JP2009040709A - 12位置換ムチリン誘導体 - Google Patents

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保路 福田
Masanori Takadoi
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Abstract

【課題】各種耐性菌を含むグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して強力かつ幅広い抗菌作用を示し、感染症治療薬としての用途が期待されるムチリンの新規類縁体である12位置換誘導体を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)

(式中、R1は水素原子、ホルミル基、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいプロペニル基、置換されていてもよいプロピニル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Aはアミド基を含む結合手等を表し、Bは窒素含有脂肪族複素環で示されるムチリン誘導体またはそれらの酸付加塩類。)
【選択図】なし

Description

本発明は、各種耐性菌を含むグラム陽性菌、およびグラム陰性菌に対して強力な抗菌作用を示し、感染症治療薬としての用途が期待されるムチリンの新規類縁体である12位置換ムチリン誘導体、およびその製造中間体に関する。
プレウロムチリンは、1951年にPleurotus mutilus Sacc.から、また1976年にPleurotus passeckerianus Pil.から単離・構造決定されたジテルペン化合物であり、そのアグリコン部はムチリンと呼ばれる(非特許文献1、2)。高度に官能基化された8員環にヒドロインダノン構造が縮合した三環性構造を有し、9つの不斉炭素原子を有している点が構造的特徴として挙げられる。
近年、各種耐性菌による難治性感染症の蔓延が世界的に問題になっている。プレウロムチリンは、細菌のリボゾームに作用してタンパク合成を阻害することによって抗菌活性を示すことが明らかであり、難治性感染症治療薬の探索において新しいリード化合物として有用である。このうち、プレウロムチリン誘導体としてチアムリン(商標)が家畜用の感染症治療薬として古くから用いられているものの、ヒトの感染症治療にプレウロムチリン、あるいはムチリン誘導体を適用した例は未だ報告がない。
このようにムチリン系化合物は、強力な抗菌活性と興味深い化学構造の2点から世界的に注目される化合物であり、近年いくつかのグループから新規ムチリン誘導体が報告されている。すなわち、ムチリンカルバモイルオキシ誘導体(特許文献1)、プレウロムチリン誘導体(特許文献2)、プレウロムチリン誘導体(特許文献3)、2−フルオロムチリン誘導体(特許文献4)、ムチリン化合物(特許文献5)、ムチリン−14−エステル誘導体(特許文献6)、イソキサゾリンカルボン酸誘導体(特許文献7)、ムチリン誘導体(特許文献8)、プレウロムチリンベータケトエステル類(特許文献9)、2−ヒドロキシムチリンカルバメート誘導体(特許文献10)、プレウロムチリン誘導体(特許文献11)、複素環エステル誘導体(特許文献12)、抗菌活性ムチリン類(特許文献13)、新規プレウロムチリン誘導体(特許文献14)、プレウロムチリン誘導体(特許文献15)、有機化合物(特許文献16)、ヒドロキシアミノ、あるいはアシルアミノシクロアルキル基を有するプレウロムチリン誘導体(特許文献17)、プレウロムチリン誘導体(特許文献18)、というような例が報告されている。これらはいずれも、12位置換基が天然物であるプレウロムチリン由来のビニル基、もしくはそれを還元したエチル基を請求範囲とする特許であり、本発明中に示すような12位置換基が各種置換基であるという構造的特徴を有するムチリン誘導体は未だ報告されておらず、従ってその抗菌活性も未知である。また、本発明中に示すような12位置換基がビニル基、もしくはエチル基以外の各種置換基であるという構造的特徴を有するムチリン誘導体については、12位置換ムチリン誘導体(特許文献19)、14位置換基にピリジン環を有する12位置換ムチリン誘導体(特許文献20)、というような例が報告されている。これらはいずれも14位置換基がアシルカルバモイル結合を介して1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造か、もしくはピリジン構造を有することに限定しており、本発明中に示すような窒素原子を含む様々な環状構造やフェニル基を有するという構造的特徴を有するムチリン誘導体は未だ報告されていない。
12位置換ムチリン誘導体、および12位置換4-エピムチリン誘導体については、下記化合物が公知である。すなわち、12位デスエテニル4−エピムチリン誘導体(非特許文献3)、12位ジメチル−4−エピムチリン誘導体(非特許文献4)、12位置換基の立体化学が天然型と逆のプレウロムチリン誘導体、および12位シクロプロピル置換プレウロムチリン誘導体(非特許文献5)が知られているが、これらは、いずれも本発明中に記載されている12位置換基が天然型のビニル基またはそれを還元したエチル基ではない化合物であるが、本発明中に示したようなアシルカルバモイル構造を介して環状アミン構造を配している化合物は報告されていない。
また、11位水酸基が保護されているムチリン誘導体については、下記化合物が公知である。すなわち、ムチリン誘導体(非特許文献6)が知られているが、本論文では、11位アセトキシ、ジクロロアセトキシおよびトリフルオロアセトキシムチリン体が報告され、それら化合物が公知となっているが、これら化合物は本発明の特許請求の範囲に含まれておらず、また本発明に示したような12位が各種置換基であり、かつ14位にアシルカルバモイル構造を介して環状アミン構造を配している化合物は製造されていない。
一方、抗菌活性を指向した下記ムチリン誘導体の製造が報告されている。すなわち、ムチリン14−カルバメート誘導体(非特許文献7)が知られており、12位が天然型のビニル基、またはそれを還元したエチル基であり、かつ14位がカルバモイル誘導体である化合物は公知であるが、本発明中に示したような12位が各種置換基であり、かつ14位にアシルカルバモイル構造を介して環状アミン構造を配している化合物は製造されていない。
以上のように、これまでに開示されているムチリン誘導体は、いずれも抗菌作用、毒性、および体内動態において満足できるものではなく、優れたムチリン誘導体が常に求められている。
WO 1997025309, 1998005659号パンフレット WO 1999921855号パンフレット WO 1999951219号パンフレット WO 2000007974号パンフレット WO 2000027790号パンフレット WO 2000037074号パンフレット WO 2000073287号パンフレット WO 2001009095号パンフレット WO 2001014310号パンフレット WO 2001074788号パンフレット WO 2002004414号パンフレット WO 2002012199号パンフレット WO 2002022580号パンフレット WO 2002030929号パンフレット WO 2004089886号パンフレット WO 2007000001号パンフレット WO 2007000004号パンフレット WO 2007014409号パンフレット WO 2006070671号パンフレット JP 2006306727号パンフレット Kavanagh, F.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1951, 37, 570-574. Knauseder, F.ら、J. Antibiot. 1976, 29, 125-131. Berner, H.ら、Tetrahedron1981, 37, 915-919. Berner, H.ら、Tetrahedron1983, 39, 1745-1748. Berner, H.ら、Monatsch. Chem. 1986, 117, 1073-1080. Birch, A.J.ら、Tetrahedron1966, Suppl.8, Part II, 359-387. Brooks, G.ら、Bioorg. Med. Chem. 2001, 9, 1221-1231. Green, T.W.; Wuts, P.G.M. "Protective Groups in Organic Synthesis", 2nd Ed. Wiley Interscience Publication, John-Weiley&Sons, New York, 1991. Berner, H.ら、Tetrahedron1980, 36, 1807-1811. J. Med. Chem. 1991, 34, 2726-2735. Tetrahedron Lett. 1991, 32, 1241-1244. J. Med. Chem. 1992, 35, 911. J. Chem. Soc. Perkin I. 1991, 1091-1097. J. Org. Chem. 2001, 66, 2526-2529. J. Org. Chem. 1962, 27, 3317. Chem. Ber. 1986, 119, 83. J. Gen. Chem. USSR, 1977, 2061-2067. J. Org. Chem. 1962, 27, 3742.
本発明の目的は、各種耐性菌を含むグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して強力かつ幅広い抗菌作用を示し、感染症治療薬としての用途が期待されるムチリンの新規類縁体である12位置換誘導体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意研究を重ねた結果、本発明の下記化合物が強力な抗菌作用を有し、またその製造において製造中間体として極めて有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
下記一般式(1)
(式中、R1は水素原子、ホルミル基、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいプロペニル基、置換されていてもよいプロピニル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Aは下記一般式(I)
(式中、R2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Qは置換されていてもよい窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表す)を表し、Bは下記一般式(II)
(式中、R3は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、芳香環が置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよい芳香族複素環、置換されていてもよい芳香環、置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基、芳香環が置換されていてもよいアリールスルホニル基または窒素原子の保護基を表し、R4は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいフェニル基を表し、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fは同一若しくは相異なって水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルコキシ基、芳香環が置換されていてもよいアラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいチオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、Cyは置換されていてもよいフェニル基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、R6は置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基またはカルボキシル基を表し、mおよびnは0から2の整数を表す)で示されるムチリン誘導体またはそれらの酸付加塩類、
下記一般式(1-1)
(式中、R1は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいプロペニル基、置換されていてもよいプロピニル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Aは下記一般式(I)
(式中、R2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Qは置換されていてもよい窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表す)を表し、Bは下記一般式(II)
(式中、R3は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、芳香環が置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよい芳香族複素環、置換されていてもよい芳香環、置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基、芳香環が置換されていてもよいアリールスルホニル基または窒素原子の保護基を表し、R4は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいフェニル基を表し、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fは同一若しくは相異なって水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルコキシ基、芳香環が置換されていてもよいアラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいチオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、Cyは芳香環が置換されていてもよいフェニル基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、R6は置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基またはカルボキシル基を表し、R7は水酸基の保護基を表し、mおよびnは0から2の整数を表す)で示されるムチリン誘導体またはそれらの酸付加塩類、
下記一般式(1-2)
(式中、R1は水素原子、ホルミル基、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいプロペニル基、置換されていてもよいプロピニル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Aは下記一般式(I)
(式中、R2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Qは置換されていてもよい窒素原子、酸素原子、または硫黄原子を表す)を表し、Bは下記一般式(II)
(式中、R3は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、芳香環が置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよい芳香族複素環、置換されていてもよい芳香環、置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基、芳香環が置換されていてもよいアリールスルホニル基または窒素原子の保護基を表し、R4は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいフェニル基を表し、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、およびR5fは同一若しくは相異なって水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルコキシ基、芳香環が置換されていてもよいアラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいチオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、Cyは芳香環が置換されていてもよいフェニル基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、R6は置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基またはカルボキシル基を表し、R7は水酸基の保護基を表し、mおよびnは0から2の整数を表す)で示されるムチリン誘導体またはそれらの酸付加塩類、
に関するものである。
本発明化合物は、優れた抗菌作用を有する新規なムチリン誘導体であり、各種薬剤耐性菌を含むグラム陽性菌およびグラム陰性菌が関与する感染症に対する治療薬として有用である。
本発明では化合物の位置番号をIUPAC命名法によらず下記に示すムチリン化学での位置番号を用いた。すなわち、非特許文献3によれば、ムチリンは、IUPAC名では「(1S,2R,3S,4S,6R,7R,8R,14R)-3,6-ジヒドロキシ-2,4,7,14-テトラメチル-4-ビニル-トリシクロ[5.4.3.01, 8]テトラデカン-9-オン」であり、
一方、下記化学式(3)では、IUPAC名では「(1R,2R,4S,6R,7R,8S,9R,14R)-6-ヒドロキシ-9-メトキシ-2,4,7,14-テトラメチル-4-ビニル-1-トリシクロ[5.4.3.01, 8]テトラデカン-3-オン」であるが、ムチリン化学では、「(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-3-メトキシ-11-オキソ-4-エピムチリン」である。
「置換されていてもよい低級アルキル基」における低級アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基を意味し、メチル、エチル、1-メチルエチル、1,1-ジメチルエチル、プロピル、2-メチルプロピル等があげられる。置換基としては、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、N及びSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「置換されていてもよいプロペニル基」におけるプロペニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基が挙げられ、置換基としては、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環等があげられる。
「置換されていてもよいプロピニル基」におけるプロペニル基としては、1−プロピニル基、2−プロピニル基が挙げられ、置換基としては、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環等があげられる。
「置換基を有していてもよいアラルキル基」におけるアラルキル基とは、アリール基(特にフェニル基)が置換した炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキル基を意味し、たとえばベンジル基、1-フェニルエチル基等があげられる。
「置換基を有していてもよいアラルキル基」における「置換基」とは、例えば低級アルキル基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アシル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「置換されてもよい窒素原子」の置換基としては、低級アルキル基、低級アシル基、保護基、アリールアシル基等があげられる。
「保護基」としては、例えばアセチル、プロピオニルのような低級アシル基、エトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル基、ベンジル基等があげられ、その導入および除去は文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et al.)
