JP2009029867A - 膨潤型吸油性ポリマー粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水に対する吸収性が低く、脂肪酸(オレイン酸等)、高級アルコールなどの極性の高い油に対して選択的に高い吸油性を示す膨潤型吸油性ポリマー粒子を提供する。
【解決手段】 本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、ポリテトラメチレングリコールを少なくとも含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応により得られる分子鎖末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、3官能以上の多官能アミンを少なくとも含む鎖延長剤により高分子化して得られるポリウレタン樹脂からなり、オレイン酸吸収量が自重の2倍以上であることを特徴とする。水吸収量、スクワラン吸収量及びジメチコン吸収量が、何れも自重の1倍未満であるのが好ましい。ポリテトラメチレングリコールの数平均分子量は、例えば、650〜3000である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、膨潤型吸油性ポリマー粒子、より詳しくは、オレイン酸等の脂肪酸、高級アルコールなどの極性の高い油に対して選択的に且つ優れた吸収性を示す膨潤型吸油性ポリマー粒子に関する。
従来、吸油性材料として、例えば、シリカ、パーライト等の無機多孔質粉体が知られている。しかし、これらの無機多孔質粉体は、吸油速度は速いものの、油の保持力が弱く、油以外の物質、例えば水も吸収するという欠点を有する。また、水を吸収すると他の成分を吸収しにくくなるので、油成分とともに水が多く存在する系では油成分を吸収させることが困難となる。
また、吸油性材料として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと架橋性モノマーを含むモノマー混合物を共重合して得られるアクリル系ポリマー粒子からなる膨潤型吸油性ポリマー粒子が知られている(特許文献1〜3参照)。しかし、これらの膨潤型吸油性ポリマー粒子は油成分全般(炭化水素、油脂、高級脂肪酸等)に吸油性を示し、特定の油成分のみを選択的に吸収する用途には不向きである。また、吸油性についても必ずしも満足できるものではない。
特許第2813224号公報 特開平5−209017号公報 特開2006−8757号公報
本発明の目的は、水に対する吸収性が低く、脂肪酸(オレイン酸等)、高級アルコールなどの極性の高い油に対して選択的に高い吸油性を示す膨潤型吸油性ポリマー粒子を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の構造単位を有するポリエーテルポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応により得られるウレタンプレポリマーを特定の鎖延長剤により高分子化したポリマー粒子が、水、シリコーンオイル、スクワラン等の炭化水素に対しては吸収性が低く、オレイン酸等の極性の高い油に対しては選択的に極めて高い吸収性を示すことを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリテトラメチレングリコールを少なくとも含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応により得られる分子鎖末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、3官能以上の多官能アミンを少なくとも含む鎖延長剤により高分子化して得られるポリウレタン樹脂からなり、オレイン酸吸収量が自重の2倍以上である球状の膨潤型吸油性ポリマー粒子を提供する。
この膨潤型吸油性ポリマー粒子は、水吸収量、スクワラン吸収量及びジメチコン吸収量が、何れも自重の1倍未満であるのが好ましい。
前記ポリテトラメチレングリコールの数平均分子量が650〜3000であるのが好ましい。全ポリオール成分中のポリテトラメチレングリコールの割合は、50質量%以上であるのが好ましい。前記ポリイソシアネート成分は非芳香族ポリイソシアネートであるのが好ましい。また、ウレタンプレポリマーにおける残存イソシアネート基の量は2.0〜10質量%の範囲であるのが好適である。
前記膨潤型吸油性ポリマー粒子は、例えば、ウレタンプレポリマーをポリビニルアルコール水溶液中で分散させた分散液に鎖延長剤を添加して高分子化して得られるポリウレタン樹脂粒子で構成することができる。
膨潤前のポリマー粒子の平均粒子径は、0.1〜100μmの範囲であるのが好ましい。
