JP5815702B2 - アセナピンの新規な製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、式Iの新規な化合物およびアセナピンの合成における中間体としての使用に関する。本発明は、式Iの新規なこれらの化合物の製造及びアセナピンへのこれらの転換方法を提供する。
アセナピン又はトランス−5−クロロ−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロールは、ファンデルバーグ(van der Burg)の米国特許第4,145,434号に記載されており、それは次の化学構造式で示される。
Figure 0005815702
アセナピンはCNS抑制作用を有し、また抗セロトニン活性を有する。アセナピンは潜在的に抗精神病活性を示し、鬱病の治療に有用である可能性がある(国際特許出願WO 99/32108参照)。アセナピンのマレエート塩は広範囲であり、高い効能のセロトニン、ノルアドレナリン、そしてドーパミン拮抗薬であることが実証されている。マレイン酸アセナピンの舌下投与又は口腔投与に適した調剤的な製造方法は、国際特許出願WO 95/23600に記載されている。マレイン酸アセナピンは、2つの関連する適応症のために、米国で発売された。成人においても精神病性特徴が伴う場合も伴わない場合も含めて、双極性I型障害に関連する躁病又は混合エピソードに対する治療や、成人の統合失調症の急性治療が示された。
アセナピンの製造のための合成方法は米国特許第4,145,434号の教示から導き出すことができ、欧州特許EP1710241の例9に全て開示されている。この手順の最後の工程は次のスキームで示される。
Figure 0005815702
スキームIにおいて、エナミド内の二重結合、11−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−メチル−1H−ジベンゾ[2,3:6,7]オキセピノ[4,5−c]ピロール−1−オン(1)は還元されて、所望するトランス−2−異性体と所望しないシス−2−異性体の混合体とを1:4の割合で生成する。所望しない生成物の割合は、DBNを用いて、その後の、所望しシス−2−異性体のトランス−2−異性体への部分的な異性化によって改善でき、トランスとシスの熱力学的な割合である1:2に導く。トランス異性体とシス異性体の分離は、シリカゲルによるクロマトグラフィーによってなされる。シス異性体は、DBNを用いて再び異性化され、得られるトランス異性体は再びクロマトグラフィーによって分離される。かかる方法の欠点は、それが極度に複雑で多大な時間がかかる一方で、最終的なトランス異性体の収率はわずかしかないということである。
欧州特許EP1710241号には、シリカゲルによるクロマトグラフィーを通じてシス−トランス異性体の分離を回避したアセナピンの製造方法が開示されている。スキーム2においては、化合物2のシスートランス混合体及び/又はその位置異性体、2a、好ましくは光学異性体が分離されていないものは、アルコール溶媒中の過剰の強塩基による開環反応を経て、大部分は式3又は3aのアミノ酸のトランス異性体になり、トランス:シスのそれぞれの割合は約10:1(トランス:シス)である。
Figure 0005815702
トランス−3又はトランス−3aは、分離されて再環化されて、化合物1については全収率約60%で所望するトランス−2又はトランス−2aを得る。もう一つの方法として、化合物トランス−3又はトランス−3aは、還元剤を用いた環化により、随意にルイス酸との組み合わせを用いた環化により、直接アセナピンに転換される。結果として、所望するトランス異性体を得るために、トランス形への最初の開環及びその後の再環化を含む複雑な方法を実施しなければならない。
国際特許出願WO2009/008405には、還元、脱離基転換、水素化及びメチル化をかかる順序で実施する、アセナピンの製造方法が提供されている(スキーム3参照。X及びXは同じか又は異なり、それぞれ独立して水素又はハロゲン原子を示す。Rは任意で置換されたアルキル基を示す。Yは脱離基を示す)。
Figure 0005815702
米国特許第4,145,434号 国際公開公報WO 99/32108 欧州特許EP1710241 国際公開公報WO 2009/008405
良好なエステル選択性(esteroselectivity)及び収率を有し、工業的に有用なアセナピンの製造方法が期待されている。
本発明者らは、本発明の方法が、工業的規模で、アセナピン及びその塩の製造に適し、高収率でアセナピンを製造する方法を提供することを見出した。
したがって、本発明の第一の態様は、式Iの化合物である。
Figure 0005815702
上記式中、X及びX’は異なり、それぞれ独立して水素又は塩素原子を表し、Rは水素または置換されるか若しくは置換されないC−Cのアルキルオキシ基から選択される。
本発明の第二の態様は、式IIのアミノアルコール化合物を、式IIIのギ酸無水物又は式IVのクロロギ酸エステルと反応させることを含む、式Iの化合物の製造方法である。
Figure 0005815702
上記式中、X及びX’は上記と同様のものであり、反応は化学式IIIのギ酸無水物又は化学式IVのクロロギ酸エステルを含む。
Figure 0005815702
上記式中、Rは置換されるか又は置換されないC−Cのアルキルである。
本発明の他の態様は、アセナピンまたはその塩の製造方法であり、以下の工程を含む。
Figure 0005815702
(a)式Iの化合物のカルボニル部分を還元して、式Vのメチルアミノ化合物を得る。
Figure 0005815702
上記式中、X及びX’及びRは上記と同様のものである。
Figure 0005815702
上記式中、X及びX’は上記と同様である。
(b)随意に、化合物Vのヒドロキシル部分を脱離基に転換して、式Vの化合物を得る。
Figure 0005815702
上記式中、X及びX’は上記と同様のものであり、LGは脱離基を示す。
(c)学式VまたはVIの化合物を環化してアセナピンを得る。
(d)そして、随意に、アセナピンをその塩に転換する。
または、
(a−i)式Iの化合物のヒドロキシル部分を脱離基に転換して、式VIIIの化合物を得る。
Figure 0005815702
上記式中、LGは脱離基である。
(b−i)式VIIIの化合物を還元し環化して、アセナピンを得る。
(c−i)随意に、アセナピンをその塩に転換する。
本発明の他の態様は、式Iの化合物を還元剤で処理することを含む、アセナピン又はその塩の製造方法である。
本発明の態様は、式IIのアミノアルコール化合物に関する。
Figure 0005815702
上記式中、X及びX’は上記と同様のものである。
本発明の他の態様は、式Vの化合物である。
Figure 0005815702
上記式中、X及びX’は上記と同様のものである。
本発明の他の態様は、式VIの化合物に関する。
Figure 0005815702
上記式中、X、X’及びLGは上記と同様のものである。
本発明の他の態様は、式VIIIの化合物である。
Figure 0005815702
