JP4593552B2 - 上下免震装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の床(コンピュータルームの床等)や美術品を置くテーブル等の免震対象構造物、さらには建築物を地震の縦揺れから保護する上下免震装置に関する。
周知のように免震の原理は、免震対象構造物の振動固有周期を、免震装置によって地震波の振動周期よりも十分に長くする(長周期化する)ことにより、地震の揺れに対し構造物の揺れが追随しないようにするというものである。
ところで、上下免震を行う場合は、水平免震と違って、重力の影響を考慮した長周期化が必要である。言い換えると、免震対象構造物を全て支えた状態で長周期の揺れを実現する必要がある。
このため、バネ定数kの機械式バネを用いて支持した場合、まず、構造物の質量Mによってバネが変形し、質量と重力加速度との積と、バネの力とが釣り合った状態で静止する。この時の鉛直変形量δは下式で与えられる。なお、gは重力加速度(980cm/s)である。
Figure 0004593552
構造物が静止した状態から、さらに鉛直変形を与えて離すと、構造物は固有周期Tで自由振動する。この固有周期Tは、質量Mと、バネ定数kを用いて下式で与えられる。
Figure 0004593552
また、上記の(1)式、(2)式から、固有周期Tは、鉛直変形量δと、重力加速度gとを用いて下式で表すこともできる。
Figure 0004593552
すなわち、構造物は、目標とする固有周期Tが決まると、構造物の質量によってバネ定数は変わるが、構造物を支持したときの鉛直変形δが下式の関係を許容できるバネが必要になる。
Figure 0004593552
例えば、上下振動の周期をT=2.0秒にする場合、免震対象構造物を支えるだけでも、鉛直変位δ=100cmだけ上下に変形し得るバネが必要になる。また、周期T=1.0秒にする場合、δ=25cmだけ上下に変形し得るバネが必要になる。この鉛直変位δを圧縮バネで実現しようとすると、バネの座屈が問題となり、また引張バネで実現しようとすると、設置スペースが問題となる。そのため、構造物や床を支える耐荷力の面から、実現されている例がほとんどないのが実情である。
こうした機械式バネに対し、空気バネは、耐荷力(空気圧で調整可能)とバネ定数(体積で調整可能)を独立に設定できるため、重量が100t未満の床を対象とした上下免震に適用されている。
図9は空気バネを用いた上下免震装置の例を示す。図において、免震対象構造物(床等)1と支持構造物2との間に、空気バネ3及びダンパ4が介在されており、免震対象構造物1は空気バネ3によってその荷重が支えられている。空気バネ3には、コンプレッサ5から空気配管6を介して空気が供給される。この上下免震装置では、空気バネ3の空気圧と支持面積により耐荷力が与えられ、エアタンク(図示略)を含めた空気充満部の体積によりバネ定数が与えられる。
ところで、空気バネを用いた上下免震装置は、バネ定数を小さくして長周期化するために、大容積のエアタンクを必要とする。このため、現実的には0.7から0.8秒程度の周期を実現するに留まっており、大きな免震効果が期待できない。また、コンプレッサ5、エアタンク、空気配管6などの空気圧システムを必要とすること、空気圧をモニタしながらコンプレッサの運転を行う必要があることなどから、機械式バネを用いる形式と比べて、設備コストやランニングコストがかかり、効果が少ない割にコストが嵩み、またコンプレッサ等のメンテナンスも大変であるという問題がある。また、柔らかい空気バネで免震対象構造物を支持するため、床免震に適用した場合、床面の歩行性が悪いという問題がある。
本発明は、上記事情を考慮し、機械式バネやゴム、空気バネ等の、弾性体のバネ定数によらないで、上下振動の長周期化を実現し得る、低コストで、実現容易な上下免震装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、免震対象構造物を、鉛直方向に弾性的復元力を発揮する鉛直免震部を介して、その下方の支持構造物で支持することにより、免震対象構造物の上下振動を軽減する上下免震装置において、免震対象構造物と支持構造物との間に、免震対象構造物の上下動に連動して円盤を回転させる運動変換機構を設け、前記円盤の回転慣性モーメントにより、見かけ上の質量を付加し、免震対象構造物の質量を増やしたり、鉛直免震部の弾性的復元力を小さくすることなく免震対象構造物の支持剛性を保持したまま振動固有周期を長周期化し、地震の揺れに対し免震対象構造物の揺れをより追随しないようにすることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記上下免震装置を備え支持剛性を保持できたことにより、振動固有周期を長周期化し、地震の揺れに対し免震対象構造物の揺れをより追随しないようにする鉛直免震部の不要時は免震機能をOFFし、地震時の必要時のみ前記免震機能をONするトリガ機構を必要としなくなることを特徴とする。
