JP2009029875A - エポキシ樹脂組成物、その硬化物及びそれらの製造方法 - Google Patents

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明 王林
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Abstract

【課題】実用上満足しうる成型加工性及び耐吸湿性を保持しながら、高いガラス転移温度を有し、且つ高温での高い弾性率、低熱線膨張係数を兼ね備えた硬化物を製造することができるエポキシ樹脂組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アミン系化合物と無機ホウ酸化合物とを反応させて得られるアミンホウ酸塩(B)をエポキシ樹脂用硬化剤としてエポキシ樹脂(A)に添加し、加熱処理をすることによって、ホウ酸塩基が分子レベルでエポキシ樹脂に導入された後、金属酸化物又は反応性金属化合物(C)を更に加え、in situ ゾルーゲル反応を行い、ナノレベルで金属酸化物をホウ素変性エポキシ樹脂に均質に分散させることに成功した。
【選択図】図1

Description

本発明は、アミンホウ酸塩と金属酸化物を含有するエポキシ樹脂組成物、その製造方法に関する。
最近の環境問題から、半田成分が鉛フリー化となり、そのためにより高い半田処理温度に耐える耐熱性が電子部品用エポキシ樹脂に対して求められている。例えば、プリント基板やパッケージ用基板などで用いられる樹脂材料は、温度の変化により生じる剥がれとクラックを防ぐため、高温で外部からの力の負荷によりエポキシ樹脂が変形しない高い弾性率の確保や高温での熱線膨張係数の増大を抑えることが重要である。この温度変化に対するこれらの物性変化を抑えるのに通常は10nm〜数μmの無機フィラーを高充填する方法が取られている。しかし、無機フィラーと樹脂との相溶性が悪いため、特に粒子径の小さいフィラーを用いた場合には、均質に無機フィラーを樹脂中に分散させることは極めて困難であり、その結果、ガラス転移温度(Tg)が樹脂単独と同じ、熱線膨張係数の低下も十分ではなかった。
近年、金属アルコキシドを用いて、エポキシ樹脂の中にin situ ゾルーゲル反応を行い、ナノオーダーで金属酸化物を樹脂に均一に分散させる方法が特許文献1に報告されている。
しかし、この方法では、金属酸化物を18%以上導入しようとすると、得られた硬化物が白化してしまい、力学物性は大きく低下する。一方、金属酸化物を18%まで含有した場合、力学物性及び耐熱性がある程度改良されるもののガラス転移温度は依然明瞭であり、ガラス転移温度より高温側での物性改良は不十分であった。
また、グリシドールによりエポキシ変性シリコンアルコキシドを用いて、ナノオーダーで30%以上のシリカをエポキシ樹脂に均一分散させた方法が特許文献2に開示されている。シリカの高充填効果でガラス転移温度がほぼ消失しており、高温での弾性率が大きく向上した。しかしながら、高いシリカ含有率のため、成形加工性が劣り、厳しい成形性が要求される電子部品用途での使用には限界があった。
一方、エポキシ樹脂に硬化剤としてアミン化合物を使用する場合、ホウ酸を硬化抑制剤などの添加剤として併用することが特許文献3,4,5などにより知られている。これらの場合には、アミン化合物に毒性があったり、その種類によっては臭気が強く取扱いが面倒であるという問題がある。また、添加するホウ酸の量が少ない場合には、得られる硬化物の耐熱性が十分でなく、ホウ酸量を多くすると、耐湿性に劣ったり、得られる硬化物に低温度のTg、例えば107℃にtanδのサブピークが観測され、硬化物の耐熱性に悪影響を与えることになる。
更に、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性を向上させる方法として、エポキシ樹脂にポリアミンホウ酸塩を必須成分として添加することが報告され(特許文献6参照)、得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物が高いガラス転移温度を有することが示されている。しかし、この組成物では、ポリアミンホウ酸塩の添加量を高くすると、硬化物の吸水率が上がる欠点を有し、一方、その添加量を抑えると、硬化物のガラス転移温度の向上は不十分になる。
特開平8−100107号公報 特開2003−286327号公報 特開平4−227924号公報 USP5169473号明細書 W003/037985公報) 特開2005−68417号公報
したがって、本発明の目的は、実用上満足しうる成型加工性及び耐吸湿性を保持しながら、高いガラス転移温度を有し、且つ高温での高い弾性率、低熱線膨張係数を兼ね備えた硬化物を製造することができるエポキシ樹脂組成物及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、前記課題を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、アミン系化合物と無機ホウ酸化合物とを反応させて得られるアミンホウ酸塩をエポキシ樹脂用硬化剤としてエポキシ樹脂に添加し、加熱処理をすることによって、ホウ酸塩基が分子レベルでエポキシ樹脂に導入された後、金属アルコキシド又はその低縮合物を更に加え、in situ ゾルーゲル反応を行い、ナノレベルで金属酸化物をホウ素変性エポキシ樹脂に均質に分散させることに成功した。また、金属アルコキシドの変わりに、エポキシ変性金属アルコキシド又はその低縮合物を用いて、ナノレベルで金属酸化物を高含有率(20%以上)でホウ素変性エポキシ樹脂に均質に分散させることを達成した。更にまた、オルガノシリカゾルを用いて、シリカ微粒子の凝集を起こさず、ホウ素変性エポキシ樹脂に均質に分散させ、優れた保存安定性のシリカ系樹脂組成物を見出した。更にまた、チタン又はアルミキレート化合物をホウ素変性エポキシ樹脂に添加し、優れた耐熱性と保存安定性のエポキシ樹脂組成物を得ることができ、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、エポキシ樹脂(A)と、アミン化合物と無機ホウ酸化合物とを反応して得られるアミンホウ酸塩(B)と、金属酸化物又は反応性金属化合物(C)とを含有するエポキシ樹脂組成物を提供する。
また、本発明はエポキシ樹脂(A)と、アミン化合物と無機ホウ酸化合物とを反応して得られるアミンホウ酸塩(B)の全使用量の中の一部をあらかじめ反応させた後、金属酸化物又は反応性金属化合物を添加することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法を提供する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂にホウ酸塩と金属酸化物が分子レベル又はナノレベルで分散した耐熱性エポキシ樹脂組成物である。本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来のエポキシ樹脂/シリカ複合体と比べて、シリカを極端に高充填しなくても、硬化物が高い耐熱性、即ち、高いガラス転移温度(Tg)又は固有のTgを示さずに高い分解温度を示すとともに、実用上十分な成形性や強度などの物性を示す。加えて、ホウ酸塩を含有することによりシリカを多量に充填しなくても高耐熱性を達成できるので、この充填率の調整で、熱線膨張率の制御が可能になる。また、従来のホウ素変性エポキシ樹脂と比べて、耐熱性が更にアップするとともに、熱線膨張率及び誘電率の低下も顕著である。
