JP2009041083A - アレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 - Google Patents
アレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009041083A JP2009041083A JP2007208830A JP2007208830A JP2009041083A JP 2009041083 A JP2009041083 A JP 2009041083A JP 2007208830 A JP2007208830 A JP 2007208830A JP 2007208830 A JP2007208830 A JP 2007208830A JP 2009041083 A JP2009041083 A JP 2009041083A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- rolling
- temperature
- thick steel
- thickness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
【解決手段】質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.5%以下、Mn:0.4〜2%、P:0.05%以下、S:0.008%以下、Al:0.002〜0.05%、N:0.01%以下、Nb:0.003〜0.1%を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有するとともに、次の(1)式で示される炭素当量Ceqが0.32〜0.40であり、板厚中心部のフェライト組織分率が80%以上であり、かつ板厚中心部の有効結晶粒径が25μm以下であることを特徴とするアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。さらに、Ni、Cu、Cr、Mo、V、B、Ti、Ca、MgおよびREMを含んでもよい。
Ceq=C+Mn/6+Cu/15+Ni/15+Cr/5+Mo/5+V/5・・・(1)
但し、式中の、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、それぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。
【選択図】なし
Description
Ceq=C+Mn/6+Cu/15+Ni/15+Cr/5+Mo/5+V/5・・・(1)
但し、式中の、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、それぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。
t×exp(Tr3/270000000)≦580 ・・・・・・・・・・(2)
ここで、tは鋼塊の加熱時間(hr)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
C−670−G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
B−C−20−1400/G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
ここで、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終の厚肉鋼の板厚(mm)を、それぞれ表す。
E−500≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・(6)
F−2≧0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。
Ceq=C+Mn/6+Cu/15+Ni/15+Cr/5+Mo/5+V/5・・・(1)
但し、式中の、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、それぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。
[工程1]鋼塊の加熱温度Tr(℃)と加熱時間t(hr)が次の(2)式を満足するように鋼塊を加熱する工程。
t×exp(Tr3/270000000)≦580 ・・・・・・・・・・(2)
ここで、tは鋼塊の加熱時間(hr)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
[工程2]圧延途中の任意の厚みA(mm)における圧延温度B(℃)と、最終圧延により最終の厚肉鋼の板厚G(mm)に仕上げる際の仕上圧延温度C(℃)が、次の(3)式、(4)式および(5)式を満足するように圧延する工程。
A−1.5G≧0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
C−670−G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
B−C−20−1400/G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
ここで、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終の厚肉鋼の板厚(mm)を、それぞれ表す。
[工程3]水冷停止温度E(℃)および板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)が、次の(6)式および(7)式を満足するように水冷を行う工程。
E−500≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・(6)
F−2≧0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。
[工程1]鋼塊の加熱温度Tr(℃)と加熱時間t(hr)が次の(2)式を満足するように鋼塊を加熱する工程。
t×exp(Tr3/270000000)≦580 ・・・・・・・・・・(2)
ここで、tは鋼塊の加熱時間(hr)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