上記式中、LGは脱離基である。
本発明の他の態様は、式IIのアミノアルコール化合物が、式VIIの化合物のニトロ官能基及びエステル官能基の双方を還元されることにより製造される、化合物Iの製造方法である。
Figure 0005815702
上記式中、X、X’は上記と同様のものあり、Rは置換されるか又は置換されてないC−Cのアルキルを示す。
また本発明は、アセナピンまたはその塩の製造における、新規な中間体I、V、VI及びVIIIの使用に関する。
また本発明は、式Iの化合物の製造における化合物IIの使用に関する。
(発明の詳細な説明)
(定義)
本発明の文脈において、次の用語は以下に説明する意味を有する。
「脱離基」との用語は、他の基に容易に置換される基のことを表す。マーチ有機化学(J.March Advanced Organic Chemistry)第4版(1992)には、いくつかの典型的な脱離基が列挙されている。本発明においては、脱離基は、スルホニルオキシ等の活性アルコール及びハロゲンから好適に選択される。ハロゲンはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。スルホニルオキシ基は、−OSOR’で表され、ここでR’は置換された又は置換されてないアルキル、置換された又は置換されないアリール、フッ素化炭化水素又はハロゲンである。「置換された又は置換されないアルキル」の用語より、1から12個の炭素原子を有し、不飽和を含まず、残りの分子に単結合で結合する、炭素原子及び水素原子からなる直鎖状の炭化水素基(ラジカル)と理解される。アルキルラジカルは、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、シアノ、カルボニル、アシル、アルコキシカルボニル、アミノ、ニトロ、メルカプト、アルキルチオ等の1個以上の置換基によって随意に置換される。「置換された又は置換されないアリール」の用語は、フェニル、ナフチル、インデニル、フェナンスリル若しくはアントラシルラジカルのような6から約18個の炭素環原子を含む芳香族炭化水素ラジカル、または、1から3個の分離又は結合された環を含む芳香族炭化水素ラジカルに関する。アリールラジカルは、ヒドロキシ、メルカプト、ハロ、アルキル、フェニル、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシル、アルコキシカルボニル等の1又はそれ以上の置換基に随意に置換される。
置換された又は置換されないアルキル−又はアリール−スルホニルハロゲン化物の用語は、上記と同様に、−OSOR’で表されるスルホニルオキシ基並びに、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択されるハライド(ハロゲン化物)イオンを含むものとして理解される。
「置換された又は置換されていないC−Cのアルキルオキシ」の用語より、1から6個の炭素原子を有し、不飽和を含まず、残りの分子に酸素原子で結合する、炭素原子及び水素原子からなる直鎖状の炭化水素基と理解される。アルキルオキシラジカルは、アリー
ル、ハロー、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、シアノ、カルボニル、アクリル、アルコキシカルボニル、アミノ、ニトロ、メルカプト、アルキルチオ等の、1又はそれ以上の置換基によって任意に置換される。「置換された又は置換されていないC−Cのアルキルオキシ基」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ビトキシ、sec.−ブトキシ、tert.−ブトキシ、トリクロロメトキシ、1−フェニルプロポキシ、2−フェニルエトキシ及びフェニルメトキシである。
「置換された又は置換されないC−Cのアルキル」の用語より、1から6個の炭素原子を有し、不飽和を含まず、残りの分子に単結合で結合する、炭素原子及び水素原子からなる直鎖状の炭化水素基(ラジカル)と理解される。アルキル基は、アーリル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、シアノ、カルボニル、アシル、アルコキシカルボニル、アミノ、ニトロ、メルカプト、アルキルチオ等の1又はそれ以上の置換基によって随意に置換される。
「ワンポット法」という用語は、中間体化合物を単離することなく実施される2又はそれ以上の反応を意味し、すべての反応物質を第一の反応の開始時に添加するか、すべての反応物質を反応の過程において順次添加するものである。
エーテル溶媒には、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、ジグリム及びテトラヒドロフランが含まれる。アミド溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選択される。ケトン溶媒は、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、2−プロパノン、シクロヘキサノン及びシクロペンタノンから選択される。エステル溶媒は、エチルアセテート及びブチルアセテートから選択される。アルコール溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール及び2−ブタノールから選択される。ハロゲン化溶剤は、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン及びクロロホルムから選択される。芳香族炭化水素溶媒は、トルエン、キシレン、クロロベンゼン及びニトロベンゼンから選択される。
有機溶媒としては、第3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン)、芳香族アミン(ピリジン、2−メチル−5−エチルピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール及び1−メチルイミダゾール)、環状アミジン(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナン)、アルカリ金属アルコキシド(リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド及びリチウムtert−ブトキシド)、及びアルカリ金属アミド(リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシルアジド、カリウムヘキサメチルジシルアジド)が挙げられる。
無機塩基としては、アルカリ金属水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウム)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸セシウム)、アルカリ金属炭酸水素塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アンモニア、炭酸アンモニウム等が挙げられる。
