JP2009040445A - プラスチックボトル取付用把手および把手付プラスチックボトル - Google Patents

プラスチックボトル取付用把手および把手付プラスチックボトル Download PDF

Info

Publication number
JP2009040445A
JP2009040445A JP2007205762A JP2007205762A JP2009040445A JP 2009040445 A JP2009040445 A JP 2009040445A JP 2007205762 A JP2007205762 A JP 2007205762A JP 2007205762 A JP2007205762 A JP 2007205762A JP 2009040445 A JP2009040445 A JP 2009040445A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
handle
bottle
support arm
plastic bottle
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007205762A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5348863B2 (ja
Inventor
Hideki Kushijima
秀貴 串島
Meiji Yoneyama
明治 米山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Priority to JP2007205762A priority Critical patent/JP5348863B2/ja
Publication of JP2009040445A publication Critical patent/JP2009040445A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5348863B2 publication Critical patent/JP5348863B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)

Abstract

【課題】大きな衝撃が加わったとしても、ボトルから外れることがない、新規形状の把手、および、該把手を備えた把手付ボトルを提供する。
【解決手段】握り部、該握り部の上下部から前方向に突出する上部支持腕および下部支持腕を備えて構成され、該上部支持腕および下部支持腕を介してプラスチックボトルに取り付けるための把手において、上部支持腕に、前方向から後方向に向かって左右方向の幅が狭くなるようなテーパーを形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラスチックボトル取付用把手に関し、より詳しくは1.5リットル以上の大容量を充填するための大型ボトルに取り付けるための把手、および、該把手を備えた把手付プラスチックボトルに関する。
プラスチックボトルは、大型化すると取り扱いが不便になるため、プラスチックボトル(以下「ボトル」と省略する。)の一部に把手を取り付けた把手付ボトルが醤油、ミリン等の調味料用容器として使用されている。使用者は把手を掴むことで、高重量の大型ボトルであっても、安定して取り扱うことができる。
このような把手付ボトルは、あらかじめ把手をボトル本体とは別体に射出成形等の方法により成形しておき、ボトル本体のブロー成形の工程において、両者を一体化することが一般的に行われている。ブロー成形の際に、把手の一部にボトルが絡み付くようにして成形され、両者が一体化されるのである。
このように把手は、ボトル本体とはもともと別体で形成されるものであるので、把手がボトル本体に十分強く嵌合していることが要求される。また、大型ボトルにおいては、把手とボトル本体との嵌合部分が、ボトルの全重量を支えることとなるため、その要求は特に大きい。
特許文献1には大型ボトル用の把手が記載されている。特許文献1の図3には、握り部、およびその上下部から前方向に突出する上部支持腕および下部支持腕を備え、さらに上部支持腕が握り部から分岐する位置より握り部の上方に延設された上方延設部を備えた把手が記載されている。把手は、ボトルの上部側面に形成された凹部に、上部支持腕および下部支持腕を介して取り付けられている。
特開2000−43877号公報
しかし、特許文献1に記載されているような従来の形状の把手を取り付けたボトルは、ボトルを床に落とす等により、ボトルに衝撃が加わった際に、ボトルから把手が外れる場合があった。流通段階あるいは一般家庭における使用時に、床に落とす等の大きな衝撃が把手付ボトルに加わることは十分に考えられ、一度ボトルから把手が外れてしまうと、それを戻すことは一般的に不可能であった。そのため、ボトルに大きな衝撃が加わったとしても、把手が外れる心配がないような把手付ボトルが求められていた。
そこで、本発明は、大きな衝撃が加わったとしても、ボトルから外れることがない、新規形状の把手、および、該把手を備えた把手付ボトルを提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、これにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、握り部(10)、握り部(10)の上下部から前方向に突出する上部支持腕(22)および下部支持腕(24)を備えて構成され、上部支持腕(22)および下部支持腕(24)を介してボトルに取り付けるための把手であって、上部支持腕(22)および/または下部支持腕(24)に、前方向から後方向に向かって左右方向の幅が狭くなるようなテーパーが形成されている、プラスチックボトル取付用把手(100)である。ここで、符号100は、100A〜100Dを包含する上位概念として用いている。
本明細書では、把手(100)をボトル本体に取り付けた状態において、ボトル底面を下側にしてボトルを平面上に載置した場合に、把手(100)を基準としてボトル口側の方向を上方向とし、ボトル底面側の方向を下方向とする。また、把手(100)をボトル本体に取り付けた状態において、把手(100)を観察者側に配置した状態を基準として、ボトル本体側を前方、把手(100)側を後方とする。また、該観察者を基準に左右方向を定める。
第1の本発明のボトル取付用把手(100)は、上部支持腕(22)および/または下部支持腕(24)にテーパー(22c)が形成されている。このような構造とすることによって、ボトル本体に把手(100)を取り付けた場合に、把手嵌合強度を大きくすることができる。そして、把手付ボトルを床に落とす等によりボトルに衝撃が加わった際においても、ボトルから把手(100)が外れることが防止され、ボトルに耐衝撃性を付与することができる。
第1の本発明において、テーパー(22c)のテーパー角度は、4°以上20°以下であることが好ましく、6°以上10°以下であることがより好ましい。テーパー角度をこの範囲とすることによって、把手嵌合強度を向上させる効果が顕著となり、ボトルのブロー成形時のピンホールの発生頻度を抑制でき、また、把手自体の強度を損なうことがない。ここで、テーパー角度とは、図3に示すように、上部支持腕(22)および/または下部支持腕(24)の端部から把手(100)の後方へ水平の接線を引いた場合における当該接線とテーパーとがなす角度θをいう。
第1の本発明において、上部支持腕(22)のみに、前方向から後方向に向かって左右方向の幅が狭くなるようなテーパー(22c)を形成することができ、この場合においても把手嵌合強度を十分に向上させることができる。
第1の本発明において、上部支持腕(22)が握り部(10)から分岐する位置より握り部(10)の上方に延設された上方延設部(40)を備えていないか、あるいは備えていたとしても、上部支持腕(22)の上面を水平とした場合に、該上面から上方延設部(40)の頭頂部までの高さが15mm以下とされていることが好ましい。このような構造とすることによって、ボトル本体に把手(100)を取り付けた場合に、把手嵌合強度を大きくすることができる。そして、把手付ボトルを床に落とす等によりボトルに衝撃が加わった際においても、ボトルから把手(100)が外れることが防止され、ボトルに耐衝撃性を付与することができる。なお、上記「上部支持腕(22)が握り部(10)から分岐する」における「分岐」とは、厳密には、上方延設部(40)が存在している場合において、上部支持腕(22)がT字状に分岐しているような形態をいうが、本発明においては、上方延設部(40)が存在しない場合における、上部支持腕(22)と握り部(10)とがL字状となっている形態をも含む意味である。
第1の本発明において、握り部(10)の少なくとも一部にくびれ部(50)が形成されていることが好ましい。なお、くびれ部(50)とは、握り部(10)の断面積が減少することにより細くなっている部分をいう。くびれ部(50)は、左右方向から中心に向かって細くなる形状であってもよいし、前後方向から中心に向かって細くなる形状であってもよい。
握り部(10)の少なくとも一部にくびれ部(50)を形成することによって、把手(100)の樹脂使用量を減らして、軽量化、コストの削減に寄与することができる。また、くびれ部(50)を形成することで、握り部(50)に柔軟性を付与することができ、把手(100)を取り付けたボトルの耐衝撃性をより向上させることができる。
第1の本発明において、上部支持腕(22)および下部支持腕(24)の先端に上方に突出するように形成された係合部(62、64)が備えられていることが好ましい。係合部(62、64)を備えていることによって、把手(100)とボトル本体とをブロー成形によって一体化した際に、係合部(62、64)がアンカーの役割を担い、把手嵌合強度を大きくすることができる。
第2の本発明は、プラスチックボトル本体(210)を備え、該ボトル本体(210)の上部側面に把手取付用凹部(230)が形成されており、該把手取付用凹部(230)内に取り付けられた第1の本発明のボトル取付用把手(100)を備えて構成される把手付ボトル(200)である。第2の本発明は、充填容量を1.5リットル以上2.0リットル以下とすることができ、また第1の本発明の把手(100)を備えていることで、把手嵌合強度が大きな把手付ボトル(200)とすることができる。具体的には、第2の本発明は、充填容量を1.5リットル以上2.0リットル以下とした場合、把手(100)の23℃における嵌合強度を、少なくとも245Nとすることができる。
把手嵌合強度の測定は、以下の手順で行った。すなわち、把手付ボトルに常温水(23±2℃)をボトルの内容量に合わせて1.5ないし2.0リットル充填し、キャップをする。そして、該ボトルを横倒して固定し、ボトルキャップ天面から125mmの位置を500mm/分の速度で引っ張った。そして、把手が外れた時の荷重(N)を嵌合強度とした。該強度は把手付ボトルに特有のものであり、上記の嵌合強度を備えた把手付ボトルは、より信頼性の高い把手付ボトルといえる。
第2の本発明の把手付ボトルは、充填容量を1.5リットル以上2.0リットル以下とした場合、把手付ボトル(200)全体の質量が54g以上73g以下であり、下部支持腕(24)が取り付けられた部分より下側のボトル本体下部(210B)の平均肉厚が0.22mm以上0.40mm以下である、軽量化ボトルとすることができる。この軽量化ボトルは、従来得られなかったような軽量化を可能としたものである。そして、軽量化しつつも、座屈強度および耐ラインプレッシャー強度といった大型ボトルに必要とされる強度を十分な値とすることができる。具体的には、軽量化ボトルにおいて、充填後の23℃における座屈強度(垂直荷重強度)を、少なくとも392Nとすることができる。また、23℃における耐ラインプレッシャー強度を、少なくとも40Nとすることができる。
なお、本明細書において「ボトル本体下部の平均肉厚」とは、下部支持腕(24)が取り付けられた部分より下側であって、ボトル底面のボトル設置部より上側のボトル本体下部(210B)を構成するボトル側壁の平均厚みをいい、ボトル設置部を含むボトル底面の平均厚みを含まない。
第2の本発明の把手付ボトルは、1.5リットル以上、好ましくは1.6リットル以上、より好ましくは1.7リットル以上であって、2.7リットル以下、好ましくは2.5リットル以下、より好ましくは2.0リットル以下、さらに好ましくは1.9リットル以下の内容量、特に好ましくは1.8リットルの内容量を充填するボトルとして用いることができる。第2の本発明の把手付ボトルは、ボトル本体下部の平均肉厚を薄くし軽量化しても強度を保つことができ、1.5リットル以上の大容量の把手付ボトルとしてはこれまで得られていなかった軽量なボトルとすることができる。
