JP2009035583A - 放射線硬化性組成物及びその硬化物、並びにその積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ウレタン(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、及び(C)分子量が300以下の多官能(メタ)アクリレートを含有する放射線硬化性組成物であって、(A)ウレタン(メタ)アクリレートが、(A−1)ポリイソシアネート、(A−2)分子量が400未満のジオール、(A−3)数平均分子量が400以上1,500未満のポリオール、(A−4)数平均分子量が1,500以上のポリオール、及び(A−5)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、の反応生成物である放射線硬化性組成物、及び、該放射線硬化性組成物を放射線照射により硬化させて得られたものである放射線硬化物、並びに、該放射線硬化物の層を有する積層体。
【選択図】なし
Description
(A−1)ポリイソシアネート
(A−2)分子量が400未満のジオール
(A−3)数平均分子量が400以上1,500未満のポリオール
(A−4)数平均分子量が1,500以上のポリオール
(A−5)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート
本発明の放射線硬化性組成物は、(A)ウレタン(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、及び(C)分子量が300以下の多官能(メタ)アクリレート、を含有し、更に、本発明の効果を著しく損なわない限り、その他の物質を含有していてもよい。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートは、通常、ポリイソシアネートとヒドロキシル基含有化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとを反応させて得られる。本発明における(A)ウレタン(メタ)アクリレートとしては、組成物としての表面硬化性に優れ、タック(べたつき)が残りにくい面から、ウレタンアクリレートが好ましい。そして、本発明においては、そのヒドロキシル基含有化合物として分子量の異なる3種を用いるものとし、(A−1)ポリイソシアネート、(A−2)分子量400未満のジオール、(A−3)数平均分子量が400以上1,500未満のポリオール、(A−4)数平均分子量が1,500以上のポリオール、及び(A−5)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの反応生成物とする。
ポリイソシアネートとは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、そのポリイソシアネートとしては、具体的には、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられ、これらの1種を単独で用いてもよく、又、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、得られるウレタン(メタ)アクリレートの色相が良好である点で、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、及びイソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが好ましい。
分子量が400未満のジオールとは、2個以上のヒドロキシル基を含有する分子量が400未満の化合物であり、その具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,5−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,2−ジメチロールシクロヘキサン、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ジシクロペンタジエニルジメタノール等のアルキレンジオールが挙げられる。
数平均分子量が400以上1,500未満のポリオールとしては、数平均分子量が400以上1,500未満であって、かつ前記(A−2)ジオールの多量体であり、その多量体を形成するためのエーテル結合を有するポリエーテルポリオール、多塩基酸との反応によるエステル結合、或いは環状エステルの開環重合によるエステル結合を有するポリエステルポリオール、及び、カーボネートとの反応によるカーボネート結合を有するポリカーボネートポリオールであるのが好ましい。
数平均分子量が1,500以上のポリオールとしては、数平均分子量が1,500以上であって、かつ前記(A−3)数平均分子量が400以上1,500未満のポリオールとして例示したと同様のポリオールが挙げられる。
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとは、ヒドロキシル基と(メタ)アクリロイル基とを併せ持つ化合物であり、具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加反応物、グリコールのモノ(メタ)アクリレート体等が挙げられ、これらの1種を単独で用いてもよく、又、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記(A−1)ポリイソシアネートと、前記(A−2)分子量が400未満のジオールと、前記(A−3)数平均分子量が400以上1,500未満のポリオールと、前記(A−4)数平均分子量が1,500以上のポリオールと、前記(A−5)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとを付加反応させることにより、(メタ)アクリロイル基を有する、(A)ウレタン(メタ)アクリレートを製造することができる。その際、前記(A−1)ポリイソシアネートのイソシアネート基と、前記(A−2)分子量が400未満のジオール、前記(A−3)数平均分子量が400以上1,500未満のポリオール、前記(A−4)数平均分子量が1,500以上のポリオール、及び前記(A−5)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの合計ヒドロキシル基が化学量論量になるように仕込む。