本発明では、上下振動に関与する見かけ上の質量を増加させることができるので、バネ定数を小さくするだけでは現実的に対応できなかったレベルの上下振動の固有周期の長期化が図れる。即ち、免震構造の上下振動固有周期Tは、それを支持する鉛直免震部の強さ(バネ定数:k)と、上下振動に関与する質量(m)の関数として、次式のように表される。
Figure 0004593552
従来では、この式において、バネ定数kを小さくすることで、固有周期Tを大きくし、免震効果を得ていた。
本発明では、バネの強さに依存するのではなく、上下振動に関与する質量(m)を増加させることで、上下振動固有周期Tを大きくし、免震効果を得るようにしている。この場合、付加される質量はバネに対する負荷(荷重)とはならないので、例えば、鉛直免震部としてコイルバネを用いた場合、コイルバネの座屈問題が生じ難くなる。や設置スペースの問題は生じないし、また、見かけの質量増加によって上下振動の長周期化を図るので、バネ定数kを大きくとる(硬いバネを使用する)ことができ、硬いバネの使用によって免震構造物が床である場合に、床面の歩行性が良好になる。バネとして、空気バネを用いた場合には、バネ定数kを大きくとることができるので、小さなエアタンクでもよくなるか、もしくは用いる必要がなくなる。
また、バネ定数kの小さな柔らかいバネを使用した場合は、そのままでは歩行困難であるために、不要時は免震機能をOFFし、必要時のみ免震機能をONするトリガ機構を設けることがあるが、硬いバネの使用により常時良好な歩行性が確保できるので、敢えてトリガ機構を設ける必要もなくなる。
請求項の発明は、請求項に記載の発明において、前記運動変換機構が、ボールネジ軸とボールネジナットの組合せよりなり、ボールネジ軸とボールネジナットのうちの一方が免震対象構造物側に設けられ、他方が前記円盤側に設けられ、免震対象構造物に対するボールネジナットの固定部、支持構造物に対するボールネジ軸の支持部に防振ゴムを介在させていることを特徴とする。
この装置では、円盤の回転慣性モーメントにより、上下振動に関与する慣性質量を増加させるので、例えば、円盤の質量や半径、あるいは、運動変換機構の運動変換率等を調整することにより、慣性質量の増減が簡単にできて、上下振動の周期を自由に調整することができる。また、構造が簡単であるから、設備コストやメンテナンスコストを低く抑えることができる。
この発明によれば、上下振動に関与する見かけ質量を増加させるようにしたので、バネ定数の大きな鉛直免震部を使用しながら、上下振動の長周期化を図ることができ、免震効果を高めることができる。また、バネ定数を大きくとることができるので、免震対象構造物が床である場合には、床面の歩行性が良好になる。
また、円盤の回転慣性モーメントにより、上下振動に関与する慣性質量を増加させるようにしたので、円盤の質量や半径、あるいは、運動変換機構の運動変換率等を調整することによって、慣性質量の増減が簡単にできて、上下振動の周期を自由に調整することができる。しかも、構造が簡単であるから、設備コストやメンテナンスコストを低く抑えることができる。
さらに、ボールネジ式運動変換機構を使用したことにより、上下運動を円盤の回転運動にスムーズに変換することができるので、良好な作動を保証することができる。また、ボールネジの使用により、ネジのリードを小さくすることができるので、見かけ上の質量増大効果を高くすることができ、例えば円盤の質量の数千倍の慣性質量を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は第1実施形態の上下免震装置の原理構成を示す側面図である。図において、1は免震対象構造物(床等)、2はその下方の支持構造物(建物の梁等)である。この上下免震装置は、免震対象構造物1をコイルバネ(鉛直免震部)13を介してその下方の支持構造物2で支持することにより、免震対象構造物1の上下振動を長周期化するというものである。なお、コイルバネは、復元力を有するものであればコイルバネ以外のもの、例えばゴムや空気バネを用いても良い。免震対象構造物1と支持構造物2との間には、さらに、免震対象構造物1の略上下動に連動することで、略上下振動に関与する慣性質量を増加させる質量付加機構20が設けられている。
