JP2014190794A - 力検出装置、ロボット、電子部品搬送装置、および電子部品検査装置 - Google Patents

力検出装置、ロボット、電子部品搬送装置、および電子部品検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】組立てによる位置誤差を減らし精度を向上させた力検出装置、並びに該力検出装置を用いたロボット、電子部品搬送装置および電子部品検査装置を提供する
【解決手段】力検出装置100は、力を検出し、電荷を出力する素子10と、前記素子10が実装され、一面に第1の凹部21が形成された基板20と、第2面と、該第2面と表裏関係をなす第3面とを有し、第2面に形成された第1の凸部31と、第3面に形成された第2の凸部32とを含み、第1の凸部31が第1の凹部21に勘合されている第一プレート30と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、力検出装置、並びに該力検出装置を用いたロボット、電子部品搬送装置、および電子部品検査装置に関する。
従来、圧電材料を用いた力検出装置としては、例えば、特許文献1に示す力センサーなどが知られていた。特許文献1の図6に示されているように、信号を取り出す支持プレート3,4を、圧電素子1及び5で挟み、上記圧電素子を導力プレート6及び11で挟み、予荷重ねじ15により締結された測定素子を特許文献1のFig5で示すように導力プレート6を通じ複数配置し多軸を測定できるようにした力センサーが開示されている。
特開昭63−134929号公報
しかしながら、特許文献1の力センサーでは、多軸を測定する複数の素子(圧電素子、測定素子)を組み立てる際に、個別に素子を構造体に接着する必要があるが、個別の接着において位置ずれ、角度ずれなどの組立てバラツキが発生することにより多軸精度が悪化する虞があった。また、組み立てる際に、精度良く組み立てたとしても力センサーを別の構造体に組み付けるときに固定ずれなどが発生して組立て誤差が生じる虞があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る力検出装置は、外力に応じて電荷を出力する素子と、前記素子が実装され、一面に第1の凹部が形成された基板と、第2面と、前記第2面と表裏関係をなす第3面とを有し、前記第2面に形成された第1の凸部と、前記第3面に形成された第2の凸部とを含み、前記第1の凸部が前記第1の凹部に勘合されている第一プレートと、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、素子が実装された基板と、第一プレートとに形成された、第1の凸部と第1の凹部が勘合されていることで、基板と第一プレートとを精度よく、簡便に固定することができる。また、第1の凸部と第1の凹部を基準に素子の位置補正を行い、基板に実装することができるため、第一プレートと素子との接着位置精度を向上させることができる。したがって、高精度な測定ができる力検出装置を提供することができる。
[適用例2]上記適用例の力検出装置において、前記第一の凹部、前記第1の凸部、および前記第2の凸部は、それぞれ複数設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、第一の凹部、第一の凸部、および第二の凸部は、それぞれ複数設けられることで、勘合位置も複数個所となり位置決めが簡便かつ正確にできる。したがって、基板と第一プレートに対し、より精度良く簡便に固定することができる。
[適用例3]上記適用例の力検出装置において、前記第一プレートは、前記第2面に設けられている第2の凹部と、前記第3面に設けられている第3の凹部とを有し、前記第1の凸部は、前記第1の凹部に勘合されている第1のロッドで形成され、前記第2の凸部は、前記第3の凹部に勘合されている第2のロッドで形成されていることが好ましい。
本適用例によれば、第1の凸部は第1のロッドで、第2の凸部は第2のロッドで形成されていることで、第一のプレートと第1の凸部、および第2の凸部は一体で構成する必要がなくなる。したがって、第一のプレートの加工量が減少し、製造費用を安価とすることができる。また、別体で構成することで個別部品の精度を高めることができ、組立て精度が向上する。
[適用例4]上記適用例の力検出装置において、前記基板は、前記基板を貫通する第1貫通孔を有し、前記第一のプレートは、前記第一のプレートを貫通する第2貫通孔を有し、前記第2貫通孔には第3のロッドが勘合されており、前記第1の凸部および第2の凸部は、前記第2面および前記第3面から突出する前記第3のロッドによって形成されていることが好ましい。
本適用例によれば、基板に第1貫通孔、第一のプレートに第2貫通孔を有していることで、簡便な加工での製造が可能となる。また、第1の凸部および第2の凸部は第3のロッドによって形成されていることから、部品の加工精度バラツキを減らすことができる。
[適用例5]上記適用例の力検出装置において、前記第1の凸部、および前記第2の凸部は、突出方向に交差する断面が多角形状で形成されていることが好ましい。
本適用例によれば、第1の凸部、および第2の凸部が多角形状であることにより、勘合したとき単体でも位置を決めることができる。したがって、必要部品数を削減でき小型化かつ低価格にできる。
[適用例6]上記適用例の力検出装置において、前記第1の凸部、および前記第2の凸部は、突出方向に交差する断面が円形状で形成されていることが好ましい。
本適用例によれば、第1の凸部、および前記第2の凸部を円形状にすることで、形状精度を出すことができる。したがって、正確な組立てができ精度が向上する。
[適用例7]上記適用例の力検出装置において、前記素子に力を伝達する第二プレートを有し、前記第二プレートは、前記第1の凸部と空隙を有し、離間して設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、素子に力を伝達する第二プレートにより力検出装置の剛性が増加する。また、第二プレートにより測定可能領域が広がるため大きなものを測定することが可能になる。さらに、第1の凸部が第二プレートと離間しており、接していないことで、力が第1の凸部を通じ第一プレートに伝わることを防ぎ、高精度な測定が可能となる。
[適用例8]上記適用例の力検出装置において、前記素子は、複数設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、素子を複数持つことで出力値を大きくすることができる。それによって精度を向上させることができる。また、素子の測定軸を変更したものを複数実装することで複数方向の力を測定することができる。
[適用例9]上記適用例の力検出装置は、前記第1の凸部、または前記第2の凸部と、前記素子との位置関係を補正する処理装置を有することが好ましい。
本適用例によれば、第1の凸部、または第2の凸部を基準として素子との関係を処理装置で計算することで実装ズレがあっても正確な位置を保持することができる。したがって、測定の際に精度が向上する。
[適用例10]本適用例に係るロボットは、複数のアームを有し、隣り合う前記アームを回動自在に連結してなる少なくとも1つのアーム連結体と、前記アーム連結体の先端側に設けられたエンドエフェクタと、前記アーム連結体と前記エンドエフェクタの間に設けられ、前記エンドエフェクタに加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、前記力検出装置は、力を検出し、電荷を出力する素子と、前記素子が実装され、一面に第1の凹部が形成された基板と、第2面と、前記第2面と表裏関係をなす第3面とを有し、前記第2面に形成された第1の凸部と、前記第3面に形成された第2の凸部とを含み、前記第1の凸部が前記第1の凹部に勘合されている第一プレートと、を備え、前記アーム連結体もしくは前記エンドエフェクタに設けられた勘合部と、前記第2の凸部とが勘合されていることを特徴とする。
