ることが出来るという利点が得られる。
また、上記構成において、中央のブリッジ位置に左右の眼鏡レンズを着脱自在に固定するレンズ固定手段をレンズ枠と一体の構成として設け、眼鏡レンズは中央側の上辺と側辺の交差部を中央ブリッジ位置までコーナ部として延長して形成し、このコーナ部の延長端をレンズ固定手段により固定する、或いはレンズ枠の内周面に形成した係合凸状辺又は係合凹辺を眼鏡レンズの外周辺に対して所定の隙間を以って全周に亘り係合する眼鏡レンズの歪防止構造とすると、左右の度付きの眼鏡レンズでそれぞれの中央寄りのレンズコーナ部の視野を拡大し、眼鏡レンズに対して歪を生じることなくレンズ枠に対して着脱自在に眼鏡レンズを装着することができ、しかも複数種類の眼鏡レンズを時と場所に応じて使い分けることができるという利点が得られる。
以下、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態の眼鏡のレンズ歪防止構造A1の前面側から見た外観斜視図、図2の(a)図は正面図、(b)図は背面図、図3は後ろ側から見た外観斜視図である。図示のように、この眼鏡のレンズ歪防止構造A1は、処方度数を有する度付きの1対の眼鏡レンズ1、1(遠視、近視、老眼のいずれか)を有する一般的な眼鏡を対象(処方度数を有する度付きのレンズを対象とすることは、後述する他の実施形態でも同じである)とし、従来の度付きの眼鏡レンズ1、1のレンズ枠2と異なり、レンズ枠2の中央のブリッジ部2B位置にレンズ固定手段3を備えている。レンズ枠2は、図示の例では、合成樹脂のフレームを左右の度付きの1対の眼鏡レンズ1、1に対して一体成形したものであり、智部4、4の端にそれぞれ備えた蝶番5から顔の後ろへ延びるテンプル6と、その先端にモダン部7と、鼻に当る部分を支持するためのパッド8を備えている。9は装飾マーク、10は外側のレンズ外れ止めである。
この眼鏡は、後述するように、レンズ枠に眼鏡レンズ1、1を強制的に嵌合することにより生じる歪を防止しながらレンズ枠2に眼鏡レンズ1、1を安定して固定し、かつメガネ中央位置でのレンズ幅を広げて視野の拡大を実現したものである。上記度付きの1対の眼鏡レンズ1、1は、従来の眼鏡レンズが、上辺が下辺より少し長い円い曲線部を連ねた
略台形状(玉形)で、上下辺、両側辺のいずれも緩やかな円弧状の曲線状、かつ中央寄りの上辺と側辺が交叉するコーナ部を丸い曲線状として形成されているのに対して、この例では上記コーナ部がレンズ枠2の中央のブリッジ部2Bの位置まで延び、蝶結びのリボン羽根の基部のような形状のコーナ部1a、1aとし、かつコーナ部1aの下辺に逆円弧状曲線部1rを形成してその端に延長端1bを形成し、眼鏡レンズ1、1の両方の逆円弧状曲線部1rを連ねて全体としてアーチ状円弧部を形成し、これにより中央側の側辺1sが従来の眼鏡より格段に広がり、このためレンズ幅が広く、視野が広い眼鏡として形成されている。このコーナ部1a、1aのそれぞれの延長端1bは、度付きの1対の眼鏡レンズ1、1のそれぞれの端が互いに突合せとなる位置1eまで延びている。
なお、眼鏡レンズ1、1の上記各コーナ部1a以外の外周形状の上辺1u、下辺1d、側辺1s(内側)、1t(外側)の形状は、この例では後述するように、コーナ部1a、1aを含んで外周全体がエンドミルにより切削加工されて形成されている。レンズ枠2は、図示の例では、左右1対の眼鏡レンズ1、1の外周の全周を一体形の枠材で囲んだフルリムフレーム形状であり、かつ材質として合成樹脂製のプラスチック材を用い、中央位置のブリッジ部2B、智部4を含めて左右1対の眼鏡レンズ1、1に対応した一体形状に成形され、ブリッジ部2Bの位置では枠部材の上辺と眼鏡レンズ1、1の内側の側辺1s、1sに沿った枠部材の上端が上辺と所定の距離を置いて水平に連続して形成されている。又、図示の眼鏡レンズ1、1は、レンズ枠2の曲率が6カーブ程度とされるのに対し、これと異なる曲率が4カーブ程度のカーブ数に形成されている。
このレンズ枠2は、その枠内側のサイズが、眼鏡レンズ1、1の各側辺1tを除いて他の外周辺は全て眼鏡レンズ1、1の外周形状と一致、又はほぼ一致する形状とされているが、レンズ枠2に対して締まり嵌め状に締め付けて嵌合するほどにタイトな嵌合状態ではなく、目視できないほどの極僅かな隙間(ミクロン〜ミリ単位)を以って嵌合し、かつ眼鏡レンズ1、1がレンズ枠2内に眼鏡レンズ1、1中央から眼鏡中央位置側では面一の状態に嵌合されている(但し、眼鏡レンズ1、1中央から外側ではレンズ表面が少しレンズ枠2より外側にせり出している)。また、側辺1tの辺においては、レンズ枠2の方が眼鏡レンズ1、1の外周より僅かに小さく形成され、眼鏡レンズ1、1の外側がこの辺ではレンズ枠2より外側にはみ出して少しオーバーラップし、互いに少し重なるように設計されている。また、レンズ枠2の側方の智部4、4の形状は、レンズ枠2全体のデザインの斬新性を考慮して通常より大きめの広がりを有する形状に形成されている。
なお、このレンズ枠2のフレーム厚さは、サングラス風のデザイン性を強調するため、硬質の薄い板厚2mm程度の弾力性のあるプラスチック材が使用されており、一般的なプラスチックの射出成型の製法により形成されている。ただし、板厚についてはレンズ枠2のデザインにより種々変更することができる。また、レンズ枠2の材質はプラスチックに限らず、金・チタン合金・ニッケル合金など同一デザイン、形状のものが成形できれば、金属製のものを用いてもよい。レンズ固定手段3は、上記眼鏡レンズ1、1をレンズ枠2に固定するために、レンズ枠2の中央位置のブリッジ部2Bに固定して取り付けられている。このレンズ固定手段3は、表側の2つの固定ピース3aと、裏側に取り付けられる小さな枠形状の固定ピース3bとからなり、レンズ枠2の上下のブリッジと、この中央位置まで延びている眼鏡レンズ1のコーナ部1aに対して両者を挟むようにして固定される。
