JP2014125462A - エポキシド誘導体およびその製造方法 - Google Patents

エポキシド誘導体およびその製造方法 Download PDF

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Yoshinori Tani
佳典 谷
Takashi Fukumoto
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Abstract

【課題】半導体用フォトレジスト組成物に用いられる(メタ)アクリル酸エステル誘導体や、光酸発生剤の原料となる、新規なエポキシド誘導体の提供。
【解決手段】式(1)のエポキシド誘導体。
Figure 2014125462

(式中、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14は、H、C1〜6のアルキル基、C3〜10のシクロアルキル基またはC1〜4のアルコキシ基;RおよびRは、H、C1〜6のアルキル基、C3〜10のシクロアルキル基もしくはC1〜4のアルコキシ基を表すか、または両者が結合してアルキレン基、−O−、もしくは−S−を表す;RはH、C1〜6のアルキル基、C3〜10のシクロアルキル基、C1〜4のアルコキシ基等;Xは−O−または>N−R16を表し、R16はHまたはC1〜6のアルキル基;Yは、>C=O等;波線は、RとRのいずれがエンドまたはエキソであってもよいことを表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体用フォトレジスト組成物に含有させる高分子化合物の構成単位となる(メタ)アクリル酸エステル誘導体などの原料モノマー、または光酸発生剤の原料として有用な、新規なエポキシド誘導体に関する。
ArFエキシマレーザーのような短い波長を用いたリソグラフィープロセスでは、半導体用フォトレジストの性能面において、解像度、感度、パターン形状など諸性質に対する改良が課題として挙げられる。これらの課題に対し、ArFエキシマレーザー用フォトレジスト組成物の主要成分であるラクトンについてさまざまな種類の化合物が検討されており、中でもノルボルナン系ラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを含有するフォトレジスト組成物が報告されている(特許文献1参照)。また、フォトレジストにおいて使用される光酸発生剤として、上記ノルボルナン系ラクトン骨格を有する化合物が良好な性能を持つことも報告されている(特許文献2参照)。
特開2010−266857号公報 特開2009−157040号公報
本発明の目的は、半導体用フォトレジスト組成物に含有させる高分子化合物の構成単位となる(メタ)アクリル酸エステル誘導体や、光酸発生剤の原料となる、新規なエポキシド誘導体を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、
[1]下記一般式(1)
Figure 2014125462
(式中、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基を表すか、またはRおよびRは両者が結合してアルキレン基、−O−、もしくは−S−を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または−COOR15を表し、R15は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは−O−または>N−R16を表し、R16は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。Yは、>C=O、または>S(=O)を表し、nは0〜2の整数を表す。波線は、RとRのいずれがエンドまたはエキソであってもよいことを表す。)
で示されるエポキシド誘導体(以下、エポキシド誘導体(1)と称する);および、
[2]下記一般式(2)
Figure 2014125462
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、X、Yおよび波線は前記定義のとおりである。)
で示されるアルコール誘導体(以下、アルコール体(2)と称する)と、
[3]下記一般式(3)
Figure 2014125462
(式中、R10、R11、R12、R13、R14は前記定義のとおりであり、Zは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で示されるエポキシ体(以下、エポキシ体(3)と称する)とを、酸または塩基の存在下に、エポキシ体(3)に対してアルコール体(2)を1.0モル倍以下の量比で反応させることを特徴とするエポキシド誘導体(1)の製造方法;
を提供することにより達成される。
本発明によれば、半導体用フォトレジスト組成物に含有させる高分子化合物の構成単位となる(メタ)アクリル酸エステル誘導体や光酸発生剤の原料となる新規なエポキシド誘導体を、経済的かつ工業的に優位に提供することができる。
実施例1で得られたエポキシド誘導体(1){2−[(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−4H−シクロペンタ[2,3−b]フラン−6−イル)オキシメチル]−オキシラン}のH−NMRスペクトルである。
[エポキシド誘導体(1)]
本発明のエポキシド誘導体(1)は、下記一般式(1)で示される。
Figure 2014125462
