JP2009035740A - 二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び多層フィルム - Google Patents

二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び多層フィルム Download PDF

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根岸和彦
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Abstract

【課題】隠蔽性、厚薄精度等に優れた二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び多層フィルムを提供する。
【解決手段】α―オレフィン含有量が0.1〜1.8モル%の範囲にある、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とのプロピレン重合体組成物97〜75重量%と、無機充填材3〜25重量%を含むポリプロピレン組成物からなることを特徴とする隠蔽性、厚薄精度等に優れた二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び多層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は隠蔽性、厚薄精度等に優れた二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下OPPフィルムと呼ぶことがある)は、その優れた透明性、機械的強度、剛性等を活かして包装材料をはじめ広い分野で使用されている。
又、OPPフイルムの隠蔽性を改良するために、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機充填材を添加する方法も多々提案されている(米国特許明細書第3154461号、特開昭56−141339号公報)。
しかしながら、かかる無機充填材を添加すると、延伸条件によってはOPPフィルムに厚薄むらが発生し、良好なフィルムが得られない場合があり、又、隠蔽性に劣る場合も見られた。
そこで本発明者は、隠蔽性、厚薄精度に優れた二軸延伸ポリプロピレンフィルムの開発を目的として種々検討した結果、OPPフィルムの原料としてプロピレン単独重合体とプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体とからなるプロピレン重合体組成物とすることにより、隠蔽性、厚薄精度に優れた二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び多層フィルムを得ることができた。
本発明は、α―オレフィン含有量が0.1〜1.8モル%の範囲にある、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とのプロピレン重合体組成物97〜75重量%と、無機充填材3〜25重量%を含むポリプロピレン組成物からなることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。また、更には、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に、オレフィン重合体(C)層及び/又はプロピレン・α−オレフィン共重合体(F)が積層されてなる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムである。
プロピレン単独重合体(A)
本発明に係わるプロピレン単独重合体(A)は、プロピレンの単独重合体からなり、通常、MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)が、通常0.5〜10g/10分、好ましくは2〜5g/10分の範囲にある。
プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、α―オレフィン含有量が0.4〜2.2モル%、好ましくは0.6〜1.8モル%のプロピレンとのランム重合体である。α―オレフィンの含有量が0.4モル%未満のものでは、延伸性が改良されず、一方、2.2モル%を越えると剛性に劣る。α―オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示できる。これらの中では、エチレンが好ましい。又、MFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)は延伸フィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.5〜10g/10分、好ましくは2〜5g/10分の範囲にある。
オレフィン重合体(C)
本発明に係わるオレフィン重合体(C)は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等のα―オレフィンの単独重合体若しくは共重合体である。具体的な重合体としては、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル・1−ペンテン等が挙げられる。これら重合体は、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。特に、二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの隠蔽性を改良するには、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体等のプロピレン系重合体(D)と高密度ポリエチレン及び高圧法低密度ポリエチレン等のエチレン系重合体(E)を混合した組成物とすることが好ましい。プロピレン系重合体(D)とエチレン系重合体(E)の量は特に限定はされないが、通常プロピレン系重合体(D)が20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、エチレン系重合体(E)が80〜20重量%、好ましくは70〜30重量%の範囲にすると隠蔽性がより優れた層が得られる。より隠蔽性を発現させるには、エチレン系重合体(E)成分としてポリオレフィン組成物(F)(100重量%)に占める量が、高密度ポリエチレンを5〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲にあることが好ましい。本発明に係わるオレフィン重合体(C)のMFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)はフィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.5〜15g/10分、好ましくは2〜10g/10分の範囲にある。