このレンズ固定手段3により眼鏡レンズ1、1の各コーナ部1aを締め付けて固定するだけで、眼鏡レンズ1、1を固定することができるが、安全性を考慮し、かつ安心感を与えるため、図示の例では眼鏡レンズの側辺1tの中間位置に対応して智部4、4の前面にそれぞれレンズ外れ止め10を設けている。智部4は、図示の例では、サングラス風のデザインとするために、後ろへ向かう側面を略三角状に大きく形成し、その外面の中央位置に装飾マーク9を取り付けている。この装飾マーク9の裏面に対応する位置にテンプル6の基部を顔の内側に向かって回転自在に取り付けるための蝶番5がねじにより固定されており、このねじは智部4の素材を貫通して装飾マーク9を固定することを兼ねて取り付けられている。
テンプル6は、側面視では直線状に、平面視では全体として頭の後方に向かって大きく湾曲しているが、テンプル6の半分から先端寄りの長さ部分のテンプルエンド11は略直線状に形成されている。このテンプルエンド11は、その長さ部分に山谷形状の複数個の凹凸部12(凸部分12a、谷部分12b)を形成し、このテンプルエンド11に山形形状のモダン7を取り付けて形成されている。モダン7は、その両端に弾力性のある素材で形成した環状リング13a、13aを有し、この環状リング13a、13a同士を柔軟な線状部材13bで下方に凸の山形に一体に連結して山形の形状変化自在に形成され、環状リング13aは、内部の孔をテンプルエンド11の山谷形状の谷部分12bに挿通、嵌合するように構成されている。
このようなテンプル6を備えているのは、モダン部長さを、大人や子供でもそれぞれの人の目から耳までのサイズに適合するように長さを自由に調整し得る構造とするためであり、テンプル6の直線状のテンプルエンド11を従来のように大きく曲げ加工することを必要とせず、テンプルエンド11とは別に設けたモダン7の形状を設けることにより耳介への装着時にフィッティング感が高く、新しいデザイン性を有するものとするためである。なお、上記テンプルエンド11のモダン7は、長さ調整構造を形成しており、この長さ調整構造によれば、その標準状態と緊張状態の異なる状態で使用することができる。
標準状態では、後方の環状リング13a(先端側)を最も後方の谷部分に嵌合させ、前方の環状リング13aを前方寄りの谷のうち前から数番目の谷に嵌合させた状態を標準状態とし、通常はこの状態が眼鏡を使用するのに最適な位置であり、線状部材13bの前方の曲がり部分が耳介の後方部分に接触して、耳に対する引っ掛かりを生じる。スポーツ等の運動をする際、或いは何らかの必要性から、眼鏡の着用状態を鼻に対して引き付けてしっかり安定させたい場合、上記長さ調整構造では、後方の環状リング13aを、その嵌合位置を数箇所程度の範囲内で前方に移動させ、線状部材13bの山形形状を急角度に変形させ、その山形形状の前面の耳介に対する接触圧を増加させる。また必要に応じてその深くなった山形形状の線状部材13bを全体に前方に移動させて耳介に対する当たりの度合いを強くする。
図4にレンズ固定手段3の拡大詳細図を示す。前述したように、レンズ固定手段3は、表側の2つの固定ピース3aと、裏側に取り付けられる小さな枠形状の固定ピース3bとからなるが、(a)図には裏面側から見た固定ピース3bの部分拡大正面図、(b)図に(a)図の矢視B−Bからの断面図を示している。図示のように、固定ピース3bは、実際の例では細い帯材で矩形状に囲むように形成された外形が略1cmの矩形状(図ではその一部を破断して示している)の部材であり、その4つのコーナ位置には小さなねじ3nがねじ孔に螺合され、このねじ3nにより表側の2つの固定ピース3a、3aと固定ピース3bを連結し、上記両固定ピース3a、3a〜3b間にレンズ枠2を挟むことにより1対の眼鏡レンズ1、1のそれぞれのコーナ部1aを固定している。
なお、表側の2つの固定ピース3a、3aはデザイン上縦長の凸片の形状としているが、両ピースを1つの形状で他のデザインを施した形状とすることも可能である。また、図2の(a)図に示すように、眼鏡レンズ1のコーナ部1aは、その延長端1bが中央の突合せとなる位置1eまで延びて突合せ状に形成されている。但し、延長端1bを突合せ形状とすることは必須の条件ではなく、延長端1bがこのレンズ固定手段3により固定できるほど十分延びていればよい。そして、上記1対の眼鏡レンズ1、1のそれぞれのコーナ部1aの表側面には、図2の(b)図の一部拡大図に示すように、延長端1bの中間位置付近に1本の浅い縦溝1xがそれぞれ形成され、締結時に固定ピース3bに対向する固定ピース3a、3aの対向面に凸条片3x、3xがそれぞれ形成されている。
従って、固定ピース3a、3aと3bで挟持してコーナ部1aを固定する際に、この凸条片3xが縦溝1xに嵌合することにより1対の眼鏡レンズ1、1のそれぞれのコーナ部1aは上記レンズ固定手段3によりレンズ枠2に対してしっかりと固定される。また、上記固定ピース3bの細い枠材の厚さはレンズ枠2より厚く形成されているが、これはこの固定ピース3bの下辺の両側の端から下方へ延びる棒状片3cにパッド8を被せて装着するためである。即ち、棒状片3cは、レンズ枠2の中央側の側辺が中央位置のブリッジ部2Bから傾斜状に延びる辺とほぼ並行に取り付けるように形成されている。これは、パッド8を取り付ける際にレンズ枠2との間に着脱操作するための隙間を設けておく必要があるからである。
