JP2009038453A - 受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リアクタンス制御の高速化が可能な受信装置を提供する。
【解決手段】リアクタンステーブル60は、アレーアンテナ10に到来する到来波の到来方向と、アレーアンテナ10によって形成されるビームを到来方向に向けるためのリアクタンス値との関係を保持する。制御手段50は、リアクタンステーブル60の各リアクタンス値をバラクタダイオード5,6に設定してパケットPKTのプリアンブルの一部を受信したときの受信信号と、リアクタンステーブル60の各到来方向からアレーアンテナ10に到来する到来波の受信信号との相関値が最大になるときのリアクタンス値をリアクタンステーブル60から選択し、その選択したリアクタンス値にバラクタダイオード5,6のリアクタンス値を制御する。そして、制御手段50は、その選択したリアクタンス値を固定してデジタルビームフォーミングを行なう。
【選択図】図1

Description

この発明は、受信装置に関し、特に、複数の給電素子を含むアレーアンテナを備える受信装置に関するものである。
従来、2本の給電素子と、可変リアクタンスが装荷された2本のパラサイト素子とを備えるアレーアンテナが知られている(非特許文献1)。このアレーアンテナにおいては、パラサイト素子に装荷された可変リアクタンスを最適化するアナログビームフォーミングと、給電素子のウェイトを最適化するデジタルビームフォーミングとが行なわれ、到来波の方向に指向性を有するビームが形成される。
また、このアレーアンテナにおいては、アナログビームフォーミングとデジタルビームフォーミングとが交互に実行され、最適なビーム形成が行なわれる(非特許文献2)。そして、アナログビームフォーミングは、最急勾配法によって行なわれ、デジタルビームフォーミングは、MMSE(Minimum Mean Square Error)に基づくRLS(Recursive Least Square)アルゴリズムを用いて行なわれる。
大平 昌敬、三浦 周、上羽 正純、太郎丸 真、大平 孝,"素子間結合を有する逆Fアンテナアレーの構成と等価ウェイト",電子情報通信学会技術報告,A・P2006−116,pp.37−42,Jan.2007. 森下 雅透、Chen SUN、太郎丸 真、山田 寛喜、大平 孝,"複数給電型パラサイトアレーによる適応指向性制御について",電子情報通信学会技術報告,A・P2007−18,pp.31−35,May 2007. 飯草恭一、大平 孝、小宮山牧兒,"ダイポール素子上電流分布を考慮したアレーアンテナの等価ウェイトベクトルモデル",信学論(B),vol. J87−B,no.12, pp.2038−2050, Dec. 2004. 大平 孝、飯草恭一,"電子走査導波器アレーアンテナ", 信学論(C), vol. J87−C, no.1, pp.12−31, Jan. 2004. 太郎丸真、大平 孝,"エスパアンテナのリアクタンス空間から等価ウェイトベクトル空間への写像に関する考察",信学技報, RCS2002−179, Oct. 2002.
しかし、最急勾配法は、収束速度が遅いため、アナログビームフォーミングにおけるリアクタンス制御の高速化が困難であるという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、リアクタンス制御の高速化が可能な受信装置を提供することである。
この発明によれば、受信装置は、アレーアンテナと、出力回路と、リアクタンステーブルと、制御手段とを備える。アレーアンテナは、可変容量素子を含む無給電素子と、複数の給電素子とを有する。出力回路は、アレーアンテナによって受信された受信信号をウェイトを用いて処理し、出力信号を出力する。リアクタンステーブルは、アレーアンテナに到来する到来波の所定の到来方向と、アレーアンテナによって形成されるビームを所定の到来方向に向けるためのリアクタンス値との関係を保持する。制御手段は、パケットのプリアンブルの区間において、受信信号に基づいてアレーアンテナによって形成されるビームの方向がアレーアンテナに到来する到来波の方向に近づくようにリアクタンステーブルからリアクタンス値を選択し、その選択したリアクタンス値に可変容量素子のリアクタンス値を制御するアナログビームフォーミングと、受信信号に基づいてアレーアンテナの出力における干渉電力および雑音電力に対する信号電力の比が最大になるようにウェイトを制御するデジタルビームフォーミングとを行なう。
好ましくは、制御手段は、アナログビームフォーミングによって選択されたリアクタンス値を固定してデジタルビームフォーミングを行なう。
好ましくは、プリアンブルは、アナログビームフォーミングを行なうための第1の領域と、デジタルビームフォーミングを行なうための第2の領域とを含む。そして、制御手段は、第1の領域を複数に分割した複数の区間においてリアクタンステーブルに保持された複数のリアクタンス値が可変容量素子に順次設定されたときにアレーアンテナによって受信された複数の受信信号と、リアクタンステーブルに保持された各到来方向から到来波が到来したときの受信信号との相関値を演算し、最大の相関値が得られるときのリアクタンス値をリアクタンステーブルから選択してアナログビームフォーミングを行なう。
好ましくは、制御手段は、アレーアンテナに実際に到来する到来波の到来方向を推定し、その推定した到来方向に最も近い方向のビームを形成するためのリアクタンス値をリアクタンステーブルから選択してアナログビームフォーミングを行なう。
好ましくは、制御手段は、無給電素子から給電素子への電気的な影響を除去して到来波の到来方向を推定する。