「精製」の用語は、精製された製剤原料を得る工程を表す。従って、「精製」の用語は、溶媒抽出、ろ過、スラリー化、洗浄、相分離、蒸発(エバポレーション)、遠心分離、カラムクロマトグラフィー又は結晶化を含む。
(説明)
本発明の第一の態様は、式Iの新規な化合物である。
Figure 0005815702
上記式中、X及びX´は異なり、それぞれ独立して水素又は塩素原子を表し、Rは水素又は置換されるか置換されないC−Cのアルキルオキシ基から選択される。
式Iの化合物の例としては、トランス−N−(8−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b、f]オキセピン−10−イルメチル)−ホルムアミド、トランス−N−(2−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b、f]オキセピン−10−イルメチル)−ホルムアミド、トランス−(8−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b、f]オキセピン−10−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル、トランス−(2−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b、f]オキセピン−10−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル、トランス−(8−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b、f]オキセピン−10−イルメチル)−カルバミン酸エチルエステル又はトランス−(2−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b、f]オキセピン−10−イルメチル)−カルバミン酸エチルエステルがある。
本発明の第二の態様は、式IIのアミノアルコール化合物と、式IIIのギ酸無水物又は式IVのクロロギ酸エステルとの反応を含む、式Iの化合物の製造方法を対象とする。
Figure 0005815702
上記式中、X及びX’は上記と同様のものである。
Figure 0005815702
上記式中、Rは置換されるか置換されないC−Cのアルキルである。
式IIIのギ酸無水物は、ギ酢酸無水物、プロピオンギ酸無水物又はイソブチルギ酸無水物から選択される。
反応は、有機溶媒に化合物IIの有機溶媒の溶液を、式IIIのギ酸無水物の有機溶媒の溶液を添加することで実施され、この際の添加や混合の順番に特に制限はない。有機溶媒の例として、エーテル溶媒、アセトニトリル、エステル溶媒、ハロゲン化溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ケトン及びギ酸が挙げられる。これらの溶媒は、単独でもしくは2以上同時に用いることができる。反応温度は0〜150℃であり、好ましくは0〜100℃である。
式IVのクロロギ酸エステルの例としては、メチルクロロギ酸エステル、エチルクロロギ酸エステル又はベンジルクロロギ酸エステルが挙げられる。
反応は、従来の方法によって実施される。式Iの化合物は、アミン化合物IIと式IVのクロロギ酸エステルとの反応によって製造することができる。反応は、水と有機溶媒との混合物中で実施される。適切な有機溶媒には、エーテル溶媒、アミド溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、ハロゲン化溶媒及び/又は芳香族炭化水素溶媒が含まれる。反応はまた、無機塩基の添加を要する。代わりに、反応は、非プロトン有機溶媒中で実施することもできる。非プロトン有機溶媒の例としては、エチルアセテート、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は2以上同時に使用することができる。反応はまた有機塩基の存在を要する。
本発明の他の態様は、アセナピンまたはその塩の製造方法であり、以下の工程を含む。
Figure 0005815702
(a)式Iの化合物のカルボニル部分を還元して、式Vのメチルアミノ化合物を得る。
Figure 0005815702
上記式中、X、X’及びRは上記と同様のものである。
Figure 0005815702
上記式中、X及びX’は上記と同様ものである。
(b)随意に、化合物Vのヒドロキシル部分を脱離基に転換して、式V1の化合物を得る。
Figure 0005815702
上記式中、X’は上記と同様ものであり、LGは脱離基を示す。
(c)式V又はVIの化合物を環化して、アセナピンを得る。
(d)そして、随意に、アセナピンをその塩に転換する。
または、
(a−i)式Iの化合物のヒドロキシル部分を脱離基に転換して、式VIIIの化合物を得る。
Figure 0005815702
上記式中、LGは脱離基である。
(b−i)式VIIIの化合物を還元して環化し、アセナピンを得る。
(c−i)随意に、アセナピンをその塩に転換する。
化合物Iのカルボニル部分を還元するために用いられる還元剤は水素化ホウ素又は水素化アルミニウムである。水素化ホウ素化合物の例としては、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム及び水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素アルカリ金属や、ジボラン及びボラン等のボラン化合物が挙げられる。ほとんどの場合、還元剤は水素化ホウ素ナトリウムである。水素化アルミニウムの例としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス−(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化トリ―tert−ブトキシアルミニウムリチウム及び水素化アルミニウムが挙げられる。使用される還元剤の量は、化合物Iの1モルに対して1−10モルである。
水素化アルミニウム(アルミニウムハライド)(アランとも称される)は通常、水素化アルミニウムリチウムと、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸との反応、又は塩化ベリリウムとの反応によって、アラン−エーテル(etherate)複合体として製造される。他の合成方法としては、水素化アルミニウムリチウムを硫酸と反応させてアラン−エーテル複合体を得る。
水素化ホウ素アルカリ金属が還元剤として用いられるときは、三フッ化ホウ素等のルイス酸、硫酸等のブロンステッド酸もまた付加的な還元剤として用いることができる。好ましくは、三フッ化ホウ素を付加的な還元剤として用いることができる。ほとんどの場合、三フッ化ホウ素は、テトラヒドラフラン等との複合体(complex)として使用することができる。使用される量は、水素化ホウ素アルカリ金属1モルに対して1−3である。
還元は、溶媒の存在下で行われる。溶媒は、エーテル溶媒から選択され、好ましくはテトラヒドロフランである。還元の反応温度は0−100℃であり、好ましくは25−60℃である。反応時間は1−24時間である。
