JP2009215255A - ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体とその付加塩及びそれらを有効成分とするpde阻害剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤として有用なビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体とその付加塩並びに水和物に関する。
ホスホジエステラーゼ(PDE)は生体内のセカンドメッセンジャーである環状AMP(cAMP)及び環状GMP(cGMP)を分解する酵素である。現在までに、PDE1〜PDE11までの異性体が見つかっており、各異性体の基質特異性や組織分布の違いなどにより様々な細胞反応がコントロールされていると考えられている。
PDE4が気道平滑筋及び炎症細胞におけるcAMP分解の一因であることが示されて以来、PDE4阻害剤の開発はこれまでに数多く行われており、PDE4阻害剤は気管支喘息の治療薬として開発されている他、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病、炎症性大腸炎、アルツハイマー、認知症、パーキンソン病及びうつ病などの治療薬としても期待されている。
PDE阻害作用を有するシクロヘキサン誘導体が特許文献1,2,3及び4に開示されているが、本出願化合物の特徴でもあるビシクロヘキサン環を有する化合物は含まれていない。
ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-カルボン酸誘導体がわずかに知られているが、薬理作用や医薬用途に関しては何ら報告は無かった。(非特許文献1)
WO9319749号パンフレット
WO9923077号パンフレット
特開2005−255641号公報
特開2006−45245号公報
Bull. Soc. Chim. France1984 (5−6, Pt. 2) 217−26.
PDE4が気道平滑筋及び炎症細胞におけるcAMP分解の一因であることが示されて以来、PDE4阻害剤の開発はこれまでに数多く行われており、PDE4阻害剤は気管支喘息の治療薬として開発されている他、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病、炎症性大腸炎、アルツハイマー、認知症、パーキンソン病及びうつ病などの治療薬としても期待されている。
PDE阻害作用を有するシクロヘキサン誘導体が特許文献1,2,3及び4に開示されているが、本出願化合物の特徴でもあるビシクロヘキサン環を有する化合物は含まれていない。
ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-カルボン酸誘導体がわずかに知られているが、薬理作用や医薬用途に関しては何ら報告は無かった。(非特許文献1)
本発明の目的は、優れたPDE阻害活性を有する化合物、または薬理学的に許容されるその塩を提供することにある。
本発明者らは、PDE阻害活性を有する新規な化合物の探索を重ねた結果、ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩が、優れたPDE阻害活性を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は
1)一般式(1)
1)一般式(1)
[式中、R1は、水素原子、置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基、置換されていてもよいC3〜C7のシクロアルキル基または置換されていてもよい脂肪族ヘテロ環を示し、
R2は、水素原子または置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基を示し、
R3 及びR4は、同一または異なって、水素原子またはメチル基を示し、
R5は、シアノ基またはアミド基を示し、
R6、R7、R8、R9及びR10は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6のアルキルチオ基またはOR11(R11は置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基、置換されていてもよいC3〜C7のシクロアルキル基、または置換されていてもよいアリール基)を示すか、あるいはR6およびR7、R7およびR8、R8およびR9、またはR9およびR10は、互いに結合して環を形成する。
で表されるビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩、
2)一般式(1)においてR5がシアノ基である上記1)記載の化合物
3)一般式(1)で表される化合物が(1α,3β,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン、(1α,3β,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸、(1α,3α,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン若しくは(1α,3α,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸または薬理学的に許容されるその塩である上記1)記載の化合物、
4)上記1)〜3)のいずれかに記載のビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩を有効成分として含有する医薬、
5)上記1)〜3)のいずれかに記載のビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩を有効成分として含有するPDE阻害剤、
6)上記1)〜3)のいずれかに記載のビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩を有効成分とするPDEが関与する疾患の治療剤、に関する。
R2は、水素原子または置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基を示し、
R3 及びR4は、同一または異なって、水素原子またはメチル基を示し、
R5は、シアノ基またはアミド基を示し、
R6、R7、R8、R9及びR10は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6のアルキルチオ基またはOR11(R11は置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基、置換されていてもよいC3〜C7のシクロアルキル基、または置換されていてもよいアリール基)を示すか、あるいはR6およびR7、R7およびR8、R8およびR9、またはR9およびR10は、互いに結合して環を形成する。
で表されるビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩、
2)一般式(1)においてR5がシアノ基である上記1)記載の化合物
3)一般式(1)で表される化合物が(1α,3β,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン、(1α,3β,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸、(1α,3α,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン若しくは(1α,3α,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸または薬理学的に許容されるその塩である上記1)記載の化合物、
