JP2009036469A - 焼却灰の溶融設備およびその溶融方法 - Google Patents

焼却灰の溶融設備およびその溶融方法 Download PDF

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Shigeyoshi Tagashira
成能 田頭
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由章 清水
Koji Sunada
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Abstract

【課題】灰溶融炉内の溶融スラグ層を覆う溶融塩層を形成する塩類を効果的に除去することを可能ならしめる焼却灰の溶融設備を提供する。
【解決手段】上部にノントランスファー型プラズマトーチ4を備え、側部に設けられた灰投入口3dから投入された都市ごみや産業廃棄物の焼却灰Asを溶融し、焼却灰Asの溶融により生成された溶融スラグを前記灰投入口3dの反対側に設けられた出滓口3fから排出する灰溶融炉3を備えると共に、焼却灰Asの溶融により発生する排ガスを、排ガス処理機器類が介装され、前記灰溶融炉3から煙突13に連通する排ガスダクト9を介して大気中に放出する焼却灰の溶融設備1において、前記灰溶融炉3の上部に、この灰溶融炉3の溶融スラグ層5を覆う溶融塩層6に、液体状態で接触させる水を自然滴下させる水滴下ポート7aを備えた水供給管7を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼却灰の溶融設備およびその溶融方法の改善に係り、より詳しくは、溶融設備を構成する灰溶融炉内の溶融スラグ層を覆う溶融塩層を形成する塩類を効果的に除去することを可能ならしめるようにした焼却灰の溶融設備およびその溶融方法に関する。
都市ごみおよび/または産業廃棄物等の廃棄物を焼却炉で焼却するに際して焼却灰(焼却炉から排出される焼却残渣および排ガス処理過程で排出される飛灰)が発生するが、焼却灰の多くは最終処分場において埋め立て処分されていた。ところが、最終処分場の確保が次第に困難になり、また有害重金属類の溶出による地下水汚染等の環境問題が発生したため、近年では、焼却灰を溶融することにより減容化処理すると共に、無害化処理するようにしている。
ところが、焼却灰には、NaClやKCl等の塩類が含まれている関係上、焼却灰の溶融設備を構成する灰溶融炉の内張耐火物に焼却灰の溶融時に生じる溶融塩層の溶融塩の浸透によりスポーリング現象等が発生するため、内張耐火物の損耗増により寿命が低下するという問題があった。また、電気を溶融熱源とするトランスファー型プラズマ方式、アーク方式の溶融炉では電気のショートパスが発生して焼却灰の溶融に投入電力が有効に使用されずランニングコストが嵩むという問題や、ショートパスにより電極に損傷を与える恐れがあった。そのため、溶融塩層をできるだけ少なくするようにして、灰溶融炉の内張耐火物の寿命の延長を図ると共に、投入電力の有効利用を図るようにしたものがある。
以下、従来例に係る灰溶融炉の概要を、灰溶融炉内の塩排出方法に使用する灰溶融炉の概要図の図3を参照しながら説明する。図に示す符号51は、炉壁51aと炉底51bと炉蓋51cとを備えた直流式の電気抵抗式灰溶融炉(以下、灰溶融炉という)である。前記炉蓋51cには、上部電極(主電極)52が昇降可能に貫通しており、前記炉底51bには下部電極53が設けられている。これら上部電極(主電極)52と下部電極53とは、電源64の陽極と陰極とに接続されており、直流が通電されるように構成されている。
また、灰溶融炉51の底部51b付近の側面に溶融スラグ66を排出する出滓口54が設けられると共に、前記炉蓋51c付近に灰溶融炉51内で発生した排ガスを排出する排ガス排出口55が斜め上向きに突設されている。この排ガス排出口55から排出された排ガス65は、図示しない処理装置に送られて処理されるようになっている。
前記灰溶融炉51内の底側には溶融スラグ層56が形成され、この溶融スラグ層56の上部に、溶融塩層57が形成されている。溶融塩層57の上には、駆動用モータ61により駆動されるスクリューフィーダ60から供給され、炉蓋51cに斜め上向きに設けられた灰投入口59から投入された未溶融の灰層58が山状に堆積した状態で浮遊しており、前記溶融塩層57からの入熱によって溶融するようになっている。また、前記炉蓋51cには空気供給管62が、また前記炉壁51aには空気供給管63が貫通しており、灰溶融炉51内に空気が吹き込まれるように構成されている。この場合、前記空気供給管62,63から、水蒸気または水滴を吹き込んでもよいと説明されている。
