JP2009030005A - ポリアセタール樹脂を用いた摺動部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリアセタール樹脂中に弗素系樹脂を微分散させて良好な摺動特性と機械的特性を有するポリアセタール樹脂を用いた摺動部材を提供することにある。
【解決手段】ポリアセタール樹脂中に弗素系樹脂を分散させた摺動部材であって、分散助剤として界面活性剤をポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計量100質量部に対して0.05〜6質量部配合したポリアセタール樹脂を用いた摺動部材にあり、弗素系樹脂をポリアセタール樹脂中に微分散して良好な摺動特性を付与する。
【選択図】なし
【解決手段】ポリアセタール樹脂中に弗素系樹脂を分散させた摺動部材であって、分散助剤として界面活性剤をポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計量100質量部に対して0.05〜6質量部配合したポリアセタール樹脂を用いた摺動部材にあり、弗素系樹脂をポリアセタール樹脂中に微分散して良好な摺動特性を付与する。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアセタール樹脂中に弗素系樹脂を微分散させて良好な摺動特性を有するポリアセタール樹脂を用いた摺動部材に関する。
従来、軸受け、歯車部品等には、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル及びポリカーボネート等の熱可塑性樹脂は、摩擦摩耗特性を改良するために、フッ素樹脂、超高分子量ポリエチレン、二硫化モリブデン、グラファイトが混入されたものが知られている。
また、特許文献1には、ポリアセタール樹脂を含む熱可塑性樹脂にポリテトラフルオロエチレンからなる潤滑剤及びガラス繊維のような繊維材料を含む高度の摩擦摩耗特性を有する成形材料について記載されている。
更に、特許文献2には、ポリアセタール樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、カーボンブラック、熱安定剤、成形性改良剤を用いた摺動特性を改善したポリアセタール樹脂組成物について開示されている。
特開平9−272802号公報
特開平11−222548号公報
しかし、従来のポリアセタール樹脂組成物のように、ポリアセタール樹脂中にポリテトラフルオロエチレンを混入した場合には、ポリテトラフルオロエチレンの2次粒子径が50μm以上を大きく、その分散状態も悪くなっていることが判った。このため、ポリアセタール樹脂組成物は十分な摺動特性が得られず摩耗が大きくなり、また亀裂が入りやすく、破損しやすくなる問題があった。
本発明は上記の問題を解決することを目的とし、ポリアセタール樹脂中に弗素系樹脂を微分散させて良好な摺動特性と機械的特性を有するポリアセタール樹脂を用いた摺動部材を提供することにある。
即ち、本発明は上述の課題を解決するためになされたものであって、請求項1記載の発明は、ポリアセタール樹脂中に弗素系樹脂を分散させた摺動部材であって、分散助剤として界面活性剤をポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計量100質量部に対して0.05〜6質量部配合したことを特徴とするポリアセタール樹脂を用いた摺動部材にあり、弗素系樹脂をポリアセタール樹脂中に微分散させる。
本願請求項2記載の発明は、分散助剤の添加量がポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計樹脂量100質量部に対して0.1〜0.5質量であるポリアセタール樹脂を用いた摺動部材により、これにより弗素系樹脂がポリアセタール樹脂中により細かく微分散する。
本願請求項3記載の発明は、分散助剤がステアリン酸カルシウム、12ヒドロキシステアリン酸カルシウム、そしてステアリン酸マグネシウムから選ばれた少なくとも一種の界面活性剤であるポリアセタール樹脂を用いた摺動部材である。
本願請求項4記載の発明は、弗素系樹脂の添加量が、ポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計樹脂量に対して10〜40質量%であり、この範囲であれば弗素系樹脂が微分散することで良好な摺動特性と機械的特性を有する。
本願請求項5記載の発明は、ポリアセタール樹脂中に分散している弗素系樹脂の2次粒子径が50μm以下であるポリアセタール樹脂を用いた摺動部材であり、弗素系樹脂が微分散することで良好な摺動特性と機械的特性を有する。
本発明は、分散助剤として界面活性剤をポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計量100質量部に対して0.05〜6質量部配合することにより、弗素系樹脂の2次粒子径を小さくして分散状態を良くし、これにより摺動特性および耐摩耗性を向上させ、また機械的特性の低下を抑えることができる。
本発明で使用するポリアセタール樹脂としては、ポリアセタールホモポリマー及び主鎖の大部分がオキシメチレン連鎖よりなるポリアセタールコポリマーのいずれも使用できる。また、ポリアセタールを公知の方法で架橋あるいはグラフト共重合して変性させたものも使用でき、また重合度等も特に制限はない。ポリアセタール樹脂の添加量はポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計樹脂量に対して60〜95重量%である。
本発明で使用する弗素系樹脂は、摩擦低減材の機能を有する樹脂であり、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、エチレン・テトラフルオロエチレン等がある。
弗素系樹脂の添加量は、ポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計樹脂量に対して5〜40質量%、より好ましくは20〜30質量%であり、5質量%未満では弗素系樹脂が摩擦低減材として機能しなくなり、一方40質量%を越えると機械的性質が低下するといった問題が発生する。
本発明で使用する分散助剤としては、ステアリン酸カルシウム、12ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等界面活性剤であり、これらは一種もしくは2種以上使用することができる。上記分散助剤は極性の高いポリアセタール樹脂と極性の低い弗素系樹脂を混ざりやすくし、連続相となるポリアセタール樹脂中に分散相の弗素系樹脂を均一に微分散させる機能を有している。分散した弗素系樹脂の2次粒子径は50μm以下、好ましくは10μm以下である。ここで言う2次粒子径とは、電子顕微鏡で観測される弗素樹脂系粒子(1次粒子)の凝集体の粒径をいう。