4)上記1)〜3)のいずれかに記載のビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩を有効成分として含有する医薬、
5)上記1)〜3)のいずれかに記載のビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩を有効成分として含有するPDE阻害剤、
6)上記1)〜3)のいずれかに記載のビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩を有効成分とするPDEが関与する疾患の治療剤、に関する。
本発明の化合物は優れたPDE阻害活性を有し、PDEが関与する疾患(例えば、COPD、間質性肺炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、間接リウマチ、多発性硬化症、クローン病、炎症性大腸炎、アルツハイマー、認知症、パーキンソン病、うつ病など)の予防、治療剤に有用である。
置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基とは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C1〜C6のアルコキシ基、アリールオキシ基、C1〜C6のアルキルカルボニル基、C1〜C6のアルコキシカルボニル基、C1〜C6のアルキルチオ基、アミノ基、モノまたはジ置換のC1〜C6のアルキルアミノ基、1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4〜9員の環状アミノ基、ホルミルアミノ基、C1〜C6のアルキルカルボニルアミノ基、C1〜C6のアルコキシカルボニルアミノ基、C1〜C6のアルキルスルホニルアミノ基およびアリールスルホニルアミノ基からなる群より選ばれた1〜5個の置換基を有していてもよいC1〜C6のアルキル基(例えば、メチル基、シクロプロピルメチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、ブチル基、t−ブチル基またはヘキシル基など)を意味する。
置換されていてもよいC3〜C7のシクロアルキル基とは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C1〜C6のアルコキシ基、アリールオキシ基、C1〜C6のアルキルカルボニル基、C1〜C6のアルコキシカルボニル基、C1〜C6のアルキルチオ基、アミノ基、モノまたはジ置換のC1〜C6のアルキルアミノ基、1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4〜9員の環状アミノ基、ホルミルアミノ基、C1〜C6のアルキルカルボニルアミノ基、C1〜C6のアルコキシカルボニルアミノ基、C1〜C6のアルキルスルホニルアミノ基およびアリールスルホニルアミノ基からなる群より選ばれた1〜5個の置換基を有していてもよいC3〜C7のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基など)を意味する。
置換されていてもよいアリール基とは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のアルキルチオ基、アミノ基、モノまたはジ置換のC1〜C6のアルキルアミノ基、1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4〜9員の環状アミノ基、ホルミルアミノ基、C1〜C6のアルキルカルボニルアミノ基、C1〜C6のアルキルスルホニルアミノ基およびアリールスルホニルアミノ基からなる群より選ばれた1〜5個の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環など)を意味する。
置換されていてもよいアリール基とは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のアルキルチオ基、アミノ基、モノまたはジ置換のC1〜C6のアルキルアミノ基、1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4〜9員の環状アミノ基、ホルミルアミノ基、C1〜C6のアルキルカルボニルアミノ基、C1〜C6のアルキルスルホニルアミノ基およびアリールスルホニルアミノ基からなる群より選ばれた1〜5個の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環など)を意味する。
置換されていてもよい脂肪族へテロ環とは、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいC1〜C6のアルコキシ基、C1〜C6のアルキルチオ基、アミノ基、モノまたはジ置換の置換されていてもよいC1〜C6のアルキルアミノ基、1〜3個のヘテロ原子を含んでいてもよい4〜9員の環状アミノ基、ホルミルアミノ基、C1〜C6のアルキルカルボニルアミノ基、C1〜C6のアルコキシカルボニルアミノ基、C1〜C6のアルキルスルホニルアミノ基およびアリールスルホニルアミノ基からなる群より選ばれた1〜5個の置換基を有していてもよい脂肪族へテロ環を意味する。好ましくは、窒素原子、酸素原子または硫黄原子の中から任意に選ばれた1〜3個のヘテロ原子を含む4〜7員の脂肪族単環式複素環または9〜10員の脂肪族縮合複素環であり、例えばアゼチジン環、ピロリジン環、テトラヒドロフラン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、テトラヒドロピラン環が挙げられる。
R6及びR7、R7及びR8、R8及びR9、R9及びR10は互いに結合して形成する環としては、ベンゼン環、1、3−ジオキソラン環、フラン環、テトラヒドロフラン環、ピロール環、ピロリジン環、ピリジン環、ピペリジン環またはピリミジン環が挙げられる。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
本発明化合物が薬理学的に許容される塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸または燐酸などの無機酸、または酢酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、パルミチン酸またはトリフルオロ酢酸などの有機酸との塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩または亜鉛塩などの金属塩、アンモニウム塩及びテトラメチルアンモニウム塩などのアンモニウム塩、モルホリン、およびピペリジンなどとの有機アミン塩またはグリシン、リジン、アルギニン、フェニルアラニンまたはプロリンなどのアミノ酸との付加塩が例示できる。
上記一般式(1)で表される本発明化合物またはその塩には、1個または2個以上の不斉中心に基づく複数の光学異性体が存在し得るが、本発明はこれらの光学異性体もしくはジアステレオ異性体のいずれをも含み、またそれらの任意の比率を示す混合物またはラセミ体をも含むものである。また、上記一般式(1)で表される本発明化合物またはその塩に二重結合を含む場合には、その配置はZまたはEのいずれであってもよく、これらの任意の比率を示す混合物をも本発明に含まれる。さらには、上記一般式(1)で表される本発明化合物またはその塩の中には互変異性体や回転異性体が存在し得るものがあるが、それぞれの異性体およびそれらの任意の比率を示す混合物をも本発明に含まれる。
