JP2009038961A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな静電容量ならび大きなリプル電流耐量とを有し、かつ小型化を図った平滑コンデンサを備えた電力変換装置を提供することを課題とする。
【解決手段】スイッチング素子より構成されるパワーモジュール3と、パワーモジュール3に接続された平滑コンデンサを備え、平滑コンデンサは、そのインピーダンスの周波数特性がそれぞれ異なる第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42とが並列接続されて構成され、第1の平滑コンデンサ41の静電容量は、第2の平滑コンデンサ42の静電容量よりも大きく設定され、かつ第2の平滑コンデンサ42とパワーモジュール3とを接続する配線のインダクタンスは、第1の平滑コンデンサ41とパワーモジュール3と接続する配線インダクタンスよりも大きく設定されて構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、並列接続された特性の異なる平滑コンデンサを用いた電力変換装置に関する。
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されたものが知られている(特許文献1)。この文献1に記載された技術では、DC−ACインバータの電力変換装置において、平滑コンデンサをアルミ電解コンデンサとスナバコンデンサ(フィルムコンデンサやセラミックコンデンサで構成)とを並列接続した複合コンデンサで平滑コンデンサを構成している。
文献1によれば、アルミ電解コンデンサにより低周波リプル電流を吸収させ、フィルムコンデンサやセラミックコンデンサに高周波リプル電流を吸収させることで、アルミ電解コンデンサの容量、すなわち物理的体積を減少させて平滑コンデンサ全体としての物理的体積を小さく抑えている。
特開2004−254355号公報
複合コンデンサで平滑コンデンサを構成した場合には、平滑コンデンサ全体としての物理的体積を小さく抑えられるものの、特性の異なる2種類のコンデンサを単に組み合わせて平滑コンデンサを構成すると、並列接続されたそれぞれのコンデンサにおける静電容量とESL(等価直列インダクタンス)、ならびにコンデンサを接続する配線のインダクタンスの関係により共振が生じる可能性が極めて高かった。並列接続された2つのコンデンサ間で共振が発生すると、コンデンサ間で共振電流が流れ、本来の平滑動作時に共振による共振電流が加わり、リプル電流の増大を招いていた。
このため、電力変換装置を大電力で使用する場合には、リプル電流量の増大に伴ってリプル電流耐量を大きくする必要があり、その結果、平滑コンデンサの大型化を招き、小型化の障害となっていた。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大きな静電容量ならび大きなリプル電流耐量とを有し、かつ小型化を図った平滑コンデンサを備えた電力変換装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、スイッチ素子より構成されるパワーモジュールと、前記パワーモジュールに接続された平滑コンデンサを備えた電力変換装置において、前記平滑コンデンサは、そのインピーダンスの周波数特性がそれぞれ異なる第1の平滑コンデンサと第2の平滑コンデンサとが並列接続されて構成され、前記第1の平滑コンデンサの静電容量は、前記第2の平滑コンデンサの静電容量よりも大きく設定され、かつ前記第2の平滑コンデンサと前記パワーモジュールとを接続する配線のインダクタンスは、前記第1の平滑コンデンサと前記パワーモジュールとを接続する配線のインダクタンスよりも大きく設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1の平滑コンデンサと第2の平滑コンデンサとの間の共振電流を低減することが可能となる。これにより、平滑コンデンサのリプル電流を低減することができ、平滑コンデンサの構成を小型化することが可能となる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例1に係る電力変換装置の構成を示す図である。図1に示す実施例1の電力変換装置は、入力端子1a(+)、1b(−)間に直流電源2が接続され、この直流電源2にIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor )等の電力用スイッチング素子から構成されるパワーモジュール3が接続され、このパワーモジュール3と並列に平滑コンデンサ4が接続されて構成されている。これら、直流電源2、パワーモジュール3、平滑コンデンサ4は電力線31で各々接続されている。
パワーモジュール3は、例えば半導体のスイッチング素子を備え、このスイッチング素子をスイッチング制御することで直流電源2から供給された直流電力を交流電力に変換して出力する。パワーモジュール3は、一般的に数キロHz程度のキャリア周波数(fc)にしたがって駆動されて電力変換動作を行っており、この実施例1では例えば5kHz程度に設定されている。
平滑コンデンサ4は、特性の異なる2種類の第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42とが並列接続されて構成されている。第1および第2の平滑コンデンサ自体はそれぞれが同じ特性のコンデンサを並列または直列に接続した集合体となっている場合も含まれる。
