JP2009028787A - 抵抗ろう付けの制御方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極間抵抗が変化しても、発熱量を一定に維持する抵抗ろう付けの制御方法およびその装置を提供すること。
【解決手段】本発明の本装置10は、一対の電極31,32間に、ろう材43を介在配置した被溶接物である銅製部品41,42を挟持し、該銅製部品41,42を加圧した状態で、電極31,32に給電する抵抗ろう付け装置30に備えられており、一対の電極31,32間の距離の変位量が、第1の変位量に達した時点から第2の変位量に達するまでに要した電極31,32への給電時間Tを測定する給電時間測定部12と、給電時間Tが下限のしきい値Tb以下であれば、一対の電極31,32への給電量を減少し、給電時間Tが上限のしきい値Ta以上であれば、一対の電極31,32への給電量を増加する制御部11と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、抵抗ろう付けの制御方法およびその装置に関し、特に、発熱量を制御する抵抗ろう付けの制御方法およびその装置に関する。
また、本発明は、抵抗ろう付けを行う銅製品の製造方法に関し、特に、上記抵抗ろう付けの制御方法を使用して、抵抗ろう付けを行う銅製品の製造方法に関する。
従来、抵抗ろう付けが、様々な被溶接物の溶接に用いられている。抵抗ろう付けは、分離状態にある被溶接物間にろう材を介在配置し、一対の電極間に、ろう材を介在配置した被溶接物を挟持した後、該被溶接物を加圧した状態で、電極に給電して、この電極と被溶接物との接触抵抗によって発熱させてろう材を溶解し、分離状態にある被溶接物をろう付けにより溶接するものである。このような抵抗ろう付けは、被溶接物を、局部加熱したい場合や、短時間で接合したい場合に特に利用されている。また、被溶接物の溶接部は、平坦な場合だけでなく、曲面を有している場合もある。
抵抗ろう付けでは、電極に大きな電流が流れて加熱される。そして、電極が繰り返し使用されるに従って、電極が酸化劣化し、クラックが発生する場合がある。このクラックが成長すると、電極と被溶接物との間の接触抵抗が増加する。また、電極が、経時劣化して、電極と被溶接物との間の接触抵抗が減少する場合もある。
このように、電極と被溶接物との間の接触抵抗が増加または減少すると、電極には所定の値の定電流が給電されているので、接触抵抗により発生する発熱量が、増加または減少して変動する。その結果、ろう材が溶解する挙動が変化して、ろう付けの加工状態が安定しなくなるおそれがある。
そして、ろう付けを用いた溶接に対して、種々の改善された方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、ろう材の厚みが減少する変位を検出することにより、セラミックスと金属とを接合する方法が提案されている。
抵抗ろう付けでは、電極の経時的変化により、電極が変形して潰れることもありうるが、接触抵抗の変化を、被溶接物の厚みの変位を検出することだけで判定することは困難である。
また、特許文献2には、再実装部品のはんだ接合部の品質を向上させる電子部品のリペア方法が提案されており、はんだ高さを、レーザー変位計を用いて計測する方法が開示されている。
しかし、上述したように、被溶接物の厚みの変位を検出することだけで、接触抵抗の変化を判定することは困難である。
また、特許文献1および特許文献2には、接触抵抗が変化しても、発熱量を一定に維持する方法は記載されていない。
特開昭61−219769号公報 特開2004−241574号公報
本発明は、上記問題点を解決することを課題とし、接触抵抗などの電極間抵抗が変化しても、発熱量を一定に維持する抵抗ろう付けの制御方法およびその装置を提供すること目的とする。また、本発明は、この抵抗ろう付けの制御方法を使用して、抵抗ろう付けを行う銅製品の製造方法を提供すること目的とする。