「置換されていてもよい芳香族複素環」の「芳香族複素環」とは、5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環であり、該芳香族複素環はベンゼンまたは5員もしくは6員芳香族複素環と縮合環を形成してもよい。たとえばチアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリドチアゾリル、キノリニルなどがあげられる。「置換されていてもよい芳香族複素環」の「置換基」とは、例えば低級アルキル基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アシル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「置換されていてもよい芳香環」の「芳香環」とは、ベンゼンやナフタレンのような単環もしくは多環性の芳香環であり、「置換されていてもよい芳香環」の「置換基」とは、例えば低級アルキル基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アシル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「アリールアシル基」とは、ベンゾイル基等があげられ、置換基として低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基等を有してもよい。
「置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基」の「低級アルキルスルホニル基」とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルキルスルホニル基または炭素数3〜6の環状のアルキルスルホニル基を意味し、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec-ブチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、シクロブチルスルホニル基等があげられる。
「置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基」の「置換基」とは、例えば低級アルキル基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アシル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「置換されていてもよいアリールスルホニル基」の「アリールスルホニル基」とは、ベンゼンやナフタレンのような単環もしくは多環性の芳香環スルホニル基または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環スルホニル基を意味し、たとえばフェニルスルホニル基、ナフタレンスルホニル基、チアゾリルスルホニル基、ピラゾリルスルホニル基、ピリジニルスルホニル基、ピラジニルスルホニル基、ピリミジニルスルホニル基、ピリダジニルスルホニル基、オキサゾリルスルホニル基、イミダゾリルスルホニル基、トリアジニルスルホニル基、ベンゾチアゾリルスルホニル基、ベンゾオキサゾリルスルホニル基、ベンゾイミダゾリルスルホニル基、ピリドチアゾリルスルホニル基、キノリニルスルホニル基等があげられる。
「置換されていてもよいアリールスルホニル基」の「置換基」とは、例えば低級アルキル基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アシル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「アミノ基の保護基」とは、例えばアセチル、プロピオニルのような低級アシル基、エトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル基、ベンジル基等があげられ、その導入および除去は文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)。
「置換基を有していてもよいフェニル基」における「置換基」とは、例えば低級アルキル基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アシル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「低級アルコキシ基」とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐したアルコキシ基を意味し、例えばメトキシ基、エトキシ基、1-メチルエトキシ基、1,1-ジメチルエトキシ基、プロポキシ基、2-メチルプロポキシ基等があげられる。「置換されていてもよい低級アルコキシ基」の置換基としては、例えば低級アルキル基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アシル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
「低級アシルオキシ基」とは、炭素数1〜5のアシルオキシ基を意味し、たとえば、ホルミル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基または2,2-ジメチルプロピオニルオキシ基等があげられる。
「低級アルキルオキシカルボニル基」とは、炭素数2〜7の直鎖もしくは分岐したアルキルオキシカルボニル基を意味し、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、シクロプロポキシカルボニル基、シクロブトキシカルボニル基等があげられる。
「低級アルキルオキシカルボニル基」の置換基としては、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アシル基、低級アルキルカルボキサミド基またはニトロ基等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「低級アルキルカルボニル基」とは、炭素数2〜7の直鎖もしくは分岐したアルキルカルボニル基または炭素数4〜7の環状のアルキルカルボニル基を意味し、例えばメチルカルボニル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec-ブチルカルボニル基、tert-ブチルカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基等があげられる。
「低級アルキルカルボニル基」の置換基としては、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アシル基、低級アルキルカルボキサミド基またはニトロ基等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「低級アルキルカルボキサミド基」とは、炭素数2〜7の直鎖もしくは分岐したアルキルカルボキサミド基を意味し、たとえばアセトアミド基、プロピオンアミド基などがあげられる。
「1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環」における「1つ以上の置換基」とは、例えばハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、低級アルキルスルホニル基、置換アリールスルホニル基、置換へテロアリールスルホニル基等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。また、「脂肪族複素環」とは、例えばピロリジル、ピペリジル、ピペラジル、モルホリル等があげられる。
「1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環」における「1つ以上の置換基」とは、例えばハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。また「芳香族複素環」とは、例えばフラニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラチル等があげられ、それらはまた、ベンゼン環と任意の位置で縮合していてもよい。
「置換されてもよいアラルキル基」としては、ベンジル基、1-フェニルエチル基等があげられ、置換基としては、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボキサミド基またはニトロ基等があげられる。
「置換されてよいフェニル基」における「置換基」とは、例えば低級アルキル基、低級アルコキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい、5〜14員環のO、N、S等のヘテロ原子を1つ以上含んでも良い脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい、5〜14員環のO、N、S等のヘテロ原子を1つ以上含んでもよい芳香族複素環等があげられる。また鎖状や環状、飽和や不飽和、置換基の数を問わない。
「低級アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、1-メチルエトキシ基、1,1-ジメチルエトキシ基、プロポキシ基、2-メチルプロポキシ基等の直鎖もしくは分岐した炭素数1〜6のものがあげられ、飽和、不飽和を問わない。
「アラルキルオキシ基」としては、ベンジルオキシ基、1-フェニルエトキシ基等があげられ、置換基としては、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、水酸基、チオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、または低級アルキルカルボキサミド基またはニトロ基等があげられる。
「低級アシルオキシ基」とは、ホルミル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基または2,2-ジメチルプロピオニルオキシ基等の炭素数1〜5のものがあげられる。
「1つ以上の置換基を有していてもよい、5〜14員環のO、N、S等のヘテロ原子を1つ以上含んでも良い脂肪族複素環」における「1つ以上の置換基」とは、例えばハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、低級アルキルスルホニル基、置換アリールスルホニル基、置換へテロアリールスルホニル基等があげられ、「脂肪族複素環」とは、例えばピロリジル、ピペリジル、ピペラジル、モルホリル等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「1つ以上の置換基を有していてもよい、5〜14員環のO、N、S等のヘテロ原子を1つ以上含んでも良い芳香族複素環」における「1つ以上の置換基」とは、例えばハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルカルボニル基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基等があげられ、「芳香族複素環」とは、例えばフラニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラチル等があげられ、それらはまた、ベンゼン環と任意の位置で縮合していてもよい。この場合の「アミノ基」とは、アシル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「置換されてもよい水酸基」とは、水酸基、低級アルコキシ基、低級アシルオキシ基、保護基を有する水酸基、アリールアシルオキシ基、あるいは酸素原子と一体となって脱離基を形成した水酸基等があげられる。ここでいう「アリールアシル基」とは、ベンゾイル基等があげられ、置換基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等があげられる。
また、水酸基の保護基としては、トリメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基等のアリールメチル基、アセチル基、プロピオニル基等のアシル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基等の低級アルコキシメチル基、ベンジルオキシメチル基等のアラルキルオキシメチル基、テトラヒドロピラニル基等があげられ、その導入および除去は文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green, T.W.; Wuts, P.G.M. “Protective Groups in Organic Synthesis”, 2ndEd., Wiley Interscience Publication, John-Weiley&Sons, New York, 1991。以下、「Green et.al.」と略称する。)。
また、「酸素原子と一体になって脱離基」とは、例えば低級アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基等があげられる。
「置換されてもよいチオール基」とは、チオール基、低級チオアルコキシ基、低級アシルチオオキシ基、保護基を有するチオール基、あるいはアリールアシルチオオキシ基等があげられる。ここでいう「アリールアシル基」とは、ベンゾイル基等があげられ、置換基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等があげられる。また、チオール基の保護基としては、トリメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基等のアリールメチル基、アセチル基、プロピオニル基等のアシル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基等の低級アルコキシメチル基、ベンジルオキシメチル基等のアラルキルオキシメチル基、テトラヒドロピラニル基等があげられ、その導入および除去は文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)。
「置換されていてもよいアミノ基」とは、アミノ基、低級アルキルアミノ基、低級アシルアミノ基、保護基を有するアミノ基、アリールアシルアミノ基等があげられる。
「アミノ基の保護基」とは、例えばアセチル、プロピオニルのような低級アシル基、エトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル基、ベンジル基等があげられ、その導入および除去は文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)。
「アリールアシル基」とは、ベンゾイル基等があげられ、置換基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはニトロ基等があげられる。
本発明中の好ましい化合物としては、
12-デスエテニル-12-メチル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン、
12-デスエテニル-12-メトキシメチル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン、
12-デスエテニル-12-(2-ヒドロキシエタン-1-イル)-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン、
12-デスエテニル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(2-プロペン-1-イル)ムチリン、
12-デスエテニル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-フェニルメチルムチリン、
塩酸12-デスエテニル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(2-プロピン-1-イル)ムチリン、
12-デスエテニル-12-フルオロメチル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン、
12-デスエテニル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロピン-1-イル)ムチリン、
12-シアノメチル-12-デスエテニル-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン、
12-デスエテニル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン、
12-デスエテニル-12-(2-クロロエテン-1-イル)-14-[(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン、
(3’R)-12-デスエテニル-14-(1-メチルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン、
(3’S)-12-デスエテニル-14-(1-メチルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン、
(3’R)-14-(1-エチルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-12-デスエテニル--12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン、
(3’R)-12-デスエテニル-14-(1-フェニルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン、
(3’R,4’S)-12-デスエテニル-14-(1-メチルピロリジン-3-カルボニル-4-メチル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン、
(3’R,4’S)-12-デスエテニル-12-(1-プロペン-1-イル)-14-(ピロリジン-3-カルボニル-4-メチル)カルバモイルムチリン、
12-デスエテニル-14-(1-メチルアゼチジン-3-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン、
12-デスエテニル-14-(1-メチル-1-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン、
12-デスエテニル-14-(8’-メチル-8’-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン
などがあげられる。
本発明化合物が薬理学上許容な塩を形成する場合、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、および燐酸などの無機塩または酢酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、パルミチン酸またはトリフルオロ酢酸などの有機酸塩との付加塩が例示できる。
本発明化合物は、複数の不斉炭素を有しており相当する光学異性体が存在し得るが、これらの光学異性体およびこれらの任意の比率を示す混合物をも本発明に包含されるものである。
上記一般式(1)で表される本発明化合物またはその塩は、分子内塩や付加物、それらの溶媒和物、あるいは水和物などのいずれも含むものである。
上記一般式(1)で表される本発明化合物またはその塩は、単独でまたは一種以上の製剤上許容される補助剤と共に医薬組成物として用いることができ、薬理学上許容される担体、賦形剤(例えば、デンプン、乳糖、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムタルクまたはステアリン酸など)、結合剤(例えば、デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルピロリドンまたはアルギン酸など)、崩壊剤(例えば、タルクまたはカルボキシメチルセルロースカルシウムなど)、希釈剤(例えば、生理食塩水、グルコース、マンニトールまたはラクトースなどの水溶液など)などと混合し、通常の方法により錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、軟膏剤、アンプル剤または注射剤などの形態で経口的、または非経口的に投与することができる。投与量は、上記一般式(1)で表される本発明化合物またはその塩の種類、投与方法、患者の年齢、体重、症状などにより異なるが、通常、人を含む哺乳動物に対して上記一般式(1)で表される本発明化合物またはその塩として0.0001〜1000 mg/kg/日である。投与は、例えば1日1回、または数回に分割して投与する。
本発明の一般式(1)で表される化合物群は、化学式(2)で表される化合物を鍵中間体とし、例えば下記の製造工程Aに従って製造することができる。ここで、化学式(2)で示される化合物は公知化合物であり、その製造は例えば非特許文献(Tetrahedron 1980, 36, 1807-1811.)に記載されている方法を参考に実施することができる。また化学式(2-1)、(2-2)、(3)、(4-1)、および(4-2)で示される化合物は公知化合物であり、その製造は例えば特許文献19や特許文献20に記載されている方法に従って実施することができる。
(工程A)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、R7、mおよびnは前記と同意義)
(第一工程)
本工程は、プレウロムチリンから公知の方法によって製造した前記化学式(2)で表される4-エピムチリン誘導体の14位水酸基に適当な保護基を導入し、前記一般式(2-1)で表される14位水酸基が保護された4-エピムチリン誘導体を製造するものである。
本反応における水酸基の保護基の導入は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)。保護基としては、たとえばメトキシメチル基やアセチル基が好ましい。反応溶媒としては、反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。反応は、通常-20℃から200℃で円滑に進行する。
(第二工程)
本工程は、前記一般式(2-1)で表される14位水酸基が保護された4-エピムチリン誘導体中の12位二重結合をジオール化し、前記一般式(2-2)で表される4-エピムチリン19,20-ジオール誘導体を製造するものである。
