JP2014037589A - 表層のアレスト性に優れた高張力鋼板およびその製造方法 - Google Patents

表層のアレスト性に優れた高張力鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硫化物応力腐食割れに対して有害なNiを用いることなく、TSが720MPa以上の高い強度と高い靭性を併せ持ち、かつHAZにおける低温靭性および母材表層のアレスト性に優れた高張力鋼板を低コストで提供する。
【解決手段】
質量%で、C:0.10〜0.20%、Si:0.02〜0.25%、Mn:0.7〜1.6%、P:0.02%以下、S:0.008%以下、Cr:0.5〜1.2%、Mo:0.1%以上かつ0.3%未満、Ti:0.004〜0.025%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.01〜0.05%およびN:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有する鋼板であって、
鋼板の圧延方向に平行な表層から1mm以内の領域はベイナイト相の面積率が85〜99%とフェライト相の面積率が1%〜15%の混合組織からなり、かつ、鋼板の圧延方向に平行な表層から1mm以内の領域における板厚方向の平均フェライト結晶粒径が10μm以下であり、そして、
鋼板の板厚tの(1/4)t位置から(1/2)t位置までの間の領域はベイナイトとマルテンサイトの混合組織からなり、さらに、
鋼板の板厚tの(1/4)t位置における結晶粒の、圧延方向の粒径Prの板厚方向の粒径Ptに対する比が4以上であることを特徴とする高張力鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、表層のアレスト性に優れた高張力鋼板およびその製造方法に関する。
構造用鋼板の各分野では、構造物の大型化に伴い、厚肉化、高強度化の傾向が著しい。最近では、同時に高いレベルでの破壊安全性の保証が求められており、強度と破壊安全性を兼ね揃えた厚鋼板への需要が高まっている。特に液化ガス運搬用の素材では、例えば引張強さ(TS)が720〜950MPaという高張力鋼の適用が始まっている。
また、液化ガス運搬船に用いられる鋼板は、その用途上、高い耐脆性亀裂特性を備えている必要がある。すなわち、脆性亀裂の発生抑制の観点から溶接熱影響部(以下、「HAZ」と略記する。)の高靭性化、そして脆性亀裂の伝播停止の観点から母材アレスト特性の向上が必要とされる。母材アレスト特性の指標として、落重試験が最も一般的かつ簡便な方法として船級協会による溶接施工試験でも用いられるが、高強度鋼の製造方法として一般的な焼入れ・焼戻し製法では、表層のアレスト性が不足するため十分な落重試験特性を確保することが困難である。
液化ガスの運搬に利用される液化ガス運搬船のうち、最も建造実績が多いLPG船は、LPGの運搬だけでなく、アンモニア、塩化ビニル等、多様な液化ガスの運搬にも使用されている。LPG船が多目的船として使用され、特に無水アンモニアも積載する場合、硫化物応力腐食割れ(以下、「SSC」と略記する。)に注意する必要がある。SSCは腐食反応によって発生した水素が硫化水素の存在により多量に鋼中に侵入するために生じる水素脆化割れの一種であると考えられている。鋼のSSCの発生のしやすさ(以下、「SSC感受性」と略記する。)は、その化学組成、ミクロ組織等の影響を受ける。鋼の低温靭性を改善するには鋼にNiを含有させるのが有効であることがよく知られているが、非特許文献1に記載されているように、Niを含有させると、活性経路割れ(Active Pass Corrosion:APC)機構による割れを助長し、耐SSC性が劣化する。このため、SSCを考慮すべき環境で鋼板を使用する場合には、鋼の低温靱性改善のためにNiを含有させることはできない。
この問題を解決するために、特許文献1には鋼を低合金化するとともに、Bを含有させることが開示されている。ここでは、鋼の強度(以下、「母材強度」と略記する。)を確保するとともに、HAZの硬さ上昇を抑制し、鋼のSSC感受性を抑制できるとされている。