本適用例によれば、素子が実装された基板と、第一プレートとに形成された、第1の凸部と第1の凹部が勘合されていることで、基板と、第一プレートとを精度よく、簡便に固定することができる。また、第1の凸部と第1の凹部を基準にして素子を基板に実装することができるため、第一プレートと素子との接着位置精度を向上させることができる。また、第2の凸部が勘合部に勘合されているため、第2の凸部を基準に位置決めを行うことで、よりアーム連結体もしくはエンドエフェクタに対し正確な補正を行うことができる。
[適用例11]本適用例に係る電子部品搬送装置は、モーターと、前記モーターにより駆動され、電子部品を把持する把持部と、前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、前記力検出装置は、力を検出し、電荷を出力する素子と、前記素子が実装され、一面に第1の凹部が形成された基板と、第2面と、前記第2面と表裏関係をなす第3面とを有し、前記第2面に形成された第1の凸部と、前記第3面に形成された第2の凸部とを含み、前記第1の凸部が前記第1の凹部に勘合されている第一プレートと、を備え、前記把持部に設けられた勘合部と、前記第2の凸部とが勘合されていることを特徴とする。
本適用例によれば、素子が実装された基板と、第一プレートとに形成された、第1の凸部と第1の凹部が勘合されていることで、基板と、第一プレートとを精度よく、簡便に固定することができる。また、第1の凸部と第1の凹部を基準にして素子を基板に実装することができるため、第一プレートと素子との接着位置精度を向上させることができる。また、第2の凸部が勘合部に勘合されているため、第2の凸部を基準に位置決めを行うことで、より把持部に対し正確な補正を行うことができる。
[適用例12]本適用例に係る電子部品検査装置は、モーターと、前記モーターにより駆動され、電子部品を把持する把持部と、前記電子部品を検査する検査部と前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、前記力検出装置は、力を検出し、電荷を出力する素子と、力を検出し、電荷を出力する素子と、前記素子が実装され、一面に第1の凹部が形成された基板と、第2面と、前記第2面と表裏関係をなす第3面とを有し、前記第2面に形成された第1の凸部と、前記第3面に形成された第2の凸部とを含み、前記第1の凸部が前記第1の凹部に勘合されている第一プレートと、を備え、前記把持部に設けられた勘合部と、前記第2の凸部とが勘合されていることを特徴とする。
本適用例によれば、素子が実装された基板と、第一プレートとに形成された、第1の凸部と第1の凹部が勘合されていることで、基板と、第一プレートとを精度よく、簡便に固定することができる。また、第1の凸部と第1の凹部を基準にして素子を基板に実装することができるため、第一プレートと素子との接着位置精度を向上させることができる。また、第2の凸部が勘合部に勘合されているため、第2の凸部を基準に位置決めを行うことで、より把持部に対し正確な補正を行うことができる。
実施形態1に係る力検出装置の概略を示し、(a)は平面図、(b)は正断面図である。 実施形態1に使われる素子としての受圧素子の概略断面図である。 実施形態2に係る力検出装置の概略を示し、(a)は平面図、(b)は正断面図である。 実施形態2に使われるロッドの概略斜視図である。 実施形態3に係る力検出装置の概略斜視図である。 実施形態3に使われる素子としての受圧素子の概略正断面図である。 変形例1に係る力検出装置の概略を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。 実施形態4に係る単腕ロボットを示す概略斜視図である。 実施形態5に係る複腕ロボットを示す正面図である。 実施形態6に係る電子部品検査装置を示す概略斜視図である。 実施形態7に係る電子部品運搬装置を示す概略斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る力検出装置の概略を示し、(a)は平面図、(b)は正断面図である。図2は、実施形態1に係る素子としての受圧素子の概略断面図である。
まず、実施形態1に係る力検出装置100の概略構成について説明する。
図1に示すように、力検出装置100は、素子としての受圧素子10、基板20、第一のプレート30から構成されている。
〈受圧素子(素子)〉
図2に示す、外力に応じて電荷を出力する素子としての受圧素子10は、二つのグランド電極層11と、二つのグランド電極層11の間に設けられたセンサー12を有する。なお、グランド電極層11、およびセンサー12の積層方向をγ軸方向とし、γ軸方向に直交し且つ互いに直交する方向をそれぞれα軸方向、β軸方向としている。
図示の構成では、グランド電極層11と、センサー12は、等しい幅(図中の左右方向の長さ)を有しているが、本発明はこれに限られない。例えば、グランド電極層11の幅が、センサー12の幅より広くてもよいし、その逆に、グランド電極層11の幅が、センサー12の幅より狭くてもよい。
グランド電極層11は、グランド(基準電位点)に接地された電極である。グランド電極層11を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、金、チタニウム、アルミニウム、銅、鉄、クロムまたはこれらを含む合金が好ましい。これらの中でも特に、クロムや金といった材料をスパッタによって構成した鉄合金であるステンレスを用いるのが好ましい。ステンレスにより構成されたグランド電極層11は、薄くかつ優れた密着性を有すため高い耐久性を有する。
センサー12は、β軸に平行な外力(せん断力)に応じて電荷Qを出力する機能を有する。このセンサー12は、β軸の正方向に沿った外力に応じて正電荷を出力し、β軸の負方向に沿って加えられた外力に応じて負電荷を出力するよう構成されている。
センサー12は、第1の結晶軸CA1を有する第1の圧電体層121と、第1の圧電体層121と対向して設けられ、第2の結晶軸CA2を有する第2の圧電体層123と、第1の圧電体層121と第2の圧電体層123との間に設けられ、電荷Qを出力する出力電極層122と、を有する。
第1の圧電体層121はβ軸の負方向に配向した第1の結晶軸CA1を有する圧電体によって構成されている。第1の圧電体層121の表面に対し、β軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第1の圧電体層121内に電荷が誘起される。その結果、第1の圧電体層121の出力電極層122側表面近傍には正電荷が集まり、第1の圧電体層121のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第1の圧電体層121の表面に対し、β軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第1の圧電体層121の出力電極層122側表面近傍には負電荷が集まり、第1の圧電体層121のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第2の圧電体層123は、β軸の正方向に配向した第2の結晶軸CA2を有する圧電体によって構成されている。第2の圧電体層123の表面に対し、β軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第2の圧電体層123内に電荷が誘起される。その結果、第2の圧電体層123の出力電極層122側表面近傍には正電荷が集まり、第2の圧電体層123のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第2の圧電体層123の表面に対し、β軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第2の圧電体層123の出力電極層122側表面近傍には負電荷が集まり、第2の圧電体層123のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