無機充填材
本発明に係わる無機充填材は、沈降製炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、カオリン、クレー、ベントナイト、焼成クレー、タルク、シリカ、ウォラストナイト、ゼオライト、珪藻土、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム等を例示できる。かかる無機充填材としては、通常、粒径が1〜8μm、好ましくは2〜5μmの範囲が特に隠蔽性に優れるので好ましい。粒径が1μm以下であると隠蔽性が十分でない場合もあり、一方8μmを越えるとフィルム外観が悪くなる虞があるとともに、横延伸時に切断を引き起こしやすくなる。これら無機充填材の中でも炭酸カルシウムが隠蔽効果に優れるので好ましい。また更に隠蔽性を付与するために酸化チタン、PPに対して非相溶樹脂、例えばポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等)環状ポリオレフィン等を添加することは成型性を阻害しない範囲て添加することは何ら問題ない。
プロピレン・α−オレフィン共重合体(F)
本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(F)は、融点が125〜157℃、更に好ましくは135〜145℃の範囲にある。融点が157℃を越えると、得られる二軸延伸防湿ポリプロピレンフィルムのヒートシール性、ラミネート強度が改良されない虞があり、一方、125℃未満では得られる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムにべたが発生し、ブロッキングし易くなる虞がある。α―オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル・1−ペンテン、1−オクテン等が例示できる。具体的な共重合体としては、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体等が挙げられる。これら共重合体は、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。本発明に係わるプロピレン・α−オレフィン共重合体(C)のMFR(メルトフローレート;ASTM D−1238 荷重2160g、温度230℃)はニ軸フィルムとすることができる限り特に限定はされないが、通常0.5〜15g/10分、好ましくは2〜10g/10分の範囲にある。
本発明に係るプロピレン・α−オレフィン共重合体(F)には耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機または有機の充填剤等の通常ポリオレフィンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。
中でも、ブロッキング防止剤を0.01〜3.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%を添加しておくと、透明性に優れ、且つブロッキング防止性を有する二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムとすることができる。ブロッキング防止剤の量が0.01重量%未満では、得られる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムのブロッキング防止効果が充分でなく、一方、3.0重量%を越えると、得られる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの表面が悪化する傾向にある。かかるブロッキング防止剤としては、種々公知のもの、例えば、シリカ、タルク、雲母、ゼオライトや更には金属アルコキシドを焼成して得た金属酸化物等の無機化合物粒子、ポリメタクリル酸メチル、メラミンホルマリン樹脂、メラミン尿素樹脂、ポリエステル樹脂等の有機化合物粒子等を用い得る。これらの中でも、シリカ、ポリメタクリル酸メチルがアンチブロッキング性、透明性の面から特に好ましい。
重合体の製造方法
本発明に係わるプロピレン単独重合体(A)、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)、オレフィン重合体(C)及びプロピレン・α−オレフィン共重合体(F)は種々公知の方法、例えば、典型的には固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分から形成される触媒、あるいはこれら両成分および電子供与体から形成される触媒を用いて製造することができる。
固体状チタン触媒成分としては、各種方法で製造された三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物、あるいはマグネシウム、ハロゲン、電子供与体、好ましくは芳香族カルボン酸エステルまたはアルキル基含有エーテルおよびチタンを必須成分とする、比表面積が好適には100m2/g以上の担体付チタン触媒成分が挙げられる。特に後者の担体付触媒成分を用いて製造された重合体が好適である。