上記一般式(1)で表される本発明化合物またはその塩は、分子内塩や付加物、それらの溶媒和物あるいは水和物などのいずれも含むものである。
次に、本発明化合物およびその塩の代表的な製造工程について説明する。
本発明の化合物を製造する概括的工程は、工程図Iに詳記される。工程図Iに描かれている化学的変換は、一つの可能な一連の工程であって、本発明の化合物の製造に関して限定するものではない。
第一工程
本工程は一般式(2)(式中、R2、R3及びR4は前記定義と同じ)で表されるシクロペンテンカルボン酸誘導体をエステル化またはアルキル化して一般式(3) (式中、R2、R3及びR4は前記定義と同じ、R12は置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、置換されていてもよいC3〜C7のシクロアルキル基、または置換されていてもよい脂肪族へテロ環を示す) で表されるシクロペンテンカルボン酸エステルを製造する工程である。エステル化により製造する場合、一般式(2)で表されるシクロペンテンカルボン酸誘導体とR12OH(式中、R12は前記定義と同じ)で表されるアルコール誘導体を酸または縮合剤の存在下でエステル化して、一般式(3)で表されるシクロペンテンカルボン酸エステルを製造する。本工程のエステル化で使用する酸としては、塩酸、硫酸などの鉱酸類、p-トルエンスルホン酸などのスルホン酸類あるいは三フッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸が挙げられる。また縮合剤としてはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、3-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ジメチルイミダゾリニウムクロリド(DMC)、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチルまたはピバロイルクロリドなどが挙げられ、これらは固体状、液体状または適当な溶媒に溶かした溶液として添加される。本エステル化反応において塩基を使用する場合には、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどのアルカリ炭酸塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンまたは1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレンなどの3級アミン類が例示できる。またエステル化反応は酸クロライドあるいは1-イミダゾリル基、4-ニトロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、コハクイミドイルオキシ基または1-ベンゾトリアゾリルオキシ基または1-ベンゾトリアゾリル-3-オキシド基を有する活性エステルを経由しても実施することができ、この酸クロライドや活性エステルは単離精製して次工程に用いることも、単離せず粗製のまま次工程に用いることもできる。本反応で用いる溶媒としては反応に関与しない不活性な溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドまたはジメチルスルホキシドなどが挙げられる。本反応は-20℃〜150℃で円滑に進行する。
本工程は一般式(2)(式中、R2、R3及びR4は前記定義と同じ)で表されるシクロペンテンカルボン酸誘導体をエステル化またはアルキル化して一般式(3) (式中、R2、R3及びR4は前記定義と同じ、R12は置換されてもよいC1〜C6のアルキル基、置換されていてもよいC3〜C7のシクロアルキル基、または置換されていてもよい脂肪族へテロ環を示す) で表されるシクロペンテンカルボン酸エステルを製造する工程である。エステル化により製造する場合、一般式(2)で表されるシクロペンテンカルボン酸誘導体とR12OH(式中、R12は前記定義と同じ)で表されるアルコール誘導体を酸または縮合剤の存在下でエステル化して、一般式(3)で表されるシクロペンテンカルボン酸エステルを製造する。本工程のエステル化で使用する酸としては、塩酸、硫酸などの鉱酸類、p-トルエンスルホン酸などのスルホン酸類あるいは三フッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸が挙げられる。また縮合剤としてはジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、3-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ジメチルイミダゾリニウムクロリド(DMC)、クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチルまたはピバロイルクロリドなどが挙げられ、これらは固体状、液体状または適当な溶媒に溶かした溶液として添加される。本エステル化反応において塩基を使用する場合には、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどのアルカリ炭酸塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンまたは1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレンなどの3級アミン類が例示できる。またエステル化反応は酸クロライドあるいは1-イミダゾリル基、4-ニトロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、コハクイミドイルオキシ基または1-ベンゾトリアゾリルオキシ基または1-ベンゾトリアゾリル-3-オキシド基を有する活性エステルを経由しても実施することができ、この酸クロライドや活性エステルは単離精製して次工程に用いることも、単離せず粗製のまま次工程に用いることもできる。本反応で用いる溶媒としては反応に関与しない不活性な溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドまたはジメチルスルホキシドなどが挙げられる。本反応は-20℃〜150℃で円滑に進行する。
アルキル化により製造する場合、一般式(2)で表されるシクロペンテンカルボン酸誘導体とR12Y(式中、YはCl、Br、I、OMs、OTsまたはOTfを表し、R12は前記定義と同じ)を塩基の存在下または非存在下で反応させて、一般式(3) で表されるシクロペンテンカルボン酸エステルを製造する。本反応で塩基を使用する場合には、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどのアルカリ炭酸塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレンまたはフォスファゼンベースなどの3級アミン類が例示できる。本反応に触媒を用いる場合にはテトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウムなどの相関移動触媒または無機塩が例示できる。本反応で用いる溶媒としては反応に関与しない不活性な溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドまたはジメチルスルホキシドなどが挙げられる。本反応は-20℃〜150℃で円滑に進行する。
