JP3974248B2 - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、特に自動車のタイヤに使用した場合、耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ性のバランスに優れ、かつ低発熱性とドライ路面での優れた運動性能をもたらすゴム組成物、並びにそれをトレッドゴムに用いた空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴム用補強充填剤としては、カーボンブラックが多用されている。これは、カーボンブラックが他の充填剤に比べて、高い補強性と優れた耐摩耗性を付与しうるからである。
一方、近年の省エネルギーの社会的な要請に伴い、自動車の燃料消費節約を目的として、タイヤ用ゴムの低発熱化、すなわち低転がり抵抗を図る場合、カーボンブラックの充填量減量、あるいは大粒径のカーボンブラックの使用が考えられるが、いずれの場合も、補強性,耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ性が低下するのを免れないことが知られている。
他方、低発熱性と、補強性,耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ性を両立させる充填剤として、含水ケイ酸(湿式シリカ)が知られており、例えば特開平3−252431号公報,特開平6−248116号公報,特開平7−70369号公報,特開平7−188466号公報,特開平7−196850号公報,特開平8−225684号公報,特開平8−245838号公報,特開平8−337687号公報など、数多くの特許が出願されている。
【0003】
しかしながら、この含水ケイ酸は、同程度の比表面積を有するカーボンブラックと比較して、それが配合されたゴム組成物の貯蔵弾性率が小さく、そのためドライ路面での運動性能が劣るという欠点を有している。
上記貯蔵弾性率を高める方法として、含水ケイ酸の充填量の増量、含水ケイ酸の比表面積の増大などが知られているが、いずれの場合も、含水ケイ酸の特徴である低発熱性を低下させるという欠点を有し、高い貯蔵弾性率と低発熱性を両立できる含水ケイ酸の開発が切望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、特に自動車のタイヤに使用した場合に、耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ性のバランスに優れ、かつ低発熱性とドライ路面での優れた運動性能をもたらすゴム組成物、並びにそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の好ましい性質を有するゴム組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、天然ゴムやジエン系合成ゴムに対し、比表面積が特定の範囲にあり、かつ特定の細孔容積分布を有する含水ケイ酸を所定の割合で配合することにより、さらに所望により、シランカップリング剤及び/又はカーボンブラックを所定の割合で配合することにより、その目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム100重量部に対し、(B)(イ)セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)が180〜270m2 /gの範囲にあり、かつ(ロ)水銀圧入法で測定した細孔容積の分布において、細孔半径400Å以下の細孔容積に占める、細孔半径50〜70Åの細孔容積の割合が10〜30%、細孔半径70Åより大きく100Å以下の細孔容積の割合が20〜40%及び細孔半径100Åより大きく150Å以下の細孔容積の割合が10〜30%の範囲にある含水ケイ酸10〜90重量部を配合してなるゴム組成物、
(2)さらに、(C)シランカップリング剤を、(B)成分の含水ケイ酸に対して1〜20重量%の割合で配合してなる上記(1)のゴム組成物、及び
(3)さらに、(D)カーボンブラック5〜80重量部を配合してなり、かつ(B)成分と(D)成分との合計配合量が120重量部以下である上記(1),(2)のゴム組成物、
(4)上記(1)〜(3)のゴム組成物をトレッドゴムに用いた空気入りタイヤを提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物においては、(A)成分として、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムが用いられる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、例えばポリイソプレン合成ゴム(IR),ポリブタジエンゴム(BR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),クロロプレンゴム(CR),ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。