座屈強度(垂直荷重強度)の測定は、以下の手順で行った。すなわち、把手付ボトルに常温水(23±2℃)をボトルの内容量に合わせて1.5リットルないし2.0リットル充填し、キャップをする。そして、ボトルキャップの天面から垂直下方向に100mm/分の速度にて、該ボトルを圧縮する。そして、該ボトルが座屈した時の荷重(N)を座屈強度(垂直荷重強度)とした。上記の座屈強度を備えることによって、充填したボトルを倉庫保管で多段積みする等して把手付ボトルに垂直方向の力が加わったときに、把手付ボトルが座屈変形してしまうのを防止することができる。
耐ラインプレッシャー強度の測定は、以下の手順で行った。すなわち、同一の本発明の把手付ボトルを三本用意してそれぞれにボトルの内容量に合わせて1.5ないし2.0リットルの常温水(23℃±2℃)を充填する。互いに平行に対向させて配置した支持板と押圧板との間に、これら三本のボトルを鉛直に立てて一列に並べる。このとき、隣接するボトルのコンタクトポイント同士が接触するように並べる。そして、一列に並べた両端のボトルの側面にそれぞれ支持板と押圧板とを当接させた状態で押圧板を支持板方向へと押圧してゆき、中央のボトルの壁面(コンタクトポイント)に座屈変形(潰れ)が生じた時の押圧板の押圧力(N)を測定し、これを中央のボトルの耐ラインプレッシャー強度とした。本発明の把手付ボトルは、ボトル本体下部の肉厚を薄くして軽量化を図ったとしても、上記の耐ラインプレシャー強度を備えることができる。そして、ボトル搬送時においてボトルにつぶれ等の変形が生じるのを防止して、ボトルの外観品質を保持することができる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
<ボトル取付用把手100>
図1に本発明の一実施形態のボトル取付用把手100Aの斜視図を示す。図示したように、ボトルに取り付けた状態においては、握り部10が略垂直となるように配置される。握り部10の上端よりも少し下側に前方向に突出するように上部支持腕22が設けられている。握り部10の下端には前方向に突出するように下部支持腕24が設けられている。ボトルのブロー成形の際において、ボトル本体が、これら上部支持腕22および下部支持腕24に絡み付くことによって、ボトル本体と把手100Aとが一体化される。
(テーパー22c)
本発明のボトル取付用把手100の上部支持腕22および/または下部支持腕24には、前方向から後方向に向かって左右方向の幅が狭くなるようなテーパー22cが形成されている。これにより、ボトル本体に把手を取り付けた場合に、把手嵌合強度を大きくすることができる。図2(a)にボトル取付用把手100Aの左側面図、(b)に正面図、(c)に平面図、(d)に底面図を示した。また、図3にボトル取付用把手100Aの平面図を示した。図示した形態においては、本発明の一実施形態として、上部支持腕22のみにテーパー22cが形成されている。上部支持腕22においては、前方側の左右方向の幅Z1よりも、後方側の左右方向の幅Z2が狭く、テーパー状になっている。
テーパー22cのテーパー角度θは、下限が好ましくは4°以上、より好ましくは6°以上、上限が好ましくは20°以下、より好ましくは10°以下である。テーパー角度θが小さすぎると、把手嵌合強度を向上させる効果が小さくなる。また、テーパー角度θが大きすぎると、ボトルのブロー成形時にピンホールが発生し易くなり、また、くびれ部分に応力が集中することにより、把手自体の強度が低下してしまう。
図2(c)に示した、左右方向の幅Z1、Z2、および、前後方向の幅Z3は、把手100の大きさ、つまり、ボトルの充填容量によって決まってくるので、特に限定されないが、例えば、ボトルの充填容量が1.5L以上2.0L以下の場合、幅Z1は、好ましくは10mm以上30mm以下、より好ましくは15mm以上20mm以下である。また、幅Z2は、好ましくは7mm以上である。また、幅Z3は、好ましくは7mm以上25mm以下、より好ましくは14mm以上18mm以下である。以上示したZ1、Z2およびZ3の範囲内で、テーパー角度θにより、それぞれの幅が決定される。
(上方延設部40)
図1に示した形態においては、上部支持腕22が握り部10から分岐する位置よりも握り部10の上方に、上方延設部40が形成されている。上方延設部40は、把手を掴んで把手付ボトルを持ち上げた場合、把手が矢印X1の方向に外れてしまわないようにするためのストッパーの役割を担っており、従来から設けられている補強部材である。
本発明者らは、把手付ボトルを床に落とす等により把手付ボトルに瞬間的に大きな衝撃が加わった際には、この上方延設部40はストッパーとしての役割を果たすのではなく、逆に、把手100が外れるのを助長する場合があることを見出した。このような観点から、本発明者らは、該上方延設部40の形状について鋭意検討し、その結果、上方延設部40を形成しないで、上部支持腕22上面をフラットな状態とするか、あるいは、上方延設部40を形成したとしても、その高さを所定の範囲に制限することが必要であることを見出した。
上方延設部40の高さについて、図2(a)を用いて説明する。上方延設部40の高さは、上部支持腕22の上面Y1を水平とした場合に、該上面Y1を基準として15mm以下とする必要がある。つまり、上面Y1から上方延設部40の頭頂部Y2に向けて引いた垂線の長さL1が15mm以下である必要がある。また、L1は、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましく、3mm以下であることがさらに好ましい。また上方延設部40は、上部支持腕22と同一面上に設けることも可能であるため、上方延設部40の下限は0mmとすることができる。
(くびれ部50)
本発明のボトル取付用把手における握り部10は、少なくとも一部にくびれ部50を備えていることが好ましい。くびれ部50とは、握り部10の断面積が減少することにより細くなっている部分をいう。図4(a)に握り部10のA−A線の断面図、(b)にB−B線の断面図を示す。後で詳細に説明するが、図示した実施形態においては、握り部10は、前方板12および後方板14をリブ16が連結する構造となっている。
図4(b)はくびれ部50部分の断面図を示しているが、図4(a)と比較すると、前方板12の紙面上下方向の長さ、特に後方板14の紙面上下方向の長さが減少している。これにより、全体として断面積が減少し、くびれ部50が形成される。図示した形態では、握り部10の左右方向から中心に向かって細くなってくびれ部50が形成されているが、前方および後方から中心に向かって細くなることによりくびれ部50が形成されていてもよい。
この場合は、図4のリブ16の紙面左右方向の長さを減少させることになる。
このように、握り部10の少なくとも一部にくびれ部50を形成することによって、把手100の樹脂使用量を減らして、軽量化、コストの削減に寄与することができる。把手100の質量は、12g以下、好ましくは11.5g以下、より好ましくは11g以下、さらに好ましくは10.5g以下である。また、くびれ部50を形成することで、握り部10に柔軟性を付与することができ、該把手100を取り付けたボトルの耐衝撃性をより向上させることができる。つまり、ボトルを床に落下させる等によりボトルに大きな衝撃が加わった場合、把手取付用凹部がつぶれるような方向にボトルが曲がり、その際に、把手100には上下方向から応力が加わる。その際、把手100が柔軟性のないものであれば、上下方向からの圧迫により、凹部から把手100が外れてしまったり、場合によっては、把手100が折れてしまったりする。本発明においては、くびれ部50を形成することにより、把手100に柔軟性を付与しているので、このような事態を防ぐことができる。
(係合部62、64)
本発明のボトル取付用把手の上部支持腕22および下部支持腕24の先端部分には、上方に突出するように係合部62、64が形成されていることが好ましい。係合部62、64の形状は特に限定されず、上部支持腕22および下部支持腕24の各上面から略垂直方向上向きに突出した形状であればよい。係合部62、64は、両方とも上向きであることが好ましい。
ボトル本体のブロー成形の際に、ボトル本体が上部支持腕22および下部支持腕24に絡み付くことによって、把手100がボトル本体に固定されるが、この際に、係合部62、64がアンカーの役割を担い、把手嵌合強度を大きくする。
(実施形態100A)
図1〜図4に示した本発明のボトル用把手の実施形態100Aについて説明する。ボトル用把手の実施形態100Aにおける握り部10は、前方に配置された前方板12および後方に配置された後方板14とをリブ16が連結して構成されている。握り部10の上下方向中央部よりも上側には、くびれ部50が形成されている。くびれ部50は、図4(b)に断面図を示したように、前方板12および後方板14の双方が、左右方向に長さを減少させることにより形成される。特に、後方板14の長さは、大きく減少しており、これにより、後方板14は前方板12に比べて大きくくびれている。
握り部10の上下方向中央部よりも下側には、滑り止め用の凹凸18が形成されている。凹凸18は、前方板12および後方板14の側面に上下方向に数箇所連続して設けられている。
握り部10の上部からは、前方向に突出するように上部支持腕22が形成されており、該上部支持腕22は、上面板22aおよび下面板22bをリブ16が連結して構成されている。図示の形態においては、下面板22bの左右方向の幅は、上面板22aの幅Z2よりも狭く、前後に亘って一定に形成されている。また、上面板22aは、幅が広いZ1から、幅が狭いZ2に向かってテーパー状に形成されており、左右方向の幅が前方向から後方向に向かって細くなっている。なお、図示の形態100Aのテーパー角度θは、8.5°である。上面板22aは上部支持腕22の前方先端部で下方向に直角に折れ、該前方先端部において下面板22bと連結している。下面板22bと、握り部10の前方板12とは、それぞれの端部が湾曲されて連結し、両者で一つの曲面を形成している。
握り部10の上部には、上方延設部40が形成されている。上方延設部40は、上面板22aが後方に向かって上方に隆起されて形成されている。上面板22aと後方板14とはそれぞれの端部を湾曲させ連結し、両者で一つの曲面を形成している。上部支持腕22の上面板22aの上面先端部には、上方向に突出した係合部62が形成されている。該係合部62は、底面が前方を向いた断面台形の角柱形状となっている。
握り部10下部には、凹凸18の下方向にくびれが形成されている。該くびれはくびれ部50と同様の機能を有するものである。握り部10の下部からは、前方向に突出するように下部支持腕24が形成されている。該下部支持腕24は、上面板24aおよび下面板24bをリブ16が連結して構成されている。上面板24aおよび下面板24bは、略同一幅であり、下部支持腕24の前方先端部で互いに連結している。握り部10の前方板12は、凹凸18の下部においてくびれて左右の幅が小さくなったまま湾曲し、同様に湾曲した同一幅の上面板24aと連結して、一つの曲面を形成している。
握り部10の後方板14は、凹凸18の下部においてくびれ左右の幅が小さくなった後、再び左右の幅を広げつつ湾曲し、同様に左右の幅を広げつつ湾曲してきた下面板24bと連結して、一つの曲面を形成している。
下部支持腕24の上面板24aの上面先端部には、上方向に突出した係合部64が形成されている。係合部64の形状は、上記の係合部62と同様である。図示した形態においては、下部支持腕24の先端部の側面に突起が形成されている。該突起は、係合部64と同様の機能を有するものである。
図2(d)に示したように、下部支持腕24の下面板24bには、凹凸26が形成されている。ボトルのブロー成形時に、ボトルが該凹凸26に食い込むことによって、把手嵌合強度をさらに高めることができる。さらに、極めてまれではあるが、この部分にピンホールが発生する場合があり、この場合には、ピンホール検出用エア抜き溝としても作用する。
(実施形態100B、100C、100D、100E)
図5(a)に本発明のボトル用把手の他の実施形態100Bの左側面図、(b)に他の実施形態100Cの左側面図を示した。実施形態100B、100Cにおいては、上方延設部40が形成されていない。上部支持腕の上面板22aは、後方に真っ直ぐのびそのまま下方に湾曲し、把手10の後方板14と連結している。実施形態100Bと100Cとでは、握り部10上方の角部E1、E2のRが異なっている。実施形態100B(E1)ではR5となっており、実施形態100C(E2)ではR8.8となっている。Rを大きくすることにより、樹脂使用量を減らして、把手の質量を減少できるという利点がある。
