JP2009032546A - 膜電極接合体の製造方法と膜電極接合体および燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒層4として電解質樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物を用いながら、特別の中間層を配置することなく、電解質膜1と触媒層4との界面結合力が強く、かつ膜電極接合体6としての機械的強度も優れている膜電極接合体6を製造する技術を提供する。
【解決手段】多孔質基材3に電解質前駆体樹脂2を含浸させて補強型電解質前駆体膜1とし、その両面に電解質樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物からなる触媒層4を熱転写して膜電極接合体前駆体5とする。その膜電極接合体前駆体5の全体に加水分解処理を施してプロトン伝導性を付与し、膜電極接合体6とする。
【選択図】図2
【解決手段】多孔質基材3に電解質前駆体樹脂2を含浸させて補強型電解質前駆体膜1とし、その両面に電解質樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物からなる触媒層4を熱転写して膜電極接合体前駆体5とする。その膜電極接合体前駆体5の全体に加水分解処理を施してプロトン伝導性を付与し、膜電極接合体6とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、電解質膜と触媒層の界面での結合力が大きくなった膜電極接合体とその製造方法、および前記膜電極接合体を備えた燃料電池に関する。
燃料電池の一形態として固体高分子型燃料電池が知られている。固体高分子型燃料電池は他の形態の燃料電池と比較して作動温度が低く(−30℃〜100℃程度)、低コスト、コンパクト化が可能なことから、自動車の動力源等として期待されている。
図4に示すように、固体高分子型燃料電池10は、膜電極接合体(MEA)6を主要な構成要素とし、それを燃料(水素)ガス流路12を備えたアノード側セパレータ13、および空気(酸素)流路14を備えたカソード側セパレータ15で挟持して、単セルと呼ばれる1つの燃料電池10を形成している。膜電極接合体6は、イオン交換膜である固体高分子電解質膜1の両面にアノード側およびカソード側触媒層4、4を積層した構造を持つ。触媒層4は、電解質樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物で形成される。触媒には主に白金系の金属が用いられ、該触媒を担持する導電体にはカーボン粉末が主に用いられる。通常、触媒層の外面にカーボンペーパーまたはカーボンクロス等からなる拡散層5、5が形成され、触媒層4と拡散層5とを合わせて拡散電極と呼ぶ場合もある。
燃料電池の普及のために、より高性能、より高耐久性を持つ膜電極接合体が求められており、その観点から、従来の膜電極接合体はなお改善すべき問題を有している。例えば、触媒層における触媒利用率が低いことに起因する活性化過電圧を低減すること、燃料ガスの拡散が消費に追いつかないことに起因する濃度過電圧を低減すること、電解質膜自体の抵抗や、電解質膜と触媒層の界面、触媒層と拡散層の界面、あるいは拡散層とセパレータの界面の抵抗に起因する抵抗過電圧の低減すること、等をいかに解決するかが大きな問題となっている。また、生成水の排出不良によるフラッディングの解消、過乾燥により電解質のイオン伝導度が大幅に低下するドライアップの解消も問題となっている。
上記の問題が発生する理由として、さまざまな原因が考えられているが、電池内、特に膜電極接合体内での水のやりとりや、電解質膜と触媒層の界面抵抗、および、耐久性の問題である膜剥がれなどの問題は、主に、電解質膜と触媒層の結合が不十分であることに起因すると考えられている。一般的に、電解質膜と触媒層の結合は、シート状に作成した触媒層と電解質膜とを積層し、それを平板プレスによって熱圧プレスする、いわゆる熱転写法により行われるのが普通である。
熱転写による方法は、加熱することで電解質膜の粘弾性を低くし、そこに触媒層を押し付けることで電解質膜と触媒層とを結合する方法であり、電解質膜の粘弾性が低いほど結合は強くなる。しかし、一般的に用いられている電解質樹脂であるH型電解質樹脂(プロトン伝導性を持つ)は、耐熱性が充分でなく熱劣化することから、100℃前後の温度で熱転写するようにしており、低い粘弾性が得られない。そのために、充分な結合力が得られないという不都合がある。