有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化合物が好適であり、具体的には、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライドなどが挙げられる。これらの化合物のうち、好適な有機金属化合物触媒成分は、使用する上記チタン触媒成分の種類によって異なる。
電子供与体は、窒素、リン、イオウ、酸素、ケイ素、ホウ素などを含む有機化合物であり、好適な具体例としては、これらの元素を有する有機エステル、有機エーテルなどを挙げることができる。
担体付触媒成分を用いた重合体の製造方法に関しては、たとえば特開昭50−108385号、特開昭50−126590号、特開昭51−20297号、特開昭51−28189号、特開昭52−151691号などの各公報に開示されている。
本発明に係わるIsoが高いプロピレン単独重合体およびプロピレン・α−オレフィン共重合体は、またシングルサイト触媒を用いても製造することができる。シングルサイト触媒は、活性点が均一(シングルサイト)である触媒であり、例えばメタロセン触媒(いわゆるカミンスキー触媒)やブルックハート触媒などがあげられる。例えばメタロセン触媒は、メタロセン系遷移金属化合物と、有機アルミニウム化合物および上記メタロセン系遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されていてもよい。
前記メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば特開平5−209014号、特開平6−100579号、特開平1−301704号、特開平3−193796号、特開平5−148284号等に記載された化合物などがあげられる。
有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等があげられる。上記鎖状あるいは環状アルミノキサンは、アルキルアルミニウムと水とを接触させることにより生成される。例えば重合時にアルキルアルミニウムを加えておいて、後で水を添加するか、あるいは錯塩の結晶水または有機、無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることにより得られる。
前記メタロセン系遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物は、例えば特表平1−501950号、特開平3−207704号等に記載された化合物などがあげられる。シングルサイト触媒を担持させる前記無機物としては、シリカゲル、ゼオライト、珪藻土等があげられる。
重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、気相重合等があげられる。これらの重合はバッチ法であっても連続法であっても良い。重合条件は通常、重合温度;−100〜+250℃、重合時間;5分〜10時間、反応圧力;常圧〜300Kg/cm2(ゲージ圧)である。
プロピレン重合体組成物
本発明に係わるプロピレン重合体組成物は、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とから得られ得る組成物で、α―オレフィン含有量が0.1〜1.8モル%、好ましくは0.2〜1.5モル%の範囲にあり、好ましくはプロピレン単独重合体(A)95〜10重量%、更に好ましくは90〜20重量%、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)5〜90重量%、更に好ましくは 10〜80重量%の範囲にある。プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が5重量%未満では、二軸延伸フィルムを得る場合の延伸温度幅の改良効果が少ない虞があるので、厚薄精度に優れた二軸延伸フィルムにならない場合がある。一方、90重量%を越えると得られる二軸延伸フィルムの剛性、機械的強度等が低下する虞がある。
本発明に係わるプロピレン重合体組成物は、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とを種々公知の方法で混合することにより得られる。例えば、予めプロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とを夫々別個に重合して得たものを、機械的に混合する方法、混合した後溶融混練する方法、あるいはプロピレン単独重合体(A)若しくはプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とを重合した後、引き続きプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)若しくはプロピレン単独重合体(A)を重合する方法等により得られる。
本発明のプロピレン単独重合体(A)、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)若しくはプロピレン重合体組成物には、夫々にあるいは何れかに、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料等の通常ポリオレフィンに用いる各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加しておいてもよい。
ポリプロピレン組成物
本発明に係わるポリプロピレン組成物は、プロピレン重合体組成物97〜75重量%、好ましくは96〜85重量%と、無機充填材3〜25重量%、好ましくは4〜15重量%を含む組成物である。無機充填材の量が3重量%未満では、隠蔽性に優れた二軸延伸フィルムが得られず、一方、25重量%を超えると隠蔽性の改良効果は飽和するとともに、外観が劣り、横延伸時切断しやすくなる傾向にある。
二軸延伸ポリプロピレンフィルム