また、第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42は前述の電力線31に対して、第1の平滑コンデンサ41の配線41aおよび第2の平滑コンデンサ42の配線42aを用いて接続され、第1の平滑コンデンサ41は第2の平滑コンデンサ42よりもパワーモジュール3の近傍に配置されている。
一般的に第1の平滑コンデンサ41として用いるアルミ電解コンデンサは体積あたりの静電容量が大きいため、大きな静電容量を必要とするパワーモジュールとして例えば高出力のインバータに用いる場合には、コンデンサ体積を小さくすることができるので好適である。
一方で、アルミ電解コンデンサは高周波領域においてインピーダンスが高くなる傾向がある。高周波のリプル電流が発生するような高速スイッチングを行うインバータにおいては、高周波のリプル電流(高次高調波成分を含む)を吸収しなくてはならないので、高インピーダンスとなる高周波領域での発熱を考慮して大きな体積のアルミ電解コンデンサを使用せざるを得ない。
結果として、アルミ電解コンデンサを高出力、高速スイッチングのインバータの平滑コンデンサとして用いた場合には、リプル電流を吸収するために平滑コンデンサの体積が大きくなる傾向があった。
他方、第2の平滑コンデンサ42として用いるセラミックコンデンサは、体積あたりの静電容量が前述のアルミ電解コンデンサに比べて小さい。このため、大きな静電容量を必要とする高出力のインバータに用いる場合には、コンデンサ体積が大きくなってしまう。また、一つあたりの静電容量が小さいため、必要な静電容量を確保するためには、多数のセラミックコンデンサを並列に配置する必要がある。このため、配線が複雑化し、また配線に係わる体積も増加してしまう。
一方で、セラミックコンデンサは、高周波領域において前述のアルミ電解コンデンサに比べてインピーダンスが低い。また、放熱性能にも優れているので、高周波のリプル電流が発生するような高速スイッチングを行うインバータにおいては、高周波のリプル電流(高次高調波成分を含む)を低インピーダンスで吸収し、発熱が少なく好適である。
しかし、前述した通り、静電容量あたりの体積が小さいため、セラミックコンデンサを高出力、高速スイッチングのインバータの平滑コンデンサとして用いた場合には、高出力のインバータに対応した静電容量を確保するために平滑コンデンサの体積が大きくなる傾向があった。
なお、セラミックコンデンサのみで平滑コンデンサを実現した場合には、約20〜100個程度のセラミックコンデンサ(セラミックコンデンサ一つの容量に応じて個数は変化)を並列で接続する必要があり、生産性の低下を招くことになる。例えば、コンデンサの体積で表すと、アルミ電解コンデンサのみで形成した場合に比べて、1/20程度の体積とすることができるが配線の体積や生産性を考慮するとメリットが少ない。
本発明の実施例1では、図1に示すように、特性の異なる2種類の第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42とが並列接続されて構成されている。このような構成によれば、例えば、高出力のインバータに対応するための静電容量を主に第1の平滑コンデンサ41(例えばアルミ電解コンデンサ)で確保する。そして、高速スイッチングのインバータに対応するためのリプル電流を主に第2の平滑コンデンサ42(例えばセラミックコンデンサ)で吸収する。
この結果、第1の平滑コンデンサ41であるアルミ電解コンデンサは高周波リプル電流を吸収するための容量ならびに体積を必要とせず、高出力インバータに対応するための必要最小限の静電容量とすることができる。
一方で、第2の平滑コンデンサ42であるセラミックコンデンサは、第1の平滑コンデンサ41により静電容量を確保できるため、リプル電流を吸収するための必要最小限の静電容量とすることができ、また多数の並列接続を必要としない。
よって、特性の異なる2種類の第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42とを並列接続して構成することにより、アルミ電解コンデンサのみで平滑コンデンサを構成した場合に比べて、約1/30程度のコンデンサ体積とすることができる。また、セラミックコンデンサのみで平滑コンデンサを構成した場合に比べても、約3/5程度の体積とすることができるのに加えて、並列接続数を大幅に削減することができる。
なお、フイルムコンデンサは、アルミ電解コンデンサに比べて、静電容量/体積の比で劣るが、リプル耐電流に優れる。また、フイルムコンデンサは、セラミックコンデンサに比べて、静電容量/体積の比で優れるが、リプル耐電流で劣る。
したがって、第1の平滑コンデンサ41をアルミ電解コンデンサで構成し、第2の平滑コンデンサ42をフィルムコンデンサで構成した場合でも、体積を減少させることができる。また、第1の平滑コンデンサ41をフイルムコンデンサとし、第2の平滑コンデンサ42をセラミックコンデンサとした場合でも、体積を減少させることができる。
第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42とは、前述した特性の違いから、それぞれインピーダンスの周波数特性が異なるコンデンサとなり、第1の平滑コンデンサ41は、例えば図2(a)に示すような周波数特性を有し、第2の平滑コンデンサ42は、例えば同図(b)に示すような周波数特性を有している。
このような周波数特性を備えた第1の平滑コンデンサ41は、具体的には例えばアルミ電解コンデンサで構成され、第2の平滑コンデンサ42は、セラミックコンデンサで構成される。