ここで、電極間抵抗には、電極と被溶接物との間の接触抵抗と共に、電極自体の固有の電気抵抗が含まれる。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、一対の電極(31,32)間に、ろう材(43)を介在配置した被溶接物(41,42)を挟持し、該被溶接物(41,42)を加圧した状態で、上記電極(31,32)に給電して行う抵抗ろう付けの制御方法であって、一対の上記電極(31,32)間の距離の変位量が、第1の変位量に達した時点から第2の変位量に達するまでに要した上記電極(31,32)への給電時間(T)を測定し、上記給電時間(T)が下限のしきい値以下であれば、一対の上記電極(31,32)への給電量を減少し、上記給電時間(T)が上限のしきい値以上であれば、一対の上記電極(31,32)への給電量を増加することを特徴とする。
これにより、電極間抵抗が変化しても、発熱量を一定に維持して、抵抗ろう付けを行うことができる。
請求項2に記載の発明は、上記第1の変位量が、上記ろう材(43)が溶解し始めた時点に対応しており、上記第2の変位量が、上記ろう材(43)がすべて溶解して、上記被溶接物(41,42)の溶接部分にぬれ拡がった時点に対応することを特徴とする。
これにより、ろう材(43)が溶解し始めてから、すべて溶解するのに要する特徴的な時間を、給電時間(T)とすることができる。
請求項3に記載の発明は、上記下限のしきい値を、上記ろう材(43)を上記被溶接物(41,42)に介在配置させた抵抗ろう付けを多数行って求めた上記給電時間(T)の平均値から、該給電時間(T)の標準偏差を3倍した値を減算した値とすることを特徴とする。
これにより、ろう材(43)をすべて溶解できる。
請求項4に記載の発明は、上記上限のしきい値を、上記ろう材(43)を上記被溶接物(41,42)に介在配置させた抵抗ろう付けを多数行って求めた上記給電時間(T)の平均値に、該給電時間(T)の標準偏差を4倍した値を加算した値とすることを特徴とする。
これにより、ろう材(43)をすべて溶解すると共に、被溶接物(41,42)が不要な変形を受けることを防止できる。
請求項5に記載の発明は、一対の上記電極(31,32)に流れる電流を変えて、上記発熱量を制御することを特徴とする。
これにより、抵抗ろう付け中の発熱量を一定に保つことができる。
請求項6に記載の発明は、一対の上記電極(31,32)が、固定電極(31)と可動電極(32)とからなり、上記可動電極(32)の変位量が、上記第1の変位量に達した時点から上記第2の変位量に達するまでに要した電極への上記給電時間(T)を測定することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、一対の電極(31,32)間に、ろう材(43)を介在配置した被溶接物(41,42)を挟持し、該被溶接物(41,42)を加圧した状態で、上記電極(31,32)に給電して行う抵抗ろう付けの制御装置であって、一対の上記電極(31,32)間の距離の変位量が、第1の変位量に達した時点から第2の変位量に達するまでに要した上記電極(31,32)への給電時間(T)を測定する給電時間測定部(12)と、上記給電時間(T)が下限のしきい値以下であれば、一対の上記電極(31,32)への給電量を減少し、上記給電時間(T)が上限のしきい値以上であれば、一対の上記電極(31,32)への給電量を増加する制御部(11)と、を有することを特徴とする。
これにより、請求項1と同様の効果が得られる。
請求項8に記載の発明は、一対の電極(31,32)間に、ろう材(43)を介在配置した銅製部品(41,42)を挟持し、該銅製部品(41,42)を加圧した状態で、上記電極(31,32)に給電して抵抗ろう付けを行う銅製品の製造方法であって、請求項1から6のいずれか一項に記載の抵抗ろう付けの制御方法を使用して、抵抗ろう付けを行うことを特徴とする。
これにより、発熱量を一定に維持した抵抗ろう付けを行って、良品の銅製品を製造することができる。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の抵抗ろう付けの制御装置をその好ましい一実施形態に基づいて、図1〜図6を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態である抵抗ろう付けの制御装置10(以下、単に本装置10ともいう)を備えた、抵抗ろう付け装置30の構成図である。
抵抗ろう付け装置30は、オルタネータの構成部品である銅製品を製造する装置である。この装置30は、図1に示すように、一対の電極31,32間に、ろう材43を介在配置した被溶接物である銅製部品41,42を挟持し、該銅製部品41,42を加圧した状態で、電極31,32に給電して抵抗ろう付けを行う。
