JP2003183269A - ヒドロイソベンゾフラン1(3h)−オン誘導体 - Google Patents

ヒドロイソベンゾフラン1(3h)−オン誘導体

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JP2003183269A
JP2003183269A JP2001390998A JP2001390998A JP2003183269A JP 2003183269 A JP2003183269 A JP 2003183269A JP 2001390998 A JP2001390998 A JP 2001390998A JP 2001390998 A JP2001390998 A JP 2001390998A JP 2003183269 A JP2003183269 A JP 2003183269A
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substituted
hydrogen atom
lower alkyl
unsubstituted aralkyl
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Application number
JP2001390998A
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English (en)
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Masanori Takadoi
雅法 高土居
Atsuro Terajima
孜郎 寺島
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Kyorin Pharmaceutical Co Ltd
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Kyorin Pharmaceutical Co Ltd
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ムスカリンM2受容体に対し強力かつ選択的な
拮抗作用を有するアルカロイドであるヒンバシンの、有
用な新規類縁体を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) で示されるヒドロイソベンゾフラン誘導体、ならびにそ
れらの酸付加塩類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ムスカリンM2受容
体に対して強力かつ選択的な拮抗作用を示し、アルツハ
イマー症治療薬としての用途が期待されるヒンバシン
の、新規類縁体であるヒドロイソベンゾフラン誘導体お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒンバシンは、1956年に松科植物の一種
であるGalbulimima baccataから単離・構造決定された
ピペリジンアルカロイドであり、その構造的特徴として
は、熱力学的に安定なトランスデカリン環に5員環ラク
トンがシス配置で縮合する点、また4つの核間水素を含
む8つの不斉中心を有している点、更に3環性部位とピペ
リジン環がトランス二重結合を介して結合している点、
の3点を挙げることができる。
【0003】 近年、アルツハイマー型痴呆症に代表される老人性痴呆
症が社会的に大きな問題となっており、その本質的治療
薬が切望されている。そのアプローチのひとつとして、
痴呆症患者における中枢のコリン作動性神経の機能低下
という現象から、いわゆる「コリン仮説」に基づく治療
薬の開発が活発に行われている。それらを大別すると以
下の4つに分けることができる。即ち、(1)コリン取り
込み阻害剤、(2)アセチルコリンエステラーゼ阻害
剤、(3)コリンアセチルトランスフェラーゼ合成賦活
剤、(4)ムスカリン受容体に作用するもの(ムスカリ
ンM1アゴニストあるいはM2受容体のアンタゴニスト)、
である。ヒンバシンは、神経終末のアセチルコリン放出
を抑制する働きを持つと考えられるM2受容体に対して、
強力かつ選択的に阻害作用を示すことが最近になって明
らかとなり、抗痴呆薬としての可能性を見出された。
【0004】このようにヒンバシンは、強力な活性と興
味深い化学構造の2点から世界的に注目される化合物で
あり、近年いくつかのグループから分子内ディールス・
アルダー反応を鍵反応とする全合成、ならびに誘導体合
成が報告されている(Kozikowskiら、全合成:a) J. A
m. Chem. Soc. 1995, 117, 9369-9370. b) J. Org. Che
m. 1997, 62, 5023-5033. 誘導体合成:a) Bioorg. Me
d. Chem. Lett. 1992, 2, 797-802. b) Bioorg. Med. C
hem. Lett. 1993, 3, 1247-1252. c) Bioorg. Med. Che
m. Lett. 1995, 5, 61-66.、Chackalamannilら、全合
成:a) J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 9812-9813. b)
J. Org. Chem. 1999, 64, 1932-1940. 誘導体合成:Bio
org. Med. Chem. Lett. 1999, 9, 901-906.など)。ま
た本発明者らにより、分子間ディールス・アルダー反応
を鍵反応とするヒンバシンの全合成が開示されている
(寺島ら、特開2000-229961、Takadoiら、Tetrahedron
Lett. 1999, 40, 3399-3402)。 当該特許はヒンバシンの合成に必要な製造中間体に関す
る請求であり、ヒンバシンに特徴的な3環性化合物が請
求されているのみである。従って本発明に示すような、
2環性化合物であるという構造的特徴を有するヒンバシ
ン類縁体の合成は、未だ報告されていない。一方、細胞
増殖抑制作用を示す2環性化合物が既に公知である(木
村ら、特開平4-208278)。 この中には、上記一般式中R19ならびにR20が水素原子、
水酸基または側鎖が水酸基もしくはカルボニル基で置換
されてもよい炭素数1〜7のアルキル基である化合物が請
求されているが、本発明の特徴であるラクトン環3位置
換基がメチル基である化合物の具体的な製造例が開示さ
れていない。また、本発明で請求する化合物の数種が当
該特許の請求項に抵触するが、本発明中で示した化合物
の具体的な製造例が開示されていない。更に当該特許
は、細胞増殖抑制作用を示す化合物として開示されてお
り、本発明に示すようなムスカリンM2サブタイプ受容体
拮抗作用に関しては一切触れられていない。従って、本
発明に示す2環性構造を有するヒンバシン類縁体の合成
は未だ報告されておらず、そのムスカリンM2サブタイプ
受容体拮抗作用も明らかにされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
ツハイマー症治療薬としての用途が期待される新規ヒン
バシン類縁体およびその製造中間体を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を鑑み鋭意研究を重ねた結果、本発明の下記化合物が、
強力かつ極めてサブタイプ選択的なムスカリンM2受容体
拮抗作用を有し、またその製造において製造中間体とし
て極めて有用であることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】即ち、本発明は下記一般式(1) (式中、R1は低級アルキル基または置換もしくは無置換
のアラルキル基を表し、R2は1つ以上の置換基を有して
いてもよい、5〜14員環のO、N、S等のヘテロ原子を1つ
以上含んでも良い脂肪族複素環または芳香族複素環を表
し、R3は水素原子、低級アルキル基または置換もしくは
無置換のアラルキル基を表し、R4およびR5は一体となっ
て酸素原子を表すか、あるいはR4が水素原子を表し、R5
が水酸基、低級アルコキシ基、置換もしくは無置換のア
ラルキルオキシ基、または低級アシルオキシ基を表し、
AはR2と一体となって下記一般式(2) (mおよびnは0、1または2であり、R6は水素原子、低級
アルキル基または置換もしくは無置換のアラルキル基を
表す))で示されるヒドロイソベンゾフラン誘導体、な
らびにそれらの酸付加塩類、下記一般式(1-1) (式中、R1は低級アルキル基、または置換もしくは無置
換のアラルキル基を表し、R3は水素原子、低級アルキル
基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、R4、R5
は一体となって酸素原子を表すか、あるいはR4が水素原
子を表し、R5が水酸基、低級アルコキシ基、置換もしく
は無置換のアラルキルオキシ基、または低級アシルオキ
シ基を表し、R7は水素原子、低級アルキル基、置換もし
くは無置換のアラルキル基またはアミノ基の保護基を表
し、R8は水素原子、低級アルキル基、または置換もしく
は無置換のアラルキル基を表し、R9は水素原子、低級ア
ルキル基、または置換もしくは無置換のアラルキル基を
表す)で示される、ヒドロイソベンゾフラン誘導体なら
びにそれらの酸付加塩類、下記一般式(1-2) (式中、R1は低級アルキル基、または置換もしくは無置
換のアラルキル基を表し、R3は水素原子、低級アルキル
基、または置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、
R4およびR5は一体となって酸素原子を表すか、あるいは
R4が水素原子を表し、R5が水酸基、低級アルコキシ基、
置換もしくは無置換のアラルキルオキシ基、または低級
アシルオキシ基を表し、R10、R11は一体となって酸素原
子またはメチレン基を表すか、あるいはR10が水素原子
を表し、R11が水酸基、低級アルコキシ基、置換もしく
は無置換のアラルキルオキシ基、低級アシルオキシ基、
酸素原子が置換されていてもよいヒドロキシメチル基、
置換もしくは無置換のアリールスルフェニルメチル基、
置換もしくは無置換のアリールスルホニルメチル基を表
し、破線を伴った場合は、一方が一重結合で、他方が二
重結合を表すか、あるいはいずれも一重結合を表す)で
示される、ヒドロイソベンゾフラン誘導体、ならびに下
記一般式(3) (式中、R1は低級アルキル基または置換もしくは無置換
のアラルキル基を表し、R3は水素原子、低級アルキル基
または置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、R4
R5は一体となって酸素原子を表すか、あるいはR4が水素
原子を表し、R5が水酸基、低級アルコキシ基、置換もし
くは無置換のアラルキルオキシ基、または低級アシルオ
キシ基を表し、R12、R13はともに水酸基または低級アシ
ル基を表すか、あるいはR12が水素原子の時R13は水酸基
または低級アシル基を表し、破線を伴った場合は、一方
が一重結合で、他方が二重結合を表すか、あるいはいず
れも一重結合を表す)で示される、ヒドロイソベンゾフ
ラン誘導体ならびにその製造方法を提供するものであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、「低級アルキ
ル」とは、メチル、エチル、1-メチルエチル、1,1-ジメ
チルエチル、プロピル、2-メチルプロピル等の直鎖もし
くは分岐した炭素数1〜6のものがあげられ、飽和、不飽
和を問わない。「アラルキル基」としては、ベンジル
基、1-フェニルエチル基等があげられ、置換基として
は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基等があげられる。「低級アルコ
キシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、1-メチル
エトキシ基、1,1-ジメチルエトキシ基、プロポキシ基、
2-メチルプロポキシ基等の直鎖もしくは分岐した炭素数
1〜6のものがあげられ、飽和、不飽和を問わない。「ア
ラルキルオキシ基」としては、ベンジルオキシ基、1-フ
ェニルエトキシ基等があげられ、置換基としては、低級
アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ
基、ニトロ基等があげられる。「低級アシルオキシ基」
とは、ホルミル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ
基、2,2-ジメチルプロピオニルオキシ基等の炭素数1〜5
のものがあげられる。「酸素原子が置換されていてもよ
いヒドロキシメチル基」とは、メチレン鎖が置換されて
いてもよいヒドロキシメチル基、アリールアシルオキシ
メチル基、あるいは酸素原子と一体となって脱離基を形
成したヒドロキシメチル基等があげられる。ここでいう
「アリールアシル基」とは、ベンゾイル基等があげら
れ、置換基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等があげられ
る。また、水酸基の保護基としては、トリメチルシリル
基、t-ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル
基、ベンジル基、ジフェニルメチル基等のアリールメチ
ル基、アセチル基、プロピオニル基等のアシル基、メト
キシメチル基、エトキシメチル基等の低級アルコキシメ
チル基、ベンジルオキシメチル基等のアラルキルオキシ
メチル基、テトラヒドロピラニル基等があげられ、その
導入および除去は文献記載の方法を適宜採用して行うこ
とができる(Green, T.W.; Wuts, P.G.M. “Protective
Groupsin Organic Synthesis”, 2nd Ed., Wiley Inte
rscience Publication, John-Weiley&Sons, New York,
1991, pp 14-118)。また、「酸素原子と一体になって
脱離基」とは、例えば低級アルキルスルホニルオキシ
基、アリールスルホニルオキシ基等があげられる。「ア
ミノ基の保護基」とは、例えばアセチル、プロピオニル
のような低級アシル基、エトキシカルボニル、t-ブトキ
シカルボニルのような低級アルコキシカルボニル基、ベ
ンジル基等があげられ、その導入および除去は文献記載
の方法を適宜採用して行うことができる(Green, T.W.;
Wuts, P.G.M.“Protective Groups in Organic Synthe
sis”, 2nd Ed., Wiley IntersciencePublication, Joh
n-Weiley&Sons, New York, 1991, pp 14-118)。「1つ
以上の置換基を有していてもよい、5〜14員環のO、N、S
等のヘテロ原子を1つ以上含んでも良い脂肪族複素環」
における「1つ以上の置換基」とは、例えばハロゲン原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキル
チオ基、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基、アミ
ノ基、シアノ基等があげられ、「脂肪族複素環」とは、
例えばピロリジル、ピペリジル、ピペラジル、モルホリ
ル等があげられる。この場合の「アミノ基」とは、アシ
ル、例えばアセチル等によって置換されてもよく、また
1〜2個の低級アルキル基によって置換されてもよい。
「芳香族複素環」とは、例えばフラニル、チエニル、ピ
ラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、
ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラチル等があげ
られ、それらはまた、ベンゼン環と任意の位置で縮合し
ていてもよい。この場合の「アミノ基」とは、アシル、
例えばアセチル等によって置換されてもよく、また1〜2
個の低級アルキル基によって置換されてもよい。「酸付
加塩」とは、例えば塩酸、酢酸、硫酸等の無機酸類、及
びクエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸
等の有機酸類のような、薬理的に許容できる塩である。
【0009】本発明中の好ましい化合物としては、(3S,
3aR,4S,7aS)-ヘキサヒドロ-3-メチル-4-[2-(E)-[(2R,6
S)-6-メチルピペリジン-2-イル]エテニル]イソベンゾフ
ラン-1(3H)-オン、(3S,3aR,4S,7aS)-ヘキサヒドロ-3-メ
チル-4-[2-(E)-[(2S,6R)-6-メチルピペリジン-2-イル]
エテニル]イソベンゾフラン-1(3H)-オン、(3R,3aS,4R,7
aR)-ヘキサヒドロ-3-メチル-4-[2-(E)-[(2R,6S)-6-メチ
ルピペリジン-2-イル]エテニル]イソベンゾフラン-1(3
H)-オン、(3R,3aS,4R,7aR)-ヘキサヒドロ-3-メチル-4-
[2-(E)-[(2S,6R)-6-メチルピペリジン-2-イル]エテニ
ル]イソベンゾフラン-1(3H)-オン、ならびに、(3S,3aR,
4S,7aS)-ヘキサヒドロ-4-[2-(E)-[(2R,6S)-1,6-ジメチ
ルピペリジン-2-イル]エテニル]-3-メチルイソベンゾフ
ラン-1(3H)-オン、(3S,3aR,4S,7aS)-ヘキサヒドロ-4-[2
-(E)-[(2S,6R)-1,6-ジメチルピペリジン-2-イル]エテニ
ル]-3-メチルイソベンゾフラン-1(3H)-オン、(3R,3aS,4
R,7aR)-ヘキサヒドロ-4-[2-(E)-[(2R,6S)-1,6-ジメチル
ピペリジン-2-イル]エテニル]-3-メチルイソベンゾフラ
ン-1(3H)-オン、(3R,3aS,4R,7aR)-ヘキサヒドロ-4-[2-
(E)-[(2S,6R)-1,6-ジメチルピペリジン-2-イル]エテニ
ル]-3-メチルイソベンゾフラン-1(3H)-オン、などがあ
げられる。
【0010】尚本発明化合物は、複数の不斉炭素を有し
ており相当する光学異性体が存在し得るが、これらの光
学異性体およびこれらの混合物は本発明に包含されるも
のである。
【0011】本発明の一般式(1)で表される化合物群
は、前記一般式(3)で表される化合物を鍵中間体とし、
例えば下記の製造工程に従って製造することができる。
【0012】(第一工程)本工程は、前記一般式(4)
で表される5-置換-2(5H)-フラノンに前記一般式(5)で
表される1,3-ブタジエン誘導体を付加させ、前記一般式
(3a)で表されるヒドロイソベンゾフラン-1(3H)-オン
誘導体を製造するものである。本反応は塩化亜鉛、臭化
亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウ
ム、四塩化錫、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯
体、過塩素酸リチウム等のルイス酸やウィルキンソン錯
体等のロジウム錯体、ドデシル硫酸ナトリウムや臭化セ
チルトリメチルアンモニウム存在下、あるいは非存在下
で行うことができる。反応は、例えばペンタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-
ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロ
ピオニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、N,N-ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロト
ン性極性溶媒およびこれらと水の混合系溶媒の存在下あ
るいは非存在下で行われ、通常-20℃から200℃で円滑に
進行する。また場合によっては2,6-ジ-t-ブチル-4-メチ
ルフェノール(BHT)等のラジカル消去剤など、安定剤
を添加しても良い。
【0013】(第二工程)本工程は、前記第一工程で得
られる前記一般式(3a)で表されるヒドロイソベンゾフ
ラン-1(3H)-オン誘導体中の二重結合を接触還元し、前
記一般式(3b)で表されるヒドロイソベンゾフラン-1(3
H)-オン誘導体を製造するものである。本反応は、通常
パラジウム−炭素、ラネーニッケル、水酸化パラジウ
ム、ロジウム−アルミナ、酸化白金等の触媒を用いて溶
媒中で行う。溶媒としては反応に関与しなければいかな
るものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘ
キサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロ
エタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化
水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタ
ノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノー
ル、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチ
ル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒およびこれら
と水の混合系溶媒が好適に用いられる。反応は0℃から
100℃で、98.1KPaから数百KPaにて円滑に進行する。
【0014】(第三工程)本工程は、前記第二工程で得
られる前記一般式(3b)で表されるヒドロイソベンゾフ
ラン-1(3H)-オン誘導体の7位アセトキシ基を位置選択的
に除去し、前記一般式(1-2a)で表されるヒドロイソベ
ンゾフラン-1(3H)-オン誘導体を製造するものである。
本反応は、通常適当な反応剤、例えば、ナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属ア
ルコキシド、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメ
チルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド
のようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジ
イソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホ
リン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジ
アザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、塩化亜鉛、臭化
亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウ
ム、四塩化錫、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯
体、過塩素酸リチウム等のルイス酸存在下で行うことが
できる。溶媒としては反応に関与しなければいかなるも
のも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-
ジオキサン等のエーテル系溶媒が好適に用いられる。反
応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
【0015】(第四工程)本工程は、前記第三工程で得
られる前記一般式(1-2a)で表されるヒドロイソベンゾ
フラン-1(3H)-オン誘導体の二重結合を接触還元し、前
記一般式(1-2b)で表されるヒドロイソベンゾフラン-1
(3H)-オン誘導体を製造するものである。本反応は、通
常パラジウム−炭素、ラネーニッケル、水酸化パラジウ
ム、ロジウム−アルミナ、酸化白金等の触媒を用いて溶
媒中で行う。溶媒としては反応に関与しなければいかな
るものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘ
キサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロ
エタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化
水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタ
ノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノー
ル、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチ
ル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒およびこれら
と水の混合系溶媒が好適に用いられる。反応は0℃から
100℃で、98.1KPaから数百KPaにて円滑に進行する。本
