JP2009041851A - 空気調和装置の室内機 - Google Patents

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健郎 濱
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淳一 中西
Tatsuhiko Akai
竜彦 赤井
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Abstract

【課題】意匠性が損なわれずに済む空気調和装置の室内機の提供。
【解決手段】天井埋め込み型の空気調和装置の室内機1は、ケーシング2と、フラットパネル3とを備えている。ケーシング2の化粧パネル2bには、室内空気の吸い込み口21aと吹き出し口21bとが形成されている。フラットパネル3は、吸い込み口21aを遮蔽する閉姿勢と、吸い込み口21aを開放する開姿勢とを採り得る。そして、フラットパネル3が開姿勢を採る場合、少なくとも吹き出し口21aから遠いフラットパネル3の第1部分P1は、ケーシング2から離れる。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気調和装置の室内機、特に、天井埋め込み型の空気調和装置の室内機に関する。
従来より、空気調和装置の種類としては、特許文献1及び特許文献2に開示されるように、天井埋め込み型の空気調和装置がある。このような空気調和装置は、ケーシング本体と、ケーシング本体の下面に配置された化粧パネルとを有するケーシングを備えており、化粧パネルには、室内の空気を吸い込む吸い込み口と室内に空気を吹き出す吹き出し口とが形成されている。
特開平10−197047号公報 特開平10−196999号公報
ところで、化粧パネルは人目に触れやすいものであり、空気調和装置の利用者によっては、化粧パネルの意匠は、商品を選択するにあたり重要な条件となる。しかしながら、化粧パネルには、上述したように吹き出し口や吸い込み口が形成されている。特に、吸い込み口は、一般的には空気調和装置の運転状態に関係なく開放された状態にあり、吸い込み口には、空気中の塵埃を捕集するフィルタが設けられている。このようなフィルタは、吸い込み口を通じて人目に触れやすい状態にあるため、化粧パネルの意匠性が損なわれる恐れがある。
そこで、本発明は、意匠性が損なわれずに済む空気調和装置の室内機の提供を目的とする。
発明1に係る空気調和装置の室内機は、天井埋め込み型の空気調和装置の室内機であって、ケーシングと、パネルとを備えている。ケーシングの下面には、室内空気の吸い込み口と吹き出し口とが形成されている。パネルは、ケーシングの吸い込み口を遮蔽する閉姿勢と、吸い込み口を開放する開姿勢とを採り得る。そして、パネルが開姿勢を採る場合、少なくとも吹き出し口から遠いパネルの第1部分は、ケーシングから離れる。
この空気調和装置の室内機によると、開姿勢を採るパネルは、少なくとも吹き出し口から遠い第1部分がケーシングから離れている状態であるため、吹き出し口側からは吸い込み口が見えにくくなる。従って、室内機の意匠が損なわれずに済む。
発明2に係る空気調和装置の室内機は、発明1に係る空気調和装置の室内機であって、パネルが開姿勢を採る場合、パネルの第1部分と吸い込み口との距離は、吹き出し口に近いパネルの第2部分と吸い込み口との距離よりも大きい。
この空気調和装置の室内機によると、開姿勢を採るパネルは、吹き出し口から近い部分よりも遠い部分の方が吸い込み口からの距離が大きい状態であるため、吹き出し口側からは吸い込み口が見えにくくなる。
発明3に係る空気調和装置の室内機は、発明2に係る空気調和装置の室内機であって、パネルは、運転停止時には閉姿勢を採り、運転時には開姿勢を採る。
この空気調和装置の室内機によると、パネルは、運転停止時には吸い込み口を閉じ、運転時には吸い込み口を開放する。特に、吸い込み口は、開放されている時、パネルにより吹き出し口側からは見えにくい状態にあるため、室内機の運転状態に関係なく意匠性を確保することができる。
発明4に係る空気調和装置の室内機は、発明1〜3のいずれかに係る空気調和装置の室内機であって、パネルは、ケーシングの下面に対し回動自在に設けられている。そして、パネルは、開姿勢を採る場合、吹き出し口に近い部分から遠い部分に向かって吸い込み口との距離が大きくなるように傾斜している。
この空気調和装置の室内機に係るパネルは、開姿勢を採る場合には、吹き出し口に近い部分を軸として遠い部分が開くように回動するため、吹き出し口側からは吸い込み口が見えにくくなる。
発明5に係る空気調和装置の室内機は、発明4に係る空気調和装置の室内機であって、調節部を更に備える。調節部は、パネルのケーシングに対する傾斜度合いを調節する。
これにより、パネルの傾斜度合いは、適切な状態に保たれる。
発明6に係る空気調和装置の室内機は、発明5に係る空気調和装置の室内機であって、調節部は、ケーシング内部から発せられる音の室内への伝達を小さくする静音優先モード時、パネルのケーシングに対する傾斜度合いが通常モード時よりも大きくなるように、パネルの傾斜度合いを調節する。
一般的に、ケーシング内部には、吸い込み口から吹き出し口への空気の流れを形成するための送風ファンや、送風ファンを回転駆動させるファンモータ、空気中の塵埃を捕集するフィルタ等が収容されている。ファンモータからは、回転時に音が発せられ、フィルタからは、空気がフィルタを通過する時の通風音が発せられる。しかし、この室内機は、静音優先モード時、パネルのケーシングに対する傾斜度合いが通常モード時によりも大きくなるように、パネルの傾斜度合いを調節する。そのため、静音優先モード時、ケーシング内部のファンモータやフィルタから発せられる音は、室内の吹き出し口側には届きにくくなる。
発明7に係る空気調和装置の室内機は、発明5または発明6に係る空気調和装置の室内機であって、受付部を更に備える。受付部は、吹き出し口から室内に吹き出される空気の量の設定を受け付ける。そして、調節部は、受付部により受け付けられた設定に基づいて、パネルの傾斜度合いを調節する。
これにより、室内に吹き出される空気量に応じて、吸い込み口から吸い込まれる空気量を十分に確保することができる。
発明8に係る空気調和装置の室内機は、発明2または3に係る空気調和装置の室内機であって、パネルは、略水平方向に延びる水平部と、開姿勢を採る場合に水平部の吹き出し口側端部から吸い込み口に向かって略鉛直方向に延びる鉛直部とで構成されるL字形状を有している。そして、パネルの第1部分は、水平部上に位置し、第2部分は、鉛直部上に位置する。