本装置10は、抵抗ろう付け装置30によって行なわれる抵抗ろう付けの発熱量を制御する。
本装置10は、図1および図2に示すように、一対の電極31,32間の距離の変位量が、第1の変位量に達した時点から第2の変位量に達するまでに要した電極31,32への給電時間Tを測定する給電時間測定部12と、給電時間Tが下限のしきい値Tb以下であれば、一対の電極31,32への給電量を減少し、給電時間Tが上限のしきい値Ta以上であれば、一対の電極31,32への給電量を増加する制御部11と、を有している。
また、本装置10は、一対の電極31,32間を流れる電流値を測定して、測定した電流値を出力する変成器16と、一対の電極31,32間の距離の変位量を測定して、測定した変位量を出力する変位量測定器17と、変成器16が出力する電流値および変位量測定器17が出力する変位量を入力する入力部14と、制御部11が行った制御結果を出力する出力部15とを有している。
抵抗ろう付け装置30により、ろう付けされる被溶接物は、図1に示すように、一方の銅製部品41と他方の銅製部品42である。一方の銅製部品41は、平板であり、平面視が縦長の矩形形状である。また、他方の銅製部品42は、棒であり、縦長の直方体形状を有している。
他方の銅製部品42は、図1に示すように、その長手方向の一方の端部が、一方の銅製部品41における長手方向の一方の端部に抵抗ろう付けされる。
また、抵抗ろう付けする前に、一方の銅製部品41と他方の銅製部品42との間に、ろう材43を介在配置させて、このろう材43で一方の銅製部品41と他方の銅製部品42と仮付けした上で、銅製部品を電極に固定する。
抵抗ろう付け装置30で用いるろう材43としては、被溶接物である銅製部品を溶接するのに適したろう材であれば、公知のものを特に制限なく用いることができる。
ろう材が溶解する温度は、被溶接物の融点よりも低い。銅の融点が1000℃以上であるので、800℃程度で溶解するろう材を用いることが好ましい。
次に、抵抗ろう付け装置30について、さらに説明を以下に行う。
抵抗ろう付け装置30は、一対の電極31,32と、該電極31,32に電流を給電する定電流電源33とを有している。抵抗ろう付けでは、定電流電源33により給電された電極と被溶接物との間の接触抵抗により、抵抗熱が生じ、加熱されたろう材43が溶解して、分離した被溶接物がろう付けされる。
一対の電極31,32は、固定電極31と可動電極32とからなる。固定電極31と可動電極32それぞれは、図示しない電極ホルダーにろう付けされて、該電極ホルダーに固定されており、この電極ホルダーが定電流電源33に電気的に接続されている。
可動電極32は、図示しない駆動装置によって駆動されて、固定電極31と可動電極32との間に配置された銅製部品41,42を所定の圧力で加圧する。上記駆動装置としては、例えばエアーシリンダを用いることができる。
固定電極31は、図示しないジグを有している。他方の銅製部品42が仮付けされた一方の銅製部品41は、このジグを用いて、着脱自在に固定電極31に固定される。
固定電極31および可動電極32それぞれの被溶接物を支持する部分の形状は、被溶接物を支持し易い形状を有していることが好ましい。被溶接物である一方の銅製部品41および他方の銅製部品42それぞれが、図1に示すように、平らな部位を有しているので、固定電極31および可動電極32それぞれの被溶接物を支持する部分の形状は、平坦に形成されている。
また、固定電極31または可動電極32の形成材料としては、例えば、タングステン、または、銅とタングステンとの合金であるタングステン合金を用いることが好ましい。
抵抗ろう付けの際には、給電された固定電極31と可動電極32との間に、ろう材43を介在配置した銅製部品41,42を挟持して、両電極31,32間の距離が縮まるように、可動電極32を固定電極31に対して所定の圧力で加圧する。そして、可動電極32が徐々に移動して、その変位量が、所定の変位量に達した時点で、可動電極32への加圧を止める。この所定の変位量は、可動電極32が移動する最大の変位量である。以下、この最大の変位量を設定変位量ともいう。
なお、電極への給電は、可動電極32への加圧を止める直前に止めることが好ましい。
抵抗ろう付けにおいて、可動電極32への加圧を止める上記設定変位量は、例えば、以下のように定めることができる。