この発明による受信装置においては、予め設定されたリアクタンステーブルを参照して、到来波を受信するために最適なリアクタンス値が選択される。
従って、この発明によれば、摂動法を用いてリアクタンス値を制御する場合よりも高速にリアクタンス値を制御できる。
また、この発明による受信装置においては、アナログビームフォーミングおよびデジタルビームフォーミングは、パケットのプリアンブルの受信信号に基づいて実行される。
従って、この発明によれば、ビームフォーミングを高速に実行し、データを正確に受信できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による受信装置の構成を示す概略図である。この発明の実施の形態1による受信装置100は、アレーアンテナ10と、重付器20,30と、加算器40と、制御手段50と、リアクタンステーブル60とを備える。
アレーアンテナ10は、給電素子1,4と、無給電素子2,3と、バラクタダイオード5,6とを含む。バラクタダイオード5,6は、それぞれ、無給電素子2,3と接地電位GNDとの間に接続され、無給電素子2,3に装荷される。
2本の給電素子1,4および2本の無給電素子2,3は、平面的に配置されてもよく、2本の給電素子1,4および2本の無給電素子2,3が四角形の頂点に位置するように立体的に配置されてもよい。この場合、無給電素子2は、給電素子1に隣接して配置され、無給電素子3は、給電素子4に隣接して配置される。そして、無給電素子2,3は、バラクタダイオード5,6のリアクタンス値によって給電素子1,4に対して反射器または導波器として機能する。
バラクタダイオード5,6は、それぞれ、制御手段50からの制御電圧CV1,CV2によってリアクタンス値が変えられる。
重付器20,30は、それぞれ、給電素子1,4に装荷される。そして、重付器20は、給電素子1が受信した受信信号yに制御手段50からの重みwを乗算し、その乗算結果y×wを加算器40へ出力する。また、重付器30は、給電素子4が受信した受信信号yに制御手段50からの重みwを乗算し、その乗算結果y×wを加算器40へ出力する。
加算器40は、重付器20からの乗算結果y×wと、重付器30からの乗算結果y×wとを加算し、その加算結果を出力信号yとして制御手段50および受信装置100の信号処理部(図示せず)へ出力する。
制御手段50は、給電素子1,4からそれぞれ受信信号y,yを受け、加算器40から出力信号yを受ける。そして、制御手段50は、リアクタンステーブル60を参照しながら、受信信号y,yに基づいて後述するアナログビームフォーミングを行なう。また、制御手段50は、出力信号yに基づいて、後述するデジタルビームフォーミングを行なう。
リアクタンステーブル60は、到来波の到来方向と、アレーアンテナ10の指向性を各到来方向へ向けるためのリアクタンス値との関係を保持する。
図2は、図1に示すアレーアンテナ10の配置方法を示す斜視図である。アレーアンテナ10の給電素子1,4および無給電素子2,3は、基板7上に略平行に配置される。そして、無給電素子2,3は、給電素子1と給電素子4との間に配置される。
給電素子1,4および無給電素子2,3が基板7の平面方向に直線的に配列される場合、例えば、給電素子1,4および無給電素子2,3の長さ方向に対して直交する一方の方向であるA方向が0度の方向と定義される。その結果、図2の(a)に示すB方向は、180度の方向となる。
そして、到来波wv1がアレーアンテナ10に到来したとき、到来波wv1を基板7の平面方向の平面に投影した線SL1が0度の方向と成す角度は、θm1からなり、到来波wv1の方向が線SL1と成す角度は、Ψm1からなる。従って、給電素子1,4および無給電素子2,3が基板7の平面方向に直線的に配列される場合、到来波wv1の到来方向は、[θm1]または[θm1,Ψm1]によって表される(図2の(a)参照)。
また、アレーアンテナ10の給電素子1,4および無給電素子2,3は、空間に直線的に配置されてもよい。この場合、給電素子1,4および無給電素子2,3の長さ方向に対して直交する一方の方向であるA方向が0度の方向と定義される。その結果、図2の(b)に示すB方向は、180度の方向となる。
そして、到来波wv2がアレーアンテナ10に到来したとき、到来波wv2を給電素子1,4および無給電素子2,3に垂直な平面に投影した線SL2が0度の方向と成す角度は、θm2からなり、到来波wv2の方向が線SL2と成す角度は、Ψm2からなる。従って、給電素子1,4および無給電素子2,3が空間に直線的に配列される場合、到来波wv2の到来方向は、[θm2]または[θm2,Ψm2]によって表される(図2の(b)参照)。
図3は、図1に示すアレーアンテナ10の他の配置方法を示す斜視図である。アレーアンテナ10の給電素子1,4および無給電素子2,3は、正方形8の頂点に位置するように立体的に配置される。この場合、給電素子1,4は、相互に対角の位置に配置され、無給電素子2,3は、相互に対角の位置に配置される。
給電素子1,4および無給電素子2,3が立体的に配置される場合、例えば、給電素子1から無給電素子3へ向かう方向(=無給電素子2から給電素子4へ向かう方向)が0度の方向と定義される。
そして、到来波wv3がアレーアンテナ10に到来したとき、到来波wv3を正方形8の面内方向の平面に投影した直線SL3が0度の方向と成す角度は、θm3からなり、到来波wv3の方向が直線SL3と成す角度は、Ψm3からなる。従って、給電素子1,4および無給電素子2,3が立体的に配置される場合、到来波wv3の到来方向は、[θm3]または[θm3,Ψm3]によって表される。
図4は、図1に示すリアクタンステーブル60の例を示す図である。なお、図4に示すリアクタンステーブル60Aは、アレーアンテナ10の給電素子1,4および無給電素子2,3が平面的に配置された場合(図2参照)の到来方向とリアクタンス値x,xとの関係を示す。