これにより、パネルが開姿勢を採る場合、吹き出し口側からは、パネルの鉛直部により吸い込み口が見えにくくなる。
発明9に係る空気調和装置の室内機は、発明1〜8のいずれかに係る空気調和装置の室内機であって、吹き出し口は、ケーシングの下面に1つ形成されている。
発明10に係る空気調和装置の室内機は、発明9に係る空気調和装置の室内機であって、吸い込み口が吹き出し口よりも室内の側壁または窓側に位置するように、設置される。
これにより、ケーシング内部から発せられる音は、主として側壁や窓側に出力されるため、室内において吹き出し口側にいる利用者には届きにくくなる。
発明1及び発明2に係る空気調和装置の室内機によると、吹き出し口側からは吸い込み口が見えにくくなるため、室内機の意匠が損なわれずに済む。
発明3に係る空気調和装置の室内機によると、室内機の運転状態に関係なく意匠性を確保することができる。
発明4に係る空気調和装置の室内機によると、パネルは、開姿勢を採る場合には、吹き出し口に近い部分を軸として遠い部分が開くように回動するため、吹き出し口側からは吸い込み口が見えにくくなる。
発明5に係る空気調和装置の室内機によると、パネルの傾斜度合いを、適切な状態に保つことができる。
発明6に係る空気調和装置の室内機によると、静音優先モード時、ケーシング内部から発せられる音は、室内の吹き出し口側には届きにくくなる。
発明7に係る空気調和装置の室内機によると、室内に吹き出される空気量に応じて、吸い込み口から吸い込まれる空気量を十分に確保することができる。
発明8に係る空気調和装置の室内機によると、パネルが開姿勢を採る場合、吹き出し口側からは、パネルの鉛直部により吸い込み口が見えにくくなる。
発明9及び発明10に係る空気調和装置の室内機によると、ケーシング内部から発せられる音は、主として側壁や窓側に出力されるため、室内において吹き出し口側にいる利用者には届きにくくなる。
以下、本発明に係る空気調和装置の室内機について、図面を用いて説明する。
(1)構成
図1は、本実施形態に係る空気調和装置の室内機1の外観図である。図2は、図1の室内機1のII−II断面を、図1において室内機1の右側から見た場合の概略図である。この室内機1は、図2に示すように、室内の天井に埋め込まれるようにして取り付けられる、いわゆる天井埋込型の室内機であって、暖房運転や冷房運転、清掃運転等を行うことができる。ここで、清掃運転とは、フィルタ25が捕集した塵埃をフィルタ25から剥離させるための運転方法である。更に、本実施形態に係る室内機1は、暖房運転や冷房運転を行う時、静音優先モードや通常モードで運転を行うことができる。静音優先モードとは、室内機1内部の送風ファン23の駆動源であるファンモータ24の回転駆動時に発せられる音や、空気がフィルタ25を通過する時の通風音等が室内に伝わることを抑制するためのモードである。通常モードは、静音優先モードでないモードをいう。
室内機1は、図1及び図5に示すように、ケーシング2、フラットパネル3(パネルに相当)、水平フラップ4、受信部5(受付部に相当)、運転状態表示部6及び制御部7を備えている。
尚、以下では、例えばケーシング2の「下方」のように、「上」、「下」、「右」「左」等の方向を示す表現を適宜用いているが、これらは室内機1が図2に示すように室内の天井に取り付けられ、通常使用される状態での各方向を表す。
〔ケーシング〕
ケーシング2は、正面視において水平方向に長い略矩形状の形状を有しており、図1に示すように、ケーシング本体2aと化粧パネル2bとで構成されている。
ケーシング本体2aの内部には、図2及び図5に示すように、主として、室内熱交換器22、送風ファン23、ファンモータ24、フィルタ25及び清掃部材26等が収容されている。室内熱交換器22は、室内の空気と熱交換を行うためのものであって、送風ファン23は、後述する吸い込み口21aから吹き出し口21bへの空気の流れを生成するためのものである。ファンモータ24は、送風ファン23の回転駆動源である。フィルタ25は、吸い込み口21aに設けられており、吸い込み口21aを通過した空気中の塵埃を捕集する。清掃部材26は、ケーシング2のフィルタ25近傍に設けられており、フィルタ25が捕集した塵埃をフィルタ25から除去する。
具体的には、清掃部材26は、図3に示すように、ブラシ26a、ノズル26b、吸引ファン26c、ダストボックス26dを含む。ブラシ26aの先端部分は、フィルタ25の表面に接触可能に延びており、ブラシ26aは、フィルタ25の表面からフィルタ25が捕集した塵埃を掻き落とす。ノズル26bは、ブラシ26aが図2のフィルタ25の左側端部及び右側端部にまで到達可能に伸び縮みするように形成されており、モータ等で構成された第1清掃駆動部26e(図5)により駆動される。ノズル26bの内部には、フィルタ25から掻き落とされた塵埃が通過する。吸引ファン26cは、フィルタ25から掻き落とされた塵埃をダストボックス26dに移動させるための空気流を生成するものであって、モータ等で構成された第2清掃駆動部26f(図5)により駆動される。ダストボックス26dは、フィルタ25から掻き落とされた塵埃を溜めるものであって、ケーシング2に対し取り外し可能なように形成されている。本実施形態では、ダストボックス26dは、図2においてケーシング2の右側端部かつ吸い込み口21付近であって、フィルタ25の右側方向に設けられている。図3の清掃部材26では、清掃モード運転時、吸引ファン26c及びダストボックス26dは、ケーシング2に対し固定されており、ブラシ26aは、ノズル26bが伸び縮みすることによりフィルタ25の表面を矢印Cの方向に移動する。これにより、フィルタ25の表面に付着している塵埃はフィルタ25から剥離し、やがてダストボックス26dに収容される。
化粧パネル2bは、ケーシング本体2aの下面に設けられている(即ち、化粧パネル2bは、ケーシング2の下面に相当)。化粧パネル2bには、図1及び図2に示すように、吸い込み口21aと吹き出し口21bとが1つずつ形成されている。吸い込み口21aは、室内の空気が吸い込まれるための開口であって、吹き出し口21bは、吸い込み口21aから吸い込まれ室内熱交換器22により熱交換された後の空気が室内へ吹き出されるための開口である。吸い込み口21a及び吹き出し口21bは、図1に示すように、ケーシング2の長手方向(即ち、図1のW方向)に沿って細長い略矩形状の形状を有している。そして、吸い込み口21aの面積は、吹き出し口21bの面積よりも大きい。また、図2に示すように、本実施形態に係る室内機1は、ケーシング2の吸い込み口21aが吹き出し口21bよりも室内の側壁や窓側に位置するように、天井に配置されている。