工程では、触媒に酸化白金を用いた場合、縮合部位はβ
-シス配座に立体選択的に還元される。
【0016】(第五工程)本工程は、前記第四工程で得
られる前記一般式(1-2b)で表されるヒドロイソベンゾ
フラン-1(3H)-オン誘導体中の4位アセトキシ基を加水分
解し、前記一般式(1-2c)で表されるヒドロイソベンゾフ
ラン-1(3H)-オン誘導体を製造するものである。その方
法は、文献記載の方法を適宜採用して行うことができる
(Green, T.W.; Wuts, P.G.M. “Protective Groups in
Organic Synthesis”, 2nd Ed., Wiley Interscience
Publication, John-Weiley&Sons, New York, 1991, pp
14-118)。溶媒としては反応に関与しなければいかなる
ものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエ
タン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水
素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,
4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノ
ール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノー
ル、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチ
ル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒が好適に用い
られる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
【0017】(第六工程)本工程は、前記第五工程で得
られる前記一般式(1-2c)で表されるヒドロイソベンゾ
フラン-1(3H)-オン誘導体中のラクトンカルボニル基を
還元し、更に生成した1,4-ジヒドロキシヒドロイソベン
ゾフラン誘導体の1-ヒドロキシ基を選択的にアルキル化
して保護し、前記一般式(1-2d)で表される1-アルコキ
シヒドロイソベンゾフラン-4-オール誘導体(R31が低級
アルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、また
は低級アシル基を表す)を製造するものである。本工程
の還元は、水素化ジイソブチルアルミニウム等の水素化
ジアルキルアルミニウムを用いて行われる。溶媒として
は反応に関与しなければいかなるものも用いることがで
きるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶
媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホル
ム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等の
エーテル系溶媒が用いられる。反応は、-100℃から100
℃で円滑に進行する。引き続いて行われる1位水酸基の
エーテル化は、アルコール溶媒中適当なルイス酸存在下
で行われる。「適当なルイス酸」とは、例えば、塩化亜
鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ化ホウ素、塩化アル
ミニウム、四塩化錫、三フッ化ホウ素−ジエチルエーテ
ル錯体、過塩素酸リチウム等が挙げられ、アルコール溶
媒としては、例えばメタノール、エタノール、1-プロパ
ノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノー
ル、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノー
ル等のアルコール系溶媒が好適に用いられる。反応は、
通常-100℃から100℃で円滑に進行する。また、1位水酸
基へのアラルキル基あるいはアシル基の導入は、公知の
方法(Green, T.W.; Wuts, P.G.M. “Protective Group
s in Organic Synthesis”, 2ndEd., Wiley Interscien
ce Publication, John-Weiley&Sons, New York, 1991,p
p 46-66およびpp 87-118)に従っても行われる。
【0018】(第七工程)本工程は、前記第六工程で得
られる前記一般式(1-2d)で表されるヒドロイソベンゾ
フラン-4-オール誘導体中の4位ヒドロキシ基を酸化し、
前記一般式(1-2e)で表されるヒドロイソベンゾフラン
-4(1H)-オン誘導体を製造するものである。本工程に用
いられる酸化剤としては、クロム酸、三酸化クロム−ピ
リジン混合系、ジメチルスルホキシド−塩化オキザリル
−トリエチルアミン混合系、ルテニウム錯体、デスーマ
ーチン試薬等を用いて行うことができる。酸化は、通常
溶媒中で行うことが望ましく、例えば、ジクロロメタ
ン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素系溶媒が用いられる。反応は-100
℃から100℃で円滑に進行する。
【0019】(第八工程)本工程は、前記第七工程で得
られる前記一般式(1-2e)で表されるヒドロイソベンゾ
フラン-4(1H)-オン誘導体中の4位カルボニル基に、メ
チルトリフェニルホスホニウム塩と塩基により調製した
イリドを作用させることによりWittig反応を行い、前記
一般式(1-2f)で表される4-メチレンヒドロイソベンゾ
フラン誘導体を製造するものである。本工程に用いられ
るホスホニウム塩としては、例えば、塩化メチルトリフ
ェニルホスホニウム、臭化メチルトリフェニルホスホニ
ウム、ヨウ化メチルトリフェニルホスホニウムが挙げら
れ、用いられる塩基としては、例えば、ナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属ア
ルコキシド、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメ
チルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド
のようなアルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジ
イソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホ
リン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジ
アザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基存在下で行うこと
ができる。溶媒としては反応に関与しなければいかなる
ものも用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエ
タン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水
素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,
4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノ
ール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノー
ル、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチ
ル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒が好適に用い
られる。反応は-110℃から100℃で、円滑に進行する。
【0020】(第九工程)本工程は、前記第八工程で得
られる前記一般式(1-2f)で表される4-メチレンヒドロ
イソベンゾフラン誘導体中の4位メチレン基に、ヒドロ
ホウ素化−酸化反応を行い、前記一般式(1-2g)で表さ
れるヒドロイソベンゾフラン-4-メタノール誘導体を製
造するものである。本反応に用いられるヒドロホウ素化
剤としては、例えばボラン−テトラヒドロフラン錯体、
ボラン−硫化ジメチル錯体、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノ
ナン等が挙げられ、溶媒としては反応に関与しなければ
いかなるものも用いることができるが、例えば、ペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジ
クロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン
化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒及びこれらの
混合系溶媒が用いられる。反応は-110℃から200℃で、
円滑に進行する。次いで行われる酸化反応では、過酸化
水素水、m-クロロ過安息香酸、過酢酸等が用いられる。
溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも用い
ることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水
素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサ
ン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プ
ロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノ
ール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノ
ール等のアルコール系溶媒及びこれらと水の混合系溶媒
が好適に用いられる。反応は-110℃から100℃で、円滑
に進行する。本工程では、反応条件により4位ヒドロキ
シメチル基に関する立体異性体が生成する可能性がある
が、これらは本工程あるいは次の第十工程でカラムクロ
マトグラフィー等の手法を用いて容易に分離することが
可能である。
【0021】(第十工程)本工程は、前記第九工程で得
られる前記一般式(1-2g)で表されるヒドロイソベンゾ
フラン-4-メタノール誘導体の1級水酸基に低級アシル
基、置換あるいは無置換のアリールアシル基または脱離
基を導入し、前記一般式(1-2h)で表されるヒドロイソ
ベンゾフラン誘導体(R32が低級アルキル基、置換もし
くは無置換のアラルキル基、低級アシル基、1個以上の
置換基を有していてもよいアリールアシル基または酸素
原子と一体となって脱離基を表す)を製造するものであ
る。本反応に用いることのできる反応剤としては、例え
ばベンゾイルクロライド、4-ブロモベンゾイルクロライ
ド、メタンスルホニルクロライドあるいはp-トルエンス
ルホニルクロライド等があげられる。溶媒としては反応
に関与しなければいかなるものも用いることができる
が、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジク
ロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩
化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル
系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-
プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル
-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコ
ール系溶媒及びこれらの混合系溶媒が用いられる。用い
られる塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシ
ド、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミ
ド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのような
アルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロ
ピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イ
ミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシ
クロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]
ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸
水素ナトリウム等の無機塩基存在下あるいは非存在下で
行うことができる。反応は-110℃から200℃で、円滑に
進行する。
【0022】(第十一工程)本工程は、前記第十工程で
得られる前記一般式(1-2h)で表されるヒドロイソベン
ゾフラン誘導体中の4位の脱離基で置換されたヒドロキ
シメチル基に、チオフェノール等の硫黄性の求核反応剤
を反応させ、前記一般式(1-2i)で表される4-アリール
スルフェニルメチル-ヒドロイソベンゾフラン誘導体を
製造するものである。本反応に用いることのできる反応
剤としては、例えば前述のチオフェノールあるいはp-ト
ルエンチオール等があげられる。溶媒としては反応に関
与しなければいかなるものも用いることができるが、例
えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロ
メタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭
素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶
媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロ
パノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-
プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコー
ル系溶媒及びこれらの混合系溶媒が用いられる。用いら
れる塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシ
ド、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミ
ド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのような
アルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロ
ピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イ
ミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシ
クロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]
ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸
水素ナトリウム等の無機塩基存在下あるいは非存在下で
行うことができる。反応は-110℃から200℃で、円滑に
進行する。
【0023】(第十二工程)本工程は、前記第十一工程
で得られる前記一般式(1-2i)で表される4-アリールス
ルフェニルメチル-ヒドロイソベンゾフラン誘導体中の
スルフェニル基に酸化反応を行い、前記一般式(1-2j)
で表される4-アリールスルホニルメチル-ヒドロイソベ
ンゾフラン誘導体を製造するものである。本工程で用い
られる反応剤としては、例えば過酸化水素水、m-クロロ
過安息香酸、過酢酸等が用いられる。溶媒としては反応
に関与しなければいかなるものも用いることができる
が、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジク
ロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩
化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル
系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-
プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル
-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール等のアルコ
ール系溶媒及びこれらと水の混合系溶媒が好適に用いら
れる。塩基としては、例えば、ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシドのようなアルカリ金属アルコキシ
ド、n-ブチルリチウム、リチウムビス(トリメチルシリ
ル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミ
ド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドのような
アルカリ金属有機塩基、トリエチルアミン、ジイソプロ
ピルエチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、イ
ミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、1,5-ジアザビシ
クロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]
ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭酸カリウム、炭酸
水素ナトリウム等の無機塩基存在下あるいは非存在下で
行うことができる。反応は-110℃から200℃で、円滑に
進行する。
【0024】(第十三工程)本工程は、前記第十二工程
で得られる前記一般式(1-2j)で表される4-アリールス
ルホニルメチル-ヒドロイソベンゾフラン誘導体に、前
記一般式(6)で表されるピペリジン誘導体をカップリ
ングさせ、生じたβ-ヒドロキシスルホン誘導体を還元
的に処理することによって、前記一般式(1-1a)で表さ
れるヒドロイソベンゾフラン誘導体を製造するものであ
る。溶媒としては反応に関与しなければいかなるものも
用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、
シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭
化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、
クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶
媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオ
キサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、
1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブ
タノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロ
パノール等のアルコール系溶媒及びこれらと水の混合系
溶媒が好適に用いられる。塩基としては、例えば、ナト
リウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのようなアル
カリ金属アルコキシド、n-ブチルリチウム、リチウムビ
ス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリ
メチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリ
ル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリエチル
アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N-メ
チルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジ
ン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,8-ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機塩基、炭
酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基存在下あ
るいは非存在下で行うことができる。反応は-110℃から
200℃で、円滑に進行する。次いで行われる還元的処理
では、主にナトリウムアマルガムやヨウ化サマリウム等
が用いられる。あるいはいったんβ-ヒドロキシスルホ
ンをアセトキシ化あるいはベンゾイル化し、これを塩基
を用いてβ-脱離後還元的にスルホニル基を除去しても
よい。溶媒としては反応に関与しなければいかなるもの
も用いることができるが、例えば、ペンタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-
ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノー
ル、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、
2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-
プロパノール等のアルコール系溶媒及びこれらと水の混
合系溶媒が好適に用いられる。塩基としては、例えば、
ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドのような
アルカリ金属アルコキシド、n-ブチルリチウム、リチウ
ムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス
(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチ
ルシリル)アミドのようなアルカリ金属有機塩基、トリ
エチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジ
ン、N-メチルモルホリン、イミダゾール、ピロリジン、
ピペリジン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン等の三級有機
塩基、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基
存在下あるいは非存在下で行うことができる。反応は-1
10℃から200℃で、円滑に進行する。
【0025】(第十四工程)本工程は、前記第十三工程
で得られる前記一般式(1-1a)で表されるヒドロイソベ
ンゾフラン誘導体中の1位保護基を酸化的に除去し、前
記一般式(1-1b)で表されるヒドロイソベンゾフラン-1
(3H)-オン誘導体を製造するものである。本工程で用い
られる反応剤としては通常ジョーンズ試薬等の酸化剤が
用いられる。溶媒としては反応に関与しなければいかな
るものも用いることができるが、例えば、ジクロロメタ
ン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素系溶媒が用いられる。反応は、-1
00℃から100℃で円滑に進行する。あるいは、酸性水溶
液中で前記一般式(1-1a)で示される化合物(R9は低級
アルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、また
は低級アシル基を表す低級アルコキシ基、置換もしくは
無置換のアラルキルオキシ基または低級アシルオキシ基
を表す)を反応させて前記一般式(1-1a)で示される化
合物(R9が水酸基を表す)を製造し、次いで通常の酸化
反応条件で反応させて前記一般式(1-1b)で示される化
合物を製造してもよい。本反応で用いられる「酸性水溶
液」とは、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸類、及
び酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、
酒石酸等の有機酸類の水溶液があげられる。また酸化反
応は、クロム酸、三酸化クロム−ピリジン混合系、ジメ