続いての変換のためにはエステル基としてはt-ブチルエステル又は第三級アルキルエステルの使用が好ましい。これらのエステルは酸塩化物又は混合酸無水物をその場で形成し、そして得られる活性化された酸をt-ブタノールのごとき第三級アルコールと反応させて所望の第三級エステルを形成することにより作製することができる。アルキル酢酸の活性化のための好ましい反応剤としては、シュウ酸塩化物、チオニルクロリド、ジ-t-ブチルジカーボネートがあげられる。
第二工程
本工程は一般式(3) で表されるエステル誘導体に、酸化剤を反応させて一般式(4) (式中、R2、R3、R4及びR12は前記定義と同じ)で表されるジオール体を製造する工程である。本反応に使用する酸化剤としては、四酸化オスミウム、オスミウム酸、過マンガン酸カリウム、触媒量の四酸化オスミウムとN-メチルモルホリン-N-オキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、過酸化水素、過塩素酸ナトリウムなどの共酸化剤との組み合わせ、過酢酸、過ギ酸、過トリフルオロ酢酸、O-スルホ過安息香酸、ペルオキシフタル酸、モノペルオキシフタル酸、モノペルオキシコハク酸、ジスクシノイルペルオキシドなどの有機過酸またはその塩、五酸化パナジウム、二酸化セレン、タングステン酸などの金属酸化物と過酸化水素の組み合わせまたは酢酸銀や安息香酸銀とヨウ素の組み合わせなどが挙げられる。本反応に触媒を用いる場合には、テトラメチルアンモニウム塩類、テトラエチルアンモニウム塩類、テトラブチルアンモニウム塩類、ベンジルトリメチルアンモニウム塩類等の4級アンモニウム塩類、テトラメチルホスホニウム塩類、メチルトリフェニルホスホニウム塩類等のホスホニウム塩類またはクラウンエーテル類などの相関移動触媒が挙げられる。本反応で用いる溶媒としては反応に関与しない不活性な溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸または水などが挙げられる。これらの溶媒は単独であるいは混合して用いられる。本反応は-50℃〜150℃で円滑に進行し、好ましくは-20℃〜100℃で行うことができる。一般式(4)で表される化合物に立体異性体が生ずる場合には、例えば分別結晶、クロマトグラフィー法など公知の方法により互いに分離することができる。
本工程は一般式(3) で表されるエステル誘導体に、酸化剤を反応させて一般式(4) (式中、R2、R3、R4及びR12は前記定義と同じ)で表されるジオール体を製造する工程である。本反応に使用する酸化剤としては、四酸化オスミウム、オスミウム酸、過マンガン酸カリウム、触媒量の四酸化オスミウムとN-メチルモルホリン-N-オキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、過酸化水素、過塩素酸ナトリウムなどの共酸化剤との組み合わせ、過酢酸、過ギ酸、過トリフルオロ酢酸、O-スルホ過安息香酸、ペルオキシフタル酸、モノペルオキシフタル酸、モノペルオキシコハク酸、ジスクシノイルペルオキシドなどの有機過酸またはその塩、五酸化パナジウム、二酸化セレン、タングステン酸などの金属酸化物と過酸化水素の組み合わせまたは酢酸銀や安息香酸銀とヨウ素の組み合わせなどが挙げられる。本反応に触媒を用いる場合には、テトラメチルアンモニウム塩類、テトラエチルアンモニウム塩類、テトラブチルアンモニウム塩類、ベンジルトリメチルアンモニウム塩類等の4級アンモニウム塩類、テトラメチルホスホニウム塩類、メチルトリフェニルホスホニウム塩類等のホスホニウム塩類またはクラウンエーテル類などの相関移動触媒が挙げられる。本反応で用いる溶媒としては反応に関与しない不活性な溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸または水などが挙げられる。これらの溶媒は単独であるいは混合して用いられる。本反応は-50℃〜150℃で円滑に進行し、好ましくは-20℃〜100℃で行うことができる。一般式(4)で表される化合物に立体異性体が生ずる場合には、例えば分別結晶、クロマトグラフィー法など公知の方法により互いに分離することができる。
第三工程
本工程は、一般式(4)で表されるジオール体に塩基の存在下あるいは非存在下でチオニルクロリドを反応させて一般式(5) (式中、R2、R3、R4及びR12は前記定義と同じ)で表される環状亜硫酸エステル誘導体を製造する工程である。本反応に塩基を用いる場合にはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンまたは1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレンなどの3級アミン類が挙げられる。また、上記反応に使用できる溶媒としては反応に影響を及ぼさないものであればいずれでも使用することができ、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類が挙げられる。本反応は-20℃〜100℃で円滑に進行し、好ましくは0℃〜50℃で行うことができる。一般式(5) で表される環状亜硫酸エステル誘導体は、単離精製して次工程に用いることも、単離せずに粗製のまま次工程に用いることもできる。
本工程は、一般式(4)で表されるジオール体に塩基の存在下あるいは非存在下でチオニルクロリドを反応させて一般式(5) (式中、R2、R3、R4及びR12は前記定義と同じ)で表される環状亜硫酸エステル誘導体を製造する工程である。本反応に塩基を用いる場合にはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジンまたは1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレンなどの3級アミン類が挙げられる。また、上記反応に使用できる溶媒としては反応に影響を及ぼさないものであればいずれでも使用することができ、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類が挙げられる。本反応は-20℃〜100℃で円滑に進行し、好ましくは0℃〜50℃で行うことができる。一般式(5) で表される環状亜硫酸エステル誘導体は、単離精製して次工程に用いることも、単離せずに粗製のまま次工程に用いることもできる。
第四工程
本工程は、一般式(5)で表される環状亜硫酸エステル誘導体を酸化して一般式(6) (式中、R2、R3、R4及びR12は前記定義と同じ)で表される環状硫酸エステルを製造する工程である。本工程で使用する酸化剤としては、過酸化水素、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、3-クロル過安息香酸、モノパーオキシフタル酸マグネシウム、カロ酸のトリプル塩(KHSO5×KHSO4×KSO4)、四酸化ルテニウム、過ホウ酸塩、過ヨウ素酸塩、硝酸アシル、t-ブチルヒドロペルオキシド、ジメチルジオキシラン、次亜塩素酸塩、硝酸アンモニウムセリウム、N-スルホニルオキサジリジン、亜臭素酸ナトリウムまたは過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。本反応で用いる溶媒としては反応に関与しない不活性な溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドまたは水などが挙げられる。これらの溶媒は単独であるいは混合して用いられる。本反応は-20℃〜100℃で円滑に進行し、好ましくは0℃〜50℃で行うことができる。一般式(6)で表される環状硫酸エステル誘導体の立体異性体は、通常の方法、例えば分別結晶、クロマトグラフィー法などにより互いに分離することができる。
