JP2009029967A - 温度応答性を有する生分解性ポリマー及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な温度応答性を有する生分解性ポリマー及びその製法、温度に応答してゲル化する生分解性共ポリマーブレンド物を提供する。
【解決手段】分岐型ポリエーテルの末端及び/又は側鎖に、乳酸を含む脂肪族ポリエステルと直鎖型ポリエーテルとを含む共重合鎖が結合してなる生分解性高分子。
【選択図】図1

Description

本発明は,温度に応答してゲル化する生分解性ポリマー及びその製造方法に関する。
温度,pH,電界,及び化学物質の変化に対する刺激応答性ポリマーの物理化学的応答に焦点を合わせた多くの研究がなされてきた。特に,外部の温度変化に応じて相転移現象を示す温度応答性ポリマーは,薬物担体などの医療用材料として広く研究されてきた。
非特許文献1及び2によって開示されたN-イソプロピルアクリルアミド (NIPAAm) のホモポリマーまたはコポリマーは,1つの類である。もう1つの類は,例えば,非特許文献3によって開示されたプルロニック(ポロキサマー, Poloxamer, 商標)のような,ミドルブロックとして疎水性ポリ(プロピレンオキシド) および側面サイドブロックとして親水性ポリ(エチレンオキシド) からなるトリブロック共重合体である。このトリブロック共重合体は温度に応答して溶液状態(ゾル)から溶媒を含んだゲル状態へ転移する挙動(以下,ゾル−ゲル転移と表記)を示す。これはに,特定の分子量および組成範囲を有する共重合体水溶液が,ゾル−ゲル転移温度より低い温度では水溶液として存在するが,温度が転移温度より高いとき(例えば体温まで上昇するとき),共重合体間の相互作用によって不溶性ゲルを形成するという現象である。外部からの添加物なしに,留置されたその場で(in situ)ゾルからゲルへの変化が可能なこれらのポリマーは,体内への注射による投与が可能な医療用材料として用いることができる。投与の際および投与後において,外科的処置の必要が無く,生体内において低侵襲的に任意の希望の形状のインプラントを形成できるという利点を有する。つまり,生理(薬理)活性物質とポリマー溶液を体内に注射することで容易に生理(薬理)活性物質を内部に取込んだゲルが調製でき,それをリザーバーとした生理(薬理)活性物質の徐放が可能である。また,適した細胞をポリマー溶液に懸濁させたものを体内に注射することで,容易に細胞を内部に取込んだゲルが調製できる。
この様に,in situでゲル化する材料は,注射によって生体内に埋植可能な埋め込み型ドラッグデリバリーシステムや組織工学 (tissue engineering) 用マトリックスとして注目を集めている。理想的な注射可能な系として機能するため,ポリマーの水溶液は,調製条件では注射可能な程度の低い粘性を示し,そして生理条件下(37℃付近)で迅速にゲル化する必要がある。医用材料として考慮する場合,重合体の生体適合性および安全性も重要な問題である。このため,その材料は生分解性で代謝可能あるいは毒性を発現することなく体外へ排泄される程度の分子量にまで分解される必要がある。また,その分解中,含水性に富んだハイドロゲルの性質を保持することにより,生体組織の刺激を誘起しないようでなければならない。
しかしながら,ポロキサマー型コポリマー(プルロニック)は非生分解性であり,そして動物実験で,ポロキサマーの水溶液を腹腔内に注射するとトリグリセリドとコレステロールが増加することが示されている(非特許文献4)。
最近,Jeongらは,生分解性で,in situで温度に応答してゲル化するポリ(エチレングリコール-block-(DL-乳酸-random-グリコール酸)-block-エチレングリコ−ル); (PEG-PLGA-PEG)トリブロック共重合体を報告している(特許文献1参照)。また,非特許文献5では,類似の性質を示す(PLGA-PEG-PLGA)トリブロック共重合体を報告している。
しかし,最初透明であったこれらのゲルは,加水分解に伴って不透明になりひいてはゲルが崩壊してしまう。また,形態構造の変化と界面または相の発生は,生体内のタンパク質を変性する可能性があり,または生体組織工学での細胞損壊の原因になる可能性が指摘されている。さらに,分子量が低いためこのハイドロゲルの力学的強度は低く,生体組織との力学的適合性に乏しいとの指摘もある。
医療分野では,通常,生体内の臓器と異なる力学的な特性を有する人工材料を埋植すると,生体内で力学的性質の違いに起因する連鎖反応が起こることが知られており,そのため,生体内の臓器と同様の力学的な特性を有する材料の開発が求められている。
しかし,今まで開発されたin situでゲル化する生分解性ポリマーのうち,生体内に埋植後十分な力学強度,生体適合性を併せ持ったものは極めて少ない。
例えば,非特許文献6〜7には,8本に分岐した構造を持つポリエチレングリコール(PEG)とポリ(L-乳酸)からなる分岐ブロック共重合体の末端に,メソゲン基(コレステロール基)を結合させたポリマーが,温度に応答してゾル−ゲル転移を示し,ゲル状態で高い力学的強度を示すことを報告されている。
