JP4373448B2 - アダプティブアンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主として携帯電話機等の通信機器に用いられる移動体通信用アダプティブアンテナ装置と、それを用いた無線通信装置に関する。
携帯電話機等の携帯無線通信装置の小型化、薄型化が急速に進んでいる。また、携帯無線通信装置は、従来の電話機として使用されるのみならず、電子メールの送受信やWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)によるウェブページの閲覧などを行うデータ端末機に変貌を遂げている。取り扱う情報も従来の音声や文字情報から写真や動画像へと大容量化を遂げており、通信品質のさらなる向上が求められている。このような状況にあって、これまで主に基地局アンテナの高性能化に用いられていたアダプティブアンテナ装置を携帯端末に適用することが提案されている(例えば、後述する特許文献1参照)。
図17は特許文献1において開示された、第1の従来技術に係る移動端末用アンテナ装置の構成を示すブロック図である。第1の従来技術では、送信時において人体頭部中で熱に変換された電力は通信に寄与しないため無駄なものとなり、また遅延波が互いに干渉して受信特性を劣化させるなどの課題を解決するために、導電性筐体71と、複数のアンテナ素子72と、送受信回路73と、アンテナ素子72の振幅及び位相を調整することにより人体側への放射電力を減少させる振幅位相調整回路74とを備える。これにより、送信時には人体頭部側に放射される電力を小さくし、アンテナ素子72に伝達された信号を効率よく空間に放射でき、受信時には移動端末に対して人体側に指向性を有さないため、人体側以外の方向に対してアンテナ指向性を高めることができ、効率がよくなるという作用効果を有している。
また、干渉波となる遅延波を除去するために遅延波の方向に指向性のヌルを向ける構成が提案されている(例えば、後述する特許文献2参照。)。図18は、特許文献2において開示された第2の従来技術に係る移動通信用基地局アンテナ装置の構成を示すブロック図である。第2の従来技術では、移動通信用基地局のアンテナ装置において、遅延波の干渉を防止し、ペンシルビームを、アレー構成を用いて実現する場合のアンテナ素子数を減少させるために、以下の構成を有している。第2の従来技術は、帯状の領域を照射する移動通信用の基地局アンテナ装置であり、複数のアンテナ素子81が帯状の領域の長手方向に直交する直線状に配列され、当該アンテナ素子81は2素子以上5素子以下の素子数を有し、各アンテナ素子81間の間隔Sが1波長以上、3波長以下に設定される。また、各アンテナ素子81から周波数変換器82を介して入力される入力信号の振幅及び位相を変化させる振幅位相可変器83を各アンテナ入力部に備えている。さらに、振幅位相計算部84は、受信側が予め既知の信号と、各アンテナ素子81で受信された信号の合成信号との誤差を最小とするように各アンテナ入力信号の振幅及び位相を計算し、当該振幅位相計算部84によって計算された各アンテナ素子81の振幅及び位相が当該振幅位相可変器83の出力となるように各振幅位相可変器83を調整する。
特開平11−284424号公報。 特開平10−242739号公報。
これら従来技術に係るアンテナ装置は、主として無指向性のアンテナ素子を使用していたために、アンテナ素子の本数が複数N本の場合には、放射パターンにおけるヌルの形成数に対応するアンテナ素子の自由度はN−1しかなく、人体や干渉波にヌルを向けるためには、より多数のアンテナ素子が必要であるという問題点があった。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して少数のアンテナ素子で放射パターンにおいて複数のヌルを形成することができるアダプティブアンテナ装置とそれを用いた無線通信装置を提供することにある。
第1の発明に係るアダプティブアンテナ装置は、λ/2(ここで、λは無線信号の波長である。)を超えかつ所定の上限波長以下の電気長L1を有する第1のアンテナ素子と、
所定の下限波長以上でかつλ/2以下の電気長L2を有する第2のアンテナ素子とを含む少なくとも2本のアンテナ素子を備えたアダプティブアンテナ装置であって、
上記第1と第2のアンテナ素子により受信された各無線信号に基づいて、上記各無線信号の振幅と位相のうちの少なくとも一方を調整することにより、実質的に干渉波方向に対して複数のヌルを含む上記アダプティブアンテナ装置の放射パターンを形成するように上記アダプティブアンテナ装置をアダプティブ制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
上記アダプティブアンテナ装置において、λ/2を超えかつ所定の上限波長以下の電気長L1,L1’をそれぞれ有する少なくとも2本の第1のアンテナ素子と、
上記第2のアンテナ素子とを含む少なくとも3本のアンテナ素子を備え、
上記電気長L1と上記電気長L1’は互いに同一又は異なることを特徴とする。
また、上記アダプティブアンテナ装置において、上記第1のアンテナ素子と、
所定の下限波長以上でかつλ/2以下の電気長L2,L2’をそれぞれ有する少なくとも2本の第2のアンテナ素子とを含む少なくとも3本のアンテナ素子を備え、
上記電気長L2と上記電気長L2’は互いに同一又は異なることを特徴とする。
第2の発明に係るアダプティブアンテナ装置は、λ/2(ここで、λは無線信号の波長である。)を超えかつ所定の上限波長以下の電気長L1,L1’,L1”をそれぞれ有する少なくとも3本の第1のアンテナ素子を備えたアダプティブアンテナ装置であって、
上記各第1のアンテナ素子により受信された各無線信号に基づいて、上記各無線信号の振幅と位相のうちの少なくとも一方を調整することにより、実質的に干渉波方向に対して複数のヌルを含む上記アダプティブアンテナ装置の放射パターンを形成するように上記アダプティブアンテナ装置をアダプティブ制御する制御手段を備え、
上記電気長L1,L1’,L1”のうちの少なくとも2つは互いに異なることを特徴とする。
上記アダプティブアンテナ装置において、上記下限波長は、λ/4、λ/8又はλ/16であることを特徴とする。また、上記アダプティブアンテナ装置において、上記上限波長は、10λ、3λ又はλであることを特徴とする。
また、上記アダプティブアンテナ装置において、上記各アンテナ素子は、非平衡型アンテナ又は平衡型アンテナであることを特徴とする。
さらに、上記アダプティブアンテナ装置において、上記各アンテナ素子のうちの少なくとも1本のアンテナ素子は、板状逆Fアンテナであることを特徴とする。
またさらに、上記アダプティブアンテナ装置において、上記各アンテナ素子のうちの少なくとも1本のアンテナ素子は、上記アダプティブアンテナ装置の筐体の少なくとも一部が導電性材料にて形成されてなるアンテナ素子であることを特徴とする。
またさらに、上記アダプティブアンテナ装置において、上記制御手段は、上記複数のアンテナ素子を用いてアダプティブ制御したときの無線信号の信号品位と、上記各アンテナ素子を単独で用いてアダプティブ制御しないときの無線信号の各信号品位とを比較して、最良の信号品位を有する場合を設定するように上記アダプティブアンテナ装置を制御することを特徴とする。
第3の発明に係る無線通信装置は、上記アダプティブアンテナ装置と、
上記アダプティブアンテナ装置により受信された無線信号を送受信する無線通信回路とを備えたことを特徴とする。
従って、本発明に係るアダプティブアンテナ装置によれば、λ/2(ここで、λは無線信号の波長である。)を超えかつ所定の上限波長以下の電気長L1を有する第1のアンテナ素子と、
所定の下限波長以上でかつλ/2以下の電気長L2を有する第2のアンテナ素子とを含む少なくとも2本のアンテナ素子を備えたアダプティブアンテナ装置であって、
上記第1と第2のアンテナ素子により受信された各無線信号に基づいて、上記各無線信号の振幅と位相のうちの少なくとも一方を調整することにより、実質的に干渉波方向に対して複数のヌルを含む上記アダプティブアンテナ装置の放射パターンを形成するように上記アダプティブアンテナ装置をアダプティブ制御する制御手段を備える。
また、別の本発明に係るアダプティブアンテナ装置によれば、λ/2(ここで、λは無線信号の波長である。)を超えかつ所定の上限波長以下の電気長L1,L1’,L1”をそれぞれ有する少なくとも3本の第1のアンテナ素子を備えたアダプティブアンテナ装置であって、
上記各第1のアンテナ素子により受信された各無線信号に基づいて、上記各無線信号の振幅と位相のうちの少なくとも一方を調整することにより、実質的に干渉波方向に対して複数のヌルを含む上記アダプティブアンテナ装置の放射パターンを形成するように上記アダプティブアンテナ装置をアダプティブ制御する制御手段を備え、
上記電気長L1,L1’,L1”のうちの少なくとも2つは互いに異なるように設定される。
以上のように構成することにより、従来技術に比較して少数のアンテナ素子で放射パターンにおいて複数のヌルを形成することができるアダプティブアンテナ装置とそれを用いた無線通信装置を提供できる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、同様の構成要素については同一の符号を付している。
第1の実施形態.