図6に本発明のボトル用把手の他の実施形態100Dを示した。図6(a)が平面図、(b)が左側面図、(c)が底面図である。実施形態100Dにおいても、実施形態100Aと同様に、上部支持腕22にテーパー22cが形成されているが、テーパー角度θが小さく、4.3°となっている。
図7に本発明のボトル用把手の他の実施形態100Eを示した。図7(a)が平面図、(b)が左側面図、(c)が底面図、(d)が正面図である。実施形態100Eにおいても上部支持腕22にテーパー22cが形成されており、テーパー角度θは8.5°となっている。また、握り部10上方の角部がとれ側面図で見ると傾斜状となっており、上方延設部40が上方向に向けて凸状となっている。また、握り部10には、くびれ部50が形成されていない。
(製造方法)
本発明のボトル用把手100A〜100Eは、通常、射出成形により製造される。射出成形は、可動型および固定型とから構成され、両型が把手の左右方向中央部から分割できる射出成形型を用いて行われる。実施形態で示したボトル用把手100A〜100Eは、握り部10、上部支持腕22および下部支持腕24が、断面H字形状となっている。これにより、射出成形型の分割方向および把手の抜き方向に対して抵抗となるいわゆるアンダーカット部が生じないので、両型を分割して把手を取り出す工程が容易になるという利点がある。断面をH字形状としないで十分な強度を得ようとすると、その分、厚さを大きく取る必要が生じ、厚さを大きく取ると、把手を射出成形するときの冷却過程における収縮により、特に係合部62、64の上方先端面に凹み(いわゆる「ヒケ」)が生じやすくなる。このように断面H字形状にすることにより、このようなヒケが生じにくく、かつ生じたヒケが目立たないという利点がある。
<把手付ボトル200>
本発明の把手付ボトル200は、ボトル本体210および本発明の把手100を備えて構成される。図8に本発明の把手付ボトル200の背面図、図9に側面図、図10に正面図を示した。また、図11には、図9におけるA−A線断面図(図11(a))およびB−B線断面図(図11(b))を示した。把手100は、ボトル本体210に形成された把手取付用凹部230に取り付られている。本発明の把手付ボトル200の内容量は、1.5リットル以上、好ましくは1.6リットル以上、より好ましくは1.7リットル以上であって、2.7リットル以下、好ましくは2.5リットル以下、より好ましくは2.0リットル以下、さらに好ましくは1.9リットル以下であり、最も好ましくは1.8リットルである。
(把手嵌合強度)
把手100の支持腕22、24の先端には上方に突出した係合部62、64が形成されている。本発明のボトル本体210をブロー成形した時に、把手取付用凹部230の壁面が上下の支持腕22、24の先端部を覆うと共に、その先端から上方に突出した係合部62、64に絡み付くようにして、把手取付用凹部230に把手体100が取り付けられる。このようにして、嵌合形状を複雑なものとすることにより、嵌合強度を高くすることができる。
また、本発明の上部支持腕22および/または下部支持腕24には、前方向から後方向に向かって細くなるようなテーパー22cが形成されている。支持腕22、24がボトルに絡みついた際に、このテーパー22cがストッパーの役割を果たす。これにより、嵌合強度をさらに高くすることができると考えられる。
また、本発明のボトル取付用把手100においては、従来ストッパーとして設けられていた上方延設部40を形成しないで、上部支持腕22の上面をフラットな状態とするか、あるいは、上方延設部40を形成したとしても、その高さを所定の範囲に制限している。これにより、本発明の把手付ボトル200は、把手嵌合強度を大きくすることができる。そして、ボトルを床に落とす等によりボトルに衝撃が加わった際においても、ボトルから把手が外れることを防ぐことができる。
本発明の把手付ボトル200においては、把手100の23℃における嵌合強度を、245N以上とすることができる。そして、この嵌合強度を、好ましくは300N以上、より好ましくは400N以上、さらに好ましくは500N以上とすることができる。また、握り部10にくびれ部50を形成した場合には、嵌合強度をさらに向上させることができる。
また、以下の好ましい実施形態で説明するが、把手取付用凹部230の補強手段として膨出突起236、238等を設けた場合は、嵌合強度をさらに向上させることができる。
以下、本発明の把手付ボトル200の好ましい形態として、従来のボトルでは得られなかったような軽量化を達成することができ、かつ、座屈強度、耐ラインプレッシャー強度といった大容量の把手付ボトルに必要とされる種々の強度を備えている本発明の把手付ボトル200について説明する。
<軽量化把手付ボトル200>
(ボトル本体210)
ボトル本体210は、図9に示すように上下方向中央付近にくびれ211が形成されている。このくびれ211によりボトル本体210は補強されると共に、ボトル本体上部210Aとボトル本体下部210Bに略二分されている。なお、図示した形態においては、くびれ211は把手取付用凹部230の下部により一部分断されているが、周方向に連続した形態とすることもできる。また、該くびれ211の形成は任意であり、形成しなくてもよい。
ボトル本体上部210Aの側面には、把手取付用凹部230が形成されている。この把手取付用凹部230には把手100が取り付けられ把手付ボトル200とされる。本発明のボトルは醤油等の調味料を入れるため等に使用される大型(大容量)のボトルである。
従って、ボトルの胴周りが大きいため、使用者はボトル本体210を掴むことは難しい。
そのため、ボトル本体210に把手100を取り付けハンドリング性(持ち易さ)を向上させている。
把手取付用凹部230の深さは、ボトル本体210の最大外径部の直径の1/4から1/3の範囲で設定するのが好ましい。例えば、高さが310mm、最大外径寸法が106mm、内容積が1885mlのポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルの場合には、把手取付用凹部230の深さを30mm前後に設定することが好ましく、これにより把手100が握り易くなる。図示した形態においては、該把手取付用凹部230に種々の補強構造(232、234等)が形成されている。該補強構造の詳細については後述する。 図8に示した把手取付用凹部230が形成されたボトル背面の裏側、つまり図10に示したボトル正面におけるボトル本体上部210Aには、その上側に略平面状の傾斜壁面212Aと、曲面状の円筒壁面214Aとが交互に形成されている。このような構造にすることによって、ボトルの上下方向および左右方向の剛性を高めることができ、かつ内容液の温度に伴う密度変化に起因するボトル内圧変化を緩和し、ボトルラベル部等の変形を防止することができる。また、傾斜壁面212Aは、平面状であってもよいが、図11(a)に示したようにボトル内部方向に若干窪んだ形状とすることもできる。この形状とすることで、左右方向の剛性をさらに向上させることができる。
ボトル正面におけるボトル本体上部210Aの下側には、複数の凹溝216Aが形成されている。該凹溝216Aは、第1変曲点から第2変曲点までの幅が1mm以上、好ましくは2mm以上であって、5mm以下、好ましくは4mm以下の幅を有する細溝である。
ここで、凹溝における第1変曲点および第2変曲点について、図21(a)を用いて説明する。図21(a)に、凹溝部分の断面拡大図を示した。図示右側斜線部がボトル本体210である。ボトル本体上部210Aの壁面が凹溝216Aに差し掛かる曲線部分を第一のリブ曲線、凹溝216Aの凹み部分を構成する曲線部分を第二のリブ曲線、凹溝216Aが再びボトル本体上部210Aの壁面に差し掛かる曲線部分を第三のリブ曲線とすると、第一のリブ曲線が第二のリブ曲線に変わる点が第1変曲点L1であり、第二のリブ曲線が第三のリブ曲線に変わる点が第2変曲点L2となる。そして、本発明においては、これら変曲点の間の距離Lを上記の範囲とする(以下で説明する環状凹溝212Bにおいても同様である。)。図示した形態においては、計三つの凹溝216Aが水平方向に略同一間隔で形成されている。該凹溝216Aを形成することによって、ボトル本体上部210Aに左右方向の剛性を付与することができる。図示した形態のボトル本体上部210Aは、図示上方向に行くに従い径が小さくなる略円錐形状となっている。先端部においては、径が小さくなる割合がより大きくなり、円錐状の縮径部217が形成されている。上端には開口部218が形成されており、閉蓋できるようになっている。
ボトル本体下部210Bは、略円筒状の直胴部である。図示した形態においては、直胴部を一周するように複数の環状凹溝212Bが形成されている。該環状凹溝212Bは、第1変曲点から第2変曲点までの幅が1mm以上、好ましくは2mm以上であり、5mm以下、好ましくは4mm以下の細溝であり、これにより横方向の剛性が向上されている。
環状凹溝212Bが形成される位置、本数等は特に限定されず、例えば、横方向の剛性を向上させたい位置、および、どの程度剛性を向上させたいのかによって、適宜決定される。図示した形態においては、合計五つの環状凹溝212Bが水平方向に略同一間隔で形成されている。
また、ボトル本体下部210Bにおいて、横方向の剛性を特に向上させたい位置、つまり、ライン上での搬送において隣り合うボトルと接触する箇所には、リブ214Bが形成される。リブ214Bは、以下において説明する耐ラインプレッシャー強度を担保するものである。詳細については後述する。
図12に、図8のI−I断面図を示した。ブロー成形により取り付けられたボトル本体210および把手100の関係を示している。ボトル本体210をブロー成形したときに、把手取付用凹部230の壁面が上下の支持腕22、24の先端部を覆うと共に、その先端から上方に突出した係合部62、64に絡み付くようにして把手取付用凹部230に把手100が取り付けられる。
(ボトル200の全体質量)
本発明の把手付ボトル200は、ボトル全体の質量が54g以上73g以下、好ましくは55g以上70g以下、さらに好ましくは56g以上68g以下の範囲である。従来、1.5リットルないし2.0リットルという大容量の把手付ボトルにおいては、種々の強度が必要とされることから、軽量化して樹脂使用量を減らすことは難しかったのであるが、本発明はこのような限界を超えて軽量化を実現したものである。
(ボトル本体下部210Bの平均肉厚)
本発明の把手付ボトル200のボトル本体下部210Bの平均肉厚は、0.22mm以上0.40mm以下である。従来は、ボトル本体下部210Bの横方向の剛性、つまり、十分な耐ラインプレッシャー強度を付与するためには、ボトル本体下部210Bの平均肉厚を少なくとも0.41mmから0.6mm程度と厚くする必要があった。特に、コンベア上において隣り合ったボトルと接触する部分であるボトルの底面付近においては、特に肉厚を厚くする必要があり、0.5mm以上の平均肉厚を必要としていた。本発明においては、耐ラインプレッシャー強度を十分なものとしつつ、ボトル本体下部210Bの平均肉厚を約半分程度に薄くすることに成功したものであり、これにより、把手付ボトル200全体の軽量化、そして、使用樹脂量の大幅な減少に成功したものである。なお、ボトルの内容量を例えば1.7リットルないし1.9リットルとした場合は、ボトル本体下部210Bの平均肉厚は、0.24mm以上0.39mm以下とすることが好ましい。また、ボトルの内容量を1.8リットルとした場合には、ボトル本体下部210Bの平均肉厚は、0.25mm以上0.38mm以下とすることが好ましい。
(耐ラインプレッシャー強度)
本発明の把手付ボトル200の23℃における耐ラインプレッシャー強度は、少なくとも40Nであることが好ましく、50N以上であることがより好ましく、70N以上であることがさらに好ましい。このような耐ラインプレッシャー強度を備えることによって、ライン上での搬送中等においてボトルに凹み等の変形が生じるのを防ぐことができる。
従来、耐ラインプレッシャー強度を付与することを目的として、搬送ベルト上を滑走中に隣接ボトル同士が接して押圧力が加わるボトル胴部の最大外径部分(コンタクトポイント)の肉厚を厚くしたり、このコンタクトポイントに沿ってボトル壁面に凹状または凸状のリブを周設してボトルを成形し、ボトル胴部の押圧力が加わる部分の剛性を局所的に高めたりする措置がとられていた。
しかしながら、前者のようにコンタクトポイントの肉厚を厚くする場合、ラインプレッシャーに対する強度は増すものの、ボトルの軽量化を図るという本発明の目的を達成することはできない。また、軽量化を図るためにコンタクトポイント以外の部分の肉厚を薄くしたのでは、減圧強度や座屈強度といったボトルの他の物性が低下することになる。