本反応は、通常適当なオスミウム誘導体を触媒量用い、等量〜過剰量の酸化剤共存下で反応を行う。オスミウム誘導体としては、オスミウム(VI)酸カリウム二水和物や四酸化オスミウム、もしくはポリマー担持型四酸化オスミウムが、共存させる酸化剤としては過酸化水素水やトリメチルアミンN-オキシド、4-メチルモルホリンN-オキシドのような三級アミンN-オキシドが好適に用いられる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒またはこれらと水の混合系溶媒が好適に用いられる。反応は0℃から200℃で、円滑に進行する。
(第三工程)
本工程は、前記一般式(2-2)で表される4-エピムチリン19,20-ジオール誘導体のジオール部位を逆アルドール型の反応によって除去し、前記一般式(3)で表される12位デスエテニル4-エピムチリン誘導体を製造するものである。
本反応は、通常適当な反応剤、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基の存在下で行うことができる。また、必要に応じて塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化錫、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、過塩素酸リチウム等のルイス酸存在下で行うことができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
(第四工程)
本工程は、前記一般式(3)で表される12位デスエテニル4-エピムチリン誘導体の12位に適当な親電子剤を塩基存在下で反応させ、前記一般式(4-1)で表される12位R1置換4-エピムチリン誘導体を製造するものである。
本反応は、通常適当な親電子剤、たとえばハロゲン化C1〜C6アルキルやハロゲン化C1〜C6アルケニル、ハロゲン化C1〜C6アルキニル等を等量〜過剰量用いて、適当な反応剤、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基存在下で行うことができる。また、必要に応じて塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化錫、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、過塩素酸リチウム等のルイス酸存在下で行うことができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
(第五工程)
本工程は、前記一般式(4-1)で表される12位R1置換4-エピムチリン誘導体中の、14位水酸基の保護基を除去し、前記一般式(4-2)で表される14位水酸化4-エピムチリン誘導体を製造するものである。水酸基の保護基を除去する方法は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)。たとえば水酸基の保護基としてメトキシメチル基を選択していた場合は、ピリジニウムp-トルエンスrホネート等が好適に用いられる。溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
(第六工程)
本工程は、前記一般式(4-2)で表される14位水酸化4-エピムチリン誘導体中の14位水酸基に、適当な反応条件下前記一般式(5)などで表される環状アミンカルボン酸ハロゲン化物誘導体を反応させてアシルカルバモイル化反応を行い、前記一般式(1-1a)で表される14位アシルカルバモイル化4-エピムチリン誘導体を製造するものである。
本工程は、通常文献記載の方法を参考に行うことができる。すなわち、(A) 適当な塩基存在下で前記一般式(5)で表される環状アミンカルボン酸塩化物誘導体およびシアン酸銀を前記一般式(4-2)で表される14位水酸化4-エピムチリン誘導体と反応させる方法 (J. Org. Chem.1962, 27, 3317.)、あるいはイソシアン酸トリブチルすずを用いる方法 (Chem.Ber.1986, 119, 83.) 、もしくは、(B) 通常の反応条件下で前記一般式(4-2)で表される14位水酸化4-エピムチリン誘導体の14位水酸基にカルバモイル化反応を行った後、適当な塩基存在下で前記一般式(5)で表される環状アミンカルボン酸ハロゲン化物誘導体を結合する方法、もしくは、(C) 前記一般式(4-2)で表される14位水酸化4-エピムチリン誘導体を、適当な塩基存在下でトリメチルシリルイソシアネート、および前記一般式(5)で表される環状アミンカルボン酸ハロゲン化物誘導体を用いる方法 (J. Gen. Chem. USSR, 1977, 2061-2067.) 、もしくは、(D) 前記一般式(5)で表される環状アミンカルボン酸ハロゲン化物誘導体の元化合物である環状アミンカルボン酸を、適当な塩基存在下で通常の反応条件下で酸アミド化した後、前記一般式(4-2)で表される14位水酸化4-エピムチリン誘導体を、ビス(トリメチルシリル)アミド塩等の適当な塩基存在下でカルボニル源、例えば塩化オキザリルやホスゲン、CDI等の試薬を反応させる方法 (J. Org. Chem.1962, 27, 3742.) 等を採用することができる。反応は、通常適当な塩基、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等の存在下で行われる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒が用いられる。反応は、-100℃から100℃で円滑に進行する。
前記一般式(1-1a)で表される14位アシルカルバモイル化4-エピムチリン誘導体のR3が窒素原子の保護基であった場合、これを適当な反応条件下で脱保護することが可能である。窒素原子の保護基を除去する方法は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)。反応溶媒としては、反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。反応は、通常-20℃から200℃で円滑に進行する。
また窒素原子の保護基を除去した後に新たな置換基を導入することが可能である。この場合は、一般的な還元的アルキル化反応、もしくは適当な親電子剤を塩基存在下で反応させて前記一般式(1-1a)で表される12位R1置換4-エピムチリン誘導体を製造するものである。還元的アルキル化反応では、相当するアルキルアルデヒド存在下シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を反応させて行うことができる。溶媒としては反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒およびこれらと水の混合系溶媒が好適に用いられる。反応は、通常-110℃から200℃で円滑に進行する。
適当な親電子剤を塩基存在下で反応させる場合は、通常適当な親電子剤を等量〜過剰量用いて、適当な反応剤、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基存在下で行うことができる。また、必要に応じて塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化錫、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、過塩素酸リチウム等のルイス酸存在下で行うことができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。あるいは、本工程においては適当な触媒を用いて置換基を導入することが可能である。この場合、例えばN-フェニル化においてはフェニルホウ酸を用いる方法(Tetrahedron Lett. 2001, 42, 3415.)等を採用することができる。
(第七工程)
本工程は、前記一般式(1-1a)で表される14位アシルカルバモイル化4-エピムチリン誘導体中の14位スペーサー部位に存在する窒素原子にR2(水素原子を除く)で示される置換基を導入し、前記一般式(1-1b)で表される14位アシルカルバモイル化4-エピムチリン誘導体を製造するものである。用いられる塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基存在下で行うことができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
(第八工程)
本工程は、前記一般式(1-1a、および1-1b)で表される14位アシルカルバモイル化4-エピムチリン誘導体中の3位保護基を除去し、前記一般式(1)で表される14位アシルカルバモイル化ムチリン誘導体を製造するものである。保護基の除去は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)が、好適には塩酸、あるいは塩化亜鉛―塩酸(Lucas試薬)を用いる。反応溶媒としては、反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒またはこれらと水の混合系溶媒の存在下あるいは非存在下で行われ、通常-20℃から200℃で円滑に進行する。
あるいは、本発明の一般式(1)で表される化合物群は、プレウロムチリンを出発原料とし、例えば下記の製造工程Bに従っても製造することができる。化学式(6-2)、(6-3)、(6-4)、および(6-5)で示される化合物は公知化合物であり、その製造は例えば特許文献19や特許文献20に記載されている方法に従って実施することができる。
(工程B)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、R7、mおよびnは前記と同意義)
(第一工程)
本工程は、プレウロムチリンの14位グリコール酸エステル部位の水酸基および11位水酸基の双方に適当な保護基を導入し、前記一般式(5-1)で表される2つの水酸基が保護されたプレウロムチリン誘導体を製造するものである。
本反応における水酸基の保護基の導入は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)。保護基としては、メトキシメチル基やベンジルオキシメチル基、2-メトキシエトキシメチル基、1-エトキシエチル基、p-メトキシベンジル基、トリメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、ホルミル基、アセチル基等が好適に用いられる。反応溶媒としては、反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒で行うことができる。反応は、通常-20℃から200℃で円滑に進行する。
(第二工程)
本工程は、前記一般式(6-1)で表される2つの水酸基が保護されたプレウロムチリン誘導体中の14位グリコール酸エステル部位を加水分解し、前記一般式(6-2)で表される11位水酸基のみが保護されたムチリン誘導体を製造するものである。
本反応は、通常適当な反応剤、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基存在下で行うことができる。また、必要に応じて塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化錫、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、過塩素酸リチウム等のルイス酸存在下、あるいは塩酸存在下で行うことができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒またはこれらと水の混合系溶媒の存在下あるいは非存在下で行われ、反応は-110℃から100℃で円滑に進行する。
(第三工程)
本工程は、前記一般式(6-2)で表される11位水酸基が保護されたムチリン誘導体の19,20位二重結合部位をジオール化し、前記一般式(6-3)で表される11位水酸基が保護されたムチリン19,20-ジオール誘導体を製造するものである。
本反応は、通常適当なオスミウム誘導体を触媒量用い、等量〜過剰量の酸化剤共存下で反応を行う。オスミウム誘導体としては、オスミウム(VI)酸カリウム二水和物や四酸化オスミウム、もしくはポリマー担持型四酸化オスミウムが、共存させる酸化剤としては過酸化水素水やトリメチルアミンN-オキシド、4-メチルモルホリンN-オキシドのような三級アミンN-オキシドが好適に用いられる。溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒またはこれらと水の混合系溶媒が好適に用いられる。反応は0℃から200℃で、円滑に進行する。
(第四工程)
本工程は、前記一般式(6-3)で表される11位水酸基が保護されたムチリン19,20-ジオール誘導体をジオール開裂反応に付し、前記一般式(6-4)で表される11水酸基が保護された12位ホルミル化ムチリン誘導体を製造するものである。
本反応は、通常過ヨウ素酸ナトリウム存在下で行うことができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒またはこれらと水の混合系溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
(第五工程)
本工程は、前記一般式(6-4)で表される11水酸基が保護された12位ホルミル化ムチリン誘導体中の、12位ホルミル基を足がかりとして様々な官能基変換に付し、前記一般式(6-5)で表される11位水酸基が保護された12位R1置換ムチリン誘導体を製造するものである。例えばWittig反応を例に取った場合、本工程に用いられるホスホニウム塩としては、例えば、塩化メチルトリフェニルホスホニウム、臭化メチルトリフェニルホスホニウム、ヨウ化メチルトリフェニルホスホニウムが挙げられ、用いられる塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基存在下で行うことができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。あるいは、ホルミル基を酸化しカルボン酸誘導体へ変換することも可能である。その場合、たとえばリン酸二水素ナトリウム水溶液やリン酸水素二ナトリウム水溶液のような緩衝液存在下塩素酸ナトリウム等のような適当な酸化剤存在下で反応を行う。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒またはこれらと水の混合系溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。生じたカルボキシル基を足がかりに、1級アミド化を経てアルカリ性条件下臭素等を反応させるHofmann転位や、適当な酸ハロゲン化物からナトリウムアジド等を反応させて得られる酸アジドを加熱条件下転位させる、もしくはC1〜6のアルコール等の存在下ジフェニルリン酸アジドのような試薬を反応させるCurtius転位、硫酸等の強酸存在下アジ化水素酸を反応させるSchmidt転位などの方法によりアミン誘導体を製造することができる。あるいは、ヒドロキシアミン誘導体を反応させてオキシム誘導体を製造することも可能である。その場合、塩酸ヒドロキシアミン、あるいはその誘導体を用いる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒またはこれらと水の混合系溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
(第六工程)
本工程は、前記一般式(6-5)で表される11位水酸基が保護された12位R1置換ムチリン誘導体中の14位水酸基に、適当な反応条件下前記一般式(5)で表される環状アミンカルボン酸ハロゲン化物誘導体を反応させてアシルカルバモイル化反応を行い、前記一般式(1-2a)で表される11位水酸基が保護された14位アシルカルバモイル化ムチリン誘導体を製造するものである。
本工程は、通常文献記載の方法を参考に行うことができる。すなわち、(A) 適当な塩基存在下で前記一般式(5)で表される環状アミンカルボン酸ハロゲン化物誘導体、およびシアン酸銀を前記一般式(6-5)で表される11位水酸基が保護された14位水酸化ムチリン誘導体と反応させる方法 (J. Org. Chem.1962, 27, 3317.)、あるいはイソシアン酸トリブチルすずを用いる方法 (Chem. Ber.1986, 119, 83.) 、もしくは、(B) 通常の反応条件下で前記一般式(6-5)で表される11位水酸基が保護された14位水酸化ムチリン誘導体の14位水酸基にカルバモイル化反応を行った後、適当な塩基存在下で前記一般式(5)で表される環状アミンカルボン酸塩化物誘導体を結合する方法、もしくは、(C) 前記一般式(6-5)で表される11位水酸基が保護された14位水酸化ムチリン誘導体を、適当な塩基存在下でトリメチルシリルイソシアネート、および前記一般式(5)で表される環状アミンカルボン酸ハロゲン化物誘導体を用いる方法 (J. Gen. Chem. USSR, 1977, 2061-2067.) 、もしくは、(D) 前記一般式(5)で表される環状アミンカルボン酸ハロゲン化物の元化合物である環状アミンカルボン酸を、適当な塩基存在下で通常の反応条件下で酸アミド化した後、前記一般式(6-5)で表される11位水酸基が保護された14位水酸化ムチリン誘導体を、ビス(トリメチルシリル)アミド塩等の適当な塩基存在下でカルボニル源、例えば塩化オキザリルやホスゲン、CDI等の試薬を反応させる方法 (J. Org. Chem.1962, 27, 3742.) 等の方法を採用することができる。反応は、通常適当な塩基、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等の存在下で行われる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒が用いられる。反応は、-100℃から100℃で円滑に進行する。
前記一般式(1-2a)で表される14位アシルカルバモイル化ムチリン誘導体のR3が窒素原子の保護基であった場合、これを適当な反応条件下で脱保護することが可能である。窒素原子の保護基を除去する方法は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)。たとえば窒素原子の保護基にt-ブトキシカルボニル基を選択していた場合には、トリフルオロ酢酸等が好適に用いられる。反応溶媒としては、反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。反応は、通常-20℃から200℃で円滑に進行する。
また窒素原子の保護基を除去した後に新たな置換基を導入することが可能である。この場合は、一般的な還元的アルキル化反応、もしくは適当な親電子剤、たとえばヨウ化メチルに代表されるハロゲン化C1〜6のアルキル等を塩基存在下で反応させて前記一般式(1-2a)で表される12位R1置換ムチリン誘導体を製造するものである。還元的アルキル化反応では、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等の相当するアルデヒド存在下シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を反応させて行うことができる。溶媒としては反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒およびこれらと水の混合系溶媒が好適に用いられる。反応は、通常-110℃から200℃で円滑に進行する。
適当な親電子剤、たとえばヨウ化メチルに代表されるハロゲン化C1〜6のアルキル等を塩基存在下で反応させる場合は、通常適当な親電子剤を等量〜過剰量用いて、適当な反応剤、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基存在下で行うことができる。また、必要に応じて塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化錫、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、過塩素酸リチウム等のルイス酸存在下で行うことができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。あるいは、本工程においては適当な触媒を用いて置換基を導入することが可能である。この場合、例えばN-フェニル化においてはフェニルホウ酸を用いる方法(Tetrahedron Lett. 2001, 42, 3415.)等を採用することができる。
(第七工程)
本工程は、前記第六工程で得られる前記一般式(1-2a)で表される11位水酸基が保護された14位アシルカルバモイル化ムチリン誘導体中の14位スペーサー部位に存在する窒素原子にR2(水素原子を除く)で示される置換基を導入し、前記一般式(1-2b)で表される11位水酸基が保護された14位アシルカルバモイル化ムチリン誘導体を製造するものである。用いられる塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基存在下で行うことができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる溶媒も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
(第八工程)
本工程は、前記第七工程で得られる前記一般式(1-2a、および1-2b)で表される11位水酸基が保護された14位アシルカルバモイル化ムチリン誘導体中の11位水酸基の保護基を除去し、前記一般式(1)で表される14位アシルカルバモイル化ムチリン誘導体を製造するものである。保護基の除去は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)が、好適には塩酸、あるいは塩化亜鉛―塩酸(Lucas試薬)を用いる。反応溶媒としては、反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒またはこれらと水の混合系溶媒の存在下あるいは非存在下で行われ、通常-20℃から200℃で円滑に進行する。
また、本発明の一般式(1)で表される化合物群は、前記一般式(4-2)で表される化合物を鍵中間体とし、例えば下記の製造工程Cに従って製造することができる。
(工程C)
(式中、R1、R6、およびR7は前記と同意義であり、R8は水酸基と一体となって脱離基を表すか、もしくはハロゲン原子を表す)
(第一工程)
本工程は、前記一般式(4-2)で表される14位水酸化4-エピムチリン誘導体を酢酸誘導体(7)と適当な試薬存在下で反応させ、前記一般式(4-3)で表される14位水酸基がアシル化された4-エピムチリン誘導体を製造するものである。