(式中、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基を表すか、またはRおよびRは両者が結合してアルキレン基、−O−、もしくは−S−を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または−COOR15を表し、R15は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは−O−または>N−R16を表し、R16は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。Yは、>C=O、または>S(=O)を表し、nは0〜2の整数を表す。波線は、RとRのいずれがエンドまたはエキソであってもよいことを表す。)
上記式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16が表す炭素数1〜6のアルキル基としては直鎖状または分岐状のいずれでもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、直鎖または分岐状のペンチル基(以下、「直鎖または分岐状」を総称して「各種」と表記する。以降全て同様である。)、各種ヘキシル基が挙げられる。
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14が表す炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基などが挙げられる。
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14が表す炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられる。
とRが結合して表すアルキレン基としては、例えばメチレン基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基などが挙げられる。
nは0、1、または2であるが、2が好ましい。
[エポキシド誘導体(1)の製造方法]
本発明のエポキシド誘導体(1)は、例えば、以下に示すように、アルコール体(2)とエポキシ体(3)とを、酸または塩基の存在下に、エポキシ体(3)に対してアルコール体(2)を1.0モル倍以下の量比で反応させることにより製造できる。
以下、酸の存在下に反応させる方法を反応(A)、塩基の存在下に反応させる方法を反応(B)と称する。
Figure 2014125462
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、X、Y、Zおよび波線は前記定義のとおりである。)
アルコール体(2)の入手方法に特に制限はない。工業的に入手できるものもあるし、また対応するジエンとジエノフィルとをディールス−アルダー反応させた付加体を原料とし、必要に応じて中間体を経由して、エポキシ化反応条件によってアルコール体(2)を製造することもできるし、あるいは、エポキシ化反応によってエポキシ化合物を一度形成した後、該エポキシ化合物を例えば塩基性物質などで処理することなどにより、アルコール体(2)を製造することもできる。
例えば、アルコール体(2)の構造式において、R、R、R、R、R、RおよびRが水素原子であり、かつR、Rが結合してメチレン基であり、Xが−O−、Yが>C=Oである5−ヒドロキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトンは、文献[H.B.Henbest,et al.,ジャーナル オブ ケミカル ソサエティ(J.Chem,Soc.),221−226頁(1959年)]に開示された方法により製造できる。
アルコール体(2)の構造式において、R、R、R、R、R、RおよびRが水素原子であり、かつR、Rが結合して−O−であり、Xが−O−、Yが>C=Oである5−ヒドロキシ−2,6−(7−オキサノルボルナン)カルボラクトンは、特開2003−096067号公報に記載された方法で製造できる。具体的には、フランとアクリル酸のディールス−アルダー反応によって容易に得られるエンド−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸[ジュスティヒ リービッヒ アナーレン デア へミー(Ann.)、第514巻、197頁(1934年);ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、第72巻、3116頁(1950年);ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、第77巻、3583頁(1955年)など参照]を、炭酸水素塩の存在下に過酸化水素と反応させることで製造できる。
アルコール体(2)の構造式において、R、R、R、R、R、RおよびRが水素原子であり、かつR、Rが結合してメチレン基であり、Xが−O−、Yが>S(=O)である5−ヒドロキシ−2,6−ノルボルナンスルトンは、例えば、シクロペンタジエンと系内で発生させたビニルスルホニルクロリドとをディールス−アルダー反応させて5−ノルボルネン−2−スルホニルクロリドを得、次いで水酸化ナトリウム水溶液を接触させることにより5−ノルボルネン−2−スルホン酸ナトリウム塩とし、さらに過ギ酸によるエポキシ化反応に供することにより製造できる[特開2010−83873号公報参照]。
アルコール体(2)の構造式において、R、R、R、R、R、RおよびRが水素原子であり、かつR、Rが結合してメチレン基であり、Xが>N−R16、該R16がt−ブチル基であり、Yが>C=Oであるものについては、例えば、シクロペンタジエンと塩化アクリロイルをディールス−アルダー反応させ、得られた生成物にt−ブチルアミンを反応させることによりN−t−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキサミドを得る。次いで、これを炭酸カリウムなどの塩基性化合物存在下にm−クロロ安息香酸と接触させてエポキシ化反応を行うことにより、N−t−ブチル−5,6−エポキシビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−カルボキサミドを得る。該エポキシ化合物を、カリウム−t−ブトキシドなど塩基性物質と反応させることにより、アルコール体(2)を製造できる。