リアクタンステーブル60Aは、到来波の到来方向と、リアクタンス値x,xとからなる。到来方向は、図2に示すθm1からなる。リアクタンス値x,xは、それぞれ、バラクタダイオード5,6のリアクタンス値であり、各到来方向に対応付けられる。そして、リアクタンス値x,xは、アレーアンテナ10の指向性を到来方向に設定するために予め最適化された値からなる。
到来方向は、0度、20度、40度、60度、80度、100度、120度、140度、160度および180度からなる。
=−20Ωおよびx=770Ωのリアクタンス値は、0度の到来方向に対応付けられる。以下、同様にして、[−25,760],[−40,495],[−35,−120],[260,195],[195,260],[−120,−35],[495,−40],[760,−25],[770,−20]のリアクタンス値[x,x]は、それぞれ、20度、40度、60度、80度、100度、120度、140度、160度および180度の到来方向に対応付けられる。
図5は、図1に示すリアクタンステーブル60の他の例を示す図である。リアクタンステーブル60Bは、図4に示すリアクタンステーブル60Aの到来方向[θm1]を到来方向[θm1,Ψm1]に代えたものである。角度θm1は、0度、20度、40度、60度、80度、100度、120度、140度、160度および180度からなり、角度Ψm1は、−90度、−70度、−50度、−30度、−10度、10度、30度、50度、70度および90度からなる。この場合、角度Ψm1は、0度、20度、40度、60度、80度、100度、120度、140度、160度および180度の各々からなる角度θm1に対して、−90度、−70度、−50度、−30度、−10度、10度、30度、50度、70度および90度の各々に設定される。
そして、リアクタンス値[x11,x21]〜[x11,x210]は、それぞれ、[0,−90]〜[0,90]の到来方向に対応付けられ、リアクタンス値[x12,x21]〜[x12,x210]は、それぞれ、[20,−90]〜[20,90]の到来方向に対応付けられ、以下、同様にして、リアクタンス値[x110,x21]〜[x110,x210]は、それぞれ、[180,−90]〜[180,90]の到来方向に対応付けられる。
上述したように、リアクタンステーブル60は、給電素子1,4および無給電素子2,3が基板7の平面方向に直線的に配列される場合、基板7の平面内における水平角θm1からなる到来方向とリアクタンス値[x,x]との関係、または水平角θm1および仰角Ψm1(=基板7の平面方向に対して成す角度)からなる到来方向とリアクタンス値[x,x]との関係を示す。
アレーアンテナ10の給電素子1,4および無給電素子2,3が立体的に配置される場合(図3参照)も、リアクタンステーブル60は、リアクタンステーブル60Aまたはリアクタンステーブル60Bからなる。この場合、リアクタンステーブル60A,60Bの到来方向は、0度〜360度の範囲(但し、Ψm1は、−90度〜90度の範囲)の角度からなる。
[リアクタンステーブルの作成]
次に、リアクタンステーブル60の作成方法について説明する。リアクタンステーブル60がリアクタンステーブル60Aからなる場合、電波暗室内で電波を基板7の平面方向において0度、20度、40度、60度、80度、100度、120度、140度、160度および180度の各方向からアレーアンテナ10へ放射し、アレーアンテナ10の指向性が電波の方向へ向くようにリアクタンス値[x,x]が決定される。
リアクタンス値[x,x]の決定方法を具体的に説明する。信号sからなる所望波が方向θmからアレーアンテナ10へ到来した場合、アレーアンテナ10における受信信号<y>は、次式によって表される。なお、この明細書においては、<A>は、ベクトルAまたは行列Aを表すものとする。
Figure 2009038453
なお、式(1)において、Tは、転置を表す。また、<a(θm)>は、入射波の到来方向を示すステアリングベクトルであり、[p,q]は、給電素子1,4および無給電素子2,3の配置位置であり(i=1〜4)、fは、入射波の周波数である。
そして、受信信号<y>を次式に代入して、受信信号<y>の相関行列<R>が演算される。
Figure 2009038453
なお、式(2)において、Hは、複素共役転置を表す。また、E[・]は、アンサンブル平均を表す。
その後、演算された相関行列<R>に対して固有値分解を施して複数の固有値を求め、複数の固有値のうち、最も大きい第1固有値を求める。そして、その求めた第1固有値に対する固有ベクトル<h>を演算する。
所望波の到来方向θm以外の各方向θl(l=1〜M,l≠m)から到来波が到来した場合に対して、同様にして固有ベクトル<h>を演算する。
式(1)において、相互アドミタンス行列<Y>、ベクトル<U>および給電素子1,4のインピーダンスzは、既知であり、対角行列<X>は、給電素子1,4のインピーダンスzおよびバラクタダイオード5,6のリアクタンス値x,xを構成要素とするので、行列<E>は、リアクタンス値x,xによって表される。また、ステアリングベクトルa(θm)は、θmが0度および20度等の角度からなるので、既知である。
式(1)および式(2)を用いて固有ベクトル<h>,<h>が演算されると、その演算された固有ベクトル<h>,<h>を次式に代入して評価関数Jを演算する。
Figure 2009038453
式(3)は、θm方向から到来する所望波に対して、その他のM−1個の方向θlから到来する干渉波が与える干渉量に関する評価関数である。