また、特許文献2には、Bを含有させずに低C化を図ることによって焼入れ性を低下させてHAZの硬化を防止する一方、Nbを含有させ、その析出硬化作用を利用して母材強度の不足分を補う発明が開示されている。
特許文献3にはTiを含有せず、Nbを添加することで、大型構造用部材として使用可能な高アレスト特性を持つ高張力鋼板の発明が開示されている。特許文献4には表層のアレスト特性に着目し、NDT温度(nil ductility transition temperature:無延性遷移温度)が−70℃以下という十分な落重試験特性を持った鋼板の製造方法が開示されている。特許文献5にはHAZ靭性と耐SSC性能に優れた高張力鋼板の製造方法が開示されている。
特開昭55−76044号公報 特開平2−8322号公報 特開2000−45021号公報 特開平9−104948号公報 特開2012−92377号公報
山根康義ほか、硫化物環境下での低合金鋼の応力腐食割れ挙動、川崎製鉄技報、第17巻(1985)第2号、178〜184頁
LPG運搬船に用いられる鋼板としては、容量の拡大、安全性の向上などの要求に応えるため、引張強さ(TS)が720〜950MPa程度で、板厚が50mm以上の高張力鋼の使用が検討されている。
しかしながら、特許文献1および2に記載の鋼は、いずれも引張強さ(TS)が580〜700MPa程度であり、上記の要求に応えることはできない。
さらに、LPG運搬船、圧力容器などの素材には、脆性亀裂の伝播停止の観点から、母材のアレスト特性の向上が必要とされる。母材アレスト性の推定に用いられる指針としては、NRL(Naval Research Laboratory)落重試験が最も一般的かつ簡便な手法であり、船級協会による溶接施工試験の際にはシャルピー衝撃試験の代替として実施されることもある。
特許文献3に開示された高張力鋼は、強度・靭性、およびアレスト性において十分な特性を持っているものの、オフライン焼入れ・焼戻し製法を選択しているため、NRL落重試験において重要となる表層のアレスト性を確保することが困難である。また、特許文献4に開示された発明ではTSが490MPa程度と低く、また板厚も16mm〜40mmであり、上記要求に応えることができない。さらに、特許文献5に開示された発明では、表層のアレスト性に着目した発明ではないため、表層のアレスト性に優れた鋼板の製造方法が十分に開示されているとは言えない。
本発明は、このような状況に鑑み、硫化物応力腐食割れに対して有害なNiを用いることなく、TSが720MPa以上の高い強度と高い靭性を併せ持ち、HAZにおける低温靭性および母材表層のアレスト性に優れた高張力鋼板を低コストで提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、種々の検討を重ねた結果、次の(a)〜(c)に示す知見を得た。
(a) 高張力鋼板のHAZ靭性を改善するためには、焼入れ性を最適化してHAZの結晶組織をマルテンサイトとベイナイトからなる混合組織とすること、およびC含有量を低減して島状マルテンサイトの生成を抑制することが重要である。しかし、C含有量を低減した場合、強度を確保するために多量の合金元素を添加することが必要になり、製造コストの観点から好ましくない。本発明では、特に高コストであるMoの含有量を最低限に抑えるために、C含有量を増加させることとする。
C含有量の増加により劣化するHAZ靭性は、Si含有量を低減することで向上させることができる。Si含有量を低減すれば、Cが母材に固溶されやすくなり、結果として島状マルテンサイトの形成を抑制し、HAZの低温靭性を向上させることができるからである。
(b) 鋼板に脆性破壊が生じるのは、亀裂の先端における局部応力が鋼板の特性である限界微視的破壊応力以上になるときである。したがって、鋼板の耐破壊特性を向上させるには、鋼板の限界破壊応力を向上させるか、または亀裂先端の局部応力を低下させればよい。
まず鋼板の限界破壊応力を向上させるには、鋼板の金属組織を微細化することが有効であり、結晶粒を微細化すればするほど鋼板の限界破壊応力は向上していく。そのためには、鋼板の焼入れ性を上げて鋼板表面の粒径を細かくする方法があるが、焼入れ性を上げるためには多くの合金元素を添加する必要があり、コストの高騰を招く。