[工程2]圧延途中の任意の厚みA(mm)における圧延温度B(℃)と、最終圧延により最終の厚肉鋼の板厚G(mm)に仕上げる際の仕上圧延温度C(℃)が、次の(3)式、(4)式および(5)式を満足するように圧延する工程。
A−1.5G≧0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
C−670−G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
B−C−20−1400/G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
ここで、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終の厚肉鋼の板厚(mm)を、それぞれ表す。
[工程3]水冷停止温度E(℃)および板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)が、次の(6)式および(7)式を満足するように水冷を行う工程。
E−500≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・(6)
F−2≧0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。
[工程4]Ac1点以下の温度で焼戻す工程。
以下、化学組成を表す「%」は、特に断らない限り、「質量%」を意味する。
Cは、強度確保に必要な元素である。0.01%以上を含有させなければ実用的な強度を有する鋼を生産することはできない。一方、その含有量が0.12%を超えると、ベイナイト変態領域の靭性劣化が顕著化するとともに、溶接熱影響部の靭性も損ねる。したがって、Cの含有量は0.01〜0.12%とする。強度とアレスト特性のバランスの点から、好ましい範囲は0.03〜0.10%である。
Siは、精錬段階での脱酸に必要な元素であるとともに強度上昇に寄与する元素である。しかしながら、Siの含有量が0.5%を超えると、溶接熱影響部における島状マルテンサイトの生成を助長して靭性に悪影響を及ぼす。したがって、Siの含有量を0.5%以下とするのが良い。好ましくは、0.3%以下である。なお、Siの効果を確実に発現させるためには、Siを0.03%以上含有させるのが好ましい。
Mnは、強度確保のための必要な元素である。しかし、その含有量が0.4%未満ではこれらの効果を得ることができない。一方、2%を超えると溶接熱影響部の靭性が大幅に劣化する。したがって、Mnの含有量は0.4〜2%とする。好ましい範囲は0.6〜1.6%である。
Pは、不純物として存在し、溶接熱影響部における粒界割れの原因となる。Pの含有量が0.05%を超えると、溶接熱影響部における粒界割れの発生が著しくなることから、P含有量の上限を0.05%とする。なお、その混入量はできるだけ低くするのが好ましく、アレスト特性の安定的に得るためには、Pの含有量を0.03%以下とするのが好ましい。
Sは、不純物として存在し、脆性破壊の基点となるMnSを形成して、アレスト特性を損なう元素である。Sの含有量が0.008%を超えるとアレスト特性が顕著に劣化するため、不純物元素とてのS含有量の上限を0.008%とする。なお、その混入量はできるだけ低くするのが好ましく、アレスト特性の安定的に得るためには、Sの含有量を0.003%未満とするのが好ましい。
Alは鋼の脱酸に必要な元素である。本発明に係る鋼材の場合、0.002%以上の含有量が必要である。しかし、その含有量が0.05%を超えると析出物の増加を通じてアレスト特性の劣化が顕著化する。したがってAlの含有量は0.002〜0.05%とする。好ましくは0.002〜0.04%である。
Nは、不純物として存在し、析出物を形成することで靭性劣化をもたらす元素であるため、低温靭性確保のためには低い方が良い。Nの含有量が0.01%を超えるとアレスト特性の劣化が顕著化するため、Nの含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.006%以下である。
Nbは、組織の微細化、焼入れ性の向上及び析出硬化による強度上昇に有効な元素であり、特に未再結晶域の拡大効果が大きいことから、TMCP法を適用する鋼材には必要な元素である。0.003%以上の含有量でその効果が発揮される。しかし、その含有量が0.1%を超えると、析出物の増加により却って靭性の劣化をもたらす。したがって、Nbの含有量を0.003〜0.1%とする。好ましくは0.003〜0.04%である。
Ni、必要に応じて含有させることができる。Niを含有させると、鋼板のアレスト特性を向上させることができる。しかしながら、Niの含有はコストアップ要因となるため、その含有量を1%以下とする。好ましくは0.6%以下である。なお、Niによるアレスト特性向上効果を確実に発現させるためには、Niを0.03%以上含有させることが好ましい。
Cuは、必要に応じて含有させることができる。Cuを含有させると、靭性を劣化させずに強度を向上させることができる。しかしながら、その含有量が2%を超えると、却って析出物増加によりアレスト特性の劣化をきたし、更に、熱間での加工の際、表面に微小な割れを発生させるので、その含有量の上限は2%とする。Cuの好ましい上限は1%である。なお、Cuによる強度向上効果を確実に発現させるためには、Cuを0.03%以上含有させることが好ましい。
Crは、必要に応じて含有させることができる。Crを含有させると、強度を上昇させることができる。しかしながら、その含有量が1%を超えると、却って靭性の劣化をきたし、更に、溶接熱影響部に硬化した組織を形成し靭性を劣化させるので、その含有量の上限は1%とする。Crの好ましい上限は0.6%である。なお、Crによる強度向上効果を確実に発現させるためには、Crを0.05%以上含有させることが好ましい。
Moは、必要に応じて含有させることができる。Moを含有させると、焼入れ性を高め、強度を向上させることができる。しかしながら、Moの含有はコストアップ要因となり、また、その含有量が0.5%を超えると、却って溶接熱影響部の靭性を劣化させるので、その含有量の上限は0.5%とする。Moの好ましい上限は0.3%である。なお、Moによる焼入性と強度の向上効果を確実に発現させるためには、Moを0.02%以上含有させることが好ましい。
Vは、必要に応じて含有させることができる。Vを含有させると、焼入れ性の向上及び析出硬化による強度の向上に有効となる。しかしながら、Vの含有量が0.1%を超えると、却って靭性の著しい劣化をもたらすので、その含有量の上限は0.1%とする。Vの好ましい上限は0.06%である。なお、Vによる焼入性と強度の向上効果を確実に発現させるためには、Vを0.003%以上含有させることが好ましい。