評価関数Jは、リアクタンス値x,xに依存する固有ベクトル<h>,<h>の関数であるので、評価関数Jが最大になるように固有ベクトル<h>を決定するリアクタンス値x,xを最急勾配法によって求める。即ち、固有ベクトル<h>を決定するリアクタンス値x,xをx1m,x2mとすると、<h>=f(x1m,x2m)であり、<h>=f(x1m,x2m)であるので、リアクタンス値x1m,x2mを変化させ、評価関数Jが最大になるようにリアクタンス値x1m,x2mを最急勾配法によって決定する。
なお、評価関数Jが最大になるようにリアクタンス値x1m,x2mを決定することは、θm方向へビームを向けつつもM−1個のθl方向へのサイドローブレベルが最小になるようにリアクタンス値x1m,x2mを決定することに相当する。
評価関数Jが最大になるようにリアクタンス値x1m,x2mが決定されると、その決定されたリアクタンス値x1m,x2mを最適リアクタンス値x1m_opt,x2m_optとし、θm方向から到来する信号sに対して最適リアクタンス値x1m_opt,x2m_optを用いて、固有ベクトル<h>を演算した方法と同じ方法によって固有ベクトル<hopt >を演算する。
角度θmは、信号sの到来方向を表すので、上述した方法によって演算された最適リアクタンス値x1m_opt,x2m_optは、リアクタンステーブル60Aの到来方向θmに対応するリアクタンス値である。
従って、0度、20度、40度、60度、80度、100度、120度、140度、160度および180度の各角度を所望波の到来方向θm(=θ1〜θ10=0度、20度、40度、60度、80度、100度、120度、140度、160度および180度)として、上述した方法によって各到来方向θmに対応する最適リアクタンス値x1m_opt,x2m_optを演算し、リアクタンステーブル60Aを事前に作成する。
また、演算された最適リアクタンス値x1m_opt,x2m_optを用いて、固有ベクトル<hopt >も演算されるので、作成されたリアクタンステーブル60Aおよび固有ベクトル<hopt >は、事前に受信装置100に設定される。
リアクタンステーブル60がリアクタンステーブル60Bからなる場合も、上述した方法によって、到来方向[θm,Ψm]に対応する最適リアクタンス値x1m_opt,x2m_optを演算してリアクタンステーブル60Bを事前に作成するとともに、固有ベクトル<hopt >を演算する。そして、固有ベクトル<hopt >およびリアクタンステーブル60Bを事前に受信装置100に設定する。
[アナログビームフォーミング]
次に、リアクタンステーブル60を用いてアナログビームフォーミングを行なう方法について説明する。
図6は、パケットPKTの構成図である。パケットPKTは、プリアンブルおよびデータからなる。プリアンブルは、領域REG1,REG2からなる。そして、この発明においては、アナログビームフォーミングは、領域REG1を用いて行なわれ、デジタルビームフォーミングは、領域REG2を用いて行なわれる。つまり、この発明においては、アナログビームフォーミングおよびデジタルビームフォーミングは、パケットPKTのプリアンブルにおいて実行される。
アナログビームフォーミングが領域REG1を用いて行なわれる場合、領域REG1は、リアクタンステーブル60の到来方向の個数Mと同じ数の小区間d1〜dMに分割される。より具体的には、プリアンブルの総受信時間RT(既知)を領域REG1,REG2の長さの比に分割することによって領域REG1を受信する時間RT1および領域REG2を受信する時間RT2が演算される。即ち、プリアンブルの長さを“1”とし、領域REG1,REG2の長さをそれぞれL1,L2とすると、時間RT1は、RT1=RT×L1によって演算され、時間RT2は、RT2=RT×L2によって演算される。そして、時間RT1が演算されると、その演算された時間RT1をM等分して(RT1)/Mを演算する。演算された(RT1)/Mは、M個の小区間1〜Mの各々の受信時間である。この受信時間(RT1)/Mを演算することは、領域REG1をM個の小区間d1〜dMに分割することに相当する。
制御手段50は、プリアンブルの受信開始から時間(RT1)/Mの間に受信した受信信号を小区間d1における受信信号とする。以下、同様にして、制御手段50は、(m−1)×(RT1)/M〜m×(RT1)/Mの間に受信した受信信号を小区間dmにおける受信信号とする。
そして、制御手段50は、m番目の小区間dmにおいて、θmに対応するリアクタンス値x1m,x2mをリアクタンステーブル60から読み出してそれぞれバラクタダイオード5,6に設定する。
そうすると、給電素子1,4は、リアクタンス値x1m,x2mがそれぞれバラクタダイオード5,6に設定された状態でそれぞれ受信信号y,yを受信し、その受信した受信信号y,yを制御手段50へ出力する。
制御手段50は、給電素子1,4からそれぞれ受信信号y,yを受け、その受けた受信信号y,yからなる受信信号ベクトル<y>を作成する。
その後、制御手段50は、その作成した受信信号ベクトル<y>を式(2)に代入して相関行列<R>を演算し、その演算した相関行列<R>に対して固有値分解を施して第1固有値を求める。そして、制御手段50は、その求めた第1固有値に対する固有ベクトル<h’>を演算する。
そうすると、制御手段50は、保持している固有ベクトル<hopt >(到来方向θmに対応する固有ベクトル)と、演算した固有ベクトル<h’>とを次式に代入して評価関数Sを演算する。
Figure 2009038453
制御手段50は、M個の小区間d1〜dMについて、M個の評価関数S〜Sを演算し、その演算したM個の評価関数S〜Sのうち、最大の評価関数Sm_MAXが得られたときのリアクタンス値x1m_opt,x2m_optを検出する。そして、制御手段50は、その検出したリアクタンス値x1m_opt,x2m_optをバラクタダイオード5,6に設定するための制御電圧CV1,CV2を生成し、その生成した制御電圧CV1,CV2をそれぞれバラクタダイオード5,6へ出力する。