本反応は、適当な縮合剤を用いるか、あるいは活性エステル化法や、混合酸無水物法、酸塩化物法、カルボジイミド法等を適宜採用して行うことができる。このような反応の場合に用いられる試薬としては、例えば塩化チオニル、塩化オキザリル、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-メチル-2-ブロモピリジニウムヨーダイド、N,N’-カルボニルジイミダゾール、ジフェニルリン酸クロリド、ジフェニルリン酸アジド、N,N-ジスクシニミジルカーボネート、N,N’-ジスクシニミジルオキザレート、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、ベンゾトリアゾ-1-イル-オキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト等が挙げられる。本工程においては、上記試薬と共に塩基や縮合補助剤を用いてもよい。この場合に用いられる塩基としては、反応に関与しない限りいかなる塩基も用いることができるが、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基の存在下で行うことができる。また縮合補助剤としては、例えばN-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、N-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド、3-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアゾール等を用いることができる。反応溶媒としては、反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。反応は、通常-20℃から200℃で円滑に進行する。
(第二工程)
本工程は、前記一般式(4-3)で表される水酸基が保護された14-アシル化4-エピムチリン誘導体中の水酸基の保護基(R7)を除去し、前記一般式(4-4)で表されるグリコール酸エステル誘導体を製造するものである。
水酸基の保護基を除去する方法は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)。たとえばアセチル基を水酸基の保護基として選択していた場合には水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、炭酸ナトリウム炭酸カリウム等が好適に用いられる。溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
(第三工程)
本工程は、前記一般式(4-4)で表されるグリコール酸エステル誘導体の水酸基をR8へ変換し、前記一般式(4-5)で表される14位がアシル化された4-エピムチリン誘導体を製造するものである。
本反応は、通常適当な反応剤、例えば、ハロゲン化C1〜6のアルキルスルホニル、ハロゲン化アリールスルホニル存在下、適当な塩基、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基の存在下で行うことができる。また、必要に応じて塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化錫、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、過塩素酸リチウム等のルイス酸存在下で行うことができる。また本工程においては、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物を共存させてもよい。溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
(第四工程)
本工程は、前記一般式(4-5)で表される14位がアシル化された4-エピムチリン誘導体の3位保護基を除去し、前記一般式(7)で表される14位がアシル化されたムチリン誘導体を製造するものである。保護基の除去は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)が、好適には塩酸、あるいは塩化亜鉛―塩酸(Lucas試薬)を用いる。反応溶媒としては、反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒またはこれらと水の混合系溶媒の存在下あるいは非存在下で行われ、通常-20℃から200℃で円滑に進行する。
(第五工程)
本工程は、前記一般式(7)で表される14位がアシル化されたムチリン誘導体にアミン誘導体、アルコール誘導体、もしくはチオール誘導体を反応させ、前記一般式(1)で表されるムチリン誘導体を製造するものである。本工程は、特許文献2の実施例50に記載される方法に準じて行うことができる。適当な塩基、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基の存在下で行うことができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒、あるいはこれらと水の混合系溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
R6がカルボキシル基である場合には、エステル化やアミド化反応を行い、前記一般式(1)で表されるムチリン誘導体を製造することができる。本工程は、適当な縮合剤を用いるか、あるいは活性エステル化法や、混合酸無水物法、酸塩化物法、カルボジイミド法等を適宜採用して行うことができる。このような反応の場合に用いられる試薬としては、例えば塩化チオニル、塩化オキザリル、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-メチル-2-ブロモピリジニウムヨーダイド、N,N’-カルボニルジイミダゾール、ジフェニルリン酸クロリド、ジフェニルリン酸アジド、N,N-ジスクシニミジルカーボネート、N,N’-ジスクシニミジルオキザレート、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、ベンゾトリアゾ-1-イル-オキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト等が挙げられる。本工程においては、上記試薬と共に塩基や縮合補助剤を用いてもよい。この場合に用いられる塩基としては、反応に関与しない限りいかなる塩基も用いることができるが、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基の存在下で行うことができる。また縮合補助剤としては、例えばN-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、N-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド、3-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアゾール等を用いることができる。反応溶媒としては、反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。反応は、通常-20℃から200℃で円滑に進行する。
あるいは、本発明の一般式(7)で表される化合物群は、前記一般式(6-5)を出発原料とし、例えば下記の製造工程Dに従っても製造することができる。
(工程D)
(式中、R1、R6、R7およびR8は前記と同意義)
(第一工程)
本工程は、前記一般式(6-5)で表される14位水酸化ムチリン誘導体を酢酸誘導体(7)と適当な試薬存在下で反応させ、前記一般式(6-6)で表される14位水酸基がアシル化されたムチリン誘導体を製造するものである。
本反応は、適当な縮合剤を用いるか、あるいは活性エステル化法や、混合酸無水物法、酸塩化物法、カルボジイミド法等を適宜採用して行うことができる。このような反応の場合に用いられる試薬としては、例えば塩化チオニル、塩化オキザリル、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-メチル-2-ブロモピリジニウムヨーダイド、N,N’-カルボニルジイミダゾール、ジフェニルリン酸クロリド、ジフェニルリン酸アジド、N,N-ジスクシニミジルカーボネート、N,N’-ジスクシニミジルオキザレート、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル、ベンゾトリアゾ-1-イル-オキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト等が挙げられる。本工程においては、上記試薬と共に塩基や縮合補助剤を用いてもよい。この場合に用いられる塩基としては、反応に関与しない限りいかなる塩基も用いることができるが、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基の存在下で行うことができる。また縮合補助剤としては、例えばN-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、N-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド、3-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアゾール等を用いることができる。反応溶媒としては、反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好適に用いられる。反応は、通常-20℃から200℃で円滑に進行する。
(第二工程)
本工程は、前記一般式(6-6)で表される水酸基が保護された14位アシル化ムチリン誘導体中の水酸基の保護基を除去し、前記一般式(6-7)で表されるグリコール酸エステル誘導体を製造するものである。
水酸基の保護基を除去する方法は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)。たとえばアセチル基を水酸基の保護基として選択していた場合には水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、炭酸ナトリウム炭酸カリウム等が好適に用いられる。溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
(第三工程)
本工程は、前記一般式(6-7)で表されるグリコール酸エステル誘導体の水酸基をR8へ変換し、前記一般式(6-8)で表される14位がアシル化されたムチリン誘導体を製造するものである。
本反応は、通常適当な反応剤、例えば、ハロゲン化C1〜6のアルキルスルホニル、ハロゲン化アリールスルホニル存在下、適当な塩基、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基の存在下で行うことができる。また、必要に応じて塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化錫、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体、過塩素酸リチウム等のルイス酸存在下で行うことができる。また本工程においては、続いてヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物を反応させ、R8がハロゲン化された前記一般式(6-8)で表される14位がアシル化されたムチリン誘導体を製造してもよい。溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
(第四工程)
本工程は、前記一般式(6-8)で表される14位がアシル化されたムチリン誘導体の11位水酸基の保護基を除去し、前記一般式(7)で表される14位がアシル化されたムチリン誘導体を製造するものである。保護基の除去は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる(Green et.al.)が、好適には塩酸を用いる。反応溶媒としては、反応に関与しない限りいかなる溶媒も用いることができるが、例えばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒またはこれらと水の混合系溶媒の存在下あるいは非存在下で行われ、通常-20℃から200℃で円滑に進行する。
実施例
以下、実施例および参考例により本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるものでないことはいうまでもない。
(参考例1)
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-4-エピムチリン
文献の方法 (Tetrahedron 1980,36,1807-1811.) に従って、プレウロムチリンから2工程で製造した4-エピムチリン2.00 g (5.98 mmol) の塩化メチレン溶液 (50 mL) 中に、0 ℃アルゴン雰囲気下ジイソプロピルエチルアミン2.08 mL (12.0 mmol)、次いでクロロメチルメチルエーテル0.91 mL (12.0 mmol) を加え、室温下60時間攪拌した。反応混合物を冷希クエン酸水溶液に注ぎ溶媒を減圧留去し、酢酸エチル抽出した(20 mL x 3)。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (20 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 8:1)にて精製し、2.30 gの無色油状物である表題化合物を得た(収率100%)。
MS (FAB) (m/z): 379 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C23H39O4 (MH+): 379.2848. Found, 379.2883.
(参考例2)
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-19,20-ジヒドロキシ-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-4-エピムチリン
参考例1の化合物130 g (0.34 mol) の含水アセトン溶液 (800 mL) 中に、4-メチルモルホリンN-オキシド60.3 g (0.52 mol) と触媒量の四酸化オスミウム (5% t-ブタノール溶液) を加え、60時間加熱還流した。反応混合物を減圧留去し、残渣に希クエン酸水溶液を加えて酢酸エチル抽出した(500 mL x 3)。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (500 mL) し、無水硫酸ナトリウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 1:1、次いで酢酸エチル:メタノール = 10:1)にて精製し、135 gの黄色油状物である表題化合物を得た(収率95%)。
MS (FAB) (m/z): 413 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C23H41O6 (MH+): 413.2903. Found, 413.2933.
(参考例3)
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-4-エピムチリン
参考例2の化合物94.6 g (0.23 mol) のアセトン溶液 (1000 mL) 中に、0 ℃下炭酸カリウム63.4 g (0.46 mol) を加え、室温下4時間攪拌した。反応混合物をセライトろ過し、残渣を酢酸エチル洗浄し、ろ液を減圧留去した。得られた残渣に希クエン酸水溶液 (1000 mL) を加えて酢酸エチル抽出した(500 mL x 3)。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (500 mL) し、無水硫酸ナトリウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 8:1)にて精製し、70.2 gの無色粉末状の表題化合物を得た(収率87%)。
MS (FAB) (m/z): 353 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C21H37O4 (MH+): 353.2692. Found, 353.2720.
(参考例4)
11-メトキシメトキシムチリン
2 Lナスコル中のプレウロムチリン50.0 g (0.13 mol) 、およびN, N-ジイソプロピルエチルアミン138 mL (0.79 mol) の塩化メチレン溶液 (500 mL) に、0 oCアルゴン雰囲気下クロロメチルメチルエーテル40.1 mL (0.53 mol) を滴下し、21日間室温で放置した。反応混合物に3-(ジメチルアミノ)プロピルアミン33.2 mL (0.26 mol) を加えて減圧留去し、残渣に希クエン酸水溶液を加えて酢酸エチル抽出 (200 mL x 3) した。合した有機層を飽和食塩水洗浄後 (100 mL) 、無水硫酸ナトリウム乾燥し、ろ過し、溶媒を留去し、粗製の化合物を得た。これを2 mol/L水酸化カリウム−メタノール溶液500 mLに溶解し、3時間加熱還流した。冷後溶媒を減圧留去し、希クエン酸水溶液を加えて酢酸エチル抽出 (300 mL x 3) した。合した有機層は飽和食塩水洗浄 (300 mL) し、無水硫酸ナトリウム乾燥し、ろ過し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)にて精製し、42.0 gの無色粉末状物である表題化合物を得た(2工程収率87%)。
MS (FAB) (m/z): 365 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C22H37O4 (MH+): 365.2692. Found, 365.2665.
(参考例5)
12-デスエテニル-12-ホルミル-11-メトキシメトキシムチリン
参考例4の化合物300 mg (0.82 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (5 mL) に、触媒量の四酸化オスミウム (5% t-ブタノール溶液) 、および過ヨウ素酸ナトリウム352 mg (1.65 mmol) の水溶液 (5 mL) を加え、室温で24時間攪拌した。反応混合物をセライトろ過し、残渣を酢酸エチル洗浄した。ろ液を減圧留去後、希クエン酸水溶液を加えて酢酸エチル抽出 (10 mL x 3) した。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (5 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:4)にて精製し、169 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率56%)。
MS (CI) (m/z): 367 (MH+).
HRMS (CI) (m/z): Calcd. for C21H35O5(MH+): 367.2484. Found, 367.2500.
(参考例6)
(3R)-1-(t-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-カルボン酸
第一工程
(3R)-5-オキソ-1-[(1’R)-1’-フェニルエチル]ピロリジン-3-カルボン酸メチル
文献記載の方法 (J. Med. Chem. 1987, 30, 1711-1715.) に従って、イタコン酸ジメチル 60.0 g (379 mmol) の無水トルエン溶液 (180 mL)に、アルゴン雰囲気下(R)-(+)-1-フェニルエチルアミン46.0 g (379 mmol) を加え、加熱還流下13.5時間攪拌した。反応液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:4) にて精製し、30.0 gの淡黄色油状物である表題化合物を得た(収率32%)。
MS (EI) (m/z): 247 (M+).
HRMS (EI) (m/z): Calcd for C14H17NO3(M+): 247.1208. found, 247.1223.
第二工程
(3R)-1-[(1’R)-1’-フェニルエチル]ピロリジン-3-カルボン酸メチル
第一工程の化合物10.0 g (40.4 mmol) にアルゴン雰囲気下9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン (0.5 mol/L テトラヒドロフラン溶液) 178 mL (88.9 mmol) を加え、70℃で7時間攪拌した。放冷後エタノールアミン5.43 g (88.9 mmol)を加えて溶媒留去し、酢酸エチルを加えて不溶物をセライトろ過した。ろ液を減圧濃縮し、酢酸エチル150 mLを加えて1 N塩酸抽出 (30 mL x 5) した。抽出層を水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とした後、酢酸エチル抽出 (50 mL x 3) した。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (50 mL)し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 2:1) にて精製し、6.47 gの淡黄色油状物である表題化合物を得た(収率69%)。
MS (EI) (m/z): 233 (M+).
HRMS (EI) (m/z): Calcd for C14H19NO2(M+): 233.1415. found, 233.1435.
第三工程
(3R)-1-(t-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-カルボン酸メチル
第二工程の化合物997 mg (4.27 mmol) の80%メタノール水溶液 (20 mL) に10%パラジウム−炭素99.7 mg、およびギ酸アンモニウム 1.35 g (21.4 mmol) を加え、70℃で1時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、メタノールを減圧留去し、アセトニトリル (5 mL) を加えて氷冷し、二炭酸ジ-t-ブチル 1.03 g (4.72 mmol) のアセトニトリル (3 mL) 溶液、およびトリエチルアミン 478 mg (4.72 mmol) のアセトニトリル溶液 (3 mL) を加え室温で1.5時間攪拌した。アセトニトリルを減圧留去し、水 (10 mL) を加えて酢酸エチルで抽出 (20 mL x 3) した。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (20 mL) し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 4:1) にて精製し、877 mgの無色油状物である表題化合物を得た(収率90%)。
MS (CI) (m/z): 230 (MH+).