本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子が示す吸油性能は、ポリマー分子内のポリテトラメチレングリコール骨格によるものと考えられる。すなわち、ポリテトラメチレングリコール骨格の示す極性に比較的近い極性を示す、オレイン酸等の脂肪酸、高級アルコールは、ポリテトラメチレングリコール骨格に取り込まれ、吸収性が高いのに対し、ポリテトラメチレングリコール骨格の示す極性と比較して、極性がかなり高い水や、極性がかなり低いスクワラン等の炭化水素は、ポリテトラメチレングリコール骨格にあまり取り込まれず吸収性が低いと思われる。しかも、本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、3官能以上の多官能アミンによる架橋により三次元網目構造をとっているため、ポリマー粒子が溶解にまで至らず、膨潤にとどまるという利点も有する。また、従来のシリカ、パーライト等の無機多孔質粉体では、多孔質による吸収であるため、水と、オレイン酸等の脂肪酸、高級アルコール等の油類との共存下では、水と、オレイン酸等の脂肪酸、高級アルコール等の油類の両方を吸収してしまい、実質的にオレイン酸等の脂肪酸、高級アルコール等の油類の吸収量が減少するという欠点を有する。一方、本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、水との共存下でも選択的にオレイン酸等の脂肪酸、高級アルコール等の油類を吸収し、高い吸油性を示すという点において優れている。このため、例えば、本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、メークアップ化粧料、スキンケア化粧料、制汗剤化粧料、紫外線防御化粧料、頭髪化粧料等の皮膚や毛髪に外用される化粧料の原料として有用である。
本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、下記式(1)
Figure 2009029867
(式中、nは正の整数を示す)
で表されるポリテトラメチレングリコール(PTMG)を少なくとも含むポリオール成分(A)[以下、ポリオール成分(A)と称する場合がある]とポリイソシアネート成分(B)との反応により得られる分子鎖末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(C)[以下、ウレタンプレポリマー(C)と称する場合がある]を、3官能以上の多官能アミンを少なくとも含む鎖延長剤(D)により高分子化して得られるポリウレタン樹脂からなる粒子である。
前記ポリオール成分(A)としては、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)を少なくとも含んでいればよい。ポリオール成分(A)としては、例えば、多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリルポリオール、ヒマシ油などが挙げられる。ポリオール成分(A)において、多価アルコールには、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)などが含まれる。また、ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコールの他、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体などのモノマー成分として複数のアルキレンオキシドを含む(アルキレンオキサイド−他のアルキレンオキサイド)共重合体などが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物;環状エステル(ラクトン)の開環重合物;多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物などを用いることができる。多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物において、多価アルコールとしては、前記例示の多価アルコールを用いることができる。一方、多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、環状エステルの開環重合物において、環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。3種類の成分による反応物において、多価アルコール、多価カルボン酸、環状エステルとしては、前記例示のものなどを用いることができる。ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、多価アルコールとホスゲンとの反応物;環状炭酸エステル(アルキレンカーボネートなど)の開環重合物などが挙げられる。具体的には、多価アルコールとホスゲンとの反応物において、多価アルコールとしては、前記例示の多価アルコールを用いることができる。また、環状炭酸エステルの開環重合物において、アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネートなどが挙げられる。なお、ポリカーボネートポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。