給電された一対の電極31,32間に、ろう材43を介在配置した銅製部品41,42を、所定の圧力で加圧すると、ろう材43が溶解すると共に、可動電極32が徐々に移動して固定電極31に近づいて行く。そして、可動電極32の変位量が、ある変位量に達した時点で、可動電極32への加圧を止める。
同様にして、可動電極32への加圧を止める変位量を、複数の水準にふらして抵抗ろう付けを行う。
次ぎに、それぞれの変位量において溶接された銅製部品について、ろう付けされた一方の銅製部品41と他方の銅製部品42の接合強度を調べる。接合強度は、溶接面の面方向および溶接面に垂直な方向それぞれについて調べる。
そして、溶接された銅製部品に求められる接合強度以上の接合強度を備えており、求められる接合強度に対して余裕のある接合強度を与える変位量を、可動電極32の上記設定変位量とする。
定電流電源33は、交流の定電流を固定電極31および可動電極32に給電する。定電流電源33は、自分が出力した電流値を測定し、その測定した電流値を用いて出力電流値のフィードバック制御を行っている。
定電流電源33は、図3(a)に示すように、組み込まれたプログラムNo.の選択によって、所定の値の電流を出力する。定電流電源33に組み込まれたプログラムNo.は、抵抗ろう付けの制御装置10の制御部11により選択されて設定することができる。
本装置10は、詳しくは後述するが、ろう材43が溶解する挙動に着目して、発熱量を常に一定に維持し、ろう材43が溶解する状態を一定に保つ。そして、本装置10は、一対の電極31,32に流れる電流を変えて、発熱量を制御している。
電極と被溶接物との間の接触抵抗は、電極の経時劣化によって、変化する場合がある。この接触抵抗は、増加する場合もあるし、減少する場合もある。電極には、定電流が流されているので、接触抵抗が増加すると、発熱量が増加する。一方、接触抵抗が減少すると、発熱量が減少する。
したがって、電極の経時劣化によって、発熱量が変化する場合がある。
また、固定電極31または可動電極32は、上記電極ホルダーへのろう付けの状態によっても、電極に流れる電流値が変化する場合がある。したがって、電極を新しいものに交換した際には、ろう付けの状態によって、発熱量が変化する場合がある。
本装置10は、発熱量を常に一定に保つために、電極を交換した際や、電極の経時劣化に応じて、定電流電源33が出力する電流値を制御する。
次に、図4(a)〜図4(d)に、一方の銅製部品41と他方の銅製部品42とが抵抗ろう付けされる過程を示す。
まず、図4(a)に示すように、ろう材43を介在配置して仮付けされた銅製部品41,42を、固定電極31と可動電極32との間に挟持する。
次に、固定電極31および可動電極32に給電すると共に、図4(b)に示すように、可動電極32を固定電極31に向けて所定の圧力で加圧し始める。一方の銅製部品41、他方の銅製部品42および介在配置されたろう材43は、発熱により加熱されると共に加圧されて変形し始める。
そして、図4(c)に示すように、ろう材43が溶解する温度に達すると、ろう材43が溶解し始め、ろう材43がすべて溶解して、銅製部品41、42の溶接面に薄くぬれ広がる。なお、発熱により生じる温度は、被溶接物である銅製部品41、42の融点よりも低くなるように制御することが好ましい。
さらに、図4(d)に示すように、溶接を確実にするために、銅製部品41、42が所定量の変形をするまで加圧して、可動電極32が移動して上記設定変位量に達した後、可動電極32の加圧を止める。電極への給電は、可動電極32が上記設定変位量に達する直前に止める。
然る後、ろう材43の温度が低下してろう材43が固化し、固化したろう材43によりろう付けされた一方の銅製部品41と他方の銅製部品42とが一体となった銅製品が得られる。
本装置10は、上述した抵抗ろう付けにおいて、一方の銅製部品41と他方の銅製部品42との間に介在配置されたろう材43に加わる発熱量を一定に維持するように、抵抗ろう付けを制御するものである。
次に、本装置10の制御方法の考え方を以下に説明する。
図4(b)および図4(c)に示すように、ろう材43が溶解する前後で、ろう材43の厚みが大きく変化する。このろう材43の厚みの変化は、移動する可動電極32の変位量として測定可能である。すなわち、可動電極32は、ろう材43が溶解し始める前およびろう材43がすべて溶解し終わった後と比べて、ろう材43が溶解する間にだけ、単位時間あたりの変位量が特に大きくなる。