又、棒状片3cは固定ピース3bと同じ材質、一体形状に、かつ固定ピース3bの下辺の両側の端から下方へ延びる棒状体として形成され、パッド8はゴム製である。このパッド8は柔軟性を有するが、やや硬めのゴム材を使用し、一端を閉じた中空状でかつ外形が鼻当てに適する略楕円形とされ、鼻に当る部分は鼻の形状に適する曲線状に成形されている。このパッド8を棒状片3cに対して装着する時には、パッド8の開放状の端から上記棒状片3cに差込んで固定される。従って、パッド8が汚れると、このパッド8だけを棒状片3cから引き抜き、付着した汚れを拭き取ることができる。
図4の(c)図、(d)図にレンズ固定手段3の変形例を示す。この例では、眼鏡レンズ1、1のコーナ部1aの延長端1bの裏面に縦溝1xを形成し、この縦溝1xに対応する凸条片3x、3xを固定ピース3b’のレンズ枠2に対向する面に形成し、上記実施形態と反対方向(裏側)から眼鏡レンズ1、1を固定ピース3b’により締結して固定する例を示している。この場合、表側の2つの固定ピース3a’は上記実施形態の固定ピース3aと外観形状は同じであるが、凸条片3x、3xが裏面に設けられていない点が異なるが、眼鏡レンズ1、1を固定ピース3b’との間に締め付けて固定できるものであれば、上記形状以外のものでも良い。固定ピース3b’の形状は上記実施形態の固定ピース3bと基本的には同じ形状とし、裏面に凸条片3x、3xが形成されている点が異なる。固定する際には、小さなねじ3nを固定ピース3b’の4箇所の角位置の孔に挿通させ、レンズ枠2のねじ孔3pを通り、固定ピース3a’、3a’に螺合して固定される。以上のレンズ固定手段3のいずれを用いても良い。
上記の構成とした第1実施形態の眼鏡のレンズ歪防止構造A1では、上述したように、1対の眼鏡レンズ1、1は中央側の側辺1s、1sを幅方向に拡大し、かつ中央ブリッジ位置まで延長したコーナ部1aの下辺に逆円弧状曲線部1rを形成してその端に延長端1bを形成し、眼鏡レンズ1、1の両方の逆円弧状曲線部1rを連ねて全体としてアーチ状円弧部を形成し、このコーナ部1aの延長端1bを眼鏡レンズ1、1に歪を生じないレンズ固定手段3によりレンズ枠2に対して固定するようにしたから、左右両眼の視野がコーナ部1aと眼鏡レンズ1、1の中央側の側辺1s、1sの広がりにより、従来の一般形状の眼鏡より格段に広がり、左右両眼の前面を一体のレンズフレームにより形成したサングラス風の広い視野、形状の眼鏡が得られる。
この眼鏡レンズ1、1はレンズ固定手段3によりそれぞれのコーナ部1aの延長端1bを固定するだけで固定できるため、従来の眼鏡のようにレンズ枠でレンズ外周のヤゲン加工による凸部、凹部を締め付けて固定する必要はないが、実際の眼鏡としては外部からの予測できない衝突、打撃等の万一の事故を予測すると、反対側端にレンズ外れ止め10を設けておくのが好ましい。上記逆円弧状曲線部1rを形成することにより眼鏡レンズ1、1の視野が広くなるのは、図10の(a)図に示すように、従来の眼鏡レンズでは中央側の側辺1s’、1s’が内側に中心点を有する円弧曲線を連ねた形状であり(一点鎖線で示す)、これに対して上記側辺1s、1sの幅が広く形成され、かつコーナ部1aとその延長部1bを有することから理解される。このような視野の広がりは、展望台から広く景色が見えるが如くに広がりを持つ。なお、この眼鏡レンズ1、1の視野の広がりは、後述する第2実施形態の眼鏡レンズ1’、1’の場合も、図10の(b)図に示すように、同様に得ることが出来る。
また、上記眼鏡レンズの歪防止構造A1は、上記逆円弧状曲線部1rを形成することを可能としたことにより、コーナ部1aの延長部1bが形成でき、眼鏡レンズ1、1をレンズ固定手段3で眼鏡中央のブリッジ部2Bの位置で固定できることとなり、眼鏡レンズ1、1に歪を生じない固定手段でレンズ枠2に固定することができるのである。1対の眼鏡レンズ1、1に対して、そのコーナ部1aの延長部1bの裏面を固定する固定ピース3bの縦方向片側の2つのねじのうち少なくとも上下いずれかの1つを外すことにより眼鏡レンズ1、1のコーナ部1aの延長部1bに対する締め付けが簡単に解除され、眼鏡レンズ1、1のそれぞれを取り外すことができる。従って、小さなねじ3nを回転させるねじ回しを常に眼鏡ケース内で手元に所有しておけば、2つのねじ3nを外すことにより眼鏡レンズ1、1を異なる種類の眼鏡レンズに取替えが可能となる。従って、複数種類のレンズへの取替え可能な形式の眼鏡が得られる。
なお、図示の眼鏡レンズは偏光レンズを使用しているため、薄黄色又は薄茶色に着色されて見えるが、その偏光状態を種々選択することによりレンズの色は種々に変化する。また、眼鏡レンズ1、1を複数枚眼鏡ケースに用意しておけば、眼鏡の使用状態によってレンズの種類を使い分けすることができる。例えば疲れたときにリラックスすることができるのに適した青色系に着色されたレンズ、パソコン等を使用する際の目の疲れを軽減する偏光レンズ、外出する際には無着色のレンズ、パーティなどでは少し黒いサングラス風のレンズというように、使用する時と場所によって眼鏡レンズの種類を多様に使い分けすることができるようになる。このためには、レンズ枠2と、複数種類の眼鏡レンズ1、1のそれぞれの種類毎のコストが安価で、かつ取替えが簡単である必要がある。
しかし、レンズ枠2は、射出成形により簡単に一体成形され、また後述するように、この実施形態の眼鏡レンズ1、1は、大略の外周形状を砥石によるグラインダにより研削加工し、さらに眼鏡レンズ1、1の各コーナ部1aはエンドミルによる精細な加工を施すことにより、外周面は平面状、又は鏡面状に形成しており、その外周面には従来の眼鏡レンズのようにヤゲン加工による溝、凸部の複雑な端面加工面が施されていない。このため、全体のコストは安価に製作できる。ただし、外周面が鋭い切削エッジが形成されたままでは着脱時の取り扱いに不都合が生じるため、取り扱い時に人の手に傷を生じない程度の極僅かな端面加工を施している。