この質量付加機構20は、所定の質量を有する円盤21と、免震対象構造物1の略上下動に連動して円盤21を回転させるボールネジ式の運動変換機構22とから構成され、円盤21の回転慣性モーメントにより、免震対象構造物1の略上下振動に関与する慣性質量を増加させるものである。
軸線を鉛直方向に向けて配置されたボールネジ式の運動変換機構22は、ボールネジナット23と、図示略のボールを介してボールネジナット23に螺合するボールネジ軸24との組合せよりなるもので、ボールネジナット23が免震対象構造物1の下面に固定され、ボールネジ軸24が円盤21に固定された上で、支持構造物2上にベアリング28により回転自在に保持されている。また、免震対象構造物1と支持構造物2との間には、免震対象構造物1の略上下動を適正に案内する上下動ガイド30が設けられ、ボールネジナット23とボールネジ軸24とが適正に螺合することで、免震対象構造物1の略上下運動が円盤21の回転運動にスムーズに変換されるようになっている。
次に作用を説明する。
このような上下免震装置を設けた振動系では、バネ13の定数kと上下振動に関与する質量mで決まる固有の周期Tで、免震対象構造物1が上下振動することになる。即ち、免震構造の上下振動固有周期Tは、それを支持するバネ13の強さ(バネ定数k)と、上下振動に関与する質量mの関数として(4)式のように表される。
従来では、この式において、バネ定数kを小さくすることで固有周期Tを大きくしていたが、この実施形態の装置では、バネ13の強さに依存するのではなく、上下振動に関与する質量mを増加させることで、上下振動固有周期Tを大きくするようにしている。
即ち、免震対象構造物1が略上下動すると、その運動がボールネジナット23及びボールネジ軸24を介して円盤21の回転運動に変換される。そして、円盤21の回転により回転慣性モーメントが発生し、この回転慣性モーメントにより、略上下振動に関与する慣性質量が増加することになり、その結果、免震対象構造物1の略上下振動の固有周期の長周期化が達成されて、上下免震効果が現れる。
円盤21を設けたことによる効果を演算により求めると次のようになる。
まず、
Figure 0004593552
であり、エネルギの式は、
Figure 0004593552
となる。この式は次の式に書き直すことができ、
Figure 0004593552
この式を固有振動数ωについて解くと、
Figure 0004593552
となる。この式の中の
Figure 0004593552
は円盤の等価質量を示す。また、下記に示す周期と角速度との一般式
Figure 0004593552
と、(5)式、(6)式とから角速度ωを消去すると、
Figure 0004593552
となり、上式と、(1)式とから下式が導かれる。
Figure 0004593552
(3)式と比較すると判るように、上式の右辺第1項は、コイルバネ等の機械式バネによる免震対象構造物の上下振動の固有周期長期化に寄与する部分であり、残りの上式の右辺第2項が、円盤21を設けたことによる免震対象構造物の上下振動の固有周期長期化に寄与する部分である。つまり、上式の右辺第2項が、円盤21を設けたことによる効果を表す部分となる。
実際の効果を演算により検討してみると、例えば、円盤21として、25mm厚の鋼板を用いた場合を計算すると、円盤による質量効果は次表のようになる。
ただし、ここではボールネジ式の運動変換機構22のリードを20mmとしてある。
Figure 0004593552
このように、あまり大きな質量の円盤21を使用しないでも、質量効果(質量増加率)は数千倍になる。なお、円盤21の等価質量は、半径を大きくし、ボールネジのリードを小さくする(高速で回転する)ほど大きくなる。
また、摩擦係数が小さいボールネジ式の運動変換機構22を使用したことにより、略上下運動が回転運動にスムーズに変換されるので、良好な作動が保証されることになる。また、ボールネジ式の運動変換機構22の使用により、ネジのリードを小さくすることができる(小さな略上下動で高速回転させることができる)ので、前述したように、見かけ上の質量増大効果を高くすることができる。例えば、円盤の質量の数千倍の慣性質量を得ることができる。
また、上記のように回転慣性質量を利用することにより、バネ13には追加の荷重がほとんどかからないので、バネ13の定数を大きくとる(硬いバネを使用する)ことができ、硬いバネ13の使用によって免震対象構造物1が床である場合に、床面の歩行性が良好になる。また、例えば、円盤21の質量や半径、あるいは、運動変換機構22の運動変換率(リードの大きさ)等を調整することにより、慣性質量の増減が簡単にできるので、略上下振動の周期を自由に調整することができる。