これによって、バラクタダイオード5,6のリアクタンス値は、それぞれ、リアクタンス値x1m_opt,x2m_optに設定され、アナログビームフォーミングが終了する。
[デジタルビームフォーミング]
引き続いて、デジタルビームフォーミングについて説明する。制御手段50は、アナログビームフォーミングが終了すると、バラクタダイオード5,6のリアクタンス値をアナログビームフォーミングにおいて設定されたリアクタンス値x1m_opt,x2m_optに固定したまま、プリアンブルの領域REG2を用いて以下に説明する方法によってデジタルビームフォーミングを行なう。
制御手段50は、例えば、MMSEに基づくRLSアルゴリズムを用いてデジタルビームフォーミングを行なう。
アレーアンテナ10の出力信号y(k)は、次式によって与えられる。
Figure 2009038453
式(5)において、kは、反復回数であり、<w(k)>は、ウェイトベクトルである。アレーアンテナ10は、2本の給電素子1,4を備えるため、ウェイトベクトル<w(k)>は、[w,w]からなる。
最小化の対象となる誤差信号e(k)は、参照信号r(k)と出力信号y(k)との差によって表され、次式によって与えられる。
Figure 2009038453
この場合、受信信号y(k)は、アナログビームフォーミングによって設定されたリアクタンス値1m_opt,x2m_optを用いてアレーアンテナ10が受信した受信信号である。
制御手段50は、パケットPKTのプリアンブルの領域REG2における所望波を参照信号r(k)として予め保持しており、給電素子1,4からそれぞれ受信信号y,yを受けると、y,yからなる受信信号y(k)と参照信号r(k)とを式(6)に代入する。そして、制御手段50は、平均2乗誤差(=E[|e|])が最小になるようにRLSアルゴリズムを用いてウェイトベクトル<w(k)>の更新を行なう。RLSアルゴリズムによって更新されたウェイトベクトル<w(k+1)>は、次式によって表される。
Figure 2009038453
そして、式(7)におけるηは、次式によって表される。
Figure 2009038453
なお、式(8)において、αは、忘却係数であり、0<α≦1の値をとる。
制御手段50は、プリアンブルの領域REG2において、加算器40から受けた出力信号y(k)が収束するまで、式(6)〜式(8)を用いてウェイトベクトルの更新を繰り返し行ない、デジタルビームフォーミングを行なう。
そして、制御手段50は、出力信号y(k)が収束したときのウェイトベクトルw(k+1)を構成するウェイトw,wをそれぞれ重付器20,30へ出力する。重付器20は、制御手段50からウェイトwを受け、給電素子1が受信した受信信号yに重みwを乗算し、その乗算結果y・wを加算器40へ出力する。また、重付器30は、制御手段50からウェイトwを受け、給電素子4が受信した受信信号yに重みwを乗算し、その乗算結果y・wを加算器40へ出力する。加算器40は、乗算結果y・wと乗算結果y・wとを加算して出力信号y(k)を出力する。
図7は、図1に示す受信装置100における動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、制御手段50は、リアクタンステーブル60を参照しながら、パケットPKTのプリアンブルの一部(=領域REG1)を用いて、リアクタンステーブル60の各リアクタンス値をバラクタダイオード5,6に順次設定して実際に受信した受信信号と、リアクタンステーブル60の各到来方向から到来する到来波の受信信号との相関値が最大になるときのリアクタンス値を最適リアクタンス値として選択する(ステップS1)。即ち、制御手段50は、パケットPKTのプリアンブルの一部(=領域REG1)を用いてアナログビームフォーミングを行なう。
そして、制御手段50は、その選択したリアクタンス値をバラクタダイオード5,6に設定するための制御電圧CV1,CV2を生成し、その生成した制御電圧CV1,CV2をそれぞれバラクタダイオード5,6へ出力する。
その後、制御手段50は、パケットPKTのプリアンブルの残りの部分(=領域REG2)を用いて、選択したリアクタンス値にバラクタダイオード5,6のリアクタンス値を固定したまま、上述した方法によってウェイトw,wを最適化する(ステップS2)。即ち、制御手段50は、パケットPKTのプリアンブルの残りの部分(=領域REG2)を用いてデジタルビームフォーミングを行なう。
そして、制御手段50は、その最適化したウェイトw,wをそれぞれ重付器20,30へ出力する。重付器20は、給電素子1が受信した受信信号yに重みwを乗算して乗算結果y・wを加算器40へ出力する。また、重付器30は、給電素子4が受信した受信信号yに重みwを乗算して乗算結果y・wを加算器40へ出力する。加算器40は、乗算結果y・wと乗算結果y・wとを加算して出力信号yを出力する(ステップS3)。これによって、一連の動作が終了する。
上述したように、この発明においては、予め作成されたリアクタンステーブル60を用いてバラクタダイオード5,6のリアクタンス値が制御される(ステップS1参照)。
従って、この発明によれば、リアクタンス制御を高速化できる。
また、この発明においては、アナログビームフォーミングおよびデジタルビームフォーミングがプリアンブルを用いて行なわれる。
従って、この発明によれば、パケットPKTのデータを受信するまでにリアクタンス値およびウェイトを最適化し、データを正確に受信できる。