このように、第1の圧電体層121の第1の結晶軸CA1は、第2の圧電体層123の第2の結晶軸CA2の方向と反対方向を向いている。これにより、第1の圧電体層121または第2の圧電体層123のいずれか一方のみと、出力電極層122によってセンサー12を構成する場合と比較して、出力電極層122近傍に集まる正電荷または負電荷を増加させることができる。その結果、出力電極層122から出力される電荷Qを増加させることができる。
なお、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123の構成材料としては、水晶、トパース、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O3)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等が挙げられる。これらの中でも特に、水晶が好ましい。水晶により構成された圧電体層は、広いダイナミックレンジ、高い剛性、高い固有振動数、高い対荷重性等の優れた特性を有するためである。また、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123のように、層の面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる圧電体層は、Yカット水晶により構成することができる。
出力電極層122は、第1の圧電体層121内および第2の圧電体層123内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qとして出力する機能を有する。前述のように、第1の圧電体層121の表面または第2の圧電体層123の表面にβ軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層122近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層122からは、正の電荷Qが出力される。一方、第1の圧電体層121の表面または第2の圧電体層123の表面にβ軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層122近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層122からは、負の電荷Qが出力される。
また、出力電極層122の幅(図中の左右方向の長さ)は、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123の幅以上であることが好ましい。出力電極層122の幅が、第1の圧電体層121または第2の圧電体層123よりも狭い場合、第1の圧電体層121または第2の圧電体層123の一部は出力電極層122と接しない。そのため、第1の圧電体層121または第2の圧電体層123に生じた電荷の一部を出力電極層122から出力できない場合がある。その結果、出力電極層122から出力される電荷Qが減少してしまう。
このように、受圧素子10は、上述したグランド電極層11と、センサー12を有することにより、β軸に平行な外力に応じて電荷Qを出力することができる。
なお、受圧素子10として、β軸に平行な外力(せん断力)に応じて電荷Qを出力する機能を有する例を説明したが、本発明はこれに限られない。第1の結晶軸CA1の配向方向が異なる第1の圧電体層121および第2の結晶軸CA2の配向方向が異なる第2の圧電体層123を用いることにより、α軸に平行な外力(せん断力)またはγ軸に平行な外力(圧縮力)に応じて電荷Qを出力する受圧素子10を構成することが可能である。このような場合も、本発明の範囲内である。
〈基板〉
図1に示す基板20は、上面には導電性接着剤22により受圧素子10が実装固定され、下面には第1の凹部としての凹部21が形成されている。また、基板20上には図示しない電極パターンが構成されており、受圧素子10の信号を取り出すことができる。なお、図1において受圧素子10が2つ設けられている例を示しているが、受圧素子10の数は限定されず、幾つであってもよい。
導電性接着剤22は、導電性樹脂、Agペースト、半田を用いることができる。
基板20に実装されるのは受圧素子10だけでなく、一般的な回路部品も可能である。例えば、積分回路を構成することで電荷を電圧に変換できるので外部にチャージアンプが不要になり、構成が簡便になる。
基板の材料は、一般的なガラス―エポキシ樹脂でもよいが、表面抵抗が高いテフロン(登録商標)基板だとなおよい。
基板に形成される凹部21は、ドリル等で加工される。
〈第一のプレート〉
図1に示す第一のプレート30は、基板20と向かい合う面(以下、第2面ともいう)の基板20の凹部21と勘合する位置に、第一の凸部31が形成されている。第2面と表裏関係となる面(以下、第3面ともいう)には第一の凸部31と面対称の位置に第二の凸部32が構成されている。
第一のプレート30の構成材料としては、硬い金属材料ならば何でも良い。SUS303などの鋼材であれば簡便かつ安価に入手できるので好ましい。
第一の凸部31、及び第二の凸部32は精度が必要なので削りだしにて加工される。
第一のプレート30と基板20は第一の凸部31と凹部21との勘合によって位置が決められる。この際、ずれないようにネジ(図示せず)によって基板20は第一のプレート30に固定される。
第二の凸部32は外部構造体(図示せず)との勘合に使われる。外部構造体と勘合することにより、力検出装置内の位置と外部構造体の位置が正確に決定され、組み立て時において精度の高い位置決めができる。また、位置ずれ、角度ずれなどの組立てバラツキが発生しにくく、補正がしやすい。
(実施形態2)
図3は、実施形態2に係る力検出装置の概略を示し、(a)は平面図、(b)は正断面図である。図4は、実施形態2に使われるロッドの形状を示す概略斜視図である。
本実施形態に係る力検出装置について、これらの図を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
実施形態2に係る力検出装置101の概略構成について説明する。
図3に示すように、力検出装置101は、素子としての受圧素子10、基板20、第一のプレート30、第二のプレート40、二つのロッド50で構成されている。受圧素子10は実施形態1と同じなので説明は省略する。
〈基板〉
図3に示す基板20は、厚み方向に貫通した二つの第一の穴22が構成されている。凹部ではなく貫通穴とすることで、有底の凹部と比較し加工の手間が低減している。本実施形態における第一の穴22が、第1の貫通孔に対応している。
〈第一のプレート〉
図3に示す第一のプレート30は、厚み方向に貫通した二つの第二の穴33が構成されている。これは、削りだしによる加工で凸部を形成するのではなく、穴と凸部を別体として形成することで部品の加工量を減らしコストの削減を行っている。本実施形態における第二の穴33が、第2の貫通孔に対応している。
〈第二のプレート〉
図3に示す第二のプレート40は受圧素子10へ力を伝える役割を果たす。第二のプレート40の一面が受圧素子10の面と向かい合い面接触するように組み立てられる。
第二のプレート40の構成材料としては、金属材料であれば良い。なお、第一のプレート30と同じ材料にしたほうが剛性や熱膨張がそろえられるので好ましい。