チルスルホキシド−塩化オキザリル−トリエチルアミン
混合系、ルテニウム錯体、デスーマーチン試薬等を用い
て行うことができる。本工程は、通常溶媒中で行うこと
が望ましく、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエ
タン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水
素系溶媒が用いられる。反応は-100℃から100℃で円滑
に進行する。更に前記一般式(1-1b)で表されるヒドロ
イソベンゾフラン-1(3H)-オン誘導体(R6がアミノ基の
保護基を表す)の場合、この保護基を除去し、前記一般
式(1-1b)で表されるヒドロイソベンゾフラン-1(3H)-
オン誘導体(R6が水素原子を表す)、あるいは更にこの
化合物を還元的にアルキル化し、前記一般式(1-1b)で
表されるヒドロイソベンゾフラン-1(3H)-オン誘導体(R
6が低級アルキル基または置換もしくは無置換のアラル
キル基を表す)を製造することができる。アミノ基の保
護基の除去法は、文献記載の方法を適宜採用して行うこ
とができる(Green, T.W.; Wuts, P.G.M. “Protective
Groups in Organic Synthesis”, 2nd Ed., Wiley Int
erscience Publication, John-Weiley&Sons, New York,
1991, pp 14-118)。溶媒としては反応に関与しなけれ
ばいかなるものも用いることができるが、例えば、ペン
タン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、1,
2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロ
ゲン化炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノ
ール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、
1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノー
ル、2-メチル-2-プロパノール等のアルコール系溶媒及
びこれらと水の混合系溶媒が好適に用いられる。反応は
-110℃から200℃で、円滑に進行する。次いで行われる
還元的アルキル化は、相当するアルキルアルデヒド存在
下、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナト
リウム等の還元剤を反応させて行うことができる。溶媒
としては反応に関与しなければいかなるものも用いるこ
とができるが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘ
キサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系
溶媒、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホ
ルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等
のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、1-プロパ
ノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノー
ル、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノー
ル等のアルコール系溶媒及びこれらと水の混合系溶媒が
好適に用いられる。反応は-110℃から200℃で、円滑に
進行する。
【0026】
【実施例】以下、実施例および参考例により本発明を詳
細に説明するが、本発明がこれらに限定されるものでな
いことはいうまでもない。
【0027】(実施例1) 3S,3aS,4R,7S,7aR-3a,4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-ジアセ
トキシ-3-メチルイソベンゾフラン-1(3H)-オン (S)-5-メチルフラン-2(5H)-オン1.44 g (14.7 mmol)に
1,4-ジアセトキシ-1,3-ブタジエン2.50 g(14.7 mmol)
と適量のヒドロキノンを加え、150 ℃ 下51時間攪拌し
た。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、2.17 gの
表題化合物を得た(収率55%)。1 H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.43 (d, J = 6.4 Hz, 3
H), 2.11 (s, 3H), 2.14(s, 3H), 2.81-2.87 (m, 1H),
3.44 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 4.57 (dq, J = 8.3, 6.2 H
z, 1H), 5.41-5.45 (m, 1H), 5.52 (dq, J = 6.9, 2.3
Hz, 1H), 5.86-5.90 (m, 1H), 6.01 (dt, J = 10.3, 3.
0 Hz, 1H). HRMS (CI) (m/z): Calcd. for C13H17O6
(MH+): 269.1025. Found, 269.1042.
【0028】(実施例2) 3S,3aS,4R,7S,7aR-ヘキサヒドロ-4,7-ジアセトキシ-3-
メチルイソベンゾフラン-1(3H)-オン 実施例1の化合物2.17 g (8.09 mmol)のエタノール溶液3
0 mLに、10%パラジウム−炭素0.22 g (10%重量)を添加
し、常温下98.1KPaにて接触還元に付した。10時間攪拌
後反応混合物をセライト濾過し、残渣を酢酸エチル20 m
Lを用いて洗浄した。合した有機層を減圧留去し、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:1)にて精製し、1.80 gの表題化合物を得た(収率
82%)。 [α]D 22 +38° (c0.20, CHCl3). mp.87-88 ℃(ヘキサ
ン−酢酸エチル). 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.4
6 (d, J = 5.9 Hz, 3H), 1.58-1.67 (m, 1H), 1.74-1.8
6 (m, 2H), 2.08 (s, 3H), 2.09 (s, 3H), 2.17 (dq, J
= 14.7, 3.9 Hz,1H), 2.60 (td, J = 8.8, 6.4 Hz, 1
H), 3.01 (dd, J = 8.3, 5.7 Hz, 1H), 4.77 (dq, J =
9.3, 6.2 Hz, 1H), 5.15 (dt, J = 11.3, 5.7 Hz, 1H),
5.27-5.30(m, 1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 2
1.1, 21.1, 21.2, 21.4, 26.7, 44.1, 45.4, 66.5, 69.
5, 77.2, 169.4, 169.9, 173.7. IR (KBr): 2960, 178
0,1740, 1250, 1230 cm-1. Anal. for C13H18O6: calc
d, C: 57.77, H: 6.71; found, C: 57.65, H: 6.75.
【0029】(実施例3) 3S,3aS,4R-3a,4,5,6-テトラヒドロ-4-アセトキシ-3-メ
チルイソベンゾフラン-1(3H)-オン 実施例2の化合物1.80 g (6.66 mmol)の脱水トルエン溶
液5 mLに、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-セン39
8.4 μL(2.66 mmol)を加え、約80 ℃ にて15時間加熱
攪拌した。冷後冷希クエン酸30 mLを加えてエーテル抽
出(10 mL × 3)した。有機層をbrine洗浄 (10 mL)
し、無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、1.02 gの表題化
合物を得た(収率73%)。1 H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.51 (d, J = 5.9 Hz, 3
H), 1.64-1.73 (m, 1H),2.07 (s, 3H), 2.14-2.58 (m,
3H), 2.67-2.78 (m, 1H), 4.21 (dq, J = 8.8,6.1 Hz,
1H), 5.37-5.40 (m, 1H), 6.88 (dd, J = 6.4, 4.4 Hz,
1H). HRMS (EI) (m/z): Calcd. for C11H14O4 (MH+):
210.0892. Found, 210.0876.
【0030】(実施例4) 3S,3aS,4R,7aS-ヘキサヒドロ-4-アセトキシ-3-メチルイ
ソベンゾフラン-1(3H)-オン 実施例3の化合物1.02 g (4.85 mmol)のエタノール溶液4
0 mLに、酸化白金0.10g (10%重量)を添加し、常温下9
8.1KPaにて接触還元に付した。5時間攪拌後反応混合物
をセライト濾過し、残渣を酢酸エチル30 mLを用いて洗
浄した。合した有機層を減圧留去し、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
1:1)にて精製し、847.0 mgの表題化合物を得た(収率
82%)。 [α]D 25 +22° (c0.20, CHCl3). 1H-NMR (400 MHz, CD
Cl3): δ 1.42 (d, J =6.4 Hz, 3H), 1.62-1.91 (m, 6
H), 2.07 (s, 3H), 2.37-2.48 (m, 1H), 2.75 (q, J =
7.5 Hz, 1H), 4.62 (dq, J = 6.4, 6.4 Hz, 1H), 5.13-
5.18 (m, 1H). 1 3C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 19.9,
20.6, 21.2, 22.9, 27.3, 39.2, 44.5, 69.8, 76.1, 17
0.2, 177.2. IR (neat): 2940, 1770, 1740, 1240 cm
-1. HRMS (EI) (m/z): Calcd. for C11H16O4 (M+): 21
2.1049. Found, 212.1016.
【0031】(実施例5) 3S,3aS,4R,7aS-ヘキサヒドロ-4-ヒドロキシ-3-メチルイ
ソベンゾフラン-1(3H)-オン 実施例4の化合物390.0 mg (1.84 mmol)のメタノール溶
液10 mLに、炭酸カリウム254.0 mg (1.84 mmol)を加
え、室温下約0.5時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣に
酢酸エチルで希釈してセライトろ過し、残渣を酢酸エチ
ルにて洗浄(30 mL)した。溶媒を留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=1:2)にて精製し、168.3 mgの表題化合物を得た
(収率54%)。 [α]D 26 +3.96° (c1.06, CHCl3). 1H-NMR (400 MHz,
CDCl3): δ 1.23-1.44 (m, 2H), 1.48 (d, J = 6.4 Hz,
3H), 1.54-1.88 (m, 5H), 2.39 (q, J = 6.6 Hz, 1H),
2.64-2.70 (m, 1H), 4.04-4.08 (m, 1H), 4.73 (dq, J
= 6.4, 6.4 Hz,1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ
20.0, 21.2, 23.2, 30.7, 39.5, 46.6, 67.7, 76.7, 17
8.1. IR (neat): 3490, 2940, 1750 cm-1. HRMS (CI)
(m/z): Calcd. for C9H15O3 (MH+): 171.1021. Found,
171.1042.