ポリオレフィンポリオールは、オレフィンを重合体又は共重合体の骨格(又は主鎖)の成分(モノマー成分)とし且つ分子内に(特に末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2つ有するポリオールである。前記オレフィンとしては、末端に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン(例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンなど)であってもよく、また末端以外の部位に炭素−炭素二重結合を有するオレフィン(例えば、イソブテンなど)であってもよく、さらにはジエン(例えば、ブタジエン、イソプレンなど)であってもよい。また、ポリアクリルポリオールは、(メタ)アクリレートを重合体又は共重合体の骨格(又は主鎖)の成分(モノマー成分)とし且つ分子内にヒドロキシル基を少なくとも2つ有するポリオールである。(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルなどの(メタ)アクリル酸C1-20アルキルエステルなど]が好適に用いられる。なお、ポリオレフィンポリオールやポリアクリルポリオールにおいて、分子内にヒドロキシル基を導入するために、オレフィンや(メタ)アクリレートの共重合成分(共重合性を有するモノマー成分)として、ヒドロキシル基を有するα,β−不飽和化合物[例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルなど]を用いることができる。
ポリオール成分(A)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを好適に用いることができる。
ポリオール成分(A)中のポリテトラメチレングリコールの割合は、好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、ポリオール成分(A)が実質的にポリテトラメチレングリコールのみで構成されているのが最も好ましい。
ポリテトラメチレングリコールの数平均分子量は、好ましくは650〜3000、さらに好ましくは1000〜2000程度である。数平均分子量が650未満では、最終的なポリウレタン樹脂中のハードセグメント(ポリイソシアネート成分に対応する部位)の含有量が増大し、吸油特性が低下する傾向となる。また、数平均分子量が3000を超えると、ウレタンプレポリマーの粘度が増大するので、ポリマー粒子を製造する上で取扱性、作業性が悪くなる傾向となる。
ポリイソシアネート成分(B)は、分子内に2以上のイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限されず、従来公知のポリイソシアネート化合物(ジイソシアネート化合物、それ以外のポリイソシアネート化合物)を用いることができる。ポリイソシアネート成分(B)は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ポリイソシアネート成分(B)には、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物、芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物などが含まれる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,3−ペンタメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環式ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(=4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。、
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ω、ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼンなどが挙げられる。
なお、樹脂の黄変性が問題になる場合には、ポリイソシアネート成分(B)として、非芳香族ポリイソシアネート(脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物又は芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物)を用いるのが好ましい。ポリイソシアネート成分(B)としては、特にイソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、水添MDIなどが好ましい。
ウレタンプレポリマー(C)の合成方法は特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。例えば、撹拌機、コンデンサー、窒素気流装置を備えた反応器に、ポリオール成分(A)を仕込み、必要に応じて減圧脱水処理し、ポリイソシアネート成分(B)を加え、窒素気流下で70〜100℃にて3〜8時間程度反応させることにより、ウレタンプレポリマーを含有するウレタン系組成物を得ることができる。
反応は溶媒の非存在下で行うこともできるが、生成物の粘度を調整するため、溶媒を用いることもできる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に制限はなく、例えば、メチルエチルケトンなどを好ましく用いることができる。
反応に際しては、重合触媒を用いることができる。重合触媒としては、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させる際に通常用いられる重合触媒(硬化触媒)を用いることができる。より具体的には、重合触媒として、有機錫化合物、金属錯体、アミン化合物などの塩基性化合物、有機燐酸化合物などが挙げられる。