また、後者のようにコンタクトポイントに沿って単にリブを周設しただけでは、ラインプレッシャーに対する十分な剛性は得られなかった。
従来、一般的には、コンタクトポイントに沿ってリブを形成するだけでは十分なラインプレシャー強度は得られないというのが、大方の見解であった。しかし、本発明者は、リブ214Bをコンタクトポイントに沿って形成すると共に、そのコンタクトポイントにおけるボトルの肉厚を上記したように0.22mm以上0.40mm以下と薄くすることにより、意外にも大きなラインプレッシャー強度が得られることを見出した。
従来、コンタクトポイントにおける肉厚を薄くすることは、耐ラインプレッシャー強度を小さくすることであるというのが常識であった。そのような常識の中、本発明者は、あえてコンタクトポイントにおける肉厚を薄くした。その結果、肉厚を薄くしたことと、リブ214Bを形成したことが、相乗効果を示し、優れた耐ラインプレッシャー強度を備えた本発明の把手付ボトル200が完成した。
このように優れた耐ラインプレッシャー強度を備えることができた理由として、本発明者は以下のように考えている。従来のコンタクトポイントに沿ってリブを形成したボトルの場合、ライン上での搬送中、リブの頂点において隣接するボトルと接触することとなっていた。つまり、コンタクトポイントがリブの頂点である一点となっており、ラインプレッシャーがこの一点に集中して、凹み等が発生し易いものとなっていた。これに対して、本願のボトル200においては、コンタクトポイントに沿ってリブ214Bを形成すると共に、該部分の肉厚を薄くしているので、ラインプレッシャーがかかった時に、隣接するボトルと面接触するようになっている。つまり、肉厚が薄いことから、リブ214Bが柔らかく、このため、隣接するボトルのリブ214B同士が互いにつぶれて、面接触となるのである(言い換えると、コンタクトポイントがコンタクトエリアになるということである。)。そして、点が面になったことでラインプレッシャーが分散され、耐ラインプレッシャー強度が向上するのである。
上記のように、隣接するボトル同士を面接触とする観点から、リブ214Bの幅を広くすることが好ましい。また、リブ214Bを複数設けて接触面積を広げることもできる。
図13〜18に本発明のリブ214Bの種々の実施形態を示した。図13〜18に示した各実施形態において、(a)はボトル本体下部210Bの下側のみにリブ214Bを設けた例であり、(b)はボトル本体下部210Bの上側にも同様のリブ214Bを設けた例である。(b)においては、接触面積が二倍となっているので、より耐ラインプレッシャー強度を向上させることができる。なお、リブ214Bとは、コンタクトポイントに沿ってボトルの周方向に形成したボトルの最大外径部分を含む環状形状をいい、例えば、断面略半円形あるいは断面略台形の環状凸状部をいう。図21(b)にリブ214Bの拡大断面図を示した。図示左側の斜線部がボトル本体210である。本発明においてリブ214Bの幅とは、リブ形状を形成する曲線における接線の傾きが斜め45°になる点c1からc2までの距離cをいう。
図13(a)には、リブ214Bをボトル本体下部210Bの下側に一つ形成した形態を、また図13(b)には、リブ214Bをボトル本体下部210Bの上側と下側に二つ形成した形態をそれぞれ示した。本実施形態において、リブ214Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。また、リブ214Bの直径bとボトル本体下部210Bのリブ214B以外の部分の直径aとの比(b/a)は好ましくは1.015以上、より好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、好ましくは1.050以下、より好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下である。本発明においては、ボトル本体下部210Bの肉厚が薄くなっているので、リブ214Bを上記のように設計することで、ラインプレッシャーがかかったときに、隣接するボトル同士の接触面積(以下、該面積をコンタクトエリアと呼ぶことがある。)が拡大して、耐ラインプレッシャー強度がより大きなものとすることができる。
図14(a)には、ボトル本体下部210Bの下側に二つのリブ214B(1)、214B(2)を形成した形態を、また図14(b)には、ボトル本体下部210Bの上側と下側にそれぞれ二つずつのリブ214B(1)、214B(2)を形成した形態をそれぞれ示した。この場合、それぞれのリブのコンタクトエリアの合計がボトルの接触面積となるので、より耐ラインプレッシャー強度を向上させることができる。また、リブを複数形成することによって、横方向の剛性を向上させるという効果もあり、これにより耐ラインプレッシャー強度がさらに向上する。二つのリブ214B(1)、214B(2)の幅は、それぞれ3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。また、リブ214B(1)、214B(2)のそれぞれの直径bとボトル本体下部210Bのリブ214B(1)、214B(2)以外の部分の直径aとの比(b/a)は好ましくは1.015以上、より好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、好ましくは1.050以下、より好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下である。
図15(a)には、ボトル本体下部210Bの下側に凸リブ214Bを形成した形態を、図15(b)には、ボトル本体下部210Bの上側と下側に二つの凸リブ214Bを形成した形態をそれぞれ示した。形成した凸リブ214Bは幅広であるので、コンタクトエリアが大きくなる。また、肉厚を薄くした効果により、ラインプレッシャーがかかった時に凸リブ214Bが変形して、ボトル200同士がボトル胴部全体で接触するようになり、さらに耐ラインプレッシャー強度を向上させることができる。凸リブ214Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。
また、凸リブ214Bの直径bとボトル本体下部210Bの凸リブ214B以外の部分の直径aとの比(b/a)は好ましくは1.015以上、より好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、好ましくは1.050以下、より好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下である。
図16(a)には、ボトル本体下部210Bの下側にコンタクトエリア216Bを周方向に形成し、さらに、エッジ218Bを形成した形態を、図16(b)には、ボトル本体下部210Bの上側と下側にコンタクトエリア216Bおよびエッジ218Bを形成した形態をそれぞれ示した。本実施形態では、あらかじめ幅広のコンタクトエリア216Bが形成されているため、耐ラインプレッシャー強度が向上されている。また、エッジ218Bを加えることにより、横方向の剛性が向上され、耐ラインプレッシャー強度がより向上される。コンタクトエリア216Bおよびエッジ218Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。また、コンタクトエリア216Bおよびエッジ218Bの直径bとボトル本体下部210Bのコンタクトエリア216Bおよびエッジ218B以外の部分の直径aとの比(b/a)は好ましくは1.015以上、より好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、好ましくは1.050以下、より好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下である。
図17(a)に、ボトル本体下部210Bの下側に凹形状のリブ214Bを形成した形態を、図17(b)にボトル本体下部210Bの上側と下側に凹形状のリブ214Bを形成した形態をそれぞれ示した。ラインプレッシャーがかかったときは、肉厚が薄くなっているためこの凹形状がつぶれて平坦となる。よって、コンタクトエリアが拡大して耐ラインプレッシャー強度が向上し、ラインプレッシャーが除かれたときに凹形状両端部のリブ効果により復元するようになる。凹形状のリブ214Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。なお、凹形状のリブ214Bの場合は、リブ214Bの曲線における接線の傾きが斜め45°となる部分は、最大4箇所あるが、そのうち最上部および最下部の点をc1およびc2として、その間の距離をリブ214Bの幅cとした。また、凹形状のリブ214Bの最大直径bとボトル本体下部210Bの凹形状のリブ214B以外の部分の直径aとの比(b/a)は好ましくは1.015以上、より好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、好ましくは1.050以下、より好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下である。
図18(a)に、多角形タイプのリブ214Bを形成した形態を、図18(b)にボトル本体下部210Bの上側と下側に多角形タイプのリブ214Bを形成した形態をそれぞれ示した。また、図18(c)には、図18(b)におけるII−II線の断面図を示した。この多角形タイプのリブ214Bは、ボトル本体下部210Bの下側を外周側に膨出させて最大外径部分となる環状膨出部を形成すると共に、この環状膨出部を、ボトル中心方向へ凹んだ湾曲凹面であって、周方向の長さが長い長辺凹面部と、周方向の長さが短い短辺凹面部とが交互に連なって形成されている。長辺凹面部および短辺凹面部は、湾曲凹面となってボトル内方へ凹み、その隣接凹面部と交わる両端側がボトル外方へ突き出た角部となっている。そして、かかる角部そのものが補強として機能し、角部を挟んで周方向に連続した湾曲凹面が凹状リブと同様な補強として機能する。このため、コンタクトポイントの機械的強度が高まり、コンタクトポイントの剛性を高めることができる。
また、コンタクトポイントとなる環状膨出部を縦断面略台形状に形成することにより、ブロー成形時の延伸が円滑に行われ、コンタクトポイント全周に亘って均一な肉厚に成形することができる。そして、前記環状膨出部に長辺凹面部と短辺凹面部とを形成することにより、それぞれの凹面部と上下の傾斜壁面との境に角部が形成され、これがつぶれ変形に対して補強として機能するため、コタクトポイントの機械的強度がさらに高まることになる。
(座屈強度)
本発明の把手付ボトル200の、充填後の23℃における座屈強度は少なくとも392Nであることが好ましい。座屈強度(垂直荷重強度)の測定は、以下の手順で行った。すなわち、把手付ボトル200に常温水(23±2℃)をボトルの内容量に合わせて1.5リットルないし2.0リットル充填し、キャップをする。そして、ボトルキャップの天面から垂直下方向に100mm/分の速度にて、該ボトルを圧縮する。そして、該ボトルが座屈した時の荷重(N)を座屈強度(垂直荷重強度)とした。このような座屈強度を備えることによって、把手付ボトルに垂直方向の力が加わったときに、把手付ボトルが座屈変形してしまうのを防止することができる。
把手付ボトルに醤油やミリン等を充填密封してダンボール箱に詰め、このダンボールを上下方向に複数段重ねて保管したり、輸送したりする場合、上段に積載したダンボール箱の荷重が下段のダンボール箱中の把手付ボトルに加わるため、下段のダンボール箱に箱詰めされた把手付ボトルの把手取付用凹部が座屈変形してボトル上部が把手側に倒れるように変形することがあった。
この座屈変形を、図19を用いて説明する。図19(a)は従来のボトルの側面図であり、図19(b)は、図19(a)におけるIII−III線横断面図である。プリフォームを延伸して把手付ボトルをブロー成形したとき、径方向の延伸倍率が大きい最大外径部X2は肉薄となる。また、把手取付用凹部230の壁面を両側縁部から中央に向かって穏やかに膨出した湾曲凸面231とした場合、該湾曲凸面231の中央部Y1は径方向の延びが小さいため肉厚となり、延びが大きい湾曲凸面231の両側縁部Y2は肉薄となる。
このため、このような従来のボトルに上方から垂直荷重Wが加わったとき、荷重Wは把手100を介して肉薄となった部分X2に加わるため、この部分X2と肉薄となった両側縁部Y2が座屈変形することがあった。このとき、肉厚となった湾曲凸面231の中央部Y1は座屈変形しないため、この中央部Y1が支点となって肉薄となった部分X2と両側縁部Y2とが座屈変形し、ボトル上部が矢印Rで示すように把手側に倒れるように変形することがあった。
