JP2014177687A - 落重特性に優れた高張力鋼板およびその製造方法 - Google Patents

落重特性に優れた高張力鋼板およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014177687A
JP2014177687A JP2013053629A JP2013053629A JP2014177687A JP 2014177687 A JP2014177687 A JP 2014177687A JP 2013053629 A JP2013053629 A JP 2013053629A JP 2013053629 A JP2013053629 A JP 2013053629A JP 2014177687 A JP2014177687 A JP 2014177687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel
temperature
less
steel plate
rolling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013053629A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5874664B2 (ja
Inventor
Masayuki Hashimoto
正幸 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2013053629A priority Critical patent/JP5874664B2/ja
Publication of JP2014177687A publication Critical patent/JP2014177687A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5874664B2 publication Critical patent/JP5874664B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

【課題】直接焼入れを施す鋼板に対して特別な熱処理を付加せずとも、引張強度:780MPa以上の高強度と同時にNDT温度:-50℃以下の優れた落重特性を有する厚鋼板を提供する。
【解決手段】所定の成分組成と以下の(1)式で求められるH値が60以上の高張力鋼板において、旧γ粒の平均粒径(dγ)を60μm以下の焼戻しベイナイト主体組織とする。
H値=3.0×104×0.1×(C*)0.5×(0.7×[%Si]+1)×(3.33×[%Mn]+1)×(0.35×[%Cu]+1)×(0.36×[%Ni]+1)×(2.16×[%Cr]+1)×(3.0×[%Mo]+1)/T1.5 ・・(1)
ここで、 C*=[%C]-1/4×([%Ti]-48×[%N]/14)
T:鋼板板厚(mm)
[%A]はA元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
【選択図】図1

Description

本発明は、落重特性に優れた高張力鋼板およびその製造方法に関するものであって、主として風力発電用構造物、海洋構造物および船舶などの溶接構造物に適用される厚鋼板であって引張強度が780MPa以上の高張力鋼板の、特に落重特性の改善に関するものである。
風力発電用構造物、海洋構造物および船舶など溶接構造物に適用される厚鋼板は、近年における溶接構造物の大型化設計や寒冷地環境での適用などに伴い、より厚肉(例えば50mm以上)で、高強度(例えば降伏強度:690MPa以上)、加えて低温靭性(例えば-40℃における靭性値規定)などの厳しい特性が要求される傾向にある。
殊に、大型構造物は破壊靱性に優れている必要があり、脆性破壊特性の指標として落重特性に優れていることが要求される。
これら特性を有する厚鋼板は、通常、焼入れ・焼戻し熱処理(Q-T処理)により製造される。しかしながら、鋼板の高強度化、厚肉化に伴い、熱間圧延に引き続いて再加熱することなく焼入れを実施する直接焼入れを主体とする従来の製造方法では、低温靭性や破壊靱性、さらには落重特性を確保することが困難になっている。
落重特性を改善する技術として、例えば特許文献1に示されたような技術が提案されている。この技術は、P含有量を極力低減することによって、粒界の強化を図ると共に、所定量のN添加による細粒効果や、Cr添加による靭性向上効果を図るものである。
また、特許文献2では、ローラクエンチ式焼入れによって、ベイナイトの生成を抑制しつつ微細フェライトを生成させることによって、良好な落重特性を達成する技術が提案されている。
さらに、特許文献3では、適切な鋼成分の調整と、圧延後の直接冷却-再加熱焼入れ-焼戻しプロセスの適用とによって、鋼板のベイナイト組織を制御し、高強度と共に良好な落重特性を達成する技術が提案されている。