一方、ろう材43が、一方の銅製部品41と他方の銅製部品42との間に配置されていない場合には、加熱および加圧により変形はするものの、ろう材43が溶解する場合のような急激な可動電極32の変位は生じない。
そこで、ろう材43が加熱されて溶解する挙動を再現性よく繰り返すように制御を行えば、一対の電極31,32における発熱量を一定にさせることが可能となる。すなわち、ろう材43が溶解し始めた時点から、ろう材43がすべて溶解して、銅製部品41,42の溶接部分にぬれ拡がる時点までに要する時間がほぼ一定となるように、給電する電流を制御する。そして、このろう材43が溶解し始めた時点、および、ろう材43がすべて溶解して銅製部品41,42の溶接部分にぬれ拡がった時点、それぞれは、後述するように、可動電極23の変位量から知ることができる。
次に、本装置10の構成について、さらに以下に説明すると共に、本装置10の制御方法を詳述する。
本装置10の制御部11は、図2に示すように、給電時間測定部12と、入力部14と、出力部15とを制御する。
また、制御部11は、電極における発熱量を常に一定に維持するために、定電流電源33が出力する電流値を制御する。制御部11は、定電流電源33が出力する電流値を測定して、制御部11が、定電流電源33に設定した通りの電流値を出力しているのかを調べて、定電流電源33が正常に作動していることを確認する。
制御部11は、可動電極32が銅製部品41,42の加圧を始めると同時に、電極31,32への給電を始めるように、定電流電源33に指令を出す。また、制御部11は、定電流電源33が出力する電流の交流周波数と同期させて、可動電極32の変位量を、入力部14により測定すると共に、その時間を、給電時間測定部12に測定させる。
本装置10は、電極31,32に給電する電流値を変更して、発熱量を制御する。発熱量をQ、電流値をI、電極と銅製部品との接触抵抗をR、給電時間をtとすると、発熱量Qは、aを比例定数として、
Q = a×I2×R×t
と表わせるので、電流値Iを変更することにより、広い範囲の発熱量を制御することができる。また、可動電極32に加える圧力を制御して接触抵抗Rを変化させることにより、発熱量を制御してもよい。
入力部14は、図2に示すように、変成器16と変位量測定器17とを有している。入力部14は、変成器16が出力した定電流電源33の電流値を入力する。また、入力部14は、変位量測定器17が出力した可動電極32の変位量を入力する。
また、入力部14は、図示しないキーボードまたはマウスなどの入力装置を有しており、発熱量の制御に用いるしきい値などのパラメータを本装置10に入力することができる。
定電流電源33が可動電極32に電流を出力する電力線には、図1に示すように、変成器16が配置されている。変成器16は、上記電力線に流れる電流値を測定し、測定した電流値を入力部14に出力する。変成器16は、上記電力線に流れる大きな電流を、例えば、小さな電流または電圧に変換して出力する。
変位量測定器17は、可動電極32の変位量を測定し、測定した変位量を入力部14に出力する。入力部14は、入力した可動電極32の変位量を、給電時間測定部12に出力する。
変位量測定器17としては、可動電極32に流れる大きな電流により発生する磁界の影響を受けないタイプを用いることが好ましい。本装置10では、変位量測定器17として、可動電極32の変位量を接触式のプローブで検知し、そのプローブの変位量を光学的に読み取るリニアゲージを用いている。
給電時間測定部12は、定電流電源33が一対の電極31,32へ給電を開始した時点から、給電を終了する時点までの給電経過時間を測定する。具体的には、給電時間測定部12は、上述したように、定電流電源33が出力する電流の交流周波数と同期して測定された可動電極32の変位量を入力して、この変位量を給電経過時間と共に記憶する。
そして、給電時間測定部12は、記憶した測定データから、可動電極32の変位量が、第1の変位量に達した時点から第2の変位量に達するまでに要した電極への給電時間Tを求める。
詳しくは後述するが、本装置10における第1の変位量は、ろう材43が溶解し始めた時点に対応する。そして、第2の変位量は、上記ろう材43が溶解し始めた後、ろう材43がすべて溶解して、銅製部品41,42の溶接部分にぬれ拡がった時点に対応する。
