JP2009042059A - センサ組立体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センサ組立体10は、面方向に対して直交する荷重入力に対応して電気信号を出力する上下のセンサ素子47,48が備えられている。上下のセンサ素子47,48は、面方向に沿った感度方向に荷重が作用したとき感度が高く、非感度方向に荷重が作用したとき感度が低く抑えられる特性を有する。上下のセンサ素子47,48は、長尺方向が非感度方向に一致されている。
【選択図】図2
Description
バンパーカバーに荷重が作用した場合に、荷重がバンパーカバーを経て光ファイバに伝わり、伝わった荷重で光ファイバを変形させる。
光ファイバが変形することにより、光ファイバ内を通過する光量が変化し、変化した光量に基づいて衝突を検出する(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、衝突時の荷重が光ファイバから外れた部位に作用した場合に、作用した荷重でバンパーカバーのうち、光ファイバから外れた部位が変形することが考えられる。
このため、衝突時の荷重に対応させて光ファイバ(すなわち、センサ素子)を好適に変形させて、衝突時の荷重を精度よく検出することが難しい。
以下、発明の理解を容易にするために、所定方向を「感度方向」、所定方向に対して直交する方向を「非感度方向」という。
一方、圧電素子で荷重入力を精度よく検出するためには、圧電素子の面方向に対して直交する方向に荷重が作用して圧電素子を圧迫/押圧したとき、この圧迫/押圧で発生した電気信号のみを検出することが好ましい。
そこで、請求項1において、圧電素子の長尺方向を非感度方向に一致させた。
よって、圧電素子の感度方向を長尺物の長手方向に合わせた場合、圧電素子の感度方向に荷重が作用した状態になり電気信号を出力してしまう。
そこで、請求項2において、圧電素子を長尺物に備える際に、長尺物の長手方向に圧電素子の長尺方向(すなわち、非感度方向)を一致させた。
これにより、圧電素子の面方向に対して直交する方向に荷重が作用して圧電素子を圧迫/押圧したとき、この圧迫/押圧で発生した電気信号のみを検出することが可能になり、衝突時の荷重を精度よく検出することができる。
よって、圧電素子の面方向に対して直交する方向に荷重が作用して圧電素子を圧迫/押圧した際に、長尺物に倣って圧電素子が湾曲変形した場合でも、この圧迫/押圧で発生した電気信号のみを検出することが可能になり、衝突により発生した荷重を精度よく検出することができる。
センサ組立体10は、左右のフロントサイドフレーム11,12に取り付けられたフロントバンパービーム13と、フロントバンパービーム13に取り付けられた第1部材14と、第1部材14およびフロントバンパービーム13間に配置された第2部材15と、第2部材15に支持されたセンサ素子ユニット16とを備える。
フロントバンパービーム13は、断面略日字状に形成され、車体幅方向に延出された中央部21と、中央部21の左端に設けられた左傾斜部22と、中央部21の右端に設けられた右傾斜部23とを備えた長尺物である。
また、フロントバンパービーム13の前壁25のうち、上辺近傍に、複数の上係止孔28が所定間隔をおいて形成されている。
さらに、フロントバンパービーム13の前壁25のうち、下辺近傍に、複数の下係止孔29が所定間隔をおいて形成されている。
なお、挿通部33、上下の取付部34…,35…および上下の荷重伝達部36,37については図3〜図4で詳しく説明する。
この第2部材15は、例えば、両面接着テープ(図示せず)でフロントバンパービーム13の前壁25に接着(支持)されている。
第2部材15は、上辺に上張出片42と、下辺に下張出片43と、上下の張出片42,43間にセンサ支持面44とを備える。
センサ支持面44は、センサ素子ユニット16を支持する面である。
なお、位置決孔41については図3〜図4で詳しく説明する。
上下のセンサ素子47,48は、横方向に延出された帯状(長尺状)の素子である。
このセンサ素子ユニット16は、例えば、両面接着テープ(図示せず)で第2部材15のセンサ支持面44に接着(支持)されることで、第2部材15を介してフロントバンパービーム13に備えられている。
第2部材15は、表面15bの上下方向中央にボス53…(図2も参照)が所定間隔をおいて形成され、ボス53…にそれぞれ位置決孔41が形成されている。複数の位置決孔41は貫通孔である。
第2部材15の表面15bのうち、上下の張出片42,43間にセンサ支持面44が形成されている。センサ支持面44の高さ寸法はH1である。
ラミネート46の上辺46aの近傍に上センサ素子47が埋設されている。上センサ素子47は、挿通部33の上側に設けられている。
ラミネート46の下辺46bの近傍に下センサ素子48が埋設されている。下センサ素子48は、挿通部33の下側に設けられている。
これにより、入力(作用)した荷重に対応する電気信号を出力することができる。
なお、上下のセンサ素子47,48については、図5(a),(b)で上センサ素子47を例示して詳しく説明する。
これにより、センサ素子ユニット16は、複数のボス53によって所定位置に位置決めされている。
これにより、センサ素子ユニット16を、第2部材15に対して所定位置により確実に位置決めすることができる。
第1部材14の上取付部34は、ビームカバー31の裏面31aにおいて、上辺31bの近傍から車体後方に向けて延びた弾性変形可能な係止部材である。
上取付部34は、突片55の先端部に係止爪56が上向きに設けられている。
係止爪56は、フロントバンパービーム13の上係止孔28の周縁に係止することで、突片55が上係止孔28から車体前方に向けて抜け出すことを防ぐ部位である。
この上荷重伝達部36は、車体後方に向けて(すなわち、上センサ素子47に向けて)膨出された膨出部で、挿通部33の上方に設けられている。