Bは、必要に応じて含有させることができる。Bを含有させると、オーステナイト粒界からのフェライト変態を抑制して焼入れ性を向上させ、強度を高めることができる。しかしながら、Bの含有量が0.005%を超えると靭性が劣化するので、その含有量の上限は0.5%以下とする。Bの好ましい上限は0.0015%である。なお、Bによる焼入性および強度の向上効果を確実に発現させるためには、Bを0.0003%以上含有させることが好ましい。さらに、本発明においては板厚中心部部のフェライト量を確保することが必要であるので、Bを含有させるときは、炭素当量で示される焼き入れ性とのバランスを十分考慮することが重要となる。
Tiは、必要に応じて含有させることができる。Tiを含有させると、酸化物粒子の構成元素として有効となり、また高温延性を高めて連続鋳造で製造される鋼塊のひび割れを防止するのに有効となる。しかしながら、Tiの含有量が0.1%を超えると、TiCを生成し、靭性を劣化させるので、その含有量の上限は0.1%とする。Tiの好ましい上限は0.04%である。なお、Tiによるこれらの効果を確実に発現させるためには、Tiを0.003%以上含有させることが好ましい。
Caは、必要に応じて含有させることができる。Caを含有させると、介在物の形態制御効果を有し、アレスト特性の向上に寄与する。しかしながら、その含有量が0.004%を超えると、鋼の清浄度自体を大きく低下させるので、その含有量の上限は0.004%以下とする。Caの好ましい上限は0.002%である。なお、Caによるこれらの効果を確実に発現させるためには、Caを0.0003%以上含有させるのが好ましい。
Mgは、必要に応じて含有させることができる。Mgを含有させると、微細酸化物の分散密度を増すことができ、溶接熱影響部の靭性が向上する。しかしながら、その含有量が0.002%を超えると、微細酸化物が得られないし、鋼の清浄度を大きく低下させるので、その含有量の上限は0.002%以下とする。Mgの好ましい上限は0.0015%である。なお、Mgによる微細酸化物の分散密度の向上効果を確実に発現させるためには、Mgを0.0002%以上含有させることが好ましい。ここで、Mgを溶鋼中に含有させる工程は、Alを溶鋼中に含有させる前に行うのが好ましい。
REM(希土類元素)は、必要に応じて含有させることができる。REMを含有させると、Mgと同様に、微細酸化物の分散密度を増すことができ、溶接熱影響部の靭性が向上する。さらに、過剰なSを硫化物として固定する効果も得られる。しかしながら、その含有量が0.002%を超えると、微細酸化物が得られないし、鋼の清浄度を大きく低下させるので、その含有量の上限は0.002%以下とする。REMの好ましい上限は0.0015%である。なお、REMによるこれらの効果を確実に発現させるためには、REMを0.0002%以上含有させることが好ましい。ここで、REMを溶鋼中に含有させる工程は、Alを溶鋼中に含有させる前に行うのが好ましい。またREMとは、ランタニドの15元素にYおよびScを合わせた17元素を意味し、それぞれのREM元素に分離して鋼中に含有させてもよいし、ミッシュメタルとして混合した状態で鋼中に含有させてもよい。
本発明で規定する高強度厚肉鋼板は強度部材として使用されることから、規格材として十分な強度を保有している必要がある。したがって、高強度厚肉鋼板の化学組成は各々の規定範囲を満足するだけではなく、適切な焼き入れ性を有していることが必要である。高強度厚肉鋼板の焼き入れ性を表すパラメータとしては炭素当量を用いることができる。特に、引張強さが490MPa以上の強度クラスの高強度厚肉鋼板の場合には、IIWで規定されている炭素当量式を用いることができる。すなわち、次の(1)式で示される炭素当量Ceqを用いて整理することができる。
Ceq=C+Mn/6+Cu/15+Ni/15+Cr/5+Mo/5+V/5・・・(1)
但し、式中の、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、それぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。
板厚中心部は加工の浸透度が低いこともあり、上部ベイナイト組織が主体となる。そして、一般に上部ベイナイト組織は細粒フェライト組織に比べて、ラス間の硬質組織(MA)の影響により靭性が低下する。
高強度厚肉鋼板の靱性は、圧延後に得られる肉厚鋼板の板厚中心部のフェライト組織分率を80%以上と規定することに加えて、板厚中心部の有効結晶粒径を25μm以下とすることによって向上することが分かった。
以下に詳述する製造条件は、上述の厚肉鋼板を経済的に要領よく実現するための方法の一つであり、厚肉鋼板自体の技術的範囲はこの製造条件によって規定されるものではない。
ここで、tは鋼塊の加熱時間(hr)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
A−1.5G≧0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
C−670−G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
B−C−20−1400/G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
ここで、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終の厚肉鋼の板厚(mm)を、それぞれ表す。
E−500≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・(6)
F−2≧0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。
Claims (8)
- 質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.5%以下、Mn:0.4〜2%、P:0.05%以下、S:0.008%以下、Al:0.002〜0.05%、N:0.01%以下、Nb:0.003〜0.1%を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有するとともに、次の(1)式で示される炭素当量Ceqが0.32〜0.40であり、板厚中心部のフェライト組織分率が80%以上であり、かつ板厚中心部の有効結晶粒径が25μm以下であることを特徴とするアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
