以下、本発明の実施の形態を図1〜図11を用いて説明する。なお本発明は、レストランなどの飲食店などで使用されるオーダーエントリーシステムに適用した場合である。
このオーダーエントリーシステムは、図1に示すように接客係が所持し顧客の注文情報を入力する複数のハンディターミナル1と、前記ハンディターミナル1と無線通信を可能とする無線通信ユニット2と、調理指示伝票を発行するキッチンプリンタ3と、チェックアウトカウンタに設置される会計装置であるPOS(Point of Sales)端末4と、システム全体を制御管理するコントロールステーション5とを備えており、前記無線通信ユニット2と前記キッチンプリンタ3と前記POS端末4と前記コントロールステーション5がLAN6(Local Area Network)によって接続されることにより構成されている。なお、前記無線通信ユニット2、前記キッチンプリンタ3、前記POS端末4は既存の物と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図2は前記コントロールステーション5のブロック図である。このコントロールステーションには、演算装置・制御装置としてのCPU11が設けられている。このCPU11には、アドレスバス、データバスなどのバスライン12を介して、ROM13、RAM14、通信インターフェース15、HDDコントローラー16、が接続されている。そして、前記HDDコントローラー16にはHDD17が接続されている。
前記ROM13には、前記CPU11によって読み出されて当該CPU11を様々な機能として働かせるプログラムや当該プログラムによるデータ処理の対象となる固定的なデータが格納されている。前記RAM14には、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの様々なメモリエリアが動的に形成される。
前記通信インターフェース15は前記ハンディターミナル1や前記キッチンプリンタ3とデータの送受信を行う。
前記HDDコントローラー16は、前記CPU11などからの指令に応じて前記HDD17の所定領域に記憶格納されているデータやプログラムなどを読出し、この読出したデータやプログラムなどを前記バスライン12に送出したり、前記バスライン12から受取ったデータやプログラムなどを前記HDD17の記憶領域に記憶格納させたりするために、前記HDD17に対するデータなどの読み書きの制御を行う。このHDDコントローラー16によって制御される前記HDD17の記憶領域には、単品料理ファイル20とセット料理ファイル30が記憶されている。
この単品料理ファイル20は単品料理に関する情報を記憶する。本実施例における単品料理とは単品で提供される料理や紅茶やジュースなどの飲み物であるとする。そして、この単品料理ファイル20には図3に示すように単品料理の識別情報である単品料理識別情報とこの単品料理識別情報に対応する単品料理名と配膳順位が記憶されている。本実施の形態では単品料理識別情報は四桁の数字からなり四桁目が0であるとする。また配膳順位は単品料理を配膳する順位を表している。本実施の形態では配膳順位は単品料理ごとに飲み物、前菜、主菜、デザートなどにグループ分けをし、このグループに対して配膳順位が割当てられている。また、配膳順位は数値で表され、値が小さいほど優先的に配膳される。例えば、紅茶などの飲み物の優先度は1、サラダなどの前菜の優先度は2、ステーキなどのメインディッシュの優先度は3、プリンなどのデザートの優先度は4というように設定される。
前記セット料理ファイル30はセット料理に関する情報を記憶する。本実施例においてセット料理は複数の単品料理から構成される。そして、図4に示すようにこのセット料理ファイル30にはセット料理の識別情報であるセット料理識別情報とこのセット料理識別情報に対応するセット料理名とセット料理を構成する複数の単品料理識別情報からなる。なお本実施の形態では、セット料理識別情報は四桁の数字からなり、四桁目が1であるとする。
図5は前記ハンディターミナル1のブロック図である。このハンディターミナル1には、演算装置・制御装置としてのCPU101が設けられている。このCPU101には、アドレスバス、データバスなどのバスライン102を介して、ROM103、RAM104、キーボードコントローラー105、表示コントローラー106、無線通信インターフェース107が接続されている。そして、このキーボードコントローラー106にはキーボード108が接続され、この表示コントローラー106には表示器109が接続されている。