次に、亀裂先端の局部応力を低下させる方法として、セパレーションを利用することが一般に知られている。セパレーションとは集合組織が発達した鋼板において、鋼板の板厚方向に生じる縦割れのことである。このセパレーションが発生すると、亀裂先端の拘束が解放され、結果的に局部応力を低下させるため、脆性破壊が起こりにくくなる。
(c) つまり、鋼板の組織を細粒化しつつ、十分に集合組織を発達させることが脆性破壊特性を向上させるのに必要である。本発明者らは検討を重ねた結果、鋼板表面1mm以内における板厚方向の平均フェライト結晶粒径が10μm以下になるよう圧延を実施すれば、十分に集合組織が発達した鋼板を得ることができ、鋼板表層のNDT温度が−50℃未満を達成できることを見出した。
このとき、圧延時の温度がAr点を大幅に下回ると、鋼板表層にフェライト相が過度に析出し始めて、鋼板の限界破壊応力が低下するため、落重試験特性が劣化する。したがって、鋼板の圧延方向に平行な表層から1mm以内の領域はベイナイト相の面積率が85〜99%とフェライト相の面積率が1%〜15%の混合組織とすればよい。このような混合組織は、例えば、(Ar点+30℃)以下の仕上温度で圧延を完了させ、(Ar点−30℃)以上の温度から水冷することで得ることができる。
また、表層では上述したとおり、フェライトとベイナイトの混合組織が有効であるが、鋼板内部では強度と靭性の両方を確保するためにベイナイトとマルテンサイトの混合組織とするのがよい。すなわち、鋼板内部にて目標の強度と靭性を達成するには、鋼板の板厚tの(1/4)t位置から(1/2)t位置までの間の領域はベイナイトとマルテンサイトの混合組織からなり、さらに、鋼板の板厚tの(1/4)t位置における結晶粒の、圧延方向の粒径Prの板厚方向の粒径Ptに対する比Pr/Ptを4以上とするのがよい。
本発明に係る高張力鋼板は、このような知見に基づいて完成したものであり、次の(1)〜(3)に示す高張力鋼板および(4)に示す高張力鋼板の製造方法をその要旨とする。以下、それぞれ、「本発明(1)」〜「本発明(4)」という。本発明(1)〜本発明(4)を総称して、「本発明」ということがある。
(1)質量%で、C:0.10〜0.20%、Si:0.02〜0.25%、Mn:0.7〜1.6%、P:0.02%以下、S:0.008%以下、Cr:0.5〜1.2%、Mo:0.1%以上かつ0.3%未満、Ti:0.004〜0.025%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.01〜0.05%およびN:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有する鋼板であって、
鋼板の圧延方向に平行な表層から1mm以内の領域はベイナイト相の面積率が85〜99%とフェライト相の面積率が1%〜15%の混合組織からなり、かつ、鋼板の圧延方向に平行な表層から1mm以内の領域における板厚方向の平均フェライト結晶粒径が10μm以下であり、そして、
鋼板の板厚tの(1/4)t位置から(1/2)t位置までの間の領域はベイナイトとマルテンサイトの混合組織からなり、さらに、鋼板の板厚tの(1/4)t位置における結晶粒の、圧延方向の粒径Prの板厚方向の粒径Ptに対する比Pr/Ptが4以上であることを特徴とする高張力鋼板。
(2)さらに、質量%で、V:0.1%以下およびNb:0.02%以下の一方または両方を含有することを特徴とする、上記(1)の高張力鋼板。
(3)さらに、質量%で、Sn:0.50%以下を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)の高張力鋼板。
(4)次の(i)〜(iii)の工程を有することを特徴とする高張力鋼板の製造方法。
(i) 上記(1)〜(3)のいずれかの化学組成を有するスラブを1000〜1200℃の温度に加熱し、その温度範囲で均熱する工程、
(ii) デスケーリングした後、圧延し、(Ar点+30℃)以下の仕上温度で圧延を完了させ、(Ar点−30℃)以上の温度から、5℃/sec以上の冷却速度で350℃以下まで水冷する工程、および
(iii) 500℃以上かつAc点以下の温度に再加熱し、冷却する工程。