数平均分子量の平均値=(MnA-3 ×NA-3 +MnA-4 ×NA-4 )/(NA-3 +NA-4 )
(A)ウレタン(メタ)アクリレートとしては、透明性の高いものであるのが好ましく、例えば、芳香環を有していない化合物であるのが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートが芳香環を有する場合、芳香環を有する放射線硬化性組成物及びその硬化物は、得られるものが着色物であったり、最初は着色していなくても保存中に着色したり着色が強まること(いわゆる黄変)がある。これは芳香環を形成する二重結合部分が、エネルギー線によってその構造を不可逆的に変化させることが原因であると考えられており、このため、(A)ウレタン(メタ)アクリレートは、芳香環を有しない構造を持つことで、色相の悪化がなく、かつ光線透過性も低下することなく、無色透明が要求される用途への応用に特に適する利点がある。
(B)単官能(メタ)アクリレートとしては、具体的には、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン骨格を有する(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの中で、脂環式(メタ)アクリレートが好ましく、中でも、炭素数5以上、好ましくは炭素数5〜7の脂環式炭化水素環の1つ以上の炭素原子が窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等のヘテロ原子で置換されている環基を1つ以上有する複素脂環式(メタ)アクリレートが更に好ましく、それらの複素脂環式(メタ)アクリレートとして、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルアクリレートが特に好ましく、又、脂環式(メタ)アクリレートとして、イソボルニルアクリレート、トリシクロデカン骨格を有するアクリレートも特に好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ポリ(メタ)アクリレート、脂環式ポリ(メタ)アクリレート、芳香族ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、具体例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリイソブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF、或いはビスフェノールS等のビスフェノールのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、或いはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA、ビスフェノールF、或いはビスフェノールS等のビスフェノールの水添誘導体のジ(メタ)アクリレート、各種ポリエーテルポリオール化合物と他の化合物とのブロック、或いはランダム共重合体のジ(メタ)アクリレート等のポリエーテル骨格を有する(メタ)アクリレート、及び、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、メチルオクタンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジ(メタ)アクリレート、p−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ]キシリレン、4,4′−ビス[β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ]ジフェニルスルホン等の2官能の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(メタ)アクリレート、グリセリントリス(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリス(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラキス(メタ)アクリレート等の4官能の(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の5官能以上の(メタ)アクリレート等の不定多官能の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の放射線硬化性組成物において、前記(A)ウレタン(メタ)アクリレート、前記(B)単官能(メタ)アクリレート、及び前記(C)分子量が300以下の多官能(メタ)アクリレートの各含有割合は、これら(A)、(B)、及び(C)の合計量に対して、(A)10〜85重量%、(B)15〜80重量%、(C)0〜30重量%であり、(A)15〜70重量%、(B)15〜70重量%、(C)0〜15重量%であるのが好ましい。(A)ウレタン(メタ)アクリレートの含有割合が少なすぎると、放射線硬化性組成物の硬化物として引張強度等の機械的特性が低下し、一方、多すぎると、放射線硬化性組成物として粘度が高すぎて塗布性が劣ることとなる。又、(B)単官能(メタ)アクリレートの含有割合が少なすぎると、放射線硬化性組成物として粘度が高すぎて塗布性が劣ることとなり、一方、多すぎると、放射線硬化性組成物の硬化物として引張強度等の機械的特性が低下し脆くなる。又、(C)多官能(メタ)アクリレートの含有割合が多すぎると、放射線硬化時の収縮が増大し、積層体として基材を変形させてしまう等の問題を生じる。