さらに、アルコール体(2)の構造式において、R、R、R、R、R、RおよびRが水素原子であり、かつR、Rが結合してメチレン基になっており、Xが>NH、Yが>S(=O)である9−ヒドロキシ−4−チア−5−アザトリシクロ[4.2.1.06.7]ノナン−4,4−ジオキシドは、例えば、まず5−ノルボルネン−2−スルホンアミドを、炭酸水素ナトリウムなどの塩基性化合物存在下にm−クロロ安息香酸と反応させて5,6−エポキシ−2−ノルボルナンスルホンアミドを得、次いで該化合物をカリウム−t−ブトキシドなどの塩基性物質と反応させることで製造できる。
以上の方法の他の公知の方法、さらには本明細書の実施例などを参照することにより、その他のアルコール体(2)も製造することができる。
エポキシ体(3)の入手方法に特に制限はない。入手容易性の観点からは、Xは塩素原子が好ましい。エピクロロヒドリンのように工業的に入手できるものもあるし、また対応するハロアルケンからハロヒドリン化、続く環化反応によってエポキシ体(3)を製造することもできる。例えば、エポキシ体(3)の構造式において、R10、R11、R13およびR14が水素原子であり、R12がメチル基であり、Zが塩素原子であるメチルエピクロロヒドリンは、メタリルクロライドを水中で1,3−ジメチル−5,5−ジブロモヒダントインなどのブロモ化剤と接触させることによりハロヒドリン化させた後、水酸化ナトリウムなどの塩基性物質と反応させることにより製造できる[特開2010−168289号公報参照]。
アルコール体(2)の使用量は、本発明のエポキシド誘導体(1)を円滑に得る観点から、エポキシ体(3)に対して1.0モル倍以下の量比であり、0.1〜1.0モル倍の範囲であるのが好適であり、0.2〜0.9モル倍の範囲であるのがより好ましく、経済性および後処理の容易さの観点から、0.3〜0.8モル倍の範囲であることがさらに好ましい。
(反応A)
以下、反応(A)について説明する。
反応(A)で用いることができる酸としては、例えば塩酸、硫酸などの鉱酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸;三フッ化ホウ素、トリアセトキシホウ素、三塩化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、トリフルオロメタンスルホン酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、チタンイソプロポキシド、ジブチル錫ジラウレートなどのルイス酸などが挙げられる。これらの中でも、鉱酸または有機酸が好ましく、硫酸、p−トルエンスルホン酸がさらに好ましい。酸は1種類を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。酸の使用量に特に制限はないが、反応速度、経済性、後処理の容易さの観点から、通常、エポキシ体(3)1モルに対して0.001モル〜5モルの範囲であるのが好ましく、0.001モル〜2モルの範囲であるのがより好ましい。
反応(A)は、溶媒の存在下または非存在下で実施することができる。溶媒としては、反応を阻害しなければ特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン、シメンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステルなどが挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒を使用する場合、その使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、エポキシ体(3)に対して0.1質量倍〜50質量倍であることが好ましく、0.1質量倍〜10質量倍であることがより好ましい。
反応(A)の反応温度は、使用するアルコール体(2)、エポキシ体(3)、酸や溶媒の種類によっても異なるが、通常、−30℃〜150℃が好ましく、経済性および反応速度の観点から−30℃〜80℃がより好ましい。反応(A)の反応圧力に特に制限は無いが、通常、常圧で反応を実施するのが好ましい。反応(A)の反応時間は、使用するアルコール体(2)、エポキシ体(3)、酸や溶媒の種類によっても異なるが、通常、0.5時間〜48時間が好ましく、経済性の観点から0.5時間〜24時間がより好ましい。
反応(A)は、塩基の添加により停止できる。かかる塩基としては、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物;水素化マグネシウム、水素化カルシウムなどのアルカリ土類金属水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの三級アミン;ピリジン、2−ピコリン、2,6−ルチジンなどの含窒素複素環式芳香族化合物が挙げられる。塩基の添加量は、反応(A)で用いる酸1モルに対して0.1モル〜10モルの範囲であるのが好ましく、経済性の観点から、0.1モル〜5モルの範囲であるのがより好ましい。
(反応B)
以下、反応(B)について説明する。
反応(B)は、アルコール体(2)にまず塩基を接触させた後、エポキシ体(3)を添加して反応を行うことが好ましい。