本発明によれば、硫化物応力腐食割れに対して有害なNiを用いることなく、TSが720MPa以上の高い強度と高い靭性を併せ持ち、HAZにおける低温靭性および母材表層のアレスト性に優れた高張力鋼板を低コストで提供することができる。
以下に、本発明の各要件について詳しく説明する。ここで、化学組成を表す「%」は、特に断らない限り、「質量%」を意味する。
(A)高張力化学組成について
C:0.10〜0.20%
Cは、鋼の強度を高めるとともに鋼の焼入れ性を高める作用があるので、0.10%以上含有させる必要がある。他方、C含有量が過剰であると、HAZの硬さが過度に高くなるとともに、島状マルテンサイトの生成量が増加する。このため、低温継手靱性が損なわれる。これを避けるためにC含有量は0.20%以下とする必要がある。したがって、C含有量は0.10〜0.20%とする。望ましいC含有量の下限は0.11%であり、望ましいC含有量の上限は0.15%である。
Si:0.02〜0.25%
Siは、脱酸元素として有用であり、また鋼の強度を高める作用もあるので、0.02%以上含有させる必要がある。一方、島状マルテンサイトの生成を抑制するために母材へのSi固溶を避ける必要があるため、Si含有量は0.25%以下に制限する必要がある。したがって、Si含有量は0.02〜0.25%とする。Si含有量の好ましい下限は0.03%であり、好ましい上限は0.20%である。
Mn:0.7〜1.6%
Mnは、焼入れ性を高めて鋼の強度および靭性を確保する上で不可欠な元素であり、0.7%以上含有させる必要がある。しかしながら、Mn含有量が1.6%を超えると、低温継手靭性の劣化が顕著となる。したがって、Mnの含有量は0.7〜1.6%とする。Mn含有量の好ましい下限は0.9%であり、好ましい上限は1.4%である。
P:0.02%以下、S:0.008%以下
PおよびSは、いずれも不純物として鋼板に混入する元素であり、なるべく低いほうが靱性の面からは望ましい。靭性の確保と経済性の両立を考えた場合、Pの含有量は0.02%まで、Sの含有量は0.008%まで、それぞれ許容できる。
Cr:0.5〜1.2%
Crは、鋼の焼入れ性を向上させると共に、強度および靭性を大きく改善する効果があるので、0.5%以上含有させる必要がある。しかしながら、その含有量が1.2%を超えると、継手部の靭性、特に低温靱性が劣化する。したがって、Cr含有量は、0.5〜1.2%とする。Cr含有量の好ましい下限は0.6%であり、好ましい上限は1.1%である。
Mo:0.1%以上かつ0.3%未満
Moは、MnおよびCrと同様に、強度と靭性を改善する効果があるので、0.1%以上含有させる。しかしながら、Mo含有量が0.3%以上であるとHAZ靭性が劣化し、コスト高騰も顕著となる。したがって、Mo含有量は0.1%以上かつ0.3%未満とする。Mo含有量の好ましい下限は0.15%であり、好ましい上限は0.28%である。
Ti:0.004〜0.025%
Tiは、スラブ加熱時のオーステナイト粒径の粗大化を抑制して、母材靭性を改善することができるので、0.004%以上含有させる必要がある。しかしながら、0.025%を超えるとその効果が頭打ちとなるだけでなく、炭化物を生成しHAZ靭性が劣化する。したがって、Ti含有量は0.004〜0.025%以下とする。Ti含有量の好ましい下限は0.01%であり、好ましい上限は0.02%である。
B:0.0005〜0.003%
Bは、微量の添加で焼入れ性を向上させることができるので、0.0005%以上含有させる必要がある。しかしながら、その含有量が0.003%を超えると、溶接性の劣化が著しい。したがって、B含有量は0.0005〜0.003%とする。B含有量の好ましい下限は0.0010%であり、好ましい上限は0.0020%である。
Al:0.01〜0.05%
Alは、脱酸に有効であるとともに、窒化物を生成して結晶粒の微細化にも有効であるので、0.01%以上含有させる。しかしながら、0.05%を超えるとその効果は飽和する。したがって、Al含有量は0.01〜0.05%とする。Al含有量の好ましい下限は0.015%であり、好ましい上限は0.04%である。なお、Al含有量とは、酸可溶性Al(sol.Al)の含有量を意味する。
