JP2009040971A - 巻回体 - Google Patents

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和行 福山
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Abstract

【課題】 本発明は、長尺体を渦巻き状に巻回してなる巻回体であって、長尺体の内周面に積層された離型シートの剥離が少なく、長尺体の粘着剤層が確実に離型シートによって被覆されて粘着剤層の粘着性の低下が防止されていると共に、優れた外観性を有している巻回体を提供する。
【解決手段】 本発明の巻回体Aは、長尺体1を渦巻き状に巻回してなる巻回体であって、上記長尺体1の内周面にはその全長に亘って粘着剤層2が積層一体化され、この粘着剤層2上には長尺状の厚みが50〜100μmの離型シート3が剥離可能に積層されており、0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シートの180°引き剥がし剥離力が0.4〜1.0N/50mmであることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、長尺体の内周面に剥離可能に積層した離型シートが部分的に円弧状に剥離してしまう、所謂、トンネル現象が少なくて美麗な体裁を有する巻回体に関する。
従来から、粘着テープが様々な用途にて用いられており、この粘着テープは、特許文献1に示したように、長尺状のテープ基材の一面に粘着剤層を積層一体化していると共に、この粘着剤層上に離型紙を剥離可能に積層してなり、この粘着テープは、渦巻き状に巻回された状態にて市販されている。
しかしながら、テープ基材Cの一面に積層している離型紙Dは、渦巻き状に巻回されているテープ基材Cの内周面側に位置している一方、渦巻き状に巻回されたテープ基材Cに内外周長差が生じており、このテープ基材Cの内外周長差を離型紙Dが吸収することができないために、図7に示したように、離型紙Dがテープ基材Cの一面から部分的に円弧状に剥離してしまう、所謂、トンネル現象を生じてしまい、粘着テープの外観が低下すると共に、粘着剤層と離型紙との間から埃などの異物が進入し、粘着剤層の粘着力が低下してしまうといった問題点が生じていた。
実用新案登録第3031581号公報
本発明は、長尺体を渦巻き状に巻回してなる巻回体であって、長尺体の内周面に積層された離型シートの剥離が少なく、長尺体の粘着剤層が確実に離型シートによって被覆されて粘着剤層の粘着性の低下が防止されていると共に、優れた外観性を有している巻回体を提供する。
本発明の巻回体は、長尺体を渦巻き状に巻回してなる巻回体であって、上記長尺体の内周面にはその全長に亘って粘着剤層が積層一体化され、この粘着剤層上には長尺状の厚みが50〜100μmの離型シートが剥離可能に積層されており、0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シートの180°引き剥がし剥離力が0.4〜1.0N/50mmであることを特徴とする。
そして、上記巻回体において、離型シートは、ポリエチレンシート、グラシン紙及びクルパック加工された紙からなる群から選ばれたシートであることを特徴とする。
更に、上記巻回体において、長尺体は、幅方向の中央部から折り曲げ可能に形成されていると共に、幅方向の両端部に粘着剤層が形成され、各粘着剤層上に離型シートが剥離可能に積層されていることを特徴とする。又、上記巻回体において、長尺体は、パッキン材であることを特徴とする。
本発明の巻回体は、上述のような構成を有するので、長尺体の内面に積層した離型シートが部分的に剥離する、所謂、トンネル現象が概ね抑えられており、よって、長尺体の粘着剤層上に異物が付着して粘着剤層の粘着力が低下するようなことは殆どなく、長期間に亘って所望の粘着性を維持すると共に、離型シートが長尺体の内面から部分的に剥離することによる外観の低下もなく、優れた外観を呈している。
本発明の巻回体の一例を図面を参照しつつ説明する。巻回体Aは、図1及び図2に示したように、一定幅を有する長尺体1を一端から順次、円弧状に巻回して渦巻き状に形成されてなる。そして、巻回体Aを構成している長尺体1は、その内外方向に隣接する部分同士が接触した状態か或いは僅かに隙間A1が空いた状態となっている(図1では、内外方向に隣接する部分同士間の全てに隙間A1が生じている場合を示した)。なお、長尺体1は、その幅方向の中央部に脆弱部11が形成され、この脆弱部11から折り曲げ可能に形成されていると共に、全長に亘って両面間に亘って多数の貫通孔12、12・・・が貫設されている(図2及び図3参照)。
長尺体1は、可撓性を有しており渦巻き状に巻回することができれば、特に限定されず、例えば、ABS樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などから形成され、渦巻き状に巻回された長尺体1において、長尺体1がそれ自身の有する弾性復元力によって元の状態に復帰しようとする程度の硬さを有していることが好ましい。そして、長尺体1の厚さは、300μm以上が好ましく、550〜950μmがより好ましい。なお、長尺体1の厚さが不均一である場合には、長尺体1の最小厚みと最大厚みとの相加平均値を長尺体1の厚さとする。