反応(B)で用いることができる塩基としては、例えばナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物;水素化マグネシウム、水素化カルシウムなどのアルカリ土類金属水素化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの三級アミン;ピリジン、2−ピコリン、2,6−ルチジンなどの含窒素複素環式芳香族化合物などが挙げられる。これらの中でも、金属アルコキシド、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属水酸化物が好ましく、カリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムがより好ましい。塩基の使用量に特に制限はないが、反応速度、経済性、後処理の容易さの観点から、通常、アルコール体(2)1モルに対して0.5モル〜5モルの範囲であるのが好ましく、0.5モル〜2モルの範囲であるのがより好ましい。
反応(B)は、溶媒の存在下で実施することが好ましい。溶媒としては、反応を阻害しなければ特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン、シメンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミドなどが挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は、経済性および後処理の容易さの観点から、アルコール体(2)に対して0.1質量倍〜50質量倍であることが好ましく、0.1質量倍〜10質量倍であることがより好ましい。
反応(B)の反応温度は、使用するアルコール体(2)、エポキシ体(3)、塩基や溶媒の種類によっても異なるが、アルコール体(2)を塩基と接触させる際は、通常、−30℃〜30℃が好ましく、−30℃〜10℃がより好ましい。アルコール体(2)を塩基と接触させた後にエポキシ体(3)を添加してからの反応温度は、使用するエポキシ体(3)、塩基や溶媒の種類によっても異なるが、通常、−30℃〜150℃が好ましく、経済性と反応速度の観点から−30℃〜80℃がより好ましい。反応(B)の反応圧力に特に制限は無いが、通常、常圧で反応を実施するのが好ましい。反応(B)の反応時間は、使用するアルコール体(2)、エポキシ体(3)、塩基や溶媒の種類によっても異なるが、通常、0.5時間〜48時間が好ましく、経済性の観点から0.5時間〜24時間がより好ましい。
反応(B)は酸の添加により停止できる。かかる酸としては、塩酸、硫酸などの鉱酸;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機酸;三フッ化ホウ素、トリアセトキシホウ素、三塩化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、トリフルオロメタンスルホン酸銅、テトラフルオロホウ酸銅、チタンイソプロポキシド、ジブチル錫ジラウレートなどのルイス酸などが挙げられる。酸の添加量は、反応(B)で用いる塩基1モルに対して0.1モル〜10モルの範囲であるのが好ましく、経済性および反応収率の観点から0.1モル〜5モルの範囲であるのがより好ましい。
(エポキシド誘導体(1)の単離精製)
上記した反応(A)または反応(B)で得られた反応混合物からのエポキシド誘導体(1)の単離精製は、有機化合物の単離精製において一般的に用いられる方法で行うことができる。例えば、反応停止後、反応混合物に水を添加して有機層と水層を分離し、必要に応じて水層を有機溶媒で抽出し、得られた有機層を濃縮することによりエポキシド誘導体(1)を単離できる。そして、必要に応じ、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの通常の精製手段により、純度の高いエポキシド誘導体(1)を得ることができる。
上記の方法で製造し得るエポキシド誘導体(1)の具体例を以下に示すが、特にこれらに限定されない。
Figure 2014125462
Figure 2014125462
Figure 2014125462
Figure 2014125462
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されない。
<合成例1>5−ヒドロキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトンの合成
攪拌装置、温度計および滴下漏斗を備えた内容積500mLの四つ口フラスコに、p−メトキシフェノール0.20g、アクリル酸54.1g(0.75mol)およびトルエン150mLを仕込み、攪拌しつつ、滴下漏斗からシクロペンタジエン54.55g(0.83mol)を、反応混合液の温度が40℃以下になるようにしながら2時間かけて滴下した。滴下後室温で10時間攪拌を続け、その後減圧下に濃縮することにより、5−ノルボルネン−2−カルボン酸82.2g(0.6mol)を得た。
攪拌装置、温度計および滴下漏斗を備えた内容積1Lの四つ口フラスコに、上記で得られた、5−ノルボルネン−2−カルボン酸82.2g(0.6mol)および88%ギ酸47.3g(0.9mol)を入れて20〜30℃で混合後、48〜50℃に昇温し、30%過酸化水素水81.3g(0.72mol)を6時間かけて滴下した。滴下終了後、内温50℃前後で10時間攪拌した。得られた反応混合液を15℃まで冷却後、亜硫酸ナトリウム15.8gを内温15〜20℃の範囲で添加し、デンプン紙により過酸化水素が不検出であることを確認後、20%水酸化ナトリウム水溶液で反応混合液のpHを7.5とした。酢酸エチル400gで3回抽出を行い、得られた有機層を合わせて減圧下に濃縮した。得られた固体に、酢酸エチル80gおよびトルエン400gを添加し、加温して固体が完全に溶解してから0℃までゆっくりと冷却し、析出した結晶をろ過した。ろ別した結晶を5℃のトルエン100gで洗浄し、40℃で2時間減圧下に乾燥することで、下記の物性を有する5−ヒドロキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン56g(純度99.0%、0.36mol)を得た(収率60%)。
Figure 2014125462