本発明におけるエポキシ樹脂としては、1分子内に平均2個以上のエポキシ基を有する慣用のエポキシ樹脂であり、その種類は特に限定されない。例えば、次に掲げる各種のエポキシ樹脂を単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
(1)フェノール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂
ビスフェノールーA、ビスフェノールーF、テトラブロモビスフェノールーA、テトラフェニロールエタン、フェニールノボラック、クレゾールノボラックなどのフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応により得られるフェノール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂。
(2)アルコール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂
(a)ビスフェノールーA、ビスフェノールーF、テトラブロモビスフェノールーA、テトラフェニロールエタンなどのフェノール化合物とアルキレンオキサイドとの付加反応により得られるポリオール、又は水添ビスフェノールAなどのポリオールと、(b)エピクロルヒドリンとの反応により得られるアルコール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂。
(3)グリシジルエステル型エポキシ樹脂
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のジグリシジルエステル型エポキシ樹脂。
(4)グリシジルアミン型エポキシ樹脂
1,3-ジグリシジルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルーパラアミノフェノール等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂。
(5)混合型エポキシ樹脂
アミノフェノール又はオキシ安息香酸とエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂、シクロペタジエンやジシクロペンタジエン骨格を有する脂環式型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂等の混合型エポキシ樹脂。
上述のエポキシ樹脂の中で、汎用性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びローブロモ又はハイブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましく用いられる。
本発明に於いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物が充分高いガラス転移温度と優れた力学物性を獲得する為には、エポキシ樹脂のエポキシ基当量は、好ましくは100〜1000であり、より好ましくは110〜800であり、特に好ましくは120〜500である。
本発明においてエポキシ樹脂用硬化剤として用いられるアミンホウ酸塩(B)は、分子中に1級アミンまたは2級アミンまたは3級アミンを少なくとも1個有するアミン系化合物(b1)と、一般式(1)で表わされるホウ酸化合物(b2)と、から得られるものである。
B(OR)n(OH)3-n (1)
(式中、nは0〜3までの整数、RはC2m+1で表されるアルキル基であり、mは1〜10の整数を表す。)
例えば、アミンホウ酸塩は、溶媒または水の中でアミン系化合物(A)とホウ酸化合物(B)とを反応させて得られた反応生成物から溶媒を除去し、場合によっては分離、精製を行い、アミン刺激臭のない粉末状のアミンホウ酸塩として得ることができる。
本発明で用いられるアミン系化合物(b1)としては、エポキシ樹脂を硬化することができるアミン化合物であり、特に限定されるものではなく、広い範囲のアミン化合物を用いることができる。かかるアミン系化合物は、好ましくは脂肪族アミン、芳香族アミンおよび脂環族アミンであり、特にその中でも分子中に1級アミンまたは2級アミンまたは3級アミンを少なくとも1個有するものが好適である。
かかるアミン系化合物(b1)は、一般的にR1NH2で表される1級アミン、R1R2NHで表される2級アミン、R1R2R3Nで表される3級アミン(R1、R2、R3は有機基である)、ポリアミン、ポリアミドポリアミン、OH基を持つアルカノールアミン、縮環芳香族のアミンなどである。
用いられる代表的なポリアミンの一般式を、次式に示す。
Figure 2009029875
一般式(2)におけるR1、R2、Rは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルカノール基を表す。Xは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルカノール基、または炭素数2〜50のオキシアルキレン基のいずれかを表す。但し、R、R、R及びXのうちの少なくとも1個は水素原子である。またYはフェニル基、炭素数2〜50のアルキレンまたはアルキレンエーテル基を表し、nは1〜5の整数を表す。
また、ポリアミンとして一般式(3)に示すイミダゾール化合物も挙げられる。
Figure 2009029875
一般式(3)中、Rはメチル基、エチル基、イソプロピル基、炭素数11のアルキル基、炭素数17のアルキル基、フェニル基などを表し、Rは水素原子、メチル基などを表す。
具体的なアミン系化合物(b1)としては以下のものがあげられる。
(1)脂肪族ポリアミン:
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、シクロヘキサンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン。
(2)脂環族ポリアミン:
メタセンジアミン、イソホロンジアミン、N-アミノエチルピペラジン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、1,3,5-トリス(アミノメチル)ベンゼン。
(3)芳香族ポリアミン:
m-フェニレンジアミン、m-キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m-キシリレンジアミン。
(4)ポリアミドアミン:
脂肪族ポリアミンと重合脂肪酸や安息香酸の反応で製造されるポリアミドアミン、例えば、ラッカーマイドTD−984やエピクロンB-053(いずれも大日本インキ化学工業(株)製)など。
(5)2級アミン化合物:
ピペリジン、N-メチルピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン、ピロリジン、モルホリンなど。
(6)3級アミン化合物:
トリフェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ト
リエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジアミノメチル)フェノールなど。
