JP2009030695A - 変位拡大機構および制振ダンパーならびに免震機構 - Google Patents
変位拡大機構および制振ダンパーならびに免震機構 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009030695A JP2009030695A JP2007194381A JP2007194381A JP2009030695A JP 2009030695 A JP2009030695 A JP 2009030695A JP 2007194381 A JP2007194381 A JP 2007194381A JP 2007194381 A JP2007194381 A JP 2007194381A JP 2009030695 A JP2009030695 A JP 2009030695A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- damper
- seismic isolation
- displacement
- vibration
- damping
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
【解決手段】変位拡大機構4は、直線状のレール7に沿って直線的に往復移動可能な可動体8を備えた直動機構3(3a、3b)を2台1組として、双方の直動機構におけるレールどうしを所定の傾斜角度βで非平行状態で対向配置し、双方の可動体どうしを連結体により一体に連結した構成である。制振ダンパーAは直動機構における連結体を錘5としてその慣性質量を利用して慣性質量ダンパーとして機能させる。それに代えて、あるいはそれに加えて、1組の錘の間に減衰要素を設置しても良い。構造物と基礎との間に構造物を上下方向に免震支持するための上下免震機構として制振ダンパーを設置する。
【選択図】図1
Description
従来、そのための変位拡大機構としてたとえば特許文献1に示されるものが提案されている。これは複数のロッドをピンジョイントによりパンタグラフ状に組み合わせた構成の変形拡大機構(いわゆるトグル機構)にダンパーを組み込むものであって、これによれば建物の躯体フレームの微小な層間変形に対してもダンパーを効果的に作動させて充分な制振効果が得られるとされている。
また、他の機構として、てこの原理を利用して変形を拡大すものや、ボールネジの微小な軸方向の直線運動をフライホイールの回転運動に変換して大きな制御力を得る構成のものも考えられてはいるが、安定した作動や性能が保証されないものであったり、耐荷重や耐久性が充分ではなかったり、機構が複雑に過ぎて著しく高価である等の問題があり、いずれも広く普及するに至っていない。
それら上下の直動機構3はいずれも直線状のレール7に沿って可動体8が直線的にかつガタつきなく滑らかに往復移動可能なものであって、それら上下の直動機構3が2台1組とされて対向配置されたうえで、双方の可動体8どうしが錘5を連結体として一体に連結され、それによりその錘5は上下の直動機構3により案内されて上下の可動体8とともに水平方向に滑らかに直線移動可能とされている。
たとえば図1(a)に示す基準状態から上部の構造体1が下方に変位してレール7間の間隔が狭まった際には、錘5は間隔の拡がっている方向へ押し出されて(b)に示すように右方向に移動することになる。逆に上部の構造体1が上方へ変位してレール7間の対向間隔が拡がった際には、錘5は間隔の狭まっている方向へ引き寄せられて左方向へ移動することになる。
また、(b)に示しているように錘5に外力が作用した際には、楔を打ち込む場合と同様の原理により上部の構造体1の反力はその1/β倍となり、β=1/10の場合には加力Pに対して反力は10Pになる。
この場合、錘5に作用する水平加速度は構造体1,2間の相対振動の加速度αに対し1/β倍となり、錘5による構造体1,2間の慣性質量効果は実際の質量mの1/β2倍となる。つまり、上記のようにβ=1/10の場合においては錘5の水平加速度は10α、慣性質量は100mとなる。
なお、傾斜角度βは小さくなるほど変位拡大率が大きくなるので、慣性質量効果を高めるうえではβは小さいほど有利であるが、直動機構3の機械的精度や構造体1,2の施工精度、構造体1,2に対する直動機構3の取付精度等を考慮すればβ≧1/30程度とすることが現実的である。
そして、この種の直動機構3としては、可動体8を滑らかに移動させ得ることはもとより、鉛直方向の圧縮力と引張力の双方(つまり、可動体8をレール7に対して押し付けるような力とレールから引きはがすような力)に対する充分な耐力と耐久性を有するものが、各種用途、各種仕様の汎用製品として多数市販されているので、それを利用することで変位拡大機構4を充分に安価に製作することができる。
また、2台の直動機構3と錘5とを予め一体化してユニットとしておくことにより、構造体1,2間への設置や調整、特に傾斜角度βの厳密な設定も何ら困難ではなく、以上のことから本第1実施形態の制振ダンパーAは特に建物の微小な上下振動を対象とする制振手段として極めて有効である。