図1に戻り、第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42との静電容量の大小関係は、第1の平滑コンデンサ41の静電容量(C1)よりも第2の平滑コンデンサ42の静電容量(C2)が小さく設定(C1>C2)されている。これは前述したように平滑コンデンサ4の体積を小さくするためであり、第1の平滑コンデンサ41の体積−静電容量効率を活用するためには、必然的に第1の平滑コンデンサ41の容量を大きくした方が体積メリットが得られやすいためである。
一方、第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42のインダクタンスは、以下に示すような関係に設定されている。第1の平滑コンデンサ41の等価直列インダクタンスをESL1とし、第2の平滑コンデンサ42の等価直列インダクタンスをESL2とし、パワーモジュール3と第1の平滑コンデンサ41とを接続する配線のインダクタンスをH1とし、パワーモジュール3と第2の平滑コンデンサ42とを接続する配線のインダクタンスをH2としたとき、パワーモジュール3から見た第2の平滑コンデンサ42の配線インダクタンスH2は、第1の平滑コンデンサ41の配線インダクタンスH1よりも大きくなるように設定されている(H1<H2)。具体的には図1に示すように、配線インダクタンスΔLを加えている。
第2の平滑コンデンサ42の配線42aに配線インダクタンスΔLを加える方法としては、第1の平滑コンデンサ41の配線41aに比べて配線長を長く設定することで実現可能である。ただし、配線を長く設定することは直流抵抗成分も同時に増えてしまうので、配線の厚さ、形状等を調整することでインダクタンス成分のみを増やすことが可能である。
この実施例1では、配線レイアウトのイメージを表す図3に示すように、配線のインダクタンスΔLのみを調整することを目的として、第1の平滑コンデンサ41の配線41aと、第2の平滑コンデンサ42の配線42aの距離は略等距離にするとともに、第1の平滑コンデンサ41に係わる配線の配線インダクタンスがキャンセルされるように、直流電源2の入力端子1a側(+側)に接続される+側配線と入力端子1b側(−側)に接続される−側配線を重ねて配置する。このような配線を重ねる構成は、一般的なインバータやコンデンサで用いられる手法であるので、詳細は省略するが、重ねて配線を配置することで両者の磁界がキャンセルされるので、高周波領域のインピーダンスを低減することができる。
一方、第2の平滑コンデンサ42の配線42aは重ねることなく、平行に配索している。すなわち、第1の平滑コンデンサ41の配線41aに比べて磁界のキャンセル効果が作用しないので、結果的に配線インダクタンスが大きくなる。このような配線の配索と配線長を適宜調整することで、配線インダクタンスΔLを加えて、H1<H2を実現している。
次に、配線インダクタンスΔLを加えたことによる作用を、図4、図5を用いて説明する。
図4は第1の平滑コンデンサ41、第2の平滑コンデンサ42の周波数特性を模式的に表した図であり、いわゆる理想特性を示したものである。図4において、第1の平滑コンデンサ41を例にとると、コンデンサのインピーダンスは電流の周波数が高くなるほど、コンデンサの静電容量に応じて低下していく。理想の特性では、このまま0となるまで低下するのであるが、コンデンサにはインダクタンス成分としてのESLが存在するので、電流の周波数が高くなればなるほど、インピーダンスが上昇する傾向を示す。すなわち、特定の周波数(自己共振周波数)を境に、コンデンサ成分が支配的な状態のインピーダンス特性からインダクタンス成分が支配的な状態のインピーダンス特性に変わる。この傾向は第2の平滑コンデンサ42でも同様であり、第1の平滑コンデンサ41とは異なる特性であるが、同様の傾向がみられる。
図4では、コンデンサ成分が支配的な領域を実線で示し、インダクタンス成分が支配的な領域を破線で示している。図4において、異なる特性のコンデンサの特性を比較すると、第1、第2の平滑コンデンサの特性が共にコンデンサ成分が支配的な周波数領域(領域I:両コンデンサが実線)、第1、第2の平滑コンデンサの特性がコンデンサ成分が支配的なコンデンサとインダクタンス成分が支配的なコンデンサが混在する周波数領域(領域II:両コンデンサが実線と破線の組合わせ)、第1、第2の平滑コンデンサの特性が共にインダクタンス成分が支配的な周波数領域(領域III:両コンデンサが破線)が存在する。
このとき、領域I、領域IIIでは両者がコンデンサCの並列接続、もしくはインダクタンスLの並列接続であるので、両者のコンデンサを合算した合成インピーダンスは単なる合成インピーダンスとして現れるが、領域IIではインピーダンスがコンデンサCとインダクタンスLの並列接続となる。
このコンデンサCとインダクタンスLの並列接続は、いわゆる共振回路を形成することになり、共振回路の共振点において、直流成分の抵抗がない場合には合成インピーダンスは無限大となる。しかし、この合成インピーダンスは、第1の平滑コンデンサ41や第2の平滑コンデンサ42のESRや配線抵抗といった直流成分の抵抗が存在するため、この抵抗で吸収されて実際には無限大とはなり得ないが、合成インピーダンスはその前後の周波数に比べて大きくなる。
図5に示す周波数特性は、各諸量が例えば以下に示す値におけるシミュレーションの結果を示している。
第1の平滑コンデンサ41の静電容量(C1):1000μF
第1の平滑コンデンサ41のESL(ESL1):200nH
第1の平滑コンデンサ41の等価直列抵抗(ESR1):20mΩ
第2の平滑コンデンサ42の静電容量(C2):150μF
第2の平滑コンデンサ42のESL(ESL2):20nH
第2の平滑コンデンサ42の等価直列抵抗(ESR2):2mΩ