この(A)成分の天然ゴムやジエン系合成ゴムは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、本発明のゴム組成物において、(B)成分として、以下に示す特性を有する含水ケイ酸が用いられる。
【0007】
まず、上記(B)成分の含水ケイ酸は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)が、180〜270m2 /gの範囲にあることが必要である。このCTABは、一般にゴム組成物の物性値との相関がとれやすい指標とされる。該CTABが180m2 /g未満では含水ケイ酸による補強効果が充分に発揮されず、また270m2 /gを超えると含水ケイ酸の表面積が大きくなりすぎ、含水ケイ酸同士の凝集が強くなって、ゴムへの良好な分散が困難になり、耐摩耗性の悪化やゴム組成物の作業性の悪化が生じる。補強効果,適度な分散性及び含水ケイ酸製造時の取扱いの容易さなどを考慮すると、このCTABの好ましい範囲は190〜260m2 /gであり、特に200〜250m2 /gの範囲が好適である。
次に、該含水ケイ酸は、水銀圧入法で測定した細孔容積の分布において、細孔半径400Å以下の細孔容積に占める、細孔半径50〜70Åの細孔容積の割合が10〜30%、細孔半径70Åより大きく100Å以下の細孔容積の割合が20〜40%及び細孔半径100Åより大きく150Å以下の細孔容積の割合が10〜30%の範囲にあることが必要である。
【0008】
この含水ケイ酸が、水銀圧入法により測定した細孔分布において、上記特定の範囲にあるということは、従来の含水ケイ酸とは異なって、微粒子でありながらその細孔分布がブロードであることを表している。
本発明が規定する細孔の容積の割合の範囲外にあるシャープな細孔分布をもつ含水ケイ酸は、ゴム組成物の基材マトリックス中に充填した場合、その補強効果において、貯蔵弾性率と低発熱性の2つの性能を両立することができないので好ましくない。また、本発明の規定よりさらにブロードな細孔分布をもつ含水ケイ酸を製造することは困難であろう。
ここで、本発明で記述する細孔半径400Å以下の細孔について若干の説明を補足する。
細孔半径400Å以下の細孔は、それと同じ程度の大きさの微小な含水ケイ酸凝集粒子がゴム中に分散する過程に影響を及ぼすと考えられる。細孔半径400Åよりも大きい細孔、特に1000Å以上の細孔はそのような分散過程とはあまり関係がない。このような微小な大きさの凝集粒子の分散状態が適度なものであれば、バランスのとれた補強効果が発現されると推定される。
【0009】
本発明においては、該含水ケイ酸は、細孔半径400Å以下の細孔容積に占める細孔半径50〜150Åの細孔容積の割合が、50%以上であるのが好ましい。
細孔半径50〜150Åの細孔は、含水ケイ酸が基材マトリックス中で分散するために重要であり、したがって、その割合が高いほど好ましい。
さらに、本発明においては、該含水ケイ酸は、窒素吸着法により測定した比表面積(BET)と水銀圧入法で測定した比表面積(PO)との比(BET/PO)が0.8〜1.0の範囲にあるものが好ましく、特に0.85以上1.0未満の範囲にあるものが好ましい。BET/POが0.8〜1.0の範囲にある場合、天然ゴムやジエン系合成ゴムとの混練り初期のなじみがよく、また、天然ゴムやジエン系合成ゴムとの混練り過程で容易に二次粒子(ここで二次粒子とは、粒子(一次粒子)間の化学結合によって形成された凝集体がさらに物理的相互作用によって凝集したものを言う。)の破壊が生じ、分散しやすいので、好適である。
【0010】
一般に、窒素分子のサイズは4Å程度と考えられ、窒素吸着法においては、試料がもっているそれと同じ程度の大きさの細孔の中にまで窒素が入り込んで吸着現象が起こるとされている。一方、水銀圧入法では2000バールまで圧力を加えられるので、細孔半径37.5Åまでの細孔を測定する。したがって、含水ケイ酸等の微細孔構造をもつ物質では、一般に、BET値の方がPO値より大きいことが知られている。
しかし、本発明ではPO値がBET値より大きいか、または、等しいことが好ましい。このような含水ケイ酸は、凝集粒子内部に微細孔を閉じ込めた構造、すなわち、その意味でクローズドポアをもつ含水ケイ酸であると考えられる。含水ケイ酸製造の過程で、凝集粒子の外部表面にある微粒子が溶解されて凹凸がなくなると同時に、溶解した成分が細孔入口付近に析出して細孔入口を閉塞するため、その内部に微粒子及びその微粒子が形成する微細孔が内包されると推定される。窒素吸着法による比表面積の測定では、窒素分子が外部表面のみに吸着して内部に閉じ込められた微細孔にまで入り込めず、その分だけ比表面積値が小さくなると考えられる。これに対して、水銀圧入法では、最大2000バールの圧力が加えられるので、凝集粒子外部表面上の細孔閉塞部を壊しながら細孔の測定がなされ、内包されている微細孔にまで測定範囲が及ぶため、その分だけ窒素吸着法による比表面積値より大きな値になるのであろう。