(7)イミダゾール化合物:
2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾールなど。
(8)ジシアンジアミド
本発明でのホウ酸化合物(b2)としては、一般式(1) で表わされるホウ酸およびホウ酸エステル、ホウ酸エステルの部分重縮合物が用いられる。
B(OR)(OH)3−n (1)
(式中、nは0〜3までの整数、RはC2m+1のアルキル基であり、mは1〜10の整数を表す。)
ホウ酸の具体的な例としては、例えばオルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、およびそれらの混合物である。また、ホウ酸エステルの具体的なものとしては、例えばホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル等が挙げられる。これらのホウ酸及びホウ酸エステルは、単独又は2種以上組み合わせて使用できる。また、それらの部分加水分解物や部分重縮合物も用いることができる。上記の中ではホウ酸が最も好ましく用いられる。
なお、前記の部分重縮合物は、一般式(1)で表されるホウ酸エステルを、水、溶媒、及び必要により酸又は塩基触媒と共に混合攪拌する方法によって得ることができる。
上記一般式で表されるアミン系化合物とホウ酸化合物との反応によって得られるアミンホウ酸塩の具体例としては、エチレンジアミンホウ酸塩、ジエチレントリアミンホウ酸塩、トリエチレンテトラミンホウ酸塩、テトラエチレンペンタミンホウ酸塩などの脂肪族ポリアミンホウ酸塩が挙げられる。他の具体例として、B-053などから得られるポリアミドアミンホウ酸塩、ピペリジンやイミダゾール化合物のようなアミンホウ酸塩が例示できる。これらのアミンホウ酸塩のホウ素含有量及びアミン含有量から、得られたアミンホウ酸塩の主成分が多核縮合ホウ酸塩である推定された。
本発明におけるアミンホウ酸塩の合成は、例えば次のようにして行うことができる。即ち、溶媒または水にホウ酸を溶解または懸濁させて攪拌しながら、アミン系化合物溶液を滴下する。場合によっては、添加順序を逆にしてアミン系化合物の溶媒溶液または水溶液を攪拌しながら、ホウ酸溶液を滴下する場合もある。続いて、室温または加熱下、一定時間において反応を行う。これによりポリアミンホウ酸塩が析出し、吸引濾過により沈殿物(アミンホウ酸塩)を回収する。一方、反応生成物が反応溶媒に溶けている場合があり、その場合はエパポレーターにより溶媒を留去してアミンホウ酸塩を回収する。以上のようにして得られた反応生成物をN,N-ジメチルホルムアミド、アセトンなどを用いて数回繰り返し洗浄した後、真空乾燥することにより白色粉末のアミンホウ酸塩が得られる。
本発明におけるアミンホウ酸塩の合成溶媒としては、ホウ酸化合物またはアミン系化合物の少なくとも一種を溶解するようなものが必要である。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、水などが挙げられ、これらは単独又は二種以上の混合で使用できる。その中では、特にN,N-ジメチルホルムアミド又は水を用いることが好ましい。溶媒の使用量は、ホウ酸化合物およびアミン系化合物の合計100質量部に対して溶媒が300〜1500質量部となるように用いることが好ましい。
本発明におけるアミンホウ酸塩の合成条件として、アミン系化合物の中の窒素含有基とホウ酸化合物のホウ素とのモル比が重要である。ホウ酸化合物の比率を増やすと、多核縮合ホウ酸塩が形成しやすく、高いホウ素含有量のアミンホウ酸塩が得られる。これに対してアミン系化合物の比率を増やすと、より低いホウ素含有量のアミンホウ酸塩を得ることができる。一般的にアミン系化合物の中の窒素含有基、即ちアミノ基、イミノ基及びニトリロ基の合計1モルに対して、ホウ素が0.25〜10モルが好ましく、より好ましくは0.5〜8モル、特に好ましくは1〜6モルである。0.25モル未満又は10モルを超える場合、アミンホウ酸塩の収率が低く、経済的に不利になり、好ましくない。また、反応温度について、用いるアミン系化合物の種類によっては異なるが、一般的に15℃〜150℃が好ましく、より好ましくは20℃〜120℃であり、特に好ましくは25℃〜100℃である。反応時間は反応温度にもよるが、通常1〜15時間が好ましく用いられる。
本発明で用いられるアミンホウ酸塩は、アミン特有の刺激臭が殆どない固形状粉末であり、水またはメタノールなどの低級アルコールによく溶ける性質を持っており、エポキシ樹脂の硬化剤として好適に用いられる。
本発明におけるエポキシ樹脂の硬化剤としては、上述のテトラエチレンペンタミンホウ酸塩のようなポリアミンホウ酸塩、エピクロンB-053から得られるポリアミドアミンホウ酸塩などが特に好ましく用いられる。これらのアミンホウ酸塩は結晶性であっても、非結晶性であっても、単核ホウ酸塩であっても、多核縮合ホウ酸塩であっても、いずれも本発明における有効なエポキシ樹脂の硬化剤として用いられる。
本発明でエポキシ樹脂硬化剤として用いる各種ポリアミンホウ酸塩の使用量は、それぞれ含まれているアミン系化合物がエポキシ樹脂硬化剤として通常用いられる量に基づいて決めることができるが、得られる硬化物の充分な耐熱性を得るためには、その使用量を超えて用いることができる。また、得られる硬化物の吸水率を抑えるためには、その使用量を減らして、他のエポキシ樹脂の硬化剤と併用することもできる。一般的には、エポキシ樹脂100質量部に対して、4〜120質量部、即ち4〜120phr配合することが好ましい。具体例としては、ポリアミンホウ酸塩を用いる場合、エポキシ樹脂に対して、5〜50phr、より好ましくは10〜40phr、特に好ましくは15〜30phrが用いられる。また、ポリアミドアミンホウ酸塩を用いる場合は、エポキシ樹脂に対して、10〜120phr、より好ましくは15〜80phr、特に好ましくは20〜60phrが用いられる。また、ピペリジンホウ酸塩を用いた場合は、エポキシ樹脂に対して、6〜35phr、より好ましくは8〜25phr、特に好ましくは10〜20phrが用いられる。また、ベンジルジメチルアミンホウ酸塩を用いた場合は、エポキシ樹脂に対して、6〜50phr、より好ましくは8〜40phr、特に好ましくは10〜30phrが用いられる。また、2-エチル-4-メチルイミダゾールホウ酸塩を用いる場合は、エポキシ樹脂に対して、4〜35phr、より好ましくは6〜30phr、特に好ましくは8〜25phrが用いられる。
尚、アミンホウ酸塩は、エポキシ樹脂の硬化物の耐熱性,強度及びその他の物性を好ましいものとする観点からは、ホウ素含有量がエポキシ樹脂100質量部に対して0.2〜10質量部となるように添加されるのが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、得られる硬化物の吸水率を下げるため、前記アミンホウ酸塩の使用量を抑える場合がある。この際、他のエポキシ樹脂硬化剤を併用する必要がある。かかる他のエポキシ樹脂硬化剤としては、通常、使用されているポリアミン系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤、ポリカルボン酸系硬化剤、イミダゾール系硬化剤などを特に制限することがなく使用できる。具体的には、ポリアミン系硬化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリアミドアミン(ポリアミド樹脂)、ケチミン化合物、イソホロンジアミン、m-キシレンジアミン、m-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミドなどが挙げられ、フェノール樹脂系硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などが挙げられ、ポリカルボン酸系硬化剤としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられ、また、イミダゾール系硬化剤としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾールなどが挙げられる。