前記ROM104には、前記CPU101によって読み出されて当該CPU101を様々な機能として働かせるプログラムや当該プログラムによるデータ処理の対象となる固定的なデータが格納されている。
前記RAM104には、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの様々なメモリエリアが動的に形成される。またこのほかに本実施の形態では、単品料理ファイル記憶エリアとセット料理ファイル記憶エリアと注文データ記憶エリア150と識別情報記憶エリア160と変更値記憶エリアが形成される。
前記単品料理ファイル記憶エリアには前記コントロールステーション5の前記HDD17に記憶されている前記単品料理ファイル20が記憶され、前記セット料理ファイル記憶エリアには前記コントロールステーション5の前記HDD17に記憶されているセット料理ファイル30が記憶される。本実施例においては、前記ハンディターミナル1の起動時に前記コントロールステーション5に問合せを行い、これらのデータを記憶する。したがって、前記RAM104の単品料理ファイル記憶エリアが単品料理記憶手段に相当し、前記RAM104のセット料理ファイル記憶エリアがセット料理記憶手段に相当する。また、前記RAM104のセット料理ファイル記憶エリアと単品料理ファイル記憶エリアは、それぞれセット料理識別情報とセット料理を構成する単品料理名を記憶しているので、料理憶手段に相当する。
また、注文データ記憶エリア150には、操作者が入力した注文データが記憶される。そして、前記コントロールステーション5に注文データが送信されると、記憶した値をクリアする。この注文データ記憶エリア150は図6に示すように、席番号、識別情報、セット料理名、構成識別情報、単品料理名、配膳順位、配膳順を注文データとして記憶する。席番号には料理を配膳するテーブル番号が記憶される。識別情報には前記キーボード108により入力される単品料理識別情報又はセット料理識別情報が記憶される。そして、入力された識別情報がセット料理識別情報なら、前記セット料理ファイル記憶エリアと前記単品料理ファイル記憶エリアから必要な情報を読みだして、この注文データ記憶エリア150に記憶する。また、入力された識別情報が単品料理識別情報なら、前記単品料理ファイル記憶エリアから必要な情報を読み出してこの注文データ記憶エリア150に記憶する。
注文データ記憶エリア150のセット料理名には、入力された識別情報がセット料理識別情報であった場合、そのセット料理識別情報に対応するセット料理名が記憶される。入力された識別情報が単品料理識別情報であった場合はなにも記憶されない。
構成識別情報にはセット料理を構成する複数の単品料理の識別情報が記憶される。これは、前記RAM104のセット料理ファイル記憶エリアに記憶されているセット料理識別情報に対応する複数の単品料理識別情報が読み出され記憶される。識別情報が単品料理識別情報であった場合は、なにも記憶されない。
また、単品料理名には入力された識別情報が単品料理識別情報であった場合にその単品料理識別情報に対応する単品料理名が記憶される。又、入力された識別情報がセット料理識別情報であったなら、そのセット料理を構成する複数の単品料理の単品料理識別情報に対応する単品料理名が記憶される。
配膳順位には、入力された識別情報がセット料理であった場合にはセット料理を構成する単品料理の単品料理識別番号に対応する配膳順位が記憶される。又、入力された識別情報が単品料理識別情報であった場合には、入力された単品料理識別情報に対応する配膳順位が記憶される。
入力順には識別情報が入力された順番が記憶される。なお、入力された識別情報がセット料理識別情報であったなら、セット料理を構成する複数の単品料理に対して同一の値が記憶される。
配膳順には料理が配膳される際の順番が記憶される。なお、識別情報にセット料理識別情報が記憶されている場合、このセット料理を構成する複数の単品料理一つ一つに配膳順が割付けられる。また、本実施例では値が小さいほど、配膳される順番は早いものとする。
このように、前記RAM104の注文データ記憶エリア150は、注文情報一時記憶手段に相当する。
識別情報記憶エリア160は、配膳順を変更する際に入力された単品料理識別情報とセット料理識別情報を一時記憶するものである。識別情報記憶エリア160は図7に示すように、識別情報と関連識別情報からなる。識別情報には単品料理識別情報又はセット料理識別情報が記憶される。関連識別情報には、識別情報にセット料理識別情報が記憶されている場合にのみ、このセット料理識別情報に対応する単品料理識別情報が一時記憶される。