〈ロッド〉
図3に示すロッド50は、位置決めピンであり第一のプレート30の第二の穴33に勘合されている。第一のプレート30の第2面、および第3面より突出しているロッド50によって第一の凸部31、および第二の凸部32が形成される。本実施形態におけるロッド50が、第3のロッドに対応している。
図4に示すように、ロッド50は一方向に延在する棒状(ピン状)のものである。その延在方向に交差する断面視は、ロッド50aのように円形になっていても、ロッド50bのように多角形になっていてもよい。ロッド50は第一のプレート30の第二の穴33と、基板20の第一の穴22と、に勘合するように加工される。
ロッド50の構成材料としては、金属材料であれば良い。なお、第一のプレート30と同じ材料にしたほうが剛性や熱膨張がそろえられるので好ましい。
基板20と第一のプレート30はロッド50によって位置決めされ組み立てられる。これによって簡便に力加工装置の位置決め精度を出すことができる。この際、第二のプレート40に負荷された力が受圧素子10のみに伝わるように、第二のプレート40にロッド50が接触しないように、第二のプレート40とロッド50間に空隙を持つようにする。すなわち、第二のプレート40とロッド50とは、離間して設けられている。
第一のプレート30と第二のプレート40はネジ(図示せず)によって締結され、締結時の圧縮応力により受圧素子10に予め力が付与されている。これは引張方向の力を計測できるようにする為で、さらにせん断の力は摩擦力で伝達されるので垂直抗力の役割を果たす。
(実施形態3)
図5は、実施形態3に係る力検出装置の概略斜視図である。図6は、実施形態3に使われる外力に応じて電荷を出力する素子としての受圧素子の概略正断面図である。
本実施形態に係る力検出装置について、これらの図を参照して説明する。なお、上記実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
実施形態3に係る力検出装置103の概要構成について説明する。
図5に示すように、力検出装置103は、第一のプレート30と、4つの受圧素子10b(外力に応じて電荷を出力する素子)を実装した基板20と、がロッド50で位置決めされて組み付けられ、第二のプレート40で覆われて、4つの受圧素子10bに接続された演算部(図示せず)を有している。
<受圧素子による外圧の検出>
力検出装置103は、4つの受圧素子10bにより6軸(x、y、z軸方向の並進力成分およびx、y、z軸周りの回転力成分)の力成分を検出する機能を有する。
受圧素子10bは、互いに直交する3軸(α(X)軸、β(Y)軸、γ(Z)軸)に沿った外力を検出する機能を有する。図5に示すように、受圧素子10bは、第1のプレート30または第2のプレート40の周方向に沿って、等角度間隔に配置されていることが好ましく、第1のプレート30または第2のプレート40の中心点を中心とした同心円状に、等間隔に配置されていることがさらに好ましい。このように、受圧素子10bを配置することにより、偏りなく外力を検出することができる。
第1のプレート30および第2のプレート40の相対位置が互いにFx0方向にずれる外力が加えられた場合、各受圧素子10bは、それぞれ信号Fx1、Fx2、Fx3、Fx4を出力する。同様に、第1のプレート30および第2のプレート40の相対位置が互いにFy0方向にずれる外力が加えられた場合、各受圧素子10bは、それぞれ信号Fy1、Fy2、Fy3、Fy4を出力する。また、第1のプレート30および第2のプレート40の相対位置が互いにFz0方向にずれる外力が加えられた場合、各受圧素子10bは、それぞれ信号Fz1、Fz2、Fz3、Fz4を出力する。
また、第1のプレート30および第2のプレート40は、互いにx軸周りに回転する相対変位、y軸周りに回転する相対変位、およびz軸周りに回転する相対変位が可能であり、各回転に伴う外力を受圧素子10bに伝達することが可能である。
演算部は、各受圧素子10bから出力された信号に基づき、x軸方向の並進力成分Fx0、y軸方向の並進力成分Fy0、z軸方向の並進力成分Fz0、x軸周りの回転力成分Mx、y軸周りの回転力成分My、z軸周りの回転力成分Mzを演算する機能を有する。
各力成分は、以下の式により求めることができる。
Fx0=Fx1+Fx2+Fx3+Fx4
Fy0=Fy1+Fy2+Fy3+Fy4
Fz0=Fz1+Fz2+Fz3+Fz4
Mx=b×(Fz4−Fz2)
My=a×(Fz3−Fz1)
Mz=b×(Fx2−Fx4)+a×(Fy1−Fy3)
ここで、a、bは定数である。
このように、力検出装置103は、第1のプレート30、第2のプレート40、4つの受圧素子10bおよび演算部を有することにより、6軸の力成分(6軸力)を検出することができる。
また、4つの受圧素子10bを備えただけで、非常に単純な演算によって6軸力を求めることができるので、演算部を簡略化することができる。
なお、本実施形態の構成では、受圧素子10bの数は4つであるが、本発明はこれに限られない。力検出装置103は、少なくとも3つの受圧素子10bを有していれば、6軸の力成分を検出可能である。3つの受圧素子10bを有している場合、受圧素子10bの数が少ないので、力検出装置103を軽量化することができる。また、6つの受圧素子10bを有している場合、より高い精度で6軸力を検出することができる。
〈受圧素子による電荷の出力〉
受圧素子10bは、互いに直交する3軸に沿った外力のそれぞれに応じて3つの電荷Qx、Qy、Qzを出力する機能を有する。図6に示すように、受圧素子10bは、グランド(基準電位点)に接地された4つのグランド電極層11と、β軸に平行な外力(せん断力)に応じて電荷Qyを出力する第1のセンサー12と、γ軸に平行な外力(圧縮力)に応じて電荷Qzを出力する第2のセンサー13と、α軸に平行な外力(せん断力)に応じて電荷Qxを出力する第3のセンサー14とを有し、4つのグランド電極層11と、第1〜第3のセンサー12,13,14は交互に積層されている。なお、図6において、4つのグランド電極層11、および第1〜第3のセンサー12,13,14の積層方向をγ軸方向とし、γ軸方向に直交し且つ互いに直交する方向をそれぞれα軸方向、β軸方向としている。
受圧素子10bは、図中下側から、各グランド電極層11に挟まれるように第1のセンサー12、第2のセンサー13、第3のセンサー14の順で積層されているが、本発明はこれに限られず、第1〜第3のセンサー12,13,14の積層順は任意でもよい。
第1のセンサー12は、上述したようにβ軸に平行な外力(せん断力)に応じて電荷Qyを出力する機能を有する。第1のセンサー12は、実施形態1のセンサー12と同様の構造および機能を有している。
第2のセンサー13は、上述したようにγ軸に平行な外力(圧縮力)に応じて電荷Qzを出力する機能を有する。第2のセンサー13は、γ軸の正方向に沿った外力に応じて正電荷を出力し、γ軸の負方向に沿って加えられた外力に応じて負電荷を出力するよう構成されている。
第2のセンサー13は、第3の結晶軸CA3を有する第3の圧電体層131と、第3の圧電体層131と対向して設けられ、第4の結晶軸CA4を有する第4の圧電体層133と、第3の圧電体層131と第4の圧電体層133との間に設けられ、電荷Qzを出力する出力電極層132を有する。