インダクタンス差ΔL(H2−H1):50nH
図5において、インダクタンス差ΔL(H2−H1)を設けない場合(従来、調整前)の、第1の平滑コンデンサ41のインピーダンスをZ1、第2の平滑コンデンサ42のインピーダンスをZ2、両コンデンサの合成インピーダンスをZとし、インダクタンス差ΔL(H2−H1)を設けた場合(本実施例、調整後)の、第1の平滑コンデンサ41のインピーダンスをZ1’、第2の平滑コンデンサ42のインピーダンスをZ2’、両コンデンサの合成インピーダンスをZ’としている。
図5からわかるように、インダクタンス差を設けない場合(調整前)には、前述したように共振により領域IIに相当する領域で合成インピーダンスが高くなっているのに対して、インダクタンス差を設けた場合(調整後)には、合成インピーダンスのピーク値が減少している。これは、第2の平滑コンデンサ42に配線インダクタンスΔLを加えたことにより第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42の共振周波数が近づいたためである。
合成インピーダンスのピーク値が減少する理由としては、並列共振周波数(インピーダンス無限大)となる周波数において、両者のインピーダンスが低い状態となるように設定しているためである。並列共振周波数ではインピーダンスが無限大となるので、直流抵抗成分で共振を減衰させているが、共振を発生させる原因となるエネルギー量を低下させることでも共振のエネルギーを減衰させることができる。
すなわち、共振のエネルギーはコンデンサ成分とインダクタンス成分に蓄えられたエネルギーに基づく電流であるので、共振に至るときのエネルギー量を小さくするために、並列共振周波数における第1、第2の平滑コンデンサのインピーダンスを小さく抑えている。
具体的には、第1、第2の平滑コンデンサは直列共振周波数(コンデンサ成分が支配的な領域からインダクタンス成分が支配的な領域に切り替わる周波数)において、各々のインピーダンスが最小となる。
そこで、両者の直列共振周波数が近くなるように調整すると、必然的に第1、第2の平滑コンデンサのインピーダンスが低い領域が共振領域となる。すなわち、両者の直列共振周波数を近づければ、両者のインピーダンス成分が最小である領域が並列共振周波数に近づくことになるので、並列共振周波数での第1、第2の平滑コンデンサのインピーダンスが低くなる。
この実施例1では、第2の平滑コンデンサ42に配線インダクタンスΔLを加えることで、インダクタンス成分が支配的な領域を広げ、結果として第2の平滑コンデンサ42の直列共振周波数は低くなり、第2の平滑コンデンサ42の直列共振周波数を第1の平滑コンデンサ41の直列共振周波数に近づけることが可能となる。
図5に示した現象をさらに詳細に説明すると、第1の平滑コンデンサ41の直列共振周波数f1、第2の平滑コンデンサ42の直列共振周波数f2は、次式で表される。
(数1)
f1=1/{2×π×(C1×L1)1/2
f2=1/{2×π×(C2×L2)1/2
また、並列接続された第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42の並列共振周波数f3は、次式で表される。
(数2)
f3=1/2×π×(C1+C2)1/2/{(L1+L2)×C1×C2}1/2
したがって、それぞれの直列共振周波数f1、f2ならびに並列共振周波数f3は、対応する平滑コンデンサの静電容量(C1、C2)とインダクタンス(L1、L2)との積(C1×L1、C2×L2)の値に依存することになる。
すなわち、コンデンサ容量を確保するために、C1を大きく、C2を小さく(C1>C2)したこの実施例1では、L2を大きくすることが、(C1×L1)と(C2×L2)の差を小さくすることにつながる。
そして、図6に示すように、本実施例1では、インダクタンスΔLを設けない場合に比べて並列共振周波数におけるリプル電流が低減されている。これにより、発熱が低減され、平滑コンデンサ4の小型化を達成することができる。
次に、先の文献1などに記載された従来の技術とこの実施例1とにおける、並列接続された各平滑コンデンサの静電容量とインダクタンスの積(L1×C1、L2×C2)の差について説明する。
従来技術では、並列接続された一方の平滑コンデンサの静電容量(C11)ならびにインダクタンス(L11)に比べて、他方の平滑コンデンサの静電容量(C22)ならびにインダクタンス(L22)がともに小さく設定されている。これは、他方の平滑コンデンサでリプル電流を吸収するためには、インダクタンス(L22)を極力小さくして、リプル電流による損失を軽減することを意図しているためである。したがって、一方の平滑コンデンサの静電容量とインダクタンスの積(C11×L11)は、他方の平滑コンデンサの静電容量とインダクタンスとの積(C22×L22)よりもかなり大きく設定(C11×L11>>C22×L22)されることになる。
これに対して、この実施例1では、第1の平滑コンデンサ41の静電容量(C1)は、第2の平滑コンデンサ42の静電容量(C2)よりも大きく設定(C1>C2)されているが、第1の平滑コンデンサ41の配線インダクタンス(H1)より第2の平滑コンデンサ42の配線のインダクタンス(H2)が大きく設定(H1<H2)されている。
したがって、上記従来の技術における、一方の平滑コンデンサの静電容量とインダクタンスの積(C11×L11)と他方の平滑コンデンサの静電容量とインダクタンスとの積(C22×L22)との差ΔCL1122の絶対値(|C11×L11−C22×L22|)と、この実施例1における、第1の平滑コンデンサ41の静電容量(C1)とインダクタンス(L1)との積(C1×L1)と第2の平滑コンデンサ42の静電容量(C2)とインダクタンス(L2)との積(C2×L2)との差ΔCL12の絶対値(|C1×L1−C2×L2|)とを比較すると、従来技術における差ΔCL1122はこの実施例1における差ΔCL12よりも大きく(ΔCL1122>ΔCL12)なる。