なお、上記においては、制御手段50は、評価関数Sが最大になるときのリアクタンス値x,xを最適リアクタンス値x1m_opt,x2m_optとして選択すると説明したが、この発明においては、これに限らず、制御手段50は、小区間d1〜dMにおいて受信したM個の受信信号のM個の受信信号強度RSSIのうち、最大の受信信号強度が得られたときのリアクタンス値を最適リアクタンス値x1m_opt,x2m_optとして選択してもよい。
また、上記においては、リアクタンステーブル60の到来方向を示す複数の角度は、20度のステップからなると説明したが、この発明においては、これに限らず、リアクタンステーブル60は、任意の角度ステップからなる到来方向を備えていてもよい。そして、角度ステップを小さくすることによって、精度の高いアナログビームフォーミングを行なうことができる。
[実施の形態2]
図8は、実施の形態2による受信装置の構成を示す概略図である。実施の形態2による受信装置100Aは、図1に示す受信装置100の制御手段50を制御手段50Aに代えたものであり、その他は、受信装置100と同じである。
制御手段50Aは、パケットPKTのプリアンブルにおいて、後述する方法によってアナログビームフォーミングを行なうとともに、実施の形態1において説明した方法と同じ方法によってデジタルビームフォーミングを行なう。
制御手段50Aは、無給電素子2,3を電気的に透明化した状態で給電素子1,4が受信した受信信号y,yの位相差Δθを検出し、その検出した位相差Δθに最も近い到来方向θmを検出する。そして、制御手段50Aは、その検出した到来方向θmに対応するリアクタンス値x,xを最適リアクタンス値x1m_opt,x2m_optとしてリアクタンステーブル60から選択し、その選択したリアクタンス値x,xをそれぞれバラクタダイオード5,6に設定する。これにより、実施の形態2におけるアナログビームフォーミングが終了する。
[無給電素子の電気的な透明化]
図9は、無給電素子の電気的な透明化を説明するための図である。給電素子1,4および無給電素子2,3の各々は、ダイポール素子からなる。そして、各ダイポール素子の長さ方向に沿った座標zを考え、n(nは、正の整数)番目のダイポール素子上に流れる電流をi(z)とする。また、バラクタダイオード5,6が装荷されるポート位置をz=0とし、ポート部における電流i(0)をポート電流iとし、ポート部におけるポート電圧をvとする。
ダイポール素子に流れる電流の電流分布i(z)は、素子自体のポート電流iおよびポート電圧vが分かれば、次式により演算され得る(非特許文献3)。
Figure 2009038453
式(9)において、f(z)は、n番目の素子のポートが短絡された場合に流れる電流分布形状を表す。また、−jg(z)vは、n番目の素子のポートが開放され、自身のポートの端子間に電圧が存在する場合に流れる電流分布を表す。
電流分布による遠方界は、ベクトル実効長<len(γ,φ)>によって表される。そして、ベクトル実効長<len(γ,φ)>は、ダイポール素子の真横方向のベクトル実効長lenを用いて次式のように表すことができる。
Figure 2009038453
Figure 2009038453
なお、式(10)において、γnは、各ダイポール素子の長さ方向からの角度を表す。また、c(γn)は、放射パターン形状を表し、n番目の素子の向きに対応したベクトル量である。更に、式(11)におけるLは、ダイポール素子の長さを表す。
Lが半波長以下のとき、放射パターン形状を表すc(γn)は、素子上の電流分布に大きく依存せず、ほぼsin(γn)の指向性を示す。従って、電流分布の特徴は、ダイポール素子の電気長を表すlenに集約される。式(11)を式(9)に代入すると、次式が得られる。
Figure 2009038453
Figure 2009038453
Figure 2009038453
(z)およびg(z)は、アンテナ構造で決まるパラメータであるので、len (0)およびαも、ポート電流iおよびポート電圧vに依存しない構造パラメータである。
(z)は、実数であるので、len (0)も、ほぼ実数であり、電流分布がコサイン形の場合、len (0)=0.64Lである。また、g(z)は、実数であるので、αも、ほぼ実数であり、約0.002の値をとる。
ポートにリアクタンス値xの可変リアクタンスが装荷される無給電素子の場合、ポート電流iおよびポート電圧vの比は、一定であり、ポート電流iとポート電圧vとの関係は、次式により表される。
Figure 2009038453
式(15)を式(12)に代入すると、次式が得られる。
Figure 2009038453
式(16)より、ベクトル実効長lenは、素子上の電流分布、ポート電流iおよびポート電圧vが分からなくても、リアクタンス値xから直接計算できることが分かる。
ポート電流iは、次式により計算され得る(非特許文献4)。
Figure 2009038453
,vは,図9に示すように、それぞれ、給電素子の内部インピーダンスおよび開放電圧を表す。また、Qは、無給電素子数を一般化して表す記号である。Znpは、ポートnとポートpとの間のインピーダンスであり、可変リアクタンス値に依存しない構造パラメータである。<Znp>は、Znpを要素とする行列であり、インピーダンス行列と呼ばれる。
アレーアンテナの指向性<E(γ,φ)>は、次式によって計算され得る。
Figure 2009038453
なお、式(18)において、<ρ>は、n番目の素子のポートを表す位置ベクトルであり、<r>は、観測方向(γ,φ)の単位ベクトルである。また、kおよびZは、それぞれ、自由空間の波数およびインピーダンスである。
式(18)より、電流重みとして、ポート電流iとベクトル実効長lenとが同じように寄与することが分かる。