また、変更値記憶エリアには配膳順の変更を行う際、変更後の配膳順の値が一時記憶される。
前記キーボードコントローラー105は、前記キーボード108からの入力信号を処理し、操作されたキーに対応するキーコードなどを前記バスライン2に送出するものである。このキーボードコントローラー105に接続されているキーボード108は、前記ハンディターミナル1の操作者によって操作されるもので、0から9までの数値が割当てられ数値を入力する際に使用する置数キー、操作を確定させるENTERキー、前記表示器109に表示されるカーソルを上下に移動させる上下キー、料理の識別情報を入力するメニューキー、配膳順に関する操作を行う配膳キー、入力された注文情報を前記コントロールステーション5に送信する送信キーなどが設けられている。なお、本実施例ではメニューキー一つにつき、一つの単品料理識別情報又は一つのセット料理識別情報が割り付けられているものとする。
前記客用表示コントローラー106は、操作者に対し操作結果を表示する表示器109を制御し、前記CPU101などからの指令に応じて前記バスライン2から受取ったデータなどに基づく情報を表示器109の画面に表示させる。
前記無線通信インターフェース107は無線LANやBluetoothなどの無線通信機器からなり、前記コントロールステーション5に注文データなどを送信し、または前記コントロールステーション5からのデータを受信する際に使用される。
しかして、以上のようなハードウェア構成、ファイル構成からなるオーダーエントリーシステムの前記ハンディターミナル1において、注文入力処理について図8乃至図9のフローチャートを用いて説明する。
まず、S(ステップ)1では識別情報が入力されたか否かを判別する。このS1で入力される識別情報とは、単品料理識別情報又はセット料理識別情報である。また、この識別情報の入力にはメニューキーの信号が入力された後、続けてENTERキーの信号が入力されることにより、識別情報が入力されたと判別する。また、前記キーボード108のメニューキーのキー信号を受けて動作する前記CPU101の処理が入力手段に相当する。
そして、前記S1において識別情報が入力されないなら(S1のNo)、入力されるまで前記S1の判別を繰り返す。
一方、前記S1にて識別情報が入力されたと判別されたなら(S1のYes)、入力された識別情報がセット料理識別情報か否かの判別を行う(S2)。本実施例では識別情報の四桁目の値が「1」か「0」かの判別を行う。このS2における前記CPU101の処理がセット料理判別手段に相当する。
そして、セット料理識別番号が入力されたと判別されたなら、つまりは四桁目が「1」であったなら(S2のYes)、前記RAM104のセット料理ファイル記憶エリアから、入力されたセット料理識別情報を検索する(S3)。このS3において前記RAM104のセット料理ファイル記憶エリアを検索する前記CPU101の処理が、セット料理検索手段に相当する。
前記S3にてセット料理ファイル記憶エリアから入力されたセット料理識別情報を発見すると、このセット料理識別情報に対応する複数の単品料理識別情報を前記RAM104の単品料理ファイル記憶エリアから検索する(S4)。
前記S4で単品料理識別情報の検索を完了すると、前記S3にて検索されたセット料理識別情報に対応するセット料理名と、前記S4にて検索された複数の単品料理識別番号に対応する複数の単品料理名を前記表示器109に表示する(S5)。この前記RAM104に記憶されているセット料理ファイル記憶エリアと単品料理ファイル記憶エリアからセット料理を構成する複数の単品料理名を読み出して、前記表示器109に表示する前記CPU101の処理が料理名表示手段に相当する。
そして、前記S5にてセット料理名などを表示すると、続けて、前記S3にて検索されたセット料理識別情報に対応するセット料理名とこれに対応する複数の単品料理識別情報と、前記S4にて検索された複数の単品料理識別情報に対応する複数の単品料理名と複数の配膳順位を、入力されたセット料理識別情報に対応付けて前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶する。続いて、前記RAM104の注文データ記憶エリア150の入力順を参照する。そして、入力順になにも記憶されていないなら、入力順として「1」を、複数の単品識別情報に対応付けて記憶する。一方、入力順が記憶されていると判別されたなら、既に記憶されている入力順の最大値に1を加算した値を入力順として、複数の単品識別情報に対応付けて記憶する(S6)。このS6において前記CPU101が前記RAM104の注文データ記憶エリア150に、セット料理を構成する単品料理の配膳順位などを記憶する処理がセット料理注文記憶手段に相当する。