詳しくは、上荷重伝達部36は、上取付部34および挿通部33の間に配置されている。
詳しくは、下荷重伝達部37は、下取付部35および挿通部33の間に配置されている。
以下、下荷重伝達部37の各構成部位に、上荷重伝達部36の構成部位と同じ符号を付して説明を省略する。
挿通部33は、第2部材15の位置決孔41に貫通可能で、かつ、フロントバンパービーム13の差込孔27に貫通可能な部材である。
これにより、上荷重伝達部36の当接面36aを上センサ素子47に対向させるとともに、下荷重伝達部37の当接面37aを下センサ素子48に対向させることができる。
なお、上下のセンサ素子47,48は同じセンサ素子なので、上センサ素子47について説明して下センサ素子48の説明を省略する。
図5(a)に示す上センサ素子47として、通常の圧電フィルムが用いられている。この圧電フィルムは、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)がある。
このPVDFは薄膜化が容易なので、センサ全体の薄型化・小型化を図ることができる。
一方、このPVDFは、面方向に沿った所定方向と直交する方向(d32方向)の変形においては、構造対称性が維持されるので双極子モーメントによる分極を生じないという特性を備えている。
面方向に沿った所定方向(d31方向)は、前述した「感度方向」である。
面方向に沿った所定方向と直交する方向(d32方向)は、前述した「非感度方向」である。
また、上センサ素子47は、感度方向に引張力が作用すると、双極子モーメントの変化による分極を生じて電圧(分極電圧)が発生する(感度が高い)。
一方、上センサ素子47は、非感度方向に引張力が作用しても、双極子モーメントによる分極を生じないので電圧(分極電圧)が発生しない(感度が低い)。
よって、センサ素子ユニット16の面方向に対して直交する方向に荷重が作用すると、左右の端部を支点(基準)にしてセンサ素子ユニット16の長手方向に対して直交する方向に湾曲変形する。
以下、センサ素子ユニット16の長手方向に対して直交する方向への湾曲変形を「長手方向変形」という。
長手方向変形した上センサ素子47は、変形前の上センサ素子47と比較して全長が長くなる。すなわち、上センサ素子47が長手方向変形した場合、上センサ素子47に非感度方向の引張力が作用することになる。
以下、センサ素子ユニット16の短手方向に対して直交する方向への湾曲変形を「短手方向変形」という。
すなわち、センサ素子ユニット16の面方向に対して直交する方向に荷重が作用した場合に、図5(a)に示す上センサ素子47は感度方向に引張力が作用しない状態を確保できる。
そこで、図5(a)に示す上センサ素子47の長尺方向を非感度方向に一致させた。
よって、上センサ素子47は、長尺方向に引張力F1が作用しても電圧を発生しないが、長尺方向に対して直交する方向(短手方向)に引張力F2が作用すると電圧が発生する。
よって、上センサ素子47の面方向に対して直交する方向に荷重が作用して上センサ素子47を圧迫/押圧した際に、センサ素子ユニット16に倣って上センサ素子47が湾曲変形した場合でも、この圧迫/押圧で発生した電気信号のみを検出することが可能になり、衝突により発生した荷重を精度よく検出することができる。
図6は本発明に係るセンサ組立体の第1部材に荷重が作用した例を説明する図である。
第1部材14に車体前方側から荷重F3が矢印の如く作用する。荷重F3は、上下のセンサ素子47,48の面方向に対して直交する荷重である。
ここで、上荷重伝達部36の当接面36aおよび下荷重伝達部37の当接面37aは、センサ素子ユニット16にそれぞれ当接している。
荷重F3の一部が矢印Aの如く上荷重伝達部36に伝わる。一方、荷重F3の残りが矢印Bの如く下荷重伝達部37に伝わる。
よって、上荷重伝達部36に伝わった荷重が上センサ素子47の面方向に対して直交する方向に作用して、上センサ素子47を良好に圧迫/押圧することができる。
これにより、荷重F3を上下のセンサ素子47,48に効率よく作用させることができる。
以下、上下のセンサ素子47,48のうち、上センサ素子47について説明して、下センサ素子48の説明を省略する。
(a)において、上下のセンサ素子47,48に荷重が作用することで、上下のセンサ素子47,48に押圧力を作用させることができる。
上下のセンサ素子47,48に荷重が作用することで、センサ素子ユニット16は、想像線で示すように、左右の端部16a,16bを支点(基準)にして車体後方に長手方向変形する。
一方、センサ素子ユニット16は、上下方向の寸法が短いので、上下の辺16c,16dを支点(基準)にして車体後方に短手方向変形しない。
長手方向変形した上センサ素子47は、変形前の上センサ素子47と比較して全長Lが長くなる。
これにより、上センサ素子47の面方向に対して直交する方向に作用して、上センサ素子47を圧迫/押圧する押圧力のみ、すなわち、衝突時の荷重のみを上センサ素子47で検出して電気信号として出力することができ、衝突時の荷重を精度よく検出することができる。
さらには、車両以外の長尺物に適用することも可能である。
Claims (2)
- 面方向に対して直交する荷重入力に対応して電気信号を出力する長尺状の圧電素子が備えられたセンサ組立体であって、
前記圧電素子は、
前記面方向に沿った所定方向に荷重が作用したとき感度が高く、前記所定方向に対して直交する方向に荷重が作用したとき感度が低く抑えられる特性を有し、
前記圧電素子の長尺方向を、前記所定方向に対して直交する方向に一致させたことを特徴とするセンサ組立体。 - 前記圧電素子は、ポリフッ化ビニリデン製の圧電フィルムが用いられ、
前記圧電素子を長尺物に備える際に、前記長尺物の長手方向に前記圧電素子の長尺方向を一致させたことを特徴とする請求項1記載のセンサ組立体。
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