本発明の放射線硬化性組成物は、更に、放射線(例えば、活性エネルギー線、紫外線、電子線等)によって進行する重合反応を開始するために、(D)重合開始剤を含有することが好ましい。(D)重合開始剤としては、光によりラジカルを発生する性質を有する化合物であるラジカル発生剤が一般的であり、本発明の効果を著しく損なわない限り、公知の何れのラジカル発生剤でも使用可能である。
本発明の放射線硬化性組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、必要に応じて添加剤等の補助成分が含有されていてもよい。その補助成分の具体例としては、酸化防止剤、熱安定剤、或いは光吸収剤等の安定剤類;ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、マイカ、タルク、カオリン、金属繊維、金属粉等のフィラー類;炭素繊維、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、C60等のフラーレン類等の炭素材料類(フィラー類、炭素材料類を総称して無機成分と称する。);帯電防止剤、可塑剤、離型剤、消泡剤、レベリング剤、沈降防止剤、界面活性剤、チクソトロピー付与剤等の改質剤類;顔料、染料、色相調整剤等の着色剤類;モノマー又は/及びそのオリゴマー、または無機成分の合成に必要な硬化剤、触媒、硬化促進剤類等が挙げられ、これらの補助成分は、1種を単独で用いてもよく、又、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら補助成分の含有量は、放射線硬化性組成物の通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。
1−7−a.放射線硬化性組成物の製造方法
本発明の放射線硬化性組成物は、前記(A)ウレタン(メタ)アクリレート、前記(B)単官能(メタ)アクリレート、前記(C)分子量が300以下の多官能(メタ)アクリレート、並びに必要に応じて用いられる前記(D)重合開始剤、及び前記補助成分を、放射線を遮断した状態で、攪拌し均一に混合することにより調製される。その際の各化合物の添加順序としては、特に限定されるものではないが、低粘度の液体成分に高粘度の液体成分及び/又は固体成分を加え攪拌するのが好ましく、又、重合開始剤は最後に加えるのが好ましい。
本発明において、光記録媒体用放射線硬化性組成物は、E型粘度計、B型粘度計、又は振動型粘度計等によって測定される、25℃における粘度が、1,000センチポイズ以上であるのが好ましく、1,300センチポイズ以上であるのが更に好ましく、又、5,000mセイチポイズ以下であるのが好ましく、4,000センチポイズ以下であるのが更に好ましい。粘度が小さすぎると、厚みが50μm以上の硬化物を形成するのが困難となる場合があり、一方、大きすぎると、平滑な表面の硬化物を形成し難くなる場合がある。尚、1センチポイズ=1mPa・sである。
2−1.放射線硬化性組成物の硬化物の製造方法
本発明における放射線硬化性組成物の硬化物は、放射線(活性エネルギー線や電子線)を照射して重合反応を開始させる、いわゆる「放射線硬化」によって得られる。重合反応の形式に制限はなく、例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の公知の重合方式を用いることができる。これらの重合方式のうち、最も好ましいのはラジカル重合である。その理由は定かではないが、重合反応の開始が重合系内で均質かつ短時間に進行することによる生成物の均質性によるものと推定される。
本発明の放射線硬化性組成物の硬化物は、通常、溶剤等に不溶不融の性質を示し、厚膜化した場合であっても光学部材の用途に有利な性質を備え、密着性、表面硬化度に優れていることが好ましい。具体的には、低い光学歪み性(低複屈折性)、高い光線透過率、機械的強度、寸法安定性、高密着性、高表面硬度、及び一定以上の耐熱・耐湿変形性を示すことが好ましい。又、硬化収縮が小さいほど好ましい。
本発明の放射線硬化性組成物は、基材に塗布した後、形成された塗布膜を放射線照射により硬化させた硬化物として用いるのに好適であり、特に高度な透明性が要求される樹脂層、例えば、光学記録媒体の保護層、中間層、緩衝層、下地層等の透明樹脂層、光学部材や表示部材等用の透明樹脂層として好適に用いられる。その際、形成された保護層上には、更にハードコート層が形成されてもよく、そのハードコート層用としても、本発明の放射線硬化性組成物は好適に用いられる。
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、(A−1)としてのイソホロンジイソシアネート292gと、ジブチルスズラウレート60mgを入れ、オイルバスにて70〜80℃に加熱し、温度が一定になるまで静かに撹拌する。温度が一定になったら、(A−2)としての1,4−ブタンジオール47gと(A−3)としてのポリテトラメチレングリコール(数平均分子量約650)79gと(A−4)としてのポリテトラメチレングリコール(数平均分子量約2,000)25gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、温度を80℃に保ちながら2時間撹拌する。温度を70℃まで下げてから、(A−5)としてのヒドロキシエチルアクリレート152gと、メトキノン0.3gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、滴下が終わったら温度を80℃に保ち、10時間撹拌させ、(A)としてのウレタンアクリレートオリゴマーを合成した。合成した(A)ウレタンアクリレートオリゴマーに、(B)としてのテトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機社製)326g、(C)としての1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学社製)79g、及び(D)としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(日本シイベルヘグナー社製)30gを加えて5時間混合して希釈し、均一液状の放射線硬化性組成物Aを調製した。