ところで,ポリ(L-乳酸)などのポリ乳酸系高分子の優れた特性を維持あるいは向上させながら,化学修飾による用途の拡張と物性の制御を行う試みがなされている。例えば,非特許文献8〜11には,官能基を有する環状コモノマーとのランダムおよびブロック共重合や,ヒドロキシル基を有する機能分子を開始種として用いた重合反応,グラフト重合といった高分子合成の手法を活用して,様々な分子形態(ランダム,ブロック,グラフト)および化学的性質(反応性官能基,親疎水性)を有する乳酸共重合体の合成が提示されている。
具体的には,1)側鎖に反応性官能基を有するデプシペプチド−乳酸・ランダム共重合体(非特許文献12〜15),2)側鎖に反応性官能基を有するデプシペプチド−乳酸・ブロック共重合体(非特許文献16〜17),3)ポリ乳酸グラフト化多糖(非特許文献18〜19),4)分岐型ポリエーテル-ポリ乳酸ブロック共重合体(非特許文献20〜21)などが合成されている。
このように,様々な様態のポリ乳酸系高分子が開発されてきているが,生体適合性を有し,温度に応答したゾル-ゲル転移を示し,かつゲル状態で高い力学的強度を示し,簡便に入手可能な材料から合成できる生分解性材料はいまだ得られていないのが現状である。
ところで,ポリ乳酸には光学異性体であるポリ(L-乳酸)とポリ(D-乳酸)があり,それらは適当な条件で混合すると1:1の安定なステレオコンプレックスを形成し,融点が約50℃上昇することが知られている。これをポリ乳酸-ポリエチレングリコール共重合体に適応し,ポリ(L-乳酸)-PEG共重合体とポリ(D-乳酸)-PEG共重合体水溶液を混合することにより,ステレオコンプレックスによりハイドロゲルを形成した研究例として,木村らの報告(非特許文献22〜23),Feijenらの報告(非特許文献24)があるが,これらはいずれも,L体ポリマーとD体ポリマーの混合によりゲル化が誘発されるものであり,昇温によりゾル‐ゲル転移を示すものではない。
米国特許第6117949号明細書 Baeら Makromol. Chem. Rapid Commun., 8, 481-485 (1987) Chenら Nature, 373, 49-52 (1995) Malstonら Macromolecules, 25, 5440-5445 (1992) Wout et. al, J. Parenteral Sci. & Tech., 46, 192-200 (1992) Doo Sung Lee, Macromol. Rapid Commun. 2001, 22, 587. 第55回高分子学会年次大会 高分子学会予稿集 55巻1935頁(平成18年5月10日発行) 第35回医用高分子シンポジウム 高分子学会講演予稿集 23-24頁(2006年8月1日発行) 大矢裕一:生分解性高分子の現状と新展開.人工臓器 1999,28:582-589 大矢裕一,大内辰郎:生分解性バイオマテリアルとしての新しいポリ乳酸系高分子.高分子加工 1999,48:530 大矢裕一:ポリ乳酸をベースとした新規な生分解性高分子の合成とバイオマテリアルとしての応用.高分子論文集 2002,59:484-498 大内辰郎,大矢裕一:新規なポリ乳酸系医用材料.未来材料 2002,2:30-35 Ouchi T., et al.: Macromol. Chem. Rapid Commun. 1993, 14: 825-831 Ouchi T., et al.: Macromol. Chem. Phys. 1996, 197: 1823-1833 Ouchi T., et al.: J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 1997, 35: 377-383 Ouchi T., et al.: J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 1998, 36: 1283-1290 Ouchi T., et al.: Designed Monom. Polym. 2000, 3: 279-287 Ouchi T., et al.: J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem., 2002, 40: 1218-1225 Ohya, Y., et al.: Macromolecules 1998, 31: 4662-4665 Ohya, Y., et al.: Macromol. Chem. Phys. 1998, 199: 2017-2022 Nagahama, K., et al.: Polym. J., 2006, 38: 852-860 Nagahama, K., et al.: Macromol. Bioscie., 2006, 6: 412-419 Kimura, Y., et al.: Macromol. Biosci., 1, 5 (2001). Kimura, Y., et al.: Macromol. Biosci., 4, 361 (2004) Feijen, J., et al.: Biomacromolecules 7, 2790 (2006)
本発明の目的は,新規な温度応答性を有する生分解性ポリマー及びその製法を提供することにある。さらに、温度に応答してゲル化する生分解性共ポリマー混合物を提供することにある。
本発明者らは,生分解性の材料について鋭意研究した結果,分岐型ポリエーテルの末端及び/又は側鎖に、乳酸を含む脂肪族ポリエステルと直鎖型ポリエーテルとを含む共重合鎖が結合してなる生分解性ポリマーが、その水溶液において温度応答性を有することを見いだした。