Ceq=C+Mn/6+Cu/15+Ni/15+Cr/5+Mo/5+V/5・・・(1)
但し、式中の、C、Mn、Cu、Ni、Cr、MoおよびVは、それぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。 - 質量%で、さらに、Ni:1%以下を含有したことを特徴とする、請求項1に記載のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
- 質量%で、さらに、Cu:2%以下およびCr:1%以下の元素のうち1種又は2種を含有したことを特徴とする、請求項1または2に記載のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
- 質量%で、さらに、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下およびB:0.005%以下の元素のうち1種又は2種以上を含有したことを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
- 質量%で、さらに、Ti:0.1%以下を含有したことを特徴とする、請求項1から4までのいずれかに記載のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
- 質量%で、さらに、Ca:0.004%以下、Mg:0.002%以下およびREM:0.002%以下の元素のうち1種又は2種以上を含有したことを特徴とする、請求項1から5までのいずれかに記載のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板。
- 請求項1から6までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼塊を、下記の工程1〜3によって、加熱し、圧延し、冷却することを特徴とするアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板の製造方法。
[工程1]鋼塊の加熱温度Tr(℃)と加熱時間t(hr)が次の(2)式を満足するように鋼塊を加熱する工程。
t×exp(Tr3/270000000)≦580 ・・・・・・・・・・(2)
ここで、tは鋼塊の加熱時間(hr)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
[工程2]圧延途中の任意の厚みA(mm)における圧延温度B(℃)と、最終圧延により最終の厚肉鋼の板厚G(mm)に仕上げる際の仕上圧延温度C(℃)が、次の(3)式、(4)式および(5)式を満足するように圧延する工程。
A−1.5G≧0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
C−670−G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
B−C−20−1400/G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
ここで、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終の厚肉鋼の板厚(mm)を、それぞれ表す。
[工程3]水冷停止温度E(℃)および板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)が、次の(6)式および(7)式を満足するように水冷を行う工程。
E−500≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(6)
F−2≧0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。 - 請求項1から6までのいずれかに記載の化学組成を有する鋼塊を、下記の工程1〜4によって、加熱し、圧延し、冷却し、焼戻すことを特徴とするアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板の製造方法。
[工程1]鋼塊の加熱温度Tr(℃)と加熱時間t(hr)が次の(2)式を満足するように鋼塊を加熱する工程。
t×exp(Tr3/270000000)≦580 ・・・・・・・・・・(2)
ここで、tは鋼塊の加熱時間(hr)を、そして、Trは加熱温度(℃)を、それぞれ表す。
[工程2]圧延途中の任意の厚みA(mm)における圧延温度B(℃)と、最終圧延により最終の厚肉鋼の板厚G(mm)に仕上げる際の仕上圧延温度C(℃)が、次の(3)式、(4)式および(5)式を満足するように圧延する工程。
A−1.5G≧0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
C−670−G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
B−C−20−1400/G≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(5)
ここで、Aは圧延途中の任意の厚み(mm)を、BはAにおける圧延温度(℃)を、Cは仕上圧延温度(℃)を、そして、Gは最終の厚肉鋼の板厚(mm)を、それぞれ表す。
[工程3]水冷停止温度E(℃)および板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)が、次の(6)式および(7)式を満足するように水冷を行う工程。
E−500≦0 ・・・・・・・・・・・・・・・(6)
F−2≧0 ・・・・・・・・・・・・・・・・(7)
ここで、Eは水冷停止温度(℃)を、そして、Fは板厚中心部における水冷中の平均冷却速度F(℃/s)を、それぞれ表す。
[工程4]Ac1点以下の温度で焼戻す工程。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007208830A JP5082667B2 (ja) | 2007-08-10 | 2007-08-10 | アレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007208830A JP5082667B2 (ja) | 2007-08-10 | 2007-08-10 | アレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009041083A true JP2009041083A (ja) | 2009-02-26 |