【0011】
その他に、好ましい粉体物性として、以下のような値を挙げることができる。ただし、本発明はそれらの数値範囲に制限されないことはいうまでもない。
この含水ケイ酸の比表面積については、BETは180〜280m2 /g、及びPOは180〜300m2 /gの範囲にあるのが一般的である。
また、含水ケイ酸の細孔半径400Å以下の細孔の容積は、好ましくは0.7〜2.0ミリリットル/gの範囲、より好ましくは、0.9〜1.6ミリリットル/gの範囲である。この範囲では、細孔径と同じ程度の大きさの含水ケイ酸凝集粒子の適度な分散が達成されやすくなる。
本発明において、上述のような含水ケイ酸を製造する方法は、特に制限されるものでないが、代表的な製造方法として下記の方法を挙げることができる。
すなわち、ケイ酸アルカリ水溶液中にケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸とを反応系の温度を40〜75℃に保ちながら同時に添加してシリカを析出せしめ、該シリカの凝集を確認した後に、反応系の温度を90〜100℃に昇温することを特徴とする含水ケイ酸の製造方法が挙げられる。
上記のように、本発明の含水ケイ酸は、ケイ酸アルカリを出発原料として、これに鉱酸を加えて中和沈降させる、いわゆる湿式法によって製造される。
本発明の含水ケイ酸の製造方法は、予め温度を調整したケイ酸アルカリ水溶液の中に、ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸とを液中アルカリ濃度が一定となるように同時に添加して中和沈降させる方法であって、公知の方法に対して、特に、反応系の温度の制御方法に特徴を有する。
【0012】
以下の説明において、簡便のために、反応系の温度を40〜75℃に保ってケイ酸アルカリ水溶液中にケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸とを同時添加する段階を「低温反応」、昇温後に90〜100℃に保持する段階を「高温反応」と表記することにする。
本発明の方法で使用するケイ酸アルカリ水溶液は、一般に使用されているものを何ら制限なく使用することができる。例えば、ケイ酸ナトリウム,ケイ酸カリウム等が使用でき、ケイ酸ナトリウムが一般的で好ましい。ケイ酸アルカリ水溶液中に溶解しているシリカとアルカリのモル比はSiO2 /M2 O(Mはアルカリ金属を表し、例えば、M=Na、K等である)は、一般に、SiO2 /M2 O=2〜4が使用でき、SiO2 /M2 O=3.0〜3.5が好適である。反応に使用するときの濃度はSiO2 濃度で表示した場合、10〜200g−SiO2 /リットル(L)まで水で希釈することが望ましい。また、SiO2 に対して、Al2 3 が0.1〜1.0重量%−Al2 3 /SiO2 の濃度で含まれているケイ酸アルカリ水溶液を用いることもできる。さらにまた、ケイ酸アルカリ水溶液中に電解質、一般的には硫酸ナトリウムを、1〜100g/L程度混合させてもよい。
【0013】
本発明の方法で使用する鉱酸は、ケイ酸アルカリ水溶液と中和反応を起こすものであれば特に限定されない。硫酸,塩酸,硝酸等が使用でき、このうち、硫酸が汎用的で好ましい。一般的に用いられる硫酸は、200〜250g−H2 SO4 /Lの濃度にまで水で希釈して使用される。
上記添加するケイ酸アルカリ水溶液および鉱酸の供給方法は、特に限定されるものではなく、同時添加反応時の反応系の温度、pHおよび反応液、あるいは反応スラリー中のシリカ濃度が制御できれば良い。すなわち、適当な濃度のケイ酸アルカリ水溶液および鉱酸を、反応液あるいは反応スラリーへ上部より滴下してもよいし、供給口を直接反応液中に入れて供給してもよい。また、濃度調整のために、ケイ酸アルカリ水溶液、鉱酸の他に、別途に水を供給してもよい。
また、反応液あるいは反応スラリーは反応系の濃度が均一になるように攪拌することが望ましい。かかる攪拌方法は公知の方法を特に制限なく使用することができ、例えば、攪拌羽根で混合してもよいし、反応液の一部を取り出して別の部分へ混合するような循環装置を使用してもよい。
本発明の方法では、反応液あるいは反応スラリー中のアルカリ濃度が一定となるようにケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸とを同時に添加することが望ましい。また、かかるアルカリ濃度はpHで表すと、pH9〜11、好ましくはpH9.2〜10.5である。従って、そのような範囲のpHとなるようにケイ酸アルカリ水溶液および鉱酸の添加濃度、添加速度等のバランスを取ることが望ましい。
【0014】