本発明においては、把手取付用凹部230に形成する湾曲凸面231の両側縁部Y2の剛性を確保し、把手の下部、すなわち肉薄となった最大外径部X2に集中する荷重を分散させて座屈強度を高め、上方から垂直荷重が加わっても把手取付用凹部230が座屈変形することがないようにするため、把手取付用凹部230に種々の補強手段を形成した。これにより、本発明の把手付ボトル200は上記した好ましい範囲の座屈強度を備え、座屈変形が防止される。
種々の補強手段について、図8および図11(b)を用いて説明する。種々の補強手段としては、把手取付用凹部230の壁面を両側縁部から中央に向かって穏やかに膨出するように形成した湾曲凸面231、および、該湾曲凸面231の把手100が取り付けられた中央の上下位置に設けた膨出突起236、238を挙げることができる。すなわち、上部支持腕22が取り付けられた部分の下方に膨出突起236が設けられると共に、下部支持腕24が取り付けられた部分の上方に膨出突起238が設けられている。なお、この膨出突起236、238は上下に連続して設けることもできる。膨出突起236、238を形成することによって、把手100が把手取付用凹部230の壁面にしっかりと固定されると共に、湾曲凸面231が補強されて剛性が高まる。
また、補強手段としては、湾曲凸面231の両側縁部近傍に設けた上下方向に延びる補強用リブ234A、234Bを挙げることができる。図示した形態においては、湾曲凸面231の両側の左右対称位置には、プラットホーム状に膨出した隆起面232A、232Bが形成されており、湾曲凸面231の両側縁部と近接する隆起面232A、232Bの段差部によって上下方向に延びる補強用リブ234A、234Bがそれぞれ形成されている。
この補強用リブ234A、234Bは湾曲凸面231を補強して、上方から加わる垂直荷重によって湾曲凸面231が座屈変形するのを防止するものである。これにより、湾曲凸面231の両側縁部が補強されて剛性が高まると共に、把手100を介してその下部に加わる荷重が分散されて座屈強度が向上する。そして、上方から加わる垂直荷重によって把手取付凹部230が座屈変形するのが防止される。また、把手100の取付位置の上下が膨出突起236、238によって補強されていることと相俟って、湾曲凸面231の剛性が確保され、上下方向に対する座屈強度が格段に改善される。
<本発明の把手付ボトル200の製造方法>
本発明の把手付ボトル200の製造方法の好適な例について、図20を参照しつつ説明する。本発明の把手付ボトル200は、あらかじめ把手100をボトル本体210とは別体で、射出成形等の方法により成形しておき、ボトル本体210のブロー成形の工程において、両者を一体化することにより製造される。
本発明のボトル本体210は、プラスチック、例えばポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステル樹脂を用いて、まず、射出成形により中間製品である管状素材(以下「プリフォーム」という。)を形成し、次いで、該プリフォームを延伸温度、例えばポリエチレンテレフタレートの場合は90℃以上120℃以下まで加熱した状態でブロー成形金型にセットし、プリフォーム内に高圧空気等を吹き込んで2軸延伸ブロー成形して得られる。本発明において、把手100はポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等が使用できる。特に、把手体の材質としてボトル本体と同様のポリエステル樹脂を採用すると、回収してリサイクルする際に、本体と一緒に処理することができ、また把手体として再生樹脂を使用することができるので好ましい。
ブロー成形に使用する金型260は、図20に示すように、図示上方に引き抜き可能な底型262、および不図示の頚部形成型からなっている。金型260の側面部には、把手取付用凹部230形成用の型264が形成されている。この型264部分には、把手100の支持腕22、24の先端部分が金型内に露出するような状態で、把手100がセットされる。また、金型260内には、上記した把手取付用凹部230の補強手段232、234等、リブ214Bを形成するための形状が備えられている。
(実施例1)
図1〜図4に示した上方延設部40を形成したボトル取付用把手100Aを、射出成形により作製した。図2〜図4に示した各寸法は、上方延設部40の高さL1が2mm、上下方向の全長L2が94.6mm、上部支持腕22の係合部62の高さL3が4.3mm、下部支持腕24の係合部64の高さL4が3mm、係合部62、64の厚さL5が3mmである。また、左右方向の最大幅W1が20mm、くびれ部50の後方板14の左右方向の幅W2が4mm、くびれ部50の前方板12の左右方向の幅W3が10mm、凹凸18部分の左右方向の幅W4が14mm、握り部の前後方向の厚みW5が7.6mmである。また、上部支持腕22にはテーパー角度θが8.5°のテーパーが形成されており、テーパー前方向の幅Z1が17mm、テーパー後方向の幅Z2が13mm、前後方向の長さZ3が16mmである。作製したボトル取付用把手100Aの質量は、10.2gであった。
作製したボトル取付用把手100Aを用いて、図8〜11に示した形状であって、高さ300mm、直胴部の外径103.5mm、内容積1865ml、リブ214Bの外径106mm、リブ214Bの幅6mmの把手付ボトルをブロー成形により作製した。
(実施例2)
図6に示したボトル取付用把手100Dを、射出成形により作製した。把手100Aと比べると、把手100Dは、上部支持腕22のテーパーの形状が異なっているが、他の形状は同一である。把手100Dの上部支持腕22のテーパーは、テーパー角度θが、4.3°であり、テーパー前方向の幅Z1が20mm、テーパー後方向の幅Z2が17.5mm、前後方向の長さZ3が20mmである。作製したボトル取付用把手100Dの質量は、11.3gであった。
作製したボトル取付用把手100Dを用いて、実施例1と同様にして把手付ボトルをブロー成形により作製した。
(比較例1)
図22(a)〜(c)に示した従来のボトル取付用把手を射出成形により作製した。図22(a)〜(c)に示した各寸法は、上方延設部40の高さL1が16.4mm、上下方向の全長L2が94.6mm、上部支持腕22の係合部62の高さL3が4.3mm、下部支持腕24の係合部64の高さL4が3mm、係合部62、64の厚さL5が3mmである。また、左右方向の幅W1が20mmであり、くびれ部は形成されていない。握り部10の前後方向の厚みW5は7.6mmである。また、上部支持腕22および下部支持腕24にテーパーは形成されていない。作製した従来のボトル取付用把手110の質量は、14.5gであった。なお、L1〜L6、W1およびW5は、図2および図4と同様の位置を示している。
作製した従来のボトル取付用把手を用いて、実施例1と同様にして把手付ボトルをブロー成形により作製した。
(比較例2)
比較例1と同じ従来の把手を用いて、図22(b)に示した従来のボトルであって、高さ300mm、直胴部の外径103.5mm、内容積1865ml、コンタクトポイントの外径106mmでコンタクトポイントにリブの無い、把手付ボトルをブロー成形により作製した。
<評価方法I>
上記の実施例1、実施例2および比較例1で作製した把手付ボトルに対して以下の評価を行った。なお、ボトルのプリフォームとして、質量の異なる二種類(62gと50g)を用いて、それぞれ二種類の把手付ボトルを作製した。
(把手嵌合強度)
作製した把手付ボトルに23℃の常温水を1.8リットル充填しキャップをした。そして、該ボトルを横倒して固定し、ボトルキャップ天面から125mmの位置を500mm/分の速度で引っ張った。そして、把手が外れた時の荷重(N)を測定し、これを嵌合強度とした。結果を表1に示す。
(垂直落下試験)
作製した把手付ボトルに23℃の常温水を1.8リットル充填しキャップをした。該ボトルを垂直に立てた状態で、床面からボトル底面までの高さ(H)が90cmの状態から、ボトルを落下させた。把手の外れ、把手の割れ、ボトルの割れ等の不具合が生じなかった場合は、同じボトルを使用して高さ(H)を120cmとして、同様の落下試験を行った。さらに不具合が生じなかった場合は、高さ(H)を150cm、そしてさらに180cmとして落下試験を繰返して行った。各高さにおいて、ボトルに不具合が生じた場合は、その時点で試験を終了させた。結果を表2に示す。
(結果)
Figure 2009040445
本発明の把手100A、100Dを用いた場合(実施例1、実施例2)は、従来の把手に比べて、把手嵌合強度が大きく向上していることが分かった。
Figure 2009040445
本発明の把手100A、100D(実施例1、実施例2)は、従来の把手に比べて、垂直落下試験においても良好な結果を示した。
<評価方法II>
上記の実施例1および比較例2で作製した充填用把手付ボトルに対して以下の評価を行った。
(座屈強度)
作製した把手付ボトルに23℃の常温水を1.8リットル充填しキャップをした。そして、ボトルキャップの天面から垂直下方向に100mm/分の速度にて、ボトルを圧縮した。そして、ボトルが座屈した時の荷重(N)を測定し、これを座屈強度(垂直荷重強度)とした。
(耐ラインプレッシャー強度)
作製した把手付ボトルを三本用意して、それぞれに23℃の常温水を1.8リットル充填した。互いに平行に対向させて配置した支持板と押圧板との間に、これら三本のボトルを鉛直に立てて一列に並べた。このとき、隣接するボトルのコンタクトポイント同士が接触するように並べた。そして、一列に並べた両端のボトルの側面にそれぞれ支持板と押圧板とを当接させた状態で押圧板を支持板方向へと押圧してゆき、中央のボトルの壁面(コンタクトポイント)に座屈変形(潰れ)が生じたたきの押圧板の押圧力(N)を測定し、これを中央のボトルの耐ラインプレッシャー強度とした。
Figure 2009040445
表3より本発明の把手付ボトルは、ボトルの質量が軽く、かつ、ボトル本体下部の平均肉厚とコンタクトポイントの肉厚が薄いにも関わらず、座屈強度および嵌合強度が従来のボトルより大きく、また耐ラインプレッシャー強度も平均70N以上あるため、搬送中の変形を十分抑えることが可能である。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うボトル取付用把手および把手付ボトルもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明のボトル取付用把手100Aの斜視図である。 (a)は本発明のボトル取付用把手100Aの左側面図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。 本発明のボトル取付用把手100Aの平面図である。 (a)は図2(a)のA−A線断面図、(b)は図2(a)のB−B線断面図である。 (a)は本発明のボトル取付用把手100Bの左側面図、(b)は本発明のボトル取付用把手100Cの左側面図である。 (a)は本発明のボトル取付用把手100Dの平面図、(b)は左側面図、(c)は底面図である。 (a)は本発明のボトル取付用把手100Eの平面図、(b)は左側面図、(c)は底面図、(d)は正面図である。 本発明の把手付ボトルの背面図である。 本発明の把手付ボトルの側面図である。 本発明の把手付ボトルの正面図である。 (a)は、図9におけるA−A線断面図である。(b)は、図9におけるB−B線断面図である。 図8のI−I線断面図である。 リブ214Bの実施形態を示す図である。 リブ214Bの実施形態を示す図である。 リブ214Bの実施形態を示す図である。 リブ214Bの実施形態を示す図である。 リブ214Bの実施形態を示す図である。 リブ214Bの実施形態を示す図である。 (a)は、座屈強度を説明するための把手付ボトルの側面図である。(b)は(a)におけるIII−III線断面図である。 本発明の把手付ボトルを製造するためのブロー成形用金型260である。 (a)は、凹溝216A、212Bの拡大断面図である。(b)はリブ214Bの拡大断面図である。 (a)は従来の形状の把手の平面図である。(b)は左側面図である。(c)は底面図である。(d)は従来の形状の把手を従来の形状のボトル本体に取り付けた把手付ボトルである。
符号の説明
100A、100B、100C、100D ボトル取付用把手
10 握り部
22 上部支持腕
22c テーパー
24 下部支持腕
40 上方延設部
62、64 係合部
210 ボトル本体
210A ボトル本体上部
210B ボトル本体下部
214B リブ
230 把手取付用凹部