〔フラットパネル〕
フラットパネル3は、図1や図2、図6に示すように、吸い込み口21aの形状と同様にケーシング2のW方向に沿って細長い略矩形状の形状を有している。フラットパネル3は、室内機1の運転停止時には、吸い込み口21aを遮蔽する閉姿勢を採り(図6)、室内機1の運転時には、吸い込み口21aを開放する開姿勢(図1,図2)を採る。そして、図2に示すように、フラットパネル3は、開姿勢を採る場合、吹き出し口21bから遠い第1部分P1がケーシング2の化粧パネル2bから離れる状態となる。より具体的には、フラットパネル3の第1部分P1と吸い込み口21aとの距離d1は、吹き出し口21bに近いフラットパネル3の第2部分P2と吸い込み口21aとの距離d2よりも大きい。
特に、このフラットパネル3は、吹き出し口21b側の端部を回動支点としてケーシング2の下面(具体的には化粧パネル2b)に対し回動自在に取り付けられている。より具体的には、フラットパネル3は、図2及び図4に示すように、吸い込み口21a付近であってかつ吹き出し口21b側に位置する第1回動支持部31と第2回動支持部32とにより、化粧パネル2bに対し回動自在に本体2に連結されている。ここで、第1回動支持部31は、フラットパネル3上に設けられており、フラットパネル3が閉姿勢を採る時にケーシング2の内側を向くフラットパネル3の面から上方に突出している。そして、第1回動支持部31には、第2回動支持部32が嵌合され第1回動支持部31がスライドするための長穴が形成されている。第2回動支持部32は、ケーシング2に固定されており、第1回動支持部31の長穴に嵌合後、フラットパネル3の回動軸としての役割を担う。即ち、第2回動支持部32は、モータ3a(図5)等を含む駆動部により回転することができ、第2回動支持部32の回転が第1回動支持部31を経てフラットパネル3に伝達されることで、回動軸としての役割を担うことができる。
このような構成により、フラットパネル3は、閉姿勢(図4(a))から開姿勢(図4(c))となる場合、先ずは、第1回動支持部31の長穴に嵌合された第2回動支持部32が長穴の下側端部から上側端部に到達する動作に伴い、所定の位置まで降下する(図4(b))。次いで、フラットパネル3は、第2回動支持部32を中心として回動する。これにより、フラットパネル3は、図2に示すように、吹き出し口21bに近い部分から遠い部分に向かって吸い込み口21aとの距離が大きくなるように傾斜する開姿勢を採る。フラットパネル3が開姿勢を採る場合、室内の空気は、図2の矢印Aの方向から吸い込み口21aを介してケーシング2内部に送られる。
このように、本実施形態に係るフラットパネル3は、開姿勢時には吸い込み口21aを室内の側壁や窓側に開放するため、吹き出し口21bからの吹き出し空気を受ける空間SP1(即ち、室内の中央部側)にいる利用者からは、フラットパネル3により吸い込み口21aが見えにくくなる。言い換えると、室内機1の運転時、吹き出し口21b側からは、フラットパネル3の外側の面、即ち室内機1の運転停止時にケーシング2内部を向く面とは反対側の面が見えるようになる。また、吸い込み口21aは、吹き出し口21bよりも大きい面積を有しているため、フラットパネル3が開姿勢を採る場合にケーシング2内部のファンモータ24から発せられる音やフィルタ25を通過する空気の通風音等は、吹き出し口21bから出力されるよりも、吸い込み口21aから室内の側壁や窓側の空間SP2に出力されやすくなる。そして、吸い込み口21aから出力された音は、空間SP1側にいる利用者には届きにくくなる。
〔水平フラップ〕
水平フラップ4は、吹き出し口21bから吹き出される空気を、図2の矢印Bの方向に案内するためのものであって、吹き出し口21bを開閉可能に設けられている。本実施形態に係る水平フラップ4は、フラットパネル3側を支点として吹き出し口21bを開閉可能に設けられている。より具体的には、水平フラップ4は、吸い込み口21a側の端部を回動支点としてケーシング2の下面(即ち、化粧パネル2b)に対し回動自在に取り付けられている。これにより、水平フラップ4は、フラットパネル3の回動方向とは逆の方向に回動することができる。また、水平フラップ4は、図1に示すように、吹き出し口21bの形状と同様にケーシング2のW方向に沿って細長い略矩形状の形状を有している。
このような水平フラップ4は、運転停止時には吹き出し口21bを閉じ、運転時には吹き出し口21bを開放する。これにより、運転時に室内熱交換器22で熱交換された後の空気は、室内の側壁や窓側とは反対方向の室内中央部(具体的には、空間SP1)に送られる。尚、水平フラップ4は、モータ4a(図5)やギア(図示せず)等を含む駆動部により回転駆動される。また、水平フラップ4のケーシング2に対する傾斜角度は、例えば約25度が挙げられる。
〔受信部及び運転状態表示部〕
受信部5及び運転状態表示部6は、図1に示すように、ケーシング2の化粧パネル2bに設けられている。受信部5は、リモートコントローラから送信される各種運転の開始指示や静音優先運転モードの開始指示、各種設定等を受信可能なように設けられている。例えば、受信部5は、吹き出し口21bから室内に吹き出される空気の量(以下、単に風量という)の設定を、リモートコントローラを通じて受け付けることができる。運転状態表示部6は、例えばLEDで構成され、室内機1の運転状況に応じて点灯や点滅を行うことにより、室内機1が現在行っている運転状況を室内機1の利用者に知らせることができる。
〔制御部〕
制御部7は、ケーシング2内部に収容されており、CPU及びメモリからなるマイクロコンピュータで構成されている。制御部7は、図5に示すように、主として、受信部5、運転状態表示部6、第1清掃駆動部26e、第2清掃駆動部26f、送風ファン23のファンモータ24、フラットパネル3駆動用のモータ3a、及び水平フラップ4駆動用のモータ4aと接続されており、接続された各機器の制御を行う。例えば、制御部7は、受信部5がリモートコントローラから受信した各種運転の開始指示等に基づいて、水平フラップ4による吹き出し口21bの開閉制御や、ファンモータ24の回転駆動制御、運転状態表示部6の表示状態の制御を行う。特に、本実施形態に係る制御部7は、受信部5が受信した各種運転の開始指示等に基づいて、フラットパネル3の回動制御や、清掃部材26によるフィルタ25の清掃動作の実行等を制御する。このような動作を行うため、制御部7は、パネル調節部71(調節部に相当)及び清掃制御部72として機能する。
〔パネル調節部〕