本発明の方法では、低温反応において細孔分布のブロードな凝集粒子を生成させ、高温反応において凝集粒子の外部表面の微粒子を溶解することに特徴をもつが、反応系のpH値をアルカリ側に制御すれば、目的とする細孔分布が得やすく、また、より容易に微粒子の溶解が進行するので好ましい。
本発明の方法において、低温反応では、ケイ酸アルカリ水溶液にケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸とを同時に添加するとき、反応系の温度を40〜75℃に保つ必要がある。該温度は、好ましくは45〜72℃、さらに好ましくは50〜70℃である。
上記低温反応の温度が40℃より低いと、反応速度が小さくなって反応を制御することが困難になるので、好ましくない。また、75℃より高いと、目的とするブロードな細孔分布が得られなくなるので好ましくない。
【0015】
一般に、同時添加による含水ケイ酸の製造においては、反応系の温度が低いほど形成されるシリカ粒子の粒子径が不揃いである。反対に、高温になるほど粒子径の揃ったシリカが生成する。このことは、反応系が高温であるほど、生成するシリカの析出限界粒子径が大きくなって、それよりも小さい微粒子はその温度では溶解してしまうことで説明される。本発明で規定するような細孔分布をもつ含水ケイ酸を製造するには、粒子径が適度に不揃いである必要があり、そのために低温反応における温度の制御が重要となる。
本発明の方法では、低温反応で析出したシリカが凝集したことを確認した後に、昇温して高温反応を行わなければならない。
一般に、同時添加による含水ケイ酸の製造においては、反応系の温度、pHに応じた一定のシリカ濃度に到達すると、析出したシリカ粒子どうしの凝集が起こる。かかるシリカの凝集は、反応スラリーの急激な粘度上昇現象によって確認することができる。
シリカの凝集の前に反応系を昇温した場合、低温反応で生成した微粒子が凝集粒子に内包される前に溶解し、目的とするブロードな細孔分布が得られ難い。
【0016】
前記した昇温は、シリカ凝集の後であれば、いつ昇温を開始してもよく、所定量のケイ酸アルカリ水溶液および鉱酸の添加を終了した後に昇温して、熟成時間をとる方法によって高温反応を実施してもよい。
すなわち、本発明の方法における高温反応では、90〜100℃においてケイ酸アルカリ水溶液および鉱酸の同時添加を実施してもよいし、添加することなく同温度を保持するという意味で熟成を実施してもよい。
熟成には、沈殿した含水ケイ酸を安定にする目的があり、高温反応の時間が、90〜100℃でのケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸の同時添加の時間と熟成の時間の合計で30分間以上となるように、熟成時間をとることが好ましい。さらに好ましくは35〜120分間程度がよい。
【0017】
本発明の方法において、昇温は、どのような方法でも制限なく実施することができる。例えば、スチームを反応液あるいは反応スラリーに吹き込んでもよいし、反応容器内に発熱体を入れて加熱してもよい。あるいは、反応容器の外部からスチームあるいは発熱体で加熱してもよい。
本発明の方法では、昇温後の高温反応の温度は、90〜100℃にする必要がある。好ましくは92〜98℃がよい。
90℃より小さいと、凝集粒子外部表面の微粒子の溶解が不十分となって凹凸が残存し、ゴムに混練りするときの初期の噛み込みが悪くなるので好ましくない。また、100℃を超える条件を達成することは難しく、熱コスト上も好ましくない。
高温反応では、低温反応で生成した粒子径の不揃いなシリカ粒子から構成される凝集粒子の外部表面の微粒子が溶解され、その成分が凝集粒子のもつ細孔の入口付近に析出して細孔を閉塞すると推定される。その結果、薄膜状のシリカ層に覆われたモデルで説明されるように、粒子径が不揃いのシリカ粒子が形成するブロードな細孔分布の細孔を内部に閉じ込めた凝集粒子が生成すると考えられる。
【0018】
本発明では、含水ケイ酸を安定にする目的で、高温反応を実施した後、反応液のpHが2〜6になるまで鉱酸のみを添加して中和反応を完結させることが好ましい。
本発明の製造方法では、中和反応が完結し、全てのシリカが析出した時点での反応スラリー中のシリカ濃度を30〜80g/L、好ましくは40〜70g/Lとすることが望ましい。これは、CTABを目的の範囲にし易いからである。
本発明において、以上のようにして得られた含水ケイ酸は、ろ過,洗浄,乾燥等、後処理することによって、適当な高比重やDBP吸油量を有するものとなる。それらの後処理方法は、特に制限されず、公知の方法を採用することができる。
例えば、反応スラリーをフィルタープレスでろ過,洗浄して得られたケークを静置乾燥する方法や、反応スラリーをフィルタープレスでろ過、洗浄した後、適度な濃度にしたスラリーを噴霧乾燥する方法等が挙げられる。
【0019】