プロセスのステップ(b)は、化合物Vのヒドロキシル基を脱離基に転換する工程を含む。この工程は付加的であり、即ち、化合物Iは、ヒドロキシル基の脱離基への転換を伴うかまたは伴わずに合成することができる。
本発明の一例において、アセナピンはステップ(b)を実施することなく、化合物Vの環化によって直接合成される。かかる環化は、化合物Vの有機溶媒溶液を加熱することで行われる。環化の反応温度は0℃から150℃である。有機溶媒の例としては、エーテル溶媒、芳香族炭化水素溶媒、エステル溶媒、ケトン溶媒、アルコール溶媒、アミド溶媒、アセトニトリル及びハロゲン化溶媒が挙げられる。
若干の場合には、酸の添加が必要である。使用される酸は、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸等の有機酸である。あるいは、無機酸を使用することができる。無機酸の例としては、硫酸、リン酸、塩酸等である。
本発明のある実施例において、アセナピンを得るための環化を行う前に、ステップ(b)を実行し、化合物Vのヒドロキシル基を脱離基に変換する。前記したように、脱離基は、好ましくは、スルホニルオキシ基のような活性アルコール及びハロゲンから選択される。より好ましくは、ハロゲンであり、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。好ましくは、ハロゲンは塩素又は臭素である。所望するハロゲンの導入は、塩化チオニル、塩化ホスホリル、四塩化炭素又は四臭化炭素等と、トリフェニルホスフィン、二臭化トリフェニルホスフィン又は二ヨウ化トリフェニルホスフィンとを組み合わせた特定の試薬の使用によって達成される。使用する脱離基転換試薬の量は、化合物Vの1モルに対して1−5モル、好ましくは1−3モルである。
脱離基の転換(置換)は通常、溶媒の存在下で行われる。溶媒は特に限定されない。使用することができる溶媒の例としては、前記したようなエーテル溶媒、エステル溶媒、芳香族炭化水素溶媒及びハロゲン化溶媒である。
脱離基転換(置換)の反応温度は−30℃と100℃の間であり、好ましくは−10℃と70℃の間である。
本発明の一例において、化合物Vは、脱離基転換試薬と共に処理されて環化し、アセナピンを生成する。この場合において、ステップ(b)と(c)はワンポット法で行われる。即ち、化合物VIは単離されず、同じ反応容器内で環化が行われる。
これらの環境下では、反応完了後に得られた混合物は通常、アセナピンを主な生成物として含み、濾過、中性化、洗浄、及び抽出等の後処理がされる。またアセナピンは、混合物の通常の単離処理によって単離することができ、次いで通常の精製手段によって精製することができる。そして当業者に良く知られた慣習的な方法によって塩に転換することもできる。
また、化合物VIは、環化されてアセナピンを生成する前に、単離され、付加的に、精製することができる。随意に、かかる環化は、化合物VIをさらに有機又は無機の塩基と接触させることによって実施することもできる。
環化は通常、溶媒の存在下で行われる。溶媒は特に限定されない。環化に用いることができる溶媒の例としては、エーテル溶媒、アミド溶媒、ケトン溶媒、アセトニトリル、アルコール溶媒、ハロゲン化溶媒及び芳香族炭化水素溶媒である。これらの溶媒は単独であるいは2種以上を同時に使用することができる。環化の反応温度は0℃から120℃である。
本方法のステップ(d)は、アセナピンの塩の製造を含む。環化完了後に得られる混合物は、通常の単離処理で単離されるアセナピンを含む。アセナピンはまた酸付加塩に転換される。単離されたアセナピン又はその酸付加塩は、カラムクロマトグラフィーや再結晶化等の通常の精製手段によってそれぞれ精製される。さらに、アセナピンは、その酸付加塩を介して、更に精製することができ、その酸付加塩は、単離され、随意に精製された後、有機又は無機の塩基で処理することによって再びアセナピンに変換される。
アセナピンの酸付加塩を得るために用いられる酸は、例えば、有機酸(シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸等)、又は無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、または硝酸等)である。
本発明の他の態様は、式Iの化合物を還元剤で処理する工程を含む、アセナピン又はその塩を製造する他の方法である。このワンポット反応によって、アセナピンを期待通りの収量で、化学的工程の数を減らし、メチルアミノ化合物中間体Vを単離することなく、得ることができる。ワンポット反応は、同一の反応容器で実施される。
かかる方法で用いられる還元剤は、上記したように、水素化アルミニウム(アルミニウムハライド)(アランとも呼ばれる)又は水素化ホウ素から選択することができる。還元剤の量は通常、水素化ホウ素アルカリ金属1モルに対して1−3モルである。
還元は、溶媒の存在下で行われる。溶媒は、エーテル溶媒から選択することができ、好ましくはテトラヒドロフランである。還元の反応温度は通常0−100℃で、好ましくは25−60℃である。反応時間は1−24時間である。
本発明はまた、本方法の中間対化合物に関するものである。
一態様において、本発明は式IIのアミノアルコール化合物を対象とする。なお、下記式中、X及びX’は上記と同じものである。
Figure 0005815702
他の態様において、本発明は式Vの化合物を対象とする。なお下記式中、X及びX’は上記と同じものである。
Figure 0005815702
本発明の他の態様は、式VIの化合物を対象とする。なお下記式中、X及びX’及びLGは上記と同じものである。
Figure 0005815702
好ましいLGはハロゲン原子であり、さらに好ましくは塩素及び臭素である。
本発明の他の態様は、化学式VIIIの化合物を対象とする。なおLGは脱離基である。
Figure 0005815702
他の態様において、本発明は、式VIIの化合物のニトロ官能基及びエステル官能基の両方を還元することにより式IIのアミノアルコール化合物を製造して、式Iの化合物を製造する方法を提供する。なお下記式中、X及びX’は上記と同じものであり、Rは置換された又は置換されないC−Cのアルキル、好ましくはRはメチルである。
Figure 0005815702
化合物Iを製造する上記方法は、以下のスキーム4で示される。
Figure 0005815702
本発明者らは、式VIIの化合物を水素化アルミニウムリチウム(LAH)で処理すると、式IIの化合物を最適生成量で生成できることを見出した。ほとんどの場合、使用される水素化物(ヒドリド)は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等との複合体(コンプレックス)である。還元剤の量は、化合物IIの1モルに対して1−10モルであり、好ましくは1−5モルである。化合物VIIの還元完了後に得られる混合物は、直接次のステップに用いることができる。しかしながら、通常、混合物は、濾過、中性化、洗浄及び抽出等の後処理をされた後、次のステップに用いられる。得られる化合物IIは単離することができ、結晶化又はカラムクロマトグラフィーのような従来の手段によって精製され、さらに化合物Iに転換されることができる。