第3の圧電体層131は、γ軸の正方向に配向した第3の結晶軸CA3を有する圧電体によって構成されている。第3の圧電体層131の表面に対し、γ軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第3の圧電体層131内に電荷が誘起される。その結果、第3の圧電体層131の出力電極層132側表面近傍には正電荷が集まり、第3の圧電体層131のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第3の圧電体層131の表面に対し、γ軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第3の圧電体層131の出力電極層132側表面近傍には負電荷が集まり、第3の圧電体層131のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第4の圧電体層133は、γ軸の負方向に配向した第4の結晶軸CA4を有する圧電体によって構成されている。第4の圧電体層133の表面に対し、γ軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第4の圧電体層133内に電荷が誘起される。その結果、第4の圧電体層133の出力電極層132側表面近傍には正電荷が集まり、第4の圧電体層133のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第4の圧電体層133の表面に対し、γ軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第4の圧電体層133の出力電極層132側表面近傍には負電荷が集まり、第4の圧電体層133のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第3の圧電体層131および第4の圧電体層133の構成材料としては、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123と同様の構成材料を用いることができる。また、第3の圧電体層131および第4の圧電体層133のように、層の面方向に垂直な外力(圧縮力)に対して電荷を生ずる圧電体層は、Xカット水晶により構成することができる。
出力電極層132は、第3の圧電体層131内および第4の圧電体層133内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qzとして出力する機能を有する。前述のように、第3の圧電体層131の表面または第4の圧電体層133の表面にγ軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層132近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層132からは、正の電荷Qzが出力される。一方、第3の圧電体層131の表面または第4の圧電体層133の表面にγ軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層132近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層132からは、負の電荷Qzが出力される。
第3のセンサー14は、α軸に平行な外力(せん断力)に応じて電荷Qxを出力する機能を有する。第3のセンサー14は、α軸の正方向に沿った外力に応じて正電荷を出力し、α軸の負方向に沿って加えられた外力に応じて負電荷を出力するよう構成されている。 第3のセンサー14は、第5の結晶軸CA5を有する第5の圧電体層141と、第5の圧電体層141と対向して設けられ、第6の結晶軸CA6を有する第6の圧電体層143と、第5の圧電体層141と第6の圧電体層143との間に設けられ、電荷Qxを出力する出力電極層142を有する。
第5の圧電体層141は、α軸の負方向に配向した第5の結晶軸CA5を有する圧電体によって構成されている。第5の圧電体層141の表面に対し、α軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第5の圧電体層141内に電荷が誘起される。その結果、第5の圧電体層141の出力電極層142側表面近傍には正電荷が集まり、第5の圧電体層141のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第5の圧電体層141の表面に対し、α軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第5の圧電体層141の出力電極層142側表面近傍には負電荷が集まり、第5の圧電体層141のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第6の圧電体層143は、α軸の正方向に配向した第6の結晶軸CA6を有する圧電体によって構成されている。第6の圧電体層143の表面に対し、α軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、圧電効果により、第6の圧電体層143内に電荷が誘起される。その結果、第6の圧電体層143の出力電極層142側表面近傍には正電荷が集まり、第6の圧電体層143のグランド電極層11側表面近傍には負電荷が集まる。同様に、第6の圧電体層143の表面に対し、α軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、第6の圧電体層143の出力電極層142側表面近傍には負電荷が集まり、第6の圧電体層143のグランド電極層11側表面近傍には正電荷が集まる。
第5の圧電体層141および第6の圧電体層143の構成材料としては、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123と同様の構成材料を用いることができる。また、第5の圧電体層141および第6の圧電体層143のように、層の面方向に沿った外力(せん断力)に対して電荷を生ずる圧電体層は、第1の圧電体層121および第2の圧電体層123と同様に、Yカット水晶により構成することができる。
出力電極層142は、第5の圧電体層141内および第6の圧電体層143内に生じた正電荷または負電荷を電荷Qxとして出力する機能を有する。前述のように、第5の圧電体層141の表面または第6の圧電体層143の表面にα軸の正方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層142近傍には、正電荷が集まる。その結果、出力電極層142からは、正の電荷Qxが出力される。一方、第5の圧電体層141の表面または第6の圧電体層143の表面にα軸の負方向に沿った外力が加えられた場合、出力電極層142近傍には、負電荷が集まる。その結果、出力電極層142からは、負の電荷Qxが出力される。
このように、第1のセンサー12、第2のセンサー13、および第3のセンサー14は、第1のセンサー12の分極軸P1と、第2のセンサー13の分極軸P2と、第3のセンサー14の分極軸P3が互いに直交するように積層されている。これにより、受圧素子10bは、3軸(α(X)軸、β(Y)軸、γ(Z)軸)に沿った外力のそれぞれに応じて3つの電荷Qx、Qy、Qzを出力することができる。
また、第1のセンサー12および第3のセンサー14を構成するYカット水晶の単位力当たりの電荷発生量は、例えば、8pC/Nである。第2のセンサー13を構成するXカット水晶の単位力当たりの電荷発生量は、例えば、4pC/Nである。したがって、通常、受圧素子10bのγ軸に平行な外力(圧縮力)に対する感度は、受圧素子10bのα軸またはβ軸に平行な外力(せん断力)に対する感度よりも低い。そのため、通常、第2のセンサー13から出力される電荷Qzは、第1のセンサー12から出力される電荷Qyおよび第3のセンサー14から出力される電荷Qxよりも小さい。
上述した受電素子10bは、基板20、および第一プレート30に勘合されたロッド50を基準に位置補正を行い、基板20に実装することができるため、第一プレート30と受圧素子10bとの接着位置精度を向上させることができる。したがって、高精度な6軸の力成分測定ができる力検出装置103を提供することができる。