そして、長尺体1の内周面における幅方向の両端部にはその全長に亘って一定幅を有する粘着剤層2、2が積層一体化されている。この粘着剤層2を構成する粘着剤としては、特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられ、アクリル系粘着剤が好ましい。
上記アクリル系粘着剤としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの単独重合体や、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、これと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体であることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、R−OH(Rは、炭素数が4〜12のアルキル基)の式で示される1級又は2級アルコールと、アクリル酸又はメタクリル酸とのエステルが好ましい。
そして、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビニルモノマーは、アクリル系粘着剤を改質して凝集力を高めるために用いられ、例えば、ビニルモノマー自体のガラス転移点(Tg)が高く、得られるアクリル系粘着剤のガラス転移点(Tg)を上昇させるもの、分子内に含有する官能基と架橋剤との間の架橋反応によって高分子間に架橋構造を付与するものなどが用いられる。
ガラス転移点(Tg)が高く、得られるアクリル系粘着剤のガラス転移点(Tg)を上昇させるビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
又、分子内に含有する官能基と架橋剤との間の架橋反応によって高分子間に架橋構造を付与するビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、n−メチロールアクリルアミドなどの水酸基含有モノマー;グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマーなどが挙げられる。
そして、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとこれと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体中における(メタ)アクリル酸エステルモノマー成分の含有量は、70重量%以上が好ましい。
更に、ビニルモノマーが、得られるアクリル系粘着剤のガラス転移点(Tg)を上昇させるものである場合には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとこれと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体中におけるビニルモノマー成分の含有量は30重量%以下が好ましい。
又、ビニルモノマーが、分子内に含有する官能基と架橋剤との間の架橋反応によって高分子間に架橋構造を付与するものである場合には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとこれと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体中におけるビニルモノマー成分の含有量は0.1〜10重量%が好ましく、0.05〜5重量%がより好ましい。
そして、アクリル系粘着剤は、モノマーを重合開始剤の存在下にて汎用の要領で重合させて製造されるが、このような重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、パーオキサイド系重合開始剤、アゾ系重合開始剤などが挙げられ、得られるアクリル系粘着剤中に重合開始剤やその残渣が残存しないように、10時間半減期温度が80℃以下であるものが好ましい。なお、重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
更に、アクリル系粘着剤を重合によって製造するにあたっては、特に、重合開始剤やその残渣が揮発成分として反応溶液中に残存しないように、重合開始剤として10時間半減期温度が80℃以下であるものを選択し且つ重合温度を重合開始剤の10時間半減期温度よりも高い温度とし、できる限り長時間に亘って重合させることが好ましい。更に、重合後における反応溶液中に残存する重合開始剤を低減し且つ重合反応を速やかに完全に進行させるために、重合終期での重合温度Tを下記式(1)を満たすように調整し、この重合温度Tを長時間に亘って保持することが好ましい。
1/2+5≦T≦t1/2+25・・・式(1)
(t1/2:重合開始剤の10時間半減期温度)