上記分散助剤の添加量は、ポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計樹脂量100質量部に対して0.05〜6質量部であり、より好ましくは0.1〜0.5質量部であり、0.05質量部未満では弗素系樹脂の分散効果がなく、一方6質量部を越えると弗素系樹脂の分散状態や耐摩耗性が良好であるが、降伏強度等の機械的特性が低下する。
上記摺動部材の製造方法は、ペレット状のポリアセタール樹脂中に粉末状の弗素系樹脂、粉末状の分散助剤をドライブレンドした後、この混合物をホッパーに投入して温度170〜210℃の範囲に調節された二軸押出機によって筒状、棒状、板状等の所定形状に押出成形して摺動部材にすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。これらの例は単なる例示であって、本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜7、比較例1〜2
ポリアセタール樹脂ペレット、ポリテトラフルオロエチレン粉体に、分散助剤(ステアリン酸カルシウム12ヒドロキシステアリン酸カルシウム、あるいはステアリン酸マグネシウム)の所定量を室温でドライブレンドした後、このブレンド物を二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX44α2)の主フィーダに投入し、押出条件(温度180〜200℃、回転数150rpm、吐出量20kg/時間)で所定の試験片を成形し、得られた試験片を用いてスラスト試験、引張り試験、そしてポリテトラフルオロエチレンの分散状態を調べた。その結果を表1に示す。
ポリアセタール樹脂ペレット、ポリテトラフルオロエチレン粉体に、分散助剤(ステアリン酸カルシウム12ヒドロキシステアリン酸カルシウム、あるいはステアリン酸マグネシウム)の所定量を室温でドライブレンドした後、このブレンド物を二軸押出機(日本製鋼所社製:TEX44α2)の主フィーダに投入し、押出条件(温度180〜200℃、回転数150rpm、吐出量20kg/時間)で所定の試験片を成形し、得られた試験片を用いてスラスト試験、引張り試験、そしてポリテトラフルオロエチレンの分散状態を調べた。その結果を表1に示す。
上記スラスト試験としては、試験片(内径20mm、外径25.6mmの円筒形状)を用いて面圧3MPa、すべり速度0.5m/秒、雰囲気温度80℃で摩耗を行い、試験時間36時間後における試験前後における試験片の厚みの減少量を摩耗量とした。
引張り試験では、JIS K 7113に準拠し、雰囲気温度は室温(23℃)で引張り速度10mm/分で行った。
ポリテトラフルオロエチレンの分散状態は、試験片を捜査型電子顕微鏡で撮影後、目視して観察した。2次粒子径が10μm未満の場合には分散状態が極めて良好で◎、10〜20μmの場合には分散状態が非常に良好で○、2次粒子径が20〜50μmの場合には良好で△、2次粒子径が50μmを越える場合には、分散状態が悪く×とした。
その結果、分散助剤を加えないもの(比較例1)や添加量が少ないもの(比較例2)と比べ、所定量の分散助剤を加えたことによりポリテトラフルオロエチレンの分散状態は向上し、耐摩耗性も良くなっている。ただし、実施例4のように分散助剤の添加量が多くなってくると、耐摩耗性は向上しているものの降伏強度が低下する傾向にあることが判る。
本発明の摺動部材は、軸受け部材、歯車、ローラー、また自動車部品の振動減衰部材に組み込まれる筒状の摩擦部材等に適用可能である。
Claims (5)
- ポリアセタール樹脂中に弗素系樹脂を分散させた摺動部材であって、分散助剤として界面活性剤をポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計樹脂量100質量部に対して0.05〜6質量部配合したことを特徴とするポリアセタール樹脂を用いた摺動部材。
- 分散助剤の添加量がポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計樹脂量100質量部に対して0.1〜0.5質量である請求項1記載のポリアセタール樹脂を用いた摺動部材。
- 分散助剤がステアリン酸カルシウム、12ヒドロキシステアリン酸カルシウム、そしてステアリン酸マグネシウムから選ばれた少なくとも一種の界面活性剤である請求項1または2記載のポリアセタール樹脂を用いた摺動部材。
- 弗素系樹脂の添加量は、ポリアセタール樹脂と弗素系樹脂の合計樹脂量に対して5〜40質量%である請求項1乃至3の何れかに記載のポリアセタール樹脂を用いた摺動部材。
- ポリアセタール樹脂中に分散している弗素系樹脂の2次粒子径が50μm以下である請求項1乃至4の何れかに記載のポリアセタール樹脂を用いた摺動部材。
Priority Applications (1)
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JP2007240447A JP2009030005A (ja) | 2007-06-27 | 2007-09-18 | ポリアセタール樹脂を用いた摺動部材 |
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WO2018008611A1 (ja) * | 2016-07-04 | 2018-01-11 | 旭化成株式会社 | ポリアミド樹脂成形体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018008611A1 (ja) * | 2016-07-04 | 2018-01-11 | 旭化成株式会社 | ポリアミド樹脂成形体 |
CN109312154A (zh) * | 2016-07-04 | 2019-02-05 | 旭化成株式会社 | 聚酰胺树脂成型体 |
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CN109312154B (zh) * | 2016-07-04 | 2021-05-28 | 旭化成株式会社 | 聚酰胺树脂成型体 |
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