本発明においては、この(B)成分の含水ケイ酸は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、前記(A)成分100重量部に対し、10〜90重量部の範囲である。この配合量が10重量部未満では充分な補強効果が得られず、本発明の目的が達せられない。また、90重量部を超えると低発熱性が損なわれる上、ゴム組成物に要求される他の物性が低下するおそれがある。補強性,低発熱性,その他物性などを考慮すると、この(B)成分の好ましい配合量は、15〜80重量部の範囲である。
本発明のゴム組成物において、前記(B)成分の効果を、さらに向上させるために、所望により、(C)成分として、シランカップリング剤を配合することができる。このシランカップリング剤としては、従来公知のシランカップリング剤の中から任意のものを用いることができるが、特に一般式(I)
AmB3-mSi-(CH2)a-Sb-(CH2)a-SiAmB3-m・・(I)
(式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数を示し、bは1以上の整数で分布を有することもある。但し、mが1のときは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよい。)
【0020】
で表される化合物、一般式(II)
AmB3-mSi-(CH2)c -Y ・・・(II)
(式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Yはメルカプト基,ビニル基,アミノ基,グリシドキシ基又はエポキシ基、mは1〜3の整数、cは0〜9の整数を示す。但し、mが1のときは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよい。)
で表される化合物、及び一般式(III)
AmB3-mSi-(CH2)a-Sb-Z ・・・(III)
(式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Zはベンゾチアゾリル基,N,N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル基、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数を示し、bは1以上の整数で分布を有することもある。但し、mが1のときは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよい。)
で表される化合物の中から選ばれた少なくとも一種を用いるのが好ましい。
【0021】
前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド,ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィドなどが、一般式(II) で表されるシランカップリング剤の例としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリメトキシシラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−アミノプロピルトリメトキシシラン,3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが、一般式(III)で表されるシランカップリング剤の例としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルカルバモイルテトラスルフィド,3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド,3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィドなどが、それぞれ挙げられる。
【0022】
本発明においては、この所望により用いられる(C)成分のシランカップリング剤は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、前記(B)成分の含水ケイ酸に対して1〜20重量%の範囲で選ばれる。この配合量が1重量%未満ではシランカップリング剤を配合した効果が充分に発揮されないおそれがあり、一方、20重量%を超えるとその量の割には効果の向上がみられず、むしろ経済的に不利となる。配合効果及び経済性などを考慮すると、この(C)成分のシランカップリング剤の好ましい配合量は2〜15重量%の範囲である。
本発明のゴム組成物においては、貯蔵弾性率や補強性などを向上させる目的で、所望により、(D)成分としてカーボンブラックを配合することができる。
このカーボンブラックは、製造方法によりチャンネルブラック,ファーネスブラック,アセチレンブラック及びサーマルブラックなどに分類されるが、いずれのものも用いることができる。