得られた放射線硬化性組成物Aを、100mm角、厚さ3mmのフッ素コートガラス板上にスピンコーターにより塗布した後、高圧水銀ランプにて照射強度1J/cm2 で紫外線を照射することにより硬化させて膜厚100μmの硬化物層となした。その硬化物層をガラス板から剥離した後、剥離した硬化物層について、紫外・可視吸光光度計(ヒューレットパッカード社製;HP8453型)を用いて、波長400nmにおける光路長0.1mm当たりの光線透過率を測定した。
得られた放射線硬化性組成物Aを、100mm角、厚さ3mmのガラス板上に膜厚が100±5μmとなるようにスピンコーターにより塗布した後、高圧水銀ランプにて照射強度1J/cm2 で紫外線を照射することにより硬化させて硬化物層となした。その硬化物層上に、以下に示すハードコート組成物を固形分膜厚が2±0.3μmとなるようにスピンコーターにより塗布し、60℃オーブン中にて2分間乾燥させた後、高圧水銀ランプにて照射強度1J/cm2 で紫外線を照射することにより硬化させて硬化物層(ハードコート層)となした。その硬化物層(ハードコート層)表面について、JIS K5400に準拠して鉛筆硬度を測定した。
ハードコート組成物
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製;カヤラッドDPHA)100gに光重合開始剤としてヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3gを加え、プロピレングリコールモノメチルエーテル50gと1−アセトキシ−2−メトキシプロパン100gを加えて、室温25℃にて2時間攪拌し、ハードコート組成物を調製した。
得られた放射線硬化性組成物Aを、100mm角、厚さ3mmのフッ素コートガラス板上にスピンコーターにより塗布した後、高圧水銀ランプにて照射強度1J/cm2 で紫外線を照射することにより硬化させて膜厚100μmの硬化塗膜となした。その塗膜をガラス板から剥離した後、10mm×80mmの短冊状サンプルを10本切り出して以下の引張弾性率測定用のサンプルとした。
得られたサンプルについて、テンシロン型引張試験機を用い、温度25℃にてJIS K7127に準拠して引張弾性率を測定した。一方、得られたサンプルを1Lの純水を入れた容器に25℃で3時間浸漬した後、取り出して水滴を軽く拭き取り、直ちにテンシロン型引張試験機を用い、温度25℃にてJIS K7127に準拠して引張弾性率を測定した。吸水後の引張弾性率(E2 )の吸水前の引張弾性率(E1 )に対する割合(E2 /E1 )を吸水弾性率係数と定義し、該吸水弾性率係数により温湿変化における被着体としての基材の寸法安定性を以下の基準により評価した。
○;吸水弾性率係数が0.2以上
×;吸水弾性率係数が0.2未満
得られた放射線硬化性組成物Aを、100mm角、厚さ3mmのフッ素コートガラス板上にスピンコーターにより塗布した後、高圧水銀ランプにて照射強度1J/cm2 で紫外線を照射することにより硬化させて膜厚100μmの硬化塗膜となした。その塗膜をガラス板から剥離した後、10mm×80mmの短冊状サンプルを1本切り出して以下のガラス転移点測定用のサンプルとした。
得られたサンプルについて、DMA装置(粘弾性スペクトロメーター、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製;粘弾性スペクトロメーターEXSTAR6000/DMS6100)を用いて、設定周波数;10Hz、昇温速度;2℃/分、チャック−クランプ間距離;5mmの条件にてtanδを求め、その値が極大となる温度をガラス転移点Tgとした。
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、(A−1)としてのイソホロンジイソシアネート296gと、ジブチルスズラウレート60mgを入れ、オイルバスにて70〜80℃に加熱し、温度が一定になるまで静かに撹拌する。温度が一定になったら、(A−2)としての1,4−ブタンジオール54gと(A−3)としてのポリテトラメチレングリコール(数平均分子量約650)23gと(A−4)としてのポリテトラメチレングリコール(数平均分子量約2,000)66gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、温度を80℃に保ちながら2時間撹拌する。温度を70℃まで下げてから、(A−5)としてのヒドロキシエチルアクリレート154gと、メトキノン0.3gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、滴下が終わったら温度を80℃に保ち、10時間撹拌させ、(A)としてのウレタンアクリレートオリゴマーを合成した。合成した(A)ウレタンアクリレートオリゴマーに、(B)としてのテトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機社製)363g、(C)としての1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学社製)44g、及び(D)としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(日本シイベルヘグナー社製)30gを加えて5時間混合して希釈し、均一液状の放射線硬化性組成物Bを調製した。