製造段階の電解質樹脂の1形態としてF型電解質樹脂が知られている。F型電解質樹脂は側鎖末端がF型でありプロトン伝導性を備えないが、加水分解処理により側鎖末端をF型からH型に変換することでプロトン伝導性を備えるようになることから、電解質前駆体樹脂と通称されている。なお、本出願において、「電解質前駆体樹脂」の用語は上記の意味で用いている。
F型電解質樹脂、すなわち電解質前駆体樹脂は、H型電解質樹脂と比較して高温加熱時での粘弾性が低く、また高温劣化が始まる温度も250℃以上であり、高い温度で熱転写することが可能である。そのために、電解質前駆体膜に触媒層を高い温度で熱転写することで、通常のH型電解質膜に触媒層を熱転写する場合よりも、電解質前駆体膜側と触媒層側の双方の電解質樹脂の結合量(溶融結合量)が大きくなり、膜間での高い結合力が得られる。そのようにして形成した膜電極接合体前駆体に加水分解処理を施してプロトン伝導性を付与することにより、発電性能および耐久性に優れた膜電極接合体が得られるものと期待できる。
電解質前駆体樹脂と触媒層との積層体である膜電極接合体前駆体を作り、それに加水分解処理を施して膜電極接合とする方法は、すでに提案されている。特許文献1には、電気抵抗を小さくするために極薄膜化した電解質前駆体樹脂膜を用い、その両側に多孔性の触媒層を位置させ、外力を加えて電解質前駆体樹脂膜を変形させてその一部を多孔性触媒層の多孔部に進入させて一体化し、それを加水分解処理することでイオン伝導性を備えた膜電極接合体とすることが記載されている。電解質前駆体樹脂膜の一部を多孔性触媒層の多孔部に進入させて機械的に一体化することにより、三次元的界面が形成されると共に、触媒層により電解質膜の機械的強度の弱さが補完された膜電極接合体が得られると記載されている。
特許文献2には、電解質前駆体樹脂膜と触媒層との間に熱可塑性薄膜を有する積層体をホットプレスにより一体化した後に、加水分解して電解質前駆体樹脂膜をイオン伝導性を備えた電解質膜とする膜電極接合体の製造方法が記載されている。熱可塑性薄膜が電解質前駆体樹脂膜と触媒層との親和力を高めると共に、自身が変形して機械的な結合力を向上させると記載されている。
特許文献1に記載の方法は、膜電極接合体としての強度を触媒層(電極)で持たせるようにしているために、チタン電極焼結体を使用した電極板のように、強度を備えた特別の電極板を必要とする。一般に、高出力が求められる燃料電池の触媒層(電極)は、触媒層内での電子伝導、プロトン伝導、ガス拡散の最大化、およびコストの関係から、電解質樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物からなる触媒層が用いられるが、この種の触媒層をそのまま用いたのでは、膜電極接合体としての強度を確保することができない。
特許文献2に記載の方法は、電解質前駆体樹脂膜と触媒層との間に中間層としての熱可塑性薄膜を形成するという、特別の工程が必要であり、製造工程が複雑となる。また、耐熱性が低いため、高温での加工ができない等の欠点がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、従来の膜電極接合体における触媒層の形成に一般的に用いられている電解質樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物を用いながら、特別の中間層を配置することなく、電解質膜と触媒層との界面結合力が強く、かつ膜電極接合体としての機械的強度も優れている膜電極接合体を製造する技術を提供することを課題とする。
本発明者は、多くの実験を行うことにより、従来の膜電極接合体における触媒層の形成に一般的に用いられている電解質樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物からなる触媒層を、直接電解質前駆体樹脂膜に熱転写しても、両者の界面には高い結合力が形成されること、また、膜電極接合体としての強度は補強型電解質膜を用いることによって確保できること、を見出し、本発明をなすにいたった。