(変形例1)
図7は、変形例1に係る力検出装置の概略を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。上記実施形態1では、図1のように、第一のプレート30に第一の凸部31と第二の凸部32の構成であるものとして説明したが、この構成に限定するものではない。以下、変形例1に係る力検出装置104について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
力検出装置104は、基板20と、受電素子10と、第1のロッド61と、第2のロッド62と、第二の凹部34と第三の凹部35が設けられた第一のプレート30aと、によって構成されている。
基板20と第一のプレート30aは第1のロッド61によって位置決めされて、組み立てられる。また、外部構造体(図示せず)は第2のロッド62によって位置決めされ締結される。
以上述べたように、本変形例に係る力検出装置104によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。第一の凸部31と第二の凸部32を削り出す工程から、第二の凹部34と第三の凹部35の穴を開ける工程に変わるので、作業性が向上する。
(実施形態4)
図8は、実施形態4に係る単腕ロボットを示す概略斜視図である。
本実施形態に係る単腕ロボットについて、図を参照して説明する。なお、実施形態4について、前述した実施形態1〜3との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
実施形態4に係る、前述の力検出装置100、101、103を用いた単腕ロボット500の概要構成について説明する。なお、本実施形態では、力検出装置103を用いた例で説明する。
図8に示すように、ロボットとしての単腕ロボット500は、基台510と、アーム連結体520と、アーム連結体520の先端側に設けられたエンドエフェクタ530と、アーム連結体520とエンドエフェクタ530との間に設けられた実施形態3の力検出装置103とを有する。
基台510は、アーム連結体520を回動させるための動力を発生させるアクチュエーター(図示せず)、およびアクチュエーターを制御する制御部(図示せず)等を収納する機能を有する。また、基台510は、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などに固定される。
アーム連結体520は、第1のアーム521、第2のアーム522、第3のアーム523、第4のアーム524、および第5のアーム525を有しており、隣り合うアーム同士を回動自在に連結することにより構成されている。アーム連結体520は、制御部の制御によって、各アームの連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
エンドエフェクタ530は、対象物を把持する機能を有する。エンドエフェクタ530は、第1の指531および第2の指532を有している。アーム連結体520の駆動によりエンドエフェクタ530が所定の動作位置まで到達した後、第1の指531および第2の指532の離間距離を調整することにより、対象物を把持することができる。
力検出装置103は、力検出装置103に設けられた第2の凸部32(ロッド50)と、アーム連結体520、もしくはエンドエフェクタ530に設けられた図示しない勘合部とが勘合されることによって、単腕ロボット500に装着されている。受圧素子10bの位置決めの基準としたロッド50を、アーム連結体520、もしくはエンドエフェクタ530と共通化させて正確な位置決めを行うことで、アーム連結体520、もしくはエンドエフェクタ530に対し正確な補正をすることができる。これにより高精度な測定ができる。
力検出装置103は、エンドエフェクタ530に加えられる外力を検出する機能を有する。力検出装置103が検出する6軸力を基台510の制御部にフィードバックすることにより、単腕ロボット500は、より精密な作業を実行することができる。また、力検出装置103が検出する高精度な6軸力によって、単腕ロボット500は、エンドエフェクタ530の障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行うことができ、単腕ロボット500は、より安全に作業を実行することができる。
なお、図示の構成では、アーム連結体520は、合計5本のアームによって構成されているが、本発明はこれに限られない。アーム連結体520が、1本のアームに構成されている場合、2〜4本のアームによって構成されている場合、6本以上のアームによって構成されている場合も本発明の範囲内である。
〈実施形態5〉
図9は、実施形態5に係る複腕ロボットを示す正面図である。
本実施形態に係る複腕ロボットについて図を参照して説明する。なお、実施形態5について、前述した実施形態1〜4との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
実施形態5に係る、前述の力検出装置100、101、103を用いた複腕ロボット600の概要構成について説明する。なお、本実施形態では、力検出装置103を用いた例で説明する。
図9に示すように、ロボットとして複腕ロボット600は、基台610と、第1のアーム連結体620と、第2のアーム連結体630と、第1のアーム連結体620の先端側に設けられたエンドエフェクタ640aと、第2のアーム連結体630の先端側に設けられたエンドエフェクタ640bと、第1のアーム連結体620とエンドエフェクタ640aとの間、および第2のアーム連結体630とエンドエフェクタ640bとの間に設けられた実施形態3の力検出装置103を有する。
基台610は、第1のアーム連結体620および第2のアーム連結体630を回動させるための動力を発生させるアクチュエーター(図示せず)およびアクチュエーターを制御する制御部(図示せず)等を収納する機能を有する。また、基台610は、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などに固定される。
第1のアーム連結体620は、第1のアーム621および第2のアーム622を回動自在に連結することにより構成されている。第2のアーム連結体630は、第1のアーム631および第2のアーム632を回動自在に連結することにより構成されている。第1のアーム連結体620および第2のアーム連結体630は、制御部の制御によって、各アームの連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
エンドエフェクタ640a、640bは、対象物を把持する機能を有する。エンドエフェクタ640aは、第1の指641aおよび第2の指642aを有している。エンドエフェクタ640bは、第1の指641bおよび第2の指642bを有している。第1のアーム連結体620の駆動によりエンドエフェクタ640aが所定の動作位置まで到達した後、第1の指641aおよび第2の指642aの離間距離を調整することにより、対象物を把持することができる。同様に、第2のアーム連結体630の駆動によりエンドエフェクタ640bが所定の動作位置まで到達した後、第1の指641bおよび第2の指642bの離間距離を調整することにより、対象物を把持することができる。
力検出装置103は、力検出装置103に設けられた第2の凸部32(ロッド50)と、アーム連結体620,630、もしくはエンドエフェクタ640a,640bに設けられた図示しない勘合部とが勘合されることによって、複腕ロボット600に装着されている。受圧素子10bの位置決めの基準としたロッド50を、アーム連結体620,630、もしくはエンドエフェクタ640a,640bと共通化させて正確な位置決めを行うことで、アーム連結体620,630、もしくはエンドエフェクタ640a,640bに対し正確な補正をすることができる。これにより高精度な測定ができる。