図1は本発明の第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた無線通信装置11の構成及びアンテナ素子13,14の長手方向の位置に対する電流分布を示す斜視図である。また、図2は図1の無線通信装置11の無線通信回路110の構成を示すブロック図である。図1において、無線通信装置11の構造及びそれから放射される放射パターンを説明するために、無線通信装置11の幅方向をX軸方向とし、その厚さ方向をY軸方向とし、その長さ方向をZ軸方向とした、XYZの3次元座標系を用いる。
図1において、アダプティブアンテナ装置は、無線通信装置11の筐体12の上部に2本のアンテナ素子13,14をそれらの長手方向が互いにかつ筐体12の長手方向と平行となるように、しかも所定の間隔Liだけ離隔して配置した構成を有する。なお、アンテナ素子13,14は筐体12からは電気的に絶縁されるように立設されている。ここで、間隔Liは好ましくは(1/2)λ(ここで、λは無線通信を行うための送受信する無線信号の波長である。)に設定されるが、筐体12のサイズを考慮し、例えば(1/4)λなどの(1/2)λ未満の間隔であってもよい。筐体12は、x1の幅と、y1の厚さと、z1の長さを有し、導電性の金属材料にてなり、図2の無線通信回路110をその内部に収容する。また、アンテナ素子13は長さL1を有し、その電気長は約(3/4)λであり、アンテナ素子14は長さL2を有し、その電気長は約(1/4)λである。ここで、アンテナ素子13,14が例えば直線形状のモノポールアンテナであるときは、L1=約(3/4)λで、L2=約(1/4)λである。
まず、一般的なアダプティブアンテナ装置の動作について以下に説明する。アダプティブアンテナ装置は、所望の電波が到来してくる方向にアンテナの放射パターンを最大にし、妨害となる干渉波の方向に放射パターンのヌルを向けて、安定した無線通信を実現する技術を用いた装置である。通常、アダプティブアンテナ装置はアンテナ素子毎に振幅調整回路と移相器を備え、アンテナ間に振幅差と位相差を与えることにより、最大の所望信号電力と、最小の干渉信号電力を実現する。アンテナ素子により受信された信号には、通常、所望波の信号とともに熱雑音成分が受信される。さらに、隣接基地局からの同一周波数の同一チャンネル干渉波や、所望波であるが大きな経路を経由して到来したために時間的な遅れを生じる遅延波も受信される場合がある。遅延波はテレビジョン受像機やラジオ受信機等のアナログ無線受信機において、例えば画像のゴーストとして画面表示の品質を劣化させる。一方、ディジタル無線受信機では、熱雑音、同一チャンネル干渉波や遅延波は、いずれも受信されるディジタルデータにおけるビット誤りとして影響を及ぼし、直接的にディジタルデータの信号品位を劣化させる。ここで、所望波の電力をCとし、熱雑音の電力をNとし、同一チャンネル干渉波と遅延波を含む干渉波電力をIとすると、アダプティブアンテナ装置は信号品位を改善させるために、例えば評価関数C/(N+I)を最大にするように動作する。これにより、当該アダプティブアンテナ装置により形成される主ビーム方向を実質的に所望波方向に向け、かつそのヌルを実質的に干渉波方向に向けるようにアダプティブ制御することができる。
次いで、具体的に、図1のアダプティブアンテナ装置の無線通信回路110の回路構成及びその動作について図2を参照して以下に説明する。
まず、アダプティブ制御時には、スイッチ22,23はそれぞれ、コントローラ24により接点a側に切り換えられる。アンテナ素子13,14により受信された各無線信号はそれぞれ、高周波増幅器や中間周波変換器などを含むアナログ/ディジタル変換器(以下、A/D変換器という。)21a,21bに入力され、各A/D変換器21a,21bはそれぞれ各無線信号をディジタル信号x(t)(ここで、x(t)は、A/D変換器21aから出力されるディジタル信号x(t)と、A/D変換器21bから出力されるディジタル信号x(t)(すなわち、2個の信号要素)とからなる信号ベクトルである。)に変換した後、スイッチ22,23を介してコントローラ24に出力するとともに、アダプティブ制御回路25に出力する。ここで、アダプティブ制御回路25は、ディジタル信号x(t)の振幅を調整する例えば可変増幅器である振幅調整回路26aと、ディジタル信号x(t)の位相を調整する移相器27aと、ディジタル信号x(t)の振幅を調整する例えば可変増幅器である振幅調整回路26bと、ディジタル信号x(t)の位相を調整する移相器27bとを備えて構成される。ディジタル信号x(t)は振幅調整回路26a及び移相器27aを介して信号合成器29に出力される一方、ディジタル信号x(t)は振幅調整回路26b及び移相器27bを介して信号合成器29に出力され、信号合成器29は入力される2つのディジタル信号を合成した後、合成後のディジタル信号y(t)を復調器28に出力する。復調器28は、入力されるディジタル信号y(t)を、送信側の変調方式に対応する復調方式を用いて、ディジタルデータ信号に復調して出力する。
本実施形態において、コントローラ24は、例えば詳細後述するアダプティブ制御方法を用いて、アダプティブ制御回路25からのディジタル信号y(t)が最も信号品位が良くなるような、振幅調整回路26a,26bの各振幅量Ai及び移相器27a,27bの各移相量φiを含むウエイトwi(i=1,2;ここで、i=1はディジタル信号x(t)の処理系統を示し、i=2はディジタル信号x(t)の処理系統を示す。)を決定して振幅調整回路26a,26b及び移相器27a,27bを制御する。これにより、復調器28から出力される復調信号の信号品位が最良となる。以下に、アダプティブ制御回路25を用いたアダプティブ制御方法の具体例について説明する。ここで、ウエイトwiは振幅量Aiと位相φiとを用いて次式で表される。
[数1]
wi=Ai・exp(jωφi),(i=1,2) (1)
ここで、jは虚数単位であり、ωは受信される無線信号の角周波数であって、ω=2πf(fは無線信号の周波数である。)である。wi(i=1,2)を要素とするウエイトベクトルwを定義して、以下に、最適なウエイトを求める方法について示す。
ウエイトを求める方法にはいくつか方法があるが、ここでは最急降下法(LMS: Least Means Squares)を用いた例を示す。この手法では、アダプティブアンテナ装置は予め既知の所望波に含まれる信号系列r(t)(例えば、送信すべきデータ信号に先立って送信される参照信号であって、以下、参照信号という。)を保有し、受信された無線信号に含まれる信号系列が上記予め決められた参照信号に近くなるように制御する。ここでは、一例としてコントローラ24に参照信号が保持されている場合を示す。具体的には、コントローラ24は、受信されたディジタル信号x(t)に対して上記アダプティブ制御方法により計算されたウエイトw(t)を乗算し、この乗算結果と参照信号r(t)との残差e(t)を次式のように計算する。