Claims (12)

  1. 握り部、該握り部の上下部から前方向に突出する上部支持腕および下部支持腕を備えて構成され、該上部支持腕および下部支持腕を介してプラスチックボトルに取り付けるための把手であって、
    前記上部支持腕および/または下部支持腕に、前方向から後方向に向かって左右方向の幅が狭くなるようなテーパーが形成されている、プラスチックボトル取付用把手。
  2. 前記テーパーのテーパー角度が、4°以上20°以下である、請求項1に記載のプラスチックボトル取付用把手。
  3. 前記上部支持腕のみに、前方向から後方向に向かって左右方向の幅が狭くなるようなテーパーが形成されている、請求項1または2に記載のプラスチックボトル取付用把手。
  4. 前記上部支持腕が前記握り部から分岐する位置より前記握り部の上方に延設された上方延設部を備えていないか、あるいは備えていたとしても、前記上部支持腕の上面を水平とした場合に、該上面から前記上方延設部の頭頂部までの高さが15mm以下とされている、請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチックボトル取付用把手。
  5. 前記握り部が、少なくとも一部にくびれ部を備えている、請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチックボトル取付用把手。
  6. 前記上部支持腕および前記下部支持腕の先端に上方に突出するように形成された係合部を備えている、請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチックボトル取付用把手。
  7. プラスチックボトル本体を備え、該ボトル本体の上部側面に把手取付用凹部が形成されており、該把手取付用凹部内に取り付けられた請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチックボトル取付用把手を備えて構成される把手付プラスチックボトル。
  8. 充填容量が1.5リットル以上2.0リットル以下である請求項7に記載の把手付プラスチックボトル。
  9. 前記把手の23℃における嵌合強度が、少なくとも245Nである請求項8に記載の把手付プラスチックボトル。
  10. 前記把手付プラスチックボトル全体の質量が54g以上73g以下であり、前記下部支持腕が取り付けられた部分より下側のプラスチックボトル本体下部の平均肉厚が0.22mm以上0.40mm以下である、請求項8または請求項9に記載の把手付プラスチックボトル。
  11. 充填後の23℃における座屈強度(垂直荷重強度)が、少なくとも392Nである請求項10に記載の把手付プラスチックボトル。
  12. 23℃における耐ラインプレッシャー強度が、少なくとも40Nである請求項10または11に記載の把手付プラスチックボトル。
JP2007205762A 2007-08-07 2007-08-07 プラスチックボトル取付用把手および把手付プラスチックボトル Active JP5348863B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007205762A JP5348863B2 (ja) 2007-08-07 2007-08-07 プラスチックボトル取付用把手および把手付プラスチックボトル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007205762A JP5348863B2 (ja) 2007-08-07 2007-08-07 プラスチックボトル取付用把手および把手付プラスチックボトル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009040445A true JP2009040445A (ja) 2009-02-26
JP5348863B2 JP5348863B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=40441631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007205762A Active JP5348863B2 (ja) 2007-08-07 2007-08-07 プラスチックボトル取付用把手および把手付プラスチックボトル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5348863B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180128929A (ko) * 2016-04-04 2018-12-04 인티그레이티드 플라스틱스 피티와이 리미티드 인체 공학적 일체형 손잡이 조립체