さらに、上記ポリマーの脂肪族ポリエステル部位の乳酸がL-乳酸からなるポリマーと、D-乳酸からなるポリマーの2種類のブレンド物から調製した水溶液が,体温付近まで温度が上昇すると,高い力学強度を有する安定なハイドロゲルを形成することを見出した。
このような高い力学的強度を有する温度応答性ハイドロゲルを使用することにより,これまで力学的強度不足により適応不能であった用途においてもin situゲル化システムを適応することが可能となる。かかる知見に基づきさらにこれを発展させて本発明を完成するに至った。
即ち,本発明は以下の生分解性重合体及びその製造方法を提供する。
項1. 分岐型ポリエーテルの末端及び/又は側鎖に、乳酸を含む脂肪族ポリエステルと直鎖型ポリエーテルとを含む共重合鎖が結合してなる生分解性ポリマー。
項2. 前記分岐型ポリエーテルが、ポリグリセリンとポリアルキレングリコールとを縮合して得られるポリエーテルである項1に記載の生分解性ポリマー。
項3. 前記直鎖型ポリエーテルが、ポリエチレングリコールである項1又は2に記載の生分解性ポリマー。
項4. 一般式(C):
Figure 2009029967
(式中,Rは水素原子又はアルキル基を示す。mは同一又は異なって5-120の数を示し,nは同一又は異なって14-120の数を示し,pは同一又は異なって2-120の数を示し、qは0-28の数を示す。*は不斉炭素を示す。)
で表される化合物である項1、2又は3に記載の生分解性ポリマー。
項5. 一般式(C)において、不斉炭素*が同一又は異なってR配置又はS配置である項4に記載の生分解性ポリマー。
項6. 一般式(A):
Figure 2009029967
(式中,Rは水素原子又はアルキル基を示す。mは同一又は異なって5-120の数を示し,nは同一又は異なって14-120の数を示し,pは同一又は異なって2-120の数を示し、qは0-28の数を示す。)
で表される化合物、及び一般式(B):
Figure 2009029967
(式中,R’は水素原子又はアルキル基を示す。m’は同一又は異なって5-120の数を示し,n’は同一又は異なって14-120の数を示し,p’は同一又は異なって2-120の数を示し、q’は0-28の数を示す。)
で表される化合物を含む生分解性ポリマー混合物。
項7. 前記一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物の重量比が、1:4〜4:1である項6に記載の生分解性ポリマー混合物。
項8. 前記一般式(A)及び(B)で表される化合物の数平均分子量(Mn)が、同一又は異なって10,000〜200,000である項6又は7に記載の生分解性ポリマー混合物。
項9. 前記一般式(A)及び(B)で表される化合物の数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)が、同一又は異なって1.05〜2.50である項6〜8のいずれかに記載の生分解性ポリマー混合物。
項10. 前記項1〜5のいずれかに記載の生分解性ポリマーを含む医療用材料。
項11. 前記項6〜9のいずれかに記載の生分解性ポリマー混合物を含む医療用材料。
項12. 一般式(C):
Figure 2009029967
(式中,Rは水素原子又はアルキル基を示す。mは同一又は異なって5-120の数を示し,nは同一又は異なって14-120の数を示し,pは同一又は異なって2-120の数を示し、qは0-28の数を示す。*は不斉炭素を示す。)
で表される化合物の製造方法であって,一般式(D):
Figure 2009029967
(式中,m,n,q及び*は前記に同じ。)
で表される化合物体と,一般式(E):
Figure 2009029967
(式中,R及びpは前記に同じ。)
で表される化合物を縮合反応させることを特徴とする製造方法。
本発明の生分解性ポリマーの水溶液は温度応答性を示すため、広範な用途に用いられる。
上記ポリマーの脂肪族ポリエステル部位の乳酸がL-乳酸からなるポリマーと、D-乳酸からなるポリマーの2種類のブレンド物から調製した水溶液が、温度応答性ゾル−ゲル転移を示す。特に、室温と体温の間の温度でゲル化させることができるという特徴を有している。しかも,生体内で十分に高い力学強度を有した安定な生分解性ハイドロゲルを形成する。
そのため,優れたin situゲル化システムを提供でき,外科的処置の必要を無くし,注射により低侵襲にインプラントを形成することができる。生理(薬理)活性物質等を安定に内包し,それらを体内で徐放できるため,注入可能な(インジェクタブル)ドラッグデリバリーシステムを提供できる。
さらに,注射可能な組織修復および器官再生用の足場として,また,適した生細胞を内包させることにより,注射投与で生体内組織の欠損部位に細胞を移植する細胞デリバリーシステム等に用いることもできる。
1.生分解性ポリマー
本発明の生分解性ポリマーは、分岐型ポリエーテルの末端及び/又は側鎖に、乳酸を含む脂肪族ポリエステルと直鎖型ポリエーテルとを含む共重合鎖が結合してなる。
乳酸を含む脂肪族ポリエステル(A鎖とする),分岐型ポリエーテル(B鎖とする),直鎖型ポリエーテル(C鎖とする)から構成される共重合体であり、その水溶液は温度応答性を有する。A鎖部分の乳酸中の不斉炭素の立体配置は特に限定はなく、S(L-乳酸)、R(D-乳酸)、あるいは両者の任意の混合物であってもよい。