本発明の組成物は積層板用材料として用いた場合、積層板製造過程のBステージ化をしやすいため、上記他のエポキシ樹脂の中に、ポットライフの長いエポキシ樹脂硬化剤が望ましい。即ち、エポキシ樹脂に対するポットライフが室温で10日以上である積層板用のエポキシ樹脂硬化剤が好ましく用いられる。このようなポットライフは、具体的にはエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤及び溶媒からなる組成物を室温で保存して脂触によりゲル化(硬化)するまでに要した時間であり、前記硬化剤がエポキシ樹脂と反応する硬化剤タイプについてはエポキシ樹脂1当量に対して硬化剤の活性水素が1当量となるようにして測定することを基準とし、3級アミン、イミダゾール化合物についてはエポキシ樹脂100質量部に対して2質量部を用いて測定することを基準としている。
本発明で用いられるポットライフの長いエポキシ樹脂硬化剤、具体的には、ジシアンジアミド、フェノールノボラック樹脂、メタフェニレンジアミンなどのエポキシ樹脂と反応する硬化剤及び3級アミン、イミダゾール化合物が挙げられる。これらの硬化剤の使用量は、併用するアミンホウ酸塩の添加量によって異なるが、エポキシ樹脂と反応する硬化剤の場合はエポキシ樹脂1当量に対して硬化剤の活性水素が0.1〜0.95当量で配合することが好ましく、3級アミン、イミダゾール化合物の場合はエポキシ樹脂に対して1〜3phrで配合することが好ましい。
一方、かかる他のエポキシ樹脂硬化剤を用いる場合、アミンホウ酸塩の使用量は、それに含まれているアミンの活性水素当量がエポキシ樹脂1当量に対して0.05〜0.5当量であることが好ましい。かかる使用量であれば、得られる組成物の耐熱性が良好であり、組成物の保存安定性も優れ、積層板を製造する際、B-ステージ化が容易であるため、好ましい。
本発明におけるホウ素変性エポキシ樹脂の製造方法に於いて、エポキシ樹脂およびアミンホウ酸塩を溶媒に均一に溶解した溶液状態で加熱処理を行うことは均一透明なエポキシ樹脂組成物を得るために極めて重要である。溶液状態での加熱処理とは、実質的に溶媒を除去することなく、即ちクローズドシステムで加熱し、しかも溶液がゲル化しないように行うことを云う。かかる加熱処理を行うことにより、エポキシ樹脂とポリアミンホウ酸塩とが反応あるいは相互作用し、アミンホウ酸塩がエポキシ樹脂溶液中に分子レベルで均一に相溶する。得られた溶液を脱溶媒して得られる組成物はアミンホウ酸塩の凝集がなく均一透明となる。これに対して溶液状態での加熱処理がない場合は、脱溶媒と共にアミンホウ酸塩が析出してしまい、得られる硬化物は不透明で脆い材料となる。
溶液状態での加熱処理の条件は、用いるアミンホウ酸塩とエポキシ樹脂との反応あるいは相互作用の容易さにより異なる。基本的には加熱処理の下限及び上限としては、その後の脱溶媒によりアミンホウ酸塩が析出しなくなる範囲(下限)、且つ溶液がゲル化しない範囲(上限)で加熱処理を行うこと、が重要である。加熱処理を過度に行った場合、組成物が増粘またはゲル化してしまい、非ゲル状の樹脂組成物が得られず、実用性の点から好ましくない。
溶液状態での加熱処理温度は、具体的には硬化剤として脂肪族ポリアミンホウ酸塩、ポリアミドアミンホウ酸塩及びピペリジン、ベンジルジメチルアミンのようなモノアミンホウ酸塩を用いた場合、25〜100℃、より好ましくは30〜90℃、特に好ましくは40〜80℃で行える。加熱処理時間は加熱処理温度により異なるが、0.1〜40時間が好ましく、より好ましくは0.2〜30時間、特に好ましくは0.3〜20時間である。
また、イミダゾールホウ酸塩を用いた場合は、溶液状態での加熱処理温度は30〜150℃が好ましく、より好ましくは40〜130℃であり、特に好ましくは50〜110℃である。加熱処理時間は加熱処理温度により異なるが、0.3〜50時間が好ましく、より好ましくは0.5〜40時間、特に好ましくは1〜25時間である。
本発明で使用する金属酸化物としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム等が好ましい。これらは粉末状態で使用しても良いが、有機溶媒中にゾル状に分散したものを用いるのが好ましい。これらのゾルとしては、シリカゾル、オルガノチタニアゾル、オルガノアルミナゾル等があるが、シリカゾルとしては、市販されているオルガノシリカゾル、例えば、MEKシリカゾル、トルエンシリカゾル、メタノールシリカゾル、DMFシリカゾル、セロソルプシリカゾルなどが挙げられる。シリカゾル溶液の中のシリカ粒子径は、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは150nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。粒子径が200nmを超えると、組成物の中に沈降しやすく、均一なナノコンポジットが得られない場合がある。粒子形態は特に制限されないが、球状又は略球状の微粒子が好ましい。
本発明で使用する反応性金属化合物としては、種々のものがあるが、金属アルコキシド又はその低縮合物、金属キレート化合物等を用いることが好ましい。
本発明の金属酸化物の形成材料として用いられる金属アルコキシドは、下記の一般式で表される。
M(ORn−p (4)
(上記式中、Mは金属元素、Rは低級アルキル基又はフェニル基、Rは低級アルキル基、pは0又は1の整数、nは金属元素の酸化数である。)
上記一般式において、金属元素Mとしては、例えばMg、Ti、Si、Zn、Al、Zrなどが挙げられる。その中、Si、Ti、Alが特に好ましい。
上記金属アルコキシドとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、メチルトリエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、メチルトリプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、メチルトリブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、トリイソプロポキシアルミニウム、トリsec-ブトキシアルミニウム、モノsec-ブトキシジイソプロポキシアルミニウムなどが挙げられる。