また、上記レンズ固定手段3を使用するため、取替え作業も簡単になる。従って、従来の眼鏡では、複数枚の眼鏡レンズを揃えておき、時と場所に応じて1つのレンズ枠2に対して複数種類の眼鏡レンズ1、1を取り替えて使用するという使用方法を提案することとなり、これは従来から1つのレンズ枠2に対して眼鏡レンズは1種類のものを使用するという習慣を覆すことなる。なお、上述したように、レンズ枠2は、その枠内側のサイズが、眼鏡レンズ1の側辺1tを除いて他の外周辺は全て眼鏡レンズ1の外形形状と一致、又はほぼ一致する形状とされている。
このため、眼鏡レンズ1をレンズ枠2内に嵌めこんでレンズ固定手段3によりコーナ部1aを固定して組み立てた状態では、眼鏡レンズ1とレンズ枠2の外側面は面一(前述したように眼鏡レンズの中央から眼鏡中央寄り位置で)の状態で、安定して固定される。但し、側辺1tの辺においては、対応するレンズ枠2の側辺が眼鏡レンズ1の外周より僅かに小さく形成され、眼鏡レンズ1の外側がこの側辺ではレンズ枠2より外側にはみ出して重なり、少しオーバーラップするように設計されている。これは眼鏡レンズ1を曲面形状に設計する際の制約と、レンズに歪を生じないようにレンズ枠2に固定するための制約及び、例えば図示のレンズ枠2のように、レンズ枠2に大きな曲面を形成するというような新しいデザイン性を施す形状設計の展開にずれがあり、この実施例の眼鏡ではそのずれを逆に新デザインとしても利用しているからである。
このような形状を採用することにより、眼鏡レンズ1の曲面形状的な設計上の制約、レンズ枠に固定する際の制約からレンズ枠2のデザイン設計を切り離して、レンズ枠2のデザイン性を活かした自由な設計ができ、度付きの1対の眼鏡レンズ1、1を有する一般的な眼鏡であっても、図示のようなレンズ枠2にサングラス風の斬新なデザインを施すことが可能となるのである。なお、上記実施形態では眼鏡レンズ1、1は度付きレンズを使用することを前提として説明したが、レンズは必ずしも度付きレンズでなくてもよく、単に透明なプラスチック又はガラスのレンズを使用してもよい。また、テンプルエンド11の材質は、レンズ枠2と同じプラスチックとしているが、上記金・チタン合金・ニッケル合金などの金属製の材料を使用してもよい。
図5の(a)図に第2実施形態の眼鏡レンズの歪防止構造A2の外観斜視図を示す。この実施形態の眼鏡レンズの歪防止構造A2は、全体の印象がロイド眼鏡風の外観を与えるように形成されている。但し、この実施形態の説明では、各細部の部材形状、サイズはそれぞれ第1実施形態と少し異なるが、一部を除き、同一機能の部材に対しては同じ符号を使用する。この実施形態の眼鏡レンズの歪防止構造A2も、第1実施形態と同様に、レンズ枠2に眼鏡レンズ1’、1’を強制的に嵌合することにより生じる歪を防止しながらレンズ枠2に眼鏡レンズ1’、1’を安定して固定し、かつメガネ中央位置でのレンズ幅を広げて視野の拡大を実現したものである。
図5の(a)図に示すように、この例では度付きの眼鏡レンズ1’、1’はレンズ枠2に対して着脱自在の形式として設けられ、眼鏡中央のブリッジ部2Bの位置にはレンズ固定手段3がレンズ枠2と一体に、かつ同一材料で形成されている。レンズ枠2は第1実施形態と同様に、左右の眼鏡レンズ1’、1’に対して枠全体が一体で、フルリム形状として形成されている。そして、この実施形態では、前記固定手段として、レンズ固定手段3をブリッジ部2の表面に突出するコの字形の止め部材3a’、3a’から形成し、眼鏡のコーナ部1aの延長端1bを上記止め部材3a’、3a’とブリッジ部2の表面との隙間に挿通させることにより固定するようにしている。
この場合も、眼鏡レンズ1’、1’の中央側の側辺の上部にはコーナ部1a、1aを形成し、かつコーナ部1aの下辺に逆円弧状曲線部1rを形成してその端に延長端1bを形成し、眼鏡レンズ1、1の両方の逆円弧状曲線部1rを連ねて全体としてアーチ状円弧部を形成したことにより中央側の側辺1sの幅が従来より広がり、このためレンズ幅が広く、視野が広い眼鏡として形成されている。このコーナ部1a、1aのそれぞれの延長端1bは、度付きの1対の眼鏡レンズ1’、1’のそれぞれの端が互いに突合せとなる位置1eまで延びている。また、上記コーナ部1a、1aのそれぞれの延長端1bの下辺の逆円弧状曲線部1rは、眼鏡レンズ1’、1’の外側に円弧中心位置を有する円弧部として、エンドミルを用いて切削加工により形成される。なお、図示の眼鏡レンズ1’、1’は、レンズ枠2の曲率が4カーブ程度とされ、これに対応したカーブ数に形成されている。
眼鏡レンズ1’、1’は、それぞれ第1実施形態よりさらに上下の幅サイズが小さく、細長いデザイン形状とされている。図5の(b)図は、眼鏡レンズ1’、1’の裏面側からの外観斜視図(やや斜めから見た図)である。眼鏡レンズ1’、1’のコーナ部1a、延長端1bの形状は、ほぼ第1実施形態と同じであり、コーナ部1aの下辺に逆円弧状曲線部1rを形成してその端に延長端1bを形成したことにより中央側の側辺1sが従来より広がり、このためレンズ幅が広く、視野が広い眼鏡として形成されている。このコーナ部1a、1aのそれぞれの延長端1bは、度付きの1対の眼鏡レンズ1’、1’のそれぞれの端が互いに突合せとなる位置1eまで延びている点も同じである。上記コーナ部1a、1aのそれぞれの延長端1bの下辺の逆円弧状曲線部1rは、眼鏡レンズ1’、1’の外側に円弧中心位置を有する円弧部として、エンドミルを用いて切削加工により形成される。