図2は第2実施形態の上下免震装置の原理構成を示す側面図である。この実施形態の装置では、免震対象構造物1及び支持構造物2に対するバネ13の上下固定端、免震対象構造物1に対するボールネジナット23の固定部、支持構造物1に対するボールネジ軸24の支持部に防振ゴム31を介在させている。それ以外は第1実施形態の同様の構成である。
このように防振ゴム31を介在させた場合、防振ゴム31の作用により、地震による振動よりも短い周期の微振動を吸収することができる。
図3は第3実施形態の上下免震装置の原理構成を示す側面図である。この実施形態の装置では、免震対象構造物1と支持構造物2の間に介在させた質量付加機構40を、第1実施形態と同様に円盤41とボールネジ式の運動変換機構42とで構成しているものの、前記第1実施形態とは逆にボールネジナット43を円盤41と一体に設け、ボールネジ軸44の上端を免震対象構造物1側に固定している。そしてボールネジ軸44の下端と支持構造物1との間に、ボールネジ軸44の上下変位を可能にする空間を確保し、その状態でボールネジ軸44の下端を、安定して略上下動できるように上下動ガイド48で支持している。また、円盤41を、ボールネジ軸43に追従して略上下動しないように、ベアリング46で一定高さにて回転可能に支持している。また、免震対象構造物1と支持構造物2の間には、バネ13と組合わせてダンパ(振動減衰機構)14を介在させている。
この装置では、免震対象構造物1が略上下動するのに伴ってボールネジ軸44が略上下方向にスライドし、その運動がボールネジナット43で回転運動に変換されることで、円盤41が回転して回転慣性モーメントが発生する。そして、回転慣性モーメントの発生により、略上下振動に関与する見かけ上の質量が増加し、略上下振動が長周期化する。その他の効果は第1実施形態と同様である。ただし、この装置では、減衰機構としてダンパ14を設けているので、振動減衰効果も奏することができる。
なお、上記第1〜第3の各実施形態において、図4(a)に示すように、円盤21、41の回転にブレーキをかけるブレーキ機構35を設けて、減衰性能を得るようにすることもできる。また、円盤21、41をブレーキでロックさせることにより、従来のトリガ機構と同じの役割を果たさせることもできる。また、円盤21、42の回転を減衰させるために、図4(b)に示すように、粘性流体36aを用いた減衰機構36を設けることもできる。この減衰機構36では、円盤21、41に設けた下垂部材36bが、粘性流体36a中を動くことで減衰効果が得られる。
図5は第4実施形態の上下免震装置の原理構成を示す側面図である。この実施形態の装置では、免震対象構造物1と支持構造物2の間に、コイルバネ13の代わりに、水平免震装置として一般的に使用されている積層ゴム(鉛直免震部、水平免震機能部材)15を介在させたものである。質量付加機構40については、第3実施形態と同様のものとし、下端部が支持構造物2上を略水平スライド可能にしてある。
この装置では、前述したように、見かけ上の質量の増加によりバネ定数を高くできることから、そのバネとして積層ゴム15を使用している。積層ゴム15は、微小ではあるが、略垂直方向にバネ作用を持っているので、質量付加機構40と協同して上下免震機能を果たす。また、積層ゴム15は水平免震機能を有するものであるから、結果的に3次元免震を行うことができる。
なお、積層ゴム15の代わりに、安定板と、安定板より断面積の小さい複数の積層ゴムとを交互に複数段積層した、多段積層ゴムを用いても良い。多段積層ゴムは、積層ゴム15よりも略鉛直方向の剛性が小さいため、積層ゴム15よりも上下免震機能を発揮することができる。さらに、積層ゴム15より略水平方向の剛性が小さいため、積層ゴム15よりも水平免震機能を有するものである。
図6は第5実施形態の上下免震装置の原理構成を示す側面図である。この実施形態の装置では、支持構造物2を水平免震装置50を介してベース構造物2Bで支持している。支持構造物2とベース構造物2Bとの間に介在された水平免震装置50は、支持構造物2を略水平移動自在に支持する台車51と、支持構造物2とベース構造物2Bとの間に略水平方向に伸縮方向を向けて介在されたバネ52及びダンパ53とからなる。この装置によれば、3次元免震機能を果たすことができる。
図7は第6実施形態の上下免震装置の原理構成を示す側面図である。この実施形態の装置では、質量付加機構60を、ラック63A、63Bとピニオン64の組合せよりなる運動変換機構62と、水平軸回りに回転する円盤61とで構成している。この場合、ラック63A、63Bは免震対象構造物1及び支持構造物2に取り付け、ピニオン64は円盤61に設けている。その他の構成は第1実施形態と同様である。