【0032】(実施例6) 1S,3S,3aS,4R,7aS-オクタヒドロ-1-メトキシ-3-メチル
イソベンゾフラン-4-オール 実施例5の化合物158.0 mg (0.93 mmol)の脱水エーテル
溶液10 mLに、-78℃アルゴン雰囲気下、水素化ジイソブ
チルアルミニウム-n-ヘキサン溶液(0.90 mol/L)3.09
mL(2.78 mmol)を滴下した。同温度にて約1時間攪拌
後、メタノール−水混液(1 mL+1 mL)をゆっくりと滴
下し、室温下1時間攪拌した。残渣をセライトろ過し、
酢酸エチルにて洗浄(100 mL)した。溶媒を留去し、粗
製のヘミアセタール体153.1 mg (収率96%)を得た。1 H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 1.06 (qd, J = 13.2, 3.
4 Hz, 1H), 1.20-1.49 (m, 4H), 1.44 (d, J = 6.4 Hz,
3H), 1.74-1.86 (m, 2H), 2.21 (dt, J = 12.2,6.2 H
z, 1H), 2.50-2.57 (m, 1H), 2.55 (d, J = 2.9 Hz, 1
H), 3.96-4.08 (m,1H), 4.31 (dq, J = 9.3, 6.4 Hz, 1
H), 5.08 (d, J = 2.9 Hz, 1H). HRMS (CI) (m/z): Ca
lcd. for C9H15O2 (MH+-H2O): 155.1072. Found, 155.1
089. 粗製のヘミアセタール体153.1 mg (0.89 mmol)を脱水メ
タノール5 mLと脱水塩化メチレン5 mLの混液に溶解し、
-78℃アルゴン雰囲気下、三フッ化ホウ素−ジエチルエ
ーテル錯体164.0 μL (1.39 mmol)を滴下し、自然昇温
させながら約12時間攪拌した。反応混合物にトリエチル
アミン185.9 μL(1.39 mmol)を加え、室温攪拌後、溶
媒を留去した。残渣に水10 mLを加え、エーテル抽出(3
mL × 3)し、更に(クロロホルム:エタノール=10:
1)混液にて抽出(3 mL × 3)した。合した有機層を無
水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
酢酸エチル=1:1)にて精製し、135.2 mgの表題化合物
を得た(収率82%)。 [α]D 26 +78° (c0.18, CHCl3). 1H-NMR (400 MHz, CD
Cl3): δ 1.01-1.12 (m,1H), 1.19-1.38 (m, 2H), 1.39
(d, J = 5.9 Hz, 3H), 1.39-1.48 (m, 2H), 1.72-1.84
(m, 2H), 2.18 (dt, J = 12.2, 6.2 Hz, 1H), 2.46 (d
t, J = 9.3, 6.2Hz, 1H), 3.33 (s, 3H), 3.97-4.05
(m, 1H), 4.30 (dq, J = 8.8, 6.1 Hz, 1H), 4.56 (s,
1H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 22.6, 24.7, 24.
9, 30.4, 46.6, 48.2, 54.0, 69.9, 75.3, 108.4. IR
(neat): 3420, 2930, 1050 cm-1. HRMS (CI) (m/z): C
alcd. for C10H19O3 (MH+): 187.1334. Found, 187.131
3.
【0033】(実施例7) 1S,3S,3aR,7aS-ヘキサヒドロ-1-メトキシ-3-メチルイソ
ベンゾフラン-4(1H)-オン 実施例6の化合物135.0 mg (0.72 mmol)の塩化メチレン
溶液2 mLに、4-メチルモルホリンN-oxide 127.4 mg (1.
09 mmol)とモレキュラーシーブス(MS)4A 350.0 mgを
加え、次いでテトラプロピルアンモニウムパールテネー
ト(TPAP)12.7mg (36.2 μmol)を加えて2時間室温撹拌
した。反応混合物をセライト濾過し、残渣をエーテル洗
浄(20 mL)した。濾液に10% Na2S2O3水溶液を加えて
(クロロホルム:エタノール=10:1)混液にて抽出(3 m
L × 3)した。合した有機層を無水硫酸マグネシウム乾
燥し、ろ過し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に
て精製し、103.6 mgの表題化合物を得た(収率78%)。 [α]D 25 +149° (c0.39, CHCl3). 1H-NMR (400 MHz, C
DCl3): δ 1.35 (d, J =6.4 Hz, 3H), 1.43-1.53 (m, 1
H), 1.63-1.75 (m, 1H), 1.85-1.93 (m, 1H), 1.99-2.0
7 (m, 1H), 2.35-2.39 (m, 2H), 2.58 (dt, J = 12.7,
6.4 Hz, 1H), 2.78 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 3.33 (s, 3
H), 4.30 (dq, J = 8.8, 6.2 Hz, 1H), 4.75 (s, 1H).
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 22.8, 23.8, 24.4, 3
8.8, 49.6,54.3, 57.7, 77.7, 109.1, 210.3. IR (nea
t): 2940, 1710 cm-1. HRMS (EI)(m/z): Calcd. for C
10H16O3 (M+): 184.1099. Found, 184.1090.
【0034】(実施例8) 1S,3S,3aS,7aS-オクタヒドロ-1-メトキシ-3-メチル-4-
メチレンイソベンゾフラン ヨウ化メチルトリフェニルホスホニウム1.86 g(4.59 m
mol)の脱水エーテル懸濁液20 mLに氷冷アルゴン雰囲気
下、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド−トル
エン溶液(1 mol/L)4.59 mL(4.59 mmol)を滴下し
た。室温にて30分攪拌後、再び氷冷下、169.1 mgの実施
例7の化合物(0.92 mmol)の脱水エーテル溶液5 mLを滴下
した。自然昇温させながら4時間攪拌後、反応混合物に
冷飽和塩化アンモニウム水溶液20 mLを加え、セライト
ろ過し、残渣をエーテル洗浄(50 mL)し、溶媒を留去し
た。残渣に飽和食塩水100mlを注ぎ、エーテル抽出(5 m
L ×5)した。有機層をbrine洗浄(10 mL)し、無水硫
酸マグネシウム乾燥し、ろ過し、溶媒留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=10:1)にて精製し、143.1 mgの表題化合物を
得た(収率86%)。 [α]D 25 +118° (c0.25, CHCl3). 1H-NMR (400 MHz, C
DCl3): δ 1.19-1.38 (m, 2H), 1.27 (d, J = 6.4 Hz,
3H), 1.70-1.85 (m, 2H), 2.01-2.09 (m, 1H), 2.15-2.
27 (m, 2H), 2.69 (dd, J = 9.3, 6.4 Hz, 1H), 3.34
(s, 3H), 4.09 (dq, J = 9.8, 6.1 Hz, 1H), 4.60 (s,
1H), 4.75-4.77 (m, 2H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3):
δ 21.4, 25.0, 25.7, 31.5, 48.1, 51.6, 54.1, 77.
6, 109.1, 111.3, 145.2. IR (neat): 2930, 1650, 10
60 cm-1. HRMS (EI) (m/z): Calcd.for C11H18O
2 (M+): 182.1307. Found, 182.1333.