本工程は、一般式(5)で表される環状亜硫酸エステル誘導体を酸化して一般式(6) (式中、R2、R3、R4及びR12は前記定義と同じ)で表される環状硫酸エステルを製造する工程である。本工程で使用する酸化剤としては、過酸化水素、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、3-クロル過安息香酸、モノパーオキシフタル酸マグネシウム、カロ酸のトリプル塩(KHSO5×KHSO4×KSO4)、四酸化ルテニウム、過ホウ酸塩、過ヨウ素酸塩、硝酸アシル、t-ブチルヒドロペルオキシド、ジメチルジオキシラン、次亜塩素酸塩、硝酸アンモニウムセリウム、N-スルホニルオキサジリジン、亜臭素酸ナトリウムまたは過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。本反応で用いる溶媒としては反応に関与しない不活性な溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドまたは水などが挙げられる。これらの溶媒は単独であるいは混合して用いられる。本反応は-20℃〜100℃で円滑に進行し、好ましくは0℃〜50℃で行うことができる。一般式(6)で表される環状硫酸エステル誘導体の立体異性体は、通常の方法、例えば分別結晶、クロマトグラフィー法などにより互いに分離することができる。
第五工程
本工程は、一般式(6) で表される環状硫酸エステル誘導体と一般式(7) (式中、R6、R7、R8、R9及びR10は前記定義と同じ)で表されるフェニルアセトニトリル誘導体を塩基の存在下反応させることにより一般式(1)(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10は前記定義と同じ)で表されるビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-カルボン酸誘導体の製造方法である。本反応で使用される塩基としては、例えば水素化ナトリウムなどの金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシドなどのアルコキシド類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミドまたはナトリウムビストリメチルシリルアミドなどの金属アミド類などが挙げられる。本反応で用いる溶媒としては反応に関与しない不活性な溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。これらの溶媒は単独であるいは混合して用いられる。本反応は-78℃〜150℃で円滑に進行し、好ましくは-20℃〜100℃で行うことができる。
また、一般式(1)で表される化合物は必要に応じてエステル基を除去しカルボン酸体に変換することができる。エステル基の除去は公知の方法で実施することができる。例えばR1がt-ブチル基、テトラヒドロピラニル基の場合には、メチレンクロリドの如き非極性溶剤中で酢酸、塩酸、トリフルオロ酢酸またはp-トルエンスルホン酸などの酸やモンモリロナイトKSFのような酸性粘土鉱物を用いることで容易に除去することができる。またR1がベンジル基である場合、パラジウム炭素と水素やパラジウム炭素と蟻酸アンモニウムの組み合わせによる方法で容易に除去することができる。
本工程は、一般式(6) で表される環状硫酸エステル誘導体と一般式(7) (式中、R6、R7、R8、R9及びR10は前記定義と同じ)で表されるフェニルアセトニトリル誘導体を塩基の存在下反応させることにより一般式(1)(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、及びR10は前記定義と同じ)で表されるビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-カルボン酸誘導体の製造方法である。本反応で使用される塩基としては、例えば水素化ナトリウムなどの金属水素化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシドなどのアルコキシド類、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミド、カリウムビストリメチルシリルアミドまたはナトリウムビストリメチルシリルアミドなどの金属アミド類などが挙げられる。本反応で用いる溶媒としては反応に関与しない不活性な溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルなどのエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。これらの溶媒は単独であるいは混合して用いられる。本反応は-78℃〜150℃で円滑に進行し、好ましくは-20℃〜100℃で行うことができる。
また、一般式(1)で表される化合物は必要に応じてエステル基を除去しカルボン酸体に変換することができる。エステル基の除去は公知の方法で実施することができる。例えばR1がt-ブチル基、テトラヒドロピラニル基の場合には、メチレンクロリドの如き非極性溶剤中で酢酸、塩酸、トリフルオロ酢酸またはp-トルエンスルホン酸などの酸やモンモリロナイトKSFのような酸性粘土鉱物を用いることで容易に除去することができる。またR1がベンジル基である場合、パラジウム炭素と水素やパラジウム炭素と蟻酸アンモニウムの組み合わせによる方法で容易に除去することができる。
上記一般式(1)で表される化合物またはその塩は、WO2006/095666号公報実験例1記載の方法により優れたホスホジエステラーゼ阻害活性が認められる。
上記一般式(1)で表される化合物またはその塩は、単独でまたは一種以上の製剤上許容される補助剤と共に医薬組成物として用いることができ、薬理学上許容される担体、賦形剤(例えば、デンプン、乳糖、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムタルクまたはステアリン酸など)、結合剤(例えば、デンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルピロリドンまたはアルギン酸など)、崩壊剤(例えば、タルク、またはカルボキシメチルセルロースカルシウムなど)、希釈剤(例えば、生理食塩水、グルコース、マンニトール、またはラクトースなどの水溶液など)などと混合し、通常の方法により錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、細粒剤、アンプル剤または注射剤などの形態で経口的または非経口的に投与することができる。投与量は上記一般式(1)で表される本発明化合物またはその塩の種類、投与方法、患者の年齢、体重、症状などにより異なるが、通常、人を含む哺乳動物に対して上記一般式(1)で表される本発明化合物またはその塩として0.0001〜1000mg/kg/日である。投与は例えば1日1回または数回に分割して投与する。
さらに本発明を実施例によりに具体的に説明するが、これら実施例によって本発明が限定されるものではない。
実施例1
1-(t-ブトキシカルボニル)-3-シクロペンテン
実施例1
1-(t-ブトキシカルボニル)-3-シクロペンテン
市販の3-シクロペンテンカルボン酸(400g)、4-ジメチルアミノピリジン(43.6g)のt-ブタノール(3.80L)溶液に、ジ-t-ブチルジカーボネート(818g)をt-ブタノール(200mL)に溶解した溶液を室温にて添加し、混合物を同温度で5分攪拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を減圧蒸留(72oC/13mmHg)することで無色油状の1-(t-ブトキシカルボニル)-3-シクロペンテン(537g)を得た。
MS (EI+): m/z = 168 (M+H).