[数2]
e(t)=r(t)−w(t)×x(t) (2)
ここで、残差e(t)は正又は負の値をとる。従って、式(2)により求めた残差e(t)の2乗した値の最小値を漸化的な繰り返し計算法を用いて求める。すなわち、(m+1)回目の繰り返し計算により得られたウエイトw(t,m+1)はm回目のウエイトw(t,m)を用いて次式により得られる。
[数3]
w(t,m+1)=w(t,m)+u×x(t)×e(t,m) (3)
ここで、uはステップサイズと呼ばれ、ステップサイズuが大きくなるにつれてウエイトw(t,m+1)が最小値に収束する繰り返し計算回数が少なくなるという利点があるが、ステップサイズuが大き過ぎると、ウエイトw(t,m+1)の最小値付近で振動してしまうという欠点がある。従って、ステップサイズuの選定には制御システムにより十分注意する必要がある。逆に、ステップサイズuを小さくすることによりウエイトw(t,m+1)は安定して最小値に収束する。しかしながら、繰り返し計算回数は増加する。繰り返し計算数が増加するとウエイトを求めるのに多大の時間を要する。仮にウエイトの計算時間が周囲環境の変化時間(例えば、数ミリ秒)よりも遅い場合には、このウエイトによる信号品位の改善は不可能となる。そこで、ステップサイズuを決定する場合には、できるだけ高速でかつ安定な収束の条件を選ぶ必要がある。また、残差e(t,m)は次式により定義される。
[数4]
e(t,m)=r(t)−w(t,m)×x(t) (4)
上記式(4)を用いて計算された残差e(t,m)の値を用いて、上記式(3)を用いてウエイトw(t,m+1)を漸化的に更新する。なお、最適なウエイトw(t,m+1)を計算するための最大繰り返し計算回数は、ウエイトの計算時間が無線システムの切り替え時間よりも遅くならないように設定する。なお、ここでは一例として最急降下法に基づく無線通信システムの判定法を説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、より早く判定が可能なRLS(Recursive Least-Squares)法、SMI(Sample Matrix inversion)法を用いることも可能である。これら方法により判定は早くなるが、判定部における計算が複雑になる。なお、信号系列の変調方式がディジタル位相変調のような一定の包絡線を持つような定包絡線変調である場合には、CMA(Constant Modulus Algorithm)法を用いることも可能である。
次いで、アダプティブ制御をしないとき(以下、アダプティブ非制御時という。)には、スイッチ22,23はそれぞれ、コントローラ24により接点b側に切り換えられる。この場合において、A/D変換器21a,21bからそれぞれ出力される受信されたディジタル信号x(t),x(t)はスイッチ22,23を介して復調器28に出力され、復調器28は入力される各ディジタル信号x(t),x(t)をディジタルデータ信号に復調し、ここで好ましくは、復調された2つのディジタルデータ信号のうちよりビット誤りが小さいディジタルデータ信号を選択して出力する。
以上のように動作するアダプティブアンテナ装置において、アダプティブ制御時の復調されたディジタルデータ信号の信号品位と、アダプティブ非制御時の2つのディジタルデータ信号の信号品位とを比較して最も信号品位の高いディジタルデータ信号を選択して出力することにより、安定した高い信号品位を得ることができるとともに、干渉波のレベルが小さい場合にはアダプティブ非動作時を選択することにより、無線通信回路110における消費電流を小さくすることができる。
次いで、第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置において、アンテナ素子13,14の各素子長L1,L2を種々に変化させたときの放射パターンの変化についてシミュレーションを行ってその結果について考察する。当該シミュレーションにおいては、図1に示した非平衡型アンテナであるモノポールアンテナを用いず、平衡型アンテナである図3に示す2本のダイポールアンテナ13A,14Aを用いる。ここで、ダイポールアンテナ13Aは2本のアンテナ素子13a,13bを備えて構成され、ダイポールアンテナ14Aは2本のアンテナ素子14a,14bを備えて構成され、これら2本のダイポールアンテナ13A,14Aは間隔(1/2)λだけ離隔して、各アンテナ素子13a,13b及び14a,14bが互いに平行となるように並置されている。当該シミュレーションにおいて、2本のモノポールアンテナに代えて、2本のダイポールアンテナ13A,14Aを用いる理由は、これらダイポールアンテナ13A,14Aとモノポールアンテナはそれらの動作メカニズムが互いに同じであるためであり、シミュレーションがダイポールアンテナ13A,14Aの方が容易であるためである。ここで、ダイポールアンテナ13A,14Aはモノポールアンテナのアンテナ素子を2本逆相で給電したものと等価であって、ダイポールアンテナ13A,14Aの全長の半分がモノポールアンテナの素子長に相当する。なお、モノポールアンテナを解析するときは、給電点を境界として地板側にイメージのモノポールアンテナを仮想的に形成してシミュレーションを行うが、これは、ダイポールアンテナに対応する。
図4は図3のアダプティブアンテナ装置のシミュレーション結果であって、そのダイポールアンテナの全長を変化したときの放射パターンの変化を示す図である。図4では、1つのダイポールアンテナ(13A又は14A)の全長を変化したときのZ−X面内放射パターン(垂直面内の放射パターン)の変化を示しており、全長を0.5λ、1λ、1.5λ、2λ、2.5λ、3λの6種類で変化した場合について示している。これらの場合はそれぞれ、モノポールアンテナの素子長がそれぞれ0.25λ、0.5λ、0.75λ、1λ、1.25λ、1.5λである場合に相当する。図4から明らかなように、ダイポールアンテナの全長が1λ以下の場合には放射パターンは8の字特性を有しているが、その全長が1λより大きくなると複数のヌルが生じていることがわかる。これは、アンテナ素子上の電流の向きが0.5λ毎に逆向きになることが原因である。なお、モノポールアンテナの場合では、その素子長が0.5λより大きくなると複数のヌルが生じさせることができる。
図4において、ダイポールアンテナの全長が0.5λのときは8の字特性を有し、ヌルは理論通り、+Z方向と−Z方向に生じている(以下、Z軸方向のヌルという。)。全長が1.5λのときは、Z軸方向のヌルに加えて、Z−X面の右半分で2個のヌルが生じ、その左半分で2個のヌルが生じている。また、全長が2.5λのときは、Z軸方向のヌルに加えて、Z−X面の右半分で4個のヌルが生じ、その左半分で4個のヌルが生じている。
図4において、全長が1λのときは8の字特性を有し、Z軸方向のヌルのみである。また、全長が2λのときはZ軸方向のヌルに加えて、+X方向のヌルと、−X方向のヌルとが生じている。さらに、全長が3λのときは、Z軸方向のヌルに加えて、Z−X面の右半分で2個のヌルが生じ、その左半分で2個のヌルが生じている。