これにより、この実施例1における、第1の平滑コンデンサ41の直列共振周波数f1と第2の平滑コンデンサ42の直列共振周波数f2との差は、先の従来技術に比べて小さくなり、並列共振周波数f3におけるインピーダンスも小さくなる。
この実施例1では、従来技術に比べて、並列接続された平滑コンデンサ間に生じる共振電流を低減することができ、第1の平滑コンデンサ41のリプル電流を低減することができる。したがって、単位体積当たりのリプル電流耐量が小さいアルミ電解コンデンサで構成された第1の平滑コンデンサ41の構成を小型化することが可能となる。
なお、この実施例1では、C1>C2の関係を維持した状態で説明したが、平滑コンデンサの体積的なメリットが得られる範囲で任意の関係を利用することができる。すなわち、C1=C2であれば、(C1×L1)と(C2×L2)の差分は最も小さくなるが、体積的なメリットが薄れる。また、C1<C2となるとさらに体積的なメリットが薄れる。よって、C1>C2の範囲であれば体積メリットが得られる。加えて、第2の平滑コンデンサ42のESLは第1の平滑コンデンサ41のESLより低いので、配線インダクタンスΔLの追加により必ず両者の自己共振周波数は近づくことになる。
なお、この実施例1では、全体の静電容量に対するそれぞれのコンデンサの静電容量は、概ねC1=85%、C2=15%とした。
図7は本発明の実施例2に係る電力変換装置の構成を示す図である。
先の実施例1で説明したように、実施例1では第2の平滑コンデンサ42に対して配線インダクタンスΔLを追加することで、両者の並列共振周波数のインピーダンスを低減することができた。
さらには、並列接続された第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42の並列共振周波数におけるインピーダンス(以下合成インピーダンスと呼ぶ)を、パワーモジュール3のキャリア周波数における合成インピーダンスよりも小さく設定することが好ましい。
具体的には、第2の平滑コンデンサ42の配線42bに前述した配線インダクタンスΔLに加えて、配線抵抗ΔRを加えることで実現する。これは、例えば図8に示すように、第2の平滑コンデンサ42の配線42bの配線長を先の実施例1に比べて長くする、もしくは配線幅を細くするなどにより配線抵抗ΔRを付加して先の実施例1に比べて配線42bの配線抵抗を増やしている。
図9は第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42との各諸量が以下に示す値でのシミュレーション結果におけるインピーダンスの周波数特性を示す図であり、動作電流が1アンペア当たりの周波数特性の一例である。
第1の平滑コンデンサ41の静電容量(C1):1000μF
第1の平滑コンデンサ41のESL(ESL1):200nH
第1の平滑コンデンサ41の等価直列抵抗(ESR1):20mΩ
第2の平滑コンデンサ42の静電容量(C2):150μF
第2の平滑コンデンサ42のESL(ESL2):20nH
第2の平滑コンデンサ42の等価直列抵抗(ESR2):2mΩ
インダクタンス差ΔL(H2−H1):50nH
配線抵抗差ΔR(R2−R1):10mΩ
なお、図9における各諸量は配線抵抗差ΔRを除くと、図5の要件と同様である。
図9において、パワーモジュール3のキャリア周波数(fc:5kHz程度)では、第1の平滑コンデンサ41のインピーダンス(Z1(fc))と、並列接続された第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42との合成インピーダンス(Z(fc))の周波数特性がほぼ同様となる。また、第1の平滑コンデンサ41の直列共振周波数(f1)、第2の平滑コンデンサ42の直列共振周波数(f2)、ならびに第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42との並列共振周波数(f3)が、キャリア周波数(fc)よりも高い10kHz以上の周波数帯域に設定される。なお、並列共振周波数f3近辺は、キャリア周波数fcの高次高調波成分が現れる領域であり、いわゆる高周波リプル電流が発生する。
ここで、第1の平滑コンデンサ41のインピーダンス(Z1)、第2の平滑コンデンサ42のインピーダンス(Z2)、ならびに第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42の合成インピーダンス(Z)は、次式で表される。
(数3)
Z1=(ESR1+(ωESL1−1/ω/C1)1/2
Z2=(R2+(ωL2−1/ω/C2)1/2
Z=Z1×Z2/(Z1+Z2)
ここで、R2=ESR2+ΔR、L2=ESL2+ΔLとする。
第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42の並列共振周波数(f3)における合成インピーダンス(Z(f3))を演算するにあたって、演算を簡単化するために第1の平滑コンデンサ41のインピーダンス(Z1)、第2の平滑コンデンサ42のインピーダンス(Z2)、ならびに両インピーダンスの和(Z1+Z2)を、以下に示すように近似する。
(数4)
Z1≒ωESL1
Z2≒1/ω/C2
Z1+Z2≒R2+ESR1