パネル調節部71は、受信部5がリモートコントローラから冷房運転や暖房運転の開始指示を受信すると、フラットパネル3が回動して吸い込み口21aを開放するように、モータ3aを駆動させる。更に、パネル調節部71は、受信部5がリモートコントローラから静音優先モードの開始指示を受信すると、フラットパネル3のケーシング2に対する傾斜度合いを調節する。
ここで、パネル調節部71が、フラットパネル3のケーシング2に対する傾斜度合いをどのように調節するかについて、具体的に説明する。図7は、フラットパネル3の傾斜度合いについて説明するための図である。受信部5がリモートコントローラから冷房運転や暖房運転の運転開始指示を受信し、静音優先モードの開始指示については受信しなかった場合、パネル調節部71は、通常モードであると判断し、フラットパネル3の傾斜角度を“α”に決定する。また、受信部5がリモートコントローラから冷房運転や暖房運転の開始指示と共に静音優先モードの開始指示を受信した場合には、パネル調節部71は、フラットパネル3の傾斜角度を“α”よりも大きい“β”に決定する。これにより、静音優先モード時にケーシング2内部のファンモータ24から発せられる音やフィルタ25を通過する空気の通風音等は、通常モード時に比して、より側壁や窓側(具体的には、空間SP2)に出力されやすくなるため、室内の吹き出し口21b側の空間SP1にいる利用者には届きにくくなる。ここで、フラットパネル3の傾斜角度“α”は、例えば15度<α<35度の範囲を満たし、傾斜角度“β”は、例えば35度<β<60度の範囲を満たすとする。
また、受信部5が風量の設定をリモートコントローラから受信した場合、パネル調節部71は、設定された風量に基づいて、フラットパネル3の傾斜度合いを調節する。例えば、パネル調節部71は、図8に示すように、設定された風量が多い程、フラットパネル3の傾斜角度α,βを大きくし、逆に設定された風量が少ない程、フラットパネル3の傾斜角度α,βを小さくする。これにより、吸い込み口21aからケーシング2内部に吸い込まれる空気の量は十分に確保される。
尚、図8では、フラットパネル3のケーシング2に対する傾斜角度α,βを、通常モードと静音優先モードとに分けて表している。図8に示すように、静音優先モードにおいて設定された風量に対する傾斜角度βは、通常モードにおいて設定された風量に対する傾斜角度αよりも大きくなるように決定される。また、フラットパネル3の傾斜角度α及びβは、共に90度未満となるように決定される。これは、フラットパネル3の傾斜角度が仮に90度以上となると、吹き出し口21b側の空間SP1にいる利用者からは、吸い込み口21aが逆に見えやすくなるため、意匠性の確保の観点から決定されたものである。
〔清掃制御部〕
清掃制御部72は、例えば受信部5が清掃運転の開始指示をリモートコントローラから受信した場合、フィルタ25が捕集した塵埃がフィルタ25から除去されるように、清掃部材26の第1清掃駆動部26e及び第2清掃駆動部26fの駆動を制御する。より具体的には、清掃制御部72は、清掃部材26のブラシ26aが図2のフィルタ25の右側端部と左側端部との間を少なくとも一往復すると共に、フィルタ25から掻き取られた塵埃がダストボックス26dに溜められるように、第1及び第2清掃駆動部26e,26fの駆動を制御する。
尚、清掃制御部72が第1及び第2清掃駆動部26e,26fの駆動を開始させる時、フラットパネル3は、開姿勢及び閉姿勢のどちらの状態であってもよいが、本実施形態では、フラットパネル3が開姿勢を採る状態で各清掃駆動部26e,26fの駆動が開始される場合を例にとる。これにより、清掃部材26によるフィルタ25の清掃動作は、フラットパネル3により吹き出し口21b側からは見えにくい状態で行われる。
(2)動作
次に、本実施形態に係る室内機1の動作について説明する。
室内機1が運転を停止している時は、フラットパネル3及び水平フラップ4は、図6に示すように、吸い込み口21a及び吹き出し口21bそれぞれを完全にふさいでいる状態である。この状態で、受信部5が運転開始の指示をリモートコントローラから受信すると、各種モータ3a,4aは駆動を開始する。これにより、フラットパネル3は、吸い込み口21aを室内の側壁や窓側に開放するように回動し、水平フラップ4は、室内の側壁や窓側とは逆方向(具体的には、室内の中央部側。空間SP1側)に吹き出し口21bを開放するように回動する。
ここで、運転開始の指示が冷房運転や暖房運転の開始指示のみである場合には、フラットパネル3は、図7の(a)に示すように、ケーシング2に対し角度“α”だけ傾斜する。運転開始の指示が冷房運転や暖房運転の開始指示に加えて静音優先モードの開始指示である場合には、フラットパネル3は、図7の(b)に示すように、ケーシング2に対し角度“β”だけ傾斜する。更に、利用者によりリモートコントローラを介して風量の設定がなされ、受信部5がこれを受信した場合には、フラットパネル3は、設定された風量に基づいて調節された角度αまたはβだけ傾斜する。
また、運転開始の指示が清掃運転の開始指示である場合には、清掃部材26は、フィルタ25の清掃動作を行う。
次いで、受信部5がリモートコントローラから運転停止を受信した場合、フラットパネル3及び水平フラップ4は、それぞれ運転開始時に回動した方向とは逆の方向に回動する。やがて、図6に示すように、フラットパネル3及び水平フラップ4が吸い込み口21a及び吹き出し口21bそれぞれを完全にふさいだ状態となると、各種モータ3a,4aは駆動を停止し、室内機1は運転を停止した状態となる。
(3)効果
(a)
本実施形態に係る室内機1によると、開姿勢を採るフラットパネル3は、少なくとも吹き出し口21bから遠い第1部分P1がケーシング2から離れている状態であるため、吹き出し口21bからの吹き出し空気をうける空間SP1にいる利用者からは吸い込み口21aが見えにくくなる。従って、室内機1の意匠が損なわれずに済む。
(b)
また、室内機1によると、開姿勢を採るフラットパネル3は、吹き出し口21bから近い部分よりも遠い部分の方が吸い込み口21aからの距離が大きい状態であるため、吹き出し口21b側(即ち、空間SP1)にいる利用者からは、吸い込み口21aが見えにくくなる。
(c)
また、室内機1によると、フラットパネル3は、運転停止時には吸い込み口21aを閉じ、運転時には吸い込み口21aを開放する。特に、吸い込み口21aは、開放されている時、フラットパネル3により吹き出し口21b側(即ち、空間SP1)にいる利用者からは見えにくい状態にあるため、室内機1の運転状態に関係なく意匠性を確保することができる。
(d)