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5899350A (ja) * 1981-12-04 1983-06-13 味の素株式会社 把手付ボトル
JPH04173548A (ja) * 1990-11-08 1992-06-22 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手付きプラスチックボトル
JPH06345068A (ja) * 1985-07-30 1994-12-20 Yoshino Kogyosho Co Ltd 環状リブを有する容器
JPH07223254A (ja) * 1993-10-26 1995-08-22 Yoshino Kogyosho Co Ltd 把手付き合成樹脂製壜体
JPH08951U (ja) * 1994-06-27 1996-06-11 株式会社吉野工業所 把手付き壜
JPH08198267A (ja) * 1995-01-30 1996-08-06 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手付ポリエステルボトル
JPH09272543A (ja) * 1996-04-03 1997-10-21 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手付プラスチツクボトル
JP2000109081A (ja) * 1998-09-30 2000-04-18 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手体および把手付プラスチックボトル
JP2000211645A (ja) * 1998-11-17 2000-08-02 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手体および把手付プラスチックボトル
JP2004123102A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Yoshino Kogyosho Co Ltd 把手付き合成樹脂製壜体
JP2005067683A (ja) * 2003-08-26 2005-03-17 Toyo Seikan Kaisha Ltd プラスチックボトル容器
JP2008127074A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手付きボトル