本発明においては、この所望により用いられる(D)成分のカーボンブラックの配合量は、前記(A)成分100重量部に対し、5〜80重量部の範囲になるように、かつ前記(B)成分の含水ケイ酸との合計量が120重量部以下になるように選ばれる。この(D)成分の配合量が5重量部未満ではカーボンブラックを配合した効果が充分に発揮されず、また80重量部を超えたり、(B)成分との合計量が120重量部を超えると所望の物性を有するゴム組成物が得られにくく、本発明の目的が達せられないおそれがある。配合効果及び物性などの面から、この(D)成分の好ましい配合量は、5〜70重量部の範囲であり、かつ(B)成分との合計配合量は100重量部以下が好ましい。
【0023】
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤,加硫促進剤,老化防止剤,スコーチ防止剤,軟化剤,他の充填剤,亜鉛華,ステアリン酸などを含有させることができる。
そして、本発明のゴム組成物はタイヤのトレッドゴムに好適に用いられる。
本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明に係るゴム組成物が未加硫の段階でトレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
このようにして得られた本発明の空気入りタイヤは、耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ性のバランスに優れ、かつ低発熱性、すなわち低転がり抵抗とドライ路面での優れた運動性能をもたらす。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、含水ケイ酸の物性及び加硫ゴムの物性および空気入りタイヤの特性は、下記の要領に従い測定した。
<含水ケイ酸の物性>
(1)CTABの測定
ASTM D3765−92記載の方法に準拠して実施した。
ただし、ASTM D3765−92の方法は、カーボンブラックのCTABを測定する方法なので、若干の改良を加えた方法とした。すなわち、カーボンブラックの標品であるIRB#3(83.0m2 /g)を使用せず、別途にセチルトリメチルアンモニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する。)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を35平方ÅとしてCE−TRABの吸着量から比表面積を算出した。これは、カーボンブラックと含水ケイ酸とでは表面状態が異なるので、同一表面積でもCE−TRABの吸着量に違いがあると考えられるからである。
【0025】
(2)水銀圧入法による細孔分布及びPOの測定
カルロ・エルバ社製 ポロシメーター2000型にて測定した。本装置では、Washburnの関係式に接触角θ=141.3゜、水銀の表面張力σ=480dyne/cmを採用している。2000バールまで加圧するので、測定範囲は細孔半径37.5〜約75000Åであった。
(3)BETの測定
J.Am.Chem.Soc.,60巻,309頁(1938年)に記載された理論に基づいて、マイクロ・データ(株)製、全自動比表面積測定装置ベータ4232型を用いて、一点法により測定した。
【0026】
<加硫ゴムの物性>
(4)低発熱性及び貯蔵弾性率
東洋精機(株)製、スペクトロメーターを用いて、動的引張り歪み1%、測定温度50℃、測定周波数52Hzで測定した時のtanδの値を低発熱性の指標とし、またE’の値を貯蔵弾性率の指標とした。結果は、実施例1〜3及び比較例1〜3(第1表)においては、比較例1をコントロールとし、実施例4及び比較例4(第2表)においては、比較例4をコントロールとして指数表示した。この低発熱性については値が小さい程が結果が良好であり、また貯蔵弾性率については値が大きい程が結果が良好である。
サンプルは厚さ2mm,幅4.7mmのものを用いて、試料はさみ幅20mm,初期荷重150gにて測定した。
【0027】
<空気入りタイヤの特性>
(5)転がり抵抗
190kPaの内圧を充填したそれぞれのタイヤ(サイズは185/65R14)に、外径が1707.6mm、幅が400mmの、スチール平滑面を有する回転ドラムに、440kgfの力で押圧して80km/時で回転させたときのタイヤ軸の転がり抵抗(FR )を次式によって求めた。
R =Ft ×(1+rT/RD
t :軸上の転がり抵抗−スキム値
D :ドラムの半径
rT:タイヤの転動負荷半径
なお、結果は実施例1〜3及び比較例1〜3(第1表)においては、比較例1をコントロールとし、実施例4及び比較例4(第2表)においては、比較例4をコントロールとして指数表示した。この転がり抵抗については、値が小さい程が結果が良好である。
【0028】
製造例1 含水ケイ酸(B−1)の製造