特に、フラットパネル3は、ケーシング2の下面(即ち、化粧パネル2b)に対し回動自在に設けられている。そして、フラットパネル3は、開姿勢を採る場合、吹き出し口21bに近い部分から遠い部分に向かって吸い込み口21aとの距離が大きくなるように傾斜している。そのため、吹き出し口21b側(即ち、空間SP1)にいる利用者からは、吸い込み口21aが見えにくくなる。
(e)
また、室内機1には、フラットパネル3のケーシング2に対する傾斜度合いを調節する制御部7が更に備えられている。従って、フラットパネル3の傾斜度合いは、適切な状態に保たれる。
(f)
ところで、ケーシング2内には、ファンモータ24やフィルタ25等が配置されている。ファンモータ24からは、回転時に音が発せられ、フィルタ25からは、空気がフィルタ25を通過する時の通風音が発せられる。しかし、本実施形態に係る室内機1は、静音優先モード時、フラットパネル3のケーシング2に対する傾斜度合いが通常モード時によりも大きくなるように、フラットパネル3の傾斜度合いを調節する。そのため、静音優先モード時、ケーシング2内部のファンモータ24やフィルタ25から発せられる音は、室内の吹き出し口21b側(即ち、空間SP1)にいる利用者には届きにくくなる。
(g)
また、室内機1は、吹き出し口21bから室内に吹き出される空気の量の設定を受け付けると、受け付けた設定に基づいてフラットパネル3の傾斜度合いを調節する。これにより、室内機1は、室内に吹き出される空気量に応じて、吸い込み口21aから吸い込まれる空気量を十分に確保することができる。
(h)
また、本実施形態に係る室内機では、図1や図2に示すように、吹き出し口21bは、ケーシング2の下面(即ち、化粧パネル2b)に1つ形成されている。
(i)
更に、室内機1は、図2に示すように、吸い込み口21aが吹き出し口21bよりも室内の側壁または窓側に位置するように、設置される。これにより、ケーシング2内部のファンモータ24やフィルタ25から発せられる音は、主として側壁や窓側に出力されるため、室内において吹き出し口21b側(即ち、空間SP1)にいる利用者には届きにくくなる。
<その他の実施形態>
(A)
上記実施形態では、図2に示すように、1つのフラットパネル3がケーシング2に対し回動する場合について説明した。しかし、本発明に係る室内機は、図9に示すように、運転時には、略L字形状のフラットパネル103がケーシング102の下面である化粧パネル102bの下方に下がるような室内機101としても適用することができる。
図9の室内機101は、主として、ケーシング本体102aと化粧パネル102bとを含むケーシング102、L字形状のフラットパネル103、水平フラップ104等を備える。そして、図2の室内機1と同様、ケーシング102の化粧パネル102bには、吸い込み口121a及び吹き出し口121bがそれぞれ1つずつ設けられており、室内機101は、吸い込み口121aが吹き出し口121bよりも室内の側壁や窓側となるように設置されている。尚、水平フラップ104やケーシング102内部のその他の構成は、図2に係る水平フラップ4やケーシング2の内部と同様であるため、説明を省略する。
フラットパネル103は、略水平方向に延びる水平部103aと、略鉛直方向に延びる鉛直部103bとで構成される。より具体的には、鉛直部103bは、フラットパネル103が開姿勢を採る場合において、水平部103aの吹き出し口121b側端部から吸い込み口121aに向かって略鉛直方向に延びており、フラットパネル103において吹き出し口121bに近い部分であるといえる。水平部103aは、吸い込み口121aを遮蔽可能な面積を有する。そして、鉛直部103bの吸い込み口121a側の端部は、図示しない昇降部を介してケーシング102に対し可動可能に連結されている。また、水平部103aのうち、吹き出し口121b側とは逆側の端部(即ち、室内の側壁や窓側の端部)は、自由端となっている。
このような構成を有する室内機101によると、室内機101の運転停止時には、フラットパネル103は、鉛直部103bがケーシング2の内部に収容され、水平部103aが吸い込み口121aを閉じる閉姿勢を採る。また、室内機101の運転時、フラットパネル103は、ケーシング2の下方に下降し、吸い込み口121aを開放する開姿勢を採る。これにより、室内の空気は、図9の矢印Aのように、ケーシング102内部に吸い込まれる。
このように、図9の室内機101では、フラットパネル103が開姿勢を採る場合、少なくとも吹き出し口121bから遠い部分P101がケーシング102から離れる。そして、フラットパネル103が開姿勢を採る場合、フラットパネル103の水平部103aにおける第1部分P101と吸い込み口121aとの距離は、鉛直部103bにおける第2部分P102と吸い込み口121aとの距離よりも大きい。これにより、吹き出し口121b側の空間SP101にいる利用者からは、フラットパネル103の鉛直部103bにより吸い込み口121aが見えにくくなる。従って、室内機101の意匠性が確保される。
(B)
また、本発明に係る室内機は、図10に示すような室内機201にも適用することができる。図10の室内機201は、主として、ケーシング本体202aと化粧パネル202bとを含むケーシング202、複数枚の小型パネル203a〜203cで構成されるフラットパネル203、水平フラップ204等を備える。そして、図2の室内機1と同様、ケーシング202の下面である化粧パネル202bには、吸い込み口221a及び吹き出し口221bがそれぞれ1つずつ設けられており、室内機201は、吸い込み口221aが吹き出し口221bよりも室内の側壁や窓側となるように設置されている。尚、水平フラップ204やケーシング202内部のその他の構成は、図2に係る水平フラップ4やケーシング2の内部と同様であるため、説明を省略する。
複数枚の小型パネル203a〜203cは、それぞれ略水平方向に延びる板状部材であって、水平に並べられた場合に、隣り合う小型パネル203a〜203cとの間に水平方向の隙間がなるべくないように配置されている。図10において、各小型パネル203a〜203cの左側端部及び右側端部は、ワイヤにより図示しない複数の昇降部それぞれと連結されている。昇降部は、ワイヤを緩めたり巻き上げたりするためのモータを有しており、各小型パネル203a〜203cを上下に移動させるためのものである。尚、各ワイヤは、図10に示すように、吸い込み口221a側の小型パネルから室内の側壁及び窓側の小型パネルに向かって降下する距離が順に長くなるような長さを有している。