すなわち、本発明による膜電極接合体の製造方法は、電解質樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物からなる触媒層を補強型電解質膜の両面に有する膜電極接合体の製造方法であって、多孔質基材に電解質前駆体樹脂を含浸させて補強型電解質前駆体膜を得る工程と、前記補強型電解質前駆体膜の両面に電解質樹脂または電解質前駆体樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物からなる触媒層を熱転写して膜電極接合体前駆体を得る工程と、前記膜電極接合体前駆体に加水分解処理を施してプロトン伝導性を付与する工程と、を含むことを特徴とする。
上記の方法により製造される膜電極接合体は、電解質膜として補強型電解質膜を備えており、十分な強度を備えている。また、電解質前駆体樹脂は、H型電解質樹脂と比較して高温加熱時での粘弾性が低く、また高温劣化が始まる温度も250℃以上であり、高い温度で触媒層を熱転写することが可能である。そのために、H型電解質膜に触媒層を熱転写する場合よりも、電解質前駆体膜側と触媒層側の双方の電解質樹脂の結合量(溶融結合量)が大きくなり、膜間での高い結合力が得られる。また、熱劣化もほとんどない。
その結果、膜電極接合体前駆体に加水分解処理を施してプロトン伝導性が付与された膜電極接合体は、膜電極接合体内の水のやり取りがスムーズとなり、膜/触媒層間の抵抗も小さくなり、性能が大きく向上する。また、膜/触媒層界面の結合力が増すことで、耐久劣化による膜剥がれも起こりにくくなり、耐久性も向上する。
熱転写する温度に特に制限はないが、電解質前駆体樹脂の熱劣化開始温度が高いので、120℃〜250℃の温度で行っても差支えなく、耐熱温度の範囲内でより高い温度で熱転写を行うことにより、電解質前駆体樹脂の粘弾性をより低くすることができ、同時に、電解質前駆体膜側と触媒層側の双方の電解質樹脂の結合量(溶融結合量)を大きくすることができて、膜間での結合力をより高くできるので、好ましい。
触媒層を構成する電解質樹脂は、H型電解質樹脂でもよく、F型電解質樹脂でもよい。ただし、H型電解質樹脂を用いる場合には、熱劣化を防止するために、120℃〜150℃程度の温度で熱転写することが望ましい。
本発明は、また、上記の方法で製造された膜電極接合体の発明である。この膜電極接合体は、電解質膜と触媒層との界面において双方の電解質樹脂が部分的に溶融結合していることを特徴とする。さらに、本発明は、上記の膜電極接合体を備えた固体高分子型燃料電池の発明である。
本発明によれば、従来の膜電極接合体における触媒層の形成に一般的に用いられている電解質樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物を用いながら、特別の中間層を配置することなく、電解質膜と触媒層との界面結合力が強く、かつ膜電極接合体としての機械的強度も優れている膜電極接合体が得られる。
以下、本発明を実施の形態により説明する。図1は本発明で用いる補強型電解質前駆体膜を示す模式図であり、図2は本発明による膜電極接合体を製造する方法を説明する概念図である。
最初に、電解質前駆体樹脂2を多孔質基材3に溶融含浸させて、図1に示すような補強型電解質前駆体膜1を作る。補強型電解質前駆体膜1の厚みに制限はないが、20μm〜50μm程度が好適である。
電解質前駆体樹脂2には、側鎖末端がF型であるF型パーフルオロ系高分子電解質またはF型炭化水素系高分子電解質を適宜選択して用いることができる。多孔質基材3は補強材としての機能を果たすものであり、延伸により繊維化したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましく例示される。他に、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素樹脂が高い撥水性を有するため好ましく用いられる。その他、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の非フッ素系フィルムも用いることができる。多孔質基材の平均細孔径pは0.1μm≦p≦10μm程度であり、膜厚dは0.5μm<d<50μm程度であり、気孔率は70%〜95%であることが、好適である。