これに対して、前記S2にて入力された識別情報がセット料理識別情報でないと判別された、つまりは識別情報の四桁目が「0」であったなら(S2のNo)、前記RAM104の単品料理ファイル記憶エリアから、入力された単品料理識別情報を検索する(S7)。このS7における、前記RAM104の単品料理ファイル記憶エリアを検索する前記CPU101の処理が単品料理検索手段に相当する。
このS7での検索により該当する単品料理識別情報を発見すると、この単品料理識別情報に対応する単品料理名を前記表示器109に表示する(S8)。
そして、前記S8にて単品料理名を前記表示器109に表示すると、前記S7にて検索された単品料理識別情報とこの単品料理識別情報に対応する単品料理名と配膳順位とを、前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶する。続いて、前記RAM104の注文データ記憶エリア150の入力順を参照する。そして、入力順になにも記憶されていないなら、入力順として「1」を、検索された単品識別情報に対応付けて記憶する。一方、入力順が記憶されていると判別されたなら、既に記憶されている入力順の最大値に1を加算した値を入力順として、検索された単品識別情報に対応付けて記憶する(S9)。このS9において、単品料理の識別情報を前記RAM104の注文データ記憶エリアに記憶する前記CPU101の処理が、単品料理注文記憶手段に相当する。
そして、前記S6又は前記S9にて識別情報に関して記憶すると、次に前記キーボード108に設けられている前記配膳キーが押下されることにより配膳キーの信号が入力されたか否かの判別を行う(S10)。このS10における前記キーボード108の配膳キーの信号が入力されたか否かの判別を行っている前記CPU101の処理が、注文完了宣言手段に相当する。
そして、このS10にて前記配膳キーの信号が入力されない場合(S10のNo)、前記S1に戻り識別情報の入力が行われるまで待機する。
一方、前記S10にて前記配膳キーの信号が入力されたなら(S10のYes)、前記RAM104の注文データ記憶エリア150の配膳順を割付ける。本実施例では、値が小さいほど配膳の優先度は高い。このため、前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶されている配膳順位の値を比較して、配膳順位の値が小さい単品料理識別情報に小さい値を割付ける。なお、配膳順位の値が等しいなら、入力順の値を比較して、入力順の値が小さい単品料理識別情報に小さい値を記憶する(S11)。
そして、前記S11にて配膳順を割付けると、前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶されているセット料理名とこのセット料理を構成する複数の単品料理名、又は単品料理名を、対応する配膳順に従って、配膳順と共に前記表示器109に表示する(S12)。このように、前記S11にて前記CPU101が前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶されている配膳順位と入力順の値から配膳順を割当て、S12の前記CPU101の命令に従って前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶されている配膳順に従って商品名を前記表示器109に表示する処理が一時記憶料理名表示手段に相当する。
前記S12にて前記表示器109に料理を配膳する順番を表示したなら、前記送信キーの信号が入力されたか否かの判別を行う(S13)。
そして、送信キーの信号が入力されないなら(S13のNo)、前記テンキーの0キーの信号が入力されたかを判別する(S14)。なお、S14における0キーの入力は、本実施例においては、前記0キーの信号が入力された後、続けてENTERキーの信号が入力されることにより、前記0キーの信号が入力されたと判別する。
そして、前記0キーの信号が入力されたと判別されたなら(S14のYes)、再び前記S11に戻り、前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶されている配膳順の再割当てを行う。