加えて、特許文献4では、鋼板の適切な成分調整と圧延後の直接冷却-焼戻しプロセスの適用によって、高強度と共に良好な靭性を達成する技術が提案されている。
特開平2−93045号公報 特開昭60−155620号公報 特開2011−179106号公報 特開平10−1720号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術で得られる鋼板は、落重特性の指標となる無延性遷移温度(TNDT)を-50℃程度にできるものの、鋼板の降伏強度は620MPa程度に留まっており、高強度と共に良好な落重特性を確保することはできない。
また、特許文献2に記載の技術においても、やはり、鋼板の高強度化は困難であり、高強度と共に良好な落重特性を確保することはできない。
さらに、特許文献3に記載の技術においても、鋼板の引張強度:780MPa以上の高強度化は困難であり、高強度と共に良好な落重特性を確保することができないばかりでなく、従来の製造方法に対して製造工程が増えており、製造コストの増加を招いている。
加えて、特許文献4に記載の技術では、鋼板の特性として、NDT温度≦-50℃を安定に確保することができない。また、厚肉で所定の鋼板強度・靭性を得るために1%程度以上のNiが添加されており、製造コストの増大を招いている。
本発明は、かかる従来技術の有する種々の問題に鑑みてなされたものであって、直接焼入れを鋼板に施す方法であっても、鋼板に対して特別な熱処理を付加せずに、引張強度:780MPa以上の高強度と同時にNDT温度:-50℃以下の優れた落重特性を有する厚鋼板を提供することを目的とする。
発明者は、上記した目的を達成するために、780MPa以上の引張強度と-40℃以下の低温靭性、さらにはNDT温度(TNDT):-50℃以下の落重特性に影響する各種要因について、鋭意研究を重ねた。その結果、ある一定量以上の焼入性を有する成分系の鋼板を用いて、旧γ(オーステナイト)粒平均粒径(dγ)≦60μmの微細なベイナイトを形成したのち、さらにこれに焼戻し熱処理を施した焼戻しベイナイト組織を主体とすることによって、780MPa以上の引張強度かつ-40℃以下の低温靭性、およびNDT温度:-50℃以下の落重特性の達成が可能であることを見出した。
本発明は、上記した知見に基づくものであって、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、C:0.08〜0.15%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.50〜1.80%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.015〜0.080%、B:0.0005〜0.0030%およびN:0.0015〜0.0080%を含有し、かつCu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.05%およびTi:0.003〜0.10%のうち1種または2種以上を含み、さらに下記(1)式で求められるH値が60以上であって、残部がFeおよび不可避的不純物からなる高張力鋼板において、
上記高張力鋼板の、引張強度が780MPa以上でかつ組織が、旧γ粒の平均粒径(dγ):60μm以下の焼戻しベイナイト主体組織であることを特徴とする落重特性に優れた高張力鋼板。

H値=3.0×104×0.1×(C*)0.5×(0.7×[%Si]+1)×(3.33×[%Mn]+1)×(0.35×[%Cu]+1)×(0.36×[%Ni]+1)×(2.16×[%Cr]+1)×(3.0×[%Mo]+1)/T1.5 ・・(1)
ここで、 C*=[%C]-1/4×([%Ti]-48×[%N]/14)
T:鋼板板厚(mm)
[%A]はA元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
2.質量%で、C:0.08〜0.15%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.50〜1.80%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.015〜0.080%、B:0.0005〜0.0030%およびN:0.0015〜0.0080%を含有し、かつCu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.05%およびTi:0.003〜0.10%のうち1種または2種以上を含み、さらに下記(1)式で求められるH値が60以上であって、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成になる鋼片を、
1000〜1200℃の温度範囲に加熱したのち、900℃以下の温度域における圧下率を30%以上とし、かつ圧延仕上げ温度を780〜880℃の範囲内とした熱間圧延を施し、次いで、該熱間圧延終了後、冷却開始温度:Ar3変態点以上、冷却停止温度:350℃以下の条件で直接焼入れしたのち、Ac1変態点以下の温度に焼戻し、引張強度を780MPa以上とし、かつ鋼組織を圧延後の旧γ粒の平均粒径(dγ)が60μm以下の焼戻しベイナイト主体組織とする特徴とする落重特性に優れた高張力鋼板の製造方法。