力検出装置103は、エンドエフェクタ640a、640bに加えられる外力を検出する機能を有する。力検出装置103が検出する6軸力を基台610の制御部にフィードバックすることにより、複腕ロボット600は、より精密に作業を実行することができる。また、力検出装置103が検出する高精度な6軸力によって、複腕ロボット600は、エンドエフェクタ640a、640bの障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行うことができ、複腕ロボット600は、より安全に作業を実行することができる。
なお、図示の構成では、アーム連結体は合計2本であるが、本発明はこれに限られない。複腕ロボット600が3本以上のアーム連結体を有している場合も、本発明の範囲内である。
〈実施形態6〉
図10は、実施形態6に係る電子部品検査装置を示す概略斜視図であり、図11は、実施形態6に係る電子部品運搬装置を示す概略斜視図である。
本実施形態に係る電子部品検査装置、および電子部品運搬装置について図を参照して説明する。なお、実施形態6について、前述した実施形態1〜5との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
実施形態6に係る、前述の力検出装置100、101、103を用いた電子部品検査装置700の概要構成について説明する。なお、本実施形態では、力検出装置103を用いた例で説明する。
図10の電子部品検査装置700は、基台710と、基台710の側面に立設された支持台720とを有する。基台710の上面には、検査対象の電子部品711が載置されて搬送される上流側ステージ712uと、検査済みの電子部品711が載置されて搬送される下流側ステージ712dとが設けられている。また、上流側ステージ712uと下流側ステージ712dとの間には、電子部品711の姿勢を確認するための撮像装置713と、電気的特性を検査するために電子部品711がセットされる検査台714とが設けられている。なお、電子部品711の例として、半導体、半導体ウェハー、CLD(Crystal LED Display)やOLED(Organic Light Emitting Diode)等の表示デバイス、水晶デバイス、各種センサー、インクジェットヘッド、各種MEMSデバイス等などが挙げられる。
また、支持台720には、基台710の上流側ステージ712uおよび下流側ステージ712dと平行な方向(Y方向)に移動可能にYステージ731が設けられており、Yステージ731からは、基台710に向かう方向(X方向)に腕部732が延設されている。また、腕部732の側面には、X方向に移動可能にXステージ733が設けられている。また、Xステージ733には、撮像カメラ734と、上下方向(Z方向)に移動可能なZステージを内蔵した電子部品搬送装置740が設けられている。
また、電子部品搬送装置740の先端側には、電子部品711を把持する把持部741が設けられている。また、電子部品搬送装置740の先端と、把持部741との間には、実施形態3の力検出装置103が装着されている。力検出装置103は、力検出装置103に設けられた第2の凸部32(ロッド50)と、図示しない勘合部とが勘合されることによって、電子部品検査装置700に装着されている。更に、基台710の前面側には、電子部品検査装置700の全体の動作を制御する制御装置750が設けられている。
電子部品検査装置700は、以下のようにして電子部品711の検査を行う。最初に、検査対象の電子部品711は、上流側ステージ712uに載せられて、検査台714の近くまで移動する。
次に、Yステージ731およびXステージ733を動かして、上流側ステージ712uに載置された電子部品711の真上の位置まで電子部品搬送装置740を移動させる。このとき、撮像カメラ734を用いて電子部品711の位置を確認することができる。
そして、電子部品搬送装置740内に内蔵されたZステージを用いて電子部品搬送装置740を降下させ、把持部741で電子部品711を把持すると、そのまま電子部品搬送装置740を撮像装置713の上に移動させて、撮像装置713を用いて電子部品711の姿勢を確認する。
次に、電子部品搬送装置740に内蔵されている微調整機構を用いて電子部品711の姿勢を調整する。そして、電子部品搬送装置740を検査台714の上まで移動させた後、電子部品搬送装置740に内蔵されたZステージを動かして電子部品711を検査台714の上にセットする。電子部品搬送装置740内の微調整機構を用いて電子部品711の姿勢が調整されているので、検査台714の正しい位置に電子部品711をセットすることができる。
次に、検査台714を用いて電子部品711の電気的特性検査が終了した後、今度は検査台714から電子部品711を取り上げ、Yステージ731およびXステージ733を動かして、下流側ステージ712d上まで電子部品搬送装置740を移動させ、下流側ステージ712dに電子部品711を置く。最後に、下流側ステージ712dを動かして、検査が終了した電子部品711を所定位置まで搬送する。
図11は、力検出装置103を含む電子部品搬送装置740を示す図である。電子部品搬送装置740は、把持部741と、把持部741に接続された力検出装置103と、力検出装置103を介して把持部741に接続された回転軸742と、回転軸742に回転可能に取り付けられた微調整プレート743を有する。また、微調整プレート743は、ガイド機構(図示せず)によってガイドされながら、X方向およびY方向に移動可能である。
また、回転軸742の端面に向けて、回転方向用の圧電モーター744θが搭載されており、圧電モーター744θの駆動凸部(図示せず)が回転軸742の端面に押しつけられている。このため、圧電モーター744θを動作させることによって、回転軸742(および把持部741)をθ方向に任意の角度だけ回転させることが可能である。また、微調整プレート743に向けて、X方向用の圧電モーター744xと、Y方向用の圧電モーター744yとが設けられており、それぞれの駆動凸部(図示せず)が微調整プレート743の表面に押しつけられている。このため、圧電モーター744xを動作させることによって、微調整プレート743(および把持部741)をX方向に任意の距離だけ移動させることができ、同様に、圧電モーター744yを動作させることによって、微調整プレート743(および把持部741)をY方向に任意の距離だけ移動させることが可能である。
力検出装置103は、力検出装置103に設けられた第2の凸部32(ロッド50)と、把持部741に設けられた図示しない勘合部とが勘合されることによって、電子部品搬送装置740に装着されている。受圧素子10bの位置決めの基準としたロッド50を、把持部741と共通化させて正確な位置決めを行うことで、把持部741に対し正確な補正をすることができる。これにより高精度な測定ができる。
力検出装置103は、把持部741に加えられる6軸力を検出する機能を有する。力検出装置103が検出する6軸力を制御装置750にフィードバックすることにより、電子部品搬送装置740および電子部品検査装置700は、より精密に作業を実行することができる。また、力検出装置103が検出する高精度な6軸力によって、把持部741の障害物への接触等を検知することができる。そのため、従来の位置制御では困難だった障害物回避動作、対象物損傷回避動作等を容易に行うことができ、電子部品搬送装置740および電子部品検査装置700は、より安全な作業を実行可能である。
また、本発明の力検出装置は上記の実施形態に限られず、振動計、加速度計、重力計、動力計、地震計または傾斜計等の各種測定機器にも適用可能であり、力検出装置を用いた各種測定機器も本発明の範囲内である。