なお、上記金属アルコキシドの部分重縮合物も好適に用いられる。かかる金属アルコキシドの部分重縮合物は上述の金属アルコキシドを水、溶媒、及び必要により酸又は塩基触媒と共に混合攪拌する方法によって得ることができる。このように合成される重縮合物が好ましく用いられるが、経済性や汎用性などの観点から、市販されているシリコンアルコキシドの部分重縮合物及びチタンイソプロポキシドの部分重縮合物、例えば、多摩化学(株)製のポリ(テトラメトキシシラン)「Mシリケート-51」、ポリ(メチルトリメトキシシラン)「MTMS-A」及び日本曹達(株)製のテトラ-i-プロポキシチタン縮合体「A-10」などが更に好ましく用いられる。
上記金属アルコキシドでは、特にメトキシシラン類の反応性が高いため、そのまま用いて得られる組成物はゲル化しやすく、保存安定性が劣る。また、高含有率でホウ素変性エポキシ樹脂に導入しようとする場合、ゾルーゲル反応により形成された金属酸化物はエポキシ樹脂との相分離を生じて、硬化物が白化してしまい、均一なナノコンポジットが得られない場合がある。これらの問題を改善するため、水酸基を持つエポキシ化合物、例えば、グリシドールを用いて、エポキシ樹脂との親和性の高いエポキシ変性金属アルコキシドを合成して用いることが有効である。
シリコンアルコキシドの場合、グリシドールと容易に反応させるため、反応性に富むメトキシシラン類が好ましい。また、汎用性の観点から、テトラメトキシシラン低縮合物、メチルトリメトキシシラン低縮合物が更に好ましい。これらのエポキシ変性シリコンアルコキシド縮合物の合成が特開2003−286327により開示された。即ち、シリコンアルコキシド縮合物とグリシドールとを窒素気流下加熱して、生成したアルコールを留去しながらエステル交換反応を行う。この反応において、グリシドールの水酸基当量/シリコンアルコキシド縮合物のアルコキシ当量が0.05〜1の仕込み比率で配合することが好ましい。前記仕込み比率が少なくなると、エポキシ変性されていないシリコンアルコキシド縮合物の割合が増加するため、得られる組成物の保存安定性が劣る。また、前記仕込み比率が大きくなると、残存する未反応のグリシドールによって硬化物の耐熱性が低下する傾向があり、好ましくない。反応温度は好ましく50〜150℃であり、より好ましくは70〜110℃である。反応時間は反応温度にもよるが、通常1〜15時間である。なお、この反応は、シリコンアルコキシド低縮合物自体の重縮合反応を防ぐため、実質的に無水条件下で行うことが必要である。
上記のエステル交換反応に際しては、反応促進のために従来公知のエステルと水酸基のエステル交換触媒の内、エポキシ環を開環しないものを使用することができる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、ホウ素、カドミウム、マンガンのような金属や、これらの酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物などが挙げられる。これらの中でも、特に有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的には、ジブチル錫ジラウレートが好ましい。
上記の反応は通常無溶剤で行われるが、溶剤の中でも行うことができる。溶剤としては、
シリコンアルコキシド縮合物とグリシドールを溶解する有機溶剤であれば特に制限はない。例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、トルエンなどの非プロトン性極性溶媒を用いることが好ましい。
チタンアルコキシドの場合、シリコンアルコキシドより反応性が高いため、グリシドールとのエステル交換反応において、スズ触媒を使用しない場合もある。例えば、チタンテトライソプロポキシドとグリシドールとの反応において、通常無触媒で低温にてエステル交換反応が行われる。反応による発熱をコントロールするため、窒素気流下チタンテトライソプロポキシドを攪拌しながら、グリシドールを徐々に添加することが重要である。反応温度は好ましく0〜50℃であり、より好ましくは10〜40℃であり、特に好ましくは室温である。反応時間は反応温度にもよるが、通常1〜15時間である。また、グリシドールの水酸基当量/チタンテトライソプロポキシドのアルコキシ当量の仕込み比率が0.05〜0.5の範囲内にすることが好ましい。前記仕込み比率が少なくなると、エポキシ変性されていないチタンテトライソプロポキシドの割合が増加するため、得られる組成物の保存安定性が劣る。また、前記仕込み比率が大きくなると、ゲル化を招きやすい傾向があり、好ましくない。
上述のチタンテトライソプロポキシドとグリシドールとの反応生成物は13C−NMR(CDCl)によって確認することができる。グリシドールの水酸基に隣接するメチレンピークが62ppmに対して、エポキシ変性チタンテトライソプロポキシドでは、このメチレンのピークが72ppmにシフトすることが観測された。
本発明においては、上述の金属アルコキシド、エポキシ変性金属アルコキシド及びそれらの低縮合物の加水分解重縮合反応(ゾルーゲル反応)が水により進行させられている。水は、通常、金属アルコキシド又はエポキシ変性金属アルコキシドをホウ素変性エポキシ樹脂に添加する前、或いは同時に、場合によっては直後に添加する。水の添加量は、通常、アルコキシド1モル当たりに対して、0.1〜8モルの範囲で用いられる。8モルを超えると、組成物はゲル化が生じやすくなり好ましくない。また、水を添加しないで、ホウ素変性エポキシ樹脂と金属アルコキシド又はエポキシ変性金属アルコキシドの均質なゾル溶液を得た後、溶媒キャスト時に大気中の水分の吸湿で金属アルコキシド又はそれらのエポキシ変性物のゾルーゲル反応を進行させて、更に熱硬化することによってエポキシ樹脂とアミンホウ酸塩と金属酸化物からなる硬化物を得ることが可能である。この方法は、特に反応性に富むチタンアルコキシド、メトキシシラン類アルコキシド及びそれらのエポキシ変性物を用いた場合、有効な方法となる。
上述のゾルーゲル反応では、塩酸、ルイス酸などの酸触媒、水酸化ナトリウム、アンモニア、その他アミンなどアルカリ触媒が用いられる。これら触媒は必ずしも必要ではないが、使用することによって、ゾルーゲル反応が促進されて、反応時間が短縮されることは可能である。触媒の使用量は、金属アルコキシドの種類によって異なるが、通常、アルコキシド1モル当たりに対して、0.001〜0.1モルの範囲で用いられる。
本発明におけるナノコンポジット化では、使用する金属アルコキシド種類や添加量によって生成したシリカはエポキシ樹脂の中からマクロ相分離を生じて、凝集析出してくる場合がある。これを防ぐため、市販のシランカップリング剤を添加することが有効である。シランカップリング剤を使用することによって、in situ ゾルーゲル反応で生成したシリカはシランカップリング剤を介して、エポキシ樹脂に均質に微分散して透明性に優れたナノコンポジットが得られる。用いるシランカップリング剤としては、特にエポキシ系又はアミノ系のシランカップリング剤が好ましい。
アミノ系シランカップリング剤としては、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、(アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランが挙げられ、また、エポキシ系シランカップリング剤としては、例えば、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤の添加量は、シランカップリング剤、金属アルコキシドの種類により異なるため一概には規定できないが、通常、使用する金属アルコキシド100重量部に対して、0.01〜30重量部、好ましくは、0.05〜20重量部が用いられる。