延長端1bの外側の下記の枠辺1pの一部の形状が中央側の最外端で僅かな段状部1psに形成され、反対側の枠辺1pの端には切欠き1kが設けられ、レンズ外周がレンズ枠2の外周形状と同一又はほぼ同一に形成されている。ただし、第1実施形態のように、延長端1bに縦溝1xは設けられていない。眼鏡レンズ1’、1’の外側面、裏面は一般のレンズと同様な曲面状の度付きレンズとして形成され、裏面側の外周辺にレンズ枠2に装着するための枠辺1pが全周に連続する形状に形成されている。この枠辺1pは、その外形形状、湾曲状態がレンズ枠2の外形形状に沿った形状で、枠辺1pの幅1B’がレンズ枠2の枠幅1Bと同じ又はほぼ同じで、かつ全周に亘り所定の均等な厚さt(図示の例では約1.5mm)に形成されている。
従って、眼鏡レンズ1’、1’の実際の面積はレンズ外形形状からこの枠辺1pを除いた面積である。レンズ裏面側は、所定の度付きのレンズとするために外周の曲率が位置によって異なり、特に眼鏡外側位置ではレンズ厚さが大きくなる。しかし、枠辺1pをレンズ枠2の表面の曲率に沿って密着するように形成するため、枠辺1pの厚み部分は全周に亘って所定の厚さに切削加工されている。このため、図5の(b)図に示すように、枠辺1pの厚さ部分と眼鏡レンズ1’の端部の厚さ部分とが異なり、外観上は段状に形成されている。眼鏡レンズ1’、1’は、レンズ枠2に対して枠辺1pから段状に突出するレンズ部をレンズ枠2の内側辺内に密着状態に挿入して固定されるが、この場合レンズ枠2に対して締まり嵌め状に締め付けて嵌合するほどにタイトな嵌合状態ではなく、眼鏡レンズ1’、1’に歪が生じない程度に密着状に嵌合される。
レンズ枠2には、第1実施形態と同様に、中央のブリッジ部2Bの位置にレンズ固定手段3が一体形状に形成され、眼鏡レンズ1’、1’を着脱自在としている。図6、図7、図8に示すように、レンズ固定手段3は、この例では正面視で小さな四角形状に形成されたブリッジ部2Bと、その両側に側面視ではブリッジ部2Bの表面から突き出るように設けられたコの字形の止め部材3a’、3a’から形成されている。また、この場合は、智部4、4のレンズ外周面に接する側部に、上記眼鏡レンズ1’、1’の切欠き1k、1kに対応する形状の外れ止め10’が形成されている。但し、この外れ止め10’は上記智部4、4のレンズ外周面に接する側部の内面に形成されているため、眼鏡を顔に装着した時は外部からは見えない。
智部4、4には蝶番5、5を介してテンプル6がそれぞれ回転自在に取り付けられており、このテンプル6は新しいデザインの形態として、断面が縦長矩形状で耳の後ろへ向かって平面視、側面視のいずれの方向にも大きく湾曲した形状に形成され、かつその下部位置に沿って断面が円形状で細長い線状の補助線材6aが併設されている。テンプル6は、全長が大きく湾曲して形成されているため、テンプル6とモダン部7との境界線は明確ではないが、その中間から先端側の湾曲部がモダン部7である。また、図9に示すように、蝶番5の取り付け位置から眼鏡表側に突き出たテンプル先端部の内側には智部4、4の表面に形成された線状溝に嵌合する突起部が形成されており、眼鏡を顔に装着する時にテンプル6、6を開くと、この突起部が上記線状溝に係合してテンプル6を智部4、4に安定して係止することができる。
モダン部7の外側には、縦方向の浅い溝が複数個所形成されており、耳から外れ難いようにし、かつデザイン上のアクセントを付けている。端末部はテンプルエンド7aに対して直角に突き上げられ、テンプルエンド7aに形成された小孔に挿通されて形成されている。そして、この突き上げ部6bには、第1実施形態のテンプル7と同様に、山谷形状の複数個の凹凸部12(凸部分12a、谷部分12b)が形成されており、小孔に挿通して固定する位置を直角な角部を押し、引きして調整可能としている。山谷形状の複数個の凹凸部12(凸部分12a、谷部分12b)は、小孔に対して固めの嵌めあい状態で挿通されているため、上記直角な角部を押し、引きすることにより適宜位置に停止させることができる。
この突き上げ部6bを最も押し込んだ位置では補助線材6aはほぼテンプル6の下面と隙間がないほどに接近し、引き離すと補助線材6aをテンプル6の下面から適宜の隙間に設定でき、耳界に対して当接する位置を調節することによりレンズ枠2の角度、即ち眼鏡の目に対する傾斜角度を微小な角度範囲内で調整することができる。また、補助線材6aは、レンズ枠2と同じプラスチック材料が用いられており、径が小さいため柔らかいが適宜の弾力性があり、耳にテンプル6を掛けたときにその当たりを柔らかくすると共に、デザインの斬新性を付与している。なお、この例ではパッド8は、第1実施形態のようにレンズ固定手段3に一体に形成されているのではなく、レンズ枠2の側辺に棒状片3cが一体に形成され、この棒状片3cにパッド8を着脱自在に装着できる。棒状片3cは実際には下端が半円形状の膨出形状に形成されており、パッド8を装着すると、簡単には抜け落ちないようにしている。
上記の構成とした第2実施形態の眼鏡レンズの歪防止構造A2は、第1実施形態の眼鏡レンズの歪防止構造A1と同様に、眼鏡レンズ1’、1’のそれぞれの中央位置寄りにコーナ部1aを形成し、図8に示すように、その延長端1bをレンズ固定手段3に挿入して着脱自在に装着され、左右両眼の視野がコーナ部1aにより、従来の一般形状の眼鏡より格段に広がり、左右両眼の前面を一体のレンズフレームにより形成したロイド眼鏡風の広い視野、形状の眼鏡が得られる。即ち、眼鏡レンズの歪防止構造A2は、上述したように、1対の眼鏡レンズ1’、1’の中央側の側辺1s、1sを幅方向に拡大し、かつ中央ブリッジ位置まで延長したコーナ部1aの下辺に逆円弧状曲線部1rを形成してその端に延長端1bを形成し、眼鏡レンズ1’、1’の両方の逆円弧状曲線部1rを連ねて全体としてアーチ状円弧部を形成し、このコーナ部1aの延長端1bを眼鏡レンズ1’、1’に歪を生じないレンズ固定手段3によりレンズ枠2に対して固定するようにしている。
