JP2009036822A - レンズ固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外周の一部がカットされたレンズを固定したときに、レンズ鏡筒内部の気密性を保持する。
【解決手段】レンズ2は、本体部2a、フランジ部2bを備える。フランジ部2bの後面の外周部に、フランジ凸部2eを全周に亘って形成する。レンズ2をフランジ部2bの一部を含めてカットして略D字状にする。フランジ部2bの外周面には、円形外周面2c、カット外周面2dが形成される。レンズ鏡筒3の内周面3aに、受け部3bを形成する。フランジ部2bの径が6mmのレンズ2を、フランジ部2bを受け部3bに載せ、レンズ鏡筒3を回転させながら、吐出口5cの径が2mmのディスペンサー5により、円形外周面2c及びカット外周面2dの全範囲に、粘度が100000CPS接着剤12を塗布する。隙間Gは、接着剤12により埋められる。
【選択図】図7
【解決手段】レンズ2は、本体部2a、フランジ部2bを備える。フランジ部2bの後面の外周部に、フランジ凸部2eを全周に亘って形成する。レンズ2をフランジ部2bの一部を含めてカットして略D字状にする。フランジ部2bの外周面には、円形外周面2c、カット外周面2dが形成される。レンズ鏡筒3の内周面3aに、受け部3bを形成する。フランジ部2bの径が6mmのレンズ2を、フランジ部2bを受け部3bに載せ、レンズ鏡筒3を回転させながら、吐出口5cの径が2mmのディスペンサー5により、円形外周面2c及びカット外周面2dの全範囲に、粘度が100000CPS接着剤12を塗布する。隙間Gは、接着剤12により埋められる。
【選択図】図7
Description
本発明は、レンズ固定方法に関し、詳しくは接着剤の塗布に関するものである。
カメラ等に用いられるレンズは、金型を用いた射出成形により成形された樹脂により構成されており、レンズをレンズ鏡筒に固定するときには、接着剤を用いて固定している(例えば、特許文献1参照)。
射出成形では、レンズと成形材料の供給路であるスプールランナーとがゲートを介してつながった形で形成される。ゲートをカットしてレンズとスプールランナーとを切り離しても、切断跡が残るため、ゲート跡を含むレンズの外周部の一部をカットして、円形状のレンズをD字状にしている。Dカットされたレンズを、レンズ鏡筒に固定するときには、レンズをレンズ鏡筒の受け部に載せた後、ディスペンサーにより、レンズの外周面に接着剤を塗布して、接着剤により固定する。
また、レンズをレンズ鏡筒の受け部に載せる場合には、レンズの外周部に全周に亘って形成された凸部を、レンズ鏡筒の受け部に載せている。上記Dカット時には、凸部の一部もカットされる。
特開平7−159663号公報
レンズをDカットする時に凸部の一部もカットされるため、レンズのDカットされた部分とレンズ鏡筒の受け部との間には隙間が生じる。このため、隙間からレンズ鏡筒内部にゴミが入ってしまうという問題があった。さらには、レンズ鏡筒の気密性が悪く、隙間から水分を含む空気が侵入した場合には、レンズ鏡筒内部が曇ってしまうという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、外周の一部が切りかかれたレンズを固定するときにも、レンズ鏡筒内部の気密性を保持することができるレンズ固定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のレンズ固定方法は、外周部に凸部が形成され、前記凸部を含む外周の一部が切り欠かれたレンズを、接着剤によりレンズ鏡筒に固定するレンズ固定方法において、前記レンズを前記レンズ鏡筒の内部に挿入して前記凸部を前記レンズ鏡筒に設けられた受け部に載せ、前記レンズの外周面の全範囲に、液体を吐出可能なディスペンサーにより前記接着剤を塗布することを特徴とする。
また、前記レンズの径が6〜150mmのときに、前記ディスペンサーの前記接着剤を吐出する吐出口の径を0.7〜2.4mmとし、前記接着剤の粘度を30000〜200000CPS(センチポアズ)とすることが好ましい。なお、前記接着剤は、紫外線により硬化するものが好ましく、前記接着剤の粘度は、紫外線により硬化する前の粘度である。
さらに、前記レンズ鏡筒を回転させながら前記接着剤を塗布することが好ましい。なお、前記レンズ鏡筒を回転させたときには、前記レンズも一緒に回転するものである。