前記スクリューフィーダ60の上に突出してなるものは、灰ホッパ67である。また、前記スクリューフィーダ60の前記灰投入口59の接続側の上に突設されてなるものは砂(珪素を含む)投入口68であり、この砂投入口68から灰溶融炉51内に砂69を投入することにより、溶融スラグの塩基度(CaO/SiO)が、例えば1.5以下になるように調節される。
この従来例に係る灰溶融炉51によれば、前記空気供給管62,63から、灰溶融炉51内の溶融塩層57の上部に滞留している塩の蒸気中に空気を吹き込んで塩の蒸気を炉外に排出することにより、下記の効果を得ることができる。
(1)灰溶融炉51の内張耐火物の寿命の向上を図ることができる。
(2)塩類のスラグ中への移行が減少するため、スラグの有効活用が図れる。
(3)電気のショートパスの発生が防止されるので、投入電力の有効利用が図れる。
なお、排ガス排出口55から排出された排ガス65は、径が十分に大きく設定されてなる排ガスダクトを通って、図示しない排ガス処理装置で処理される。塩の蒸気は、排ガスダクトの壁面に付着して凝固するが、凝固した塩は排ガスダクトの壁面から機械的に除去される(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−278969号公報
上記従来例に係る灰溶融炉51によれば、前記空気供給管62,63から、灰溶融炉51内の溶融塩層57の上部に滞留している塩の蒸気中に空気を吹込んで塩の蒸気を、吹込んだ空気に随伴させて炉外に排出することができるので、それなりに有用であると考えられる。しかしながら、この従来例に係る灰溶融炉には、後述するような解決すべき課題がある。
(1)上記従来例に係る灰溶融炉によれば、排ガスの量が増えると共に、ダクトの内壁に凝固塩が付着するため、後工程の処理設備を大型にする必要があり、イニシャルコスト、ランニングコストに関して不利になる。
(2)空気等の吹込みにより溶融スラグ層や溶融塩層が波打つため、灰溶融炉の内張耐火物の損傷速度が増大する。
(3)塩の蒸気は灰溶融炉外に排出され続けるのであるが、塩の蒸発と平行して溶融塩も生成され続けるので、焼却灰が溶融し続けられる限り、灰溶融炉内には必ず溶融塩層が存在する。従って、電気を溶融熱源とするトランスファー型プラズマ方式、アーク方式や抵抗加熱方式の灰溶融炉では、表層の溶融塩層を経由する電気のショートパスを完全になくすることができないから、投入電力の有効利用率が低下するので、好ましくない。
従って、本発明の目的は、溶融設備を構成する灰溶融炉内の溶融スラグ層を覆う溶融塩層を形成する塩類を効果的に除去することを可能ならしめる焼却灰の溶融設備およびその溶融方法を提供することである。
発明者らは、炉内の状況を目視により観察することができる試験用の灰溶融炉(炉内平均温度1300℃)を用いて焼却灰の溶融試験を行った際に、焼却灰の溶融により生成される塩類を除去するのに、液体状の水が極めて効果的であるということを目視により確認した。即ち、溶融スラグ層を覆う溶融塩層に液体状の水を接触させると高温の塩類および塩類の蒸気と、水とが下記のように化学反応して、効果的にHClと水酸化物とに分解することを知見して、本発明に係る焼却灰の溶融設備およびその溶融方法を具現するに至ったものである。
(1)塩化ナトリウムの場合:NaCl+HO→NaOH+HCl↑
(2)塩化カリウムの場合 :KCl +HO→KOH +HCl↑
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、従って、上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る焼却灰の溶融設備が採用した手段は、電気式加熱手段を有する灰溶融炉を備えてなる焼却灰の溶融設備において、前記灰溶融炉の上部に、この灰溶融炉内の溶融スラグ層を覆う溶融塩層に、液体状態で接触させる水を自然滴下させる水滴下ポートを備えた水供給管を設けたことを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る焼却灰の溶融設備が採用した手段は、請求項1に記載の焼却灰の溶融設備において、前記水滴下ポートから滴下する水を液体状態で溶融スラグ層を覆う