図4及びそれ以降の図面において、垂直面の放射パターンを用いて説明しているが、これは図1においてアダプティブアンテナ装置のアンテナ素子13,14を、それらの長手方向が大地に対して垂直になる配置しており、垂直偏波での送信を行っている。なお、実際の使用状況を考えた場合には、例えば通話時やメール使用時には、無線通信装置11を傾けて使用する。このように無線通信装置11が水平方向に所定の角度で傾斜して配置されている場合には、Z−X面内の放射パターンにヌルを形成することができれば、アダプティブアンテナ装置により水平面のヌル方向を制御することができる。なお、本実施形態では、筐体の長手方向にアンテナを配置して垂直面内にヌルを生じさせる構成例について示したが、本発明はこれに限らず、水平面内にヌルを生じさせても同様の効果が得られることはもちろんのことである。この場合、例えば筐体の短手方向に電気長がλ/2以上のアンテナを配置することで水平面内にヌルを生じることが可能であることは当然のことである。
なお、本実施形態では、一例として自由空間におけるダイポールアンテナの放射パターンを用いて説明したが、実際の使用状況では周囲環境の影響による反射等により交差偏波成分が生じる。これは人体近接時に特に顕著となるが、この場合にも同様の効果を得ることができる。
図5は、図3のアダプティブアンテナ装置のシミュレーション結果であって、L1=L2=(1/4)λのときに、方位角180度の所望波と、方位角15度の第1の干渉波と、方位角−15度の第2の干渉波とが入射したときアダプティブ制御後のZ−X面内の放射パターンを示す図である。図5の場合におけるアダプティブ制御前後のビット誤り率及び所望波電力対干渉波電力比(アダプティブ制御後に限る。以下、DU比という。)は以下の通りである。
[表1]
図5の場合(従来技術)
――――――――――――――――――――――――――――――――
アダプティブ制御前:
ダイポールアンテナ13A単独のときのBER=2.29×10−1
ダイポールアンテナ14A単独のときのBER=2.29×10−1
――――――――――――――――――――――――――――――――
アダプティブ制御後:
ダイポールアンテナ13A,14Aを
使用したときのBER=6.12×10−3
DU比=8.0dB
――――――――――――――――――――――――――――――――
図6は図3のアダプティブアンテナ装置のシミュレーション結果であって、L1=(3/4)λ及びL2=(1/4)λのときに、方位角180度の所望波と、方位角15度の第1の干渉波と、方位角−15度の第2の干渉波とが入射したときアダプティブ制御後のZ−X面内の放射パターンを示す図である。図6の場合におけるアダプティブ制御前後のビット誤り率及びDU比(アダプティブ制御後に限る。)は以下の通りである。
[表2]
図6の場合(第1の実施形態)
――――――――――――――――――――――――――――――――
アダプティブ制御前:
ダイポールアンテナ13A単独のときのBER=2.38×10−2
ダイポールアンテナ14A単独のときのBER=2.29×10−1
――――――――――――――――――――――――――――――――
アダプティブ制御後:
ダイポールアンテナ13A,14Aを
使用したときのBER<1.0×10−8
DU比=25.4dB
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図7は図3のアダプティブアンテナ装置のシミュレーション結果であって、L1=(3/4)λ及びL2=(5/4)λのときに、方位角180度の所望波と、方位角15度の第1の干渉波と、方位角−15度の第2の干渉波とが入射したときアダプティブ制御後のZ−X面内の放射パターンを示す図である。図7の場合におけるアダプティブ制御前後のビット誤り率及びDU比(アダプティブ制御後に限る。)は以下の通りである。
[表3]
図7の場合(第1の実施形態の変形例)
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アダプティブ制御前:
ダイポールアンテナ13A単独のときのBER=2.38×10−2
ダイポールアンテナ14A単独のときのBER=6.29×10−2
――――――――――――――――――――――――――――――――
アダプティブ制御後:
ダイポールアンテナ13A,14Aを
使用したときのBER<1.0×10−8
DU比=32.9dB
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図5及び表1の結果は、素子長L1=L2=(1/4)λを有する、従来技術に係るアダプティブアンテナ装置の場合である。また、図6及び表2の結果は、素子長L1=(3/4)λ及びL2=(1/4)λを有する、図1の第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置の場合である。さらに、図7及び表3の結果は、素子長L1=(3/4)λ及びL2=(5/4)λを有する、第1の実施形態の変形例に係るアダプティブアンテナ装置の場合である。
従来技術に係る図5及び表1の場合、全長が1λ以下のダイポールアンテナ13A,14A同士でアダプティブ動作させているため、干渉波間の角度差が30度と比較的小さい場合にはアダプティブ制御後のビット誤り率が6.12×10−3と、ダイポールアンテナ13A,14A単体と比べて改善量が2桁程度となっている。
一方、本発明の第1の実施形態に係る図6及び表2の場合、ダイポールアンテナ13Aには複数のヌルが存在しており、アダプティブ制御前のビット誤り率が2.38×10−2となり、図5及び表1の場合と比較して約1桁だけよくなっていることがわかる。さらに、アダプティブ制御によりビット誤り率は10−8以下となり、エラーフリー状態を実現しているとともに、DU比が25.4dBとなっており、干渉波を十分抑圧できていることが確認できた。
また、本発明の第1の実施形態の変形例に係る図7及び表3の場合、ダイポールアンテナ13Aの素子長L1は(3/4)λであるが、ダイポールアンテナ14Aの素子長L2は(5/4)λであり、これは、ダイポールアンテナ14Aの全長が2.5λの場合である。この場合において、ダイポールアンテナ14Aには、ダイポールアンテナ13Aよりもさらに多くのヌルが存在しているが、アダプティブ制御後のビット誤り率が10−8以下となり、エラーフリー状態を実現しているとともに、DU比が32.9dBとなっており、干渉波を十分抑圧できていることが確認できた。
以上の実施形態においては、直線形状のモノポールアンテナ13,14又は直線形状のダイポールアンテナ13A,14Aを用いているが、本発明はこれに限らず、短縮キャパシタを用いてアンテナの素子長を電気的に短縮してその電気長を短縮し、もしくは、延長コイルを用いてアンテナの素子長を電気的に延長してその電気長を延長してもよい。従って、各アンテナの長さは、電気的に短縮し又は延長することを考慮し、電気長で表示してもよい。