HRMS (CI) (m/z): Calcd for C11H20NO4(MH+): 230.1392. found, 230.1410.
第四工程
(3R)-1-(t-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-カルボン酸
第三工程の化合物768 mg (3.35 mmol) のメタノール溶液 (8 mL) に、氷冷下で水酸化リチウム242 mg (10.1 mmol) のメタノール溶液 (8 mL) を加え、室温で3.5時間攪拌した。反応液に10%クエン酸水溶液を加えてpH6としてメタノールを減圧留去し、次いで10%クエン酸水溶液を加えてpH4として酢酸エチル抽出(10 mL x 8) した。合した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去し、657 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率91%)。
MS (CI) (m/z): 216 (MH+).
HRMS (CI) (m/z): Calcd for C10H18NO4(MH+): 216.1235. found, 216.1238.
(参考例7)
(3S)-1-(t-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-カルボン酸
第一工程
(3S)-5-オキソ-1-[(1’R)-1’-フェニルエチル]ピロリジン-3-カルボン酸メチル
参考例6の第一工程の方法に従って、イタコン酸ジメチル 60.0 g (379 mmol) 、(R)-(+)-1-フェニルエチルアミン46.0 g (379 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:4) にて精製し、29.6 gの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率31%)。
MS (EI) (m/z): 247 (M+).
HRMS (EI) (m/z): Calcd for C14H17NO3(M+): 247.1208. found, 247.1190.
第二工程
(3S)-1-[(1’R)-1’-フェニルエチル]ピロリジン-3-カルボン酸メチル
参考例6の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物10.0 g (40.4 mmol) 、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン (0.5 mol/L テトラヒドロフラン溶液) 178 mL (88.9 mmol)、およびエタノールアミン5.43 g (88.9 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 3:1) にて精製し、6.77 gの淡黄色油状物である表題化合物を得た(収率72%)。
MS (EI) (m/z): 233 (M+).
HRMS (EI) (m/z): Calcd for C14H19NO2(M+): 233.1415. found, 233.1424.
第三工程
(3S)-1-(t-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-カルボン酸メチル
参考例6の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物1.00 g (4.29 mmol)、10%パラジウム−炭素100 mg、ギ酸アンモニウム 1.35 g (21.4 mmol)、二炭酸ジ-t-ブチル 1.03 g (4.72 mmol)、およびトリエチルアミン 478 mg (4.72 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 2:1) にて精製し、946 mgの無色油状物である表題化合物を得た(収率96%)。
MS (FAB) (m/z): 230 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd for C11H20NO4(MH+): 230.1392. found, 230.1412.
第四工程
(3S)-1-(t-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-カルボン酸
参考例6の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物909 mg (3.96 mmol)、水酸化リチウム285 mg (11.9 mmol) を用いて反応を行い、770 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率90%)。
MS (EI) (m/z): 215 (M+).
HRMS (EI) (m/z): Calcd for C10H17NO4(M+): 215.1157. found, 215.1198.
(参考例8)
(3R,4S)-1-(t-ブトキシカルボニル)-4-メチルピロリジン-3-カルボン酸
(4S)-3-{(3’R,4’S)-1’-ベンジル-4’-メチルピロリジン-3’-カルボニル}-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン1.00 g (2.85 mmol) の塩化メチレン溶液 (10 mL) に、氷冷攪拌下クロロギ酸1-クロロエチル530 mg (3.71 mmol) を加え室温で15分攪拌した。溶媒を留去し、メタノール (10 mL) を加えて加熱還流下5分攪拌した。溶媒を留去し、水を加えて酢酸エチル洗浄 (10 mL x 3) した。水層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpH8とし、酢酸エチル抽出 (10 mL x 3) した。合した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。残渣をアセトニトリル (5 mL) に溶解し、二炭酸ジ-t-ブチル 430 mg (1.97 mmol) のアセトニトリル溶液 (1.5 mL)、およびトリエチルアミン 199 mg (1.97 mmol) を加え、室温で3時間攪拌した。溶媒を留去し、水 (10 mL) を加えて酢酸エチル抽出 (10 mL x 3) した。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (10 mL) し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 5:1) にて精製し、結晶物をヘキサン、次いで混合溶媒 (ヘキサン:酢酸エチル = 10:1) で洗浄して320 mgの無色粉末状物である(4S)-3-{(3’R,4’S)-1’-(t-ブトキシカルボニル)-4’-メチルピロリジン-3’-カルボニル}-4-フェニルオキサゾリジン-2-オンを得た(収率30%)。
MS (FAB) (m/z): 375 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd for C20H27N2O5(MH+): 375.1920. found, 375.1925.
30%過酸化水素水溶液126 mg (1.11 mmol) を水酸化リチウム13.2 mg (0.554 mmol) の水溶液 (0.9 mL) に加えた。これを(4S)-3-{(3’R,4’S)-1’-(t-ブトキシカルボニル)-4’-メチルピロリジン-3’-カルボニル}-4-フェニルオキサゾリジン-2-オン100 mg (0.277 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (4 mL) に氷冷下で加え、30分攪拌した。反応液に10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、10%クエン酸水溶液を加えて中和した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpH8とし、酢酸エチル抽出 (5 mL x 3) した。水層に10%クエン酸水溶液を加えてpH4とし、酢酸エチル抽出 (5 mL x 3) した。合した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去し、59.6 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率94%)。
MS (EI) (m/z): 229 (M+).
HRMS (EI) (m/z): Calcd for C11H19NO4(M+): 229.1314. found, 229.1299.
(参考例9)
3-(t-ブトキシカルボニル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボン酸
第一工程
3-(t-ブトキシカルボニル)-6-ヒドロキシメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン
3-ベンジルオキシカルボニル-6-ヒドロキシメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン5.00 g (20.2 mmol) にピリジン32.7 mL (404 mmol)、無水酢酸 38.0 mL (404 mmol) を加え、室温で45分攪拌した。反応液を希クエン酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出 (200 mL x 3) した。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (200 mL) し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣に酢酸エチル (100 mL) を加え、希クエン酸水溶液 (50 mL x 4) で洗浄し、有機層を飽和食塩水洗浄 (200 mL) し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去し、6.78 gの赤褐色油状物である粗製の6-アセトキシメチル-3-ベンジルオキシカルボニル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを得た。
MS (FAB) (m/z): 290 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd for C16H20NO4(MH+): 290.1393. found, 290.1373.
この化合物のエタノール溶液 (200 mL) に10%パラジウム−炭素673 mgを加え、常温下98.1KPaにて30分間接触還元に付した。反応混合液をセライトろ過してろ液を減圧留去し、4.18 gの黄色油状物である粗製の6-アセトキシメチル-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを得た。
MS (FAB) (m/z): 156 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd for C8H14NO2(MH+): 156.1024. found, 156.1037.
この化合物の塩化メチレン溶液 (40 mL) に、二炭酸ジ-t-ブチル 4.85 g (22.2 mmol) の塩化メチレン溶液 (20 mL) を加え、室温で30分間攪拌した。反応液を希クエン酸水溶液に注いで有機層を分取し、水層を酢酸エチルで抽出 (20 mL x 2) した。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (20 mL) し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去し、6.31 gの黄色油状物である粗製の6-アセトキシメチル-3-(t-ブトキシキシカルボニル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを得た。
MS (FAB) (m/z): 256 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd for C13H22NO4(MH+): 256.1549. found, 256.1518.
この化合物のメタノール溶液 (40 mL) に、氷冷下で炭酸カリウム 2.79 g (40.4 mmol) を加え、室温で30分攪拌した。反応混合物に酢酸エチル (40 mL) を加えセライトろ過してろ液を減圧留去し、希クエン酸水溶液を加えて酢酸エチルで抽出 (50 mL x 3) した。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (50 mL) し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 2:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:4) にて精製し、1.04 gの無色油状物である表題化合物を得た(4工程収率24%)。
MS (FAB) (m/z): 214 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd for C11H20NO3(MH+): 214.1443. found, 214.1417.
第二工程
3-(t-ブトキシカルボニル)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボン酸
第一工程の化合物 953 mg (4.47 mmol) のアセトン溶液 (9 mL) に、氷冷下でJones試薬 (クロム酸26. 7g、濃硫酸23.0 mLに水を加えて全量を100 mLに調製したもの) 1 mLを加えて室温で攪拌し、Jones試薬を45分後に3 mL、1時間後に2 mL、1.5時間後に3 mLをそれぞれ追加し、計2.5時間攪拌した。2-プロパノール (9 mL) を加え室温で30分間攪拌し、反応混合物をセライトろ過してろ液を減圧留去した。残渣を氷水に注いで酢酸エチルで抽出 (30 mL x 3) した。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (30 mL) し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた結晶物をジイソプロピルエーテルで洗浄し、267 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率26%)。
MS (FAB) (m/z): 228 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd for C11H18NO4(MH+): 228.1236. found, 228.1201.
(実施例1)
第一工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-12-メチル-11-オキソ-4-エピムチリン
参考例3の化合物5.00 g (14.2 mmol) の無水テトラヒドロフラン溶液 (200 mL) に、-70 ℃アルゴン雰囲気下カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5 mol/Lトルエン溶液)34.0 mL (17.0 mmol) を加え、0.5時間攪拌した。同条件下ヨウ化メチル1.06 mL (17.0 mmol) を加え、-50 ℃まで昇温させながら4時間攪拌した。反応混合液に希クエン酸水溶液を加えて減圧留去し、得られた残渣を酢酸エチル抽出した(50 mL x 3)。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (50 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)にて精製し、5.20 gの黄色油状の表題化合物を得た(収率100%)。
MS (FAB) (m/z): 367 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C22H39O4 (MH+): 367.2848. Found, 367.2884.
第二工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-12-メチル-11-オキソ-4-エピムチリン
第一工程の化合物5.20 g (14.2 mmol) の塩化メチレン溶液 (200 mL) にp-トルエンスルホン酸2.70 g (14.2 mmol) を加えて室温下24時間攪拌した。反応混合物を減圧留去し、残渣に水を加えて酢酸エチル抽出した (50 mL x 3) 。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (100 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)にて精製し、3.70 gの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率81%)。
MS (FAB) (m/z): 323 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C20H35O3 (MH+): 323.2586. Found, 323.2609.
第三工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-12-メチル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-4-エピムチリン
第二工程の化合物500 mg (1.55 mmol) の塩化メチレン溶液 (10 mL) に、室温攪拌下シアン酸銀349 mg (2.33 mmol) 、1-メチルピペリジン-4-カルボン酸と塩化オキザリルから調製した酸塩化物462 mg (2.33 mmol) 、およびトリエチルアミン0.32 mL (2.33 mmol) を加え、遮光室温下25時間攪拌した。反応混合物をセライトろ過し、残渣を酢酸エチル洗浄した。有機層を減圧留去し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチル抽出した (10 mL x 3) 。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (10 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 10:1、2:1、次いで酢酸エチル:メタノール = 10:1)にて精製し、11.8 mgの無色粉末状の表題化合物を得た(収率2%)。
MS (FAB) (m/z): 491 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C28H47N2O5 (MH+): 491.3485. Found, 491.3487.
第四工程
12-デスエテニル-12-メチル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン
第三工程の化合物11.8 mg (24.0 μmol) のジオキサン溶液 (1.0 mL) に、氷冷攪拌下濃塩酸 (1.00 mL)を加え、自然昇温しながら4時間攪拌した。反応混合液を10%水酸化ナトリウム水溶液に加えてアルカリ性とした後水層を酢酸エチル抽出した (3.0 mL x 3) 。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (3.0 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル、次いで酢酸エチル:メタノール = 30:1)にて精製し、4.50 mgの無色粉末状の表題化合物を得た(収率39%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.73 (d, J= 6.7 Hz, 3H), 0.95 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.05-1.30 (m, 10H), 1.35-1.74 (m, 8H), 1.75-1.90 (m, 4H), 1.95-2.08 (m, 4H), 2.14-2.35 (m, 6H), 2.85-3.05 (m, 3H), 3.37 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 5.50 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.32 (s, 1H).
MS (FAB) (m/z): 477 (MH+).
(実施例2)
第一工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-12,14-ジ(メトキシメトキシ)-11-オキソ-4-エピムチリン
実施例1の第一工程の方法に従って、参考例3の化合物2.00 g (5.67 mmol) 、クロロメチルメチルエーテル0.52 mL (6.81 mmol) 、およびカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5 mol/Lトルエン溶液)13.6 mL (6.81 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)にて精製し、1.80 gの黄色油状の表題化合物を得た(収率80%)。
MS (FAB) (m/z): 397 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C23H41O5 (MH+): 397.2954. Found, 397.2926.
第二工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-12-メトキシメチル-11-オキソ-4-エピムチリン
実施例1の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物1.80 g (4.54 mmol)、およびp-トルエンスルホン酸0.86 g (4.54 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 1:1)にて精製し、1.30 gの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率81%)。
MS (FAB) (m/z): 353 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C21H37O4 (MH+): 353.2692. Found, 353.2656.
第三工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-12-メトキシメチル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-4-エピムチリン
実施例1の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物500 mg (1.42 mmol) 、1-メチルピペリジン-4-カルボン酸と塩化オキザリルから調製した酸塩化物422 mg (2.13 mmol)、シアン酸銀319 mg (2.13 mmol) 、およびトリエチルアミン0.30 mL (2.13 mmol) にて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 10:1、2:1、次いで酢酸エチル:メタノール = 10:1)にて精製し、61.5 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率8%)。
MS (FAB) (m/z): 521.5 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H49N2O6(MH+): 521.3591. Found, 521.3600.
第四工程
12-デスエテニル-12-メトキシメチル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物61.5 mg (0.12 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、ヘキサン:酢酸エチル = 2:1、1:2、次いで酢酸エチル) にて精製し、19.9 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率33%)。
MS (FAB) (m/z): 507 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C28H47N2O6(MH+): 507.3434. Found, 507.3423.