また、前記レンズを、金型を用いて射出成形された樹脂により構成し、射出成形により前記レンズの外周面に形成されたゲート部をカットして、前記切り欠かれた部分を形成することが好ましい。
本発明のレンズ固定方法によれば、レンズの外周面の全範囲に接着剤を塗布するから、レンズの切りかかれた部分とレンズ鏡筒の受け部との隙間を接着剤で埋めることができる。これにより、レンズ鏡筒内部の気密性を保持することができる。
また、レンズの径が6〜150mmのときに、ディスペンサーの吐出口の径を0.7〜2.4mmとし、接着剤の粘度を30000〜200000CPSとすることにより、確実に、上記隙間を埋めることができる。
図1及び図2に示すように、レンズ2は、レンズ鏡筒3に固定されるものであり、金型を用いて射出成形された樹脂により構成されている。レンズ2は、本体部2aと、フランジ部2bとを備える。フランジ部2bの外周面には、射出成形時にゲートが形成される。レンズ2をレンズ鏡筒3に固定する前に、ゲートをレンズ2側の根元からカットし、さらに、ゲート跡をカットして、レンズ2を略D字状にする。このため、フランジ部2bの外周面には、円形部分の外周面としての円形外周面2cと、カットされた部分の外周面としてのカット外周面2dとが形成される。本実施形態では、フランジ部2bの円形部分の径が6mmのレンズ2を用いる。
フランジ部2bの後面(図1及び図2における下面)の外周部には、フランジ凸部2eが全周に亘って形成されている。上記ゲート跡のカット時に、フランジ部2bの一部もカットされる。
レンズ鏡筒3は円筒状に形成され、その内径が、フランジ部2bの外径よりも若干大きくなるように形成されている。レンズ鏡筒3の内周面3aには、レンズ2が載せられる受け部3bが形成されている。また、受け部3bには、フランジ凸部2eを受け部3bの上に載せたときに、本体部2aの上下方向の中心軸とレンズ鏡筒3の上下方向の中心軸とが同軸となるように、レンズ2の径方向の位置決めを行う位置決め凸部(図示せず)が形成されている。これにより、円形外周面2cと内周面3aとの隙間は、一定となる。
上記ゲート跡のカット時に、フランジ部2bの一部もカットされるため、図2(B)に示すように、レンズ2のDカットされた部分では、レンズ2と受け部3bとの間には隙間Gが生じる。
図3に示すように、レンズ2をレンズ鏡筒3に固定するときには、接着装置4を用いて行う。接着装置4は、ディスペンサー5が先端に取り付けられ、左右方向に移動自在に設けられた温調機6と、レンズ鏡筒3を保持する保持台7と、保持台7を移動及び回転自在に支持する支持台8とを備える。接着装置4は、保持台7を上下方向に移動させるとともに回転させる移動回転機構9と、温調機6を左右方向に移動させる移動機構10と、各機構9,10の駆動を制御する制御部11とを備える。
温調機6の内部には、硬化する前の粘度が100000CPSの紫外線硬化タイプの接着剤12(図6及び図7参照)が格納されており、温度を調整した接着剤12をディスペンサー5に送る。温調機6は、ディスペンサー5により接着剤12を塗布する図4及び図5に示す塗布位置と、塗布位置から退避した図3に示す退避位置との間で移動自在に設けられている。図6に示すように、温調機6は、塗布位置に位置するときには、ディスペンサー5が吐出位置SPで接着剤12を吐出するように設けられている。
図2及び図3に示すように、ディスペンサー5は、接着剤12が格納される格納部5aと、格納部5aに連結されたノズル5bとを備える。ディスペンサー5は、制御部11に接続されており、制御部11により駆動が制御される。ディスペンサー5により接着剤12を塗布するときには、制御部11は、格納部5aに設けられた吐出機構(図示せず)を駆動して、一定の吐出圧(例えば、4Kg/cm2)でノズル5bの吐出口5cから接着剤12を吐出させる。本実施形態では、吐出口5cの径が2mmのディスペンサー5が用いられる。なお、吐出圧は、3〜5Kg/cm2であれば適宜変更可能である。
図3に示すように、保持台7は、レンズ鏡筒3を位置決め及び保持するものであり、レンズ鏡筒3が挿入される挿入凹部7aが形成され、挿入凹部7aには、位置決め部7bが形成されている。位置決め部7bは、挿入凹部7aに挿入されたレンズ鏡筒3の上下方向の中心軸が、保持台7の上下方向の中心軸と同軸となるように位置決めする。保持台7の内部には、挿入凹部7aに挿入されたレンズ鏡筒3を吸着する吸着部15が設けられている。吸着部15は、制御部11に接続されており、制御部11により駆動が制御される。吸着部15によりレンズ鏡筒3を吸着すると、レンズ鏡筒3は保持台7に保持される。これにより、保持台7が回転すると、レンズ鏡筒3も一緒に回転する。保持台7は、ディスペンサー5に近接する図5に示す上位置と、上位置から下方に退避した図3及び図4に示す下位置との間で移動自在に設けられている。