図1の第1の実施形態においては、アンテナ素子13の電気長L1=(3/4)λで、アンテナ素子14の電気長L2=(1/4)λで設定しているが、本発明はこれに限らず、以下のように設定してもよい。なお、アンテナ素子13の電気長L1は、λ/2を超える長さであって、アンテナ素子13を筐体12に装着又は収容できる長さ(極端に長い場合は無限大に近い値でも可能である。)に設定可能であるが、現実には、以下のように設定される。また、アンテナ素子14の電気長L2は、λ/2以下の長さであって、所望の周波数fで共振可能な長さに設定可能であるが、現実には以下のように設定される。
好ましくは、
[数5]
λ/2<L1≦10λ (5)
より好ましくは、
[数6]
λ/2<L1≦3λ (6)
さらに好ましくは、
[数7]
λ/2<L1≦λ (7)
好ましくは、
[数8]
λ/16≦L2≦λ/2 (8)
より好ましくは、
[数9]
λ/8≦L2≦λ/2 (9)
さらに好ましくは、
[数10]
λ/4≦L2≦λ/2 (10)
以上説明したように、並置された2本のアンテナ素子13,14の電気長L1,L2を上述のように設定しアダプティブ制御することにより、アンテナの自由度が1しかないにも関わらず、2つのアンテナ素子13,14の垂直面指向性利得の差を利用することにより、自由度以上のヌルを形成することができ、干渉波に対して抑圧効果が得られる。すなわち、所望波及び干渉波の到来方向が変化した場合でも、従来技術に比較して高い信号品位を有するディジタルデータ信号を得ることができる。
図2の無線通信回路110においては、アダプティブ制御をディジタル信号で処理しているが、本発明はこれに限らず、アナログ信号で処理してもよい。また、図2の無線通信回路110においては、各無線信号の振幅と位相を調整してアダプティブアンテナ装置の放射パターンをアダプティブ制御しているが、本発明はこれに限らず、各無線信号の振幅と位相とのうちの少なくとも一方を調整してアダプティブアンテナ装置の放射パターンをアダプティブ制御してもよい。さらに、図2の無線通信回路110においては、無線受信機回路のみを含むが、本発明はこれに限らず、無線受信機回路に加えて、無線送信機回路をさらに備えてもよい。
第2の実施形態.
図8は本発明の第2の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた無線通信装置11Aの構成及びアンテナ素子13の長手方向の位置に対する電流分布を示す斜視図である。第2の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置は、図1の第1の実施形態に比較して、アンテナ素子14に代えて、電気長L2を有する板状逆Fアンテナ31を備えたことを特徴としている。
図8において、板状逆Fアンテナ31はその板状面が無線通信装置11Aの筐体12の手前正面と平行となるように配置され、当該板状逆Fアンテナ31はその周囲長が電気長L2を有する放射アンテナとして動作する。ここで、板状逆Fアンテナ31の板状面の略中央部の給電点32aに、無線通信回路110からの給電ケーブル及び給電線32を介して給電され、また、板状逆Fアンテナ31の上辺の略中央部の短絡点33aは、筐体12の接地導体から延在する短絡線33により短絡される。
第2の実施形態においては、板状逆Fアンテナ31を備えているが、本発明はこれに限らず、これに代えて、電気長L2を有する他の種類の板形状のアンテナ、パッチアンテナ、スロットアンテナ、ループアンテナなどの種々のアンテナであってもよい。
以上の第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、2つのアンテナ素子13,31の垂直面指向性利得の差を利用することにより、自由度以上のヌルを形成することができ、干渉波に対して抑圧効果が得られる。すなわち、所望波及び干渉波の到来方向が変化した場合でも、従来技術に比較して高い信号品位を有するディジタルデータ信号を得ることができる。
第3の実施形態.
図9は本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた折り畳み型携帯無線通信装置の開状態を示す平面図であり、図10は図9の折り畳み型携帯無線通信装置の側面図である。
図9及び図10において、本実施形態に係る携帯無線通信装置は、上側筐体102と下側筐体103とを備え、上側筐体102と下側筐体103は円筒形状のヒンジ部503を介して折り畳み可能となるように接続されている。上側筐体102は、内側に配置された上側第1筐体部102aと、外側に配置された上側第2筐体部102bとを備え、これら2つの筐体部102a,102bは互いに貼り合わされて連結されている。以下、上側第1筐体部102aの装置内側に対向する面を「内側面」といい、上側第2筐体部102bの装置外部に対向する面を「外側面」という。また、ヒンジ部503は例えば上側第1筐体部102aと一体的に形成され、ヒンジ部503が下側筐体103の上端部の中央部(左上縁端部103pと右上縁端部103qとの間に位置する。)に嵌合し、ヒンジ部503の円筒の中空を貫通して、下側筐体103の左上縁端部103p及び右上縁端部103qの両内部に延在する円柱軸(図示せず。)により、上側筐体102と下側筐体103とは互いにヒンジ部503で回転可能となり折り畳み可能となっている。なお、2つの筐体部102a,102bはその下端部の左右のコーナー部においてネジ113,114を用いて、その内側面から外側面に向かって、上側第1筐体部102aを貫通して上側第2筐体部102bのネジ受け部115に対してネジ止めされている。
上側第1筐体部102aはその少なくとも一部が例えばマグネシウムや亜鉛などの導電性材料で構成される一方、上側第2筐体部102bは例えば樹脂などの電気絶縁材料で構成される。ここで、上側第1筐体部102aは、詳細後述するように、その全部が導電性材料で構成されてもいいし、もしくは、その筐体部は例えば樹脂材料にてなる電気絶縁材料で構成され、その表面に導電性材料にてなる導体層を形成してもいい。上側第1筐体部102aにおける導電性材料が少なくとも形成された部分を以下、「導体部」という。
また、液晶ディスプレイ105は上側第1筐体部102aの内側面の略中央部に配置され、当該液晶ディスプレイ105の上部であって当該内側面の上端部に音孔部106が配置される。ここで、音孔部106の直下には通話時の相手方の音声を発生するスピーカ(図示せず。)が配置され、当該スピーカにより発生された音声が音孔部106を介して当該携帯無線通信装置のユーザの耳に聞こえるように構成されている。さらに、マイクロホン107は下側筐体103の内側に対向する面(以下、内側面という。)上であってヒンジ部503と反対側となる下端部付近に配置され、充電池108は下側筐体103のマイクロホン107とは反対側の面(以下、外側面という。)に配置される。プリント配線基板109は下側筐体103の内部であって下側筐体103の厚さ方向の略中央部に配置され、プリント配線基板109上に、無線送信機をさらに含む無線通信回路110が形成されている。なお、プリント配線基板109のグランドパターンがアンテナのグランドとして動作する。