N:0.01%以下
Nは、不純物として鋼板に混入する元素であり、Bと反応するとBNを生成するので、その分Bの上記効果を低減させる。よって、Nの含有量は低い方が好ましいが、0.01%まで許容できる。
本発明に係る高張力鋼板は、上記の化学組成を有し、残部がFeおよび不純物からなる。ここで、不純物とは、鋼板を工業的に製造する際に鉱石やスクラップ等のような原料をはじめとして製造工程の種々の要因によって混入する成分を意味する。
本発明に係る高張力鋼板は、次のとおり、上記の元素のほかに、V、NbおよびSnのうち、少なくとも1種を含有させてもよい。各元素の含有目的および好ましい含有量の範囲は下記の通りである。
V:0.1%以下
Vは、鋼板を焼戻しした際の強度低下を抑制する効果を有するので、必要に応じて含有させてもよい。ただし、その含有量が0.1%を超えると、溶接性の劣化を招く。よって、Vを含有させる場合には、その含有量を0.1%以下とする。上記の効果を得たい場合は、Vを0.01%以上含有させるのが好ましい。
Nb:0.02%以下
Nbは、Vと同様に、焼戻し時の強度低下を抑制する効果を有し、圧延時、結晶を細粒化して靭性を向上させる効果を有しているため、必要に応じて含有させてもよい。ただし、その含有量が0.02%を超えると、溶接性およびHAZ靭性の劣化を招く。よって、Nbを含有させる場合には、その含有量を0.02%以下とする。上記の効果を得たい場合は、Nbを0.005%以上含有させるのが好ましい。
Sn:0.50%以下
Snは、Sn2+となって溶解し、酸性塩化物溶液中でのインヒビター作用により腐食を抑制する作用を有する。また、Fe3+を速やかに還元させ、酸化剤としてのFe3+濃度を低減する作用を有することにより、Fe3+の腐食促進作用を抑制するので、高飛来塩分環境における耐候性を向上させる。このため、必要に応じて含有させてもよい。ただし、その含有量が0.50%を超えると、これらの効果は飽和する。よって、Snを含有させる場合には、その含有量を0.50%以下とする。上記の効果を得たい場合は、Snを0.03%以上含有させるのが好ましい。
(B)高張力鋼板の組織について
(B−1)鋼板の圧延方向に平行な表層から1mm以内の領域の組織について
鋼板表層のNDT温度が−50℃未満を達成でき、かつ、落重試験特性を高めて母材表層のアレスト性に優れた高張力鋼板を得るためには、鋼板の組織を細粒化しつつ、十分に集合組織を発達させることが脆性破壊特性を向上させるのに必要である。具体的には、鋼板の圧延方向に平行な表層から1mm以内の領域において、板厚方向の平均フェライト結晶粒径が10μm以下であり、かつ、ベイナイト相の面積率が85〜99%とフェライト相の面積率が1%〜15%の混合組織とすることが必要である。
このような組織を得るには製造プロセスにおける圧延工程が重要となる。圧延温度が高すぎれば十分に集合組織が発達せず、表層組織の微細化も不十分なので、所望の落重試験特性を得ることはできない。また、水冷開始温度が低すぎれば、鋼板表層にフェライト相が過度に析出し始め鋼板の限界破壊応力が低下するため、落重試験特性は劣化する。具体的には、(Ar点+30℃)以下の仕上温度で圧延を完了させ、引き続き(Ar点−30℃)以上の温度から水冷することで、このような組織が得られる。
なお、鋼板の圧延方向に平行な表層から1mm以内の領域における板厚方向の平均フェライト結晶粒径は、鋼板の圧延方向および板厚方向に平行な面が露出するように鋼板を切り出し、研磨後、ナイタール(2〜5%(体積分率)の硝酸エタノール溶液)または適切な腐食液を用いてフェライト結晶粒界を現出させて表層から1mm以内の領域のミクロ組織観察写真を撮り、写真に任意に引いた直線に交わる結晶粒の1結晶粒当たりの平均線分長を測定することによって、求めることができる。
(B−2)鋼板の板厚方向の組織について
鋼板の内部における組織は、鋼板の強度と靭性に大きく寄与する。したがって、鋼板内部では、強度と靭性を確保するために、高靭性を有するベイナイト組織と高強度特性を有するマルテンサイト組織を組み合わせる。具体的には、板厚tの(1/4)t位置から(1/2)t位置までの間の領域において、ベイナイト組織とマルテンサイト組織の混合組織とする。その他の組織も鋼中に存在してもよいが、5%以下に抑える必要がある。面積率で、ベイナイト組織が70〜90%と、マルテンサイト組織が10〜30%からなる混合組織とするのが好ましい。