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、プロピレン重合体(A)とプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)とから得られるプロピレン重合体組成物に無機充填材を所定量添加したポリプロピレン組成物を押出し成形して得たシートを、公知の同時二軸延伸法あるいは逐次二軸延伸法等の二軸延伸フィルム製造方法により得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。本発明に係わるプロピレン重合体組成物は、特に、逐次二軸延伸フィルム製造方法で、横延伸の温度範囲を従来に比べ7℃と広くすることができ、その結果横延伸操作が容易となり、得られる二軸延伸フィルムの厚薄精度、通常OPPフィルムの基準厚みに対する厚薄ばらつき(2σ)が現行に対し20〜50%低下可能となる。
二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム
本発明の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムは、プロピレン重合体(A)とプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)とから得られるプロピレン重合体組成物に無機充填材を所定量添加したポリプロピレン組成物から得られるニ軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に、オレフィン重合体(C)層及び/又はプロピレン・α−オレフィン共重合体(F)層を有してなる多層フィルムである。かかる多層フィルムは、プロピレン重合体(A)とプロピレン・α―オレフィン共重合体(B)とから得られるプロピレン重合体組成物に無機充填材を所定量添加したポリプロピレン組成物とオレフィン重合体(C)及び/又はプロピレン・α−オレフィン共重合体(F)とを共押出し成形して得た多層シートを、公知の同時二軸延伸法あるいは逐次二軸延伸法等の二軸延伸フィルム製造方法により得られる。本発明に係わるプロピレン重合体組成物は、特に、逐次二軸延伸フィルム製造方法で、横延伸の温度範囲を従来に比べ7℃と広くすることができ、その結果横延伸操作が容易となり、得られる二軸延伸多層フィルムの厚薄精度、通常OPPフィルムの基準厚みに対する厚薄ばらつき(2σ)が現行に対し20〜50%低下可能となる。
本発明の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの厚さは用途により種々決められるものであり、特に限定はされないが、通常、ポリプロピレン組成物層が10〜100μm、好ましくは15〜50μmの範囲、オレフィン重合体(C)層が0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmの範囲にあり、プロピレン・α−オレフィン共重合体(F)層が0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmの範囲にある。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び多層フィルムは必要に応じて片面あるいは両面をコロナ処理、火炎処理等の表面処理をしてもよい。また、本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び多層フィルムは更に用途により、低温ヒートシール性を付与するために、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、結晶性あるいは低結晶性のエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体あるいはプロピレンとエチレンもしくは炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体、ポリブテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の低融点のポリマーを単独あるいはそれらの組成物をオレフィン重合体(C)層若しくはプロピレン・α−オレフィン共重合体(F)層上に、積層してもよい。また、ガスバリアー性を付与するために、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリエステル、塩化ビニリデン系重合体等を押出しコーティング等を積層してもよいし、金属あるいはその酸化物、シリカ等を蒸着してもよい。勿論、他の物質との接着性を増すために、延伸フィルムの表面をイミン、ウレタン等の接着剤でアンカー処理してもよいし、無水マレイン酸変性ポリオレフィンを積層してもよい。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び多層フィルムは、隠蔽性、厚薄精度等に優れ、又、二軸延伸する際の均一延伸性、広温度域延伸性等の延伸性が改善され、横延伸時の切断が減少する。本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び多層フィルムは、かかる特性を活かして、おしぼりの袋、ラベル用途、スナック、アイス等のお菓子包装、包装紙代替え等を始めあらゆる包装用材料に使用できる。
実施例
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
実施例及び比較例における物性値等は、以下の評価方法により求めた。
(評価方法)
1)フィルム厚みムラ:規定幅(5m)の標準偏差を測定した。
2)静摩擦係数:No162スリップテスター(安田精機製作所製)を用いて測定した。
3)表面固有抵抗:デジタル超高抵抗測定器R8340(アドバンテスト社製)を用いて測定した。
4)隠蔽性:ヘーズ測定器(日本電色工業製)を用い、光線透過率にて評価した。
実施例1
<基層:ポリプロピレン組成物層>