支持台8には、スタートスイッチ17が設けられ、スタートスイッチ17は、制御部11に接続されている。オペレータが、スタートスイッチ17を押圧すると、制御部11にスタート信号が入力され、制御部11は、スタート信号が入力されたことに応答して、ディスペンサー5及び各機構9,10の駆動を制御して、接着剤12の塗布を行う。
レンズ2をレンズ鏡筒3に固定するときには、図2(B)及び図3に示すように、レンズ鏡筒3を、保持台7の挿入凹部7aに挿入した後、フランジ部2bを受け部3bに載せる。このとき、オペレータは、図6(A)に示すように、カット外周面2dが左側を向くように、レンズ2を位置決めしてレンズ鏡筒3に載せる。この状態で、オペレータが、スタートスイッチ17を押圧すると、図4に示すように、制御部11は、移動機構10を駆動して、温調機6を塗布位置に移動させる。次に、図5に示すように、制御部11は、吸着部15を駆動してレンズ鏡筒3を吸着した後、移動回転機構9を駆動して、保持台7を上位置に移動させる。
そして、図6及び図7に示すように、制御部11は、移動回転機構9を駆動して、保持台7とともにレンズ鏡筒3を図6中矢印方向に回転させながら、ディスペンサー5を駆動して、接着剤12を吐出させるように制御する。
制御部11は、レンズ鏡筒3が1回転されたことに応じて、ディスペンサー5の駆動を停止して、接着剤12の吐出を停止する制御を行う。これにより、円形外周面2c及びカット外周面2dの全範囲に、接着剤12を塗布することができる。なお、図7においては、保持台7及び支持台8の図示を省略している。また、接着装置4には、紫外線照射機(図示せず)が設けられている。この紫外線照射機は、接着剤12を塗布してから60秒以内に紫外線を照射するようにされており、接着剤12は、照射された紫外線により硬化する。
接着剤12は、粘度が100000CPSであるため、カット外周面2dと内周面3aとの間に吐出された接着剤12は、隙間Gから流れ出ることがなく、隙間Gを埋めるようにして硬化する。
制御部11は、ディスペンサー5の駆動を停止した後、移動回転機構9の駆動を停止して、保持台7の回転を停止する。次に、制御部11は、移動回転機構9を駆動して、保持台7を下位置に移動させた後、吸着部15によるレンズ鏡筒3の吸着を解除する。そして、制御部11は、移動機構10を駆動して、温調機6を退避位置に移動させる。
[レンズ固定]
接着装置4を用いて、フランジ部2bの円形部分の径が6mmのレンズ2を、レンズ鏡筒3に固定する。移動回転機構9を駆動して、保持台7とともにレンズ鏡筒3を回転させながら、ディスペンサー5により、接着剤12を、円形外周面2c及びカット外周面2dの全範囲に塗布する。ディスペンサー5による吐出圧は、4Kg/cm2とした。
接着装置4を用いて、フランジ部2bの円形部分の径が6mmのレンズ2を、レンズ鏡筒3に固定する。移動回転機構9を駆動して、保持台7とともにレンズ鏡筒3を回転させながら、ディスペンサー5により、接着剤12を、円形外周面2c及びカット外周面2dの全範囲に塗布する。ディスペンサー5による吐出圧は、4Kg/cm2とした。
実施例1では、粘度が100000CPSの紫外線硬化タイプの接着剤12を使用し、吐出口5cの径が2mmのディスペンサー5を使用した。そして、接着剤12によるレンズ2の固定状態を目視により確認し、レンズ2がしっかりと固定され、本体部2aに接着剤12の付着がなく、隙間Gが接着剤12で埋められるとともに接着剤12が隙間Gから液ダレしていない場合に○とし、それ以外を×とした。以下、実施例1に対して、接着剤12の粘度、吐出口5cの径を代えて、比較例1〜4を得た。その他の成形条件は、実施例1と同じにした。この実験の結果を表1に示す。
本実験の結果、実施例1では、レンズ2がしっかりと固定され、隙間Gが接着剤12で埋められ、且つ、接着剤12が隙間Gから液ダレしていなかった。さらに、本体部2aに接着剤12が付着することがなかった。
比較例1では、接着剤12の粘度が実施例1に比べて高いため、吐出口5cの径が2mmのディスペンサー5では、接着剤12を吐出することができずに、レンズ2をレンズ鏡筒3に固定することができなかった。
比較例2では、接着剤12の粘度が実施例1に比べて低いため、接着剤12が隙間Gから液ダレしてしまい、さらには、隙間Gを接着剤12で埋めることができなかった。