また、ウレタンプレポリマー(C)中のNCOの量は、ウレタンプレポリマー(C)全体の2.0〜10質量%、特に3.0〜7.5質量%の範囲であるのが好ましい。NCOの量(質量%)が多すぎる場合は、最終的なポリウレタン樹脂中のハードセグメント(ポリイソシアネート成分に対応する部位)の含有量が増大し、吸油特性が低下する傾向となる。また、NCOの量(質量%)が少なすぎる場合は、ウレタンプレポリマー(C)の粘度が増大するので、ポリマー粒子を製造する上で取扱性、作業性が悪くなる傾向となる。
本発明においては、前記ウレタンプレポリマー(C)の高分子化及び粒子化に際し、3官能以上の多官能アミンを少なくとも含む鎖延長剤を用いる。3官能以上の多官能アミンとしては、第1級アミノ基、第2級アミノ基を合計で3個以上有するアミン化合物(ポリアミン)であれば特に限定されず、その代表的な例として、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミンなどが挙げられる。鎖延長剤として3官能以上の多官能アミンを用いると、3次元網目構造が形成され、被吸収成分に対して膨潤はするが溶解にまでには至らない膨潤特性に優れたポリマー粒子が得られる。
鎖延長剤としては、前記3官能以上の多官能アミンとともに、他の鎖延長剤を用いることもできる。他の鎖延長剤としては、2官能のアミン、ヒドラジン及びその誘導体などのアミン系鎖延長剤、多価アルコールなどが挙げられる。
前記2官能のアミンとして、例えば、エチレンジアミン、1,3−トリメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,3−ペンタメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,2−ブチレンジアミン、2,3−ブチレンジアミン、1,3−ブチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−シクロペンタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−メチル−4−アミノメチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−メチル−3−アミノメチルシクロヘキサン、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4´−メチレンビス(3−メチル−シクロヘキシルアミン)、メチル−2,3−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,4−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,6−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環式ジアミン;m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ナフチレン−1,4−ジアミン、ナフチレン−1,5−ジアミン、4,4´−ジフェニルジアミン、4,4´−ジフェニルメタンジアミン、2,4´−ジフェニルメタンジアミン、4,4´−ジフェニルエ−テルジアミン、2−ニトロジフェニル−4,4´−ジアミン、2,2´−ジフェニルプロパン−4,4´−ジアミン、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジアミン、4,4´−ジフェニルプロパンジアミン、3,3´−ジメトキシジフェニル−4,4´−ジアミン等の芳香族ジアミン;1,3−キシリレンジアミン、1,4−キシリレンジアミン、α,α,α´,α´−テトラメチル−1,3−キシリレンジアミン、α,α,α´,α´−テトラメチル−1,4−キシリレンジアミン、ω,ω´−ジアミノ−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−アミノ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−アミノ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルアミノメチル)ベンゼン等の芳香脂肪族ジアミンなどが挙げられる。
ヒドラジン及びその誘導体としては、例えば、ヒドラジンや、ジヒドラジド系化合物などが挙げられる。ジヒドラジド系化合物には、例えば、カルボジヒドラジド(カルボヒドラジド)、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドなどの脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジド類;イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジドなどの芳香族ジカルボン酸ジヒドラジド類;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジヒドラジドなどの脂環式ジカルボン酸ジヒドラジド類などが含まれる。
多価アルコールには、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、ソルビトールなどが含まれる。
鎖延長剤(D)中の前記3官能以上の多官能アミンの割合は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。