又、アクリル系粘着剤中に、残存モノマー、残存重合開始剤及びその他の不純物が少ないほど好ましく、重合中或いは重合終了後に必要に応じて残存モノマー、残存重合開始剤及びその他の不純物を除去して低減させることが好ましい。
重合時に反応溶液中の残存モノマーを低減する方法としては、例えば、反応溶液の還流液を新しい溶媒で置換する方法;重合率が95%以上、好ましくは98%以上になった時点で、酢酸ビニル、ビニルブチルエーテル、アクリル酸メチル、スチレンなどの比較的低沸点のスキャベンジャーモノマーを添加し、残存モノマーをスキャベンジャーモノマーと反応させてスキャベンジャーモノマーと共に残存モノマーを除去する方法;重合終了時に、アクリル系粘着剤に対する貧溶媒、例えば、メタノール、エタノール、n−ヘキサン、n−へプタンなどの低沸点溶媒を用いてアクリル系粘着剤を洗浄する方法などが挙げられる。
更に、アクリル系粘着剤には粘着物性の改善を目的として粘着付与剤が含有されてもよい。この場合、上記粘着付与剤は、重量平均分子量が600以下の揮発性成分の含有量が13重量%以下であることが好ましい。このような粘着付与剤を用いることによって、粘着物性を損なうことなく粘着付与剤によって生じる揮発性成分を低く抑えることができ、粘着物性を改善し且つ臭気を低くしたアクリル系粘着剤を得ることができる。なお、上記粘着付与剤の分子量及びその含有量はGPCにより測定し、ポリスチレン換算値及び面積比により算出できる。
そして、得られるアクリル系粘着剤を120℃にて30分間に亘って加熱したときに放出される揮発成分のn−ヘキサデカン換算重量をアクリル系粘着剤の全重量に対して600ppm以下に抑えることができ、アクリル系粘着剤の乾燥では除去が困難な高沸点成分である保持時間30分以上の揮発成分量をアクリル系粘着剤の全重量に対して50ppm以下にすることができる。
上記粘着付与剤としては、例えば、ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、不均化ロジンエステル樹脂類、重合ロジンエステル、水添ロジン樹脂、水添ロジンエステル樹脂類、テルペンフェノール樹脂類、クマロンインデン樹脂、アルキルフェノール樹脂、石油樹脂類などが挙げられ、ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、石油樹脂類などの脂環族飽和炭化水素樹脂は、低分子量成分を除去可能であることから好ましい。
上記粘着付与剤から分子量が600以下の揮発性成分を除去する方法としては、例えば、粘着付与剤を軟化点以上に加熱溶融する方法、水蒸気を吹き込む方法などが挙げられる。
粘着付与剤を加熱溶融する場合には、空気中の酸素との酸化反応を防ぐために、窒素、ヘリウムなどの不活性ガス中で加熱することが好ましく、又、加熱時間は、加熱による粘着付与剤の分解を避けるために1〜5時間が好ましい。
更に、水蒸気を吹き込む場合には、粘着付与剤を加熱溶融後に1〜50kPaに減圧してから水蒸気を吹き込むと、揮発性成分の低減を効果的に行うことができる。水蒸気を吹き込む時間としては、短いと、揮発性成分の低減を図ることができないことがある一方、長くても、揮発性成分の低減効果に差がないので、1〜5時間が好ましい。
又、粘着付与剤の添加量としては、アクリル系粘着剤に対して0.1〜35重量%が好ましい。
更に、アクリル系粘着剤には、必要に応じて、架橋剤、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料などの添加剤を添加してもよい。なお、これらの添加剤も揮発性成分が可能な限り除去されていることが好ましい。
上記架橋剤としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤などが挙げられる。
又、アクリル系粘着剤としては、90℃にて30分間に亘って加熱したときに、下記式(2)により算出される揮発性成分濃度Aがアクリル系粘着剤の全重量に対して500ppm以下であるアクリル系粘着剤を用いることが好ましく、このようなアクリル系粘着剤を用いることによって住宅内などの閉空間内において用いられても揮発性成分に起因した臭気が問題となることはない。
揮発性成分濃度A(ppm)=揮発性成分量(μg)/加熱前のアクリル系粘着剤量(g)
・・・式(2)
揮発性成分量は、例えば、秤量したアクリル系粘着剤を熱脱着装置を用いて90℃にて30分間に亘って加熱した際に放出された揮発性成分量をGC−MS装置を用いることによって測定することができる。なお、熱脱着装置は、例えば、パーキンエルマー社から商品名「ATD−400」にて市販されており、GC−MS装置は、例えば、日本電子社から商品名「Automass II−15」にて市販されている。
具体的には、サンプルチューブ(内径:約5mm、長さ:約10cm)に約20mgの精秤したアクリル系粘着剤を入れて90℃に加熱保持しながら、ヘリウムガスを1.5ミリリットル/分の流速にて30分間に亘ってサンプルチューブ内に流して得られた揮発性成分を熱脱着装置に内蔵されたトラップチューブに捕集して濃縮した後、トラップチューブを280℃にて10分間に亘って加熱してGC−MS装置に供給する。