1H-NMR(CDCl3):
δ 1.45 (9H, s), 2.60 (4H, d, J=8.6 Hz), 3.02 (1H, m),
5.65 (1H, s).
MS (EI+): m/z = 168 (M+H).
1H-NMR(CDCl3):
δ 1.45 (9H, s), 2.60 (4H, d, J=8.6 Hz), 3.02 (1H, m),
5.65 (1H, s).
実施例2
1-(t-ブトキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシシクロペンタン
1-(t-ブトキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシシクロペンタン
1-(t-ブトキシカルボニル)-3-シクロペンテン(5.00g)をテトラヒドロフラン(31mL)及びt-ブタノール(19mL)に溶解した溶液に、N-メチルモルホリン-N-オキシド(9.29mL)を水(3.3mL)に溶解した溶液及び4%四酸化オスミウムのt-ブタノール溶液(9.29mL)を室温にて添加し、混合物を還流下で2.5時間攪拌した。反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、無色油状の1-(t-ブトキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシシクロペンタン(5.80g, シン:アンチ=1:8)を得た。
MS (CI+): m/z = 203 (M+H).
1H-NMR(CDCl3):
δ 1.44 (9H, s), 1.46 (1H, s),1.92-2.09 (4H, m), 2.13-2.21
(0H, m), 2.45 (2H, d, J = 3.7 Hz), 2.72-2.80 (0H, m), 2.99-3.08 (1H, m),
3.98-4.06 (0H, m), 4.15-4.22 (2H, m).
MS (CI+): m/z = 203 (M+H).
1H-NMR(CDCl3):
δ 1.44 (9H, s), 1.46 (1H, s),1.92-2.09 (4H, m), 2.13-2.21
(0H, m), 2.45 (2H, d, J = 3.7 Hz), 2.72-2.80 (0H, m), 2.99-3.08 (1H, m),
3.98-4.06 (0H, m), 4.15-4.22 (2H, m).
実施例3
7-t-ブトキシカルボニル-2,4-ジオキサ-3-チアビシクロ[3.3.0]オクタン-3,3-ジオキサイド
7-t-ブトキシカルボニル-2,4-ジオキサ-3-チアビシクロ[3.3.0]オクタン-3,3-ジオキサイド
1-(t-ブトキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシシクロペンタン(260g)の塩化メチレン(3.70L)及びトリエチルアミン(713mL)溶液に、チオニルクロリド(140mL)を塩化メチレン(660mL)に溶解した溶液を氷冷にて添加し、混合物を室温にて15分攪拌した。混合物を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。次いで減圧下で濃縮して、7-t-ブトキシカルボニル-2,4-ジオキサ-3-チアビシクロ[3.3.0]オクタン-3-オキサイドを得た。これを精製することなく次の工程に用いた。このようにして得られた7-t-ブトキシカルボニル-2,4-ジオキサ-3-チアビシクロ[3.3.0]オクタン-3-オキサイド(359g)の四塩化炭素(1.50L)及びアセトニトリル(1.50L)溶液に、三塩化ルテニウム水和物(2.66g)及び過ヨウ素酸ナトリウム(548g)を水(1.50L)に溶解した溶液を室温にて添加し、混合物を同温度で1時間攪拌した。1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム(4.89L)の添加によって反応を停止した後、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=7:4)で精製し、無色粉末の7-t-ブトキシカルボニル-2,4-ジオキサ-3-チアビシクロ[3.3.0]オクタン-3,3-ジオキサイド(388 g シス:トランス = 1:11)を得た。
(1α,5α,7α)-7-t-ブトキシカルボニル-2,4-ジオキサ-3-チアビシクロ[3.3.0]オクタン-3,3-ジオキサイド
MS (CI+): m/z = 265 (M+H).
1H-NMR(CDCl3):
δ1.47 (9H, s), 2.17-2.32 (2H, m),2.62-2.67 (2H, m),
2.84-2.90 (1H, m), 5.20-5.24 (2H, m).
(1α,5α,7β)-7-t-ブトキシカルボニル-2,4-ジオキサ-3-チアビシクロ[3.3.0]オクタン-3,3-ジオキサイド
MS (CI+): m/z = 265 (M+H).
1H-NMR(CDCl3):
δ 1.45 (9H, s), 2.04-2.15 (2H, m),2.41-2.47 (2H, m),
3.21-3.30 (1H, m), 5.34-5.37 (2H, m).