一方、前記S14で前記0キーの信号が入力されないなら(S14のNo)、変更される商品の識別番号が入力される(S15)。これは、前記上下キーのキー信号が入力され、前記表示器109に表示されているカーソルが配膳順の変更を希望する料理名の位置に移動され、ENTERキーの信号が入力されることにより、配膳順番の変更を希望する料理に対応する識別情報が入力される。このとき、選択された料理が単品料理であるなら単品料理識別情報が入力される。また、選択された料理がセット料理を構成する単品料理であるなら、セット料理識別情報と単品料理識別情報が入力される。
そして、入力された識別情報を前記RAM104の識別情報記憶エリア160に記憶する。このとき、入力された識別情報が単品料理識別情報であったなら、前記識別情報記憶エリア160の識別情報に単品料理識別情報を記憶する。また、セット料理識別情報単品料理識別情報が入力されたなら、前記識別情報記憶エリア160の識別情報にセット料理識別情報を記憶し、関連識別情報に単品料理識別情報を記憶する(S16)。
前記S16にて識別情報が入力されると、次に配膳キーの信号が入力されたかを判別する(S17)。
そして、前記配膳キーの信号が入力されないなら(S17のNo)、再度前記S15に戻り識別情報の入力が行われる。なお前記S15の処理が繰り返されたなら、前記RAM104の識別情報記憶エリア160に記憶された識別情報をクリアせず、新たに前記RAM104の識別情報記憶エリア160に入力された識別情報を記憶する。
一方、前記S17にて前記配膳キーの信号が入力されたと判別されたなら(S17のYes)、続いて前記置数キーが操作され、変更後の配膳順が入力される。そして、入力された値は、前記RAM104の変更値記憶エリアに一時記憶する(S18)。
前記S18にて変更後の配膳順が入力されると、前記RAM104の識別情報記憶エリア160に記憶されている識別情報が、セット料理を構成する単品料理の識別情報か単品料理の識別情報かを判別する。セット料理を構成する単品料理の識別情報であると判別されたなら、前記RAM104の識別情報記憶エリア160に記憶されているセット料理識別情報に対応する単品料理識別情報を、前記RAM104の注文データ記憶エリア150から検索する。そして、検索された単品料理識別情報に対応する配膳順を、前記RAM104の変更後記憶エリアに記憶されている値に変更する。又、単品料理の識別番号が記憶されていると判別されると、前記RAM104の注文データ記憶エリア150から前記RAM104の識別情報記憶エリア160に記憶されている単品料理識別情報を検索する。次に、検索された単品料理識別情報に対応する配膳順を前記RAM104の変更後記憶エリアに記憶されている値に変更する。
また、前記RAM104の識別情報記憶エリア160に複数の識別情報が記憶されている場合は、記憶されている全ての識別情報の配膳順を、前記RAM104の変更値記憶エリアに記憶されている値に変更し、記憶する。そして次に、配膳順を変更したことによる、前記RAM104の注文データ記憶エリア150の配膳順の数値の欠番を解消する(S19)。
なお、このS15、S16、S17、S18、S19における前記CPU101の命令によって行われる前記RAM104、前記キーボード108、前記表示器109の処理が、一時記憶配膳順位変更手段に相当する。また、配膳順位入力手段にも相当する。
そして、前記S19にて配膳順の割当てが完了すると、前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶されているセット料理名とこのセット料理を構成する複数の単品料理名、又は単品料理名を、対応する配膳順に従って、配膳順と共に前記表示器109に表示する(S20)。そして、前記RAM104の識別情報記憶エリア160と変更値記憶エリアをクリアし(S21)、再び前記S13に戻り、送信キーが押下されたか判別する。このS20における前記RAM104の注文データ記憶エリア150の配膳順に従って前記表示器109に単品料理名などを表示させる前記CPU101の処理が再表示手段に相当する。また、変更後表示手段にも相当する。
これに対し、前記S13で送信キーが押下されることにより、送信キーの信号が入力されたと判別されたなら(S13のYes)、前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶されている注文データを前記コントロールステーションへ送信し(S22)、前記RAM104の注文データ記憶エリア150などをクリアする(S23)。なお、この前記送信キーの信号が入力されることにより、前記無線通信インターフェース107を通じて、前記コントロールステーションに前記RAM104の注文データ記憶エリア104の内容を送る前記CPU101の処理が送信手段に相当する。