鎖延長剤(D)の使用量は、ウレタンプレポリマー(C)の末端のイソシアネート基と当量であることが好ましいが、例えば、該イソシアネート基1当量に対して0.8〜1.2当量の範囲から選択してもよい。
本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、例えば、ウレタンプレポリマー(C)を分散剤を含む水混合液(水溶液等)中で分散させた後、鎖延長剤(D)を添加して高分子化することによって得ることができる。また、ウレタンプレポリマー(C)を分散剤と鎖延長剤(D)を含む水混合液(水溶液等)中で高分子化と同時に分散して得ることもできる。
分散剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルキルエーテル等の高分子分散剤等が挙げられる。これらの中でも高分子分散剤、特にポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールとしては、特に限定されず、一般に分散剤、乳化剤等として用いられるポリビニルアルコールを使用でき、アセトアセチル化ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコールなどであってもよい。ポリビニルアルコールは、部分鹸化品、完全鹸化品の何れであってもよく、また、分子量や鹸化度等の異なる2種以上のポリビニルアルコールを併用することもできる。
分散剤を含む水混合液中の分散剤の濃度は、ウレタンプレポリマー(C)の分散性を損なわない範囲で適宜選択できるが、通常3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%程度である。
ウレタンプレポリマー(C)の使用量(固形分換算)は、分散剤を含む水混合液100質量部に対して、好ましくは3〜20質量部、さらに好ましくは5〜15質量部程度である。ウレタンプレポリマー(C)は溶媒に溶解した形態で分散剤を含む水混合液に供給してもよい。
ウレタンプレポリマー(C)の分散液の調製は、乳化や分散、撹拌に用いられる一般的な撹拌混合手段を用いて混合することにより行うことができる。撹拌混合手段として、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波分散機などの公知の撹拌混合手段を用いることができる。
ウレタンプレポリマー(C)を分散剤含有水混合液中で分散させる際の温度は、一般に0〜50℃、好ましくは10〜30℃程度である。ウレタンプレポリマー(C)をポリビニルアルコール水溶液等の分散剤含有水混合液中で分散させると、通常、水中油型(O/W型)のエマルジョンとなる。混合時間は、混合装置の種類にもよるが、例えば0.1〜30分、好ましくは1〜10分程度である。
次いで、このように調製されたウレタンプレポリマー(C)の分散液に鎖延長剤(D)を添加して、鎖延長により高分子化し、固形球状のポリウレタン樹脂粒子を生成させる。鎖延長剤(D)は、そのまま又は水等の溶媒に溶解した溶液の形態で用いることができる。
鎖延長を行う際の温度は、例えば20〜100℃、好ましくは30〜90℃程度である。また、鎖延長を行う時間は、一般に5〜200時間、好ましくは10〜120時間程度である。
鎖延長後、反応混合液(懸濁液)を濾過、遠心分離等に付して、固液分離し、得られた固体を水で洗浄し、乾燥することにより、球状(好ましくは真球状)のポリウレタン樹脂粒子が得られる。こうして得られるポリウレタン樹脂粒子は油成分を吸収して膨潤する性質を有する。特に、該ポリウレタン樹脂微粒子は、水に対する吸収性及び炭化水素やシリコーンオイル等の低極性成分に対する吸収性は低く、特定の油剤、例えば高級脂肪酸、高級アルコール、油脂、皮脂、脂肪酸エステル、ケトン、エーテル等の中程度の極性を有する物質に対して選択的に高い吸油性を示す。そのため、水共存下においても油成分を効率よく吸収させることができる。また、無機多孔質粉体等の従来の吸油性材料と比較して、保油性や徐放性に優れている。従って、本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、皮脂を吸収するための化粧料、流出オイルや廃油吸収剤(回収剤)、香料、殺虫剤、殺菌剤等の油成分の徐放性基材などとして有用である。
本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、ポリマー分子内にポリテトラメチレングリコール骨格を有しているため、ポリテトラメチレングリコール骨格の示す極性に比較的近い極性を示すオレイン酸等の脂肪酸、高級アルコールは、ポリテトラメチレングリコール骨格に取り込まれ、吸収性が高いのに対し、ポリテトラメチレングリコール骨格の示す極性と比較して、極性がかなり高い水や、極性がかなり低いスクワラン等の炭化水素は、ポリテトラメチレングリコール骨格にあまり取り込まれず吸収性が低い。しかも、本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、3官能以上の多官能アミンによる架橋により三次元網目構造をとっているため、ポリマー粒子が溶解にまで至らず、膨潤にとどまる。例えば、本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、オレイン酸吸収量が自重の2倍以上(例えば2〜10倍程度)という特性を有している。