本発明で例示されている金属アルコキシドの中、特にTi,Alのアルコキシドはキレート化剤と錯体を形成することが知られている。これらのキレート錯体は加水分解しにくく、保存安定性が優れている性質を有する。この性質を利用して、少量のキレート化剤を予めチタン又はアルミニウムのアルコキシドと反応して、ホウ素変性エポキシ樹脂に添加することによって、保存安定な組成物を得ることができる。
本発明で用いられるキレート化剤としては、以下のものがあげられる。
(1)β―ジケトン
2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトン)、2,4−ヘプタンジオン
(2)ケトエステル
アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸ブチル
(3)ヒドロキシカルボン酸又はそのエステル、塩
乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸アンモニウム塩、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸フェニル、リンゴ酸、リンゴ酸エチル、酒石酸、酒石酸メチル、酒石酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸
(4)ケトアルコール
4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ヘプタノン
(5)アミノアルコール
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル−モノエタノールアミン、N−エチル−モノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン
(6)エノール性活性水素化合物
マロン酸ジエチルエステル、メチロールメラミン、メチロール尿素、メチロールアクリルアミド
上記のキレート化剤を用いることによって、チタン又はアルミニウムのアルコキシドの高い反応性を制御することが有効である。かかるキレート化剤の使用量については、金属アルコキシドの種類とキレート化剤の種類によってそれぞれ違うが、一般にキレート化剤の配位性官能基当量/金属アルコキシドのアルコキシ基当量の比率が0.05〜0.5の範囲内に配合することが好ましい。この比が0.05未満の場合、安定化されていない金属アルコキシドの割合が増加するため、得られる組成物の保存安定性が劣る。また、前記比率が0.5を超えると、キレート錯体を架橋剤としての反応性は極端に抑えられ、得られる硬化物の耐熱性が十分でない恐れがあり、好ましくない。
また、市販されているチタン又はアルミニウムのキレート化合物も本発明の反応性金属化合物として好適に用いられる。これらのキレート化合物としては、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタネート、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミン)チタネート、ジヒドロキシ・ビス(ラクティクアシド)チタネート、テトラオクチレングリコールチタネート、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセト酢酸エチル)チタネート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
尚、上記金属アルコキシド、エポキシ変性金属アルコキシド、金属キレート化合物及びシリカゾルは、金属酸化物換算で組成物の固形分100質量部に対して0.5〜40質量部となるように添加されるのが好ましい。より好ましくは1〜35質量部、特に好ましくは2〜30質量部である。0.5質量部未満の場合、得られた硬化物の耐熱性向上の効果が現れない場合がある。逆に40質量部を超えた場合、得られた硬化物の機械特性が著しく低下する恐れがあり、好ましくない。
本発明において用いることができるエポキシ樹脂組成物の溶媒としては、エポキシ樹脂アミンホウ酸塩及びSi,Ti,Al化合物を均一に溶解できる溶媒又は混合溶媒が使用される。その溶媒としては、メチルセロソルプ、エチルセロソルプなどのセロソルプ類単独又は低級アルコ−ル及びセロソルプ類を含有するものが使用される。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、クロロホルムなどの溶媒にメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜6程度の低級アルコール及びメチルセロソルプ、エチルセロソルプなどのセロソルプ類を添加した溶媒の混合物が挙げられる。また、チタン又はアルミニウムのアルコキシドを用いた組成物では、保存安定性の観点から、メチルセロソルプ、エチルセロソルプなどのセロソルプ類を使用することが好ましい。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物の製造方法に於いて、予めアミンホウ酸塩をエポキシ樹脂に導入し、ホウ素変性エポキシ樹脂を得た上、Si,Ti又はAlの化合物と混合することが重要である。アミンホウ酸塩はエポキシ樹脂と反応又は相互作用をしておかないと、Si,Ti又はAlの化合物と混合する際、溶液に濁り又は沈殿を生じて、均一透明なナノコンポジットが得られない。ホウ素変性エポキシ樹脂の製造方法については、前述のように、メタノール又はメチルセロソルプに溶解したアミンホウ酸塩をエポキシ樹脂溶液に添加して、所定温度と所定時間において加熱処理を行う。このようにして得られたホウ素変性エポキシ樹脂溶液を攪拌しながら、予め調整しておいたSi,Ti又はAlの化合物溶液を徐々に加えて、均一透明になるまで攪拌混合する。
上述の方法で得られた本発明のエポキシ樹脂組成物は、220℃以上の高いガラス転移温度の硬化物を与え、ガラス転移温度が300℃を超える硬化物及びガラス転移温度が消失する(Tgレス)硬化物も容易に得られる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、高いガラス転移温度を有すると共に、低い線膨張係数の性質を有する。
更に、本発明のエポキシ樹脂組成物は、アミンホウ酸塩とDICYを併用する系において、オルガノシリカゾル及びチタン、アルミニウムキレート化合物を用いることによって、高いガラス転移温度と低い線膨張係数を有する他に、優れた保存安定性をも有する。
次に、本発明を合成例、実施例によって具体的に説明する。
以下の合成例において、核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定は日本電子(株)製 Lambda300を用いた。11B-NMRスペクトルは重水中のホウ酸ピークを基準とした。
フーリェ変換赤外吸収スペクトル(FT-IR)は日本分光工業(株)製 FT/IR-550を用い、4000cm-1〜400cm-1の範囲で測定を行った。
粉末X線回折の測定は理学電機(株)製X線回折装置 RINT ULTIMA+ を使用した。
ホウ素含有量はPerkn Elmer社製 Optima 3300DVを用いて、ICPの測定を行い、予めホウ酸を用いて作成しておいた検量線により定量した。