さらに、靱性を確保するために、本発明では、鋼板の板厚tの(1/4)t位置における結晶粒の、圧延方向の粒径Prの板厚方向の粒径Ptに対する比Pr/Ptを4以上とする必要がある。
ここで、鋼板の板厚の(1/4)t位置における結晶粒の、圧延方向の粒径Prの板厚方向の粒径Ptに対する比Pr/Ptは、鋼板の圧延方向および板厚方向に平行な面が露出するように鋼板を切り出し、鋼板の板厚tの(1/4)t近傍のミクロ組織観察写真を撮影し、視野内の任意の結晶粒を10個選び、それぞれの結晶粒から比を算出し平均すればよい。
(C)高張力鋼板の製造方法について
上記のような高張力鋼板は、例えば、下記の工程を経て製造することができる。特に条件を明記した工程以外については、通常の条件を採用することができる。
(C−1)スラブの準備
まず、前述した化学組成を有するスラブ(鋼塊)を用意する。スラブの製造方法は問わない。たとえば、連続鋳造法により製造すればよい。
(C−2)加熱工程
スラブは1000〜1200℃で加熱し、その温度範囲で均熱するのがよい。加熱温度が1000℃以上では合金元素の固溶が十分となるので、強度を確保することができる。そして、加熱温度が1200℃以下であると結晶粒が微細となるので、靭性を確保することができる。均熱は、鋼板表面温度と鋼板内部の温度差が40℃以下となるまで行うのがよい。均熱時間は、設備仕様に従い、上記の加熱条件を満足するのに十分な時間とするのがよい。
(C−3)圧延工程
圧延前には、スラブをデスケーリングするのがよい。本発明で規定される化学組成を満足するスラブは、Si含有量が0.25%以下と低いため、スケールの成長が早く、圧延時にスケールに起因する鋼板表面疵が発生しやすい。よって、加熱炉から抽出されたスラブは圧延前にデスケーリングするのがよい。デスケーリングは圧延パス毎に行うことが好ましい。
圧延後は加速冷却設備によって、直接焼入れを行う。圧延仕上げ温度が高すぎると鋼板表面の圧延組織が不十分なため、良好な表層アレスト特性が得られない。そのため、(Ar点+30℃)以下の仕上温度で圧延を完了することが重要である。なお、圧延完了温度は、引き続いて行う水冷との関係から、(Ar点−30℃)以上となる。好ましい圧延完了温度は、Ar点以上である。
水冷開始温度は、(Ar点−30℃)以上とする。水冷開始温度を(Ar点−30℃)以上とすると均一な焼入れ組織が得られ易く、また鋼板表層にフェライトが過度に析出することもないため、表層アレスト特性を確保することができる。なお、前工程の圧延仕上げ温度との関係から、水冷開始温度は(Ar点+30℃)を超えることはないが、もしも水冷開始温度が(Ar点+30℃)を超える場合には、結晶粒の粗大化を招く恐れがある。
このとき、冷却は5℃/sec以上の冷却速度で350℃以下まで行う。特に、均一な焼入れ組織を得るためには、5℃/sec以上の冷却速度で、200℃以下の温度になるまで冷却することが好ましい。
(C−4)焼戻し工程
焼入れ後は、最終工程として焼戻しを行う。具体的には、500℃以上かつAc点以下の温度に再加熱し、冷却する。焼戻し温度を500℃以上とすることによって、十分な焼戻し効果が得られ、低温靭性を確保することができる。ただし、焼戻し温度がAc点を超えると、本発明の化学組成を有する鋼板では、HT720級の強度を確保できないおそれがある。焼戻し後の鋼板は、空冷すればよい。焼戻し後、水冷を行うことで、更なる高靭性を得ることが可能であるが、本発明鋼は空冷でも十分な靭性を確保できる。
なお、Ar点(℃)、Ac点(℃)およびAc点(℃)は、鋼板の化学組成および厚さt(mm)から、それぞれ、以下の式で計算するものとする。
Ar点=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo+0.35(t−8)
Ac点=910.7−295.7C+61.2Si−30.3Mn+333.1P−27.1Cu−2.6Cr−27.5Ni−1.8Mo+70.9V