GC−MS装置において、無極性のキャピラリーカラム(アジレントテクノロジー社製
商品名「HP−1」、0.32mm×60m×0.25μm)を使用し、キャピラリーカラムの温度を40℃にて4分間に亘って維持した後、キャピラリーカラムを毎分5℃の昇温速度にて100℃まで昇温し、しかる後、キャピラリーカラムを毎分10℃の昇温速度にて320℃まで昇温した後、320℃にて3分間に亘って保持する。なお、MS測定範囲は30〜400amu、ヘリウム流量は1.5ミリリットル/分、イオン化電圧は70eV、イオン源は230℃、インターフェイスは250℃、トランスファーラインは225℃とする。揮発性成分量は、得られたピーク面積を、トルエンにより作成した絶対検量線に基づいて重量換算することによって算出することができる。
又、粘着剤層2の厚みは、薄いと、粘着力が不充分となることがある一方、厚いと、離型シートの剥離を充分に防止することができないことがあるので、10〜100μmが好ましく、40〜80μmがより好ましい。
そして、長尺体1の粘着剤層2、2上には離型シート3が剥離可能に積層されている。この離型シート3としては、特に限定されず、例えば、グラシン紙のような高密度原紙、クレーコート紙、クラフト紙、上質紙、クルパック加工された紙などにポリエチレンなどの合成樹脂シートを積層一体化してなるポリラミ原紙、或いは、クラフト紙や上質紙に、ポリビニルアルコール、澱粉などの水溶性高分子と顔料とを主成分とする塗被層を設けた樹脂コーティング紙などをセパレータ原紙とし、このセパレータ原紙上に離型剤を塗布した離型紙;クルパック加工された紙;ポリエチレンシートなどが用いられ、ポリエチレンシート、グラシン紙上に離型剤を塗布した離型紙、クルパック加工された紙が好ましい。なお、離型シートとして、一面に離型剤を塗布したものと、離型剤を塗布していないものとを列記したが、一面に離型剤を塗布したものであっても、離型剤を塗布しなくても用いることができる場合には離型剤を塗布することなく用いてもよく、又、離型剤を塗布していないものであっても、必要に応じて離型剤を一面に塗布して用いてもよい。
そして、離型シート3の厚みは、薄いと、離型シートの強度が弱くなり、粘着剤層からの剥離時に切断する虞れがある一方、厚いと、トンネル現象の防止が不充分となることがあるので、50〜100μmに限定され、60〜100μmが好ましく、65〜100μmが特に好ましい。
又、0.3m/分の条件下にて測定した離型シート3の180°引き剥がし剥離力は、小さいと、粘着剤層と離型シートとの間の粘着力が低下してトンネル現象を有効に防止することができない一方、大きいと、離型シートを粘着剤層から剥離する際の取扱性が低下するので、0.4〜1.0N/50mmに限定され、0.45〜0.9N/50mmが好ましく、0.5〜0.9N/50mmがより好ましい。なお、0.3m/分の条件下にて測定した離型シート3の180°引き剥がし剥離力は、JIS Z0237に準拠して測定されたものをいう。
そして、0.3m/分の条件下にて測定した離型シート3の180°引き剥がし剥離力を調整する方法としては、特に限定されず、例えば、離型シートにおける粘着剤層に接する面に塗布する離型剤の種類や塗布量を調整する方法や、この離型剤に離型コントロール剤を添加して調整する方法、離型シートの種類を選択する方法などが挙げられる。
上記離型剤としては、特に限定されないが、シリコーン系離型剤、長鎖アルキル系離型剤が好ましく、シリコーン系離型剤が好ましく、分子量が500〜3000であるシリコーン系離型剤がより好ましい。
次に、本発明の巻回体の製造方法について説明する。先ず、長尺状の一定幅を有する一対の離型シートにおける離型剤を塗布した面(離型処理面)の全面に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した後、この一対の離型シートをその粘着剤層が長尺体1に対向した状態に長尺体1の幅方向の両端部にそれぞれ重ね合わせ、粘着剤層を長尺体1の一面に積層一体化させると共にこの粘着剤層上に離型シートを剥離可能に積層させる。しかる後、長尺体1をその一端から回転軸に順次、巻き付けることによって渦巻き状に巻回されてなる巻回体Aを得ることができる。
又、長尺体1の一面に粘着剤層及び離型シートを積層するにあたっては、長尺体1の一面に粘着剤層を直接、塗布して粘着剤層を積層一体化し、この粘着剤層上に離型シートを剥離可能に積層させてもよいし、或いは、長尺体1の一面に、テープ基材の両面に粘着剤層を積層一体化してなる両面粘着テープを貼着一体化させ、両面粘着テープの露出した粘着剤層上に剥離可能に離型シートを積層させてもよい。
なお、粘着剤を長尺体1の一面又は離型シートの離型処理面に塗布する要領としては、特に限定されず、バーコーター、ナイフコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラミアコーター、スクリーン印刷などの公知のコーターを用いればよい。
上記のようにして得られた巻回体Aは、離型シートの厚みが50〜100μmに限定され且つ0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シート3の180°引き剥がし剥離力が0.4〜1.0N/50mmとなるように調整されていることから、渦巻き状に巻回された長尺体1の内周面に剥離可能に積層された離型シート3が、長尺体1の内周面から部分的に剥離するのが概ね抑制されており、巻回体Aにトンネル現象が生じるのを概ね防止することができる。
従って、巻回体Aの粘着剤層2と離型シート3との間に隙間が生じ、この隙間から埃などの異物が侵入して粘着剤層2の粘着力が低下するなどの不測の事態は殆ど生じず、又、離型シート3が長尺体1の内面から剥離することによる外観の低下も防止されており、美麗な体裁を呈している。
そして、上述の巻回体Aは、建築物や構築物の外壁材B、B同士を互いに直交させた状態に突き合わせた部分における外壁材B、B同士の段差解消のために用いられ、図4に示したように、巻回体Aの長尺体1を外端部から順次、巻き出し、脆弱部11から略直角に折り曲げた上で、外壁材B、B同士の突き合わせ部分に長尺体1をその粘着剤層2、2によって貼着、固定させて用いられる。
上記では、外壁材B、Bの突き合わせ部分の段差解消のために用いられる長尺体1の巻回体Aについて説明したが、長尺体1'としては、弾性材料からなり、図5及び図6に示したように、一定幅を有する長尺状のベース部4と、このベース部4の幅方向の一端にその長さ方向の全長に亘ってベース部4に重なり合う方向に突設された突片部5とからなるパッキン材であってもよく、上記ベース部4における突片部5の突出方向とは反対側の面には粘着剤層6が積層一体化されていると共に、この粘着剤層6上には離型シート7が剥離可能に積層されている。そして、上記長尺体1'をその離型シート7が内周側となるように上述と同様にその一端から順次、渦巻き状に巻回することによって巻回体を得ることができる。なお、粘着剤層6及び離型シート7については上述した長尺体1の粘着剤層2及び離型シート3と同様であるのでその説明を省略する。
(実施例1)
幅が6mmで且つ厚みが720μmであるABS樹脂製の長尺体1を用意した。なお、長尺体1にはその幅方向の中央部に脆弱部11が全長に亘って形成されていると共に、両面間に亘って多数の貫通孔12、12・・・が貫設されていた。
一方、上質紙の両面に17μmのポリエチレンシートが積層一体化されてなるポリラミ原紙の一面全面に離型剤が塗布されて離型処理が施された総厚みが98μm、幅が1.5mmの長尺状の離型シート3、3(積水化学工業社製 商品名「SLB50WD」)を一対、用意した。
各離型シート3の離型処理面にバーコーターを用いてアクリル系粘着剤(積水化学工業社製 商品名「SLB50WD」)を塗布、乾燥させて、離型シート3の一面に厚みが50μmの粘着剤層を積層させた。
次に、上記長尺体1の一面における幅方向の両端部に上記離型シート3をその粘着剤層が長尺体1に対向した状態に重ね合わせて、長尺体1の一面における幅方向の両端部のそれぞれに粘着剤層2、2を積層一体化させると共に、この粘着剤層2、2のそれぞれに離型シート3、3を剥離可能に積層した。しかる後、上記長尺体1をその一端から粘着剤層2が内周側となるように直径が20mmの回転軸に巻き付けることによって渦巻き状に巻回させて巻回体Aを得た。なお、0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シート3の180°引き剥がし剥離力は、0.6N/50mmであった。
(実施例2)
離型シートとして、ポリエチレンシートの一面全面に離型剤が塗布されて離型処理が施された厚みが70μm、幅が1.5mmの長尺状の離型シートを一対、用いたこと以外は、実施例1と同様にして巻回体Aを得た。なお、0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シート3の180°引き剥がし剥離力は、0.5N/50mmであった。
(実施例3)
離型シートとして、グラシン紙の両面に厚みが17μmのポリエチレンシートが積層一体化されてなるポリラミ原紙の一面全面に離型剤が塗布されて離型処理が施された総厚みが72μm、幅が1.5mmの長尺状の離型シートを一対、用いたこと以外は、実施例1と同様にして巻回体Aを得た。なお、0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シート3の180°引き剥がし剥離力は、0.7N/50mmであった。
(実施例4)
離型シートとして、クルパック加工された紙の両面に厚みが17μmのポリエチレンシートが積層一体化されてなるポリラミ原紙の一面全面に離型剤が塗布されて離型処理が施された総厚みが80μm、幅が1.5mmの長尺状の離型シートを一対、用いたこと以外は、実施例1と同様にして巻回体Aを得た。なお、0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シート3の180°引き剥がし剥離力は、0.6N/50mmであった。
(比較例1)
離型シートとして、上質紙の両面に厚みが17μmのポリエチレンシートが積層一体化されてなるポリラミ原紙の一面全面に離型剤が塗布されて離型処理が施された総厚みが64μm、幅が1.5mmの長尺状の離型シート(積水化学工業社製 商品名「SB64WD」)を一対、用いたこと以外は、実施例1と同様にして巻回体Aを得た。なお、0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シート3の180°引き剥がし剥離力は、0.2N/50mmであった。
(比較例2)
離型シートとして、上質紙の両面に厚みが17μmのポリエチレンシートが積層一体化されてなるポリラミ原紙の一面全面に離型剤が塗布されて離型処理が施された総厚みが95μm、幅が1.5mmの長尺状の離型シート(積水化学工業社製 商品名「SWB」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして巻回体Aを得た。なお、0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シート3の180°引き剥がし剥離力は、0.25N/50mmであった。
(比較例3)
離型シートとして、上質紙の両面に厚みが17μmのポリエチレンシートが積層一体化されてなるポリラミ原紙の一面全面に離型剤が塗布されて離型処理が施された総厚みが108μm、幅が1.5mmの長尺状の離型シート(積水化学工業社製 商品名「SLB65W」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして巻回体Aを得た。なお、0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シート3の180°引き剥がし剥離力は、0.2N/50mmであった。
(比較例4)
離型シートとして、上質紙の両面に厚みが15μmのポリエチレンシートが積層一体化されてなるポリラミ原紙の一面全面に離型剤が塗布されて離型処理が施された総厚みが118μm、幅が1.5mmの長尺状の離型シート(積水化学工業社製 商品名「70S−518No20」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして巻回体Aを得た。なお、0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シート3の180°引き剥がし剥離力は、0.35N/50mmであった。
得られた巻回体の浮き評価を下記方法にて測定し、その結果を表1に示した。
(浮き評価)
得られた巻回体から長さ60cmの試験片を切り出し、この試験片をその離型シートが内側となるようにして長さ方向の両端部同士を接合させることによって円環状とした。この状態において、試験片の内周面における離型シートの剥離状態を目視観察した。そして、試験片の内周面から離型シートが剥離した各剥離部分において、長尺体の内周面からの離型シートの最大剥離寸法(以下「浮き寸法」という)を測定し、各剥離部分の浮き寸法の合計を算出し、下記基準に基づいて判断した。
◎・・・浮き寸法の合計が10mm未満であった。
○・・・浮き寸法の合計が10〜30mmであった。
×・・・浮き寸法の合計が30mmを超えていた。
Figure 2009040971
本発明の巻回体を示した平面図である。 本発明の巻回体を示した斜視図である。 長尺体を示した断面図である。 本発明の巻回体の使用状態を示した斜視図である。 長尺体の他の一例を示した斜視図である。 長尺体の他の一例を示した断面図である。 従来の粘着テープの巻回体を示した平面図である。
符号の説明
1 長尺体
11 脆弱部
12 貫通孔
2 粘着剤層
3 離型シート
4 ベース部
5 突片部
6 粘着剤層
7 離型シート
A 巻回体

Claims (4)

  1. 長尺体を渦巻き状に巻回してなる巻回体であって、上記長尺体の内周面にはその全長に亘って粘着剤層が積層一体化され、この粘着剤層上には長尺状の厚みが50〜100μmの離型シートが剥離可能に積層されており、0.3m/3分の条件下にて測定した上記離型シートの180°引き剥がし剥離力が0.4〜1.0N/50mmであることを特徴とする巻回体。
  2. 離型シートは、ポリエチレンシート、グラシン紙及びクルパック加工された紙からなる群から選ばれたシートを含むことを特徴とする請求項1に記載の巻回体。
  3. 長尺体は、幅方向の中央部から折り曲げ可能に形成されていると共に、幅方向の両端部に粘着剤層が形成され、各粘着剤層上に離型シートが剥離可能に積層されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の巻回体。
  4. 長尺体は、パッキン材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の巻回体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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