乳酸中の不斉炭素の立体配置がS(L-乳酸)であるポリマー(「ポリマーa」とする)と,A鎖部分の乳酸中の不斉炭素の立体配置がR(D-乳酸)であるポリマー(「ポリマーb」とする)(以下、両者を指して「ポリマー」または「生分解性ポリマー」とも表記する)との混合物の場合、その水溶液は温度変化に応答してゲル化する性質を有している。該生分解性ポリマー混合物(以下、単に「ポリマー混合物」または「混合物」とも表記する)である。
乳酸を含む脂肪族ポリエステル(A鎖)としては,L-乳酸またはD-乳酸のみからなるポリ-L-乳酸またはポリ-D-乳酸,およびL-乳酸またはD-乳酸と各種α−ヒドロキシ酸との共重合体が挙げられるが,好ましくはL-乳酸またはD-乳酸とグリコール酸との共重合体であり,より好ましくはL-乳酸またはD-乳酸のみからなるポリ-L-乳酸またはポリ-D-乳酸である。
分岐型ポリエーテル(B鎖)としては,ポリオールとポリアルキレングリコールとを縮合して得られるものが挙げられ、そのうち,ポリグリセリンとポリアルキレングリコールとを縮合して得られる分岐型ポリエーテルが好ましく,ポリグリセリン(ポリグリセリンの繰り返し数が2〜30)とポリエチレングリコールとから構成される分岐型ポリエーテルがより好ましい。
直鎖型ポリエーテル(C鎖)としては,ポリアルキレングリコールが挙げられ,ポリエチレングリコールが好ましい。
上記の脂肪族ポリエステル(A鎖),分岐型ポリエーテル(B鎖),直鎖型ポリエーテル(C鎖)の結合様式は特に限定ないが,B鎖の末端又は側鎖の水酸基を介して、A鎖及びC鎖がブロック共重合体様に結合しているものが好ましい。A鎖及びC鎖としては、ACジブロック,ACAトリブロック,ACACテトラブロック,(AC)xマルチブロック等(xは2〜50の数)が例示される。生分解性ポリマーの構造としては,B[(AC)x]y(yはB鎖の分岐した末端の数で3〜50の数)等が例示される。
本発明の生分解性ポリマーの典型例としては、一般式(C):
Figure 2009029967
(式中,Rは水素原子又はアルキル基を示す。mは同一又は異なって5-120の数を示し,nは同一又は異なって14-120の数を示し,pは同一又は異なって2-120の数を示し、qは0-28の数を示す。*は不斉炭素を示す。)
で表される化合物が挙げられる。
Rで示されるアルキル基としては、特に限定されないが,例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。特にメチルが好ましい。
ここで,m、n、p及びqは,ポリマー中の各ユニットの平均個数を表し, 1H-NMR及びGPCから求められる。
mは5〜120の数であり,好ましくは10〜100の数,より好ましくは14〜40の数である。nは14〜120の数であり,好ましくは14〜50の数,より好ましくは14〜30の数である。pは2〜120の数であり,好ましくは5〜100の数,より好ましくは10〜50の数である。qは、0-28の数であり、好ましくは 2〜10の数,より好ましくは4〜6の数である。
m、n、p及びqがこれらの範囲にあることにより,各ポリマー単独における水溶性,温度応答性が付与される。
また、ポリマー混合物においては、好適なステレオコンプレックスの形成が可能となり、体温付近での温度応答性ゾル-ゲル転移を示す性質,およびゲル状態における高い力学的強度が付与される。
一般式(C)で示される化合物からなるポリマー混合物としては、一般式(A):
Figure 2009029967
(式中,Rは水素原子又はアルキル基を示す。mは同一又は異なって5-120の数を示し,nは同一又は異なって14-120の数を示し,pは同一又は異なって2-120の数を示し、qは0-28の数を示す。)
で表される化合物、及び一般式(B):
Figure 2009029967
(式中,R’は水素原子又はアルキル基を示す。m’は同一又は異なって5-120の数を示し,n’は同一又は異なって14-120の数を示し,p’は同一又は異なって2-120の数を示し、q’は0-28の数を示す。)
で表される化合物を含むポリマー混合物が好適である。
一般式(A)におけるR,m,n,p及びqは、上記一般式(C)のものと同一であっても異なっても良い。また、一般式(B)におけるR’,m’,n’,p’及びq’は、上記(C)のR,m,n,p及びqと同義であり、同一であっても異なっても良い。
本発明のポリマー混合物のゾル−ゲル転移温度,分解速度,ゲル状態での力学強度等は,該共重合体中のA鎖,B鎖,C鎖の分子量を適切に選択することにより,また,該混合物の濃度および混合比を調節することにより,容易に調整できる。
本発明のポリマー混合物は,温度応答性ゾル−ゲル転移を示し,良好な生体適合性,ゲル状態における十分な力学強度を有している。また該ブレンド物の水液体は,ゲル化温度以下で貯蔵され,そして筋肉内,腹腔内,皮下又は類似の注射法により,非経口的に投与することができる。
本発明のポリマーの数平均分子量(Mn)は6,000〜120,000,好ましくは12,000〜80,000,より好ましくは20,000〜50,000であり,重量平均分子量(Mw)は6,000〜240,000,好ましくは12,000〜160,000,より好ましくは20,000〜100,000である。また,分子量分布の指標である数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)が1.05〜2.50,好ましくは,1.05〜2.00,より好ましくは1.05〜1.20である。数平均分子量及び重量平均分子量は,例えばGPC等の公知の方法を用いて測定できる。