多孔質基材3に電解質前駆体樹脂2を含浸させて補強型電解質前駆体膜1とするには、電解質前駆体樹脂溶液中に多孔質基材を含浸させる方法、ペースト状とした電解質前駆体樹脂を多孔質基材に塗布する方法、シート状とした電解質前駆体樹脂と多孔質基材との積層体をして加熱溶融する方法、等の任意の方法を採用できる。
次に、上記補強型電解質前駆体膜1の両面に触媒層4、4を熱転写して膜電極接合体前駆体5とする。前記触媒層4は、少なくとも電解質樹脂または電解質前駆体樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物からなる。
ここで、電解質樹脂とはプロトン伝導性を備えたH型電解質樹脂をいい、電解質前駆体樹脂とはプロトン伝導性を備えない側鎖末端がF型であるF型電解質樹脂をいう。電解質樹脂としては、パーフルオロ系高分子電解質または炭化水素系高分子電解質を適宜選択して用いることができるが、パーフルオロ系が燃料電池寿命の点から好ましい。
また、触媒担持導電体とは、導電体に触媒を担持させたものの総称であり、触媒としては、例えば、触媒反応における活性化過電圧が小さいことから、白金、金、パラジウム、ルテニウム、イリジウムなどの貴金属触媒が好ましく用いられる。導電体としては、カーボン粒子が好適に例示される。粒径は、数nm〜数10μm程度である。
熱転写は、好ましくは120℃以上であり、かつ電解質樹脂または電解質前駆体樹脂が熱劣化する温度以下の温度で行う。触媒層4にH型電解質樹脂を用いる場合には、120℃〜150℃の温度が好適であり、触媒層4にF型電解質樹脂を用いる場合には、120℃〜250℃の温度が好適である。既に記載したように、例えば120℃以上のである高温度で熱転写を行うことにより、電解質前駆体膜1を構成する電解質前駆体樹脂の粘弾性をより低くすることができ、同時に、電解質前駆体膜1側と触媒層4側の双方の電解質樹脂の結合量(溶融結合量)を大きくできることから、膜/触媒層間の界面での結合力は大きく向上する。
次に、前記膜電極接合体前駆体5に加水分解処理を施す。加水分解処理は従来知られた方法であってよく、それにより、膜電極接合体前駆体5における電解質樹脂の側鎖末端−SO2F基は−SO3H基に変換され、図2に示すように、プロトン伝導性を備えた膜電極接合体6となる。
図示しないが、必要に応じで、触媒層4の表面にカーボンペーパー等からなる拡散層を形成し、それをセパレータで狭持することにより、本発明による燃料電池となる。
本発明の膜電極接合体は、固体高分子型燃料電池に好適である。燃料電池には、水素を燃料とするものとメタノールなどの炭化水素を燃料とするものがあるが、特に限定されることなく用いることができる。本発明の膜電極接合体を用いた燃料電池の用途としては、特に限定されることなく、固体高分子型燃料電池において有用な用途である自動車の電力供給源としても好ましいものである。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。
[実施例1]
PTFEを2軸方向に延伸した多孔質基材と、電解質樹脂の前駆体高分子(高分子鎖末端が−SO2F、デュポン社製高分子NE111F)を押出し成形機にて押し出した薄膜を交互に積層して層構造とし、それを230℃の真空環境下、5kg/cm2の圧力にて含浸処理を行い、厚さ30μmの補強型電解質前駆体膜を得た。その両面に、H型電解質樹脂にPt担持カーボン等を分散させた触媒混合物からなる触媒層シートを130℃にて熱転写を行い、膜電極接合体前駆体を得た。
その膜電極接合体前駆体を、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液とアルコールの混合溶液で加水分解後、1mol/L硫酸水溶液で高分子鎖末端を酸型(−SO3H)に変換した。プロトン伝導性が付与された膜を純水により洗浄後、80℃、2時間の乾燥を行うことで膜電極接合体を得た。
PTFEを2軸方向に延伸した多孔質基材と、電解質樹脂の前駆体高分子(高分子鎖末端が−SO2F、デュポン社製高分子NE111F)を押出し成形機にて押し出した薄膜を交互に積層して層構造とし、それを230℃の真空環境下、5kg/cm2の圧力にて含浸処理を行い、厚さ30μmの補強型電解質前駆体膜を得た。その両面に、H型電解質樹脂にPt担持カーボン等を分散させた触媒混合物からなる触媒層シートを130℃にて熱転写を行い、膜電極接合体前駆体を得た。