このため、左右両眼の視野がコーナ部1aと眼鏡レンズ1’、1’の中央側の側辺1s、1sの広がりにより、従来の一般形状の眼鏡より格段に広がり、左右両眼の前面を一体のレンズフレームにより形成したサングラス風の広い視野、形状の眼鏡が得られる。この場合、この眼鏡レンズ1’、1’はレンズ固定手段3によりそれぞれのコーナ部1aの延長端1bを固定すると共に、反対側端のレンズ外れ止め10’により固定されている。このような固定手段を採用することにより、外部からの予測できない衝突、打撃等の万一の事故に対応するようにしている。また、この実施形態では、レンズ固定手段3を着脱自在の形式としたから、眼鏡レンズ1’、1’を異なる種類の眼鏡レンズに着脱自在である。従って、複数種類のレンズへの取替え可能な形式の眼鏡が得られる。
なお、この例でも図示の眼鏡レンズは偏光レンズを使用しているため、薄黄色又は薄茶色に着色されて見えるが、その偏光状態を種々選択することによりレンズの色は種々に変化する。また、眼鏡レンズ1’、1’を複数枚眼鏡ケースに用意しておけば、眼鏡の使用状態によってレンズの種類を、使用する時と場所によって多様に使い分けすることができ、このためには、レンズ枠2と、複数種類の眼鏡レンズ1’、1’のそれぞれの種類毎のコストが安価で、かつ取替えが簡単である必要がある。しかし、この例でもレンズ枠2は、射出成形により簡単に一体成形され、この実施形態の眼鏡レンズ1’、1’は、大略の外周形状を砥石によるグラインダにより研削加工し、さらに眼鏡レンズ1’、1’の各コーナ部1aはエンドミルによる精細な加工を施すことにより、外周面は平面状、又は鏡面状に形成しており、その外周面には従来の眼鏡レンズのようにヤゲン加工による溝、凸部の複雑な端面加工面が施されていない。
このため、全体のコストは安価に製作できる。ただし、外周面が鋭い切削エッジが形成されたままでは着脱時の取り扱いに不都合が生じるため、取り扱い時に人の手に傷を生じない程度の極僅かな端面加工を施している。また、上記レンズ固定手段3を使用するため、取替え作業は、第1実施形態の場合よりもさらに簡単になる。従って、従来の眼鏡では、複数枚の眼鏡レンズを揃えておき、時と場所に応じて1つのレンズ枠2に対して複数種類の眼鏡レンズ1’、1’を取り替えて使用するという使用方法を提案することとなり、これは従来から1つのレンズ枠2に対して度付きの眼鏡レンズは1種類のものを使用するという習慣を覆すことなる。なお、上述したように、レンズ枠2は、その枠内側のサイズが、眼鏡レンズ1’の側辺1tを除いて他の外周辺は全て眼鏡レンズ1’の外形形状と一致、又はほぼ一致する形状とされている。
眼鏡レンズ1’、1’をレンズ枠2に装着する時は、レンズ枠2の端の智部4、4にレンズ端の切欠き1kをまず挿入してレンズ全体をレンズ枠2に当接させ、レンズ枠2の反対側の端をレンズ枠2の中央側のレンズ固定手段3のコの字形の止め部材3a’、3a’に当接させた状態で、強制的にレンズを押し付けると、レンズ枠2が弾性的であるため少し湾曲した状態でコの字形の止め部材3a’、3a’内に挿入される。一旦挿入されると、眼鏡レンズ1’、1’の枠辺1pの厚さ裏面がレンズ枠2に当接し、枠辺1pを除くレンズ部厚さ部がレンズ枠2の内法内に嵌り込んで密着状態で嵌め込まれる。従って、レンズ固定手段3と智部4、4への切欠き1kへの嵌合により眼鏡レンズ1’、1’はレンズ枠2に固定される。
反対に、レンズ枠2から眼鏡レンズ1’、1’を外すときには、コの字形の止め部材3a’、3a’からレンズのコーナ部1aを引き離すように眼鏡レンズの外側に向かって引っ張ると同時に、レンズ枠2の全体を少し湾曲させるようにすると、容易に外すことができる。なお、上記各実施形態の眼鏡レンズの歪防止構造A1、A2は、レンズ枠2がレンズの全周に沿う形状のものについて説明をしたが、レンズ枠2は実際には眼鏡レンズ1’、1’の下半分に対応する部分については、枠材は必ずしも必要がなく、ナイロンで下半分を吊り下げるいわゆるナイロールのように、レンズ枠を省略することができる。
図10に第1、第2実施形態の眼鏡レンズ1、1’の広がりについての従来例との比較図、図11に(a)第1実施形態の眼鏡レンズ1と、(b)第2実施形態の眼鏡レンズ1’の切削加工過程の形状を、図12にその加工方法を説明する概略図を示す。図10に示すように、レンズ素材42は円形状であり、前述したように、側辺1s、1sが点線で示す従来例のレンズより広く、視野が広いことが分かる。なお、図中の一点鎖線で示す基準線S0H、S0vは、グラインダにより加工が行われ、この基準線に基いてその後の加工が行われる。また、予め度付きレンズとしてその表面、裏面に必要な曲面加工が施されたものを、最終形状の眼鏡レンズ1と1’に加工する前の加工として、粗加工、細加工の工程を経て切削加工が行われるものとする。
この場合、粗加工された上記レンズL、L’は、図示しない砥石によるグラインダで行われ、上記眼鏡レンズ1と1’のコーナ部1a、延長端1b、切欠き1kを除く概略の形状に切削加工が行われる。次に、細加工は、図11に示すように、エンドミル40を用いて行われる。そして、図11に示すように(図示の例は第2実施形態のレンズ1’)、上記細加工を行う際には、粗加工されたレンズL、L’を曲面状の受け部材41上に吸引手段43による吸引力で固定し、切削工具としてエンドミル40を使用してコーナ部1a、延長端1b、切欠き1kを切削加工する。吸引手段43は図示しない吸引ポンプに接続されており、レンズL、L’を傷つけない範囲の吸引力で受け部材41に吸着して固定する。