本発明のポリマー混合物中における、一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物混合比(重量比)は、例えば1:4〜4:1であり,好ましくは1:2〜2:1,より好ましくは1:1である。
温度応答性挙動を示すポリマー乃至ポリマー混合物の濃度は、通常5〜15重量%程度、好ましくは10〜15重量%程度である。特に、温度応答性ゾル−ゲル転移を示すポリマー混合物の濃度は、5〜15重量%程度、好ましくは10〜15重量%程度である。
本発明のポリマー混合物を濃度10wt%の水溶液としたときの,温度37℃において形成されるハイドロゲルの貯蔵弾性率は50〜50,000Paであり,好ましくは,100〜50,000Pa,より好ましくは1,000〜30,000Paである。
本発明のポリマー混合物の10wt%の水溶液とし,ゲル化温度以上の37℃でpH=7.4のリン酸緩衝液中に浸漬した場合に,7日後におけるゲル重量の減少率は20〜100%であり,より好ましくは50〜100%である。
2.生分解性ポリマーの製造方法
本発明のポリマーは,例えば,次のようにして製造することができる。
Figure 2009029967
(式中,R,m,n、p、q及び*は前記に同じ。)
上記(1)で表される化合物は,当業者が容易に製造できるか,或いは市販されている。例えば,m=27である化合物としては,SUNBRITE HGEO-10000(日本油脂株式会社製)が挙げられる。
上記(1)で表される化合物とL-乳酸またはD-乳酸の環状二量体をオクチル酸スズなど適当な触媒存在下で反応させて,上記一般式(D)で表される化合物を得る。
次いで,上記(E)で表されるカルボキシル基末端を有するポリエチレングリコールを,縮合剤(ジシクロヘキシルカルボジイミド/ジメチルアミノピリジン:DCC/DMAP等)の存在下,一般式(D)で表される化合物と反応させて,本発明の上記一般式(C)で表されるポリマーを得る。なお、上記(E)で表される化合物は、公知の化合物から容易に製造することができる。
本反応では,一般式(E)で表されるカルボキシル基末端を有するポリエチレングリコールは,一般式(D)で表される化合物の水酸基に対し,通常1.0〜3.0倍当量モル用いることができる。反応溶媒は,例えば,塩化メチレン,クロロホルム,ジメチルホルムアミドを用いることができ,反応温度は0〜40℃程度である。縮合剤については,例えば,上記(C)で表される化合物の水酸基に対し,DCCは1.0〜2.0倍等量モル程度,DMAPは触媒量である。
3.温度応答性生分解性ポリマーの性質及び用途
本発明の生分解性ポリマーは温度応答性を有している。そのうち、ポリマー混合物は,上記したように,良好な生体適合性,生分解性及び温度応答性ゾル-ゲル転移に加え,ゲル状態における十分な力学強度を有している。これにより,ハイドロゲルに生体内の臓器と同等の力学的強度を付与することができる点において有利である。
温度応答性挙動を示すポリマー乃至ポリマー混合物の濃度は、上記したように、通常5〜25重量%程度、好ましくは7〜15重量%程度である。
ここで温度応答性ゾル-ゲル転移とは,一般に化合物の水溶液がゲル化温度を境にして,ゾル(溶液)状態から,ゲル(固体)状態への転移を示す性質をいう。具体的には,化合物水溶液をゲル化温度以上の温度に加熱するとゲル状態となり,それ以下の温度に冷却すると再び溶解して透明のゾル状態に戻るという性質をいう。
本明細書では,ポリマー混合物の水溶液のゲル化温度は,試験管倒置法によりポリマー混合物の水溶液の粘度変化を測定することにより求める。ゲル化温度は,動的粘弾性試験により,貯蔵弾性率G’が損失弾性率G’’を上回る温度として求めることもできる。
本発明のポリマー混合物の水溶液は,10〜50℃程度の範囲にゲル化温度が存在し,かかる範囲で容易にゲル化温度を調節でき,その応用範囲は極めて広範である。特に,薬物と混合して医用材料として用いることができる。
例えば,25〜35℃の範囲にゲル化温度を有するポリマー混合物の水溶液では,室温(例えば10〜20℃程度)と体温(35〜37℃程度)の間にゲル化温度が存在することより,溶液(ゾル)状態のまま注射により体内に投与可能で体内でハイドロゲルを形成することができる。このようなポリマー水溶液を薬物と混合すると,室温付近では溶液状態であるため注射時における取扱が容易であり,一方体温付近では不溶のゲル状態となるため,体内に投与後は不溶物となり薬物の早期拡散を抑制し,投与部位での薬物の滞留性を向上させることができる。そのため,インジェクタブル製剤,特に持続性インジェクタブル製剤における生分解性ポリマー材料として好適に用いることができる。
投与形態としては,例えば,皮下注射,筋肉内注射等が挙げられる。特に,一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物のブレンド物の場合に上記の性質が好適に発揮される。