このような近似手法を用いると、並列共振周波数における合成インピーダンス(Z(f3))は、上記(数3)ならびに(数4)に基づいて以下に示すように表される。
(数5)
Z(f3)≒ESL1/C2/(R2+ESR1)
一方、キャリア周波数(fc)における第1の平滑コンデンサ41と、並列接続された第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42とのインピーダンス特性がほぼ同様となるので、キャリア周波数(fc)における合成インピーダンス(Z(fc))は、キャリア周波数(fc)における第1の平滑コンデンサ41のインピーダンス(Z1(fc))に近似することができ、以下に示すように表される。
(数6)
Z(fc)≒Z1(fc)≒1/ωcC1
ωc=2πfc
したがって、並列接続された第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42の並列共振周波数における合成インピーダンス(Z(f3))を、パワーモジュール3のキャリア周波数fcにおける合成インピーダンス(Z(fc))よりも小さく設定する(Z(f3)<Z(fc))には、上記(数5)、(数6)に基づいて、以下に示すような関係を設定することで実現される。
(数7)
ωcC1×ESL1<C2(R2+ESR1)
したがって、第1の平滑コンデンサ41の静電容量(C1)よりも第2の平滑コンデンサ42の静電容量C2を小さく設定(C1>C2)し、かつ上記(数7)に示す関係となるようにR2を大きく設定し、並列共振周波数における合成インピーダンス(Z(f3))をパワーモジュール3のキャリア周波数(fc)における合成インピーダンス(Z(fc))よりも小さく設定することで、並列共振周波数における合成インピーダンスを抑制して、並列共振周波数における電圧変動をパワーモジュール3のキャリア周波数fcにおける電圧変動よりも小さくすることが可能となる。
先の実施例1では、インダクタンスΔLを付加することで並列共振周波数における合成インピーダンスを抑制していたが、さらに抑制効果を高めたい場合には、特に並列共振周波数における電圧変動をパワーモジュール3のキャリア周波数における電圧変動よりも小さくしたい場合には、インダクタンスΔLの追加のみならず、抵抗ΔRの追加が有効である。
例えば、図10のリプル電流の周波数特性に示すように、並列共振周波数における合成インピーダンスは、先の実施例1よりも軽減されており、特に第1の平滑コンデンサ41に流れるリプル電流が軽減されているのに対して、より高周波の領域においても第2の平滑コンデンサ42に流れるリプル電流は先の実施例1と遜色がない。
すなわち、インダクタンスΔLの追加により並列共振周波数における合成インピーダンスを抑制する場合には、高周波領域における第2の平滑コンデンサ42の特性も悪化してしまい、高周波領域において第1の平滑コンデンサ41に分流するリプル電流が増えてしまう。
そこで、インダクタンスΔLの追加を最小限に留める一方、抵抗ΔRを追加することで、並列共振周波数における電圧変動をパワーモジュール3のキャリア周波数における電圧変動よりも小さくすることが可能となる。これにより、第1の平滑コンデンサ41に求められる耐圧を低くすることができ、第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42が並列接続されて構成された平滑コンデンサ4を高周波特性に優れたコンデンサとすることができ、かつESLの大きな第1の平滑コンデンサ41で発生し易いサージ電圧を抑制することが可能となる。したがって、第1の平滑コンデンサ41に低耐圧のコンデンサを採用することが可能となり、小型化を図ることができる。
また、第2の平滑コンデンサ42側の配線インダクタンスを大きくする場合であっても、第2の平滑コンデンサ42の静電容量(C2)よりも第1の平滑コンデンサ41の静電容量C1を大きく設定(C1>C2)し、かつ並列共振周波数における合成インピーダンス(Z(f3))をパワーモジュール3のキャリア周波数(fc)における合成インピーダンス(Z(fc))よりも小さくなるような抵抗ΔRを追加することで、並列共振周波数における合成インピーダンスの増大を抑制できることに加えて、第2の平滑コンデンサ42の高周波領域での特性を悪化させることなく、静電容量を小さくして構成を小型化することができる。
図11は本発明の実施例3に係る電力変換装置の構成を示す図である。
先の実施例1または実施例2では、第2の平滑コンデンサ42側の配線インダクタンスが第1の平滑コンデンサ41に比べて大きくそのインダクタンス差がΔLであり、加えて実施例2では第2の平滑コンデンサ42側の配線の直流抵抗成分が第1の平滑コンデンサ41に比べて大きくその抵抗差がΔRであるのに対して、この実施例3の特徴とするところは、第2の平滑コンデンサ42側の配線インダクタンスが第1の平滑コンデンサ41に比べて大きくそのインダクタンス差をΔLとし、かつ第1の平滑コンデンサ41の直流抵抗成分が第2の平滑コンデンサ42に比べて大きくその抵抗差をΔRとし、このインダクタンス差ΔLならびに抵抗差ΔRとの関係により並列共振周波数におけるインピーダンスを調整したことにある。
すなわち、第1の平滑コンデンサ41の直列共振周波数(f1)と第2の平滑コンデンサ42の直列共振周波数(f2)、ならびに第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42との並列共振周波数(f3)を近づけ(C1×ESL1≒C2×L2(=ESL2+ΔL))、さらに好ましくは、並列接続された第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42の並列共振周波数における合成インピーダンスをパワーモジュール3のキャリア周波数における合成インピーダンスよりも小さく設定する。具体的には、第1の平滑コンデンサ41の配線41bに直流抵抗成分ΔRを配線に加えることで実現し、例えば配線レイアウトのイメージを表す図12に示すように、第1の平滑コンデンサ41の配線長を第2の平滑コンデンサ42の配線長に比べて長く設定している。