H値=3.0×104×0.1×(C*)0.5×(0.7×[%Si]+1)×(3.33×[%Mn]+1)×(0.35×[%Cu]+1)×(0.36×[%Ni]+1)×(2.16×[%Cr]+1)×(3.0×[%Mo]+1)/T1.5 ・・(1)
ここで、 C*=[%C]-1/4×([%Ti]-48×[%N]/14)
T:鋼板板厚(mm)
[%A]はA元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
本発明によれば、鋼板の成分組成を適切に調整するとともに、加熱-圧延-冷却工程を規定することによって、直接焼入れ方法であっても、780MPa以上の引張強度と共に、NDT温度が-50℃以下の落重特性を有する厚鋼板を製造することができ、産業上格段に優れた効果が得られる。
焼入れ性指標値Hと鋼板の焼入性(鋼板強度:TS)との関係を示すグラフである。 旧γ粒平均粒径(dγ)とTNDT(℃)との関係を示すグラフである。
以下、本発明について具体的に説明する。
まず、本発明の高張力鋼板(以下、単に鋼板とも言う)の組成を規定した理由について説明する。なお、以下の%表示は、いずれも質量%を意味する。
[C:0.08〜0.15%]
Cは、鋼板の強度を確保するために必要な元素であり、所望の強度を確保するためには、0.08%以上含有させる必要がある。一方、Cを過剰に含有させると靭性および落重特性が低下するため、上限は0.15%とする必要がある。好ましい範囲は0.09〜0.13%である。
[Si:0.05〜1.0%]
Siは、鋼板の強度を確保するのに有効な元素であり、必要により含有されるが、その量は、0.05%以上である。一方、過剰に含有させると、鋼材に硬質な島状マルテンサイト(MA)の粗大化を招き、落重特性を劣化させる。このため、その上限は1.0%とする。好ましい範囲は、0.10〜0.50%である。
[Mn:0.50〜1.80%]
Mnは、焼入性を向上させて鋼板強度を確保する上で有効な元素であり、焼入性向上効果を発揮させるために、0.50%以上含有する必要がある。一方、Mnを過剰に含有すると、鋼板の落重特性が劣化するため、その上限は1.80%とする。好ましい範囲は、0.60〜1.30%である。
[P:0.020%以下]、[S:0.005%以下]
PおよびSは、不純物として鋼中に存在するが、多量になると靭性を著しく劣化させるため、それらの上限をそれぞれ0.020%、0.005%とする。なお、下限は、0%であっても良い。また好ましい範囲はそれぞれ0.010%以下、0.002%以下である。
[Al:0.015〜0.080%]
Alは、鋼の脱酸および結晶粒の微細化による靭性の向上に必要な元素であり、0.015%以上の含有が必要である。一方、Alを過剰に含有すると酸化物系非金属介在物を生成して靭性を劣化させるため、その上限を0.080%とする。好ましい範囲は、0.015〜0.060%である。
[B:0.0005〜0.0030%]
Bは、鋼板の強度に有効な元素であり、その効果を有効に得るためには0.0005%以上の含有が必要である。一方、Bを過剰に含有させると溶接部の特性を劣化させるため、その上限を0.0030%とする。好ましい範囲は、0.0007〜0.0015%である。
[N:0.0015〜0.0080%]
Nは、Alと結合して窒化物を形成し、オーステナイト粒の粗大化を抑制して靭性を向上させるため、その下限を0.0015%とする。一方、過剰の添加はかえって靭性を劣化させるため、その上限を0.0080%とする。
以上の元素の他、Cu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.05%およびTi:0.003〜0.10%のうち、1種または2種以上を含有させることが必要である。
[Cu:0.1〜1.0%]
Cuは、固溶することにより焼入性を向上させる元素であり、その効果を得るためには0.1%以上の含有を必要とする。一方、過剰の含有は熱間加工性を低下させるため、その上限を1.0%とする。
[Ni:0.1〜1.0%]
Niは、固溶することにより焼入性を向上させると同時に、靭性を向上させる元素であり、その効果を得るためには0.1%以上の含有を必要とする。一方、過剰の含有は経済性を損なうため、その上限を1.0%とする。
[Cr:0.1〜1.0%]
Crは、焼入れ性を向上させる元素であり、その効果を得るためには、0.1%以上の含有が必要である。一方、過剰の含有は溶接性を低下させるため、その上限を1.0%とする。
[Mo:0.05〜1.0%]
Moは、焼入性を向上させる元素であり、その効果を得るためには、0.05%以上の含有が必要である。一方、過剰の含有は溶接性を低下させるため、その上限を1.0%とする。