また、第1実施形態の変形例として、図2(a)に示すように上下の直動機構3をいずれも傾斜させたり、あるいは図2(b)に示すように上記の制振ダンパーAを2組使用してそれらを一直線上に対向配置した状態で組み合わせることにより、双方の制振ダンパーAにおける2つの錘5を互いに逆方向に直線移動させて同時に逆方向の慣性質量を発揮させる構成とすることも考えられる。
すなわち、本第2実施形態の制振ダンパーBは、全く同様に構成した上記の制振ダンパーAを2台使用してそれらを逆向きにして一直線上に対向配置し、双方の錘5にそれぞればねおよび減衰を並列した減衰要素11を連結し、それら双方の減衰要素11どうし連結部材12により連結した構成とされていて、第1実施形態の場合と同様に双方の錘5がそれぞれ慣性質量効果を発揮して慣性質量ダンパーとして機能することに加え、減衰要素11自体もダンパーとして作動してそれによる制動力も得られるものである。
また、本第2実施形態の変形例として錘5を使用せず、上下の可動体8どうしを単なる連結体により連結するのみとして、錘の質量mを考慮せずに連結体間に設置した減衰要素11それ自体をダンパーとして機能させるように構成することもできる。
その場合には錘の慣性質量による制動力は期待できないことから第1実施形態のような慣性質量ダンパーとしては機能しないが、構造体1,2間の上下方向の相対変位が変位拡大機構によって拡大されて減衰要素11に伝達されることには変わりがないから、これは変位拡大機構付きのダンパーとして機能するものになり、微小変形に対しても有効に制振効果を発揮するものとなる。
すなわち、免震対象の構造物である建物21とそれを支持する下部構造としての基礎22との間が免震層とされ、そこに建物21全体を水平方向に免震支持する積層ゴム等の水平免震装置23が設置されているとともに、建物21を上下方向に免震する上下免震装置24として上記の制振ダンパーBが設置され、この制振ダンパーBと基礎22との間には上下免震装置24を水平各方向に変位可能に支持するための水平支持機構25が設置されている。
したがって、地震等により基礎22と建物21との間で水平方向の相対振動が生じて水平免震装置23が作動した際には、それに追随して水平支持機構25が作動して上下免震装置24としての制振ダンパーBの全体が水平方向に自由に変位し、それにより上下免震装置24は水平振動を拘束せずに上下振動のみを負担するようになっている。
そして、この上下免震装置24としての制振ダンパーBは、減衰要素11による制動力が得られるばかりでなく、基本的には錘5の慣性質量を制動力を得る慣性質量ダンパーとして機能するものであるから、慣性質量と支持架台の鉛直剛性による固有振動数を上部構造である建物21の固有振動数に同調させるように各諸元を設定することにより、この上下免震装置24は上下振動に対してチューンドマスダンパー(TMD)として機能するものとなる。
また、上下免震装置24を水平方向に変位可能に支持するためには、上記のような水平支持機構25に限らず、たとえば単なる滑り支承や転がり支承も採用可能である。勿論、全体の天地を逆にして、上下免震装置24としての制振ダンパーBを基礎22に対して固定して建物21に対して上記の水平支持機構25や適宜の支承を介して水平変位可能に支持するものとしても良い。
また、水平免震装置23としては積層ゴムに限らず適宜の形式のものが採用可能であるし、水平免震装置23と上下免震装置24とを併設することに代えてそれらを上下方向に一体に積層することも考えられる。
さらに、水平方向の免震を全く考慮する必要がない場合には水平免震装置23や水平支持機構25ないし水平支承を完全に省略しても差し支えない。
たとえば、上記各実施形態では本発明の変位拡大機構およびそれを構成要素とする制振ダンパー、免震機構をいずれも上下(鉛直)方向の振動を対象とするものとしたが、要は変位拡大機構を構成している直動機構における可動体を振動方向に対してほぼ直交する方向に移動させれば良いのであって、本発明は上下方向の振動のみならず様々な方向の振動を対象とする場合にも同様に適用可能である。
1,2 構造体
3(3a、3b) 直動機構
4 変位拡大機構
5 錘(連結体)
6 取付架台
7 レール
8 可動体
11 減衰要素
12 連結部材
21 建物(構造物)
22 基礎
23 水平免震装置
24 上下免震装置(制振ダンパー)
25 水平支持機構
26 架台
27 レール
28 可動体
Claims (6)
- 間隔をおいて対向状態で配置されて互いに離接する方向の相対振動を生じる2つの構造体間に設置されて、それら構造体間に生じる前記相対振動を制動するための制振ダンパーの構成要素としての変位拡大機構であって、