この加工では、細加工の際に眼鏡レンズ1、1’の外周端面に鋭いエッジ部が生じないようわずかな糸面加工をするためにエンドミルの形状は少なくとも4種類以上の形状のエンドミル40c’、40c”等が使用される。図示のエンドミル40c’は、少し外周の刃面が曲線状のものが使用され、これ以外の形状のものとして、刃面の径が異なるものも種々使用されるが、詳細な形状は図示省略している。また、コーナ部に対しては、例えば眼鏡レンズ1’の切欠き1kの内側コーナ部は1.5mm半径の小さなエンドミル、段状部1psのコーナ部には半径0.5mmのエンドミルなどが使用される。なお、エンドミル40c”は、枠辺1pを切削するためのエンドミルである。エンドミルの刃先で切削加工するため、従来のグラインダではレンズ外周を円弧半径の中心がレンズ中心にある緩やかな円弧状の曲線を連ねた円形状にしか加工できなかったのに対して、上記コーナ部1a、延長端1b、切欠き1kのような小さな切削加工形状に対しても、細部の加工が可能となる。
図13に第3実施形態の眼鏡のレンズ歪防止構造A3の(a)概略図、(b)矢視B−Bの部分断面図、(b’)変形例の部分断面図、(c)矢視C−Cの部分断面図を示す。この実施形態の眼鏡のレンズ歪防止構造A3では、眼鏡中央に固定手段3を備えていない、又眼鏡レンズのレンズ枠2の眼鏡中央側の左右の側辺の上部がブリッジ部2Bで結合され、眼鏡レンズ1”、1”の外周の全周がレンズ枠2で囲まれて固定されている点が上記第1、第2の実施形態と異なる。眼鏡レンズ1”、1”の外形形状は、第1実施形態のレンズと基本的に同じであるが、図示の眼鏡レンズ1”、1”では、レンズ枠2の曲率が2カーブ程度とされ、これに対応したカーブ数に形成されている。同じ形状、機能の部材については同じ符号を付して説明を省略する。但し、(b)図又は(b’)図に示すように、眼鏡レンズ1”、1”の外周には凸部、又は凹部のヤゲン加工が施され、その凸又は凹部の形状に対応する凹又は凸部の断面を有するレンズ枠2によりレンズが保持、固定されている。
眼鏡レンズ1”、1”の中央側の外形形状は、上記逆円弧状曲線部1rを形成することにより成形が可能となったコーナ部1aの延長部1b、眼鏡レンズ1”、1”の両方の逆円弧状曲線部1rを連ねて全体としてアーチ状円弧部を形成したことを含めて第1実施形態の眼鏡レンズ1”、1”と同じ形状であるが、その外周辺には(b)図又は(b’)図の断面に示す凸又は凹の断面部が連続して形成されている。このため、中央のブリッジ部2B位置に固定手段3を設けることなく、上記凹凸形状の枠部材が固定手段として眼鏡レンズを保持、固定している。ブリッジ部2Bの断面は、(c)図に示すように、H型のものを示しているが、(b’)図の断面に対応する凸形の断面とすることもできる。智部4、4側には外れ止め10、10’も形成されておらず、智部4、4には蝶番5、5を介してテンプル6、モダン部7が接続されている。
上記構成の眼鏡のレンズ歪防止構造では、レンズ枠2の凹凸の断面部材が眼鏡レンズの外周を囲むことによりレンズ固定手段として機能することとなる。従って、この場合のレンズ枠2は眼鏡レンズ1”、1”の曲面形状に沿って変形したものでなければならない。眼鏡レンズ1”、1”の外側の曲率半径は、その眼鏡の種類によって種々の曲率半径に設定されるから、レンズ枠2の材質をプラスチックとし、眼鏡の種類に対応するレンズ枠2を選択するものとすれば、大略の曲率半径を眼鏡レンズ1”、1”とレンズ枠で同じ程度に設定できる。従って、その範囲内であれば眼鏡レンズ1”、1”の外周の全周に凹凸部を形成し、レンズ枠2の凹凸の断面部材を対応させてこれをレンズ固定手段とし、かつこのレンズ枠2の断面部材による歪を生じることなく眼鏡レンズを設計できることとなる。
ただし、上記眼鏡レンズ1”、1”の外周に凹凸の断面部材を全周に形成するのではなく、中央側よりの所定範囲内の外周にのみ凹凸の断面部材を形成し、かつ第1実施形態のように眼鏡レンズ1”、1”の外側よりの所定範囲では、レンズ枠2から眼鏡レンズがはみ出して互いにオーバーラップする形状とすることもできる。この場合は、中央寄り所定範囲内が、凹凸断面部材でレンズ枠2に係合されているが、眼鏡レンズ全体をレンズ枠に固定するためには外側位置に外れ止め10、又は10’を設ける必要がある。このような形式を採用すれば、第1、2実施形態のように眼鏡の中央位置にレンズ固定手段3を設けることなく眼鏡レンズ1”、1”を固定することができる。上記所定範囲内とは、例えば眼鏡レンズの幅方向(水平方向)の中央寄り1/3のレンズ枠2に凹凸断面を設け、この範囲より外側は凹凸断面を設けることなく、フラットに端面を切断する。
なお、上記各実施形態の例では、いずれの場合も智部4、4を備えた例を示したが、この智部4、4及び蝶番5、5は必ずしも備えていなくてもよく、屈曲自在なテンプル6、6の端がレンズ枠2の側方に直接連結され、これらの部材が省略される場合もある。又、眼鏡レンズ1、1’、1”はコーナ部1aを含めて中央側の側辺を幅方向に拡大し、このコーナ部1aの下辺に逆円弧状曲線部を形成してその端に延長端1bを形成し、このコーナ部1aの延長端1b又は眼鏡レンズ外周を眼鏡レンズに歪を生じない固定手段によりレンズ枠2に対して固定するようにしたが、この形状については各種の変形例が存在し得るものであり、従ってそれらの変形例はこの発明の趣旨の範囲内のものであれば全てこの発明の範囲に含まれる。