JP5082667B2 JP5082667B2 (ja) | 2012-11-28 |
Family
ID=40442134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007208830A Expired - Fee Related JP5082667B2 (ja) | 2007-08-10 | 2007-08-10 | アレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5082667B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011127207A (ja) * | 2009-12-21 | 2011-06-30 | Sumitomo Metal Ind Ltd | アレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 |
JP2012241274A (ja) * | 2011-05-24 | 2012-12-10 | Jfe Steel Corp | 耐圧潰性および耐サワー性に優れた高強度ラインパイプおよびその製造方法 |
JP2012241273A (ja) * | 2011-05-24 | 2012-12-10 | Jfe Steel Corp | 耐圧潰性および耐サワー性に優れた高強度ラインパイプおよびその製造方法 |
JP2012241272A (ja) * | 2011-05-24 | 2012-12-10 | Jfe Steel Corp | 耐圧潰性および溶接熱影響部靱性に優れた高強度ラインパイプ及びその製造方法 |
JP2014037589A (ja) * | 2012-08-20 | 2014-02-27 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 表層のアレスト性に優れた高張力鋼板およびその製造方法 |
CN113574199A (zh) * | 2019-12-18 | 2021-10-29 | Posco公司 | 冲裁性和材质均匀性优异的高强度热轧钢板及其制造方法 |
CN115652219A (zh) * | 2022-10-21 | 2023-01-31 | 舞阳钢铁有限责任公司 | 具有优异冷成型特性的低成本低温结构钢及其生产方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10822671B2 (en) | 2014-12-24 | 2020-11-03 | Posco | High-strength steel having superior brittle crack arrestability, and production method therefor |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05202444A (ja) * | 1991-11-26 | 1993-08-10 | Nippon Steel Corp | 低温靭性の良い鋼板およびその製造方法 |
JPH111742A (ja) * | 1997-06-10 | 1999-01-06 | Nippon Steel Corp | 疲労き裂伝播特性の優れた鋼材及びその製造方法 |
JP2000008123A (ja) * | 1998-06-22 | 2000-01-11 | Nippon Steel Corp | 低温靭性に優れた高張力鋼材の製造方法 |
JP2001131679A (ja) * | 1999-11-09 | 2001-05-15 | Nippon Steel Corp | 超細粒鋼からなる継手及び構造体 |
JP2008248354A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Kobe Steel Ltd | 脆性亀裂発生抑制・停止特性および溶接熱影響部の低温靭性に優れた高張力鋼板 |
JP2008280600A (ja) * | 2007-05-14 | 2008-11-20 | Kobe Steel Ltd | 脆性亀裂伝播停止特性および板厚中央部の靭性に優れた鋼板並びにその製造方法 |
-
2007
- 2007-08-10 JP JP2007208830A patent/JP5082667B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05202444A (ja) * | 1991-11-26 | 1993-08-10 | Nippon Steel Corp | 低温靭性の良い鋼板およびその製造方法 |
JPH111742A (ja) * | 1997-06-10 | 1999-01-06 | Nippon Steel Corp | 疲労き裂伝播特性の優れた鋼材及びその製造方法 |
JP2000008123A (ja) * | 1998-06-22 | 2000-01-11 | Nippon Steel Corp | 低温靭性に優れた高張力鋼材の製造方法 |
JP2001131679A (ja) * | 1999-11-09 | 2001-05-15 | Nippon Steel Corp | 超細粒鋼からなる継手及び構造体 |
JP2008248354A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Kobe Steel Ltd | 脆性亀裂発生抑制・停止特性および溶接熱影響部の低温靭性に優れた高張力鋼板 |
JP2008280600A (ja) * | 2007-05-14 | 2008-11-20 | Kobe Steel Ltd | 脆性亀裂伝播停止特性および板厚中央部の靭性に優れた鋼板並びにその製造方法 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011127207A (ja) * | 2009-12-21 | 2011-06-30 | Sumitomo Metal Ind Ltd | アレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 |