シリカとアルカリのモル比(SiO2 /Na2 O)=3.35のケイ酸ナトリウムを使用して、まず、10リットルの反応槽にシリカ濃度が10g/リットルのケイ酸ナトリウム溶液を2.2リットル仕込んだ。攪拌羽根で反応液を十分に攪拌しながら、加熱して該反応溶液の温度を65℃とし、この温度を保持した状態で、同じモル比でシリカ濃度90g/リットルのケイ酸ナトリウム溶液を36ミリリットル/分の添加速度で、また、濃度220g/リットルの硫酸を6.2ミリリットル/分の添加速度で同時に添加を開始した。60分経過後、反応槽内の粘度が上昇しているのを確認したので、ケイ酸ナトリウム溶液及び硫酸の同時添加を中断して、昇温した。その30分後、反応スラリーの温度は95℃となった。この温度を維持しながら、ケイ酸ナトリウム溶液及び硫酸の同時添加を再開した。添加速度は65℃での反応と同じとし、95℃の同時添加は65分間実施した。同時添加終了後、95℃を保持したまま攪拌を継続し、5分間熟成した。その後、95℃のまま硫酸をpHが3.5になるまで添加した。この時点での反応スラリー中のシリカ濃度(以下、最終シリカ濃度という。)は、56g/リットルであった。この反応スラリーをろ過、水洗し、固収したシリカケークを150℃乾燥器内で乾燥した。
このようにして得られた含水ケイ酸(B−1)の粉体物性を第1表−1に示す。
【0029】
製造例2 含水ケイ酸(B−2)の製造
低温(65℃)反応での同時添加時間を90分間、高温(95℃)での同時添加時間を30分間とし、同時添加終了後の熟成時間を40分間にした以外は、製造例1と同様の方法で含水ケイ酸を製造した。反応スラリーの最終シリカ濃度は55g/リットルであった。
このようにして得られた含水ケイ酸(B−2)の粉体物性を第1表−1に示す。
製造例3 含水ケイ酸(B−3)の製造
高温(95℃)での同時添加時間を37分間とし、同時添加終了後の熟成時間を23分間にした以外は、製造例1と同様の方法で含水ケイ酸を製造した。反応スラリーの最終シリカ濃度は52g/リットルであった。
このようにして得られた含水ケイ酸(B−3)の粉体物性を第1表−1に示す。
【0030】
実施例1〜3及び比較例1〜3
SBR0120〔JSR(株)製,スチレンブタジエンゴム〕96.25重量部(ゴム成分:70重量部、伸展油:26.25重量部)とBR150L〔宇部興産(株)製,ポリブタジエンゴム〕30重量部とからなるゴム成分100重量部に対し、第1表に示す種類の含水ケイ酸65重量部、シランカップリング剤であるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグサ社製,Si69)5.2重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤6C〔N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン〕1.5重量部、亜鉛華3重量部、加硫促進剤DPG(1,3−ジフェニルグアニジン)0.5重量部、加硫促進剤NS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1重量部及び硫黄1.5重量部を配合したのち、この配合物を150℃、30分間の条件で加硫し、得られた加硫ゴムの物性を測定した。さらに、同じ配合の配合物をトレッドゴムとして適用し、通常の方法により製造した空気入りタイヤの特性についても測定した。結果を第1表に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003974248
【0032】
注1)細孔容積分布:細孔半径400Å以下の細孔容積に占めるそれぞれの細孔半径の細孔容積の割合を示す。ここで50〜70Åは50Å以上70Å以下を示し、70〜100Åは70Åより大きく100Å以下を示し、100〜150Åは100Åより大きく150Å以下を示し、50〜150Åは50Å以上150Å以下を示す。
【0033】
【表2】
Figure 0003974248
【0034】
注1)細孔容積分布:第1表−1の脚注1)と同じ。
2)B−4:(株)トクヤマ製、トクシールUR
3)B−5:(株)トクヤマ製、トクシールPR
4)B−6:(株)トクヤマ製、トクシールNR
【0035】
実施例4及び比較例4
天然ゴム100重量部に対し、カーボンブラックN234〔東海カーボン(株)製,シースト7HM〕25重量部、第2表に示す種類の含水ケイ酸25重量部、シランカップリング剤であるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグサ社製,Si69)2.5重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤6C〔N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン〕1.5重量部、亜鉛華3重量部、加硫促進剤DPG(1,3−ジフェニルグアニジン)0.4重量部、加硫促進剤CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1.3重量部及び硫黄1.5重量部を配合したのち、この配合物を150℃、30分間の条件で加硫し、得られた加硫ゴムの物性を測定した。さらに、同じ配合の配合物をトレッドゴムとして適用し、通常の方法により製造した空気入りタイヤの特性についても測定した。結果を第2表に示す。