[V:0.01〜0.10%]
Vは、主として焼戻しによる析出強化に有効な元素であり、その効果を得るためには、0.01%以上の含有が必要である。一方、過剰の含有は靭性の劣化および経済性を損なうため、その上限を0.10%とする。
[Nb:0.005〜0.05%]
Nbは、焼入性の向上の他、圧延後の組織微細化および焼戻しによる析出強化に有効な元素であり、その効果を得るためには、0.005%以上の含有が必要である。一方、過剰の含有は靭性劣化を招くため、その上限を0.05%とする。
[Ti:0.003〜0.10%]
Tiは、Nと結合してTiNとして鋼片加熱時のオーステナイト結晶粒を細粒化し、母材靭性の向上に有効な元素である。その効果を得るためには、0.003%以上の含有が必要である。一方、過剰な含有はかえって靭性劣化を招くため、その上限を0.10%とする。
つぎに、本発明に従う高張力鋼板の特性について説明する。
[焼入れ性指標値H]
H値=3.0×104×0.1×(C*)0.5×(0.7×[%Si]+1)×(3.33×[%Mn]+1)×(0.35×[%Cu]+1)×(0.36×[%Ni]+1)×(2.16×[%Cr]+1)×(3.0×[%Mo]+1)/T1.5 ・・(1)
ここで、 C*=[%C]-1/4×([%Ti]-48×[%N]/14)
T:鋼板板厚(mm)
[%A]はA元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
上記(1)式で求められる焼入れ性指標値Hは、図1に示すように鋼板の焼入性と関連があり、これが58を下回ると所定の強度・靭性が確保できない。従って、本発明では、安定に強度・靭性を確保するために、Hの範囲は60以上とする。
[旧γ粒平均粒径(dγ):60μm以下]
本発明に従う鋼板は、旧γ粒平均粒径(dγ)が60μm以下の焼戻しベイナイト主体組織とする必要がある。
旧γ粒平均粒径とは、焼入れ前の組織であるオーステナイト(γ)粒の平均粒径である。焼入れ前のγ粒径が焼入れ後の組織や材質に影響を及ぼすため、本発明では旧γ粒平均粒径を規定する。
というのは、図2に示すように、旧γ粒平均粒径(dγ)が60μmを超えると落重特性が劣化するためである。前述した鋼板の成分組成および上記の旧γ粒平均粒径の範囲を満足した組織とすることで、引張強度が780MPa以上の鋼板が得られる。また、前述した好適範囲を満足することで、さらに降伏強度が690MPa以上であり、また-40℃以下の低温靭性とNDT温度:-50℃以下の落重特性とを有する鋼板が得られる。
旧γ粒平均粒径の下限に特に限定はないが、工業的には、10μm程度である。
なお、焼入れ前のオーステナイト粒の形態は、その後に熱処理を施しても、オーステナイト粒界を優先的に腐食する腐食液(たとえばピクリン酸)で腐食して、金属組織を観察することにより、いわゆる旧オーステナイト粒界として観察することができる。すなわち、この組織観察結果から線分法や画像処理などの方法を用いて旧オーステナイト粒の円相当径を求めることにより、加熱時のオーステナイト粒径を把握することができる。一例を示すと、200倍以上の倍率視野において、任意の直線上にある粒界を積算する方法により、少なくとも10個以上のγ粒を含む粒径の平均値を求めればよい。
上述したように、本発明に従う鋼板の組織は、焼戻しベイナイト主体組織であることが重要である。というのは、焼戻しベイナイト主体組織が良好な靭性を有するからである。
本発明における焼戻しベイナイト主体組織とは、鋼板の組織中体積分率で焼戻しベイナイト相が50%以上存在することである。好ましくは、80%以上である。他方、焼戻しベイナイト組織の体積分率の上限に特別の制限はないが、工業的には、マルテンサイトとの合計で98%程度であり、その際の残部組織の相の形態に制限はない。
また、本発明における厚鋼板とは、板厚:30mm以上であって、さらに板厚:50mm以上の鋼板が好ましい。他方、その上限に限定はないが100mm程度である。
本発明では、前記した好適成分組成に調整した鋼片を、熱間圧延し、得られた熱延板に対して焼入れ焼き戻し処理を施す。
以下、各製造工程の限定理由について説明する。
なお、以下の温度は特に記載しない限り鋼板の板厚方向の平均温度を表す。板厚方向の平均温度は、板厚、表面温度および冷却条件などから、シミュレーション計算により求められる。
鋼素材である鋼片の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、転炉で溶製させた溶鋼を連続鋳造してスラブを製造することができる。
[加熱温度:1000〜1200℃]
熱間圧延に先立ち、鋼素材である鋼片を加熱する。
合金元素の固溶を図って十分な焼入性を確保するために、加熱温度は1000℃以上とする必要がある。一方、加熱温度が1200℃を超えると、オーステナイト結晶粒の粗大化に伴い、顕著に靭性が劣化してしまう。よって、加熱温度は1000〜1200℃の範囲内とする。
[900℃以下の温度域における圧下率:30%以上]