この発明の眼鏡のレンズ歪防止構造は、左右両眼の眼鏡レンズを装着する一体形状のレンズ枠を備え、眼鏡レンズは中央側の側辺を幅方向に拡大し、かつ上辺と側辺の交差部を中央ブリッジ位置まで延長して形成したコーナ部の下辺に逆円弧状曲線部を形成してその端に延長端を形成し、このコーナ部の延長端又は眼鏡レンズ外周を眼鏡レンズに歪を生じない固定手段によりレンズ枠に対して固定するようにしたものであり、左右の度付きの眼鏡レンズに対して歪を生じることなくレンズ枠に対して装着、固定し、眼鏡レンズでそれぞれの中央寄りのレンズコーナ部を含むレンズ側辺の幅を広げて視野を拡大することができる眼鏡のレンズ歪防止構造の眼鏡を提供し、広く眼鏡の製造分野で利用できる。
第1実施形態の眼鏡のレンズ歪防止構造の前面側から見た概観斜視図 同上の(a)正面図、(b)ブリッジ部の部分拡大図、(c)背面図 同上の後ろ側から見た外観斜視図 同上のレンズ固定手段の部分拡大図(a)部分背面拡大図、(b)矢視B−Bからの断面図、(c)ブリッジ部の分解斜視図、(d)同部分平面図 第2実施形態の眼鏡のレンズ歪防止構造の(a)前面側から見た概観斜視図、(b)眼鏡レンズの裏面の斜視図 同上のレンズ固定手段3の(a)部分正面拡大図、(b)部分背面拡大図、(c)眼鏡レンズの片側半分を含む眼鏡の部分平面図 同上の眼鏡の中央位置で断面した一部断面を含む内側側面図 同上のレンズ固定手段3付近の(a)眼鏡レンズを装着しない状態の部分拡大外観斜視図、(b)眼鏡レンズを装着した状態の部分拡大外観斜視図 同上の眼鏡の智部4を中心とする外観斜視図 従来の眼鏡レンズと本願発明の眼鏡レンズの中央側の側辺とコーナ部の視野拡大を説明する図 同上のレンズ加工工程におけるレンズ形状を説明する図((a)第1実施形態の眼鏡レンズ、(b)第2実施形態の眼鏡レンズ) 同上のレンズ加工工程の加工処理を説明する説明図 第3実施形態の眼鏡レンズを備えた眼鏡の(a)外観斜視図、(b)、(b’)(a)の矢視B−Bの部分断面図、(c)(a)の矢視C−Cの部分断面図
符号の説明
1、1’、1” 眼鏡レンズ
1a コーナ部
1b 延長端
1x 縦溝
1u 上辺
1d 下辺
1s、1t 側辺
1e 突合せとなる位置
枠幅
’ 幅
2 レンズ枠
2B ブリッジ部
3 レンズ固定手段
3a 固定ピース
3a’ コの字形の止め部材
3b 固定ピース
3c 棒状片
3n ねじ
3x 凸条片
4 智部
5 蝶番
6 テンプル
6a 補助線材
7 モダン部
7a テンプルエンド
8 パッド
9 装飾マーク
10,10’ 外れ止め
11 テンプルエンド
12 凹凸部
12a 凸部分
12b 谷部分
13a 環状リング
13b 線状部材
A1、A2、A3 眼鏡のレンズ歪防止構造
、L’レンズ

Claims (7)

  1. 左右両眼の眼鏡レンズ1、1’、1”と、この眼鏡レンズ1、1’、1”を装着する一体形状のレンズ枠2を備え、眼鏡レンズ1、1’、1”は中央側の側辺を幅方向に拡大し、かつ上辺と側辺の交差部を中央ブリッジ位置までコーナ部1aとして延長し、このコーナ部1aの下辺に逆円弧状曲線部を形成してその端に延長端1bを形成し、このコーナ部1aの延長端1b又は眼鏡レンズ外周を眼鏡レンズに歪を生じない固定手段によりレンズ枠2に対して固定するように構成した眼鏡のレンズ歪防止構造。
  2. 前記固定手段を、コーナ部1aの延長端1bを固定ピースで固定するレンズ固定手段3としたことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡のレンズ歪防止構造。
  3. 前記固定手段として、眼鏡のコーナ部1aの延長端1bに溝部1xを形成し、レンズ固定手段3をレンズ枠2のブリッジ部2に対向する表面に2つの固定ピース3aと、ブリッジ部2の裏面に枠形状の固定ピース3bを取り付けて形成し、許容しうる最小数のねじで両固定ピース3a、3bを締結することにより眼鏡レンズを挟持し、かつ固定ピース3aの裏面に形成した凸条片3xを上記溝部1xに嵌合することにより眼鏡レンズ1を固定するように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の眼鏡のレンズ歪防止構造。
  4. 前記固定手段として、レンズ固定手段3をブリッジ部2の表面に突出するコの字形の止め部材3a’、3a’から形成し、眼鏡のコーナ部1aの延長端1bを上記止め部材3a’、3a’とブリッジ部2の表面との隙間に挿通させることにより固定するように形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の眼鏡のレンズ歪防止構造。
  5. 前記眼鏡レンズ1、1’、1”の中央ブリッジ位置まで延長したコーナ部1aの延長端1bを互いに突合せ状1eに形成したことを特徴とする請求項3又は4に記載の眼鏡のレンズ歪防止構造。
  6. 前記レンズ固定手段3と反対側のレンズ枠2の側片に眼鏡レンズ1、1’の外れ止め10、10’を設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の眼鏡のレンズ歪防止構造。
  7. 前記固定手段を、レンズ枠2の内周面に形成した係合凸状辺又は係合凹辺を眼鏡レンズの外周辺に対して所定の隙間を以って全周に亘り係合するように形成して固定手段としたことを特徴とする請求項1に記載の眼鏡のレンズ歪防止構造。
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