次に、以上のようなシステム構成、ハードウェア構成を備え、上述したデータを用いて上述のフローチャートに基づいた所定のデータ処理を行うハンディターミナルの動作について詳述する。なお、条件は以下に示すとおりである。
まず、前記ハンディターミナル1を操作する接客係は、席番号、人数などのデータの入力を完了し、前記ハンディターミナル1は料理の識別情報の入力待ち状態であるとする。なお、席番号には「1」を入力したとする。そして顧客は「紅茶」、「サラダ」、「ステーキ」、「プリン」からなる「ステーキセット」と「ピザ」をそれぞれ1個づつ注文し、「紅茶」と「ピザ」を最初に配膳するように口頭で接客係に告げた。
そして、前記コントロールステーション5の前記HDD17の単品料理ファイル20には、図3に示すように、識別情報「0001」、「0002」、「0003」「0004」、「0005」が記憶されており、この識別情報に対応して、単品料理名「紅茶」、「サラダ」、「ステーキ」、「プリン」、「ピザ」、配膳順位「1」、「2」、「3」、「4」、「3」が記憶されているものとする。また、前記コントロールステーション5の前記HDD17のセット料理ファイル30には、図4に示すように、識別情報「1001」に対応し、セット料理名「ステーキセット」、単品料理識別情報「0001」、「0002」、「0003」、「0004」が記憶されているものとする。そして、この単品料理ファイル20とセット料理ファイル30は、前記ハンディターミナル1の単品料理ファイル記憶エリアとセット料理ファイル記憶エリアにそれぞれ記憶される。また、席番号「1」が前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶されているものとする。
まず、接客係は口頭にて「ステーキセット」の注文を顧客から受ける。すると接客係は、「ステーキセット」のメニューキーを押下する。「ステーキセット」のメニューキーが押下されると、「ステーキセット」の識別情報「1001」が入力され、入力された識別情報の四桁目が「1」であるので、セット料理ファイル記憶エリアから入力されたセット料理識別情報「1001」が検索される。そして、検索されたセット料理識別情報「1001」に対応する単品料理識別情報「0001」、「0002」、「0003」、「0004」を、単品料理ファイル記憶エリアから検索する。そして、入力されたセット料理識別情報「1001」に対応するセット料理名「ステーキセット」と単品料理ファイルから検索された単品料理識別情報「0001」、「0002」、「0003」、「0004」に対応する単品料理名「紅茶」、「サラダ」、「ステーキ」、「プリン」を前記表示器109に、「ステーキセット 紅茶」、「ステーキセット サラダ」、「ステーキセット ステーキ」、「ステーキセット プリン」の順に表示する。
そして、表示が完了すると、検索されたセット料理識別情報「1001」とこれに対応する料理名「ステーキセット」、単品料理識別情報「0001」、「0002」、「0003」、「0004」、これらの単品料理識別情報に対応する単品料理名「紅茶」、「サラダ」、「ステーキ」、「プリン」と配膳順位「1」、「2」、「3」、「4」とが、前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶される。続けて、紅茶、サラダ、ステーキ、サラダの入力順に「1」が記憶される。
次にキャッシャは顧客から口頭で「ピザ」の注文を受け、「ピザ」のメニューキーを押下する。「ピザ」のメニューキーが押下されると、「ピザ」の識別情報「0005」が入力される。そして入力された識別情報の四桁目が「0」であるので、単品料理ファイル記憶エリアから単品料理識別情報「0005」が検索される。検索された単品料理識別情報に対応する料理名「ピザ」が、前記表示器109に表示される。続けて、検索された単品料理識別情報「0005」とこれに対応する単品料理名「ピザ」と配膳順位「3」を前記注文データ記憶エリア150に記憶する。そして、ピザの入力順として「2」が記憶される。
次に、接客係は料理の注文が終了した旨を顧客から聞くと、注文の配膳順を確認するために前記配膳キーを押下し、配膳順が決定される。紅茶の配膳順位が最も小さいので配膳順に「1」が記憶される。次にサラダの配膳順位が小さいのでサラダの配膳順に「2」が記憶される。ステーキとピザの配膳順位は等しいが、ステーキの入力順がピザの入力順よりも小さいので、ステーキの配膳順に「3」、ピザの配膳順に「4」が記憶され、プリンの配膳順に「5」が記憶される。