このような構成を有する室内機201によると、室内機201の運転停止時には、各小型パネル203a〜203cのワイヤは巻き上げられた状態となり、各小型パネル203a〜203cが水平に並べられることで、フラットパネル203は吸い込み口221aを閉じる閉姿勢を採る。また、室内機201の運転時には、ワイヤが緩められ、各小型パネル203a〜203cが図10に示すようにケーシング202の下方に降下することで、フラットパネル203は吸い込み口221aを開放する開姿勢を採る。これにより、室内の空気は、例えば図10の矢印Aのように、小型パネル203a〜203c同士の隙間や小型パネル203cとケーシング202との隙間等を介してケーシング2内部に吸い込まれる。
このように、図10の室内機201では、フラットパネル203が開姿勢を採る場合、吹き出し口221bから遠い第1部分P201等がケーシング202から離れる。そして、フラットパネル203が開姿勢を採る場合、フラットパネル203の第1部分P201と吸い込み口221aとの距離d201は、吹き出し口221bに近いフラットパネル203の第2部分P202と吸い込み口221aとの距離d202よりも大きい。これにより、吹き出し口221b側の空間SP201にいる利用者からは、吸い込み口221aが見えにくくなり、室内機201の意匠性が確保される。
(C)
また、本発明に係る室内機は、図11に示すような室内機301としても適用することができる。図11の室内機301は、主として、ケーシング本体302aと化粧パネル302bとを含むケーシング302、2枚の小型パネル303a,303bで構成されるフラットパネル303、水平フラップ304等を備える。そして、図2の室内機1と同様、ケーシング302の下面である化粧パネル302bには、吸い込み口321a及び吹き出し口321bがそれぞれ1つずつ設けられており、室内機301は、吸い込み口321aが吹き出し口321bよりも室内の側壁や窓側となるように設置されている。尚、水平フラップ304やケーシング302内部のその他の構成は、図2に係る水平フラップ4やケーシング2の内部と同様であるため、説明を省略する。
2枚の小型パネル303a,303bは、略水平方向に延びる板状部材である。図11において、小型パネル303aは、左側端部、即ち小型パネル303aの吹き出し口321b側端部を回動支点としてケーシング302に対し回動可能に連結されており、図示しない回動駆動部により回動することができる。小型パネル303aの右側端部は、小型パネル303bの左側端部と連結されており、小型パネル303bの右側端部は、ワイヤにより図示しない昇降部と連結されている。回動駆動部は、小型パネル303aを回動させるためのモータ等を有している。昇降部は、ワイヤを緩めたり巻き上げたりするためのモータを有しており、小型パネル303bを上下に移動させるためのものである。
このような構成を有する室内機301によると、室内機301の運転停止時には、小型パネル303aは、吸い込み口321aの一部を遮蔽する状態となり、小型パネル303bは、ワイヤが巻き上げられて上昇し、吸い込み口321aの残りの部分を遮蔽する状態となる。これにより、両小型パネル303a,303bは略水平に並べられ、フラットパネル303は吸い込み口321aを閉じた閉姿勢を採る。また、室内機301の運転時には、小型パネル303bは、ワイヤが緩められてケーシング2の下方に降下し、小型パネル303aは、左側端部を回動支点として回動する。これにより、フラットパネル303は、図11に示すように、吸い込み口321aを開放する開姿勢を採る。この場合、室内の空気は、図11の矢印Aのように、ケーシング302内部に吸い込まれる。
このように、図11の室内機301は、フラットパネル303が開姿勢を採る場合、少なくとも吹き出し口321bから遠い第1部分P301がケーシング302から離れる。そして、フラットパネル303が開姿勢を採る場合、フラットパネル303の第1部分P301と吸い込み口321aとの距離d301は、吹き出し口321bに近いフラットパネル303の第2部分P302と吸い込み口321aとの距離d302よりも大きい。これにより、吹き出し口321b側の空間SP301にいる利用者からは、吸い込み口321aが見えにくくなり、室内機301の意匠性が確保される。
(D)
また、上記実施形態では、ケーシング2の下面である化粧パネル2bに吸い込み口21a及び吹き出し口21bがそれぞれ1つずつ設けられている室内機1について説明した。しかし、本発明に係る室内機は、ケーシングの下面に吹き出し口が2つ設けられた、いわゆるダブルフローの室内機としても適用することができる。図12は、本発明が採用されたダブルフローの室内機401の概略縦断面図を示している。
図12の室内機401は、主として、ケーシング本体402aと化粧パネル402bとを含むケーシング402、2枚の小型パネル403a,403bで構成されるフラットパネル403、2つの水平フラップ404a,404b等を備える。ケーシング402の下面である化粧パネル402bには、1つの吸い込み口421aと、吸い込み口421aを挟んで2つの吹き出し口421b,421cが設けられている。室内機401は、2つの吹き出し口421b,421cのうち、吹き出し口421cが吸い込み口421aよりも室内の側壁や窓側となるように設置されている。そして、ケーシング402の内部には、各吹き出し口421b,421cの上方に設けられた2つの室内熱交換器422a,422b、送風ファン423a,423b、ファンモータ424、フィルタ425及び清掃部材426が収容されている。水平フラップ404a,404bは、吹き出し口421b,421cそれぞれを開閉可能に設けられている。水平フラップ404aからは、熱交換後の空気が矢印Bの方向に吹き出され、水平フラップ404bからは、熱交換後の空気が矢印Cの方向に吹き出される。
図12において、小型パネル403aは、左側端部を回動支点としてケーシング402に対し回動可能に連結されている。小型パネル403bは、右側端部を回動支点としてケーシング402に対し回動可能に連結されている。尚、これらの各小型パネル403a,403bは、図示しない回動駆動部を介して回動することができる。
このような構成を有する室内機401によると、室内機401の運転停止時には、両小型パネル403a,403bは、水平に並べられた状態となり、フラットパネル403は吸い込み口421aを閉じた閉姿勢を採る。また、室内機401の運転時には、図12に示すように、小型パネル403aは、吹き出し口421bに近い部分から遠い部分に向かって吸い込み口421aとの距離が大きくなるように傾斜する。また、小型パネル403bは、吹き出し口421cに近い部分から遠い部分に向かって吸い込み口421aとの距離が大きくなるように傾斜する。これにより、フラットパネル403は、吸い込み口421aを開放する開姿勢となる。この場合、室内の空気は、図12の矢印Aのように、ケーシング402内部に吸い込まれる。