オレイン酸吸収量は、好ましくは3倍以上(例えば3〜10倍程度)、さらに好ましくは4倍以上(例えば4〜10倍程度)である。また、本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子の水吸収量、スクワラン吸収量は、それぞれ、通常、自重の1倍未満(例えば0.001以上1倍未満)、好ましくは0.8倍以下(例えば0.001〜0.8倍)、さらに好ましくは0.6倍以下(例えば0.001〜0.6倍)である。さらに、本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子のジメチコン吸収量は、通常、自重の1倍未満(例えば0.01以上1倍未満)、好ましくは0.6倍以下(例えば0.01〜0.6倍)、さらに好ましくは0.4倍以下(例えば0.01〜0.4倍)である。したがって、本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、従来のシリカ、パーライト等の無機多孔質粉体のような多孔質による吸収と異なり、水との共存下でも選択的にオレイン酸等の脂肪酸、高級アルコール等の油類を吸収し、高い吸油性を示す。このため、例えば、本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子は、メークアップ化粧料、スキンケア化粧料、制汗剤化粧料、紫外線防御化粧料、頭髪化粧料等の皮膚や毛髪に外用される化粧料の原料として使用できる。
なお、油や水の吸収量は、飽和吸収量を意味し、下記の方法により測定できる。すなわち、膨潤型吸油性ポリマー粒子0.2gを各油(又は水)10mlに浸漬し、3日間放置して、油(又は水)を十分に吸収させた後、メンブレンフィルターを用いて10分間吸引濾過を行うことで過剰分の油(又は水)を取り除き、膨潤試料の重量増加分より吸収量(g/100g)を算出する。
本発明の膨潤型吸油性ポリマー粒子(膨潤前)の平均粒子径は、メジアン径として、例えば0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜30μm程度である。平均粒子径が0.1μm未満のものは製造が困難になりやすく、また平均粒子径が大きすぎると、例えば化粧料の原料として用いた場合に、使用感が損なわれやすくなる。なお、平均粒子径の測定は、得られた粒子を脱イオン水によって分散させ、レーザー散乱式粒度分布測定装置(例えば、商品名「LA−920」、堀場製作所製)を用い、体積基準モードにて行うことができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を示す。平均粒子径(メジアン径)及び吸収量の測定は前記の方法により行った。
調製例1
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)(数平均分子量3000、水酸基価:37.4mg−KOH/g)300部、メチルエチルケトン20部を仕込み,イソホロンジイソシアネート[イソシアネート含有率(NCO含有率):37.8%、IPDI]45.0部,ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加し、75〜80℃の温度で窒素気流下5時間反応を行い、プレポリマー中の残存イソシアネート基が2.5%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー1)を得た。
調製例2
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量650、水酸基価:172.6mg−KOH/g)300部、メチルエチルケトン20部を仕込み、イソホロンジイソシアネート[イソシアネート含有率(NCO含有率):37.8%、IPDI]205.5部、ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加し、75〜80℃の温度で窒素気流下5時間反応を行い、プレポリマー中の残存イソシアネート基が7.7%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー2)を得た。
調製例3
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1000、水酸基価:111.5mg−KOH/g)300部、メチルエチルケトン20部を仕込み、イソホロンジイソシアネート[イソシアネート含有率(NCO含有率):37.8%、IPDI]104.8部、ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加し、75〜80℃の温度で窒素気流下5時間反応を行い、プレポリマー中の残存イソシアネート基が3.6%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー3)を得た。
調製例4