熱間圧延を実施するに当たり、未再結晶温度域における熱間圧延、すなわち、いわゆる制御圧延を実施する。
制御圧延の条件は、旧γ粒の粗大化、ひいては鋼板の靭性に大きな影響を及ぼす要素であり、図2に示すように、旧γ粒平均粒径(dγ)が60μmを超えると落重特性が劣化するため、厳密に制御する必要がある。特に、オーステナイト未再結晶温度域の中でも低温側の温度域における圧下率を十分に確保することが重要であるので、本発明においては、900℃以下の温度域における圧下率(累積圧下率)を30%以上と規定する。900℃以下の温度域における累積圧下率が30%未満では、再結晶に有効な歪エネルギーが効果的に付与されないため結晶粒が細粒化されず、いずれの場合も靭性劣化が著しくなるからである。
なお、制御圧延より前の温度域における圧延条件は、特に規定されないが、制御圧延直前の組織が粗大化していないことが好ましいので、制御圧延実施前に、累積圧下率が50%以上の熱間圧延を実施することが好ましい。
従って、本発明においては、900℃以下の温度域における圧下率は30%以上とする。なお、上記圧延制御温度の下限はAr3変態点であり、後述の式による求めることができる。一方、圧下率の上限は、設備的な観点から80%以下が好ましい。また、900℃以上の温度域における圧下率は特に限定されず、常法によれば良い。
[圧延仕上げ温度:780〜880℃]
熱間圧延中の圧延仕上げ温度の制御は、所定の強度・靭性に大きな影響を及ぼす要素であり、厳密に限定する必要がある。ここに、圧延仕上げ温度が880℃を超えると再結晶粒が粗大化し靭性劣化が著しくなり、一方、780℃に満たないと未再結晶粒の変形にともない焼入性が低下する。従って、熱間圧延中の圧延仕上げ温度は、780〜880℃の範囲とする。
[冷却開始温度:Ar3変態点以上]
上記圧延終了後、速やかに直接焼入れを実施する。このとき、鋼板の冷却開始温度がAr3変態点を下回っていると、フェライト相が生成して強度が著しく劣化するため、所定の強度・靭性が確保できない。従って、直接焼入れの冷却開始温度はAr3変態点以上とする。なお、Ar3変態点は次式による。
Ar3(℃)=910−310×[%C]−80×[%Mn]−20×[%Cu]−15×[%Cr]−55×[%Ni]−80×[%Mo]
ここで、[%A]はA元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
[冷却停止温度:350℃以下]
Ar3点以上の温度から直接焼入れするとき、鋼板の冷却停止温度が350℃を上回ると、十分な焼入れ組織が得られない場合があり、所定の強度・靭性が確保できない。なお、その下限に特に限定はない。
[焼戻し温度:Ac1変態点以下]
直接焼入れした鋼板を焼戻しするとき、その温度は所定の強度確保のためAc1変態点以下とする。好ましくは、600〜680℃の範囲である。ここで、Ac1変態点は次式による。
Ac1(℃)=751−26.6×[%C]+17.6×[%Si]−11.6×[%Mn]−22.9×[%Cu]−23.0×[%Ni]+24.1×[%Cr]+22.5×[%Mo]−39.7×[%V]−5.7×[%Ti]+233×[%Nb]−169×[%Al]−895×[%B]
ここで、[%A]はA元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
本発明において、上述した鋼板の温度は、いずれも鋼板表面における温度である。また、上述した規定事項以外の鋼板製造工程は、従来公知の厚鋼板製造条件を用いることができる。
以下、表1および2を参照して本発明の種々の実施例について説明する。
表1に成分組成、板厚を示す。表1中の1〜10は本発明に従う鋼種であり、11〜15は成分組成が本発明の範囲外となる鋼種(比較鋼)を示している。
これらの組成を有するスラブを表2に記載の各種条件によって製造して、表2の鋼番1-1〜15の鋼板を得た。また、表2に、表1に示した組成の諸性質について調べた結果をまとめたものを併記する。具体的には、表中の、スラブ加熱温度、制御温度、圧下率、圧延仕上げ温度、冷却開始温度、冷却停止温度および焼戻し温度で製造したときの、それぞれの鋼板における、引張特性(降伏強度、引張強度)、靭性(破面遷移温度)および落重特性(NDT温度)を示している。また、鋼番1-1と1-2は、表1の鋼種1と同じ組成の鋼板について制御圧延開始温度を本発明の範囲内および範囲外に変化させて、また鋼番2-1と2-2は、表1の鋼種2と同じ組成の鋼板について制御圧延の圧下率を本発明の範囲内および範囲外に変化させて、さらに鋼番3-1と3-2は、表1の鋼種3と同じ組成の鋼板について圧下率と圧延仕上げ温度を本発明の範囲内および範囲外に変化させて、また鋼番4-1,4-2および4-3は、表1の鋼種4と同じ組成の鋼板について、それぞれ冷却開始温度や、冷却停止温度を本発明の範囲内および範囲外に変化させて製造したものである。
Figure 2014177687
Figure 2014177687