本発明の方法は、下記スキーム5にて示される、アセナピン及びその塩の製造に用いることができる。
Figure 0005815702
また本発明の方法は、下記スキーム6にて示されるアセナピン及びその塩の製造に用いることができる。
Figure 0005815702
本方法のステップ(a−i)は、還元と環化によってアセナピンを製造する前に、式Iの化合物のヒドロキシル基を脱離基に転換するために行われる。上記したように、脱離基は、好ましくはスルホニルオキシ基のような活性アルコール又はハロゲンから選択される。最も好ましい脱離基は、メシレート(CHSO )、トシレート(CHSO )、塩素及び臭素である。所望するハロゲンの導入は、塩化チオニル、塩化ホスホリル、四塩化炭素又は四臭化炭素等を、トリフェニルホスフィン、二臭化トリフェニルホスフィン又は二ヨウ化トリフェニルホスフィンと組み合わせた特定の試薬を使用することによって達成される。好ましい試薬は、四塩化炭素又は四臭化炭素と、トリフェニルホスフィンとの組み合わせである。所望するスルホニルオキシ基の導入は、置換されるか置換されないアルキル−又はアリール−ハロゲン化スルホニル、好ましくは塩化メタンスルホニル(CHSOCl)又は塩化トルエンスルホニル(CHSOCl)を用いることで達成される。このステップは溶媒及び有機塩基の存在下で行われる。溶媒は、エーテル、アミド、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素及び芳香族炭化水素から選択することができ、前記したように、好ましくはハロゲン化溶媒であり、最も好ましくはジクロロメタンである。有機塩基は前記したように、第三級アミン、芳香族アミン、環状アミジン、アルカリ金属アルコキシド及びアルカリ金属アミドから選択することができる。好ましい有機塩基は第三級アミンであり、最も好ましくはトリエチルアミンである。誘導体化反応の反応温度は−10℃から50℃の間であり、好ましくは0℃から25℃の間である。
ステップ(b−i)で記載したように、アセナピンを生成するために行う式VIIIの化合物の還元及び環化は、前記のステップ(a)及び(b)と同一の条件で実施される。
還元剤は、水素化ホウ素又は水素化アルミニウムから選択され、好ましくは還元剤は水素化ホウ素アルカリ金属である。用いられる還元剤の量は、1モルの化合物VIIIに対して1−10モルである。還元剤として水素化ホウ素アルカリ金属を用いる場合には、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン合成物を付加的な還元剤として用いることができる。三フッ化ホウ素テトラヒドロフランのような付加的に用いられる還元剤の量は、水素化ホウ素アルカリ金属の量の1から3倍である。
反応は溶媒の存在下で行われる。溶媒はエーテル溶媒から選択することができ、好ましくはテトラヒドロフランである。反応はまた、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アンモニア、炭酸アンモニウム等から選択することができる無機塩、好ましくはアルカリ金属炭酸塩の添加を必要とする。反応温度は−30℃から100℃の間であり、好ましくは0℃から100℃の間である。
本発明の方法によって得られたマレイン酸アセナピンは、フンク(Funke)ら(Arzneim−Forsch/Drug Res.40(1999)、536−539)により示されている、単斜晶形のアセナピンに対応している。
本発明は、以下の実施例によってより詳細に説明されるが、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1.トランス−(11−アミノメチル−2−クロロ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(5)の調製
Figure 0005815702
乾燥THF(23ml)にトランス−2−クロロ−11−ニトロメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(4)(4.6g、13.23ミリモル)が溶解した溶液を、15℃で、THF/トルエン(15.1ml、52.9ミリモル)に、THF(23ml)及び3.5Mのリチウムアルミニウム水素化物懸濁液の混合物に添加した。
該混合物を30℃で30分間撹拌し、−15℃に冷却し、次いでHO(2ml)、15%NaOH(2ml)及びHO(6ml)を用いて急冷した。
固体を濾過し、THF(2×23ml)を用いて洗浄し、濾液を蒸発乾固させて、3.60g(95%)のトランス−(11−アミノメチル−2−クロロ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(5)を、薄黄色の固体として得た。
1H-RMN (CDCl3, 200 MHz): 1.64
(br s, 3H, exchg. D2O), 2.70-2.80 (m, 1H) 2.87-2.97 (m, 1H),
3.12-3.18 (m, 1H) 3.19-3.36 (m, 1H), 3.44-3.54 (m, 1H), 3.63-3.72 (m, 1H),
7.03-7.26 (m, 7H).
実施例2.トランス−N−(8−クロロ−11−ジヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)−ホルムアミド(6)の調製
Figure 0005815702
無水酢酸(2ml、20.7ミリモル)及びギ酸(1.6ml、41.4ミリモル)の混合物を50℃で2時間加熱した。25℃に冷却した後、該混合物をジクロロメタン(15ml)で希釈した。次いで、反応物を0℃まで冷却し、トランス−(11−アミノメチル−2−クロロ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(5)(3.00g、10.4ミリモル)を添加して、25℃で1時間撹拌した。
反応を10%KCO(20ml)で急冷し、有機層を10%KCOを用いてpHが9になるまで洗浄した。
メタノール(3ml)及び固体KCO(0.72g、5.21ml)を該有機層に添加して、2時間室温(r.t)で撹拌した。次いで、水(30ml)を添加して更に15分間撹拌した。その後、有機層を分離し、水(2×20ml)及び塩水(ブライン)(20ml)を用いて洗浄し、蒸発乾固させて、2.45g(76%)のトランス−N−(8−クロロ−11−ジヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)−ホルムアミド(6)を白色の固体として得た。
1H-RMN (CDCl3, 200 MHz): 2.23 (br s,
1H, exchg. D2O), 3.30-3.67 (m, 6H), 5.78 (br s, 1H), 7.06-7.23 (m,
7H), 8.10 (s, 1H).