プロピレン単独重合体(MFR=3.0g/10分)40重量%に対しプロピレン・エチレンランダム共重合体(エチレン量1.3モル% MFR=3.0g/10分)を60重量%配合したエチレン含有量が0.8モル%のポリプロピレン組成物を用意した。このポリプロプレン組成物95重量%に粒径2.4μmの炭酸カルシウムを5重量%配合した。この樹脂組成物に酸化防止剤としてテトラキス[メチレンー3−(3‘、5’―ジーt―ブチルー4‘ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイキー社製品 製品名イルガノックス1010)1000ppm ステアリン酸カルシウム(日本油脂製)1000ppm、帯電防止剤としてステアリン酸モノグリセリド(理研ビタミン製)6000ppm、ステアリルジエタノールアミン(東邦化学製)2000ppm配合した。
<隠蔽層:ポリオレフィン組成物層>
高密度ポリエチレン(MFR:0.33g/10分、密度:0.964g/cm3、融点:132℃)40重量%、プロピレンーエチレンブロック共重合体(MFR:20g/10分、エチレン含有量:12モル%、融点:153℃)を60重量%を配合したポリオレフィン組成物を用意した。この樹脂組成物に先に記載した酸化防止剤を3000ppm配合した。
<二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムの製造>
先に示した隠蔽層/基層/隠蔽層を押出量比(1/8/1)になるよう各々スクリュー押出機を用いて溶融押出しマルチマニホールドタイプT−ダイを用いて賦形、冷却ロール上にて急冷し厚さ約1.3mmの原反シートを得た。このシートを約125℃まで加熱しフィルム流れ方向(縦方向)に5倍延伸した。この5倍延伸したシートを155℃まで加熱した後流れ方向に対して直交する方向(横方向)に9倍延伸した。このOPPフィルムの片面にコロナ処理を施し、厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムを得た。
比較例1
基層に用いたポリプロピレン組成物を実施例1で用いたプロピレン単独重合体に変えた他は実施例1と同様に行い、厚さ30μmのフィルムを調整した。
表1
実施例1 比較例1
――――――――――――――――――――――――――――――
フィルム厚みムラ(2σ) % 0.68 0.86
静摩擦係数(μs) 0.23 0.25
表面固有抵抗(Ω) 6×1011 6×1012
光線透過率(%) 30 35
表1の結果から明らかなように、本発明のプロピレン単独重合体(A)、プロピレン・α―オレフィン共重合体(B)及び無機充填材とから得られるポリプロピレン組成物を基層とした二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムは、比較例に示した二軸延伸ポリプロピレン多層フィルムに比べ、フィルムの厚みむらが低減されており、又、同一温度でのラミネート強度も強くなることが分かる。

Claims (8)

  1. α―オレフィン含有量が0.1〜1.8モル%の範囲にある、プロピレン単独重合体(A)とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)とのプロピレン重合体組成物97〜75重量%と、無機充填材3〜25重量%を含むポリプロピレン組成物からなることを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  2. プロピレン単独重合体(A)が95〜10重量%であり、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)が5〜90重量%とから得られるプロピレン重合体組成物である請求項1記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  3. プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)のα―オレフィン含有量が0.4〜2.2モル%である請求項2記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に、オレフィン重合体(C)層が積層されてなる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム。
  5. オレフィン重合体(C)が、プロピレン系重合体(D)が20〜80重量%とエチレン系重合体(E)が80〜20重量%との組成物である請求項4記載の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム。
  6. 請求項1〜3の何れかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に、プロピレン・α−オレフィン共重合体(F)層が積層されてなる二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム。
  7. プロピレン・α−オレフィン共重合体(F)層がブロッキング防止剤を含んでなる請求項6記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム。
  8. ポリプロピレン組成物層及び/又はオレフィン重合体(C)及び/又はプロピレン・α−オレフィン共重合体(F)とが共押出し成形により得られる請求項4又は6記載の二軸延伸ポリプロピレン多層フィルム。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05279505A (ja) * 1992-03-31 1993-10-26 Gunze Ltd 真珠様光沢性を有する2軸延伸ポリプロピレン系フィ ルム
JPH06340041A (ja) * 1993-04-27 1994-12-13 Hoechst Ag つや消しの、二軸延伸した高収縮性多層ポリプロピレンフィルム、その製造法、およびその使用
JPH1016153A (ja) * 1996-06-27 1998-01-20 Tokuyama Corp 積層延伸ポリオレフィンフィルム

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