(実施例3)
第一工程
(3R)- 3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-12-(2-ヒドロキシエタン-1-イル)-3-メトキシ-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-4-エピムチリン
特許文献19記載の化合物である(3R)-12-[2-(t-ブチルジメチルシリルオキシ)エタン-1-イル]-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-4-エピムチリン1.00 g (2.14 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (20.0 mL) に、室温攪拌下トリメチルシリルイソシアネート0.68 mL (4.28 mmol) を加え、1時間室温攪拌した。同条件下、水素化ナトリウム171 mg (4.28 mmol) 、1-t-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボン酸 981 mg (4.28 mmol) とトリエチルアミン0.60 mL (4.28 mmol) 、およびエチルクロロホルメート0.41 mL (4.28 mmol) から調製した酸無水物を加え、室温下24時間攪拌した。氷冷下希クエン酸水溶液に反応混合物を加えて酢酸エチル抽出した (30 mL x 3) 。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (30 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、2:1)にて精製し、1.20 gの無色粉末状の(3R)-14-(1-t-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-[2-(t-ブチルジメチルシリルオキシ)エタン-1-イル]-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-4-エピムチリンを得た(収率78%)。
MS (ESI) (m/z): 719.4 (MH-).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C39H67N2O8Si (MH-): 719.46667. Found, 719.46535.
(3R)-14-(1-t-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-[2-(t-ブチルジメチルシリルオキシ)エタン-1-イル]-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-4-エピムチリン1.20 g (1.66 mmol) の塩化メチレン溶液 (12 mL) に、氷冷攪拌下トリフルオロ酢酸2.00 mL (26.1 mmol) を加え、3時間室温攪拌した。氷冷下希水酸化ナトリウム水溶液に反応混合物を加えて酢酸エチル抽出した (20 mL x 3) 。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (20 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をアセトニトリル (10 mL) に溶解し、37% ホルムアルデヒド水溶液 2.00 mL (26.9 mmol) 、およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム 209 mg (3.33 mmol) を加え、2.5時間室温攪拌した。反応混合物に酢酸を加えて中和した後、氷冷下希水酸化ナトリウム水溶液に反応混合物を加えて酢酸エチル抽出した (20 mL x 3) 。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (20 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:1、酢酸エチル、次いで酢酸エチル:メタノール = 20:1)にて精製し、194 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率23%)。
MS (FAB) (m/z): 521 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H49N2O6 (MH+): 521.3591. Found, 521.3584.
第二工程
12-デスエテニル-12-(2-ヒドロキシエタン-1-イル)-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第一工程の化合物194 mg (0.37 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:2、次いで酢酸エチル)にて精製し、105 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率56%)。
MS (FAB) (m/z): 507 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C28H47N2O6(MH+): 507.3434. Found, 507.3471.
(実施例4)
第一工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-12-(2-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第一工程の方法に従って、参考例3の化合物5.00 g (14.2 mmol) 、ヨウ化アリル1.47 mL (17.0 mmol) およびカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5 mol/Lトルエン溶液)34.0 mL (17.0 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 10:1)にて精製し、2.52 gの黄色油状の表題化合物を得た(収率45%)。
MS (FAB) (m/z): 393 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C24H41O4 (MH+): 393.3005. Found, 393.2977.
第二工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(2-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物2.52 g (6.42 mmol) およびp-トルエンスルホン酸1.22 g (6.42 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)にて精製し、1.76 gの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率79%)。
MS (FAB) (m/z): 349 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C22H37O3 (MH+): 349.2743. Found, 349.2788.
第三工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-12-(2-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物326 mg (0.94 mmol)、1-メチルピペリジン-4-カルボン酸と塩化オキザリルから調製した酸塩化物279 mg (1.41 mmol)、シアン酸銀211 mg (1.41 mmol) 、およびトリエチルアミン0.20 mL (1.41 mmol) にて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、2:1、次いで酢酸エチル:メタノール = 10:1)にて精製し、31.4 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率6%)。
MS (FAB) (m/z): 517.5 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C30H49N2O5(MH+): 517.3641. Found, 517.3608.
第四工程
12-デスエテニル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(2-プロペン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物31.4 mg (61.0 μmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 2:1、1:1、次いで1:2)にて精製し、3.20 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率10%)。
MS (FAB) (m/z): 503 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H47N2O5(MH+): 503.3485. Found, 503.3463.
(実施例5)
第一工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-12-フェニルメチル-4-エピムチリン
実施例1の第一工程の方法に従って、参考例3の化合物2.00 g (5.67 mmol) 、ベンジルブロミド0.81 mL (6.81 mmol) およびカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5 mol/Lトルエン溶液)13.6 mL (6.81 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)にて精製し、2.51 gの無色油状の表題化合物を得た(収率100%)。
MS (FAB) (m/z): 381 (MH+-HOCH2OCH3).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C26H37O2 (MH+-HOCH2OCH3): 381.2794. Found, 381.2817.
第二工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-フェニルメチル-4-エピムチリン
実施例1の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物2.51 g (5.67 mmol) およびp-トルエンスルホン酸1.08 g (5.67 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)にて精製し、1.55 gの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率69%)。
MS (FAB) (m/z): 399 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C26H39O3 (MH+): 399.2899. Found, 399.2900.
第三工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-12-フェニルメチル-4-エピムチリン
実施例1の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物500 mg (1.25 mmol) 、1-メチルピペリジン-4-カルボン酸と塩化オキザリルから調製した酸塩化物372 mg (1.88 mmol)、シアン酸銀282 mg (1.88 mmol) 、およびトリエチルアミン0.26 mL (1.88 mmol) にて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 2:1、1:1、次いで酢酸エチル:メタノール = 10:1)にて精製し、15.3 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率2%)。
MS (ESI) (m/z): 567.4 (MH+).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C34H51N2O5(MH+): 567.37980. Found, 567.38099.
第四工程
12-デスエテニル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-フェニルメチルムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物15.3 mg (27.0 μmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 2:1、1:1、次いで1:2)にて精製し、6.70 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率45%)。
MS (FAB) (m/z): 553 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C33H49N2O5(MH+): 553.3641. Found, 553.3656.
(実施例6)
第一工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-12-(2-プロピン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第一工程の方法に従って、参考例3の化合物2.00 g (5.67 mmol) 、プロパルギルブロミド0.51 mL (6.81 mmol) およびカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5 mol/Lトルエン溶液)13.6 mL (6.81 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)にて精製し、2.32 gの黄色油状の表題化合物を得た(収率100%)。
MS (FAB) (m/z): 329 (MH+-HOCH2OCH3).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C22H33O2 (MH+-HOCH2OCH3): 329.2481. Found, 329.2467.
第二工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(2-プロピン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物2.32 g (5.67 mmol) およびp-トルエンスルホン酸1.08 g (5.67 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 2:1)にて精製し、1.61 gの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率82%)。
MS (FAB) (m/z): 347 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C22H35O3 (MH+): 347.2586. Found, 347.2600.
第三工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-12-(2-プロピン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物500 mg (1.44 mmol)、1-メチルピペリジン-4-カルボン酸と塩化オキザリルから調製した酸塩化物428 mg (2.16 mmol)、シアン酸銀324 mg (2.16 mmol) 、およびトリエチルアミン0.30 mL (2.16 mmol) にて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 2:1、1:1、次いで酢酸エチル:メタノール = 10:1)にて精製し、45.5 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率6%)。
MS (ESI) (m/z): 515.4 (MH+).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C30H47N2O5(MH+): 515.34850. Found, 515.34921.
第四工程
12-デスエテニル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(2-プロピン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物45.5 mg (88.0 μmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 2:1、1:1、1:2、次いで1:4)にて精製し、15.2 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率34%)。
MS (FAB) (m/z): 501 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H45N2O5(MH+): 501.3328. Found, 501.3283.
第五工程
塩酸12-デスエテニル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(2-プロピン-1-イル)ムチリン
第四工程の化合物19.0 mg (37.9 mmol) の酢酸エチル (1.00 mL) 溶液に、氷冷下4 mol/L 塩化水素−ジオキサン(1.00 mL) を加え、析出した結晶をろ取した。得られた結晶をジエチルエーテルで洗浄し、15.4 mgの表題化合物を得た(収率78%)。
MS (FAB) (m/z): 501 (フリー体のMH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H45N2O5(フリー体のMH+): 501.3328. Found, 501.3310.
(実施例7)
第一工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-12-フルオロメチル-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-4-エピムチリン
実施例1の第一工程の方法に従って、参考例3の化合物5.00 g (14.2 mmol) 、酢酸ブロモメチル1.67 mL (17.0 mmol) およびカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5 mol/Lトルエン溶液)34.0 mL (17.0 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)にて精製し、3.93 gの無色油状の(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-12-アセトキシメチル-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-4-エピムチリンを得た(収率65%)。
MS (FAB) (m/z): 363 (MH+-HOCH2OCH3).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C22H35O4 (MH+-HOCH2OCH3): 363.2535. Found, 363.2552.
この化合物2.00 g (4.71 mmol) にメタノールを加え、炭酸カリウム 1.30 g (9.42 mmol) を添加して2時間室温攪拌した。反応混合物をセライトろ過し、残渣を酢酸エチルにて洗浄した。溶媒を減圧留去後、残渣に希クエン酸水溶液を加えて酢酸エチル抽出 (10 mL x 3) した。合した有機層は飽和食塩水洗浄後 (10 mL)、ろ過し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:2)にて精製し、1.13 gの無色粉末状物である(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-12-ヒドロキシメチル-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-4-エピムチリンを得た(収率63%)。
MS (FAB) (m/z): 383 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C22H39O5 (MH+): 383.2797. Found, 383.2824.
この化合物1.13 g (2.95 mmol) のトルエン溶液に、氷冷アルゴン雰囲気下1,8-1ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン1.33 mL (8.86 mmol) 、次いでパーフルオロオクタンスルホニルフルオリド1.22 mL (4.43 mmol) を滴下し、自然昇温させながら15時間攪拌した。反応混合物に希クエン酸水溶液を加えて酢酸エチル抽出 (10 mL x 3) した。合した有機層は飽和食塩水洗浄後 (10 mL) 、ろ過し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 8:1)にて精製し、1.00 gの黄色粉末状物である表題化合物を得た(収率88%)。
MS (FAB) (m/z): 323 (MH+-H2O).
Rf = 0.41 (ヘキサン:酢酸エチル = 4:1).
第二工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-12-フルオロメチル-3-メトキシ-11-オキソ-4-エピムチリン
実施例1の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物1.00 g (2.60 mmol) およびp-トルエンスルホン酸0.49 g (2.60 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 2:1)にて精製し、526 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率59%)。
MS (FAB) (m/z): 341 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C20H34FO3 (MH+): 341.2492. Found, 341.2502.
第三工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-12-フルオロメチル-3-メトキシ-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-4-エピムチリン
実施例1の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物394 mg (1.16 mmol)、1-メチルピペリジン-4-カルボン酸と塩化オキザリルから調製した酸塩化物345 mg (1.74 mmol)、シアン酸銀261 mg (1.74 mmol) 、およびトリエチルアミン0.24 mL (1.74 mmol) にて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 2:1、1:1、次いで酢酸エチル:メタノール = 10:1)にて精製し、31.4 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率5%)。
MS (FAB) (m/z): 509 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C28H46-FN2O5(MH+): 509.3391. Found, 509.3391.
第四工程
12-デスエテニル-12-フルオロメチル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物31.4 mg (62.0 μmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 2:1、1:1、1:2、次いで1:4)にて精製し、9.70 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率32%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.72 (d, J= 7.3 Hz, 3H), 0.99 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.05-1.35 (m, 8H), 1.36-2.10 (m, 15H), 2.15-2.45 (m, 6H), 2.86-3.00 (m, 3H), 3.48 (d, J = 6.1 Hz, 1H), 4.54 (dd, J = 46.2, 10.1 Hz, 1H), 5.09 (dd, J = 48.3, 9.8 Hz, 1H), 5.43 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.45 (s, 1H).
MS (FAB) (m/z): 495 (MH+).
(実施例8)
第一工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-12-(1-プロピン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例6の第一工程の化合物13.3 g (34.0 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (150 mL) に、氷冷下カリウムt-ブトキシド3.82 g (34.0 mmol) を加え、自然昇温させながら12時間攪拌した。反応混合物を希クエン酸水溶液に注ぎ溶媒を減圧留去した。残渣を酢酸エチル抽出 (100 mL x 3) し、合した有機層を飽和食塩水洗浄 (50 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 8:1)にて精製し、13.2 gの黄色油状の表題化合物を得た(収率99%)。
MS (FAB) (m/z): 391 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C24H39O4 (MH+): 391.2848. Found, 391.2871.
第二工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロピン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物3.09 g (7.91 mmol) およびp-トルエンスルホン酸1.50 g (7.91 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)にて精製し、2.12 gの黄色油状物である表題化合物を得た(収率77%)。
MS (FAB) (m/z): 329 (MH+-H2O).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C22H33O2 (MH+-H2O): 329.2481. Found, 329.2477.
第三工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-12-(1-プロピン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例3の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物500 mg (1.44 mmol)、トリメチルシリルイソシアネート0.46 mL (2.89 mmol)、水素化ナトリウム116 mg (2.89 mmol)、および1-t-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボン酸663 mg (2.89 mmol) から調製した酸無水物にて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、2:1、次いで1:1)にて精製し、714 mgの無色粉末状物である(3R)-14-(1-t-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロピン-1-イル)-4-エピムチリンを得た(収率83%)。
MS (FAB) (m/z): 599 (MH+-2H).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C34H51-N2O7(MH+-2H): 599.3696. Found, 599.3693.
次いで、(3R)-14-(1-t-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロピン-1-イル)-4-エピムチリン714 mg (1.19 mmol) 、トリフルオロ酢酸1.00 mL (13.0 mmol) 、37% ホルムアルデヒド水溶液 1.00 mL (98.1 mmol) 、およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム 150 mg (2.38 mmol) にて反応を行い、無色粉末状物である表題化合物を得た。
MS (FAB) (m/z): 515 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C30H47-N2O5(MH+): 515.3485. Found, 515.3479.