その膜電極接合体前駆体を、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液とアルコールの混合溶液で加水分解後、1mol/L硫酸水溶液で高分子鎖末端を酸型(−SO3H)に変換した。プロトン伝導性が付与された膜を純水により洗浄後、80℃、2時間の乾燥を行うことで膜電極接合体を得た。
[比較例1]
PTFEを2軸方向に延伸した多孔質基材と、電解質樹脂の前駆体高分子(高分子鎖末端が−SO2F、デュポン社製高分子NE111F)を押出し成形機にて押し出した薄膜を交互に積層して層構造とし、それを230℃の真空環境下、5kg/cm2の圧力にて含浸処理を行い、厚さ30μmの補強型電解質前駆体膜を得た。
その補強型電解質前駆体膜を、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液とアルコールの混合溶液で加水分解後、1mol/L硫酸水溶液で高分子鎖末端を酸型(−SO3H)に変換した。プロトン伝導性が付与された膜を純水により洗浄後、80℃、2時間の乾燥を行うことで、補強型電解質膜を得た。
得られた補強型電解質膜の両面に、実施例1で用いた触媒層シートと同じ触媒層シートを130℃にて熱転写を行い、膜電極接合体を得た。
PTFEを2軸方向に延伸した多孔質基材と、電解質樹脂の前駆体高分子(高分子鎖末端が−SO2F、デュポン社製高分子NE111F)を押出し成形機にて押し出した薄膜を交互に積層して層構造とし、それを230℃の真空環境下、5kg/cm2の圧力にて含浸処理を行い、厚さ30μmの補強型電解質前駆体膜を得た。
その補強型電解質前駆体膜を、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液とアルコールの混合溶液で加水分解後、1mol/L硫酸水溶液で高分子鎖末端を酸型(−SO3H)に変換した。プロトン伝導性が付与された膜を純水により洗浄後、80℃、2時間の乾燥を行うことで、補強型電解質膜を得た。
得られた補強型電解質膜の両面に、実施例1で用いた触媒層シートと同じ触媒層シートを130℃にて熱転写を行い、膜電極接合体を得た。
[試験1]
実施例1および比較例1の燃料電池について、同じ条件で発電試験を行い、高加湿条件および低加湿条件の双方で電池評価を行った。その結果を、図3(a)(高加湿条件),図3(b)(低加湿条件)に示した。
実施例1および比較例1の燃料電池について、同じ条件で発電試験を行い、高加湿条件および低加湿条件の双方で電池評価を行った。その結果を、図3(a)(高加湿条件),図3(b)(低加湿条件)に示した。
[考察]
図3(a),(b)に示すように、高加湿条件および低加湿条件の両方の条件で、実施例の方が、比較例よりも高性能を示している。これは、実施例の電池において、膜/触媒層間の電解質樹脂の結合量が大きくなったために、膜電極接合体内部の水のやり取りがスムーズになったことと、界面の抵抗が減少したことが原因であると考えられる。さらに加えて、高加湿状態の低電流領域においても、性能の向上がみられることより、従来の結合の程度では利用できていなかった触媒が、本発明の方法では、膜/触媒層間の電解質樹脂の結合量が大きくなったことで、発電に寄与することができるようになり、より高性能になったと考えられる。
図3(a),(b)に示すように、高加湿条件および低加湿条件の両方の条件で、実施例の方が、比較例よりも高性能を示している。これは、実施例の電池において、膜/触媒層間の電解質樹脂の結合量が大きくなったために、膜電極接合体内部の水のやり取りがスムーズになったことと、界面の抵抗が減少したことが原因であると考えられる。さらに加えて、高加湿状態の低電流領域においても、性能の向上がみられることより、従来の結合の程度では利用できていなかった触媒が、本発明の方法では、膜/触媒層間の電解質樹脂の結合量が大きくなったことで、発電に寄与することができるようになり、より高性能になったと考えられる。
[試験2]
実施例1および比較例1の燃料電池について、80℃と−30℃の温度履歴を繰り返す、冷熱サイクル試験を行った。その結果、比較例1では、10サイクルで膜/触媒層の界面に剥がれが生じたが、実施例1では、50サイクル行っても剥がれが生じなかった。これにより、実施例1のものは、低温耐久性も優れていることがわかった。