アミンの定量は1H-NMRの内部標準法により行った。すなわち、試料に一定量のベンゼンまたはクロロホルムを内部標準として添加し、そのピークと一定量のアミンホウ酸塩のアミンの特定ピークとの面積比により定量した。
また、以下の実施例および比較例において、光透過率は日本電色工業株式会社製NDH−300Aを用いて、厚さ300μmのフィルムの平行透過率を測定した。ガラス転移温度及び貯蔵弾性率(E')は、固体動的粘弾性測定装置(セイコー電子工業株式会社製DMA−200)を用い、測定周波数1Hz、昇温速度3℃/分で測定した。なお、ガラス転移温度(Tg)はtanδピーク温度(tanδmax)とした。また、熱線膨張係数は、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製TMA/SS6100を用いて、窒素雰囲気下、引張りモート、昇温速度10℃/分で測定した。硬化物の灰分は、示差型熱質量分析装置(セイコー電子工業株式会社製TG-DTA220)を用いて、空気気流下、昇温速度10℃/分で、1000℃まで焼成して測定した。また、吸水率は、初期の重量と、100%湿度の雰囲気下で50時間放置した後の重量増加とを測定し、その比率により算出した。
なお、本発明の合成例及び実施例について次の試薬が使用された。
(1)アミン系化合物
テトラエチレンペンタミン(TEPA):和光純薬工業株式会社製、試薬特級
ポリアミドアミン エピクロンB-053:大日本インキ化学工業株式会社製、活性水素当量77g/eq
(2)ホウ酸:和光純薬工業株式会社製、試薬特級
(3)グリシドール:和光純薬工業株式会社製、試薬特級
(4)シリコン化合物
テトラメトキシシラン低縮合物(多摩化学(株)製、商品名Mシリケート51)
テトラメトキシシラン低縮合物(多摩化学(株)製、商品名Mシリケート56)
メチルトリメトキシシラン低縮合物(多摩化学(株)製、商品名MTMS-A)
(5)オルガノシリカゾル
MEK-ST(日産化学工業(株)製、固形分30%)
(6)チタン、アルミニウム化合物
チタンテトライソプロポキシド低縮合物(日本曹達(株)製、商品名A-10)
エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(Alキレート): 和光純薬工業株式会社製、試薬特級
(7)硬化剤
ジシアンジアミド(DICY): 和光純薬工業株式会社製、試薬特級
(8)溶剤
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF):和光純薬工業株式会社製、試薬特級
アセトン:和光純薬工業株式会社製、試薬1級
メチルエチルケトン(MEK): 和光純薬工業株式会社製、試薬特級
メチルセロソルプ: 和光純薬工業株式会社製、試薬特級
メタノール(MeOH): 和光純薬工業株式会社製、試薬特級
(9)エポキシ樹脂
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 エピクロン850(大日本インキ化学工業(株)製)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 エピクロンN673-80M(大日本インキ化学工業(株)製、固形分80%)
ナフタレン型エポキシ樹脂 エピクロン HP-4032D(大日本インキ化学工業(株)製)
高臭素化エポキシ樹脂 エピクロン153X(大日本インキ化学工業(株)製)
低臭素化エポキシ樹脂 エピクロン1121N-80M(大日本インキ化学工業(株)製、固形分80%)
(合成例1) [テトラエチレンペンタミンホウ酸塩の合成]
ホウ酸60g(0.971mol)をDMF 600gに溶かした溶液を攪拌しながら、テトラエチレンペンタミンTEPA 36.8g(0.194mol)を滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で13時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトンの順に洗浄し、50℃、9時間真空乾燥により、原料に対して収率73%で反応生成物の白色粉末1a 70.7gを得た。分析結果を表1及び表2に示す。
(合成例2) [エピクロンB-053ホウ酸塩の合成]
ホウ酸45g(0.728mol)をDMF 500gに溶かした溶液を攪拌しながら、エピクロンB-053 112.1gを滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で7時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をアセトンで洗浄し、50℃、15時間真空乾燥により、原料に対して収率31.8%で反応生成物の薄黄土色粉末1b 50.1gを得た。分析結果を表2に示す。
Figure 2009029875
Figure 2009029875
(*)“−”はアミン含有量が測定する事ができなかった事を示す。
(合成例3) [エポキシ変性シリコンアルコキシド低縮合物(変性Mシリケート51)の合成]
グリシドール7g、テトラメトキシシラン低縮合物Mシリケート51 37.5g及び触媒としてジブチル錫ジラウレート0.12gをフラスコに仕込み、窒素気流下、攪拌しながら、80℃に昇温し、そのまま11時間反応させた。反応中、生成したメタノールを窒素気流で反応系内から除去した。得られた反応生成物30.5gであった。
上記の反応生成物の1H-NMR(DMSO-D6)を測定したところ、グリシドールのオキシラン環のメチンピーク(3.02ppm付近)が反応に関与せず保持されていること、一方、グリシドールの水酸基ピーク(3.86ppm付近)が消失していること、また、グリシドールの水酸基に隣接するメチレンピークは3.47ppm付近と3.75ppm付近から3.78ppm付近と4.08ppm付近へシフトしていることが確認された。これらのことから、反応生成物は、エポキシ変性シリコンアルコキシド低縮合物であることと判断した。
(合成例4) [エポキシ変性シリコンアルコキシド低縮合物(変性MTMS-A/Mシリケート51)の合成]
グリシドール15g、テトラメトキシシラン低縮合物Mシリケート51 20g、メチルトリメトキシシラン低縮合物MTMS-A 20g及び触媒としてジブチル錫ジラウレート0.15gをフラスコに仕込み、窒素気流下、攪拌しながら、80℃に昇温し、そのまま10時間反応させた。反応中、生成したメタノールを窒素気流で反応系内から除去した。得られた反応生成物40.9gであった。
上記の反応生成物の1H-NMR(DMSO-D6)を測定したところ、グリシドールのオキシラン環のメチンピーク(3.02ppm付近)が反応に関与せず保持されていること、一方、グリシドールの水酸基ピーク(3.86ppm付近)が消失していることが確認された。
(実施例1及び比較例1と比較例3)
TEPAホウ酸塩1a 22gをメタノール80gに溶かした溶液を攪拌しながら、MEKを滴下した。得た透明溶液にエピクロン850 100gを加え、攪拌混合した後、50℃で2時間の溶液状態での加熱処理を行い、ホウ素変性エポキシ樹脂組成物溶液を得た。次に、該溶液を攪拌しながら、オルガノシリカゾルMEK-ST 172gを添加した。得られた透明溶液を清浄なアルミ箔上に塗布し、12時間、溶媒キャストを行った後、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃で各1時間乾燥し、更に、150℃、180℃で各2時間の熱処理を行い、該エポキシ樹脂組成物の硬化物(硬化フィルム)を得た。