ポート電流iは、式(17)より、他の素子に装荷される可変リアクタンス値にも依存する。また、ポート電流iと、自身に装荷される可変リアクタンス値xとの関係は、等角写像であり(非特許文献5)、xの可変範囲が無制限でも、iの変化範囲は、限られる。
一方、ベクトル実効長lenは、式(16)より素子自身に装荷される可変リアクタンス値xのみに依存し、ベクトル実効長lenと可変リアクタンス値xとの関係は、線形であるので、可変リアクタンス値xの可変範囲を広げれば、ベクトル実効長lenの可変範囲も広くなる。従って、アレーアンテナ10の指向性は、ベクトル実効長、即ち素子上の電流分布形状の変化の影響を強く受けることが分かる。
式(18)より、指向性に影響を与えるのは、ポート電流とベクトル実効長との積Iであり、積Iは、次式により与えられる。
Figure 2009038453
式(11)および式(19)より、積Iは、素子上の電流の積分量に相当する。そして、式(19)によれば、電流積分値Iが“0”となるのは、ポート電流iまたはベクトル実効長lenが“0”のときである。
ポートを開放すれば、ポート電流iを常に“0”にすることができる。しかし、ポートが開放されていても、素子間結合により電流分布−jg(z)vが発生するので、電流積分量は、“0”にならない。これは、ポート電流iが“0”のとき、ベクトル実効長lenが無限大となるためである。
一方、式(16)より、リアクタンス値xを次式によって与えられるリアクタンス値xに設定することにより、ベクトル実効長lenを“0”にすることができる。
Figure 2009038453
ベクトル実効長lenが“0”という状態は、他の素子に装荷されるリアクタンス値に影響されない状態である。また、ベクトル実効長lenが“0”であるとき、ポート電流iが変化しても、電流積分量Iが“0”という状態は維持される。即ち、「電流積分量が“0”という状態は、他の素子から影響を受けない状態である」ことが分かる。
次に、電流積分量Iが“0”であるときの外部への影響について調べる。このとき、式(18)から、遠方界<E(γ,φ)>は、“0”になることが分かる。しかし、電流が全く流れないわけではないので、真横以外の方向の放射界は、打ち消されない。また、各部には、電流が流れるので、近傍の素子に対する電気的影響も完全に“0”ではない。しかし、「電流積分量が“0”であるとき、外部への電気的影響は最小である」と考えられる。
従って、ダイポール素子に装荷されるリアクタンスのリアクタンス値が式(20)を満たすとき、外部との電気的相互作用が殆どなくなる。このことから、ダイポール素子は、電気的に透明化されたと考えることができる。
上述したように、バラクタダイオード5,6に印加する直流電圧を制御することにより、無給電素子2,3の電気的透明化を制御することができる。また、αは、素子間隔が約0.1波長以上であれば、素子の配置に殆ど依存せず、自身の寸法によってほぼ決定される(非特許文献3)。従って、電気的に透明化する無給電素子に装荷されたバラクタダイオードのリアクタンス値x=1/αを素子寸法から決定することができる。
制御手段50Aは、パケットPKTのプリアンブルを受信し始めると、上述した方法によって無給電素子2,3を電気的に透明化し、領域REG1の小区間d1〜dMにおいて受信した受信信号y11〜y1M,y21〜y2Mの受信信号強度のうち、最も強い強度が得られたときの2つの受信信号y1_MAX,y2_MAX間の位相差Δθを検出する。そして、制御手段50Aは、その検出した位相差Δθに最も近い到来方向θmを検出し、その検出した到来方向θmに対応するリアクタンス値x,xをリアクタンステーブル60を参照して最適リアクタンス値x1m_opt,x2m_optとして検出する。
その後、制御手段50Aは、バラクタダイオード5,6のリアクタンス値をリアクタンス値x1m_opt,x2m_optに設定するための制御電圧CV1,CV2を生成し、その生成した制御電圧CV1,CV2をそれぞれバラクタダイオード5,6へ出力する。これによって、アナログビームフォーミングが終了する。
図10は、図8に示す受信装置100Aにおける動作を説明するためのフローチャートである。図10に示すフローチャートは、図7に示すフローチャートのステップS1をステップS1Aに代えたものであり、その他は、図7に示すフローチャートと同じである。
一連の動作が開始されると、制御手段50Aは、パケットPKTのプリアンブルの一部(=領域REG1)を用いて、無給電素子2,3を電気的に透明化した状態で受信した複数の受信信号y11〜y1M,y21〜y2Mのうち、強度が最大である受信信号y1_MAX,y2_MAXの位相差Δθに相当する到来方向を検出し、その検出した到来方向に対応するリアクタンス値を最適リアクタンス値としてリアクタンステーブル60から選択する(ステップS1A)。つまり、制御手段50Aは、アレーアンテナ10に実際に到来する到来波の到来方向を推定し、その推定した到来方向に対応するリアクタンス値を最適リアクタンス値としてリアクタンステーブル60から選択する。
その後、上述したステップS2,S3が順次実行され、一連の動作が終了する。
上述したように、実施の形態2においては、制御手段50Aは、無給電素子2,3を電気的に透明化した状態で受信した複数の受信信号y11〜y1M,y21〜y2Mのうち、強度が最大である受信信号y1_MAX,y2_MAXの位相差に相当する到来方向を検出するとともに、その検出した到来方向に対応するリアクタンス値をリアクタンステーブル60から選択してバラクタダイオード5,6に設定することによってアナログビームフォーミングを行なう。
従って、この発明によれば、リアクタンス制御を高速に実行できる。
その他は、実施の形態1と同じである。