図11は図9及び図10の折り畳み型携帯無線通信装置において用いるヒンジ部503を示す斜視図であり、図12は図11のヒンジ部503に接続される嵌合円筒部材505及び、それに接続されるアンテナ素子504を示す斜視図である。ここで、ヒンジ部503はアルミニウム又は亜鉛などの導電性材料にてなり、また、図11及び図12に示すように、無線通信回路110の給電点である接続点111に接続されるアンテナ素子504に接続されかつヒンジ部503に嵌合する、アルミニウム又は亜鉛などの導電性材料にてなる嵌合円筒部材505を備える。なお、ヒンジ部503の一部が導電性材料で構成されていればよい。この場合、例えばヒンジ部503は樹脂材料の表面に金属膜をパターン形成していてもよく、導電性材料の表面又は一部に樹脂材料を用いていてもよい。
図11において、ヒンジ部503は、円筒部503aと、その左右縁端部からそれぞれ斜め上方向に延在する2つの脚部503b,503cとから構成される。ここで、各脚部503b,503cはそれぞれその端部近傍において厚さ方向に貫通する円形孔503h,503chを有する。ここで、各脚部503b,503cはそれぞれ上側第2筐体部102bの内部に挿入嵌合され、かつネジ113,114がそれぞれ円形孔503bh,503chに挿入され、ネジ113,114により上側第2筐体部102bに対してネジ止めされる。図12において、アンテナ素子504の一端は嵌合円筒部材505の円筒端面の一部に連結されている。嵌合円筒部材505は、その外径がヒンジ部503の円筒部503aの内径に実質的に一致するように形成され、嵌合円筒部材505は上記円筒部503aの円筒内部に挿入されて嵌合される。
当該携帯無線通信装置においては、無線通信回路110の給電点である接続点111は、アンテナ素子504、嵌合円筒部材505、及びヒンジ部503を介して上側第1筐体部102aに電気的に接続される。従って、アンテナ素子504、嵌合円筒部材505、ヒンジ部503及び上側第1筐体部102a(その周囲長を矩形導体アンテナの電気長とすることができる。)は第1のアンテナ素子として動作することができる。ここで、第1のアンテナ素子の電気長は、例えば、図1のアンテナ素子13の電気長L1の値に設定される。この場合において、ヒンジ部503と嵌合円筒部材505との間の接続点、もしくは、接続点111において、例えば900MHzなどの所定の周波数帯において、アンテナに対する入力インピーダンスが例えば50Ωなどの所定のインピーダンスになるように十分低くなればよい。
以上のように構成された携帯無線通信装置において、アンテナ素子504、ヒンジ部503及び上側第1筐体部102aが第1のアンテナ素子として動作するため、上側第1筐体部102aのみがアンテナ素子として動作していた場合に比べて、アンテナ装置の寸法を大きくすることができ、アンテナ利得を大幅に増大できる。
また、当該携帯無線通信装置においては、無線通信回路110の別の給電点である接続点122は下側筐体103の下側端部の中央部の内部において設けられた内蔵アンテナ素子(好ましくは、その電気長を長くするために、図9に示すように、その先端においてジグザグ形状を有する。)121が設けられる。ここで、内蔵アンテナ素子121は第2のアンテナ素子として用いられ、その電気長は、例えば、図1のアンテナ素子14の電気長L2の値に設定される。
以上のように構成された携帯無線通信装置において、給電点である接続部111において、例えば2GHzなどの所定の周波数帯においてインピーダンスが例えば50Ωなどの所定のインピーダンスになるように十分低くなればよく、誘電体等の材料にてなる容量リング(図示せず。)をヒンジ部503と嵌合円筒部材505との間に挿入することで容量性給電を行ってもよい。
以上のように構成された携帯無線通信装置において、上側第1筐体部102aとヒンジ部503や嵌合円筒部材505とが電気長がλ/2を超える電気長L1を有する第1のアンテナ素子の一部又は全部を兼ねており、下側筐体103内部に配置した内蔵アンテナ素子121が、電気長がλ/2未満の電気長L2を有する第2のアンテナ素子として動作する。従って、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、2つのアンテナ素子の垂直面指向性利得の差を利用することにより、自由度以上のヌルを形成することができ、干渉波に対して抑圧効果が得られる。すなわち、所望波及び干渉波の到来方向が変化した場合でも、従来技術に比較して高い信号品位を有するディジタルデータ信号を得ることができる。具体的には、周波数2GHzにおける半波長が7.5cmであるのに対して、上側筐体102の長さはおよそ10cmであり、内蔵アンテナ素子121の電気長はおよそλ/4であり、第1の実施形態と同様に動作する。
第4の実施形態.
図13は本発明の第4の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた折り畳み型携帯無線通信装置の開状態を示す平面図である。また、図14は図13の折り畳み型携帯無線通信装置の側面図である。第4の実施形態に係る携帯無線通信装置は、第3の実施形態に係る携帯無線通信装置に比較して、内蔵アンテナ素子121に代えて、ヒンジ部503の近傍に形成されたブーム部130内に、線状のアンテナ素子131を内蔵したことを特徴としている。
図13及び図14において、ブーム部130は曲線略円柱形状の樹脂材料(好ましくは、可撓性の樹脂材料)にてなり、下側筐体103の上端面の左右両端部に連結するように設けられる。すなわち、ブーム部130の両端は携帯無線通信装置の幅方向に対して略左右対称となるよう接続され、この場合、ブーム部130と下側筐体103とで囲まれる空間内には、貫通孔(又は空隙)が存在している。また、当該ブーム部130の内部には当該携帯無線通信装置の第2のアンテナ素子として動作する、例えば1/4波長のアンテナ素子131が内蔵され、アンテナ素子131はブーム部130の内部から下側筐体103の内部を介して無線通信回路110の給電点である接続点132に接続されている。ここで、アンテナ素子131の電気長は図1のアンテナ素子14の電気長L2に設定される。
以上のように構成された第4の実施形態の2つのアンテナ素子は、第1の実施形態及び第3の実施形態と動作に動作する。なお、上記貫通孔(又は空隙)は樹脂等の材料で覆われていてもよいことはもちろんのことである。この場合、アンテナ素子131は内蔵アンテナとして構成されてもよいことはもちろんのことである。
第5の実施形態.