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、(A−1)としてのイソホロンジイソシアネート289gと、ジブチルスズラウレート60mgを入れ、オイルバスにて70〜80℃に加熱し、温度が一定になるまで静かに撹拌する。温度が一定になったら、(A−2)としての1,4−ブタンジオール43gと(A−3)としてのポリテトラメチレングリコール(数平均分子量約650)113gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、温度を80℃に保ちながら2時間撹拌する。温度を70℃まで下げてから、(A−5)としてのヒドロキシエチルアクリレート151gと、メトキノン0.3gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、滴下が終わったら温度を80℃に保ち、10時間撹拌させ、(A)としてのウレタンアクリレートオリゴマーを合成した。合成した(A)ウレタンアクリレートオリゴマーに、(B)としてのテトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機社製)304g、(C)としての1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学社製)100g、及び(D)としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(日本シイベルヘグナー社製)30gを加えて5時間混合して希釈し、均一液状の放射線硬化性組成物Cを調製した。
攪拌器、還流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、(A−1)としてのイソホロンジイソシアネート297gと、ジブチルスズラウレート60mgを入れ、オイルバスにて70〜80℃に加熱し、温度が一定になるまで静かに撹拌する。温度が一定になったら、(A−2)としての1,4−ブタンジオール43gと(A−4)としてのポリテトラメチレングリコール(数平均分子量約2,000)82gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、温度を80℃に保ちながら2時間撹拌する。温度を70℃まで下げてから、(A−5)としてのヒドロキシエチルアクリレート155gと、メトキノン0.3gの混合物を滴下漏斗にて滴下し、滴下が終わったら温度を80℃に保ち、10時間撹拌させ、(A)としてのウレタンアクリレートオリゴマーを合成した。合成した(A)ウレタンアクリレートオリゴマーに、(B)としてのテトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機社製)380g、(C)としての1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学社製)30g、及び(D)としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(日本シイベルヘグナー社製)30gを加えて5時間混合して希釈し、均一液状の放射線硬化性組成物Dを調製した。
Claims (8)
- (A)ウレタン(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、及び(C)分子量が300以下の多官能(メタ)アクリレートを含有する放射線硬化性組成物であって、(A)ウレタン(メタ)アクリレートが、下記の(A−1)〜(A−5)の反応生成物であることを特徴とする放射線硬化性組成物。
(A−1)ポリイソシアネート
(A−2)分子量が400未満のジオール
(A−3)数平均分子量が400以上1,500未満のポリオール
(A−4)数平均分子量が1,500以上のポリオール
(A−5)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート - (A)ウレタン(メタ)アクリレートにおける、(A−3)数平均分子量が400以上1,500未満のポリオールと(A−4)数平均分子量が1,500以上のポリオールとの合計使用量の、(A)ウレタン(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、及び(C)分子量が300以下の多官能(メタ)アクリレートの合計量に占める割合が、3〜30重量%である請求項1に記載の放射線硬化性組成物。
- (A)ウレタン(メタ)アクリレートにおける、(A−4)数平均分子量が1,500以上のポリオールの(A−3)数平均分子量が400以上1,500未満のポリオールに対する使用割合が、モル比で0.1〜5である請求項1又は2に記載の放射線硬化性組成物。
- (A)ウレタン(メタ)アクリレートにおける、(A−4)数平均分子量が1,500以上のポリオールの(A−3)数平均分子量が400以上1,500未満のポリオールに対する使用割合が、重量比で0.05〜10である請求項1又は2に記載の放射線硬化性組成物。
- (A)ウレタン(メタ)アクリレートにおける、(A−3)数平均分子量が400以上1,500未満のポリオールと(A−4)数平均分子量が1,500以上のポリオールの各使用モル数から算出される数平均分子量の平均値が、700〜3,000である請求項1乃至4のいずれかに記載の放射線硬化性組成物。
- 更に、(D)重合開始剤を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の放射線硬化性組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の放射線硬化性組成物を、放射線照射により硬化させて得られたものであることを特徴とする放射線硬化物。
- 請求項7に記載の放射線硬化物の層を有することを特徴とする積層体。
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