MS (CI+): m/z = 265 (M+H).
1H-NMR(CDCl3):
δ1.47 (9H, s), 2.17-2.32 (2H, m),2.62-2.67 (2H, m),
2.84-2.90 (1H, m), 5.20-5.24 (2H, m).
(1α,5α,7β)-7-t-ブトキシカルボニル-2,4-ジオキサ-3-チアビシクロ[3.3.0]オクタン-3,3-ジオキサイド
MS (CI+): m/z = 265 (M+H).
1H-NMR(CDCl3):
δ 1.45 (9H, s), 2.04-2.15 (2H, m),2.41-2.47 (2H, m),
3.21-3.30 (1H, m), 5.34-5.37 (2H, m).
実施例4
(1α,3β,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン
(1α,3β,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン
(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)アセトニトリル(365mg)及び(1α,5α,7β)-7-t-ブトキシカルボニル-2,4-ジオキサ-3-チアビシクロ[3.3.0]オクタン-3,3-ジオキサイド(500mg)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、別途調製(ジイソプロピルアミン(487ul)のテトラヒドロフラン(20mL)にn-ブチルリチウム2.67Mヘキサン溶液(1.30mL)を-78℃にて添加した溶液)した溶液を氷冷下添加し、40℃で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液の添加によって反応を停止した後、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、黄色油状の(1α,3β,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン(500 mg)を得た。
MS (ESI+): m/z = 398 (M+H).
HRMS (ESI+) C24H32NO4
(M+H)として
計算値 398.2331
実測値 398.2336.
1H-NMR(CDCl3):
δ 1.46 (s, 9H), 1.59-1.66 (m, 2H),1.76-2.00 (m, 6H),
2.05-2.13 (m, 2H), 2.27 (dd, 2H, J = 9.2, 15.3 Hz), 2.53-2.62 (m, 2H),
3.26-3.37 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 4.75-4.80 (m, 1H), 6.70 (dd, 1H, J = 2.1, 8.3
Hz), 6.79 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 6.82 (d, 1H, J = 2.4 Hz).
MS (ESI+): m/z = 398 (M+H).
HRMS (ESI+) C24H32NO4
(M+H)として
計算値 398.2331
実測値 398.2336.
1H-NMR(CDCl3):
δ 1.46 (s, 9H), 1.59-1.66 (m, 2H),1.76-2.00 (m, 6H),
2.05-2.13 (m, 2H), 2.27 (dd, 2H, J = 9.2, 15.3 Hz), 2.53-2.62 (m, 2H),
3.26-3.37 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 4.75-4.80 (m, 1H), 6.70 (dd, 1H, J = 2.1, 8.3
Hz), 6.79 (d, 1H, J = 7.9 Hz), 6.82 (d, 1H, J = 2.4 Hz).
実施例5
(1α,3β,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸
(1α,3β,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸
(1α,3β,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン(100mg)の塩化メチレン(2.52mL)溶液にトリフルオロ酢酸(2.52mL)を氷冷下にて添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、水(3mL)を加えた後、氷冷下飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えpH9、水層をジエチルエーテルで洗浄した。水層を1mol/L塩化水素でpH2とし、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製した後、得られた固体をジイソプロピルエーテルで粉砕し濾取して、無色粉末の(1α,3β,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸(51.3mg)を得た。
MS (ESI+): m/z = 342 (M++H).
HRMS (ESI+) C20H24NO4
(M++H)として
計算値 342.1705
実測値 342.1711.
1H-NMR(CDCl3):
δ 1.58-1.65 (m, 2H), 1.78-1.99(m, 6H), 2.14-2.18 (m,
2H), 2.37 (dd, 2H, J = 15.3, 8.6 Hz), 2.61-2.69 (m, 2H), 3.45 (tt, 1H, J =
10.7, 8.6 Hz), 3.82 (s, 3H), 4.75-4.81 (m, 1H), 6.73 (dd, 1H, J = 8.3, 2.1 Hz),
6.79 (d, 1H, J = 8.3 Hz,), 6.80 (d, 1H, J = 2.1 Hz).
MS (ESI+): m/z = 342 (M++H).
HRMS (ESI+) C20H24NO4
(M++H)として
計算値 342.1705
実測値 342.1711.
1H-NMR(CDCl3):
δ 1.58-1.65 (m, 2H), 1.78-1.99(m, 6H), 2.14-2.18 (m,
2H), 2.37 (dd, 2H, J = 15.3, 8.6 Hz), 2.61-2.69 (m, 2H), 3.45 (tt, 1H, J =
10.7, 8.6 Hz), 3.82 (s, 3H), 4.75-4.81 (m, 1H), 6.73 (dd, 1H, J = 8.3, 2.1 Hz),
6.79 (d, 1H, J = 8.3 Hz,), 6.80 (d, 1H, J = 2.1 Hz).
実施例6
(1α,3α,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン
(1α,3α,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン
(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)アセトニトリル(365mg)及び(1α,5α,7α)-7-t-ブトキシカルボニル-2,4-ジオキサ-3-チアビシクロ[3.3.0]オクタン-3,3-ジオキサイド(500mg)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、別途調製(ジイソプロピルアミン(442ul)のテトラヒドロフラン(20mL)にn-ブチルリチウム2.67Mヘキサン溶液(1.18mL)を-78℃にて添加した溶液)した溶液を氷冷下添加し、40℃で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液の添加によって反応を停止した後、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、黄色油状の(1α,3α,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン(307mg)を得た。
MS (ESI+): m/z = 398 (M++H).