上記の硬化物は透明性に優れ、可視光域での光透過率は91%(100μm厚み換算)であった。また、クラックやしわ、気泡なども無く、良好な表面形態を示した。
実施例1で得られた厚み約300μmの硬化フィルムを用いて動的粘弾性測定(周波数1Hz)を行った。得られた貯蔵弾性率(E')とtanδと温度との関係を図1に示す。なお、図1にはMEK-STを用いない比較例1及びTEPAホウ酸塩の変わりにB-053を用いた以外は実施例1と同じエポキシ樹脂組成の硬化物である比較例3の結果も併せて示す。比較例1及び比較例3と比べて、実施例1のエポキシ樹脂硬化物の貯蔵弾性率とガラス転移温度が大きく向上していることが明らかである。他の測定結果を表3,11に示す。
Figure 2009029875
(実施例2,3及び比較例2)
MEK-STの変わりに、Mシリケート56及びA-10を用いた以外は実施例1と同様にして得られたエポキシ樹脂硬化物である実施例2及び実施例3の結果は表4及び図2に示してある。なお、TEPAホウ酸塩を用いない比較例2の結果も併せて示す。比較例と比べて、実施例2及び3は極めて高いガラス転移温度を示した。
Figure 2009029875
(実施例4,5,6)
TEPAホウ酸塩とDICYを併用した実施例4,5及び6では、表5,11及び図3に示したように、高いガラス転移温度を大きく低下せず、シリカ微粒子充填することによってTg以下の線膨張係数が効果的に低下した。
Figure 2009029875
(実施例7,8及び比較例4)
TEPAホウ酸塩とDICYを併用し、更に合成例で得られたグリシドール変性シリコンアルコキシドを用いて得られたエポキシ樹脂硬化物である実施例7と8では、tanδピークがほぼ消失しており、Tgレスを示した。また、高温時の熱線膨張係数も低かった。これに対して、シリカを含まない比較例4では、ガラス転移温度は220℃にとどまり、高温時の線膨張係数も高かった。測定結果を表6,11及び図4に示す。
Figure 2009029875
(実施例9,10,11,12)
Mシリケート56、A-10及びAlキレート化合物を用いた実施例9,10,11,12では、300℃を超えた高いTgあるいはTgレスを示した。測定結果を表7,8,11及び図5,6に示す。
Figure 2009029875
Figure 2009029875
(実施例13,14及び比較例5)
高臭素化エポキシ樹脂153Xを用い、難燃性を確保した上、ホウ酸塩で変性し、更にシリカ微粒子充填及びシリコンアルコキシドのゾルゲル反応を行い、エポキシ樹脂硬化物を得た。シリカ微粒子充填した実施例13では、シリカを含まない比較例5と比べ、線膨張係数が効果的に低下した。一方、Mシリケート56を用いた実施例14では、300℃を超えた高いTgを示した。測定結果を表9,11及び図7に示す。
Figure 2009029875
(実施例15と16)
低臭素化エポキシ樹脂1121Nとクレゾールノボラックエポキシ樹脂N673の系でも、ホウ酸塩変性と共に、シリカ微粒子充填によって、高いガラス転移温度と低い線熱膨張係数を併せ持つエポキシ樹脂硬化物が得られた。測定結果を表10,11及び図8に示す。
Figure 2009029875
Figure 2009029875
実施例1及び比較例1,3で得られたエポキシ樹脂硬化物の貯蔵弾性率(E')とtanδの温度分散を示す図である。なお、実線は貯蔵弾性率(E')を表し、点線はtanδを表す。 実施例2,3及び比較例2で得られたエポキシ樹脂硬化物の貯蔵弾性率(E')とtanδの温度分散を示す図である。なお、実線は貯蔵弾性率(E')を表し、点線はtanδを表す。 実施例4,5,6で得られたエポキシ樹脂硬化物の貯蔵弾性率(E')とtanδの温度分散を示す図である。なお、実線は貯蔵弾性率(E')を表し、点線はtanδを表す。 実施例7,8及び比較例4で得られたエポキシ樹脂硬化物の貯蔵弾性率(E')とtanδの温度分散を示す図である。なお、実線は貯蔵弾性率(E')を表し、点線はtanδを表す。 実施例9,10で得られたエポキシ樹脂硬化物の貯蔵弾性率(E')とtanδの温度分散を示す図である。なお、実線は貯蔵弾性率(E')を表し、点線はtanδを表す。 実施例11,12で得られたエポキシ樹脂硬化物の貯蔵弾性率(E')とtanδの温度分散を示す図である。なお、実線は貯蔵弾性率(E')を表し、点線はtanδを表す。 実施例13,14及び比較例5で得られたエポキシ樹脂硬化物の貯蔵弾性率(E')とtanδの温度分散を示す図である。なお、実線は貯蔵弾性率(E')を表し、点線はtanδを表す。 実施例15,16で得られたエポキシ樹脂硬化物の貯蔵弾性率(E')とtanδの温度分散を示す図である。なお、実線は貯蔵弾性率(E')を表し、点線はtanδを表す。

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂(A)と、アミン化合物と無機ホウ酸化合物とを反応して得られるアミンホウ酸塩(B)と、金属酸化物又は反応性金属化合物(C)とを含有するエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記アミン化合物が脂肪族ポリアミンである請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記金属酸化物がオルガノシリカゾル、オルガノチタニアゾル又はオルガノアルミナゾルである請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記反応性金属化合物がシリコンアルコキシド、チタンアルコキシド、エポキシ変性シリコンアルコキシド、又はそれらの低縮合物、チタンキレート化合物及びアルミニウムキレート化合物から選択される1種以上である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂の硬化剤(D)を更に配合してなる請求項1〜4のいずれか一つに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を40〜180℃で硬化反応させてなることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物。
  7. 前記反応性金属化合物がシリコンアルコキシド、エポキシ変性シリコンアルコキシド又はその低縮合物であり、これを加水分解・重縮合を行わせて得られるシリカが硬化物中に5〜200nmの大きさで均質に分散されている請求項6記載のエポキシ樹脂硬化物。
  8. 硬化物中のホウ素含有量が0.1〜8質量%である請求項6又は7記載のエポキシ樹脂硬化物。
  9. 硬化物中の金属酸化物の含有量が1〜40質量%である請求項6、7又は8記載のエポキシ樹脂硬化物。
  10. エポキシ樹脂(A)と、アミン化合物と無機ホウ酸化合物とを反応して得られるアミンホウ酸塩(B)の全使用量の中の一部をあらかじめ反応させた後、金属酸化物又は反応性金属化合物を添加することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法。
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