実施例3.トランス−(2−クロロ−11−メチルアミノメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(7)の調製
Figure 0005815702
水素化ホウ素ナトリウム(0.80g、21.2ミリモル)を0℃で、乾燥THF(15ml)にトランス−N−(8−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)−ホルムアミド(6)(2.25g、7.1ミリモル)が溶解した溶液に添加した。該混合物を10’撹拌した。次いで、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン複合体(complex)(4ml、34.6ミリモル)を滴下して、温度を5℃以下に維持した。次いで、反応物を35℃で15時間撹拌した。
次いで、反応物を0℃に冷却し、3NのHCl(15ml)を添加し、次いで、100℃に加熱し、30分間撹拌し、加熱の間、約15mlのテトラヒドロフランを蒸留した。
次いで、室温まで冷却し、10%KCOをpHが9になるまで添加し、次いで、酢酸エチル(30ml)を添加した。有機層を分離し、水、1M NaOH及び塩水で洗浄し、蒸発乾固して、1.85g(87%)のトランス−(2−クロロ−11−メチルアミノメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(7)を無色の油として得た。
1H-RMN (CDCl3, 200 MHz): 1.64 (br s,
2H, exchg. D2O), 2.34 (s, 3H) 2.62-2.78 (m, 1H), 2.80-2.92 (m, 1H)
3.21-3.58 (m, 3H), 3.62-3.74 (m, 1H), 7.03-7.26 (m, 7H).
実施例4.アセナピンの調製
Figure 0005815702
ジクロロメタン(5ml)に四臭化炭素(2.86g、8.64ミリモル)が溶解している溶液を、0℃で、ジクロロメタン(10ml)にトランス−(2−クロロ−11−メチルアミノメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(7)及びトリフェニルホスフィン(2.26g、8.64ミリモル)を含む混合物に添加した。反応を室温で一晩撹拌した。
次いで、反応物をエバポレートし、10mlのジエチルエーテルを添加し、室温で1時間、さらに0℃で1時間撹拌した。次いで、トリフェニルホスフィンオキシドを濾過し、冷却したジエチルエーテルで洗浄し、有機層を蒸発乾固した。
生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:エチルアセテート 7:3)により精製した。1.42g(86%)のトランス−(5−クロロ−2−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ−[4,5−c]ピロール(アセナピン)を淡黄色の油として得た。2.1%のシス異性体がHPLCにより観察された。
1H-RMN (CDCl3, 200 MHz): 2.56 (s, 3H),
3.12-3.18 (m, 4H), 3.61-3.64 (m, 2H), 7.05-7.26 (m, 7H).
実施例5.マレイン酸アセナピンの調製
Figure 0005815702
トランス−(5−クロロ−2−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ−[4,5−c]ピロール(アセナピン)(1.3g、4.5ミリモル)を無水エタノール(6.5ml)に室温で溶解した。次いで、マレイン酸(0.634g、5.46ミリモル)を添加し、完全に溶解するまで撹拌した。該溶液にマレイン酸アセナピン単斜晶形を種として一晩室温で撹拌した。
懸濁液を0℃で1時間撹拌し、濾過し、冷却した無水エタノール(1ml)を用いて洗浄した。生成物を45℃で24時間乾燥した。
1.63gのマレイン酸アセナピン単斜晶形(89%)を白色固体として得た。
シス異性体の存在はHPLCによって観察されなかった。
1H-RMN (CD3OH, 200 MHz): 3.14 (s, 3H),
3.79-3.82 (m, 2H), 3.91-3.94 (m, 2H), 4.06-4.11 (m, 2H), 6.23 (s, 2H),
7.16-7.31 (m, 7H).
実施例6.アセナピンの調製
Figure 0005815702
濃硫酸(618mg、6.3ミリモル)を−10℃で、乾燥THF(20ml)にリチウムアルミニウムヒドリド(478mg、12.6ミリモル)を含む懸濁液に慎重に添加した。
次いで、THF(5ml)に溶液(6)(1.0g、3.1ミリモル)が溶解した溶液を滴下し、該混合物を40℃で6時間攪拌した。次いで、HO(0.5ml)、15%NaOH(0.5ml)及びHO(1.5ml)を連続して用いて急冷した後、白色の沈殿物を濾過して、濾液を蒸発させた。残さ物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:エチルアセテート 7:3)により精製して、612mg(69%)のトランス−(5−クロロ−2−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ−[4,5−c]ピロール(アセナピン)を淡黄色の油として得た。
1H-RMN (CDCl3, 200 MHz): 2.56 (s, 3H),
3.12-3.18 (m, 4H), 3.61-3.64 (m, 2H), 7.05-7.26 (m, 7H).
実施例7.トランス−(11−アミノメチル−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(C16ClNO)の調製
Figure 0005815702
乾燥THF(25ml)にトランス−8−クロロ−11−ニトロメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−カルボン酸メチルエステル(8)(5.0g、13.23ミリモル)が溶解した溶液を15℃で、THF/トルエン(16.4ml、57.5ミリモル)にTHF(25ml)及び3.5MのLAH(リチウムアルミニウム水素化物)懸濁液の混合物に添加した。
該混合物を30℃で30分間撹拌し、−15℃に冷却し、次いでHO(2ml)、15%NaOH(2ml)及びHO(6ml)を連続して用いて冷却した。
固体を濾過し、THF(2×30ml)を用いて洗浄し、濾液を蒸発乾固させて、3.88g(93%)のトランス−(11−アミノメチル−2−クロロ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(9)を黄色固体として得た。
実施例8.トランス−N−(2−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)−ホルムアミド(C1716ClNO)の調製
Figure 0005815702
無水酢酸(2.3ml、24.8ミリモル)及びギ酸(1.9ml、49.7ミリモル)の混合物を50℃で2時間加熱した。25℃に冷却後、該混合物をジクロロメタン(20ml)を用いて希釈した。次いで、反応物を0℃まで冷却して、トランス−(11−アミノメチル−8−クロロ−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(9)(3.60g、12.4ミリモル)を添加して、25℃で1時間撹拌した。
反応物を10%KCO(20ml)で急冷し、有機層を10%KCOでpHが9になるまで洗浄した。
メタノール(4ml)及び固体KCO(0.86g、6.22ミリモル)を有機層に添加し、室温で2時間撹拌した。次いで、水(30ml)を添加してさらに15分間撹拌した。次いで、有機層を分離し、水(2×20ml)及び塩水(20ml)で洗浄し、蒸発乾固させて、3.20g(81%)のトランス−N−(2−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)−ホルムアミド(10)を、白色固体として得た。