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに、商品名「PCDL T−6002」(旭化成ケミカルズ社製、ポリカーボネートジオール、数平均分子量2000、水酸基価:56.1mg−KOH/g)300部、メチルエチルケトン20部を仕込み、イソホロンジイソシアネート[イソシアネート含有率(NCO含有率):37.8%、IPDI]67.4部、ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加し、75〜80℃の温度で窒素気流下5時間反応を行い、プレポリマー中の残存イソシアネート基が3.5%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー4)を得た。
調製例5
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量650、水酸基価:172.6mg−KOH/g)300部、メチルエチルケトン20部を仕込み、イソホロンジイソシアネート[イソシアネート含有率(NCO含有率):37.8%、IPDI]247.6部、ジブチル錫ジラウレート0.04部を添加し、75〜80℃の温度で窒素気流下5時間反応を行い、プレポリマー中の残存イソシアネート基が10%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(プレポリマー5)を得た。
実施例1
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに商品名「PVA−205」(クラレ社製、部分ケン化ポリビニルアルコール)100部、脱イオン水900部を仕込み、90℃に加熱してポリビニルアルコールを溶解させた後に室温まで冷却し、分散剤溶液を得た。得られた分散剤溶液にプレポリマー1を100部添加した後、ホモミキサーを用いて8000rpmで5分間混合し、ウレタンプレポリマーの分散液を得た。得られた分散液にジエチレントリアミンの10%水溶液19部を仕込んだ後80℃まで昇温し、同温度を保持しつつ20時間反応を行った。次いで分散剤の洗浄、乾燥を行い、球状のポリウレタン樹脂微粒子1を得た。得られた粒子のメジアン径は15μmであった。また、各油、水に対する吸収性は、オレイン酸695g/100g、デカノール594g/100g、スクワラン15g/100g、ジメチコン11g/100g、水11g/100gであった。
実施例2
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに商品名「PVA−205」(クラレ社製、部分ケン化ポリビニルアルコール)100部、脱イオン水900部を仕込み、90℃に加熱してポリビニルアルコールを溶解させた後に室温まで冷却し、分散剤溶液を得た。得られた分散剤溶液にプレポリマー2を100部添加した後、ホモミキサーを用いて8000rpmで5分間混合し、ウレタンプレポリマーの分散液を得た。得られた分散液にイソホロンジアミンの10%水溶液75部を仕込んだ後、ジエチレントリアミンの10%水溶液30部を仕込み、80℃まで昇温し、同温度を保持しつつ20時間反応を行った。次いで分散剤の洗浄、乾燥を行い、球状のポリウレタン樹脂微粒子2を得た。得られた粒子のメジアン径は7μmであった。また、各油、水に対する吸収性は、オレイン酸650g/100g、デカノール562g/100g、スクワラン21g/100g、ジメチコン8g/100g、水7g/100gであった。
実施例3
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに商品名「PVA−205」(クラレ社製、部分ケン化ポリビニルアルコール)100部、脱イオン水900部を仕込み、90℃に加熱してポリビニルアルコールを溶解させた後に室温まで冷却し、分散剤溶液を得た。得られた分散剤溶液にプレポリマー3を100部添加した後、ホモミキサーを用いて8000rpmで5分間混合し、ウレタンプレポリマーの分散液を得た。得られた分散液にジエチレントリアミンの10%水溶液28部を仕込み、80℃まで昇温し、同温度を保持しつつ20時間反応を行った。次いで分散剤の洗浄、乾燥を行い、球状のポリウレタン樹脂微粒子3を得た。得られた粒子のメジアン径は12μmであった。また、各油、水に対する吸収性は、オレイン酸536g/100g、デカノール396g/100g、スクワラン56g/100g、ジメチコン25g/100g、水40g/100gであった。
実施例4
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに商品名「PVA−205」(クラレ社製,部分ケン化ポリビニルアルコール)100部、脱イオン水900部を仕込み、90℃に加熱してポリビニルアルコールを溶解させた後に室温まで冷却し、分散剤溶液を得た。得られた分散剤溶液にプレポリマー3を80部、プレポリマー4を20部ずつ添加した後、ホモミキサーを用いて8000rpmで5分間混合し、ウレタンプレポリマーの分散液を得た。得られた分散液にジエチレントリアミンの10%水溶液28部を仕込んだ後80℃まで昇温し、同温度を保持しつつ20時間反応を行った。次いで分散剤の洗浄、乾燥を行い、球状のポリウレタン樹脂微粒子4を得た。得られた粒子のメジアン径は16μmであった。また、各油、水に対する吸収性は、オレイン酸442g/100g、デカノール314g/100g、スクワラン48g/100g、ジメチコン22g/100g、水28g/100gであった。
実施例5