【0036】
【表3】
Figure 0003974248
【0037】
注1)細孔容積分布:第1表−1の脚注1)と同じ。
2)B−4:(株)トクヤマ製、トクシールUR
【0038】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物は、天然ゴムやジエン系合成ゴムに、特定の性状の含水ケイ酸を配合したものであって、特に自動車のタイヤに使用した場合、耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ性のバランスに優れ、かつ低発熱性とドライ路面での優れた運動性能をもたらすなどの効果を奏する。

Claims (7)

  1. (A)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム100重量部に対し、(B)(イ)セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)が180〜270m2 /gの範囲にあり、かつ(ロ)水銀圧入法で測定した細孔容積の分布において、細孔半径400Å以下の細孔容積に占める、細孔半径50〜70Åの細孔容積の割合が10〜30%、細孔半径70Åより大きく100Å以下の細孔容積の割合が20〜40%及び細孔半径100Åより大きく150Å以下の細孔容積の割合が10〜30%の範囲にある含水ケイ酸10〜90重量部を配合してなるゴム組成物。
  2. (B)成分の含水ケイ酸が、窒素吸着比表面積(BET)と水銀圧入法で測定した比表面積(PO)との比(BET/PO)が0.8〜1.0の範囲にあるものである請求項1記載のゴム組成物。
  3. (B)成分の含水ケイ酸が、水銀圧入法で測定した細孔容積の分布において、細孔半径400Å以下の細孔容積に占める細孔半径50〜150Åの細孔容積の割合が50%以上のものである請求項1記載のゴム組成物。
  4. さらに、(C)シランカップリング剤を、(B)成分の含水ケイ酸に対して1〜20重量%の割合で配合してなる請求項1記載のゴム組成物。
  5. (C)成分のシランカップリング剤が、一般式(I)
    AmB3-mSi-(CH2)a-Sb-(CH2)a-SiAmB3-m・・(I)
    (式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数を示し、bは1以上の整数で分布を有することもある。但し、mが1のときは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよい。)
    で表される化合物、一般式(II)
    AmB3-mSi-(CH2)c -Y ・・・(II)
    (式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Yはメルカプト基,ビニル基,アミノ基,グリシドキシ基又はエポキシ基、mは1〜3の整数、cは0〜9の整数を示す。但し、mが1のときは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよい。)
    で表される化合物、及び一般式(III)
    AmB3-mSi-(CH2)a-Sb-Z ・・・(III)
    (式中、AはCn2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Zはベンゾチアゾリル基,N,N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル基、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数を示し、bは1以上の整数で分布を有することもある。但し、mが1のときは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよい。)
    で表される化合物の中から選ばれた少なくとも一種である請求項4記載のゴム組成物。
  6. さらに、(D)カーボンブラック5〜80重量部を配合してなり、かつ(B)成分と(D)成分との合計配合量が120重量部以下である請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドゴムに用いた空気入りタイヤ。
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