Ac点=712+20.1Si−17.8Mn−9.8Mo+11.9Cr−19.1Ni
(ここで、各式中の元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を意味する。)
表1に示す化学組成を有する鋼をラボの真空溶解炉にて溶製し、得られた180kgのスラブを小型圧延機にて圧延し、得られた鋼板を熱処理して供試材(鋼No.1〜33)を得た。
Figure 2014037589
表2に、各供試材についての製造条件を示す。
Figure 2014037589
いずれの供試材においても、スラブの加熱後には、表2に示すスラブ加熱温度で60分間均熱を行った。各圧延パスでデスケーリングを行いながら、板厚50〜60mmまで圧延を行った後、直接焼入れをし、焼戻しをして大気中に放冷した。
得られた各供試材(鋼板No.1〜33)の板厚tの(1/4)t位置から、圧延方向に直角な方向に引張試験片を採取し、引張試験を行った。その結果を「母材YS(MPa)および母材TS(MPa)」として、表3に示す。
また、得られた各供試材の板厚tの(1/4)t位置から、圧延方向に平行な方向にJIS4号試験片を採取し、延性−脆性遷移温度(vTrs)を測定した。その結果を「母材vTrs(℃)」として、表3に示す。
また、各供試材の表面近傍からNRL落重試験片を採取し、NDT温度を求めた。その結果を「NDT温度(℃)」として、表3に示す。
また、各供試材を母材とする溶接継手を、入熱36kJ/cmのサブマージアーク溶接にて作製し、ノッチ位置をF.L.とするシャルピー試験を行った。その結果を「HAZ vE−50(J)」として、表3に示す。
また、各供試材の表面近傍から試験片を採取し、圧延方向および板厚方向に平行な面を研磨後、ナイタール(2〜5%(体積分率)の硝酸エタノール溶液)により腐食させ、組織観察を行った。現出させたフェライト粒界を光学顕微鏡で観察し、板厚方向に引いた直線に交わる結晶粒の平均線分長を計測した。その結果を「鋼板表層1mm以内の平均粒径(μm)」として、表3に示す。
なお、上述のナイタールにより腐食処理した試験片からは、表層1mm以内のミクロ組織を観察し、ベイナイトとフェライトの面積率を測定した。面積率は以下の計算式により求めた。
ベイナイトの面積率(%)=(ベイナイト相の面積)/(視野全体の面積)×100
フェライトの面積率(%)=(フェライト相の面積)/(視野全体の面積)×100
また、各供試材の板厚tの(1/4)t位置と(1/2)t位置からも試験片を採取し、同様にナイタールを用いて腐食させ、板厚tの(1/4)t位置から(1/2)t位置までの間の領域はベイナイト(B)とマルテンサイト(M)の混合組織であることを確認した。その結果を「鋼板の厚みtの(1/4)t位置から(1/2)t位置の間の領域における組織」として、表3に示す。
さらに、各供試材の板厚tの(1/4)t位置でのミクロ組織観察写真を用いて、鋼板の厚みtの(1/4)t位置における結晶粒、ならびに、圧延方向の粒径Prの、板厚方向の粒径Ptに対する比Pr/Ptを計測した。このとき、結晶粒の粒径は視野内の任意の結晶粒を10個選び、それぞれの粒径の比の平均値を算出した。その結果を「鋼板の厚みtの(1/4)t位置における結晶粒の、圧延方向の粒径Prの板厚方向の粒径Ptに対する比Pr/Pt」として、表3に示す。
Figure 2014037589
なお、母材強度の目標値は、それぞれ、降伏点(YS)が620MPa以上、引張強さ(TS)が720MPa以上、母材靭性の目標値はvTrsが−50℃以下、NDT温度の目標は−50℃未満、HAZ靭性の目標値は−50℃での吸収エネルギーvE−50が50J以上である。
表3より、本発明で規定される条件を満足する鋼板No.1〜20はいずれも、母材の強度および靭性、NDT温度、およびHAZ靭性の全てが目標値を満足していた。
一方、鋼板No.21は、Cの含有量が過剰であり、母材およびHAZのいずれの靭性も目標に満たなかった。鋼板No.22は、Siの含有量が過剰であり、HAZ靭性が不足していた。鋼板No.23は、Mnの含有量が過剰であり、母材およびHAZのいずれの靭性も目標に満たなかった。鋼板No.24は、Crの含有量が過剰であり、HAZ靭性が不足していた。鋼板No.25は、Moの含有量が過剰であり、HAZ靭性が不足していた。鋼板No.26は、Tiの含有量が過剰であり、母材靭性が不足していた。鋼板No.27は、Bの含有量が過剰であり、HAZ靭性が不足していた。鋼板No.28は、Alの含有量が過剰であり、母材靭性が不足していた。