このように、図12の室内機401は、フラットパネル403が開姿勢を採る場合、各吹き出し口421b,421cから遠い部分P401a,P401bがケーシング402から離れる。そして、フラットパネル403が開姿勢を採る場合、フラットパネル403の部分P401aと吸い込み口421aとの距離は、吹き出し口421bに近いフラットパネル403の部分P402aと吸い込み口421aとの距離よりも大きい。また、フラットパネル403の部分P401bと吸い込み口421aとの距離は、吹き出し口421cに近いフラットパネル403の部分P402bと吸い込み口421aとの距離よりも大きい。これにより、各吹き出し口421b,421c側からは、吸い込み口421aが見えにくくなり、室内機401の意匠性が確保される。
(E)
上記実施形態では、図3に示すように、清掃部材26のブラシ26aが、フィルタ25の表面を移動しながらフィルタ25上の塵埃を除去する場合について説明した。しかし、清掃部材26は、図3の構成に限定されず、フィルタ25上の塵埃を除去できれば、どのような構成であってもよい。例えば、ブラシ26aはケーシング2に対し固定されており、清掃モード時にはフィルタ25が移動するような構成が挙げられる。この場合、吸引ファン26cを設けずとも、ブラシ26aの下部にダストボックス26dを直接設けることにより、フィルタ25から剥離した塵埃はダストボックス26dに直接溜められるようになる。
(F)
また、清掃部材26のその他の構成の例としては、図13に示すようなものが挙げられる。図13は、フィルタ525が捕集した塵埃を除去する清掃部材526を備えた室内機501の一部分の拡大図である。図13の清掃部材526は、主として、ブラシ526a、ノズル526b、吸引ファン526c、ダストボックス526d及びプレフィルタ526gで構成されている。尚、ケーシング502及びフィルタ525については、上記実施形態に係る図2において同じ名称を付けて付したケーシング2及びフィルタ25と同様である。ブラシ526a、ノズル526b及び吸引ファン526cについては、上記実施形態に係る図3において同じ名称を付けて付したブラシ26a、ノズル26b及び吸引ファン26cと同様である。そのため、ここでは、ダストボックス526d及びプレフィルタ526gについて説明する。
ダストボックス526dは、フィルタ25側に開口を有する箱状部材であって、内部にはプレフィルタ526gにより捕集された塵埃が収容される。このダストボックス526dは、室内機501のメンテンナンス時に、利用者より容易にダストボックス526dが取り外されるように、ケーシング502の吸い込み口521a付近に設けられている。尚、図13では、一例として、ダストボックス526dが、図13においてケーシング502の右側端部(即ち、ケーシング502の側壁及び窓側)であって、かつフィルタ525の下方に位置している場合を表している。プレフィルタ526gは、ノズル526bの先端部分に設けられた開口を覆うように設けられている。ブラシ526aがフィルタ525の表面を擦ると共に、吸引ファン526cが図13の矢印の方向に空気を吸引することにより、フィルタ525上から塵埃が剥離されるが、プレフィルタ526gはこれを捕集する。
このような構成を有する清掃部材526は、フィルタ525の清掃後、例えば図14に示すように、ノズル526bの先端部分の開口がダストボックス526dの開口を向くように、ノズル526bの先端部分を移動及び/または回転させる。その後、プレフィルタ526gを振動させたり、プレフィルタ526gを上下させてダストボックス526dの角部に接触させたりすることにより、プレフィルタ526gが捕集した塵埃は、プレフィルタ526gからダストボックス526dに落とされる。これにより、ダストボックス526dの内部には塵埃が集められる。従って、利用者は、ダストボックス526dをケーシング2から取り外すことにより、ダストボックス526d内の塵埃を捨てることができる。
(G)
上記実施形態では、フラットパネル3が開姿勢を採る状態で、清掃部材26による清掃動作が行われる場合について説明した。しかし、清掃部材26による清掃動作は、フラットパネル3が閉姿勢を採る状態で行われても良い。これにより、清掃部材26によりフィルタ25から除去された塵埃が、仮にダストボックス26d内に収容しきれずダストボックス26dの外部に漏れ出しても、吸い込み口21aを介して室内にまき散らされずに済む。
(H)
また、上記実施形態に係る室内機1は、図示しない昇降部によりフラットパネル3及びフィルタ25が一体となって昇降可能に構成されていてもよい。この場合のフラットパネル3は、例えばフラットパネル3の4カ所の角部分において図示しない昇降部によりワイヤなどで吊り下げられた構造を有し、昇降することが可能であるとする。メンテナンス時等においてフラットパネル3がケーシング2の下方に降りる場合には、先ずフラットパネル3の回動部分がケーシング2から外されると共に、清掃部材26がフィルタ25から離れる。そして、フィルタ25は、ケーシング2から外され、フラットパネル3及びフィルタ25は、一体となってケーシング2の下方に移動する。これにより、フィルタ25は、利用者によりフラットパネル3から取り外され清掃されることができる。従って、清掃部材26により除去しきれず残っているフィルタ25上の塵埃を除去することができる。
(I)
また、上記実施形態では、フラットパネル3のケーシング2に対する傾斜角度α,βは、図8に示すように、設定された風量に応じてリニアに調節される場合について説明した。しかし、フラットパネル3のケーシング2に対する傾斜角度α,βは、図15に示すように、設定された風量に応じて段階的に調節されてもよい。
(J)
上記第1実施形態及びその他の実施形態(A)〜(C)では、吹き出し口が1つである室内機について説明し、その他の実施形態(D)では、吹き出し口が2つである室内機について説明した。しかし、フラットパネルが開姿勢を採る場合に、少なくとも吹き出し口から遠いフラットパネルの第1部分がケーシングから離れる条件を満たせば、本発明に係る室内機は、2以上の吹き出し口を有する室内機にも適用できる。
本発明は、意匠性を損なわずに済む効果を有しており、天井埋め込み型の空気調和装置の室内機に適用することができる。