以下、諸性質および結果について順に説明する。
(1) 引張特性
降伏強度YPおよび引張強度TSは、各鋼の板厚中心部からJIS Z 2201の規定に準拠してJIS 5号試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施して求めた。そして、引張強度が780MPa以上となるものを合格とした。
発明鋼では、降伏強度と引張強度のいずれもが合格であったが、比較鋼の鋼番3-2では圧延仕上げ温度が低いため、また鋼番4-2では冷却開始温度が低いため、さらに鋼番4-3では冷却停止温度が高いため、また鋼番11〜13では各組成の適正範囲外のため、さらに鋼番14、15ではH値が60未満のために、いずれも強度不良が認められた。
(2) 靭性
破面遷移温度:vTsは、各鋼の板厚中心部から、JIS Z 2201の規定に準拠してJIS 4号試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して衝撃試験を実施して求めた。なお、vTsが-40℃以下となるものを合格とした。
発明鋼はいずれも合格であったが、比較鋼の鋼番1-2では制御圧延開始温度が高すぎて900℃以下における累積圧下率が低くなったため、また鋼番2-2では制御圧延の圧下率が低いため、いずれも靭性不良が認められた。
(3) 落重特性
NDT温度は、各鋼の板厚中心部から試験片を採取し、NRL落重試験を実施して求めた。なお、NDT温度が-50℃以下となるものを合格とした。
発明鋼はいずれも合格であったが、比較鋼の鋼番1-2では制御圧延開始温度が高すぎて900℃以下における累積圧下率が低くなったため、また鋼番2-2では制御圧延の圧下率が低いために、いずれも靭性不良が認められた。

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.08〜0.15%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.50〜1.80%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.015〜0.080%、B:0.0005〜0.0030%およびN:0.0015〜0.0080%を含有し、かつCu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.05%およびTi:0.003〜0.10%のうち1種または2種以上を含み、さらに下記(1)式で求められるH値が60以上であって、残部がFeおよび不可避的不純物からなる高張力鋼板において、
    上記高張力鋼板の、引張強度が780MPa以上でかつ組織が、旧γ粒の平均粒径(dγ):60μm以下の焼戻しベイナイト主体組織であることを特徴とする落重特性に優れた高張力鋼板。

    H値=3.0×104×0.1×(C*)0.5×(0.7×[%Si]+1)×(3.33×[%Mn]+1)×(0.35×[%Cu]+1)×(0.36×[%Ni]+1)×(2.16×[%Cr]+1)×(3.0×[%Mo]+1)/T1.5 ・・(1)
    ここで、 C*=[%C]-1/4×([%Ti]-48×[%N]/14)
    T:鋼板板厚(mm)
    [%A]はA元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
  2. 質量%で、C:0.08〜0.15%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.50〜1.80%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.015〜0.080%、B:0.0005〜0.0030%およびN:0.0015〜0.0080%を含有し、かつCu:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜1.0%、Cr:0.1〜1.0%、Mo:0.05〜1.0%、V:0.01〜0.10%、Nb:0.005〜0.05%およびTi:0.003〜0.10%のうち1種または2種以上を含み、さらに下記(1)式で求められるH値が60以上であって、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成になる鋼片を、
    1000〜1200℃の温度範囲に加熱したのち、900℃以下の温度域における圧下率を30%以上とし、かつ圧延仕上げ温度を780〜880℃の範囲内とした熱間圧延を施し、次いで、該熱間圧延終了後、冷却開始温度:Ar3変態点以上、冷却停止温度:350℃以下の条件で直接焼入れしたのち、Ac1変態点以下の温度に焼戻し、引張強度を780MPa以上とし、かつ鋼組織を圧延後の旧γ粒の平均粒径(dγ)が60μm以下の焼戻しベイナイト主体組織とすることを特徴とする落重特性に優れた高張力鋼板の製造方法。