溶融塩層に接触させるために、前記水滴下ポートの口径は5mm以上に設定されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る焼却灰の溶融設備が採用した手段は、請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の焼却灰の溶融設備において、前記電気式加熱手段は、前記灰溶融炉の上部に設けられてなるノントランスファー型プラズマトーチであることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る焼却灰の溶融設備が採用した手段は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の焼却灰の溶融設備において、前記水滴下ポートは、前記灰溶融炉内の前記ノントランスファー型プラズマトーチと、前記出滓口との間の領域に介在する溶融塩層に滴下させる位置に設けられてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る焼却灰の溶融設備が採用した手段は、請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載の焼却灰の溶融設備において、前記水滴下ポートは1以上設けられてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項6に係る焼却灰の溶融方法が採用した手段は、電気式加熱手段を有する灰溶融炉による焼却灰の溶融方法において、前記灰溶融炉の炉内上部に設けた水滴下ポートから前記灰溶融炉内の溶融スラグ層を覆う溶融塩層に水を自然滴下させ、液体状態の水と溶融塩層を形成する溶融塩を化学反応させて塩化水素ガスを発生させることにより溶融塩を炉外に排出させることを特徴とするものである。
本発明の請求項7に係る焼却灰の溶融方法が採用した手段は、請求項6に記載の焼却灰の溶融方法において、前記水を5mm以上に設定された口径の水滴下ポートから滴下させ、液体状態で前記溶融塩層に接触させることを特徴とするものである。
本発明の請求項8に係る焼却灰の溶融方法が採用した手段は、請求項6または7のうちの何れか一つの項に記載の焼却灰の溶融方法において、前記水を前記灰溶融炉内の前記ノントランスファー型プラズマトーチと、前記出滓口との間の領域に介在する溶融塩層に滴下させることを特徴とするものである。
本発明の請求項9に係る焼却灰の溶融方法が採用した手段は、請求項6乃至8のうちの何れか一つの項に記載の焼却灰の溶融方法において、前記水滴下ポートから、焼却灰の溶融により生成される溶融塩を化学反応により分解させるために、前記焼却灰1トン当り5リットル以上の水を滴下させることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る焼却灰の溶融設備、請求項6に係る焼却灰の溶融方法によれば、水滴下ポートから水が、灰溶融炉内の溶融スラグ層を覆う溶融塩層に液体状態で接触するように自然滴下される。すると、溶融塩層の高温の塩と、水が化学反応してHClと水酸化物に分解し、ガス状になって炉外に排出される。
従って、本発明の請求項1に係る焼却灰の溶融設備、請求項6に係る焼却灰の溶融方法によれば、空気供給管から灰溶融炉内の溶融塩層の上部に滞留している塩の蒸気中に、空気、水蒸気または水滴を吹き込んで塩の蒸気を炉外に排出する従来例に係る灰溶融炉と異なり、排ガスの増加量が少なく、そして凝固塩が排ガスダクトの内壁に付着するようなことがない。また、溶融スラグや溶融塩層が波打ちの程度を少なくすることができるから、下記の効果を得ることができる。
(1)排ガスの増加量が少なく、また凝固塩がダクトの内壁に付着するようなことがないから、後工程の処理設備を大型にする必要がなく、従来例よりもイニシャルコスト、ランニングコストに関して有利になる。
(2)溶融スラグ層や溶融塩層が波打ちの程度を少なくすることができ、灰溶融炉の内張耐火物の損傷速度を遅くすることができるから、メンテナンスコストの削減に寄与することができる。
本発明の請求項2に係る焼却灰の溶融設備、請求項7に係る焼却灰の溶融方法によれば、5mm以上に設定され口径の水滴下ポートから水を滴下させることにより液体状態の水を、溶融スラグ層を覆う溶融塩層に接触させることができる。