H−NMR(400MHz、CDCl、TMS、ppm)δ:1.55−1.67(2H,m),2.00(1H,ddd,J=13.7,11.2,4.2Hz),2.13(1H,ddd,J=11.2,3.2,1.5Hz),2.2(1H,brs),2.38−2.44(1H,m),2.52(1H,ddd,J=11.3,3.2,1.3Hz),3.18−3.25(1H,m),3.75(1H,s),4.43(1H,d,J=5.0Hz)。
<実施例1>2−[(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−4H−シクロペンタ[2,3−b]フラン−6−イル)オキシメチル]−オキシランの合成
攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管および温度計を取り付けた内容積50mLの三つ口フラスコに、上記で得られた、5−ヒドロキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン5.78g(37.6mmol)を仕込み、フラスコ内を窒素置換した後、テトラヒドロフラン24gを仕込み、室温で攪拌して溶解させた後、溶液を3℃まで冷却した。次いで、水素化ナトリウム0.9g(37.6mmol)を10℃以下で添加し、3℃で30分間攪拌した。反応液にエピクロロヒドリン6.92g(75.2mmol)を3℃で添加し、63℃で7時間攪拌した。反応混合液に水20gおよび酢酸エチル20gを添加、分液し、水層を酢酸エチル20gで2回抽出を行い、得られた有機層を合わせて水20gで2回洗浄した後、減圧下に濃縮した。得られた液体10.65gをシリカゲル300gを用いてカラム精製(展開液:酢酸エチル/ヘキサン=2/1(容量比))することで、下記の物性を有する2−[(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−4H−シクロペンタ[2,3−b]フラン−6−イル)オキシメチル]−オキシラン4.18g(19.93mmol)を得た(反応した5−ヒドロキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン基準の収率53%)。
Figure 2014125462
H−NMR(400MHz、CDCl、TMS、ppm)δ:1.55−1.62(2H,m)、1.98−2.07(2H,m)、2.49−2.55(2H,m)、2.61−2.62(1H,m)、2.81(1H,t,J=4.2Hz)、3.12−3.17(2H,m)、3.38−3.44(2H,m)、3.79(1H,ddd,J=11.4、8.7、2.7Hz)、4.49(1H,m)。H−NMRスペクトルを図1に示す。
本発明の方法により得られるエポキシド誘導体は、半導体用フォトレジスト組成物に含有させる高分子化合物の構成単位となる(メタ)アクリル酸エステル誘導体の原料モノマーとして、また光酸発生剤の原料として有用である。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2014125462
    (式中、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基を表すか、またはRおよびRは両者が結合してアルキレン基、−O−、もしくは−S−を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または−COOR15を表し、R15は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは−O−または>N−R16を表し、R16は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。Yは、>C=O、または>S(=O)を表し、nは0〜2の整数を表す。波線は、RとRのいずれがエンドまたはエキソであってもよいことを表す。)
    で示されるエポキシド誘導体。
  2. 下記一般式(2)
    Figure 2014125462
    (式中、R、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基を表すか、またはRおよびRは両者が結合してアルキレン基、−O−、もしくは−S−を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または−COOR15を表し、R15は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Xは−O−または>N−R16を表し、R16は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。Yは、>C=O、または>S(=O)を表し、nは0〜2の整数を表す。波線は、RとRのいずれがエンドまたはエキソであってもよいことを表す。)
    で示されるアルコール誘導体と、下記一般式(3)
    Figure 2014125462
    (式中、R10、R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。Zは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
    で示されるエポキシ体とを、酸または塩基の存在下に、前記エポキシ体に対して前記アルコール誘導体を1.0モル倍以下の量比で反応させることを特徴とする、下記一般式(1)
    Figure 2014125462
    (式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、X、Yおよび波線は前記定義のとおりである。)
    で示されるエポキシド誘導体の製造方法。
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