実施例9.トランス−(8−クロロ−11−メチルアミノメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(C1716ClNO)の調製
Figure 0005815702
水素化ホウ素ナトリウム(1.11g、29.27ミリモル)を0℃で、乾燥THF(15ml)にトランス−(2−クロロ−11−メチルアミノメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)メタノール(10)(3.10g、9.8ミリモル)が溶解した溶液に添加した。該混合物を10分間撹拌した。次いで、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン複合体(5.4ml、48.8ミリモル)を滴下して、温度を5℃以下に維持した。次いで、反応物を35℃で15時間撹拌した。
次いで、反応物を0℃に冷却し、3NのHCl(10ml)を添加して、その後100℃に加熱して30分間撹拌し、加熱の間、約19mlのテトラヒドロフランを蒸留した。
次いで、室温まで冷却し、10%KCOをpHが9になるまで添加し、次いで、酢酸エチル(30ml)を添加した。有機層を分離して、水、1M NaOH及び塩水で洗浄し、蒸発乾固し、2.48g(84%)のトランス−(8−クロロ−11−メチルアミノメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(11)を、淡黄色の油として得た。
実施例10.アセナピンの調製
Figure 0005815702
ジクロロメタン(5ml)に四臭化炭素(3.92g、11.8ミリモル)が溶解した溶液を0℃で、ジクロロメタン(10ml)にトランス−(8−クロロ−11−メチルアミノメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イル)−メタノール(11)(2.40g、7.9ミリモル)及びトリフェニルホスフィン(3.10g、11.8ミリモル)が含まれる混合物に添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。
次いで、反応物をエバポレートさせて、10mlのジエチルエーテルを添加し、次いで、室温で1時間、0℃で1時間撹拌した。次いで、トリフェニルホスフィンオキシドを濾過し、冷却したジエチルエーテルで洗浄し、有機層を蒸発乾固させた。
生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン:エチルアセテート 7:3)により精製した。2.06g(91%)のトランス−(5−クロロ−2−メチル−2,3,3a,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ−[4,5−c]ピロール(アセナピン)を淡黄色の油として得た。1.8%のシス異性体がHPLCにより観察された。
1H-RMN (CDCl3, 200 MHz): 2.56 (s, 3H),
3.12-3.18 (m, 4H), 3.61-3.64 (m, 2H), 7.05-7.26 (m, 7H).
実施例11.メタンスルホン酸トランス−2−クロロ−11ホルミルアミノメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチルエステルの調製
Figure 0005815702
トリエチルアミン(2.05g、20.27ミリモル)を、ジクロロメタン(23ml)にトランス−N−(8−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)−ホルムアミド(2.30g、7.24ミリモル)が含まれる懸濁液に添加した。次いで、該懸濁液を0℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(1.66g、14.48ミリモル)を20分間で添加し、温度を5℃以下に保持した。次いで、反応物を、すべての出発物質が溶解するまで、5℃で30分間撹拌した。
反応物を4%NaHCO(50ml)で急冷して、20〜25℃で30分間撹拌した。層分離後、有機層を水(25ml)及び塩水(25ml)で洗浄し、蒸発乾固させて、2.46g(86%)のメタンスルホン酸トランス−2−クロロ−11ホルミルアミノメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチルエステルを淡黄色の固体として得た。該固体は、更なる精製をすることなく、使用することができる。
1H-RMN: (CDCl3, 200 MHz): 2.86 (s,
3H), 3.49-3.52 (m, 4H), 4.03 (q, 1H) 4.24 (m, 1H), 6.73 (s, 1H, exchg. D2O),
7.06-7.38 (m, 7H), 8.13 (s, 1H, exchg. D2O).
実施例12.アセナピンの調製
Figure 0005815702
水素化ホウ素ナトリウム(0.70g、18.19ミリモル)を0℃で、乾燥THF(14.4ml)にメタンスルホン酸トランス−2−クロロ−11−ホルミルアミノメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチルエステル(2.40g、6.06ミリモル)が溶解した溶液に添加した。該混合物を10分間撹拌した。次いで、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン複合体(3.3ml、30.31ミリモル)を滴下して、温度を5℃以下に維持した。次いで、反応物を20〜25℃で15時間撹拌した。
0℃に冷却後、3NのHCL(8ml)を添加した。該混合物を100℃に加熱して30分間撹拌し、約15mlのテトラヒドロフランを蒸留した。次いで、25℃まで冷却し酢酸エチル(12ml)で希釈し、温度を25℃以下で保持しながら10%KCO溶液(25ml)を添加した。反応物を20〜25℃で1時間撹拌し、濾過して層を分離した。有機層を1M NaOH(2×10ml)で洗浄して、蒸発乾固して、1.65g(95%)のアセナピンを透明油として得た。これは、更なる精製を必要とせずに使用することができる。HPLC純度:92.2%。シス異性体の存在は観察されなかった。
1H-RMN: (CDCl3, 200 MHz): 2.56 (s, 3H), 3.12-3.18 (m, 4H),
3.61-3.64 (m, 2H), 7.05-7.26 (m, 7H)
実施例13.マレイン酸アセナピンの調製
Figure 0005815702
トランス−(5−クロロ−2−メチル−2,3,3,12b−テトラヒドロ−1H−ジベンズ[2,3:6,7]オキセピノ−[4,5−c]ピロール(アセナピン)(1.65g、5.77ミリモル)を無水エタノール(8.25ml)に溶解し、室温で10分間撹拌した。マレイン酸(804mg、6.93ミリモル)を添加し、完全に溶解するまで撹拌した。該溶液はマレイン酸アセナピン単斜晶形を種として室温で一晩撹拌した。得られた懸濁液を氷浴内で0℃まで冷却し、1時間撹拌して、濾過して、冷却した無水エタノール(1.65ml)で洗浄した。得られた生成物を45℃で24時間乾燥した。
2.11gのマレイン酸アセナピン単斜晶形(91%)を白色固体として得た。
HPLC純度:99.1%。シス異性体の存在は観察されなかった。
1H-RMN: (CDOH, 200 MHz): 3.14 (s, 3H), 3.79-3.82
(m, 2H), 3.91-3.94 (m, 2H), 4.06-4.11 (m, 2H), 6.23 (s, 2H), 7.16-7.31 (m, 7H).