さらに,本発明のポリマー混合物は,ゲル状態において良好な力学強度を有している。例えば,濃度10wt%のポリマー水溶液を,温度37℃にしたとき,生成するハイドロゲルの貯蔵弾性率は,50〜50,000Paであり,好ましくは,500〜50,000Paとなる。医薬組成物へのポリマーの配合量は,用いる薬物の種類などにより適宜選択することができ,例えば,医薬組成物の全重量に対し,60〜99.9重量%程度であればよい。
該医薬組成物に用いられる薬物としては,特に限定されないが,生理活性を有するペプチド類,蛋白類,その他の抗生物質,抗腫瘍剤,解熱剤,鎮痛剤,消炎剤,鎮咳去痰剤,鎮静剤,筋弛緩剤,抗てんかん剤,抗潰瘍剤,抗うつ剤,抗アレルギー剤,強心剤,不整脈治療剤,血管拡張剤,降圧利尿剤,糖尿病治療剤,抗凝血剤,止血剤,抗結核剤,ホルモン剤,麻薬拮抗剤などがあげられる。
本発明の医薬組成物における薬物の配合量は,薬物の種類などにより適宜選択することができる。特に,持続性注射剤とした場合には,薬物の配合量は,薬物の種類,持続放出させる期間等によって定められる。例えば,薬物がペプチド類の場合,約1週間〜約1ケ月の徐放製剤とするためには,通常,医薬組成物全重量に対し,10重量%〜50重量%程度含有させればよい。
また,本発明のポリマーは,温度応答性,生分解性,生体に対する安全性を有することから,手術後の組織癒着防止材として用いることができる。塗布またはスプレーなどにより術後の内臓組織などを被覆し,他の生体組織と一定期間,隔離することで癒着を防止することができる。
さらに,本発明のポリマーは,再生医療用のスカフォールド(足場),細胞培養基材などとしての応用も可能である。スカフォールドとしては,細胞,本発明のポリマー及び培養液などを低温においてゾル状態で混合し,この混合物を高温で所定の形状にゲル化することでスカフォールドとして用いることができる。細胞培養基材としては,所定の3次元の形状を持つ繊維質又は多孔質の基材に,細胞,本発明のポリマー及び培養液を含む液状混合物を含浸させ,所定温度でゲル化させて,基材中に再生細胞を保持することも可能である。なお,繊維質又は多孔質の基材としては,コラーゲン,ハイドロキシアパタイトなどの生体親和性の高い材料を使うことが可能で,軟骨組織や骨組織の再生などに特に有効である。さらに,損傷組織に細胞を移植する(細胞デリバリー)システムを提供することが可能である。
以下,本発明を実施例により更に具体的に説明するが,本発明はこれらに限定されるものではない。なお,以下,本発明のポリマーaを8-arms PEG-block-PLLA-block-PEGポリマーbを8-arms PEG-block-PDLA-block-PEGとも表記する。
[実施例1]ポリマーaの合成
(1)重合管に1,000 mg (0.1 mmol) の8-arms PEGと1,095 mg (7.6 mmol) のL-lactideを入れ,バキュームラインに連結して12時間減圧乾燥した。次に窒素ガスで満たしたグローブボックス内で,100 μlのTHFに溶解させた3.1 mg (7.6 μmol) のオクチル酸スズを重合管内に加え,スリ付二方コックをかぶせた。その後,グローブボックスから取り出した重合管を再びバキュームラインに連結し,凍結乾燥しながら,脱気と窒素置換を10回繰り返し,封管を行なった。その重合管を160℃のオイルバスに浸しモノマーを完全に溶融した後に,115℃のオイルバス中で24時間インキュベートし,L-lactideの開環重合反応を行った。反応終了後,得られた反応混合物を溶解した少量のクロロホルムを大量のジエチルエーテル中に注ぎ,沈殿物を得た。沈殿物を回収した後に,48時間減圧乾燥を行い,1,750 mgの8-arms PEG-block-PLLA(一般式(D))を得た。
(2)250 mg (0.38 mmol) のカルボキシル基末端を有するポリエチレングリコール(一般式(E)、R=Me)を2 mlのクロロホルムに溶解した後,78 mg (0.38 mmol) のジシクロヘキシルカルボジイミド (DCC) を固体で加え,氷零下で2 時間攪拌した。その後1 mlの塩化メチレンに溶解した200 mg (9.5 μmol) の8-arms PEG-block-PLLAと10 mg (0.076 mmol) のDMAP を加え,室温で 24 時間攪拌した。生じたDCUreをろ過により除去した後,回収したろ液をn-ヘキサン/エタノール (7/3) に滴下し,沈殿を生成させた。回収した沈殿物を24時間減圧乾燥し,177 mgの8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG得た (図1、R=Me)。1H NMR (CDCl3),δ (ppm); 1.56 (3H, CHCH3 ),3.64 (2H, CH2CH2O),5.18 (2H, OCH(CH3)CO)(図2)。
得られたポリマーaの水溶液の濃度を変えて温度応答性を観測した結果得られた相図を図3に示す。得られたポリマーaの水溶液は、10重量%の濃度で,30℃において濁りが生じ温度応答性を示した。
[実施例2] ポリマーbの合成
実施例1のL‐lactideの代わりにD‐lactideを用いた以外は同様な操作を行ない,8-arms PEG-block-PDLA-block-PEG得た。
得られたポリマーaの水溶液は、10重量%の濃度で,30℃において濁りが生じ温度応答性を示した。
[試験例1]分子量測定