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに商品名「PVA−205」(クラレ社製、部分ケン化ポリビニルアルコール)100部、脱イオン水900部を仕込み、90℃に加熱してポリビニルアルコールを溶解させた後に室温まで冷却し、分散剤溶液を得た。得られた分散剤溶液にプレポリマー3、プレポリマー4を50部ずつ添加した後、ホモミキサーを用いて8000rpmで5分間混合し、ウレタンプレポリマーの分散液を得た。得られた分散液にジエチレントリアミンの10%水溶液28部を仕込んだ後80℃まで昇温し、同温度を保持しつつ20時間反応を行った。次いで分散剤の洗浄、乾燥を行い、球状のポリウレタン樹脂微粒子5を得た。得られた粒子のメジアン径は28μmであった。また、各油、水に対する吸収性は、オレイン酸296g/100g、デカノール211g/100g、スクワラン44g/100g、ジメチコン20g/100g、水28g/100gであった。
実施例6
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに商品名「PVA−205」(クラレ社製、部分ケン化ポリビニルアルコール)100部、脱イオン水900部を仕込み、90℃に加熱してポリビニルアルコールを溶解させた後に室温まで冷却し、分散剤溶液を得た。得られた分散剤溶液にプレポリマー5を100部添加した後、ホモミキサーを用いて8000rpmで5分間混合し、ウレタンプレポリマーの分散液を得た。得られた分散液にジエチレントリアミンの10%水溶液79部を仕込んだ後80℃まで昇温し、同温度を保持しつつ20時間反応を行った。次いで分散剤の洗浄、乾燥を行い、球状のポリウレタン樹脂微粒子6を得た。得られた粒子のメジアン径は5μmであった。また、各油、水に対する吸収性は、オレイン酸320g/100g、デカノール260g/100g、スクワラン41g/100g、ジメチコン14g/100g、水1g/100gであった。
比較例1
撹拌装置、窒素導入管、温度計およびコンデンサーを付けた4つ口セパラブルフラスコに商品名「PVA−205」(クラレ社製,部分ケン化ポリビニルアルコール)100部、脱イオン水900部を仕込み、90℃に加熱してポリビニルアルコールを溶解させた後に室温まで冷却し、分散剤溶液を得た。得られた分散剤溶液にプレポリマー4を100部添加した後、ホモミキサーを用いて8000rpmで5分間混合し、ウレタンプレポリマーの分散液を得た。得られた分散液にジエチレントリアミンの10%水溶液27部を仕込んだ後80℃まで昇温し、同温度を保持しつつ20時間反応を行った。次いで分散剤の洗浄、乾燥を行い、球状のポリウレタン樹脂微粒子8を得た。得られた粒子のメジアン径は8μmであった。また、各油、水に対する吸収性は、オレイン酸54g/100g、デカノール36g/100g、スクワラン24g/100g、ジメチコン8g/100g、水10g/100gであった。
比較例2
市販されている多孔質シリカ(吸油量300ml/100g、メジアン径15μm)を用いた。各油、水に対する吸収性は、オレイン酸121g/100g、デカノール125g/100g、スクワラン127g/100g、ジメチコン123g/100g、水182g/100gであった。
以上の結果を表1及び表2に示す。
Figure 2009029867
Figure 2009029867
表に示されるように、実施例のポリウレタン樹脂微粒子は、オレイン酸吸収量は非常に高いが、スクワランやジメチコン、水の吸収量は低い。これに対し、比較例1の微粒子は、オレイン酸吸収量が低く、各種被吸収成分に対して吸収量が同等で選択性がない。比較例2の微粒子(多孔質シリカ)は、オレイン酸吸収量がさほど高くなく、被吸収成分に対して吸収量が同等で選択性がない上、水の吸収量が高い。

Claims (8)

  1. ポリテトラメチレングリコールを少なくとも含むポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応により得られる分子鎖末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを、3官能以上の多官能アミンを少なくとも含む鎖延長剤により高分子化して得られるポリウレタン樹脂からなり、オレイン酸吸収量が自重の2倍以上である球状の膨潤型吸油性ポリマー粒子。
  2. 水吸収量、スクワラン吸収量及びジメチコン吸収量が、何れも自重の1倍未満である請求項1記載の膨潤型吸油性ポリマー粒子。
  3. ポリテトラメチレングリコールの数平均分子量が650〜3000である請求項1又は2記載の膨潤型吸油性ポリマー粒子。
  4. 全ポリオール成分中のポリテトラメチレングリコールの割合が50質量%以上である請求項1〜3の何れかの項に記載の膨潤型吸油性ポリマー粒子。
  5. ポリイソシアネート成分が非芳香族ポリイソシアネートである請求項1〜4の何れかの項に記載の膨潤型吸油性ポリマー粒子。
  6. ウレタンプレポリマーにおける残存イソシアネート基の量が2.0〜10質量%である請求項1〜5の何れかの項に記載の膨潤型吸油性ポリマー粒子。
  7. ウレタンプレポリマーをポリビニルアルコール水溶液中で分散させた分散液に鎖延長剤を添加して高分子化して得られるポリウレタン樹脂粒子で構成された請求項1〜6の何れかの項に記載の膨潤型吸油性ポリマー粒子。
  8. 膨潤前のポリマー粒子の平均粒子径が0.1〜100μmである請求項1〜7の何れかの項に記載の膨潤型吸油性ポリマー粒子。
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