JP2012241274A (ja) * | 2011-05-24 | 2012-12-10 | Jfe Steel Corp | 耐圧潰性および耐サワー性に優れた高強度ラインパイプおよびその製造方法 |
JP2012241273A (ja) * | 2011-05-24 | 2012-12-10 | Jfe Steel Corp | 耐圧潰性および耐サワー性に優れた高強度ラインパイプおよびその製造方法 |
JP2012241272A (ja) * | 2011-05-24 | 2012-12-10 | Jfe Steel Corp | 耐圧潰性および溶接熱影響部靱性に優れた高強度ラインパイプ及びその製造方法 |
JP2014037589A (ja) * | 2012-08-20 | 2014-02-27 | Nippon Steel & Sumitomo Metal | 表層のアレスト性に優れた高張力鋼板およびその製造方法 |
CN113574199A (zh) * | 2019-12-18 | 2021-10-29 | Posco公司 | 冲裁性和材质均匀性优异的高强度热轧钢板及其制造方法 |
CN115652219A (zh) * | 2022-10-21 | 2023-01-31 | 舞阳钢铁有限责任公司 | 具有优异冷成型特性的低成本低温结构钢及其生产方法 |
CN115652219B (zh) * | 2022-10-21 | 2023-11-21 | 舞阳钢铁有限责任公司 | 具有优异冷成型特性的低成本低温结构钢及其生产方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5082667B2 (ja) | 2012-11-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4309946B2 (ja) | 脆性き裂伝播停止特性に優れた厚手高強度鋼板およびその製造方法 | |
US7914629B2 (en) | High strength thick steel plate superior in crack arrestability | |
JP5522084B2 (ja) | 厚鋼板の製造方法 | |
JP6763141B2 (ja) | Lpgタンク用鋼板の製造方法 | |
JP5082667B2 (ja) | アレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 | |
KR102051199B1 (ko) | 고강도·고인성 강판 및 그 제조 방법 | |
JP2017160510A (ja) | 低温用ニッケル鋼板およびその製造方法 | |
JP2017186614A (ja) | 厚鋼板およびその製造方法 | |
WO2019088104A1 (ja) | 熱延鋼板及びその製造方法 | |
JP5994819B2 (ja) | 耐衝撃性に優れた鋼板及びその製造方法 | |
JP5051001B2 (ja) | 圧延方向に対し45°方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 | |
JP7070814B1 (ja) | 厚鋼板およびその製造方法 | |
JP6421907B1 (ja) | 圧延h形鋼及びその製造方法 | |
JP5233303B2 (ja) | Z方向のアレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 | |
JP6610352B2 (ja) | 引張強度および靭性に優れた低温用ニッケル含有鋼板およびその製造方法 | |
JP2008013812A (ja) | 高靭性高張力厚鋼板およびその製造方法 | |
JP2011068952A (ja) | アレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板 | |
JP2023130322A (ja) | 厚鋼板およびその製造方法 | |
JP2013129885A (ja) | 脆性亀裂伝播停止特性に優れた高強度厚鋼板の製造方法 | |
WO2021131460A1 (ja) | 高強度継目無鋼管およびその製造方法 | |
JP6673320B2 (ja) | 厚鋼板および厚鋼板の製造方法 | |
JP2017160511A (ja) | 引張強度および靭性に優れた低温用ニッケル含有鋼板およびその製造方法 | |
JP2019147987A (ja) | 鋼板およびその製造方法 | |
WO2021131461A1 (ja) | 高強度継目無鋼管およびその製造方法 | |
JP2011127207A (ja) | アレスト特性に優れた高強度厚肉鋼板およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090827 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111101 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111115 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120228 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120416 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120807 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120820 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5082667 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150914 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150914 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150914 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |