JP2009040904A - ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性と良好な加工性とを維持しつつ、転がり抵抗を低減させることが可能なゴム組成物を提供することを目的とする。また、かかるゴム組成物を用いたタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分とカーボンブラックと加工助剤とを含み、前記カーボンブラックが、(1)熱重量分析法による150℃から450℃までの前記カーボンブラックの加熱減量が0.87質量%以上であり、(2)前記カーボンブラックのトルエン着色透過度が90%以上であり、(3)前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)(m2/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.10≦{(N2SA)/(IA)}≦1.30の関係を満たし、前記加工助剤が脂肪酸エステルおよび脂肪酸金属塩の少なくともいずれかであるゴム組成物である。また、それをトレッド等のタイヤ部材に適用したタイヤである。
【選択図】なし
【解決手段】ゴム成分とカーボンブラックと加工助剤とを含み、前記カーボンブラックが、(1)熱重量分析法による150℃から450℃までの前記カーボンブラックの加熱減量が0.87質量%以上であり、(2)前記カーボンブラックのトルエン着色透過度が90%以上であり、(3)前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)(m2/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.10≦{(N2SA)/(IA)}≦1.30の関係を満たし、前記加工助剤が脂肪酸エステルおよび脂肪酸金属塩の少なくともいずれかであるゴム組成物である。また、それをトレッド等のタイヤ部材に適用したタイヤである。
【選択図】なし
Description
本発明は、ゴム組成物およびそのゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものである。
一般に、タイヤのトレッドには高い耐摩耗性が要求されるため、トレッド用のゴム組成物には、補強性の高い充填剤としてカーボンブラックが配合される。また、使用するカーボンブラックの諸物性を選択することで、タイヤの諸性能を調節することができる。例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着比表面積の大きいカーボンブラックを適用することで、カーボンブラックとゴム成分との接触面積を増加させることができる。また、ジブチルフタレート吸油量を増加させ、カーボンブラックとゴム成分との相互作用を増加させることができる。それらの結果として、ゴム組成物の耐摩耗性を向上させることができる。そして、カーボンブラックの配合量を増やすことによってもゴム組成物の耐摩耗性を向上させることができる。
一方、エネルギー、省資源の社会的要請の下、自動車の燃料消費を節約するために、タイヤの転がり抵抗を低減することが求められるようになってきた。これに対して、トレッドに適用するゴム組成物の補強性充填剤として、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着比表面積の小さいカーボンブラックを適用して、カーボンブラックとゴム成分との接触面積を低減し、ジブチルフタレート吸油量が少ないカーボンブラックを適用して、カーボンブラックとゴム成分との相互作用を低下させることで、タイヤの転がり抵抗を低減することができる。また、カーボンブラックの配合量を減らすことによってもタイヤの転がり抵抗を低減することができる。
しかしながら、トレッド用ゴム組成物に用いるカーボンブラックの性質を制御してタイヤの特性を制御する場合、上述のように耐摩耗性の向上と転がり抵抗の低減とは、二律背反の関係にあり、タイヤの耐摩耗性を悪化させることなく転がり抵抗を低減させることは困難であった。
これに対して、特許文献1には、窒素吸着比表面積(N2SA)、ジブチルフタレート吸油量および凝集体空隙容積が特定の範囲にあるカーボンブラックを適用することで、耐摩耗性および低発熱性に優れたゴム組成物が得られることが開示されている。
また、特許文献2には、水銀ポロシメーター法による細孔容積と水銀ポロシメーター法における細孔分布の最大ピークを占める細孔の容積とが特定の範囲にあるカーボンブラックを適用することで、補強性および低発熱性が改善されたゴム組成物が得られることが開示されている。
さらに、特許文献3には、窒素吸着等温線から算出した細孔容積(ml/g)とセチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着比表面積(m2/g)とが一定の関係を満たすカーボンブラックを配合することにより耐摩耗性に優れ、転がり抵抗が低いゴム組成物が得られることが開示されている。
また、特許文献2には、水銀ポロシメーター法による細孔容積と水銀ポロシメーター法における細孔分布の最大ピークを占める細孔の容積とが特定の範囲にあるカーボンブラックを適用することで、補強性および低発熱性が改善されたゴム組成物が得られることが開示されている。
さらに、特許文献3には、窒素吸着等温線から算出した細孔容積(ml/g)とセチルトリメチルアンモニウムブロマイド吸着比表面積(m2/g)とが一定の関係を満たすカーボンブラックを配合することにより耐摩耗性に優れ、転がり抵抗が低いゴム組成物が得られることが開示されている。
しかし、上記の技術をもってしても、耐摩耗性と転がり抵抗の低減とを高度に両立することは難しく、依然として更なる改良が求められていた。
また一方で、耐摩耗性を維持しつつ転がり抵抗の低減を図ろうとして、種々の改良を加えると、加工性が低下することがある。
従って、耐摩耗性と転がり抵抗の低減とを高度に両立しながらも、さらに良好な加工性を維持できるゴム組成物が開発されれば、タイヤのゴム材料として非常に有意なものとなる。
従って、耐摩耗性と転がり抵抗の低減とを高度に両立しながらも、さらに良好な加工性を維持できるゴム組成物が開発されれば、タイヤのゴム材料として非常に有意なものとなる。
本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、耐摩耗性と良好な加工性とを維持しつつ、転がり抵抗を低減させることが可能なゴム組成物を提供することを目的とする。また、かかるゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、下記本発明に想到し、当該目的を達成し得ることを見出した。すなわち、本発明は、ゴム成分とカーボンブラックと加工助剤とを含み、前記カーボンブラックが、(1)熱重量分析(TGA)法による150℃から450℃までの加熱減量が、0.87質量%以上であり、(2)トルエン着色透過度が90%以上であり、(3)窒素吸着比表面積(N2SA)(m2/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.10≦{(N2SA)/(IA)}≦1.30の関係を満たし、前記加工助剤が脂肪酸エステルおよび脂肪酸金属塩の少なくともいずれかであるゴム組成物である。また、本発明は、上記ゴム組成物をタイヤ構成部材に含む空気入りタイヤである。
本発明によれば、耐摩耗性と良好な加工性とを維持しつつ、転がり抵抗を低減させることが可能なゴム組成物を提供することができる。また、かかるゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することができる。
[1.ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、ゴム成分とカーボンブラックと加工助剤とを含む。以下、各成分について説明する。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分とカーボンブラックと加工助剤とを含む。以下、各成分について説明する。
(ゴム成分)
本発明のゴム組成物のゴム成分は、少なくともジエン系ゴムであることが好ましく、ゴム成分中、ジエン系ゴムを10質量%以上含むことが好ましい。ここで、ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)の他、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム等のジエン系合成ゴムが挙げられる。なお、これらゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
本発明のゴム組成物のゴム成分は、少なくともジエン系ゴムであることが好ましく、ゴム成分中、ジエン系ゴムを10質量%以上含むことが好ましい。ここで、ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)の他、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム等のジエン系合成ゴムが挙げられる。なお、これらゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
(カーボンブラック)
本発明に係るカーボンブラックは、下記(1)〜(3)の関係を満たす。すなわち、
(1)熱重量分析(TGA)法による150℃から450℃までのカーボンブラックの加熱減量が、0.87質量%以上であり、
(2)カーボンブラックのトルエン着色透過度が90%以上であり、
(3)カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)(m2/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.10≦{(N2SA)/(IA)}≦1.30の関係を満たす。
本発明に係るカーボンブラックは、下記(1)〜(3)の関係を満たす。すなわち、
(1)熱重量分析(TGA)法による150℃から450℃までのカーボンブラックの加熱減量が、0.87質量%以上であり、
(2)カーボンブラックのトルエン着色透過度が90%以上であり、
(3)カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)(m2/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.10≦{(N2SA)/(IA)}≦1.30の関係を満たす。
カーボンブラックを硝酸ガスにより酸化処理すると、カーボンブラックに表面官能基を多く導入できることはよく知られている。ただし、この方法では、カーボンブラックの細孔が賦活化されポーラス化する(すなわち、N2SA−CTAB値が増加する)ので、ゴム成分が入ることができない微細孔が増加し、耐摩耗性が低下してしまう。
そこで、本発明では、上記(1)および(3)の条件により、ポーラス化が抑制され、表面官能基をより多く存在させたカーボンブラックとすることができる。そして、このようなカーボンブラックを配合し、空気入りタイヤとすることで、耐摩耗性を維持しつつ転がり抵抗の低減を達成でき、あるいは転がり抵抗を維持しつつ耐摩耗性の向上を達成することができる。
ここで、(1)の条件である加熱減量が0.87質量%未満であるとタイヤの転がり抵抗が悪化する。カーボンブラックの生産性を考慮すると、加熱減量は1.5質量%以下であることが好ましい。この観点から、加熱減量は0.88〜1.4質量%であることがより好ましく、0.89〜1.2質量%であることがさらに好ましい。
(2)の条件であるトルエン着色透過度が90%未満であると、ゴム成分との補強性を低下し耐摩耗性が低下してしまう。トルエン着色透過度は91〜99%であることが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックのCTABは、75〜150m2/gであることが好ましい。CTABが75m2/g以上であれば耐摩耗性が向上するので好ましく、CTABが150m2/g以下であれば転がり抵抗が低減するので好ましい。さらに、CTABが150m2/g以下であればカーボンブラックが微粒径になり過ぎて分散不良となることも防ぐことができる。一般に、微粒径のカーボンブラックはゴム成分への分散性が悪く、カーボンブラックのゴム組成物中での分散状態が悪いとゴム組成物の耐摩耗性が低下してしまうことが多いからである。この分散状態を改善しようとすると、ゴム組成物の加工性および生産性を著しく悪化させることにもなる。これらの観点から、CTABが、80〜140m2/gであることがより好ましい。
また、本発明に用いられるカーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(以下、「DBP」という)は、110〜220ml/100gであることが好ましい。DBPが110ml/100g以上であれば耐摩耗性が向上するので好ましく、DBPが220ml/100g以下であればゴム組成物の加工性が向上するので好ましい。これらの観点から、DBPは110〜195ml/100gであることがより好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して10〜100質量部であることが好ましく、30〜55質量部であることがより好ましい。
上記カーボンブラックの配合量がゴム成分100質量部に対して10質量部以上であれば、ゴム組成物の耐摩耗性が向上し、100質量部以下であれば、ゴム組成物の低発熱性が向上して、そのゴム組成物を用いたタイヤの転がり抵抗が低減し、低燃費性が向上するので好ましい。
上記カーボンブラックの配合量がゴム成分100質量部に対して10質量部以上であれば、ゴム組成物の耐摩耗性が向上し、100質量部以下であれば、ゴム組成物の低発熱性が向上して、そのゴム組成物を用いたタイヤの転がり抵抗が低減し、低燃費性が向上するので好ましい。
本発明に適用されるカーボンブラックの各特性値は、下記の測定方法によって得られる値とする。
(i)CTAB吸着比表面積(単位:m2/g)
ASTM D3765法により測定し、単位重量当たりの比表面積で求める。
(ii)DBP吸油量(単位:ml/100g)
ASTM D2414法により測定し、カーボンブラック100g当たりに吸収されるジブチルフタレート(DBP)の量(ml)を求める。
(iii)窒素吸着比表面積(N2SA 単位:m2/g)
JIS K6217−1:2001によりカーボンブラック表面に吸着した窒素量を測定し、その値から比表面積を算出する。
ASTM D3765法により測定し、単位重量当たりの比表面積で求める。
(ii)DBP吸油量(単位:ml/100g)
ASTM D2414法により測定し、カーボンブラック100g当たりに吸収されるジブチルフタレート(DBP)の量(ml)を求める。
(iii)窒素吸着比表面積(N2SA 単位:m2/g)
JIS K6217−1:2001によりカーボンブラック表面に吸着した窒素量を測定し、その値から比表面積を算出する。
(iv)トルエン着色透過度
ASTM D1514法により測定して求める。
(E)ヨウ素吸着量(単位:mg/g)
ASTM D1510法により測定して求める。
(v)加熱減量(単位:質量%)
カーボンブラックの加熱減量は熱重量分析(TGA)によって測定し求める。すなわち、10mgのカーボンブラックを2時間、150℃で真空加熱後、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで700℃まで加熱し、150℃から450℃まで昇温したときの供試カーボンブラックの質量の減少分を求め、これを質量%で表わす。
ASTM D1514法により測定して求める。
(E)ヨウ素吸着量(単位:mg/g)
ASTM D1510法により測定して求める。
(v)加熱減量(単位:質量%)
カーボンブラックの加熱減量は熱重量分析(TGA)によって測定し求める。すなわち、10mgのカーボンブラックを2時間、150℃で真空加熱後、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで700℃まで加熱し、150℃から450℃まで昇温したときの供試カーボンブラックの質量の減少分を求め、これを質量%で表わす。
上記(1)〜(3)の条件を満たすカーボンブラックは、実施例の表1の条件で製造することができる。
(加工助剤)
上記のようなカーボンブラックの配合により生じる加工性の低下を防ぐため、本発明のゴム組成物には、所定の加工助剤が含有されている。当該加工助剤の含有により、良好な加工性を損ねることなく、耐摩耗性を維持し転がり抵抗を低減させることができる。
なお、作業性の低下を防ぐために、カーボンブラックの大粒子化や低ストラクチャー化によって粘度を低減させる方法もあるが、この場合、耐摩耗性が低下してしまう。
上記のようなカーボンブラックの配合により生じる加工性の低下を防ぐため、本発明のゴム組成物には、所定の加工助剤が含有されている。当該加工助剤の含有により、良好な加工性を損ねることなく、耐摩耗性を維持し転がり抵抗を低減させることができる。
なお、作業性の低下を防ぐために、カーボンブラックの大粒子化や低ストラクチャー化によって粘度を低減させる方法もあるが、この場合、耐摩耗性が低下してしまう。
このような加工助剤としては、脂肪酸エステルおよび脂肪酸金属塩の少なくともいずれかを用いる。
脂肪酸エステルとなる脂肪酸としては、炭素数3〜30の直鎖または分岐の飽和または不飽和の脂肪酸で、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸が挙げられる。脂肪酸エステルとなるエステル化物としては、炭素数10以下の低級アルコールが挙げられる。また、加工助剤の融点は、加工時、例えば、バンバリーミキサーでの配合時溶融させることを考慮して、80〜120℃であることが好ましい。
上記脂肪酸と塩を形成する金属としては、Zn、Na、Mg、Ca、Co、Ni、Ba、Fe、Al、CuおよびMnからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。特に、Znが好ましい。脂肪酸金属塩は単独でも2種以上を併用してもよい。
加工助剤は、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜20質量部の範囲で添加されることが好ましく、0.5〜10質量部の範囲で添加されることがより好ましい。加工助剤は、カーボンブラックの分散に大きな効果を示し、この分散性改良効果によって、粘度低減および粘度上昇抑制が可能となる。
(その他の成分)
本発明のゴム組成物には、上記各成分の他に、加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
本発明のゴム組成物には、上記各成分の他に、加硫剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等のゴム業界で通常使用される配合剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
(本発明のゴム組成物の製造方法)
本発明のゴム組成物は、上記各成分および任意成分である配合剤を、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練機を用いて混練りすることによって得られる。このようにして得られたゴム組成物は、熱入れ、押出加工または圧延加工を経て、成形加工後、加硫を行い、タイヤや各種工業用ゴム製品に加工される。
本発明のゴム組成物は、上記各成分および任意成分である配合剤を、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練機を用いて混練りすることによって得られる。このようにして得られたゴム組成物は、熱入れ、押出加工または圧延加工を経て、成形加工後、加硫を行い、タイヤや各種工業用ゴム製品に加工される。
[2.空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ構成部材のいずれかに含有させてなる。タイヤ部材としては、例えば、トレッド、アンダートレッド、サイドウォール、カーカスコーティングゴム、ベルトコーティングゴム、ビードフィラー、チェーファー、ビードコーティングゴム、クッションゴム等が挙げられる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ構成部材のいずれかに含有させてなる。タイヤ部材としては、例えば、トレッド、アンダートレッド、サイドウォール、カーカスコーティングゴム、ベルトコーティングゴム、ビードフィラー、チェーファー、ビードコーティングゴム、クッションゴム等が挙げられる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、上記ゴム組成物をトレッドに用いることが特に好ましく、上記ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤは、耐摩耗性に優れる上、転がり抵抗が低く、低燃費性に優れる。なお、本発明の空気入りタイヤに充填される気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、または窒素等の不活性ガスが挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
[カーボンブラックの製造]
原料油として石油系重質油、燃料としてA重油を用い、通常のカーボンブラック製造炉にて下記表1の製造条件によりカーボンブラックA〜Jを製造した。製造したカーボンブラックA〜Jのトルエン着色透過度、CTAB、N2SA、DBP、IA、N2SA/IAおよび加熱減量を下記表2に示す。なお、これらの測定方法は既述の通りである。
原料油として石油系重質油、燃料としてA重油を用い、通常のカーボンブラック製造炉にて下記表1の製造条件によりカーボンブラックA〜Jを製造した。製造したカーボンブラックA〜Jのトルエン着色透過度、CTAB、N2SA、DBP、IA、N2SA/IAおよび加熱減量を下記表2に示す。なお、これらの測定方法は既述の通りである。
[実施例1〜3および比較例1〜7]
下記表3に示す配合で、かつ、下記表4に示すカーボンブラックA〜Gおよび所定量の加工助剤を用い、バンバリーミキサーでこれらを混練して、ゴム組成物(比較例1〜7および実施例1〜3)を製造した。なお、加工助剤としては、アクチブラストPP(ラインケミー社製、融点102℃)を使用した。
下記表3に示す配合で、かつ、下記表4に示すカーボンブラックA〜Gおよび所定量の加工助剤を用い、バンバリーミキサーでこれらを混練して、ゴム組成物(比較例1〜7および実施例1〜3)を製造した。なお、加工助剤としては、アクチブラストPP(ラインケミー社製、融点102℃)を使用した。
得られた7種類のゴム組成物をトレッドに用いて、サイズ11R22.5のトラック用空気入りタイヤを7種類試作し、下記方法で各タイヤの耐摩耗性および転がり抵抗、加工性を評価した。結果を表4に示す。
(1)加工性(ムーニー粘度)
JIS K6300により、予熱時間1分、ローター作動時間4分、温度130℃の条件にてムーニー粘度(ML1+4)を測定し、比較例2の値を100として指数で表示した。この指数が小さいほど加工性が優れている。
JIS K6300により、予熱時間1分、ローター作動時間4分、温度130℃の条件にてムーニー粘度(ML1+4)を測定し、比較例2の値を100として指数で表示した。この指数が小さいほど加工性が優れている。
(2)タイヤの耐摩耗性と転がり抵抗
タイヤのサイズは、11R22.5とし、下記のようにして耐摩耗性と転がり抵抗の評価を行った。
i)耐摩耗性
該当するカーボンブラックを配合したゴム組成物をトレッド部にもつトラック用タイヤを作製し、車両に装着した。4万キロ走行した時点での溝の減量を測定し、比較基準となるタイヤの逆数を100として、指数化した。この値が大きいほど耐摩耗性が優れる。
タイヤのサイズは、11R22.5とし、下記のようにして耐摩耗性と転がり抵抗の評価を行った。
i)耐摩耗性
該当するカーボンブラックを配合したゴム組成物をトレッド部にもつトラック用タイヤを作製し、車両に装着した。4万キロ走行した時点での溝の減量を測定し、比較基準となるタイヤの逆数を100として、指数化した。この値が大きいほど耐摩耗性が優れる。
ii)転がり抵抗
転がり抵抗は、ドラム上でフリー回転させたときの走行抵抗を測定した。これにより得た転がり抵抗値により下記式にしたがって転がり抵抗指数を求め、これにより転がり抵抗を評価した。
式:転がり抵抗指数=(対称タイヤの転がり抵抗)×100/(従来のタイヤの転がり抵抗)
転がり抵抗指数が小さいほど、転がり抵抗はより改良されていることを意味する。
転がり抵抗は、ドラム上でフリー回転させたときの走行抵抗を測定した。これにより得た転がり抵抗値により下記式にしたがって転がり抵抗指数を求め、これにより転がり抵抗を評価した。
式:転がり抵抗指数=(対称タイヤの転がり抵抗)×100/(従来のタイヤの転がり抵抗)
転がり抵抗指数が小さいほど、転がり抵抗はより改良されていることを意味する。
表3中の老化防止剤は、Flexsys社製のSantoflex6PPDであり、加硫促進剤は、大内新興化学工業社製のノクセラーCZである。
実施例1〜3のゴム組成物を用いたタイヤでは、耐摩耗性と良好な加工性とを維持しつつ、転がり抵抗を低減させることができた。
本発明のゴム組成物は、大型車両用(トラック・バス用、建設車両用、鉱山用等)、農業用、小型トラック用、乗用車用、軽乗用車用および軽トラック用等の各種空気入りタイヤ、特に空気入りラジアルタイヤのトレッド用部材、サイドウォール用部材として好適に用いられる。
Claims (6)
- ゴム成分とカーボンブラックと加工助剤とを含み、
前記カーボンブラックが、
(1)熱重量分析(TGA)法による150℃から450℃までの加熱減量が、0.87質量%以上であり、
(2)トルエン着色透過度が90%以上であり、
(3)窒素吸着比表面積(N2SA)(m2/g)とヨウ素吸着量(IA)(mg/g)との比が、1.10≦{(N2SA)/(IA)}≦1.30の関係を満たし、
前記加工助剤が脂肪酸エステルおよび脂肪酸金属塩の少なくともいずれかであるゴム組成物。 - 前記カーボンブラックのセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が75〜150m2/gであり、かつ、前記カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量が110〜220ml/100gである請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記加工助剤が、炭素数3〜30の直鎖または分岐の飽和または不飽和の脂肪酸エステルまたはその金属塩である請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 前記加工助剤の融点が80〜120℃である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物をタイヤ部材のいずれかに適用したゴム組成物。
- 前記加工助剤の脂肪族金属塩の金属が、Zn、Na、Mg、Ca、Co、Ni、Ba、Fe、Al、CuおよびMnからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物をタイヤ構成部材に含む空気入りタイヤ。
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