    H値=3.0×104×0.1×(C*)0.5×(0.7×[%Si]+1)×(3.33×[%Mn]+1)×(0.35×[%Cu]+1)×(0.36×[%Ni]+1)×(2.16×[%Cr]+1)×(3.0×[%Mo]+1)/T1.5 ・・(1)
    ここで、 C*=[%C]-1/4×([%Ti]-48×[%N]/14)
    T:鋼板板厚(mm)
    [%A]はA元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
JP2013053629A 2013-03-15 2013-03-15 落重特性に優れた高張力鋼板およびその製造方法 Active JP5874664B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013053629A JP5874664B2 (ja) 2013-03-15 2013-03-15 落重特性に優れた高張力鋼板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013053629A JP5874664B2 (ja) 2013-03-15 2013-03-15 落重特性に優れた高張力鋼板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014177687A true JP2014177687A (ja) 2014-09-25
JP5874664B2 JP5874664B2 (ja) 2016-03-02

Family

ID=51697930

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013053629A Active JP5874664B2 (ja) 2013-03-15 2013-03-15 落重特性に優れた高張力鋼板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5874664B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105803175A (zh) * 2016-05-31 2016-07-27 江阴兴澄特种钢铁有限公司 一种低压缩比特厚eh36船板钢及其制备方法
CN107475635A (zh) * 2017-06-28 2017-12-15 石家庄钢铁有限责任公司 一种耐低温高冲击韧性风电用钢及其生产方法
CN108330393A (zh) * 2018-03-21 2018-07-27 武汉钢铁有限公司 一种风电钢及其制备方法
JP2018131678A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 新日鐵住金株式会社 高強度鋼板およびその製造方法
CN109207854A (zh) * 2018-10-08 2019-01-15 鞍钢股份有限公司 超宽规格高强高韧性能的海洋工程用钢及其制造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0375310A (ja) * 1989-08-15 1991-03-29 Kobe Steel Ltd 溶接性・脆性破壊伝播停止特性の優れた調質高張力鋼板の製造方法
JP2004156095A (ja) * 2002-11-06 2004-06-03 Nippon Steel Corp 母材および溶接熱影響部の靱性に優れた鋼板およびその製造方法
JP2008208454A (ja) * 2007-01-31 2008-09-11 Jfe Steel Kk 耐遅れ破壊特性に優れた高張力鋼材並びにその製造方法
JP2008266758A (ja) * 2007-04-25 2008-11-06 Jfe Steel Kk 低温靭性に優れ、かつ強度異方性が小さい高張力鋼材ならびにその製造方法
JP2008266780A (ja) * 2007-03-29 2008-11-06 Jfe Steel Kk 耐遅れ破壊特性に優れた高張力鋼材ならびにその製造方法
WO2010119989A1 (ja) * 2009-04-17 2010-10-21 新日本製鐵株式会社 低温靭性の優れた高生産型780MPa級高張力鋼板とその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0375310A (ja) * 1989-08-15 1991-03-29 Kobe Steel Ltd 溶接性・脆性破壊伝播停止特性の優れた調質高張力鋼板の製造方法
JP2004156095A (ja) * 2002-11-06 2004-06-03 Nippon Steel Corp 母材および溶接熱影響部の靱性に優れた鋼板およびその製造方法
JP2008208454A (ja) * 2007-01-31 2008-09-11 Jfe Steel Kk 耐遅れ破壊特性に優れた高張力鋼材並びにその製造方法