直線状のレールに沿って直線的に往復移動可能な可動体を備えた直動機構を2台1組として、各直動機構を前記各構造体の対向面に対向配置するとともに、双方の直動機構におけるレールどうしを所定の傾斜角度で非平行状態で対向配置することにより、それらレール間の対向間隔を一端側で大きく他端側で小さくなるように設定し、
かつ双方の可動体どうしを連結体により一体に連結して、該連結体が双方の直動機構により案内されて対向面に平行な方向に沿って直線的に移動しつつ構造体に対して離接する方向に相対変位可能に構成することにより、
前記構造体間に前記相対振動が生じた際には、前記連結体が対向面に平行な方向に直線移動して構造体間の相対変位を許容し、かつその際の連結体の移動距離を、構造体間に生じる相対変位量よりも双方のレール間の傾斜角度に応じて拡大する機構であることを特徴とする変位拡大機構。 - 請求項1記載の変位拡大機構を備えた制振ダンパーであって、
変位拡大機構における連結体を所定質量の錘により構成し、該錘およびそれを案内して直線移動させる直動機構とによって、構造体間の相対振動により錘が直線移動した際に生じる慣性質量を制動力とする慣性質量ダンパーを構成してなることを特徴とする制振ダンパー。 - 請求項1記載の変位拡大機構を備えた制振ダンパーであって、
2組の変位拡大機構を一直線上に対向配置して、双方の変位拡大機構における連結体どうしが互いに離接するように逆方向に直線移動可能に構成し、かつ双方の連結体間にそれら連結体どうしが逆方向に直線移動した際に作動して制動力を得る減衰要素を設置してなることを特徴とする制振ダンパー。 - 請求項3記載の制振ダンパーであって、
2組の変位拡大機構における連結体をそれぞれ所定質量の錘により構成し、それら錘が逆方向に直線移動した際にそれらの間に設置した減衰要素の作動により制動力を得るとともに、その際に双方の錘により生じる逆方向の慣性質量を制動力とする慣性質量ダンパーとしても機能せしめてなることを特徴とする制振ダンパー。 - 請求項2〜4のいずれかに記載の制振ダンパーを備えた免震機構であって、
構造物とそれを支持する基礎との間に、構造物を上下方向に免震支持するための上下免震装置として前記制振ダンパーを設置してなることを特徴とする免震機構。 - 請求項2〜4のいずれかに記載の制振ダンパーを備えた免震機構であって、
構造物とそれを支持する基礎との間に、構造物を水平方向に免震支持する水平免震装置を設置するとともに、構造物を上下方向に免震支持するための上下免震装置として前記制振ダンパーを水平方向に変位自在に設置してなることを特徴とする免震機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007194381A JP4822133B2 (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | 変位拡大機構および制振ダンパーならびに免震機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007194381A JP4822133B2 (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | 変位拡大機構および制振ダンパーならびに免震機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009030695A true JP2009030695A (ja) | 2009-02-12 |
JP4822133B2 JP4822133B2 (ja) | 2011-11-24 |
Family
ID=40401433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007194381A Active JP4822133B2 (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | 変位拡大機構および制振ダンパーならびに免震機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4822133B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010261240A (ja) * | 2009-05-08 | 2010-11-18 | Shimizu Corp | 既存高層建物の制震改修工法 |
CN107268823A (zh) * | 2017-07-21 | 2017-10-20 | 广州大学 | 一种楔形装置与隔震支座的连接装置 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101942899B1 (ko) | 2018-09-19 | 2019-01-28 | 윤기형 | 수배전반의 바닥에 설치되는 경사형 내진장치 및 그 경사형 내진장치를 이용한 내진방법 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2306392A (en) * | 1938-12-15 | 1942-12-29 | American Steel Foundries | Friction absorbing device |