本発明の請求項3に係る焼却灰の溶融設備によれば、電気式加熱手段は、灰溶融炉の上部に設けられてなるノントランスファー型プラズマトーチである。従って、アーク方式や抵抗加熱方式の灰溶融炉の場合と異なり、ノントランスファー型プラズマトーチは、トーチ内に両極が配置され、炉底に電極がないため、水滴下による電気のショートパスが発生せず、焼却灰の溶融において有効に電力を使用することができる。
本発明の請求項4に係る焼却灰の溶融設備、請求項8に係る焼却灰の溶融方法によれば、水滴下ポートは、灰溶融炉内のノントランスファー型プラズマトーチと、出滓口との間の領域に介在する溶融塩層に滴下させる位置に設けられていて、確実に溶融した塩からなる溶融塩層に、液体状態の水を接触させることができるから、溶融塩を効果的にHClと水酸化物とに分解することができる。
本発明の請求項5に係る焼却灰の溶融設備によれば、水滴下ポートは1以上設けられているから、予め定めた所定面積当りの溶融塩層に液体状態の水を滴下させることができるため、水が効果的に溶融塩と接触し、その結果として溶融塩層が減少する。
本発明の請求項9に係る焼却灰の溶融方法によれば、水滴下ポートから焼却灰1トン当り5リットル以上の水を滴下させることにより、灰溶融炉内で生成される溶融塩を化学反応により分解させることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る焼却灰の溶融設備を、添付図面を順次参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態に係る焼却灰の溶融設備の模式的系統説明図であり、図2(a)は本発明の実施の形態に係る焼却灰の溶融設備の灰溶融炉の模式的側面断面図であり、図2(b)は本発明の実施の形態に係る焼却灰の溶融設備の灰溶融炉の模式的平面図である。
図に示す符号1は、本発明の実施の形態に係る焼却灰の溶融設備で、この溶融設備1は円胴状の炉壁3aと炉底3bと炉蓋3cとを有する灰溶融炉3を備えている。この灰溶融炉3は、灰ホッパ2a内に投入された焼却灰Asが灰供給装置2から定量ずつ切出されて投入される灰投入口3dを備えており、灰投入口3dから投入された焼却灰Asを、炉蓋3cに設けられ、この炉蓋3cを貫通するノントランスファー型プラズマトーチ(電気式加熱手段)4のプラズマにより加熱して溶融した溶融スラグからなる溶融スラグ層5と、この溶融スラグ層5を覆う溶融塩からなる溶融塩層6とを炉底3bに形成させるように構成されている。
また、前記灰溶融炉3の炉底3bに形成された溶融スラグ層5の溶融スラグは、この灰溶融炉3内に設けられた堰壁3eの下を潜り抜けて、前記炉壁3aの前記灰投入口3dの反対側(図におけるノントランスファー型プラズマトーチ4の右側)に設けられた出滓口3fから排出されるようになっている。つまり、出滓口3fから溶融スラグだけが排出されるように構成されている。
前記炉蓋3cには、図示しない水ポンプで揚水された水を灰溶融炉3内に自然滴下させる5mm以上の口径の水滴下ポート7aに供給する1本の水供給管7が貫通している。
前記水滴下ポート7aから前記溶融塩層6までの間の距離は、灰溶融炉3内にガス流があっても、できる限り水滴が水滴下ポート7aの直下近傍に滴下し得るように、900〜2000mmに設定されている。そして、前記水供給管7は、図2(b)に示すように、ノントランスファー型プラズマトーチ4と、炉内と出滓口3fとを隔てる堰壁3eとの間に設けられている。なお、本実施の形態においては水滴下ポート7aの数は1つであるが、灰溶融炉3内の平面積が広くなるのに応じて数を増やすのが好ましい。また、前記水滴下ポート7aから前記溶融塩層6までの間の距離900〜2000mmは、実稼動中の灰溶融炉によって確認したものである。
前記出滓口3fから排出された溶融スラグは、溶融物搬出装置8により、例えば図示しない冷却水槽に運ばれると共に、冷却水槽の冷却水により冷却された後に冷却水槽から取出され、水冷スラグとしてスラグ貯留場に貯留される。一方、焼却灰の溶融により発生する排ガスと、溶融塩および溶融塩が蒸発した塩の蒸気と、水滴との反応により発生する反応生成ガス(HCl)は、共に炉壁3aに設けられた排ガス排出口3gから排ガスダクト9に流入し、この排ガスダクト9に介装され、消石灰〔Ca(OH)〕が吹込まれるバグフィルタ10、誘引送風機11、脱硝装置12を経て、煙突13から大気中に放出されるように構成されている。なお、本実施の形態においては、前記出滓口3fから排出された溶融スラグは水冷されるが、空冷するようにしても良い。