このように、両平滑コンデンサにおける配線インダクタンスの比が静電容量の逆比に略同一である場合であっても、先の実施例1、2と同様に第2の平滑コンデンサ42の静電容量(C2)よりも第1の平滑コンデンサ41の静電容量(C1)を大きく設定(C1>C2)し、かつ並列共振周波数における合成インピーダンス(Z(f3))をパワーモジュール3のキャリア周波数(fc)における合成インピーダンス(Z(fc))よりも小さく設定する。
また、先の(数7)に示す関係に代えて、以下に示すような関係を設定する。
(数8)
ωcC1×ESL1<<C2(R11+ESR2)
ここで、R11は第1の平滑コンデンサ41のESR1に配線抵抗を加えた値である。
上記関係により、先の実施例1、2に比べて、並列共振周波数における合成インピーダンス(Z(f3))をパワーモジュール3のキャリア周波数(fc)における合成インピーダンス(Z(fc))よりもより一層小さく設定することが可能となり、サージ電圧を抑制することができる。また、双方の平滑コンデンサの電圧変動はほぼ同一となり、配線インピーダンス差による電圧変動差を抑制することが可能とる。これらにより、低耐圧のコンデンサを採用することが可能となり、第1の平滑コンデンサ41ならびに第2の平滑コンデンサ42の双方の平滑コンデンサを小型化することができる。
図13ならびに図14は各平滑コンデンサのインピーダンス(動作電流が1アンペア当たり)ならびにリプル電流の周波数特性の一例を示す図である。図13ならびに図14に示す周波数特性は、各諸量が例えば以下に示す値におけるシミュレーションの結果を示したものである。
第1の平滑コンデンサ41の静電容量(C1):1000μF
第1の平滑コンデンサ41のESL(ESL1):200nH
第1の平滑コンデンサ41の等価直列抵抗(ESR1):20mΩ
第2の平滑コンデンサ42の静電容量(C2):150μF
第2の平滑コンデンサ42のESL(ESL2):20nH
第2の平滑コンデンサ42の等価直列抵抗(ESR2):2mΩ
インダクタンス差ΔL(H2−H1):50nH
配線抵抗差ΔR2(R1−R2):10mΩ
図13からわかるように、双方の平滑コンデンサの共振周波数を近づけることで、第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42との間に流れる共振電流を抑制し、かつ共振周波数における双方のコンデンサの合計の電流を低減することができる。一方で、並列共振周波数における合成インピーダンス(Z(f3))をパワーモジュール3のキャリア周波数(fc)における合成インピーダンス(Z(fc))よりもより一層小さく設定することが可能となり、サージ電圧を抑制することができる。
また、図14からわかるように、双方の平滑コンデンサの電圧変動はほぼ同一となり、配線インピーダンス差による電圧変動差を抑制することが可能となる。これらにより、低耐圧のコンデンサを採用することが可能となり、第1の平滑コンデンサ41ならびに第2の平滑コンデンサ42の双方の平滑コンデンサを小型化することができる。
次に、この発明の実施例4について説明する。図15ならびに図16にこの実施例4におけるインピーダンスならびにリプル電流の周波数特性を示す。この実施例4の特徴とするところは、先の実施例1に対して、第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42との直列共振周波数ならびに並列共振周波数とをほぼ同一にするようにしたことにあり、他は先の実施例1と同様である。
すなわち、第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42のインダクタンスの大小関係は先の実施例1と同様とし、第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42との静電容量の比(C1:C2)を変更している。そして、静電容量の比とインダクタンスの比(L1:L2)とがほぼ逆比(C1:C2≒L2:L1)となるように、各平滑コンデンサの静電容量とインダクタンスならびに配線によるインダクタンスを調整して設定する。すなわち、第1の平滑コンデンサ41の静電容量(C1)とインダクタンス(L1)との積(C1×L1)と、第2の平滑コンデンサ42の静電容量(C2)とインダクタンス(L2)との積(C2×L2)をほぼ同一(C1×L1≒C2×L2)に設定する。
これにより、先の実施例1で説明した(数1)、(数2)で示すように、第1の平滑コンデンサ41の直列共振周波数(f1)と第2の平滑コンデンサ42の直列共振周波数(f2)、ならびに第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42との並列共振周波数(f3)を概ね同一にすることが可能となる。したがって、この実施例4では、第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42との間の共振電流を先の実施例1よりもさらに低減することが可能となり、共振電流を極めて小さな値にまで削減することができる。