実施例14.マレイン酸アセナピンの再結晶
2.11g(5.25ミリモル)のマレイン酸アセナピンを無水エタノール(8.5ml)に65℃で溶解した。その後、該溶液を冷却して、マレイン酸アセナピン単斜晶形を40℃で播種した。得られた懸濁液を室温まで冷却して、12時間撹拌し、0℃まで冷却して、2時間撹拌し、濾過して、冷却した無水エタノール(2.1ml)で洗浄した。得られた固体を45℃で24時間乾燥した。
1.96gのマレイン酸アセナピン単斜晶形(93%)を白色固体として得た。
HPLC純度:99.93%。シス異性体の存在は観察されなかった。
1H-RMN: (CDOH, 200 MHz): 3.14 (s, 3H), 3.79-3.82
(m, 2H), 3.91-3.94 (m, 2H), 4.06-4.11 (m, 2H), 6.23 (s, 2H), 7.16-7.31 (m, 7H).

Claims (18)

  1. 次の式I
    Figure 0005815702
    (式中、X及びX’は異なり、それぞれ独立に水素または塩素原子を表し、Rは水素または置換されるか若しくは置換されないC−Cアルキルオキシ基を示す)
    で表される化合物。
  2. 請求項1記載の化合物において、トランス−N−(8−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)ホルムアミド、トランス−N−(2−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)−ホルムアミド、トランス−(8−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)カルバミン酸ベンジルエステル、トランス−(2−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)カルバミン酸ベンジルエステル、トランス−(8−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)カルバミン酸エチルエステル及びトランス−(2−クロロ−11−ヒドロキシメチル−10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]オキセピン−10−イルメチル)カルバミン酸エチルエステル及びこれらの塩からなる群より選ばれる化合物。
  3. 次の式II
    Figure 0005815702
    (式中、X及びX’は異なり、それぞれ独立に水素または塩素原子を示す)
    で表されるアミノアルコール化合物を、次の式IIIで表されるギ酸無水物または式IVで表されるクロロギ酸エステル
    Figure 0005815702
    (式中、Rは置換されるか若しくは置換されないC−Cアルキルを示す。)
    と反応させることを含む、請求項1記載の化合物の製造方法。
  4. 請求項3記載の製造方法において、式IIIのギ酸無水物は、ギ酸酢酸無水物、ギ酸プロピオン酸無水物及びギ酸イソ酪酸無水物からなる群より選ばれる、製造方法。
  5. アセナピンまたはその塩を製造するにあたり、
    Figure 0005815702
    (a)次の式I
    Figure 0005815702
    (式中、X及びX’は異なり、それぞれ独立に水素または塩素原子を表し、Rは水素または置換されるか若しくは置換されないC−Cアルキルオキシ基を示す)
    で表される化合物のカルボニル部分を還元して、次の式V
    Figure 0005815702
    (式中、X及びX’は、上記と同じものを示す)
    で表されるメチルアミノ化合物を得、
    (b)随意に、化合物Vのヒドロキシル部分を脱離基に転換して、次の式VI
    Figure 0005815702
    (式中、X及びX’は、上記と同じものを示し、LGは脱離基を示す)
    で表される化合物を得、
    (c)式VまたはVIの化合物を環化してアセナピンを調製し、
    (d)随意に、アセナピンをその塩に転換する
    工程を含む、アセナピンまたはその塩の製造方法。
  6. アセナピンまたはその塩を製造するにあたり、
    Figure 0005815702

    (a−i)式Iの化合物のヒドロキシル部分を脱離基に転換して、次の式VIII
    Figure 0005815702
    (式中、LGは脱離基を示す)
    で表される化合物を得、
    (b−i)式VIIIの化合物を還元し環化してアセナピンを調製し、
    (c−i)随意に、アセナピンをその塩に転換する
    工程を含む、アセナピンまたはその塩の製造方法。
  7. 請求項5記載の製造方法において、工程(a)の還元剤は水素化ホウ素または水素化アルミニウムである製造方法。
  8. 請求項6記載の製造方法において、工程(b−i)の還元剤は水素化ホウ素または水素化アルミニウムである製造方法。
  9. 請求項5又は6記載の製造方法において、脱離基はハロゲン及び活性アルコールから選ばれる製造方法。
  10. 請求項5記載の製造方法において、工程(b)及び工程(c)は、式VIの中間化合物を単離することなくワンポット法で実施する製造方法。
  11. 請求項1に記載の式Iの化合物を還元剤で処理することを含む、アセナピンまたはその塩の製造方法。
  12. 次の式II
    Figure 0005815702
    (式中、X及びX’は異なり、それぞれ独立に水素または塩素原子を示す)
    で表されるアミノアルコール化合物。
  13. 次の式V
    Figure 0005815702
    (式中、X及びX’は異なり、それぞれ独立に水素または塩素原子を示す)
    で表される化合物。
  14. 次の式VI
    Figure 0005815702
    (式中、X及びX’は異なり、それぞれ独立に水素または塩素原子を示し、LGは脱離基を示す)
    で表される化合物。
  15. 次の式VIII
    Figure 0005815702
    (式中、LGは脱離基を示す)
    で表される化合物。
  16. 請求項3記載の製造方法において、式IIのアミノアルコール化合物は、次の式VII
    Figure 0005815702
    (式中、X及びX’は異なり、それぞれ独立に水素または塩素原子を表し、Rは置換されるか若しくは置換されないC−Cアルキルを示す)
    で表される化合物のニトロ及びエステル官能基の双方を還元することにより調製される、製造方法。
  17. アセナピンまたはその塩の製造のための請求項1、13、14又は15の化合物の使用。
  18. 請求項1記載の式Iの化合物の製造のための、請求項12記載の式IIの化合物の使用。
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