実施例1,2により得られたポリマーの数平均分子量(Mn)と分子量分布(Mw/Mn)をゲルろ過クロマトグラフィー(GPC;TOSOH製,Tosoh GPC-8020 series system)により測定した。その結果を表1に示す。ポリマー3 mgをDMF0.5 mlに溶かし,これを0.2 μm孔のフィルターに通すことでゴミ等の固体を除去し,その後装置にシリンジを用いて打ち込んだ。
Figure 2009029967
[試験例2] ポリマーa(8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG)とポリマーb (8-arms PEG-block-PDLA-block-PEG)の等量混合物水溶液の温度応答性挙動
実施例1の8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG(ポリマーa)および実施例2の8-arms PEG-block- PDLA-block-PEG(ポリマーb)の等量混合物水溶液の温度応答性ゲル化挙動を異なる濃度で検討した。試験管倒置法により,行程当たりの温度上昇1℃で,ゾル−ゲル転移を測定した。サンプル管 (内径が15 mm) 中で共重合体水溶液を調製し,5〜25 wt%の共重合体水溶液の粘度変化を10℃〜70℃の温度範囲で観察した。このサンプル管を,15分間,オイルバス中に浸漬した。このバイアルを転倒することにより,そのゾル−ゲル転移温度を監視し,そして30秒流動しなかったら,それはゲルと見なされた。この転移温度は,± 1℃の精度で測定された。
温度とポリマー濃度の関数としての8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG(ポリマーa)および8-arms PEG-block- PDLA-block-PEG(ポリマーb)の等量混合物水溶液の相図を作成した(図4)。その結果,温度変化に応答したゲル化挙動が明確となった。
生理学的に関連する温度 (例えば37℃) でのゲル化が顕著であったので,薬剤や細胞デリバリーなど医療用の目的のための基材として有用であることが明らかとなった。
ちなみに,ポリマーaおよびポリマーb単独では温度応答性を示すものの、ゲル化は示さなかった。
[試験例3] ポリマーa(8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG)とポリマーb (8-arms PEG-block-PDLA-block-PEG)の等量混合物水溶液の動的粘弾性試験
実施例1および2の8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG(ポリマーa)および8-arms PEG-block- PDLA-block-PEG(ポリマーb)の等量混合物水溶液 (10 wt%) のゾル−ゲル転移現象を,レオメータを用いて調べた(図5)。
この混合物水溶液(10 wt%)を,直径25 mmそして間隙間隔0.5 mmの平行板の間に入れた。応力(4.0 dyne/cm2) および周波数 (1.0 rad/sec) を制御しながらデータを収集した。加熱速度は 0.5℃/minであった。室温でゾル状態であった共重合体水溶液の貯蔵弾性率 (G’) は1 Pa程度であったが,温度上昇に伴ってそのG’値は顕著に増大し,30℃付近でG’値が G’’ 値を上回りゲル化温度が確認された。そして生体内温度である37℃では,4,200 Pa程度のG’値を有するハイドロゲルとなった。
このように本発明のポリマー混合物から形成されるハイドロゲルは高い貯蔵弾性率を示しており,in situゲル化型ドラッグデリバリーや細胞デリバリー目的のための基材として有用であることが確認された。
[試験例4]ポリマーa(8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG)とポリマーb (8-arms PEG-block-PDLA-block-PEG)の等量混合物ゲルの分解試験
(1)実施例1の8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG(ポリマーa)および実施例2の8-arms PEG-block- PDLA-block-PEG(ポリマーb)の等量混合物水溶液 (10 wt%)を37℃に加温しゲル化させたものを取り出し,37℃(in vitro)においてリン酸緩衝液中 (pH=7.4, I=0.14) に浸漬し,所定時間毎にゲルの重量(膨潤状態)を測定することで,ゲルの加水分解挙動を調べた(図6)。
時間とともにゲルの重量は増大し,物理的架橋点であるポリ乳酸鎖部分の加水分解により架橋度が低下し,ゲルの膨潤度が上昇していることが示された。80時間後からゲルの溶出が始まり重量は徐々に減少し,最終的にはハイドロゲルの形状が崩壊しリン酸緩衝液に溶解したが,7日間はゲル状態を維持した。
また,この過程におけるポリマーの分子量減少率をGPC測定により調べた結果を図7に示した。ゲル中のポリマー分子量は時間が経つにつれて徐々に減少し,これより,ブレンド物ゲルはインプラント型生分解性材料として応用可能な分解特性を示すことが示された。