図15は第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42とが下記静電容量とインダクタンス差ΔLにある場合における各平滑コンデンサのインピーダンス(動作電流が1アンペア当たり)の周波数特性の一例を示す図である。図15に示す周波数特性は、各諸量が例えば以下に示す値におけるシミュレーションの結果を示している。
第1の平滑コンデンサ41の静電容量(C1):650μF第1の平滑コンデンサ41のESL(ESL1):200nH
第1の平滑コンデンサ41の等価直列抵抗(ESR1):20mΩ
第2の平滑コンデンサ42の静電容量(C2):500μF
第2の平滑コンデンサ42のESL(ESL2):20nH
第2の平滑コンデンサ42の等価直列抵抗(ESR2):2mΩ
インダクタンス差ΔL(H2-H1):50nH
図15からわかるように、共振周波数をほぼ一致させることで、第1の平滑コンデンサ41と第2の平滑コンデンサ42との間に流れる共振電流を抑制して共振周波数における両コンデンサの合計の電流を低減することができる。一方で、図16に示すように、第2の平滑コンデンサ42に流れるリプル電流量が減ってしまうため、リプル電流耐量の大きな第1の平滑コンデンサ41を用いる必要がある。
本発明の実施例1に係る電力変換装置の構成を示す図である。 本発明の実施例1に係る各平滑コンデンサにおけるインピーダンスの周波数特性を示す図である。 本発明の実施例1に係わる平滑コンデンサの配線構成を示す図である。 本発明の実施例1に係わる各平滑コンデンサにおけるインピーダンスの理想的な周波数特性を示す図である。 本発明の実施例1に係わる各平滑コンデンサと複合コンデンサにおけるインピ−ダンスの周波数特性を示す図である。 本発明の実施例1に係わる各平滑コンデンサと複合コンデンサにおけるリプル電流の周波数特性を示す図である。 本発明の実施例2に係る電力変換装置の構成を示す図である。 本発明の実施例2に係わる平滑コンデンサの配線構成を示す図である。 本発明の実施例2に係わる各平滑コンデンサと複合コンデンサにおけるインピ−ダンの周波数特性を示す図である。 本発明の実施例2に係わる各平滑コンデンサと複合コンデンサにおけるリプル電流の周波数特性を示す図である。 本発明の実施例3に係る電力変換装置の構成を示す図である。 本発明の実施例3に係わる平滑コンデンサの配線構成を示す図である。 本発明の実施例3に係わる各平滑コンデンサと複合コンデンサにおけるインピ−ダンスの周波数特性を示す図である。 本発明の実施例3に係わる各平滑コンデンサと複合コンデンサにおけるリプル電流の周波数特性を示す図である。 本発明の実施例4に係わる各平滑コンデンサと複合コンデンサにおけるインピ−ダンスの周波数特性を示す図である。 本発明の実施例4に係わる各平滑コンデンサと複合コンデンサにおけるリプル電流の周波数特性を示す図である。
符号の説明
1a,1b…入力端子
2…直流電源
3…パワーモジュール
4…平滑コンデンサ
31…電力線
41a,41b,42a,42b…配線
41…第1の平滑コンデンサ
42…第2の平滑コンデンサ

Claims (7)

  1. スイッチ素子より構成されるパワーモジュールと、前記パワーモジュールに接続された平滑コンデンサを備えた電力変換装置において、
    前記平滑コンデンサは、そのインピーダンスの周波数特性がそれぞれ異なる第1の平滑コンデンサと第2の平滑コンデンサとが並列接続されて構成され、
    前記第1の平滑コンデンサの静電容量は、前記第2の平滑コンデンサの静電容量よりも大きく設定され、
    かつ前記第2の平滑コンデンサと前記パワーモジュールとを接続する配線のインダクタンスは、前記第1の平滑コンデンサと前記パワーモジュールとを接続する配線のインダクタンスよりも大きく設定されている
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記第1の平滑コンデンサの内部のインダクタンスは、前記第2の平滑コンデンサの内部のインダクタンスよりも大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記第2の平滑コンデンサの配線抵抗は、前記第1の平滑コンデンサの配線抵抗よりも大きく設定されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  4. 前記第1の平滑コンデンサの配線抵抗は、前記第2の平滑コンデンサの配線抵抗よりも大きく設定されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
  5. 前記並列接続された前記第1の平滑コンデンサと前記第2の平滑コンデンサの並列共振周波数における合成インピーダンスは、前記パワーモジュールを駆動するキャリア周波数におけ合成インピーダンスよりも小さく設定されている
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の電力変換装置。
  6. 前記第2の平滑コンデンサよりも、前記第1の平滑コンデンサを、前記パワーモジュールの近傍に配置した
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記第1の平滑コンデンサの静電容量:前記第2の平滑コンデンサの静電容量の比と、前記第2の平滑コンデンサのインダクタンス:前記第1の平滑コンデンサのインダクタンスの比とが略同一となるように設定されている
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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