この装置では、免震対象構造物1が略上下動すると、それに伴ってラック63Aが略上下動し、その動きでラック63A、63Bに挟まれたピニオン64が回転して、円盤61の回転により回転慣性モーメントが発生する。そして、略上下振動に関与する慣性質量の増加により、長周期化が達成される。この装置の場合、ラック63A、63Bとピニオン64の組合せで円盤64を回転させるから、構造が簡単である。
図8は第7実施形態の上下免震装置の原理構成を示す側面図である。この実施形態の装置では、免震対象構造物1と支持構造物2との間に、荷重が支持構造物2により支持された質量付加機構70を設けている。そして、その質量付加機構70の中心的な構成要素として、回転する円盤ではなく、支持構造物1の上を略水平スライドする質量体74を設け、免震対象構造物1の略上下動を複数のアーム71、72、73を介して質量体74の略水平方向のスライド動作に変換するようにしている。その他に免震対象構造物1と支持構造物2との間に、図1と同様にバネ(図示略)が設けられている。
この装置では、質量体74の荷重は支持構造物2によって支持されており、バネにはかかっていない。また、免震対象構造物1が略上下動すると、質量体74が略水平方向に運動することで、略上下振動の慣性質量として作用する。従って、コイルバネ等の機械式バネを用いながら、略上下振動の長周期化を実現することができる。
なお、第1〜第6実施形態を、建物の床の免震装置として適用する場合、質量付加機構20、40、60は、床の梁下に設置するのがよい。また、第1実施形態において、上下動ガイド30を設ける代わりに、ボールネジナット23の免震対象構造物1への固定部分や、ボールネジ軸24の支持構造物1による支持部分を、ある程度の揺動を許容するピン支持構造とすることもできる。また、円盤21、41、61の回転による慣性モーメントを見かけ質量の付加に利用する場合には、円盤の形状を、外周縁のみを厚くした構成としてもよく、そうすることにより、円盤の重量の割に慣性力をより高めることができる。
本発明の第1実施形態の原理構成を示す側面図である。 本発明の第2実施形態の原理構成を示す側面図である。 本発明の第3実施形態の原理構成を示す側面図である。 (a)は第1〜第3実施形態における円盤にブレーキ機構を付加した例を示す図、(b)は粘性流体式の減衰機構を付加した例を示す図である。 本発明の第4実施形態の原理構成を示す側面図である。 本発明の第5実施形態の原理構成を示す側面図である。 本発明の第6実施形態の原理構成を示す側面図である。 本発明の第7実施形態の原理構成を示す側面図である。 従来装置の原理構成を示す側面図である。
符号の説明
1 免震対象構造物
2 支持構造物
13 コイルバネ(鉛直免震部)
14 ダンパ(振動減衰機構)
15 積層ゴム(鉛直免震部、水平免震機能部材)
20,40,60 質量付加機構
21,41,61 円盤
22,42 運動変換機構
23,43 ボールネジナット
24,44 ボールネジ軸
30 上下動ガイド
31 防振ゴム
35 ブレーキ機構
36 振動減衰機構
50 水平免震装置
63A,63B ラック
64 ピニオン
70 質量付加機構
74 質量体

Claims (3)

  1. 免震対象構造物を、鉛直方向に弾性的復元力を発揮する鉛直免震部を介して、その下方の支持構造物で支持することにより、免震対象構造物の上下振動を軽減する上下免震装置において、免震対象構造物と支持構造物との間に、免震対象構造物の上下動に連動して円盤を回転させる運動変換機構を設け、前記円盤の回転慣性モーメントにより、見かけ上の質量を付加し、免震対象構造物の質量を増やしたり、鉛直免震部の弾性的復元力を小さくすることなく、免震対象構造物の支持剛性を保持したまま振動固有周期を長周期化し、地震の揺れに対し免震対象構造物の揺れをより追随しないようにすることを特徴とする上下免震装置。
  2. 前記上下免震装置を備え支持剛性を保持できたことにより、鉛直免震部の不要時は、振動固有周期を長周期化し、地震の揺れに対し免震対象構造物の揺れをより追随しないようにする免震機能をOFFし、地震時の必要時のみ前記免震機能をONするトリガ機構を必要としなくなることを特徴とする請求項1に記載の上下免震装置。
  3. 前記運動変換機構が、ボールネジ軸とボールネジナットの組合せよりなり、ボールネジ軸とボールネジナットのうちの一方が免震対象構造物側に設けられ、他方が前記円盤側に設けられ、免震対象構造物に対するボールネジナットの固定部、支持構造物に対するボールネジ軸の支持部に防振ゴムを介在させていることを特徴とする請求項に記載の上下免震装置。
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