図7に示すステップS1および図10に示すステップS1Aは、共に、アレーアンテナ10によって形成されるビームの方向がアレーアンテナ10に到来する到来波の方向に近づくようにリアクタンステーブル60からリアクタンス値を選択することに相当し、図7および図10のステップS2は、アレーアンテナ10の出力信号yの干渉電力および雑音電力に対する信号電力の比SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)が最大になるようにウェイトw,wを最適化することに相当するので、この発明による受信装置は、パケットPKTのプリアンブルの区間において、受信信号に基づいてアレーアンテナ10によって形成されるビームの方向がアレーアンテナ10に到来する到来波の方向に近づくようにリアクタンステーブルからリアクタンス値を選択し、その選択したリアクタンス値にバラクタダイオード5,6のリアクタンス値を制御するアナログビームフォーミングと、受信信号に基づいてアレーアンテナ10の出力信号yの干渉電力および雑音電力に対する信号電力の比が最大になるようにウェイトを制御するデジタルビームフォーミングとを行なう制御手段を備えていればよい。
なお、上記においては、アレーアンテナ10は、2本の無給電素子2,3と、2本の給電素子1,4とを備えると説明したが、この発明においては、これに限らず、アレーアンテナは、一般的には、少なくとも1つの無給電素子と、複数の給電素子とを備えていればよい。
また、上記においては、デジタルビームフォーミングは、MMSEに基づくRLSアルゴリズムを用いて実行されると説明したが、この発明においては、これに限らず、デジタルビームフォーミングは、ウェイトを最適化する方法であれば、どのような方法を用いて実行されてもよい。
この発明においては、重付器20,30および加算器40は、「出力回路」を構成する。
また、領域REG1,REG2は、それぞれ、「第1の領域」および「第2の領域」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、リアクタンス制御の高速化が可能な受信装置に適用される。
この発明の実施の形態1による受信装置の構成を示す概略図である。 図1に示すアレーアンテナの配置方法を示す斜視図である。 図1に示すアレーアンテナの他の配置方法を示す斜視図である。 図1に示すリアクタンステーブルの例を示す図である。 図1に示すリアクタンステーブルの他の例を示す図である。 パケットの構成図である。 図1に示す受信装置における動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2による受信装置の構成を示す概略図である。 無給電素子の電気的な透明化を説明するための図である。 図8に示す受信装置における動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1,4 給電素子、2,3 無給電素子、5,6 バラクタダイオード、7 基板、10 アレーアンテナ、20,30 重付器、40 加算器、50,50A 制御手段、60,60A,60B リアクタンステーブル、100,100A 受信装置。

Claims (5)

  1. 可変容量素子を含む無給電素子と、複数の給電素子とを有するアレーアンテナと、
    前記アレーアンテナによって受信された受信信号をウェイトを用いて処理し、出力信号を出力する出力回路と、
    前記アレーアンテナに到来する到来波の所定の到来方向と、前記アレーアンテナによって形成されるビームを前記所定の到来方向に向けるためのリアクタンス値との関係を保持するリアクタンステーブルと、
    パケットのプリアンブルの区間において、前記受信信号に基づいて前記アレーアンテナによって形成されるビームの方向が前記アレーアンテナに到来する到来波の方向に近づくように前記リアクタンステーブルからリアクタンス値を選択し、その選択したリアクタンス値に前記可変容量素子のリアクタンス値を制御するアナログビームフォーミングと、前記受信信号に基づいて前記アレーアンテナの出力における干渉電力および雑音電力に対する信号電力の比が最大になるように前記ウェイトを制御するデジタルビームフォーミングとを行なう制御手段とを備える受信装置。
  2. 前記制御手段は、前記アナログビームフォーミングによって選択されたリアクタンス値を固定して前記デジタルビームフォーミングを行なう、請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記プリアンブルは、前記アナログビームフォーミングを行なうための第1の領域と、前記デジタルビームフォーミングを行なうための第2の領域とを含み、
    前記制御手段は、前記第1の領域を複数に分割した複数の区間において前記リアクタンステーブルに保持された複数のリアクタンス値が前記可変容量素子に順次設定されたときに前記アレーアンテナによって受信された複数の受信信号と、前記リアクタンステーブルに保持された各到来方向から到来波が到来したときの受信信号との相関値を演算し、最大の相関値が得られるときのリアクタンス値を前記リアクタンステーブルから選択して前記アナログビームフォーミングを行なう、請求項1または請求項2に記載の受信装置。
  4. 前記制御手段は、前記アレーアンテナに実際に到来する到来波の到来方向を推定し、その推定した到来方向に最も近い方向のビームを形成するためのリアクタンス値を前記リアクタンステーブルから選択して前記アナログビームフォーミングを行なう、請求項1または請求項2に記載の受信装置。
  5. 前記制御手段は、前記無給電素子から前記給電素子への電気的な影響を除去して前記到来波の到来方向を推定する、請求項4に記載の受信装置。
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