HRMS (ESI+) C24H32NO4
(M++H)として
計算値 398.2331
実測値 398.2324.
1H-NMR(CDCl3):
δ1.45 (s, 9H), 1.58-1.70 (m, 2H),1.77-1.99 (m, 6H),
2.12-2.16 (m, 2H), 2.39-2.46 (m, 4H), 3.17 (sep, 1H, J = 8.9 Hz), 3.82 (s, 3H),
4.75-4.81 (m, 1H), 6.74 (dd, 1H, J = 2.4, 8.6 Hz), 6.79 (d, 1H, J = 8.6 Hz,),
6.81 (d, 1H, J = 2.4 Hz).
MS (ESI+): m/z = 398 (M++H).
HRMS (ESI+) C24H32NO4
(M++H)として
計算値 398.2331
実測値 398.2324.
1H-NMR(CDCl3):
δ1.45 (s, 9H), 1.58-1.70 (m, 2H),1.77-1.99 (m, 6H),
2.12-2.16 (m, 2H), 2.39-2.46 (m, 4H), 3.17 (sep, 1H, J = 8.9 Hz), 3.82 (s, 3H),
4.75-4.81 (m, 1H), 6.74 (dd, 1H, J = 2.4, 8.6 Hz), 6.79 (d, 1H, J = 8.6 Hz,),
6.81 (d, 1H, J = 2.4 Hz).
実施例7
(1α,3α,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸
(1α,3α,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸
(1α,3α,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン(150mg)の塩化メチレン(3.75mL)溶液にトリフルオロ酢酸(3.75mL)を氷冷下にて添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、水(7mL)を加えた後、氷冷下飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えpH9とし、水層をジエチルエーテルで洗浄した。水層を1mol/L塩化水素でpH2とし、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製した後、得られた固体をジイソプロピルエーテルで粉砕し濾取して、無色粉末の(1α,3α,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸(87.0mg)を得た。
MS (ESI+): m/z = 342 (M++H).
HRMS (ESI+) C20H24NO4
(M++H)として
計算値 342.1705
実測値 342.1712.
1H-NMR(CDCl3):
δ1.42-2.02 (m, 8H), 2.16-2.21 (m,2H), 2.46-2.61 (m,
4H), 3.27-3.39 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 4.75-4.83 (m, 1H), 6.74 (dd, 1H, J = 8.6,
2.4 Hz), 6.80 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 6.82 (d, 1H, J = 2.4 Hz,).
MS (ESI+): m/z = 342 (M++H).
HRMS (ESI+) C20H24NO4
(M++H)として
計算値 342.1705
実測値 342.1712.
1H-NMR(CDCl3):
δ1.42-2.02 (m, 8H), 2.16-2.21 (m,2H), 2.46-2.61 (m,
4H), 3.27-3.39 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 4.75-4.83 (m, 1H), 6.74 (dd, 1H, J = 8.6,
2.4 Hz), 6.80 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 6.82 (d, 1H, J = 2.4 Hz,).
本発明化合物は、優れたPDE阻害活性を有する新規なビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-カルボン酸誘導体に関するものである。本発明化合物または薬理学的に許容されるその塩を有効成分として含有する医薬組成物はPDEが関与する疾患(例えばCOPD、間質性肺炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、間接リウマチ、多発性硬化症、クローン病、炎症性大腸炎、アルツハイマー、認知症、パーキンソン病またはうつ病など)の予防/治療薬として有用である。
Claims (6)
- 一般式(1)
R2は、水素原子または置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基を示し、
R3 およびR4は、同一または異なって、水素原子またはメチル基を示し、
R5は、シアノ基またはアミド基を示し、
R6、R7、R8、R9およびR10は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、C1〜C6のアルキルチオ基またはOR11(R11は置換されていてもよいC1〜C6のアルキル基、置換されていてもよいC3〜C7のシクロアルキル基または置換されていてもよいアリール基)を示すか、あるいはR6およびR7、R7およびR8、R8およびR9、または、R9およびR10は、互いに結合して環を形成する。]
で表されるビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩。 - 一般式(1)においてR5がシアノ基である請求項1記載の化合物
- 一般式(1)で表される化合物が(1α,3β,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン、(1α,3β,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸、(1α,3α,5α)-3-t-ブトキシカルボニル-6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン若しくは(1α,3α,5α)- 6-シアノ-6-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]ビシクロ[3.1.0]へキサン-3-カルボン酸または薬理学的に許容されるその塩である請求項1記載の化合物
- 請求項1から3のいずれかに記載のビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩を有効成分として含有する医薬。
- 請求項1から3のいずれかに記載のビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩を有効成分として含有するPDE阻害剤。
- 請求項1から3のいずれかに記載のビシクロ[3.1.0]ヘキサン−1−カルボン酸誘導体または薬理学的に許容されるその塩を有効成分として含有するPDEが関与する疾患の治療剤。
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CN109516971A (zh) * | 2018-11-26 | 2019-03-26 | 山东永浩新材料科技有限公司 | 一种电池级硫酸乙烯酯的合成方法 |
-
2008
- 2008-03-12 JP JP2008062495A patent/JP2009215255A/ja active Pending
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