以下、上記実施の形態に係る焼却灰の溶融設備1に係る使用態様を説明する。即ち、灰ホッパ2aに投入された焼却灰Asは灰供給装置2によって定量ずつ切出されて灰投入口3dから灰溶融炉3内に投入される。灰溶融炉3内に投入された焼却灰Asは、ノントランスファー型プラズマトーチ4によるプラズマ加熱により溶融して溶融スラグとなり溶融スラグ層5として灰溶融炉3の炉底3bに溜められる。一方、焼却灰Asに含まれているNaCl、KCl等の塩類は、ノントランスファー型プラズマトーチ4によるプラズマ加熱により溶融して溶融塩となるが、溶融スラグより低比重であるため、溶融スラグ層5を覆う溶融塩層5が形成されると共に、溶融塩層5の表面上に溶融塩が蒸発した塩の蒸気層が形成される。
そして、前記灰溶融炉3内のノントランスファー型プラズマトーチ4と、灰溶融炉3内と出滓口3gとを隔てる堰壁3eの間の領域に介在する溶融塩層6と、この溶融塩層6の表面を覆う塩の蒸気層に、2つの水供給管7の水滴下ポート7aから滴下される、焼却灰As1トン当たり5リットル以上の水が液体状態で接触する。
この場合には、溶融塩層6は完全に溶融しているのに加えて、焼却灰As1トン当たり5リットル以上という滴下水量は、焼却灰の溶融により生成される溶融塩を化学反応により確実に分解させるに足りる量であるため、焼却灰Asの溶融により生成される溶融塩と塩の蒸気は効果的に、しかも完全に化学反応(NaCl+HO→NaOH+HCl,KCl+HO→KOH+HCl)して分解される。
ところで、焼却灰As1トン当たり5リットル以上という滴下水量は、通常の都市ごみや産業廃棄物に含まれている塩を除去するために、焼却灰As1トン当たり種々の量の水を滴下せるという試験を行った上で決定したものであり、また滴下水量の上限は、例えば必要量以上の水滴下による炉内温度低下によって決定されるものである。従って、塩類の含有量が少ない焼却灰Asを溶融処理する場合には滴下水量が過剰になる場合もあるが、焼却灰の溶融処理の遂行に格別の不都合が生じないことも確認している。なお、灰ホッパ2aに投入する焼却灰Asの塩類の含有量を、例えば化学分析により測定すると共に、その測定データに基づいて水を揚水する水ポンプの回転数を制御する滴下水量制御手段を設けることができる。
化学反応により生成された塩化水素は、焼却灰の溶融によって生じる排ガスと共に排ガス排出口3gから排ガスダクト9に流入し、この排ガスダクト9により消石灰が吹込まれるバグフィルタ10に導入される。そして、バグフィルタ10に導入された塩化水素ガスは消石灰と反応して塩化カルシウム(CaCl)と水(HO)蒸気となり、塩化カルシウムとダストとがバグフィルタ10にセットされてなるバグにより捕捉されて回収される。勿論、排ガス中のダストもバグフィルタ10により捕捉されて回収される。
従って、本発明の実施の形態に係る焼却灰の溶融設備1によれば、空気供給管から灰溶融炉内の溶融塩層の上部に滞留している塩の蒸気中に、空気、水蒸気または水滴を吹き込んで塩の蒸気を炉外に排出する従来例と異なり、排ガスの増加量が少なく、そして凝固塩が排ガスダクトの内壁に付着するようなことがない。また、溶融スラグや溶融塩層の波打ちの程度を少なくすることができるから、下記の効果を得ることができる。
(1)排ガスの増加量が少なく、また凝固塩が排ガスダクトの内壁に付着するようなことがないから、後工程の処理設備を大型にする必要がなく、従来例よりもイニシャルコスト、ランニングコストに関して有利になる。
(2)溶融スラグ層5や溶融塩層6の波打ちの程度を少なくすることができ、灰溶融炉3の内張耐火物の損傷速度を遅くすることができるから、メンテナンスコストの削減に寄与することができる。
(3)ノントランスファー型プラズマトーチ4で焼却灰を溶融する方式であるため、アーク方式や抵抗加熱方式の灰溶融炉の場合と異なり、電気のショートパスが発生しないから、焼却灰の溶融に際して投入電力を有効に活用することができる。
水滴下量に対する塩漏出量(出滓口から排出された溶融スラグに含まれている塩の量)、即ち水滴下量依存性を下記の試験条件で調べた結果は、下記表1に示すとおりである。
(1)焼却灰の処理量 :280kg/h
(2)プラズマ出力 :440〜452kW
(3)水滴下ポートとスラグ表面との間の距離:900mm
Figure 2009036469
上記表1によれば、水滴下量の増加(0→5kg/h)に伴って塩漏出量が減少し、水滴下によって塩が分解されることが良く分かる。