第四工程
12-デスエテニル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロピン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物612 mg (1.19 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 2:1、1:1、次いで1:2)にて精製し、228 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率38%)。
MS (FAB) (m/z): 501 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H45N2O5(MH+): 501.3328. Found, 501.3312.
(実施例9)
第一工程
(3R)-12-シアノメチル-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-4-エピムチリン
実施例1の第一工程の方法に従って、参考例3の化合物3.00 g (8.51 mmol)、クロロアセトニトリル0.65 mL (10.2 mmol)、およびカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.5 mol/Lトルエン溶液)20.4 mL (10.2 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 5:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 2:1)にて精製し、2.10 gの黄色油状の表題化合物を得た(収率63%)。
MS (FAB) (m/z): 330 (MH+-HOCH2OCH3).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C21H32NO2 (MH+-HOCH2OCH3): 330.2433. Found, 330.2426.
第二工程
(3R)-12-シアノメチル-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-4-エピムチリン
実施例1の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物2.10 g (5.36 mmol) およびp-トルエンスルホン酸1.02 g (5.36 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 2:1)にて精製し、1.31 gの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率70%)。
MS (FAB) (m/z): 330 (MH+-H2O).
Rf = 0.23 (ヘキサン:酢酸エチル = 2:1)
第三工程
(3R)-12-シアノメチル-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-4-エピムチリン
実施例3の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物500 mg (1.44 mmol)、トリメチルシリルイソシアネート0.46 mL (2.88 mmol)、水素化ナトリウム115 mg (2.88 mmol)、および1-t-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボン酸660 mg (2.88 mmol) から調製した酸無水物にて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 1:1)にて精製し、874 mgの無色粉末状物である(3R)-14-(1-t-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-シアノメチル-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-4-エピムチリンを得た(収率100%)。
MS (FAB) (m/z): 602 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C33H52-N3O7(MH+): 602.3805. Found, 602.3838.
次いで、(3R)-14-(1-t-ブトキシカルボニルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-シアノメチル-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-4-エピムチリン874 mg (1.41 mmol) 、トリフルオロ酢酸1.00 mL (13.0 mmol) 、37% ホルムアルデヒド水溶液 1.00 mL (98.1 mmol) 、およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム 177 mg (2.82 mmol) にて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、2:1、1:1、次いで酢酸エチル:メタノール = 10:1)にて精製し、322 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率44%)。
MS (FAB) (m/z): 516 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H46-N3O5(MH+): 516.3437. Found, 516.3405.
第四工程
12-シアノメチル-12-デスエテニル-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物283 mg (0.55 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 2:1、1:1、1:2、次いで1:4)にて精製し、89.3 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率32%)。
MS (FAB) (m/z): 502 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C28H44N3O5(MH+): 502.3281. Found, 502.3269.
(実施例10)
第一工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-メトキシメトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例8の第一工程の化合物13.2 g (33.8 mmol) のトルエン溶液 (250 mL) にLindlar触媒1.30 g (10%重量) を添加し、常温下98.1KPaにて5時間接触還元に付した。反応混合物をセライトろ過し、残渣を酢酸エチルにて洗浄した。合したろ液を減圧留去し、13.3 gの無色油状物である表題化合物を得た(収率100%)。
MS (FAB) (m/z): 393 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C24H41O4 (MH+): 393.3005. Found, 393.3010.
第二工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物13.3 g (33.9 mmol) およびp-トルエンスルホン酸6.44 g (33.9 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1)にて精製し、10.1 gの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率86%)。
MS (FAB) (m/z): 331 (MH+-H2O).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C22H35O2 (MH+-H2O): 331.2637. Found, 331.2645.
第三工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-14-[1-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル)ピペリジン-4-カルボニル]カルバモイル-4-エピムチリン
第二工程の化合物450 mg (1.29 mmol) の塩化メチレン溶液 (13 mL) に、室温攪拌下シアン酸銀484 mg (3.23 mmol) を加え、-40oC攪拌下1-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル)ピペリジン-4-カルボン酸591 mg (1.94 mmol) から調製した酸塩化物、およびトリエチルアミン0.27 mL (1.94 mmol) を加え、自然昇温させながら遮光下15時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチル (13 mL) 、およびセライト (4.84 g) を加えて15分攪拌した。反応混合物をセライトろ過し、残渣を酢酸エチル洗浄した。合した有機層を減圧留去し、残渣に水を加えて酢酸エチル抽出した (40 mL x 3) 。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (40 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 2:1)にて精製し、449 mgの無色粉末状の表題化合物を得た(収率51%)。
MS (ESI) (m/z): 675.2 (MH-).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C32H46Cl3N2O7(MH-): 675.23706. Found, 675.23651.
第四工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
第三工程の化合物430 mg (0.63 mmol) に酢酸 (4.30 mL) を加え、亜鉛206 mg (3.15 mmol) を添加して25時間室温攪拌した。更に亜鉛 206 mg (3.15 mmol) を添加して26時間室温攪拌した。反応混合物をセライトろ過し、残渣を酢酸エチル、および水で洗浄した。水層を酢酸エチル抽出 (10 mL x 3) し、合した有機層を希クエン酸水溶液で抽出した (10 mL x 3) 。水層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えてアルカリ性とした後酢酸エチル抽出した (10 mL x 3) 。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (10 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去し、282 mgの(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-14-(ピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリンを無色粉末状晶として得た(収率89%)。
MS (ESI) (m/z): 503.4 (MH+).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C29H47N2O5 (MH+): 503.34860. Found, 503.34572.
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-14-(ピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン277 mg (0.55 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (5.5 mL) に、氷冷攪拌下酢酸0.13 mL (2.20 mmol) 、37% ホルムアルデヒド水溶液0.82 mL (11.0 mmol) 、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム466 mg (2.20 mmol) を加え、同条件下0.5時間攪拌した。反応混合物を氷冷下飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えて濃縮し、酢酸エチル抽出した (10 mL x 3) 。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (10 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル:メタノール = 30:1)にて精製し、249 mgの無色粉末状の表題化合物を得た(収率88%)。
MS (ESI) (m/z): 517.4 (MH+).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C30H49N2O5 (MH+): 517.36415. Found, 517.36397.
第五工程
12-デスエテニル-14-(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物200 mg (0.39 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル:メタノール = 30:1)にて精製し、81.9 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率42%)。
MS (ESI) (m/z): 503.3 (MH+).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C29H47N2O5(MH+): 503.34850. Found, 503.34926.
(実施例11)
第一工程
12-デスエテニル-12-(2-クロロエテン-1-イル)-11-メトキシメトキシ-ムチリン
クロロメチルトリフェニルホスホニウムクロリド2.84 g (8.19 mmol) のテトラヒドロフラン懸濁液 (30 mL) に、氷冷アルゴン雰囲気下ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1 mol/Lテトラヒドロフラン溶液)8.19 mL (8.19 mmol) を滴下した。同温度にて0.5時間攪拌後、参考例xの化合物1.00 g (2.73 mmol) のテトラヒドロフラン溶液 (10 mL) を滴下した。反応混合物を自然昇温させながら約1時間攪拌し、希クエン酸水溶液に注いで減圧留去した。残渣に水を加えて酢酸エチル抽出 (20 mL × 3) した。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (20 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:1)にて精製し、1.03 gの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率95%)。
MS (CI) (m/z): 399 (MH+).
HRMS (CI) (m/z): Calcd. for C22H36ClO4(MH+): 399.2302. Found, 399.2329.
第二工程
12-デスエテニル-12-(2-クロロエテン-1-イル)-11-メトキシメトキシ-14-[1-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル)ピペリジン-4-カルボニル]カルバモイルムチリン
実施例10の第三工程の方法に従って、第一工程の化合物1.00 g (2.51 mmol)、シアン酸銀941 mg (6.28 mmol)、1-(2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル)ピペリジン-4-カルボン酸1.15 g (3.77 mmol) から調製した酸塩化物、およびトリエチルアミン0.53 mL (3.77 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 3:1)にて精製し、817 mgの無色粉末状の表題化合物を得た(収率45%)。
MS (ESI) (m/z): 725.2 (MH-).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C32H45Cl4N2O8(MH-): 725.19300. Found, 725.19408.
第三工程
12-デスエテニル-12-(2-クロロエテン-1-イル)-11-メトキシメトキシ-14-[(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン
実施例10の第四工程の方法に従って、第二工程の化合物800 mg (1.10 mmol) の酢酸溶液 (8.00 mL) に亜鉛 360 mg (5.50 mmol) を加えて反応を行い、332 mgの12-デスエテニル-12-(2-クロロエテン-1-イル)-11-メトキシメトキシ14-(ピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリンを無色粉末状晶として得た(収率66%)。
MS (ESI) (m/z): 553.3 (MH+).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C29H46ClN2O6 (MH+): 553.30444. Found, 553.30378.
12-デスエテニル-12-(2-クロロエテン-1-イル)-11-メトキシメトキシ-14-(ピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン332 mg (0.60 mmol) を、酢酸0.14 mL (2.40 mmol) 、37% ホルムアルデヒド水溶液0.89 mL (12.0 mmol) 、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム508 mg (2.40 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル、次いで酢酸エチル:メタノール = 20:1)にて精製し、284 mgの無色粉末状の表題化合物を得た(収率83%)。
MS (ESI) (m/z): 567.3 (MH+).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C30H48ClN2O6 (MH+): 567.32009. Found, 567.31815.
第四工程
12-デスエテニル-12-(2-クロロエテン-1-イル)-14-[(1-メチルピペリジン-4-カルボニル)カルバモイルムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物270 mg (0.48 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル、次いで酢酸エチル:メタノール = 20:1)にて精製し、218 mgの無色粉末状の表題化合物を得た(収率87%)。
MS (ESI) (m/z): 523.3 (MH+).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C28H44ClN2O5 (MH+): 523.29387. Found, 523.29044.
(実施例12)
第一工程
(3R,3’R)-14-[(1-t-ブトキシカルボニルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル]-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第三工程の方法に従って、実施例10の第二工程の化合物648 mg (1.86 mmol)、シアン酸銀697 mg (4.65 mmol) 、参考例6の化合物600 mg (2.79 mmol) から調製した酸塩化物、およびトリエチルアミン0.39 mL (2.79 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 2:1) にて精製し、346 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率32%)。
MS (FAB) (m/z): 589 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C33H53N2O7(MH+): 589.3853. Found, 589.3851.
第二工程
(3R,3’R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-14-[(ピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル]-4-エピムチリン
第一工程の化合物329 mg (0.56 mmol) の塩化メチレン溶液 (5 mL) に、氷冷下トリフルオロ酢酸638 mg (5.60 mmol) を加え、室温で7時間攪拌した。反応混合液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注いで酢酸エチル抽出(10 mL x 3)した。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (10 mL) し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去し、292 mgの淡褐色粉末状物である粗製の表題化合物を得た。
MS (FAB) (m/z): 489.4 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C28H45N2O5(MH+):489.3328. Found, 489.3325.
第三工程
(3R,3’R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-[(1-メチルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル]-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン」
実施例3の第三工程の方法に従って、第二工程の粗製の化合物281 mg、酢酸138 mg (2.30 mmol)、37%ホルムアルデヒド水溶液933 mg (11.5 mmol)、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム487 mg (2.30 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:5) にて精製し、237 mgの無色油状物である表題化合物を得た(2工程収率84%)。
MS (FAB) (m/z): 503.6 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H47N2O5(MH+): 503.3485. Found, 503.3507.
第四工程
(3’R)-12-デスエテニル-14-(1-メチルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物212 mg (0.42 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:9、次いで酢酸エチル:メタノール = 20:1)にて精製し、124 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率60%)。
MS (FAB) (m/z): 489.5 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C28H45N2O5(MH+): 489.3328. Found, 489.3323.
(実施例13)
第一工程
(3R,3’S)-14-(1-t-ブトキシカルボニルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第三工程の方法に従って、実施例10の第二工程の化合物411 mg (1.18 mmol)、シアン酸銀442 mg (2.95 mmol)、参考例7の化合物380 mg (1.77 mmol) から調製した酸塩化物、およびトリエチルアミン0.25 mL (1.77 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:1) にて精製し、396 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率57%)。
MS (FAB) (m/z): 589 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C33H53N2O7(MH+): 589.3853. Found, 589.3879.
第二工程
(3R,3’S)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-14-(ピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-4-エピムチリン
実施例12の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物384 mg (0.65 mmol)、およびトリフルオロ酢酸743 mg (6.52 mmol) を用いて反応を行い、317 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率99%)。
MS (FAB) (m/z): 489 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C28H45N2O5(MH+): 489.3328. Found, 489.3348.
第三工程
(3R,3’S)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-(1-メチルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例3の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物304 mg (0.62 mmol) 、酢酸149 mg (2.30 mmol)、37%ホルムアルデヒド水溶液1.01 g (12.4 mmol)、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム527 mg (2.49 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:9) にて精製し、229 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率73%)。
MS (FAB) (m/z): 503 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H47N2O5(MH+): 503.3485. Found, 503.3476.
第四工程
(3’S)-12-デスエテニル-14-(1-メチルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物190 mg (0.38 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル、次いで酢酸エチル:メタノール = 10:1)にて精製し、109 mgの無色粉末状である表題化合物を得た(収率59%)。
MS (FAB) (m/z): 489 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C28H45N2O5(MH+): 489.3328. Found, 489.3341.
(実施例14)
第一工程
(3R,3’R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-14-(1-エチルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例12の第二工程の化合物150 mg (0.31 mmol) のアセトニトリル溶液 (6 mL) に、氷冷下炭酸カリウム63.6 mg (0.46 mmol)、次いでヨードエタン71.8 mg (0.46 mmol) を加え室温で5時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチル (6 mL) を加えてセライトろ過し、残渣を酢酸エチルで洗浄した。合した有機層を減圧留去し、残渣に水を加えて酢酸エチル抽出(20 mL x 3)した。合した有機層を飽和食塩水洗浄 (20 mL) し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:4)にて精製し、120 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率76%)。
MS (FAB) (m/z): 517 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C30H49N2O5(MH+): 517.3642. Found, 517.3672.