JP2008266780A (ja) * 2007-03-29 2008-11-06 Jfe Steel Kk 耐遅れ破壊特性に優れた高張力鋼材ならびにその製造方法
JP2008266758A (ja) * 2007-04-25 2008-11-06 Jfe Steel Kk 低温靭性に優れ、かつ強度異方性が小さい高張力鋼材ならびにその製造方法
WO2010119989A1 (ja) * 2009-04-17 2010-10-21 新日本製鐵株式会社 低温靭性の優れた高生産型780MPa級高張力鋼板とその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105803175A (zh) * 2016-05-31 2016-07-27 江阴兴澄特种钢铁有限公司 一种低压缩比特厚eh36船板钢及其制备方法
JP2018131678A (ja) * 2017-02-17 2018-08-23 新日鐵住金株式会社 高強度鋼板およびその製造方法
CN107475635A (zh) * 2017-06-28 2017-12-15 石家庄钢铁有限责任公司 一种耐低温高冲击韧性风电用钢及其生产方法
CN108330393A (zh) * 2018-03-21 2018-07-27 武汉钢铁有限公司 一种风电钢及其制备方法
CN108330393B (zh) * 2018-03-21 2020-08-11 武汉钢铁有限公司 一种风电钢及其制备方法
CN109207854A (zh) * 2018-10-08 2019-01-15 鞍钢股份有限公司 超宽规格高强高韧性能的海洋工程用钢及其制造方法
CN109207854B (zh) * 2018-10-08 2019-12-13 鞍钢股份有限公司 超宽规格高强高韧性能的海洋工程用钢及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5874664B2 (ja) 2016-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2962472C (en) High-toughness hot-rolled high-strength steel with yield strength of grade 800 mpa and preparation method thereof
JP5871109B1 (ja) 厚鋼板及びその製造方法
JP5679114B2 (ja) 低温靭性に優れた低降伏比高強度熱延鋼板およびその製造方法
JP6048626B1 (ja) 厚肉高靭性高強度鋼板およびその製造方法
JP5574059B2 (ja) 低温靭性に優れた高強度h形鋼及びその製造方法
JP5476763B2 (ja) 延性に優れた高張力鋼板及びその製造方法
JP5439973B2 (ja) 優れた生産性と溶接性を兼ね備えた、pwht後の落重特性に優れた高強度厚鋼板およびその製造方法
KR100920536B1 (ko) 용접성 및 가스 절단성이 우수한 고장력 내화강 및 그 제조방법
WO2011099408A1 (ja) 厚鋼板の製造方法
JP7339339B2 (ja) 冷間加工性及びssc抵抗性に優れた超高強度鋼材及びその製造方法
JP2013127099A (ja) 加工性に優れた高強度鋼板およびその製造方法
JP2012122111A (ja) 優れた生産性と溶接性を兼ね備えた、PWHT後の落重特性に優れたTMCP−Temper型高強度厚鋼板の製造方法
WO2014175122A1 (ja) H形鋼及びその製造方法
JP5874664B2 (ja) 落重特性に優れた高張力鋼板およびその製造方法
JP5477089B2 (ja) 高強度高靭性鋼の製造方法
JP4770415B2 (ja) 溶接性に優れた高張力厚鋼板およびその製造方法
JP2013129885A (ja) 脆性亀裂伝播停止特性に優れた高強度厚鋼板の製造方法
KR101560943B1 (ko) 저온 인성이 우수한 강관용 열연강판 및 그 제조방법
JPWO2019050010A1 (ja) 鋼板およびその製造方法
JP2021509434A (ja) 高強度高靭性熱延鋼板及びその製造方法
JP2011208213A (ja) 耐溶接割れ性と溶接熱影響部靭性に優れた低降伏比高張力厚鋼板
JP2016117932A (ja) 圧延h形鋼及びその製造方法
JP5151510B2 (ja) 低温靭性、亀裂伝搬停止特性に優れた高張力鋼の製造方法
JP6673320B2 (ja) 厚鋼板および厚鋼板の製造方法
JP2007277697A (ja) 耐疲労亀裂伝播特性および脆性亀裂伝播停止特性に優れた高張力厚鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5874664

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250