図15は本発明の第5の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた無線通信装置11Bの構成及びアンテナ素子41,42,43の長手方向の位置に対する電流分布を示す斜視図である。また、図16は図15の無線通信装置11Bの無線通信回路110Aの回路構成を示すブロック図である。第5の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置は、第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置に比較して、2本のアンテナ素子13,14に代えて、3本のアンテナ素子41,42,43を備え、ここで、アンテナ素子41及び42はそれぞれ電気長L1を有し、アンテナ素子43は電気長L2を有することを特徴とする。なお、電気長L1,L2の設定値は、第1の実施形態と同様に設定される。
図16の無線通信回路110Aは、図2の無線通信回路110に比較して、A/D変換器21a,21bの前段に、3本のアンテナ素子41,42,43と、各アンテナ素子41,42,43にそれぞれ接続された3個のスイッチ51,52,53と、一端が各スイッチ51,52,53の接点bに接続されかつ他端が接地された無給電素子61,62,63とを備えたことを特徴としている。各スイッチ51,52,53の接点aはA/D変換器21aの入力端子に接続され、各スイッチ51,52,53の接点cはA/D変換器21bの入力端子に接続される。ここで、各スイッチ51,52,53は、3本のアンテナ素子41,42,43のうちいずれか2本のアンテナ素子をA/D変換器21a,21bに接続するとともに、残りのアンテナ素子を無給電素子(61,62,63のいずれか1つ)に接続するように制御される。なお、コントローラ24は、第1の実施形態と同様に動作する。
以上のように構成された第5の実施形態に係る無線通信装置11Bにおいても、第1の実施形態と同様に、3つのアンテナ素子41,42,43の少なくとも2本のアンテナ素子の垂直面指向性利得の差を利用することにより、自由度以上のヌルを形成することができ、干渉波に対して抑圧効果が得られる。すなわち、所望波及び干渉波の到来方向が変化した場合でも、従来技術に比較して高い信号品位を有するディジタルデータ信号を得ることができる。
また、例えば、特定のアンテナ素子にユーザの指が触れた場合にでも、残りのアンテナ素子を用いてアダプティブ動作することができ、信号品質の劣化を抑えることができる。これは、例えばユーザの指や頭部といった人体の一部や、かばん等の障害物がアンテナ素子に近接した場合に特に有効である。特に、使用状況においてそれぞれの放射特性が時間的に変化するため、アダプティブ制御によるC/(N+I)改善効果も変動することが予想される。この場合、複数の選択肢を用意して最も信号品位が高いものを選択することで信号品位の劣化を抑えることができる。また、アダプティブ非制御時において、一部又は全てのアンテナ素子におけるアンテナ単体時の信号品位と、アダプティブ制御時の信号品位とを比較して信号品位の高い方を選択することにより、信号品位の劣化を抑えることができる。
第5の実施形態においては、アンテナ素子41の電気長をL1とし、アンテナ素子42の電気長をL1とし、アンテナ素子43の電気長をL2(ここで、電気長L1,L2の設定値は第1の実施形態で説明した設定範囲に設定される。)としているが、本発明はこれに限らず、以下のように設定しても、3つのアンテナ素子うちの少なくとも2本のアンテナ素子の垂直面指向性利得の差を利用することにより、自由度以上のヌルを形成することができ、干渉波に対して抑圧効果が得られる。
(I)アンテナ素子41の電気長をL1とし、アンテナ素子42の電気長をL1’(≠L1)とし、アンテナ素子43の電気長をL2とする。ここで、電気長L1’は第1の実施形態での電気長L1の設定範囲に設定される。
(II)アンテナ素子41の電気長をL1とし、アンテナ素子42の電気長をL2とし、アンテナ素子43の電気長をL2’(≠L2)とする。ここで、電気長L2及びL2’は第1の実施形態での電気長L2の設定範囲に設定される。なお、これら2つの電気長L2,L2’は互いに同一になるように設定してもよい。
(III)アンテナ素子41の電気長をL1とし、アンテナ素子42の電気長をL1’(≠L1)とし、アンテナ素子43の電気長をL1”(≠L1でかつ≠L1’)とする。ここで、電気長L1’及びL1”は第1の実施形態での電気長L1の設定範囲に設定される。なお、これら3つの電気長L1,L1’,L1”はそれらの少なくとも2つが異なるように設定してもよい。
以上の実施形態においては、3本のアンテナ素子の場合について説明したが、本発明はこれに限らず、4本以上のアンテナ素子であってもよい。
以上の実施形態においては、2系統の回路を備えているが、本発明はこれに限らず、3系統以上の回路を備えてもよい。
以上の実施形態においては、アダプティブ制御時と、アダプティブ非制御時とにおける各信号品位を比較してより、最良の信号品位を有する信号を選択する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、アダプティブ制御方法についてはこれに限定されず、上述の種々のアダプティブ制御方法を用いてもよい。
以上詳述したように、本発明に係るアダプティブアンテナ装置によれば、λ/2(ここで、λは無線信号の波長である。)を超えかつ所定の上限波長以下の電気長L1を有する第1のアンテナ素子と、
所定の下限波長以上でかつλ/2以下の電気長L2を有する第2のアンテナ素子とを含む少なくとも2本のアンテナ素子を備えたアダプティブアンテナ装置であって、
上記第1と第2のアンテナ素子により受信された各無線信号に基づいて、上記各無線信号の振幅と位相のうちの少なくとも一方を調整することにより、実質的に干渉波方向に対して複数のヌルを含む上記アダプティブアンテナ装置の放射パターンを形成するように上記アダプティブアンテナ装置をアダプティブ制御する制御手段を備える。
また、別の本発明に係るアダプティブアンテナ装置によれば、λ/2(ここで、λは無線信号の波長である。)を超えかつ所定の上限波長以下の電気長L1,L1’,L1”をそれぞれ有する少なくとも3本の第1のアンテナ素子を備えたアダプティブアンテナ装置であって、
上記各第1のアンテナ素子により受信された各無線信号に基づいて、上記各無線信号の振幅と位相のうちの少なくとも一方を調整することにより、実質的に干渉波方向に対して複数のヌルを含む上記アダプティブアンテナ装置の放射パターンを形成するように上記アダプティブアンテナ装置をアダプティブ制御する制御手段を備え、
上記電気長L1,L1’,L1”のうちの少なくとも2つは互いに異なるように設定される。