JPH06200975A (ja) * | 1992-12-28 | 1994-07-19 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 変位変換機構を有する防振装置 |
JP2003097642A (ja) * | 2001-09-25 | 2003-04-03 | Kajima Corp | 上下免震装置 |
-
2007
- 2007-07-26 JP JP2007194381A patent/JP4822133B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2306392A (en) * | 1938-12-15 | 1942-12-29 | American Steel Foundries | Friction absorbing device |
JPH06200975A (ja) * | 1992-12-28 | 1994-07-19 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 変位変換機構を有する防振装置 |
JP2003097642A (ja) * | 2001-09-25 | 2003-04-03 | Kajima Corp | 上下免震装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010261240A (ja) * | 2009-05-08 | 2010-11-18 | Shimizu Corp | 既存高層建物の制震改修工法 |
CN107268823A (zh) * | 2017-07-21 | 2017-10-20 | 广州大学 | 一种楔形装置与隔震支座的连接装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4822133B2 (ja) | 2011-11-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6309170B2 (ja) | 免震ユニットおよび免震装置 | |
JP5181269B2 (ja) | 上下免震機構 | |
TWI736021B (zh) | 振動產生裝置 | |
JP4410725B2 (ja) | 上下免震ユニットおよびこれを用いた免震装置 | |
TW201718166A (zh) | 上下免震裝置 | |
JP4822133B2 (ja) | 変位拡大機構および制振ダンパーならびに免震機構 | |
JP4593552B2 (ja) | 上下免震装置 | |
JP6694672B2 (ja) | 制振装置及びこれを備えた建物 | |
JP2012042016A (ja) | 3次元免震装置 | |
JP4822132B2 (ja) | 上下免震機構 | |
JP2012246998A (ja) | 制振装置 | |
JP4761347B2 (ja) | 建物の制振システム。 | |
JP7090006B2 (ja) | 免震装置 | |
JPH02107843A (ja) | 三次元免震装置 | |
JP5787933B2 (ja) | 塔状構造物 | |
JP5191529B2 (ja) | 振動抑制装置 | |
JP6726381B2 (ja) | 回転マスダンパの設置構造 | |
JP2016094989A (ja) | 振動吸収装置及び建物 | |
JP6797341B2 (ja) | 免震ユニットおよび免震装置 | |
JP2011102530A (ja) | 制振建物 | |
JP5252227B2 (ja) | 免震システム | |
KR101479282B1 (ko) | 연직 방향 진동 저감 장치 | |
JP2016056875A (ja) | 制振機能付き免震構造物 | |
JPH11230254A (ja) | 免震装置 | |
JP2016151278A (ja) | 制振装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091225 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110809 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110825 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4822133 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916 Year of fee payment: 3 |