そして図10に示すように、前記表示器109には、配膳順の値に従って、「ステーキセット 紅茶」、「ステーキセット サラダ」、「ステーキセット ステーキ」、「ピザ」、「ステーキセット プリン」の順に、対応する配膳順と共に表示される。
そして、接客係は前記表示器109に表示された料理名を配膳順に読上げ、確認を行う。ここで、接客係は顧客から紅茶とピザを最初に配膳するよう要望を受ける。
この要望を聞いた接客係は、前記上下キーを操作することにより、前記表示器109に表示されているカーソルを「ステーキセット 紅茶」の位置に移動させ、ENTERキーを押下する。すると、ステーキセットのセット料理識別情報「1001」が前記RAM104の識別情報記憶エリア160の識別情報に記憶され、対応する紅茶の単品料理識別情報「0001」が前記RAM104の識別情報記憶エリア160の関連識別情報に記憶される。同様に、上下キーを操作し「ピザ」を選択し、ENTRTRキーを押下する。すると、ピザの識別情報「0005」が前記RAM104の識別情報記憶エリア160の識別情報に記憶される。
続けて、接客係は配膳キーを押下した後、置数キー「1」を押下し、前記RAM104の変更値記憶エリアに「1」を記憶する。すると、前記RAM104の注文データ記憶エリア150の「紅茶」と「ピザ」に対応する配膳順が前記RAM104に記憶されている値「1」に置き換えられる。その後、「サラダ」の配膳順に「2」、「ステーキ」の配膳順に「3」、プリンの配膳順に「4」がそれぞれ割当てられ、欠番が埋められる。
そして、図11に示すように、前記RAM104の注文データ記憶エリア150の変更された配膳順に従って、前記表示器109に「ステーキセット 紅茶」、「ピザ」、「ステーキセット サラダ」、「ステーキセット ステーキ」、「ステーキセット プリン」の順に、対応する配膳順「1」、「1」、「2」、「3」、「4」が表示される。そして、前記RAM104の識別情報記憶エリア160と変更値記憶エリアの値がクリアされる。
そして、接客係は前記表示器109に表示された料理名を順に読上げ、配膳順の確認を行い、送信キーを押下する。送信キーが押下されると前記RAM104の注文データ記憶エリア150に記憶されている注文データが、前記コントロールステーション5へ送信され、前記RAM104の注文データ記憶エリア150がクリアされ、注文処理を終了する。そしてコントロールステーション5から印字データがキッチンプリンタ3へ送信され、この印字データを受取ったキッチンプリンタ3は指示伝票を印字する。
以上により、接客係は、注文データを前記コントロールステーション5に送信する前に、前記表示器109に料理を配膳する順番が表示され、接客係はその配膳順を見て、配膳する順番を絶対的に並び替えることができるので、操作者の負担を減らすことができる。また、変更した配膳順が表示されるので、入力ミスを早期に発見することができる。さらに、本発明はセットメニューを単品料理ごとに管理しているので、従来より柔軟に料理を配膳することが可能である。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
本実施の形態では、前記ハンディターミナル1の起動時に、前記コントロールステーションに取り合わせを行い、前記RAM104の単品料理ファイル記憶エリアとセット料理ファイル記憶エリアにそれぞれ単品料理ファイル20とセット料理ファイル30を記憶するが、この問合せを行わず、注文の入力を行うときに、前記ハンディターミナルが前記コントロールステーションに問合せを行ってもよい。この場合、前記S1で識別情報の入力を行うと、この識別情報を前記ハンディターミナル1が前記コントロールステーションへ送信すればよい。これによって、前記ハンディターミナル1のRAM104のメモリ消費を低減することができる。
また、本実施例では前記配膳キーが押下された後に、前記RAM104の注文データ記憶エリアの配膳順の割当てを行い(前記S11)、そして配膳順に従って料理名を表示した(前記S12)が、前記S6又は前記S9の注文データ記憶処理の直後に前記S11と前記S12の処理を行い、識別情報が入力されるたびに並び替えて前記表示器109に表示してもよい。これによって、接客係は注文の入力と同時に、顧客から配膳の要望を聞き、配膳の順番を並び替えることができる。
また、本実施例においては新たに配膳キーを設けたが、新たに前記配膳キーを設けることをせず、Enterキーや確認キーなどに前記配膳キーの機能を設けることは当然に考えられる。