以上のように構成することにより、従来技術に比較して少数のアンテナ素子で放射パターンにおいて複数のヌルを形成することができるアダプティブアンテナ装置とそれを用いた無線通信装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた無線通信装置11の構成及びアンテナ素子13,14の長手方向の位置に対する電流分布を示す斜視図である。 図1の無線通信装置11の無線通信回路110の構成を示すブロック図である。 図1のアダプティブアンテナ装置における各アンテナ素子13,14をそれぞれダイポールアンテナ13A,14Aに置き換えたときのアダプティブアンテナ装置の実施例を示す平面図である。 図3のアダプティブアンテナ装置のシミュレーション結果であって、そのダイポールアンテナの全長を変化したときの放射パターンの変化を示す図である。 図3のアダプティブアンテナ装置のシミュレーション結果であって、L1=L2=(1/4)λのときに、方位角180度の所望波と、方位角15度の第1の干渉波と、方位角−15度の第2の干渉波とが入射したときアダプティブ制御後のZ−X面内の放射パターンを示す図である。 図3のアダプティブアンテナ装置のシミュレーション結果であって、L1=(3/4)λ及びL2=(1/4)λのときに、方位角180度の所望波と、方位角15度の第1の干渉波と、方位角−15度の第2の干渉波とが入射したときアダプティブ制御後のZ−X面内の放射パターンを示す図である。 図3のアダプティブアンテナ装置のシミュレーション結果であって、L1=(3/4)λ及びL2=(5/4)λのときに、方位角180度の所望波と、方位角15度の第1の干渉波と、方位角−15度の第2の干渉波とが入射したときアダプティブ制御後のZ−X面内の放射パターンを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた無線通信装置11Aの構成及びアンテナ素子13の長手方向の位置に対する電流分布を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた折り畳み型携帯無線通信装置の開状態を示す平面図である。 図9の折り畳み型携帯無線通信装置の側面図である。 図9及び図10の折り畳み型携帯無線通信装置において用いるヒンジ部503を示す斜視図である。 図11のヒンジ部503に接続される嵌合円筒部材505及び、それに接続されるアンテナ素子504を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた折り畳み型携帯無線通信装置の開状態を示す平面図である。 図13の折り畳み型携帯無線通信装置の側面図である。 本発明の第5の実施形態に係るアダプティブアンテナ装置を備えた無線通信装置11Bの構成アンテナ素子41,42,43の長手方向の位置に対する電流分布を示す斜視図である。 図15の無線通信装置11Bの無線通信回路110Aの回路構成を示すブロック図である。 第1の従来技術に係る移動端末用アンテナ装置の構成を示すブロック図である。 第2の従来技術に係る移動通信用基地局アンテナ装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
11,11A,11B…無線通信装置、
12…筐体、
13,14,13a,13b,14a,14b…アンテナ素子、
13A,14A…ダイポールアンテナ、
21a,21b…A/D変換器、
22,23…スイッチ、
24…コントローラ、
25…アダプティブ制御回路、
26a,26b…振幅調整回路、
27a,27b…移相器、
28…復調器、
29…信号合成器、
31…板状逆Fアンテナ、
32…給電線、
32a…給電点、
33…短絡線、
33a…短絡点、
41,42,43…アンテナ素子、
51,52,53…スイッチ、
61,62,63…無給電素子、
102…上側筐体、
102a…上側第1筐体部、
102b…上側第2筐体部、
103…下側筐体、
103p…左上縁端部、
103q…右上縁端部、
105…液晶ディスプレイ、
106…音孔部、
107…マイクロホン、
108…充電池、
109…プリント配線基板、
110,110A…無線通信回路、
111,132…接続部、
113,114…ネジ、
121…内蔵アンテナ素子、
122…接続部、
503…ヒンジ部、
503a…円筒部、
503b,503c…脚部、
504…アンテナ素子、
505…嵌合円筒部材。

Claims (11)

  1. λ/2(ここで、λは無線信号の波長である。)を超えかつ所定の上限波長以下の電気長L1を有する第1のアンテナ素子と、
    所定の下限波長以上でかつλ/2以下の電気長L2を有する第2のアンテナ素子とを含む少なくとも2本のアンテナ素子を備えたアダプティブアンテナ装置であって、
    上記第1と第2のアンテナ素子により受信された各無線信号に基づいて、上記各無線信号の振幅と位相のうちの少なくとも一方を調整することにより、実質的に干渉波方向に対して複数のヌルを含む上記アダプティブアンテナ装置の放射パターンを形成するように上記アダプティブアンテナ装置をアダプティブ制御する制御手段を備えたことを特徴とするアダプティブアンテナ装置。
  2. λ/2を超えかつ所定の上限波長以下の電気長L1,L1’をそれぞれ有する少なくとも2本の第1のアンテナ素子と、
    上記第2のアンテナ素子とを含む少なくとも3本のアンテナ素子を備え、
    上記電気長L1と上記電気長L1’は互いに同一又は異なることを特徴とする請求項1記載のアダプティブアンテナ装置。
  3. 上記第1のアンテナ素子と、
    所定の下限波長以上でかつλ/2以下の電気長L2,L2’をそれぞれ有する少なくとも2本の第2のアンテナ素子とを含む少なくとも3本のアンテナ素子を備え、
    上記電気長L2と上記電気長L2’は互いに同一又は異なることを特徴とする請求項1記載のアダプティブアンテナ装置。
  4. λ/2(ここで、λは無線信号の波長である。)を超えかつ所定の上限波長以下の電気長L1,L1’,L1”をそれぞれ有する少なくとも3本の第1のアンテナ素子を備えたアダプティブアンテナ装置であって、
    上記各第1のアンテナ素子により受信された各無線信号に基づいて、上記各無線信号の振幅と位相のうちの少なくとも一方を調整することにより、実質的に干渉波方向に対して複数のヌルを含む上記アダプティブアンテナ装置の放射パターンを形成するように上記アダプティブアンテナ装置をアダプティブ制御する制御手段を備え、
    上記電気長L1,L1’,L1”のうちの少なくとも2つは互いに異なることを特徴とするアダプティブアンテナ装置。
  5. 上記下限波長は、λ/4、λ/8又はλ/16であることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
  6. 上記上限波長は、10λ、3λ又はλであることを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
  7. 上記各アンテナ素子は、非平衡型アンテナ又は平衡型アンテナであることを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
  8. 上記各アンテナ素子のうちの少なくとも1本のアンテナ素子は、板状逆Fアンテナであることを特徴とする請求項1乃至7のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
  9. 上記各アンテナ素子のうちの少なくとも1本のアンテナ素子は、上記アダプティブアンテナ装置の筐体の少なくとも一部が導電性材料にて形成されてなるアンテナ素子であることを特徴とする請求項1乃至8のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
  10. 上記制御手段は、上記複数のアンテナ素子を用いてアダプティブ制御したときの無線信号の信号品位と、上記各アンテナ素子を単独で用いてアダプティブ制御しないときの無線信号の各信号品位とを比較して、最良の信号品位を有する場合を設定するように上記アダプティブアンテナ装置を制御することを特徴とする請求項1乃至9のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置。
  11. 請求項1乃至10のうちのいずれか1つに記載のアダプティブアンテナ装置と、
    上記アダプティブアンテナ装置により受信された無線信号を送受信する無線通信回路とを備えたことを特徴とする無線通信装置。
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