本実施形態に係る室内機の外観図であって、室内機が開姿勢を採る場合の図。 天井に設置された図1の室内機のII−II断面を、右側から見た場合の概略図。 清掃部材の構成概略図。 (a)フラットパネルが閉姿勢を採る場合の、室内機の一部分の拡大概略図。 (b)フラットパネルが閉姿勢から開姿勢に至る時の、室内機の一部分の拡大概略図。 (c)フラットパネルが開姿勢を採る場合の、室内機の一部分の拡大概略図。 本実施形態に係る室内機を構成する各種機能部を模式的に示すブロック図。 閉姿勢を採る室内機外観図。 本実施形態に係るフラットパネルの傾斜度合いを説明するための図。 フラットパネルの傾斜度合いと設定された風量との関係を説明するための図。 その他の実施形態(A)に係る室内機の概略縦断面図であって、室内機が開姿勢を採る場合の図。 その他の実施形態(B)に係る室内機の概略縦断面図であって、室内機が開姿勢を採る場合の図。 その他の実施形態(C)に係る室内機の概略縦断面図であって、室内機が開姿勢を採る場合の図。 その他の実施形態(D)に係る室内機の概略縦断面図であって、室内機が開姿勢を採る場合の図。 その他の実施形態(F)に係る室内機の概略縦断面図であって、清掃部材を含む室内機の一部分を拡大した図。 その他の実施形態(F)に係る室内機の概略縦断面の一部分を拡大した図であって、清掃部材のプレフィルタが捕集した塵埃がダストボックスに集められる時の図。 その他の実施形態(I)に係るフラットパネルの傾斜度合いと設定された風量との関係を示す図。
符号の説明
1 室内機
2 ケーシング
2a ケーシング本体
2b 化粧パネル
21a 吸い込み口
21b 吹き出し口
22 室内熱交換器
23 送風ファン
24 ファンモータ
25 フィルタ
26 清掃部材
3 フラットパネル
4 水平フラップ
5 受信部
6 運転状態表示部
7 制御部
71 パネル調節部
72 清掃制御部

Claims (10)

  1. 天井埋め込み型の空気調和装置の室内機(1,101,201,301,401)であって、
    下面(2b,102b,202b,302b,402b)に室内空気の吸い込み口(21a,121a,221a,321a,421a)と吹き出し口(21b,121b,221b,321b,421b)とが形成されたケーシング(2,102,202,302,402)と、
    前記ケーシング(2,102,202,302,402)の前記吸い込み口(21a,121a,221a,321a,421a)を遮蔽する閉姿勢と、前記吸い込み口(21a,121a,221a,321a,421a)を開放する開姿勢とを採り得るパネル(3,103,203,303,403)と、
    を備え、
    前記パネル(3,103,203,303,403)が前記開姿勢を採る場合、少なくとも前記吹き出し口(21b,121b,221b,321b,421b)から遠い前記パネル(3,103,203,303,403)の第1部分(P1,P101,P201,P301,P401)が前記ケーシング(2,102,202,302,402)から離れる、
    空気調和装置の室内機(1,101,201,301,401)。
  2. 前記パネル(3,103,203,303,403)が前記開姿勢を採る場合、前記パネル(3,103,203,303,403)の前記第1部分(P1,P101,P201,P301,P401)と前記吸い込み口(21a,121a,221a,321a,421a)との距離は、前記吹き出し口(21b,121b,221b,321b,421b)に近い前記パネル(3,103,203,303,403)の第2部分(P2,P102,P202,P302,P402)と前記吸い込み口(21a,121a,221a,321a,421a)との距離よりも大きい、
    請求項1に記載の空気調和装置の室内機(1,101,201,301,401)。
  3. 前記パネル(3,103,203,303,403)は、運転停止時には前記閉姿勢を採り、運転時には前記開姿勢を採る、
    請求項2に記載の空気調和装置の室内機(1,101,201,301,401)。
  4. 前記パネル(3)は、
    前記ケーシングの下面(2b)に対し回動自在に設けられており、
    前記開姿勢を採る場合、前記吹き出し口(21b)に近い部分から遠い部分に向かって前記吸い込み口(21a)との距離が大きくなるように傾斜している、
    請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和装置の室内機(1)。
  5. 前記パネル(3)の前記ケーシング(2)に対する傾斜度合いを調節する調節部(7)を更に備える、
    請求項4に記載の空気調和装置の室内機(1)。
  6. 前記調節部(7)は、前記ケーシング(2)内部から発せられる音の室内への伝達を小さくする静音優先モード時、前記パネル(3)の前記ケーシング(2)に対する傾斜度合いが通常モード時よりも大きくなるように、前記パネル(3)の傾斜度合いを調節する、
    請求項5に記載の空気調和装置の室内機(1)。
  7. 前記吹き出し口(21b)から室内に吹き出される空気の量の設定を受け付ける受付部(5)を更に備え、
    前記調節部(7)は、前記受付部(5)により受け付けられた前記設定に基づいて、前記パネル(3)の傾斜度合いを調節する、
    請求項5または6に記載の空気調和装置の室内機(1)。
  8. 前記パネル(103)は、略水平方向に延びる水平部(103a)と、前記開姿勢を採る場合に前記水平部(103a)の前記吹き出し口(21b)側端部から前記吸い込み口(121a)に向かって略鉛直方向に延びる鉛直部(103b)とで構成されるL字形状を有しており、
    前記パネル(103)の前記第1部分(P101)は、前記水平部(103a)上に位置し、前記第2部分(P102)は、前記鉛直部(103b)上に位置する、
    請求項2または3に記載の空気調和装置の室内機(101)。
  9. 前記吹き出し口(21b,121b,221b,321b)は、前記ケーシング(2,102,202,302)の下面(2b,102b,202b,302b)に1つ形成されている、
    請求項1〜8のいずれかに記載の空気調和装置の室内機(1,101,201,301)。
  10. 前記吸い込み口(21a,121a,221a,321a)が前記吹き出し口(21b,121b,221b,321b)よりも室内の側壁または窓側に位置するように、配置される、
    請求項9に記載の空気調和装置の室内機(1,101,201,301)。
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