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5899350A (ja) * 1981-12-04 1983-06-13 味の素株式会社 把手付ボトル
JPH06345068A (ja) * 1985-07-30 1994-12-20 Yoshino Kogyosho Co Ltd 環状リブを有する容器
JPH04173548A (ja) * 1990-11-08 1992-06-22 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手付きプラスチックボトル
JPH07223254A (ja) * 1993-10-26 1995-08-22 Yoshino Kogyosho Co Ltd 把手付き合成樹脂製壜体
JPH08951U (ja) * 1994-06-27 1996-06-11 株式会社吉野工業所 把手付き壜
JPH08198267A (ja) * 1995-01-30 1996-08-06 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手付ポリエステルボトル
JPH09272543A (ja) * 1996-04-03 1997-10-21 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手付プラスチツクボトル
JP2000109081A (ja) * 1998-09-30 2000-04-18 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手体および把手付プラスチックボトル
JP2000211645A (ja) * 1998-11-17 2000-08-02 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手体および把手付プラスチックボトル
JP2004123102A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Yoshino Kogyosho Co Ltd 把手付き合成樹脂製壜体
JP2005067683A (ja) * 2003-08-26 2005-03-17 Toyo Seikan Kaisha Ltd プラスチックボトル容器
JP2008127074A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 把手付きボトル

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180128929A (ko) * 2016-04-04 2018-12-04 인티그레이티드 플라스틱스 피티와이 리미티드 인체 공학적 일체형 손잡이 조립체
JP2019513581A (ja) * 2016-04-04 2019-05-30 インテグレイテッド プラスティックス プロプライエタリー リミテッドIntegrated Plastics Pty Limited 人間工学的一体型ハンドルアセンブリ
CN111716684A (zh) * 2016-04-04 2020-09-29 集成塑料有限公司 符合工效学的一体式手柄组件
KR102360282B1 (ko) 2016-04-04 2022-02-07 인티그레이티드 플라스틱스 피티와이 리미티드 인체 공학적 일체형 손잡이 조립체
KR20220019300A (ko) * 2016-04-04 2022-02-16 인티그레이티드 플라스틱스 피티와이 리미티드 인체 공학적 일체형 손잡이 조립체
JP7177477B2 (ja) 2016-04-04 2022-11-24 インテグレイテッド プラスティックス プロプライエタリー リミテッド 人間工学的一体型ハンドルアセンブリ
US11524814B2 (en) 2016-04-04 2022-12-13 Integrated Plastics Pty Limited Ergonomic integral handle assembly
KR102627036B1 (ko) 2016-04-04 2024-01-19 인티그레이티드 플라스틱스 피티와이 리미티드 인체 공학적 일체형 손잡이 조립체

Also Published As

Publication number Publication date
JP5348863B2 (ja) 2013-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6037618B2 (ja) プラスチックボトル用のハンドル
AU2006285940B2 (en) Synthetic resin square bottle body
JP4679038B2 (ja) 合成樹脂製ボトル型容器
JP5076906B2 (ja) 容器
JP4046989B2 (ja) ピンチグリップ式ボトル型容器
EP1574439A2 (en) Synthetic resin container having improved shape stability
US7631775B2 (en) Plastic container having gripping portions
US20100295215A1 (en) Container sidewall strengthening apparatus and methods
JP2010524789A (ja) 真空補正要素を有する容器
JP2008179400A (ja) プラスチックボトル取付用把手および把手付プラスチックボトル
CN108367833A (zh) 具有带加肋支脚的花瓣状底部的容器
JP2009214895A (ja) 耐座屈性を有するプラスチック容器及びそれを用いた飲料製品
JP6034556B2 (ja) プラスチックボトル
JP5632895B2 (ja) プラスチックボトル取付用把手および把手付プラスチックボトル
JP5348838B2 (ja) 把手付きボトル
JP5348863B2 (ja) プラスチックボトル取付用把手および把手付プラスチックボトル
JP4692749B2 (ja) ピンチグリップ式ボトル型容器
JP3056271U (ja) 耐熱容器
JP2004250055A (ja) 延伸ブローボトル
JP4748359B2 (ja) プラスチックボトル容器
JP4894034B2 (ja) 角形樹脂製容器
JP4804264B2 (ja) 把手付きプラスチックボトル
JP2009262989A (ja) 樹脂製飲料用容器
JP4912784B2 (ja) 合成樹脂製ボトル
JP2002225834A (ja) 薄肉ブローボトル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100729

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20101101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130311

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5348863

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350