水滴下ポートとスラグ表面との間の距離の影響を下記の試験条件で調べた結果は、下記表2に示すとおりである。
(1)焼却灰の処理量 :280kg/h
(2)プラズマ出力 :440〜453kW
(3)水滴下量 :5kg/h
Figure 2009036469
上記表2によれば、水滴下ポートとスラグ表面との間の距離を900〜2000mmまで変化させたが、塩漏出量は何れも0であり、水が液体状態で滴下し、溶融塩に接触していることが伺える。
水滴下ポートの数の影響を下記の試験条件で調べた結果は、下記表3に示すとおりである。
(1)焼却灰の処理量 :280kg/h
(2)プラズマ出力 :440〜452kW
(3)水滴下量 :2kg/h
(4)水滴下ポートとスラグ表面との間の距離:900mm
Figure 2009036469
上記表3によれば、水滴下ポートの数は1個より2個の方が、塩漏出量が減少しており、水滴下ポートの数を多くすることが溶融塩の分解にとって効果的であることが分かる。
上記実施の形態に係る焼却灰の溶融設備1は本発明の1具体例にすぎず、技術的思想を逸脱しない範囲内における設計変更等は自由自在である。従って、焼却灰の溶融設備の構成は、上記実施の形態に係る構成に限定されるものではない。
本発明の実施の形態に係る焼却灰の溶融設備の模式的系統説明図である。 本発明の実施の形態に係り、図2(a)は灰溶融炉の模式的側面断面図であり、図2(b)は灰溶融炉の模式的平面図である。 従来例に係る灰溶融炉の概要図である。
符号の説明
As…焼却灰
1…溶融設備
2…灰供給装置,2a…灰ホッパ
3…灰溶融炉,3a…炉壁,3b…炉底,3c…炉蓋,3d…灰投入口,3e…堰壁,3f…出滓口,3g…排ガス排出口
4…ノントランスファー型プラズマトーチ
5…溶融スラグ層
6…溶融塩層
7…水供給管,7a…水滴下ポート
8…溶融物搬出装置
9…排ガスダクト
10…バグフィルタ
11…誘引送風機
12…脱硝装置
13…煙突

Claims (9)

  1. 電気式加熱手段を有する灰溶融炉を備えてなる焼却灰の溶融設備において、前記灰溶融炉の上部に、この灰溶融炉内の溶融スラグ層を覆う溶融塩層に、液体状態で接触させる水を自然滴下させる水滴下ポートを備えた水供給管を設けたことを特徴とする焼却灰の溶融設備。
  2. 前記水滴下ポートから滴下する水を液体状態で溶融スラグ層を覆う溶融塩層に接触させるために、前記水滴下ポートの口径は5mm以上に設定されてなることを特徴とする請求項1に記載の焼却灰の溶融設備。
  3. 前記電気式加熱手段は、前記灰溶融炉の上部に設けられてなるノントランスファー型プラズマトーチであることを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の焼却灰の溶融設備。
  4. 前記水滴下ポートは、前記灰溶融炉内の前記ノントランスファー型プラズマトーチと、前記出滓口との間の領域に介在する溶融塩層に滴下させる位置に設けられてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の焼却灰の溶融設備。
  5. 前記水滴下ポートは1以上設けられてなることを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載の焼却灰の溶融設備。
  6. 電気式加熱手段を有する灰溶融炉による焼却灰の溶融方法において、前記灰溶融炉の炉内上部に設けた水滴下ポートから前記灰溶融炉内の溶融スラグ層を覆う溶融塩層に水を自然滴下させ、液体状態の水と溶融塩層を形成する溶融塩を化学反応させて塩化水素ガスを発生させることにより溶融塩を炉外に排出させることを特徴とする焼却灰の溶融方法。
  7. 前記水を5mm以上に設定された口径の水滴下ポートから滴下させ、液体状態で前記溶融塩層に接触させることを特徴とする請求項6に記載の焼却灰の溶融方法。
  8. 前記水を前記灰溶融炉内の前記ノントランスファー型プラズマトーチと、前記出滓口との間の領域に介在する溶融塩層に滴下させることを特徴とする請求項6または7のうちの何れか一つの項に記載の焼却灰の溶融方法。
  9. 前記水滴下ポートから、焼却灰の溶融により生成される溶融塩を化学反応により分解させるために、前記焼却灰1トン当り5リットル以上の水を滴下させることを特徴とする請求項6乃至8のうちの何れか一つの項に記載の焼却灰の溶融方法。
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