以上、本発明の力検出装置、並びに該力検出装置を用いたロボット、電子部品搬送装置および電子部品検査装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
10、10b…素子としての受圧素子、11…グランド電極層、12…第1のセンサー、13…第2のセンサー、14…第3のセンサー、20…基板、21…凹部、22…第一の穴(第1の貫通孔)、30…第一のプレート、31…第一の凸部、32…第二の凸部、33…第二の穴(第2の貫通孔)、34…第二の凹部、35…第三の凹部、40…第二のプレート、50、50a、50b…ロッド、61…第1のロッド、62…第2のロッド、121…第1の圧電体層、122…出力電極層、123…第2の圧電体層、131…第3の圧電体層、132…出力電極層、133…第4の圧電体層、141…第5の圧電体層、142…出力電極層、143…第6の圧電体層500…単腕ロボット、510…基台、520…アーム連結体、521…第1のアーム、522…第2のアーム、523…第3のアーム、524…第4のアーム、525…第5のアーム、530…エンドエフェクタ、531…第1の指、532…第2の指、600…複腕ロボット、610…基台、620…第1のアーム連結体、621…第1のアーム、622…第2のアーム、630…第2のアーム連結体、631…第1のアーム、632…第2のアーム、640a…第1のエンドエフェクタ、641a…第1の指、642a…第2の指、640b…第2のエンドエフェクタ、641b…第1の指、642b…第2の指、700…電子部品検査装置、710…基台、711…電子部品、712u…上流側ステージ、712d…下流側ステージ、713…撮像装置、714…検査台、720…支持台、731…Yステージ、732…腕部、733…Xステージ、734…撮像カメラ、740…電子部品搬送装置、741…把持部、742…回転軸、743…微調整プレート、744x、744y、744θ…圧電モーター、750…制御装置、CA1…第1の結晶軸、CA2…第2の結晶軸、CA3…第3の結晶軸、CA4…第4の結晶軸、CA5…第5の結晶軸、CA6…第6の結晶軸、Fx0、Fy0、Fz0…並進力成分、Fx1、Fx2、Fx3、Fx4、Fy1、Fy2、Fy3、Fy4、Fz1、Fz2、Fz3、Fz4…信号、P1、P2、P3…分極軸、Q、Qx、Qy、Qz…電荷、Mx、My、Mz…回転力成分。

Claims (12)

  1. 外力に応じて電荷を出力する素子と、
    前記素子が実装され、一面に第1の凹部が形成された基板と、
    第2面と、前記第2面と表裏関係をなす第3面とを有し、前記第2面に形成された第1の凸部と、前記第3面に形成された第2の凸部とを含み、前記第1の凸部が前記第1の凹部に勘合されている第一プレートと、
    を備えていることを特徴とする力検出装置。
  2. 前記第1の凹部、前記第1の凸部、および前記第2の凸部は、それぞれ複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の力検出装置。
  3. 前記第一プレートは、前記第2面に設けられている第2の凹部と、前記第3面に設けられている第3の凹部とを有し、
    前記第1の凸部は、前記第1の凹部に勘合されている第1のロッドで形成され、
    前記第2の凸部は、前記第3の凹部に勘合されている第2のロッドで形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の力検出装置。
  4. 前記基板は、前記基板を貫通する第1貫通孔を有し、
    前記第一のプレートは、前記第一のプレートを貫通する第2貫通孔を有し、
    前記第2貫通孔には、第3のロッドが勘合されており、
    前記第1の凸部および前記第2の凸部は、前記第2面および前記第3面から突出する前記第3のロッドによって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の力検出装置。
  5. 前記第1の凸部、および前記第2の凸部は、突出方向に交差する断面が多角形状で形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の力検出素子。
  6. 前記第1の凸部、および前記第2の凸部は、突出方向に交差する断面が円形状で形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の力検出素子。
  7. 前記素子に力を伝達する第二プレートを有し、
    前記第二プレートは、前記第1の凸部と空隙を有し、離間して設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の力検出装置。
  8. 前記素子は、複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の力検出装置。
  9. 前記第1の凸部、または前記第2の凸部と、前記素子との位置関係を補正する処理装置を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の力検出装置。
  10. 複数のアームを有し、隣り合う前記アーム同士を回動自在に連結してなる少なくとも1つのアーム連結体と、
    前記アーム連結体の先端側に設けられたエンドエフェクタと、
    前記アーム連結体と前記エンドエフェクタの間に設けられ、前記エンドエフェクタに加えられる外力を検出する力検出装置とを備え、
    前記力検出装置は、
    力を検出し、電荷を出力する素子と、
    前記素子が実装され、一面に第1の凹部が形成された基板と、
    第2面と、前記第2面と表裏関係をなす第3面とを有し、前記第2面に形成された第1の凸部と、前記第3面に形成された第2の凸部とを含み、前記第1の凸部が前記第1の凹部に勘合されている第一プレートと、を備え、
    前記アーム連結体もしくは前記エンドエフェクタに設けられた勘合部と、前記第2の凸部とが勘合されていることを特徴とするロボット。
  11. モーターと、
    前記モーターにより駆動され、電子部品を把持する把持部と、
    前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
    前記力検出装置は、
    力を検出し、電荷を出力する素子と、
    前記素子が実装され、一面に第1の凹部が形成された基板と、
    第2面と、前記第2面と表裏関係をなす第3面とを有し、前記第2面に形成された第1の凸部と、前記第3面に形成された第2の凸部とを含み、前記第1の凸部が前記第1の凹部に勘合されている第一プレートと、を備え、
    前記把持部に設けられた勘合部と、前記第2の凸部とが勘合されていることを特徴とする電子部品搬送装置。
  12. モーターと、
    前記モーターにより駆動され、電子部品を把持する把持部と、
    前記電子部品を検査する検査部と
    前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
    前記力検出装置は、
    力を検出し、電荷を出力する素子と、
    前記素子が実装され、一面に第1の凹部が形成された基板と、
    第2面と、前記第2面と表裏関係をなす第3面とを有し、前記第2面に形成された第1の凸部と、前記第3面に形成された第2の凸部とを含み、前記第1の凸部が前記第1の凹部に勘合されている第一プレートと、を備え、
    前記把持部に設けられた勘合部と、前記第2の凸部とが勘合されていることを特徴とする電子部品検査装置。
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