実施例1および比較例1の燃料電池について、80℃と−30℃の温度履歴を繰り返す、冷熱サイクル試験を行った。その結果、比較例1では、10サイクルで膜/触媒層の界面に剥がれが生じたが、実施例1では、50サイクル行っても剥がれが生じなかった。これにより、実施例1のものは、低温耐久性も優れていることがわかった。
[比較例2]
電解質樹脂の前駆体高分子(高分子鎖末端が−SO2F、デュポン社製高分子NE111F)を押出し成形機にて押し出して、厚さ30μmの補強のない電解質前駆体膜を得た。その両面に、H型電解質樹脂にPt担持カーボン等を分散させた触媒混合物からなる触媒層シートを130℃にて熱転写を行い、膜電極接合体前駆体を得た。
その膜電極接合体前駆体を、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液とアルコールの混合溶液で加水分解後、1mol/L硫酸水溶液で高分子鎖末端を酸型(−SO3H)に変換した。プロトン伝導性が付与された膜を純水により洗浄後、80℃、2時間の乾燥を行うことで、膜電極接合体を得た。
電解質樹脂の前駆体高分子(高分子鎖末端が−SO2F、デュポン社製高分子NE111F)を押出し成形機にて押し出して、厚さ30μmの補強のない電解質前駆体膜を得た。その両面に、H型電解質樹脂にPt担持カーボン等を分散させた触媒混合物からなる触媒層シートを130℃にて熱転写を行い、膜電極接合体前駆体を得た。
その膜電極接合体前駆体を、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液とアルコールの混合溶液で加水分解後、1mol/L硫酸水溶液で高分子鎖末端を酸型(−SO3H)に変換した。プロトン伝導性が付与された膜を純水により洗浄後、80℃、2時間の乾燥を行うことで、膜電極接合体を得た。
膜電極接合体を観察したところ、加水分解処理時に電解質膜の膨潤が大きく、触媒層の一部が電解質膜より脱離するのが確認された。乾燥後の膜電極接合体の触媒層表面には多くの亀裂が発生しており、一部触媒層のない部分も散見された。これは、電解質膜が補強膜を備えないために膜電極接合体としての強度が不足していたことが一因と考えられる。膜電極接合体に不備があることから、比較例2については、電池評価は行わなかった。
1…補強型電解質前駆体膜、2…電解質前駆体樹脂、3…多孔質基材、4…触媒層、5…膜電極接合体前駆体、6…膜電極接合体
Claims (4)
- 電解質樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物からなる触媒層を補強型電解質膜の両面に有する膜電極接合体の製造方法であって、
多孔質基材に電解質前駆体樹脂を含浸させて補強型電解質前駆体膜を得る工程と、
前記補強型電解質前駆体膜の両面に電解質樹脂または電解質前駆体樹脂と触媒担持導電体とを含む触媒混合物からなる触媒層を熱転写して膜電極接合体前駆体を得る工程と、
前記膜電極接合体前駆体に加水分解処理を施してプロトン伝導性を付与する工程と、
を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法。 - 前記補強型電解質前駆体膜の両面への触媒層の熱転写を120℃以上の温度で行うことを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 請求項1または2に記載の方法で製造された、電解質膜と触媒層との界面において双方の電解質樹脂が部分的に溶融結合していることを特徴とする膜電極接合体。
- 請求項3に記載の膜電極接合体を備えた固体高分子型燃料電池。
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JP2007195680A Pending JP2009032546A (ja) | 2007-07-27 | 2007-07-27 | 膜電極接合体の製造方法と膜電極接合体および燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009032546A (ja) |
-
2007
- 2007-07-27 JP JP2007195680A patent/JP2009032546A/ja active Pending
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