第二工程
(3’R)-14-(1-エチルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-12-デスエテニル--12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第一工程の化合物106 mg (0.21 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:4、次いで酢酸エチル:メタノール = 20:1)にて精製し、75.5 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率73%)。
MS (FAB) (m/z): 503 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H47N2O5(MH+): 503.3485. Found, 503.3477.
(実施例15)
第一工程
(3R,3’R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-14-(1-フェニルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
4Aモレキュラーシーブ102 mg、およびフェニルホウ酸250 mg (2.05 mmol) の塩化メチレン懸濁液 (15 mL) に、アルゴン雰囲気下トリエチルアミン207 mg (2.05 mmol)、実施例12の第二工程の化合物500 mg (1.02 mmol) 、酢酸銅 (II) 18.6 mg (0.10 mmol)、および2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニル-1-オキシラジカル176 mg (1.13 mmol) を加え、室温で6時間攪拌し、次いで空気雰囲気下室温で22.5時間攪拌した。反応混合物にアンモニア (2.0 mol/L メタノール溶液) 1.53 mL (3.07 mmol) を加えて減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:1、次いで酢酸エチル:メタノール = 10:1)にて精製し、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 9:1)にて精製し、234 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率40%)。
MS (FAB) (m/z): 565 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C34H49N2O5(MH+): 565.3641. Found, 565.3624.
第二工程
(3’R)-12-デスエテニル-14-(1-フェニルピロリジン-3-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第一工程の化合物200 mg (0.35 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 2:1)にて精製し、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 2:1)にて精製し、137 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率70%)。
MS (FAB) (m/z): 551 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C33H47N2O5(MH+): 551.3485. Found, 551.3478.
(実施例16)
第一工程
(3R,3’R,4’S)-14-(1-t-ブトキシカルボニルピロリジン-3-カルボニル-4-メチル)カルバモイル-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第三工程の方法に従って、実施例10の第二工程の化合物253 mg (0.73 mmol)、シアン酸銀272 mg (1.81 mmol) 、参考例8の化合物250 mg (1.09 mmol) から調製した酸塩化物、およびトリエチルアミン0.15 mL (1.09 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 2:1) にて精製し、108 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率25%)。
MS (FAB) (m/z): 603 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C34H55N2O7(MH+): 603.4009. Found, 603.4036.
第二工程
(3R,3’R,4’S)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-14-(ピロリジン-3-カルボニル-4-メチル)カルバモイル-4-エピムチリン
実施例12の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物96.0 mg (0.16 mmol)、およびトリフルオロ酢酸 (1.00 mL) を用いて反応を行い、77.5 mgの淡黄色油状物である表題化合物を得た(収率97%)。
MS (FAB) (m/z): 503.6 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H47N2O5(MH+): 503.3485. Found, 503.3455.
第三工程
(3R,3’R,4’S)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-(1-メチルピロリジン-3-カルボニル-4-メチル)カルバモイル-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例3の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物72.2 mg (0.14 mmol)、酢酸34.6 mg (0.58 mmol)、37%ホルムアルデヒド水溶液234 mg (2.88 mmol)、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム122 mg (0.58 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:9、次いで酢酸エチル) にて精製し、47.7 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率64%)。
MS (FAB) (m/z): 517.6 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C30H49N2O5(MH+): 517.3641. Found, 517.3654.
第四工程
(3’R,4’S)-12-デスエテニル-14-(1-メチルピロリジン-3-カルボニル-4-メチル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物39.6 mg (0.077 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:9、次いで酢酸エチル:メタノール = 20:1)にて精製し、30.3 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率79%)。
MS (FAB) (m/z): 503.6 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H47N2O5(MH+): 503.3485. Found, 503.3455.
(実施例17)
(3’R,4’S)-12-デスエテニル-12-(1-プロペン-1-イル)-14-(ピロリジン-3-カルボニル-4-メチル)カルバモイルムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、実施例16の第二工程の化合物500 mg (1.00 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル、次いで酢酸エチル:メタノール = 10:1)にて精製し、258 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率53%)。
MS (FAB) (m/z): 489.7 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C28H45N2O5(MH+): 489.3328. Found, 489.3342.
(実施例18)
第一工程
(3R)-14-[(1-t-ブトキシカルボニルアゼチジン-3-カルボニル)カルバモイル]-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第三工程の方法に従って、実施例10の第二工程の化合物231 mg (0.66 mmol)、シアン酸銀248 mg (1.66 mmol)、1-t-ブトキシカルボニルアゼチジン-3-カルボン酸200 mg (0.99 mmol) から調製した酸塩化物、およびトリエチルアミン0.14 mL (0.99 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 4:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 2:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:1、次いで酢酸エチル) にて精製し、287 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率75%)。
MS (FAB) (m/z): 575.7 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C32H51N2O7(MH+): 575.3696. Found, 575.3728.
第二工程
(3R)-14-[(アゼチジン-3-カルボニル)カルバモイル]-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例12の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物257 mg (0.45 mmol)、およびトリフルオロ酢酸 (1.00 mL) を用いて反応を行い、209 mgの淡黄色粉末状物である表題化合物を得た(収率98%)。
MS (ESI) (m/z): 475.3 (MH+).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C27H43N2O5(MH+):475.31720. Found, 475.31513.
第三工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-[(1-メチルアゼチジン-3-カルボニル)カルバモイル]-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例3の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物187 mg (0.39 mmol)、酢酸94.6 mg (1.58 mmol)、37%ホルムアルデヒド水溶液640 mg (7.88 mmol)、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム334 mg (1.58 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:1、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:4、次いでヘキサン:酢酸エチル = 1:9、次いで酢酸エチル) にて精製し、91.0 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率47%)。
MS (FAB) (m/z): 489.7 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C28H45N2O5(MH+): 489.3328. Found, 489.3374.
第四工程
12-デスエテニル-14-[(1-メチルアゼチジン-3-カルボニル)カルバモイル]-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物79.2 mg (0.16 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:4、次いで酢酸エチル:メタノール = 20:1)にて精製し、23.7 mgの無色粉末状である表題化合物を得た(収率31%)。
MS (FAB) (m/z): 475.6 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C27H43N2O5(MH+): 475.3172. Found, 475.3156.
(実施例19)
第一工程
(3R)-14-(1-t-ブトキシカルボニル-1-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-4-カルボニル)カルバモイル-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第三工程の方法に従って、実施例10の第二工程の化合物232 mg (0.67 mmol)、シアン酸銀250 mg (1.67 mmol)、参考例9のカルボン酸227 mg (1.00 mmol) から調製した酸塩化物、およびトリエチルアミン0.14 mL (1.00 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル = 4:1) にて精製し、195 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率49%)。
MS (FAB) (m/z): 601 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C34H53N2O7(MH+): 601.3853. Found, 601.3816.
第二工程
(3R)-14-(アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-4-カルボニル)カルバモイル-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例12の第二工程の方法に従って、第一工程の化合物188 mg (0.31 mmol)、およびトリフルオロ酢酸712 mg (6.25 mmol) を用いて反応を行い、192 mgの無色粉末状物である粗製の表題化合物を得た。
MS (FAB) (m/z): 501 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H45N2O5(MH+): 501.3328. Found, 501.3294.
第三工程
(3R)-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-(1-メチル-1-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-4-カルボニル)カルバモイル-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例3の第三工程の方法に従って、第二工程の化合物163 mg (0.33 mmol)、酢酸78.2 mg (1.30 mmol)、37%ホルムアルデヒド水溶液528 mg (6.51 mmol)、およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム276 mg (1.30 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル) にて精製し、134 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(2工程収率98%)。
MS (FAB) (m/z): 515 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C30H47N2O5(MH+): 515.3485. Found, 515.3510.
第四工程
12-デスエテニル-14-(1-メチル-1-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-4-カルボニル)カルバモイル-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第三工程の化合物111 mg (0.22 mmol) を用いて反応を行い、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 1:1)にて精製し、83.4 mgの無色粉末状である表題化合物を得た(収率77%)。
MS (FAB) (m/z): 501 (MH+).
HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C29H45N2O5(MH+): 501.3328. Found, 501.3336.
(実施例20)
第一工程
(3R)-エキソ-3-デオキソ-11-デオキシ-12-デスエテニル-3-メトキシ-14-{(8’-メチル-8’-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボニル)カルバモイル}-11-オキソ-12-(1-プロペン-1-イル)-4-エピムチリン
実施例1の第三工程の方法に従って、実施例10の第二工程の化合物419 mg (1.20 mmol)、シアン酸銀450 mg (3.00 mmol)、8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボン酸塩酸塩370 mg (1.80 mmol) から調製した酸塩化物、およびトリエチルアミン0.25 mL (1.80 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、ヘキサン:酢酸エチル = 4:1 、ついで酢酸エチル;メタノール = 20:1)にて精製し、208 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率32%)。
MS (ESI) (m/z): 543.4 (MH+).
HRMS (ESI) (m/z): Calcd. for C32H51N2O5 (MH+): 543.37980. Found, 543.38026.
第二工程
12-デスエテニル-14-{(8’-メチル-8’-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-カルボニル)カルバモイル}-12-(1-プロペン-1-イル)ムチリン
実施例1の第四工程の方法に従って、第一工程の化合物191 mg (0.35 mmol) を用いて反応を行い、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル、次いで酢酸エチル:メタノール = 20:1)にて精製し、120 mgの無色粉末状物である表題化合物を得た(収率65%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.71 (d, J= 6.7 Hz, 3H), 0.98 (d, J = 6.7 Hz, 3H), 1.05-1.20 (m, 1H), 1.30-1.84 (m, 20H), 1.87-2.12 (m, 7H), 2.13-2.45 (m, 6H), 3.22 (s, 2H), 3.27-3.41 (m, 2H), 5.56 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.65-5.80 (m, 2H), 7.27 (s, 1H).
MS (ESI) (m/z): 529.4 (MH+).
(試験例)
MIC [最小発育阻止濃度 (MIC, minimum inhibitory concentration)]の測定は、NCCLS寒天平板希釈法 (Methods for dilution antimicrobial susceptibility tests for bacteria that grow aerobically; approved standard-sixth edition. NCCLS. 2003, M7-A6, Vol. 23 (No. 2).) に準じて行った。
その結果、本発明化合物が優れた抗菌活性を有することを見出した。
本発明の12位置換ムチリン誘導体は、各種耐性菌を含むグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して強力かつ幅広い抗菌作用を示すので感染症治療薬として有用である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)
    (式中、R1は水素原子、ホルミル基、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいプロペニル基、置換されていてもよいプロピニル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Aは下記一般式(I)
    (式中、R2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Qは置換されていてもよい窒素原子、酸素原子、または硫黄原子を表す)を表し、Bは下記一般式(II)
    (式中、R3は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、芳香環が置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよい芳香族複素環、置換されていてもよい芳香環、置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基、芳香環が置換されていてもよいアリールスルホニル基または窒素原子の保護基を表し、R4は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいフェニル基を表し、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fは同一若しくは相異なって水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルコキシ基、芳香環が置換されていてもよいアラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいチオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、Cyは置換されていてもよいフェニル基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、R6は置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基またはカルボキシル基を表し、mおよびnは0から2の整数を表す)で示されるムチリン誘導体またはそれらの酸付加塩類。
  2. 一般式(1)において、R1が置換されていてもよいプロペニル基または置換されていてもよいプロピニル基である請求項1記載のムチリン誘導体またはそれらの酸付加塩類。
  3. 一般式(1)において、Aが
    (式中、R2は前記と同じ)であり、Bが
    (式中、R3、R4、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fは前記と同じ)である請求項1または2記載のムチリン誘導体またはそれらの酸付加塩類。
  4. 下記一般式(1-1)
    (式中、R1は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいプロペニル基、置換されていてもよいプロピニル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Aは下記一般式(I)
    (式中、R2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Qは置換されていてもよい窒素原子、酸素原子または硫黄原子を表す)を表し、Bは下記一般式(II)
    (式中、R3は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、芳香環が置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよい芳香族複素環、置換されていてもよい芳香環、置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基、芳香環が置換されていてもよいアリールスルホニル基または窒素原子の保護基を表し、R4は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいフェニル基を表し、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fはは同一若しくは相異なって水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルコキシ基、芳香環が置換されていてもよいアラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいチオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、Cyは芳香環が置換されていてもよいフェニル基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、R6は置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基またはカルボキシル基を表し、R7は水酸基の保護基を表し、mおよびnは0から2の整数を表す)で示されるムチリン誘導体またはそれらの酸付加塩類。
  5. 下記一般式(1-2)
    (式中、R1は水素原子、ホルミル基、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいプロペニル基、置換されていてもよいプロピニル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Aは下記一般式(I)
    (式中、R2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいアラルキル基を表し、Qは置換されていてもよい窒素原子、酸素原子、または硫黄原子を表す)を表し、Bは下記一般式(II)
    (式中、R3は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、芳香環が置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよい芳香族複素環、置換されていてもよい芳香環、置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基、芳香環が置換されていてもよいアリールスルホニル基または窒素原子の保護基を表し、R4は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基または芳香環が置換されていてもよいフェニル基を表し、R5a、R5b、R5c、R5d、R5eおよびR5fは同一若しくは相異なって水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルコキシ基、芳香環が置換されていてもよいアラルキルオキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい水酸基、置換されていてもよいチオール基、低級アシルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボキサミド基、ニトロ基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、Cyは芳香環が置換されていてもよいフェニル基、1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む脂肪族複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい5〜14員環のO、NおよびSからなる群より選ばれるヘテロ原子を1つ以上含む芳香族複素環を表し、R6は置換されていてもよい低級アルコキシカルボニル基またはカルボキシル基を表し、R7は水酸基の保護基を表し、mおよびnは0から2の整数を表す)で示されるムチリン誘導体またはそれらの酸付加塩類。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のムチリン誘導体またはそれらの酸付加塩類を有効成分として含有する感染症治療薬。









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