【0035】(実施例9) オクタヒドロ-1-メトキシ-3-メチルイソベンゾフラン-4
-メタノール 実施例8の化合物143.1 mg(0.79 mmol)の脱水テトラヒド
ロフラン溶液10 mLに、-78 ℃アルゴン雰囲気下、ボラ
ン−テトラヒドロフラン錯体(1 mol/L)1.18mL (1.18
mmol)を滴下し、自然昇温させながら14時間攪拌した。
反応混合物を氷冷し、水1 mLを加えて反応を止め、次い
で30%過酸化水素水2.00 mLと10%水酸化ナトリウム水溶
液2.00 mLを加えて1時間攪拌した。溶媒を留去し、(ク
ロロホルム:エタノール=10:1)混液にて抽出(5 mL ×
5)した。残渣を無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過
し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精
製し、異性体A、Bの混合物である表題化合物を116.8 mg
得た(収率74%)。1H-NMRの積分比より、異性体A、Bの
混合比はおよそ8:1であると推定した。 Rf = 0.29 (ヘキサン:酢酸エチル = 1:1) HRMS (EI) (m/z): Calcd. for C10H17O2 (M+-OMe): 16
9.1229. Found, 169.1236.
【0036】(実施例10) オクタヒドロ-1-メトキシ-3-メチル-4-(フェニルスル
ホニル)メチルイソベンゾフラン 実施例9の化合物113.5 mg (0.57 mmol)の塩化メチレン
溶液10 mLに、トリエチルアミン395.0 μL(2.83 mmo
l)を加え、氷冷アルゴン雰囲気下塩化メタンスルホニ
ル131.6 μL(1.70 mmol)を滴下後、自然昇温させなが
ら約一晩攪拌した。反応混合物に水10 mLを加えて洗浄
し、水層よりエーテル抽出(5 mL × 3)し、合した有機
層をbrine洗浄(5 mL)し、無水硫酸マグネシウム乾燥
し、ろ過し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて
精製し、O-メシル体を143.2 mg得た。カリウム-t-ブト
キシド86.6 mg(0.77 mmol)の脱水ジメチルスルホキシ
ド溶液10 mLに、室温攪拌下、チオフェノール79.2 μL
(0.77 mmol)を滴下し、約10分間攪拌した。これを前記O
-メシル体の脱水ジメチルスルホキシド溶液10 mLに加
え、約14時間室温攪拌した。反応混合物を冷水20 mLに
注ぎ、エーテル抽出(5 mL × 3)した。有機層を飽和
食塩水にて洗浄(5 mL)後、無水硫酸マグネシウム乾燥
し、ろ過後、溶媒留去し、粗製のフェニルチオエーテル
を得た。このものを20 mLの塩化メチレンに溶解し、氷
冷攪拌下、m-クロロ過安息香酸(60%)369.9 mg(1.29
mmol)と炭酸水素ナトリウム216.1 mg(2.57 mmol)を
加えた。9時間室温攪拌した後、反応混合物をセライト
ろ過し、残渣を塩化メチレン洗浄(30 mL)した。溶媒
を減圧留去後、酢酸エチル20 mLで希釈し、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液(5 mL)、飽和食塩水(5 mL)で洗
浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム乾燥し、ろ過
し、溶媒留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し、異
性体A、Bの混合物である表題化合物を109.2 mg得た(3
工程収率59%)。 Rf = 0.20 (ヘキサン:酢酸エチル = 2:1) HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C21H36NO6S[(M+diethan
olamine)H+]: 430.2263.Found, 430.2234.
【0037】(実施例11) (2R,6S)-tert-ブチル 2-[2-(E)-[オクタヒドロ-1-メト
キシ-3-メチルイソベンゾフラン-4-イル]エテニル]-6-
メチルピペリジン-1-カルボキシレート 実施例10の化合物109.2 mg (0.34 mmol)の脱水ジメト
キシエタン溶液2 mLに、-78℃アルゴン雰囲気下、n-ブ
チルリチウム-n-ヘキサン溶液(1.5 mol/L)448.8 μL
(0.67 mmol)を滴下した。10分間攪拌後、(2R,6S)-ter
t-ブチル 2-ホルミル-6-メチル-1-ピペリジンカルボキ
シレート153.0 mg(0.67 mmol)の脱水ジメトキシエタ
ン溶液2 mLを滴下した。自然昇温させながら1.5時間攪
拌した。反応混合物に水10 mLを加えて反応を止め、溶
媒を留去した。残渣をエーテル抽出(5 mL × 3)し、有
機層をbrine洗浄(5 mL)し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、ろ過し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:
1、次いで1:1)にて精製し、カップリング成績体145.2
mgをジアステレオマーの混合物として得た。上記カップ
リング成績体145.2 mgのメタノール溶液10 mLに、室温
攪拌下、ナトリウムアマルガム(5%)3.00 gとリン酸水
素二ナトリウム1.00 gを加えて1時間攪拌した。反応混
合物をセライトろ過し、残渣を酢酸エチルにて洗浄(10
mL)し、溶媒を減圧留去した。残渣に水10 mLで希釈し
て、エーテル抽出(5 mL ×3)した。有機層をbrine洗浄
(5 mL)し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、
溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、異
性体A、Bの混合物である表題化合物を66.3 mg得た(2工
程収率50%)。 Rf = 0.50 (ヘキサン:酢酸エチル = 2:1) HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C23H40NO4 (MH+): 394.
5749. Found, 394.2957.
【0038】(実施例12) (2R,6S)-tert-ブチル 2-[2-(E)-[オクタヒドロ-3-メチ
ル-1-オキソイソベンゾフラン-4-イル]エテニル]-6-メ
チルピペリジン-1-カルボキシレート 実施例11の化合物65.1 mg (0.17 mmol)のアセトン溶液5
mLに、室温攪拌下ジョーンズ試薬を0.30 mL加えた。1.
5時間室温攪拌後、反応混合物に水10 mLを加えて反応を
止め、溶媒を減圧留去した。残渣をエーテル抽出(3 mL
× 3)した。有機層をbrine洗浄(5 mL)し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を留去し、異性体
A、Bの混合物である粗製の表題化合物43.8 mg (収率70
%)を得た。 Rf = 0.25 (ヘキサン:酢酸エチル = 2:1) HRMS (FAB) (m/z): Calcd. for C22H36NO4 (MH+): 378.
2644. Found, 378.2669.
【0039】(実施例13) ヘキサヒドロ-3-メチル-4-[2-(E)-[(2R,6S)-6-メチルピ
ペリジン-2-イル]エテニル]イソベンゾフラン-1(3H)-オ
実施例12の化合物43.8 mg (0.12 mmol)の塩化メチレン
溶液1 mLに、トリフルオロ酢酸0.50 mLを加えて室温下
0.5時間攪拌した。溶媒を留去後残渣に冷希水酸化ナト
リウム水溶液5 mLを加えてアルカリ性とし、エーテル抽
出(3 mL × 3)した。有機層をbrine洗浄(5 mL)し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を留去し、
異性体A、Bの混合物である粗製の表題化合物を14.3 mg
得た(収率44%)。 Rf = 0.05 (酢酸エチル:メタノール= 2:1)HRMS (EI) (m
/z): Calcd. for C17H27NO2 (M+): 277.2042. Found, 2
77.2011.
【0040】(実施例14) ヘキサヒドロ-4-[2-(E)-[(2R,6S)-1,6-ジメチルピペリ
ジン-2-イル]エテニル]-3-メチルイソベンゾフラン-1(3
H)-オン 実施例13の化合物14.3 mg (51.6 μmol)のアセトニトリ
ル溶液2 mLに、室温攪拌下37%ホルムアルデヒド水0.50
mL、次いでシアノ水素化ホウ素ナトリウム7.13mg (0.11
mmol)を加えて1.5時間攪拌した。反応混合物に酢酸を
加えて中性とし、更に1時間攪拌後、冷希水酸化ナトリ
ウム水溶液20 mLを加えてアルカリ性として溶媒を減圧
留去した。残渣をエーテル抽出 (3 mL × 3)した。有
機層をbrine洗浄(3 mL)し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、ろ過し、溶媒を留去し、 残渣をカラムクロマト
グラフィー(シリカゲルNH、ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)にて精製し、異性体A、Bの混合物である表題化合
物1.80 mgを得た(収率12%)。Rf = 0.11 (酢酸エチル:
メタノール= 2:1) HRMS (EI) (m/z): Calcd. for C18H29NO2 (M+): 291.21
98. Found, 291.2224.
【0041】
【発明の効果】(受容体結合試験)ムスカリンM1受容体
への結合は、標本として大脳皮質を用い、3H-ピレンゼ
ピンの特異的結合量で評価した。ムスカリンM2受容体へ
の結合は、標本として脳幹と心臓を用い、3H-キヌクリ
ジニルベンジレートの特異的結合量で評価した。非特異
的結合量は1 μ mol/Lアトロピンを用いて決定した。ラ
ジオリガンドの濃度は、3H-ピレンゼピンは1 n mol/L、
3H-キヌクリジニルベンジレートは0.5 n mol/Lとした。
試験管に膜標品、ラジオリガンドをとり、50 m mol/Lリ
ン酸緩衝液で全量1 mLとした。非特異的結合量を求める
ときには1 μ mol/Lアトロピンを、置換実験を行う時に
はその被検化合物をそれぞれ加えた。各薬物等は50 m m
ol/Lリン酸緩衝液を用いて希釈した。アッセイサンプル
をよく攪拌した後、恒温振とう器でインキュベートし、
セルハーベスタを用いてB/F分離を行った。フィルター
はGF/Bを用いた。このB/F分離を行うため、氷冷リン酸
緩衝液5 mLで3回フィルターを洗浄した。フィルター上
に捕集された放射活性は、10 mL ACS-IIを用いてシンチ
レーションカウンターで測定した。この結果、本発明化
合物はM2受容体に対し有意な結合性を示した。本発明化
合物はアルツハイマー症治療薬としての用途が期待され
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 405/06 C07D 405/06 Fターム(参考) 4C037 RA01 4C063 AA01 BB03 CC76 DD10 EE01 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 BA08 BC21 GA02 GA07 MA01 MA04 NA14 ZA16 ZC42

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) (式中、R1は低級アルキル基または置換もしくは無置換
    のアラルキル基を表し、R2は1つ以上の置換基を有して
    いてもよい、5〜14員環のO、N、S等のヘテロ原子を1つ
    以上含んでも良い脂肪族複素環または芳香族複素環を表
    し、R3は水素原子、低級アルキル基または置換もしくは
    無置換のアラルキル基を表し、R4およびR5は一体となっ
    て酸素原子を表すか、あるいはR4が水素原子を表し、R5
    が水酸基、低級アルコキシ基、置換もしくは無置換のア
    ラルキルオキシ基、または低級アシルオキシ基を表し、
    AはR2と一体になって下記一般式(2) (mおよびnは0、1または2であり、R6は水素原子、低級
    アルキル基または置換もしくは無置換のアラルキル基を
    表す))で示されるヒドロイソベンゾフラン誘導体、な
    らびにそれらの酸付加塩類。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1-1) (式中、R1は低級アルキル基、または置換もしくは無置
    換のアラルキル基を表し、R3は水素原子、低級アルキル
    基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、R4、R5
    は一体となって酸素原子を表すか、あるいはR4が水素原
    子を表し、R5が水酸基、低級アルコキシ基、置換もしく
    は無置換のアラルキルオキシ基、または低級アシルオキ
    シ基を表し、R7は水素原子、低級アルキル基、置換もし
    くは無置換のアラルキル基またはアミノ基の保護基を表
    し、R8は水素原子、低級アルキル基、または置換もしく
    は無置換のアラルキル基を表し、R9は水素原子、低級ア
    ルキル基、または置換もしくは無置換のアラルキル基を
    表す)で示される、ヒドロイソベンゾフラン誘導体なら
    びにそれらの酸付加塩類。
  3. 【請求項3】 下記一般式(1-2) (式中、R1は低級アルキル基、または置換もしくは無置
    換のアラルキル基を表し、R3は水素原子、低級アルキル
    基、または置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、
    R4およびR5は一体となって酸素原子を表すか、あるいは
    R4が水素原子を表し、R5が水酸基、低級アルコキシ基、
    置換もしくは無置換のアラルキルオキシ基、または低級
    アシルオキシ基を表し、R10、R11は一体となって酸素原
    子またはメチレン基を表すか、あるいはR10が水素原子
    を表し、R11が水酸基、低級アルコキシ基、置換もしく
    は無置換のアラルキルオキシ基、低級アシルオキシ基、
    酸素原子が置換されていてもよいヒドロキシメチル基、
    置換もしくは無置換のアリールスルフェニルメチル基、
    置換もしくは無置換のアリールスルホニルメチル基を表
    し、破線を伴った場合は、一方が一重結合で、他方が二
    重結合を表すか、あるいはいずれも一重結合を表す)で
    示される、ヒドロイソベンゾフラン誘導体。
  4. 【請求項4】 下記一般式(3) (式中、R1は低級アルキル基または置換もしくは無置換
    のアラルキル基を表し、R3は水素原子、低級アルキル基
    または置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、R4
    R5は一体となって酸素原子を表すか、あるいはR4が水素
    原子を表し、R5が水酸基、低級アルコキシ基、置換もし
    くは無置換のアラルキルオキシ基、または低級アシルオ
    キシ基を表し、R12、R13はともに水酸基または低級アシ
    ル基を表すか、あるいはR12が水素原子の時R13は水酸基
    または低級アシル基を表し、破線を伴った場合は、一方
    が一重結合で、他方が二重結合を表すか、あるいはいず
    れも一重結合を表す)で示される、ヒドロイソベンゾフ
    ラン誘導体。
  5. 【請求項5】 ヘキサヒドロ-3-メチル-4-[2-(E)-[6-メ
    チルピペリジン-2-イル]エテニル]イソベンゾフラン-1
    (3H)-オンである、請求項1記載の化合物。
  6. 【請求項6】 ヘキサヒドロ-4-[2-(E)-[1,6-ジメチル
    ピペリジン-2-イル]エテニル]-3-メチルイソベンゾフラ
    ン-1(3H)-オンである、請求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】 下記一般式(1) (式中、R1は低級アルキル基または置換もしくは無置換
    のアラルキル基を表し、R2は1つ以上の置換基を有して
    いてもよい、5〜14員環のO、N、S等のヘテロ原子を1つ
    以上含んでも良い脂肪族複素環または芳香族複素環を表
    し、R3は水素原子、低級アルキル基または置換もしくは
    無置換のアラルキル基を表し、R4およびR5は一体となっ
    て酸素原子を表すか、あるいはR4が水素原子を表し、R5
    が水酸基、低級アルコキシ基、置換もしくは無置換のア
    ラルキルオキシ基、または低級アシルオキシ基を表し、
    AはR2と一体になって下記一般式(2) (mおよびnは0、1または2であり、R6は水素原子、低級
    アルキル基または置換もしくは無置換のアラルキル基を
    表す))で示されるヒドロイソベンゾフラン誘導体、な
    らびにそれらの酸付加塩類の一種以上を有効成分として
    含有することを特徴とする、ムスカリンM2サブタイプ受
    容体拮抗剤。
  8. 【請求項8】 下記一般式(1-1) (式中、R1は低級アルキル基、または置換もしくは無置
    換のアラルキル基を表し、R3は水素原子、低級アルキル
    基、置換もしくは無置換のアラルキル基を表し、R4、R5
    は一体となって酸素原子を表すか、あるいはR4が水素原
    子を表し、R5が水酸基、低級アルコキシ基、置換もしく
    は無置換のアラルキルオキシ基、または低級アシルオキ
    シ基を表し、R7は水素原子、低級アルキル基、置換もし
    くは無置換のアラルキル基またはアミノ基の保護基を表
    し、R8は水素原子、低級アルキル基、または置換もしく
    は無置換のアラルキル基を表し、R9は水素原子、低級ア
    ルキル基、または置換もしくは無置換のアラルキル基を
    表す)で示される、ヒドロイソベンゾフラン誘導体なら
    びにそれらの酸付加塩類の一種以上を有効成分として含
    有することを特徴とする、ムスカリンM2サブタイプ受容
    体拮抗剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005046688A3 (en) * 2003-11-10 2005-09-29 Schering Corp Methods of use of thrombin receptor antagonists
CN112469433A (zh) * 2018-03-05 2021-03-09 得克萨斯农业及机械体系综合大学 作为免疫抑制剂和神经保护剂的gracilin A和同源物

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EP3762019A4 (en) * 2018-03-05 2021-12-29 The Texas A&M University System Gracilin a and congeners as immunosuppressive and neuroprotective agents

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