そして、鋼板No.29は本発明で規定する化学組成の範囲を満たすものの、水冷開始温度が低く、鋼材表層1mm以内のベイナイト相とフェライト相の混合割合およびフェライト平均粒径が本発明で規定する範囲外になったため、NDT温度が目標に達しなかった。鋼板No.30は本発明で規定する化学組成の範囲を満たすものの、圧延完了温度が高く、鋼材表層1mm以内のベイナイト相とフェライト相の混合割合およびフェライト平均粒径が本発明で規定する範囲外になったため、NDT温度が目標に達しなかった。鋼板No.31は本発明で規定する化学組成の範囲を満たしたが、水冷開始温度が低く、鋼材表層1mm以内のベイナイト相とフェライト相の混合割合およびフェライト平均粒径が本発明で規定する範囲外になったため、降伏点が低く、NDT温度が目標に達しなかった。鋼板No.32は本発明で規定する化学組成の範囲を満たすものの、水冷による冷却速度が低く、鋼材表層1mm以内のベイナイト相とフェライト相の混合割合が本発明で規定する範囲外になったため、NDT温度が目標に達しなかった。鋼板No.33は本発明で規定する化学組成の範囲を満たすものの、スラブ加熱温度が低く、鋼板の板厚tの(1/4)t位置から(1/2)t位置までの間の領域における組織がフェライトとベイナイトの混合組織となったため、母材強度(降伏点および引張強度)が目標に達しなかった。
本発明によれば、硫化物応力腐食割れに対して有害なNiを用いることなく、TSが720MPa以上の高い強度と高い靭性を併せ持ち、HAZにおける低温靭性および母材表層のアレスト性に優れた高張力鋼板を低コストで提供することができる。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.10〜0.20%、Si:0.02〜0.25%、Mn:0.7〜1.6%、P:0.02%以下、S:0.008%以下、Cr:0.5〜1.2%、Mo:0.1%以上かつ0.3%未満、Ti:0.004〜0.025%、B:0.0005〜0.003%、Al:0.01〜0.05%およびN:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有する鋼板であって、
    鋼板の圧延方向に平行な表層から1mm以内の領域はベイナイト相の面積率が85〜99%とフェライト相の面積率が1%〜15%の混合組織からなり、
    かつ、鋼板の圧延方向に平行な表層から1mm以内の領域における板厚方向の平均フェライト結晶粒径が10μm以下であり、そして、
    鋼板の板厚tの(1/4)t位置から(1/2)t位置までの間の領域はベイナイトとマルテンサイトの混合組織からなり、さらに、
    鋼板の板厚tの(1/4)t位置における結晶粒の、圧延方向の粒径Prの板厚方向の粒径Ptに対する比Pr/Ptが4以上であることを特徴とする高張力鋼板。
  2. さらに、質量%で、V:0.1%以下およびNb:0.02%以下の一方または両方を含有することを特徴とする、請求項1に記載の高張力鋼板。
  3. さらに、質量%で、Sn:0.50%以下を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の高張力鋼板。
  4. 次の(i)〜(iii)の工程を有することを特徴とする高張力鋼板の製造方法。
    (i) 請求項1〜3に記載の化学組成を有するスラブを1000〜1200℃の温度に加熱し、その温度範囲で均熱する工程、
    (ii) デスケーリングした後、圧延し、(Ar点+30℃)以下の仕上温度で圧延を完了させ、(Ar点−30℃)以上の温度から、5℃/sec以上の冷却速度で350℃以下まで水冷する工程、および
    (iii) 500℃以上かつAc点以下の温度に再加熱し、冷却する工程。
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