実施例1における,8-arms PEG-block-PL(D)LA-block-PEG共重合体(ポリマーaおよびポリマーb)の合成方法を示す。 実施例1における,8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG共重合体(ポリマーa)の1H-NMR(CDCl3)スペクトルを示す。 実施例1および2における,8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG(ポリマーa)と8-arms PEG-block-PDLA-block-PEG(ポリマーb)のそれぞれの温度応答性の相図を示すグラフである。 試験例2における,8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG(ポリマーa)と8-arms PEG-block-PDLA-block-PEG(ポリマーb)の等量混合物水溶液の温度応答性ゾル−ゲル転移の相図を示すグラフである。 試験例3における,8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG(ポリマーa)と8-arms PEG-block-PDLA-block-PEG(ポリマーb)の等量混合物水溶液(10wt%)が示す貯蔵弾性率と損失弾性率の温度依存性応答性を示すグラフである。 試験例4における,8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG(ポリマーa)と8-arms PEG-block-PDLA-block-PEG(ポリマーb)の等量混合物ゲルの加水分解試験の結果(ゲルの重量変化)を示すグラフである。 試験例4における,8-arms PEG-block-PLLA-block-PEG(ポリマーa)と8-arms PEG-block-PDLA-block-PEG(ポリマーb)の等量混合物ゲルの加水分解試験の結果(ポリマーの分子量減少率)を示すグラフである。

Claims (12)

  1. 分岐型ポリエーテルの末端及び/又は側鎖に、乳酸を含む脂肪族ポリエステルと直鎖型ポリエーテルとを含む共重合鎖が結合してなる生分解性ポリマー。
  2. 前記分岐型ポリエーテルが、ポリグリセリンとポリアルキレングリコールとを縮合して得られるポリエーテルである請求項1に記載の生分解性ポリマー。
  3. 前記直鎖型ポリエーテルが、ポリエチレングリコールである請求項1又は2に記載の生分解性ポリマー。
  4. 一般式(C):
    Figure 2009029967
    (式中,Rは水素原子又はアルキル基を示す。mは同一又は異なって5-120の数を示し,nは同一又は異なって14-120の数を示し,pは同一又は異なって2-120の数を示し、qは0-28の数を示す。*は不斉炭素を示す。)
    で表される化合物である請求項1、2又は3に記載の生分解性ポリマー。
  5. 一般式(C)において、不斉炭素*が同一又は異なってR配置又はS配置である請求項4に記載の生分解性ポリマー。
  6. 一般式(A):
    Figure 2009029967
    (式中,Rは水素原子又はアルキル基を示す。mは同一又は異なって5-120の数を示し,nは同一又は異なって14-120の数を示し,pは同一又は異なって2-120の数を示し、qは0-28の数を示す。)
    で表される化合物、及び一般式(B):
    Figure 2009029967
    (式中,R’は水素原子又はアルキル基を示す。m’は同一又は異なって5-120の数を示し,n’は同一又は異なって14-120の数を示し,p’は同一又は異なって2-120の数を示し、q’は0-28の数を示す。)
    で表される化合物を含む生分解性ポリマー混合物。
  7. 前記一般式(A)で表される化合物と一般式(B)で表される化合物の重量比が、1:4〜4:1である請求項6に記載の生分解性ポリマー混合物。
  8. 前記一般式(A)及び(B)で表される化合物の数平均分子量(Mn)が、同一又は異なって10,000〜200,000である請求項6又は7に記載の生分解性ポリマー混合物。
  9. 前記一般式(A)及び(B)で表される化合物の数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)が、同一又は異なって1.05〜2.50である請求項6〜8のいずれかに記載の生分解性ポリマー混合物。
  10. 前記請求項1〜5のいずれかに記載の生分解性ポリマーを含む医療用材料。
  11. 前記請求項6〜9のいずれかに記載の生分解性ポリマー混合物を含む医療用材料。
  12. 一般式(C):
    Figure 2009029967
    (式中,Rは水素原子又はアルキル基を示す。mは同一又は異なって5-120の数を示し,nは同一又は異なって14-120の数を示し,pは同一又は異なって2-120の数を示し、qは0-28の数を示す。*は不斉炭素を示す。)
    で表される化合物の製造方法であって,一般式(D):
    Figure 2009029967
    (式中,m,n,q及び*は前記に同じ。)
    で表される化合物体と,一般式(E):
    Figure 2009029967
    (式中,R及びpは前記に同じ。)
    で表される化合物を縮合反応させることを特徴とする製造方法。
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