比較例3では、吐出口5cの径が実施例1に比べて大きいため、接着剤12を塗布するときに、フランジ部2bの表面にも接着剤12が吐出されてしまい、本体部2aに接着剤12が付着してしまった。
比較例4では、吐出口5cの径が実施例1に比べて小さいため、粘度が50000CPSの接着剤12を吐出することができずに、レンズ2をレンズ鏡筒3に固定することができなかった。
また、フランジ部2bの円形部分の径が150mmのレンズ2を、レンズ鏡筒3に固定する場合にも、上記した実験結果と同様の結果を得た。
このように、フランジ部2bの円形部分の径が6mmのレンズ2をレンズ鏡筒3に固定する場合には、粘度が100000CPSの紫外線硬化タイプの接着剤12を、吐出口5cの径が2mmのディスペンサー5により、円形外周面2c及びカット外周面2dの全範囲に塗布するから、接着剤12が隙間Gから液ダレすることなく、接着剤12により隙間Gを埋めることができる。これにより、レンズ鏡筒3の内部の気密性を保持することができる。
なお、上記実施形態では、樹脂製のレンズ2をレンズ鏡筒3に固定したが、外周部の一部が切り欠かれたガラスレンズを、レンズ鏡筒3に固定する場合にも、本発明は効果的である。
また、上記実施形態では、フランジ凸部2eを受け部3bに載せたが、フランジ凸部2eを形成せずに、フランジ部2bの後面を受け部3bに載せる場合、特に、受け部3bが、レンズ2をレンズ鏡筒3にセットしたときに、カット外周面2dと受け部3bの内周面との間に、径方向において隙間が生じるような径で形成されている場合にも、カット外周面2dに塗布された接着剤12により上記隙間を埋めることができる。これにより、レンズ鏡筒3の内部の気密性を保持することができる。なお、上記隙間の量に応じて、接着剤12の粘度を適宜変更するものである。
さらに、受け部3bを設けずに、レンズ2をレンズ鏡筒3に挿入したときに、円形外周面2cが内周面3aに当接してレンズ2の径方向の位置決めが行われるようにし、カット外周面2dと内周面3aとの間に、径方向において隙間が生じる場合にも、カット外周面2dに塗布された接着剤12により上記隙間を埋めることができる。これにより、レンズ鏡筒3の内部の気密性を保持することができる。なお、上記隙間の量に応じて、接着剤12の粘度を適宜変更するものである。
2 レンズ
2a 本体部
2b フランジ部
2c 円形外周面
2d カット外周面
2e フランジ凸部
3 レンズ鏡筒
3a 内周面
3b 受け部
4 接着装置
5 ディスペンサー
5a 格納部
5b ノズル
5c 吐出口
11 制御部
12 接着剤
2a 本体部
2b フランジ部
2c 円形外周面
2d カット外周面
2e フランジ凸部
3 レンズ鏡筒
3a 内周面
3b 受け部
4 接着装置
5 ディスペンサー
5a 格納部
5b ノズル
5c 吐出口
11 制御部
12 接着剤
Claims (4)
- 外周部に凸部が形成され、前記凸部を含む外周の一部が切り欠かれたレンズを、接着剤によりレンズ鏡筒に固定するレンズ固定方法において、
前記レンズを前記レンズ鏡筒の内部に挿入して前記凸部を前記レンズ鏡筒に設けられた受け部に載せ、
前記レンズの外周面の全範囲に、液体を吐出可能なディスペンサーにより前記接着剤を塗布することを特徴とするレンズ固定方法。 - 前記レンズの径が6〜150mmのときに、前記ディスペンサーの前記接着剤を吐出する吐出口の径を0.7〜2.4mmとし、前記接着剤の粘度を30000〜200000CPSとしたことを特徴とする請求項1記載のレンズ固定方法。
- 前記レンズ鏡筒を回転させながら前記接着剤を塗布することを特徴とする請求項1または2記載のレンズ固定方法。
- 前記レンズを、金型を用いて射出成形された樹脂により構成し、
射出成形により前記レンズの外周面に形成されたゲート部をカットして、前記切り欠かれた部分を形成したことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載のレンズ固定方法。
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2007
- 2007-07-31 JP JP2007198827A patent/JP2009036822A/ja active Pending
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