また、定電流電源33が一対の電極31,32へ給電を開始した時点、および、給電を終了する時点、それぞれは、入力部14に入力した電流値から、給電時間測定部12が判断する。
制御部11は、給電時間Tが下限のしきい値Tb以下であれば、一対の電極31,32への給電量を減少し、給電時間Tが上限のしきい値Ta以上であれば、一対の電極31,32への給電量を増加する。
詳しくは後述するが、本装置10では、下限のしきい値Tbを、ろう材43を銅製部品41,42に介在配置させた抵抗ろう付けを多数行って求めた給電時間Tの平均値に、該給電時間Tの標準偏差を3倍した値を減算した値とする。また、本装置10では、上限のしきい値Taを、ろう材43を銅製部品41,42に介在配置させた抵抗ろう付けを多数行って求めた給電時間Tの平均値に、該給電時間Tの標準偏差を4倍した値を加算した値とする。
本明細書において、「給電時間Tが下限のしきい値Tb以下」であることには、給電時間Tが該下限のしきい値Tbと等しい場合も含まれる。また、「給電時間Tが上限のしきい値Ta以上」であることには、給電時間Tが該上限のしきい値Taと等しい場合も含まれる。
出力部15は、図示しないが、例えばディスプレイまたはプリンタなどの出力装置を有しており、制御部13が判定した結果を出力する。具体的には、出力部15は、抵抗ろう付けにおける発熱量が所定の範囲内である場合には、銅製品が良品であることを出力し、一方、発熱量が所定の範囲内になかった場合には、銅製品が不良品であることを出力する。
もし、給電時間Tが下限のしきい値Tb以下であるか、または、給電時間Tが上限のしきい値Ta以上であった場合には、その銅部品は、不良品として製造工程から取り除かれることが好ましい。
また、制御部11は、出力部15を介して、定電流電源33に、出力する電流値を指示して、出力する電流値の設定を変更する。
上述した本装置10は、例えば、入出力インターフェースを備えたパーソナルコンピュータを用いて実現できる。すなわち、本装置10のハードウェア構成は、例えば中央演算装置(CPU)、数値演算プロセッサ、ROMまたはRAMなどの半導体メモリ、磁気記録媒体または光記録媒体、入出力インターフェースなどから構成することができる。本装置10が行う発熱量の制御処理などは、中央演算装置(CPU)または数値演算プロセッサが、上記磁気記録媒体または光記録媒体に記録された所定のプログラムを実行することにより実現される。
次に、上述した本装置10を備えた抵抗ろう付け装置30を用いて測定した、可動電極32の変位量と電極への給電経過時間との関係を、図5を参照して以下に説明する。
図5は、図1に示す装置を用いて抵抗ろう付けを行った、可動電極32の変位量と電極への給電経過時間との関係を示す。図5には、ろう材43を銅製部品41,42の間に介在配置して抵抗ろう付けを行った、ろう材有りの場合の測定結果と、ろう材を銅製部品41,42の間に介在配置せずに抵抗ろう付けを行った、ろう材無しの場合の測定結果とがそれぞれ示されている。
図5の縦軸は、可動電極32への加圧開始後の可動電極32の変位量を示しており、定電流電源33が出力する電流の交流周波数と同期して、各点が測定されている。すなわち、交流周波数の1サイクルごとに、可動電極32の変位量が測定される。
図5の横軸は、電極に給電を開始した後の給電経過時間を示している。電極へ給電を開始した時点は、可動電極32へ加圧を開始した時点と同時なので、横軸は、可動電極32が、その変位量を移動するのに要した給電経過時間を示している。この給電経過時間は、定電流電源33が出力する電流の交流波形の1サイクルを単位としている。図5の例では、定電流電源33には、60Hzの交流電力が供給されており、定電流電源33が、電極に出力する電流も同様に60Hzの交流である。すなわち、この1サイクルは、約16.7m秒に対応する。
ろう材有りの場合と、ろう材無しの場合の測定プロットを比較すると、約10サイクルまでは、両者の変位量の経時変化がほぼ同様であり、この変位量は、主に加熱および加圧されることによる銅製部品41,42およびろう材42の変形によるものと考えられる。
一方、10サイクル程度から、ろう材有りの場合の変位量が、ろう材無しの場合と比べて、大きく成り始め、両者の間で変位量に差が生じ始める。これは、給電経過時間の増加に伴い、加熱されたろう材43の温度が増加して、ろう材43が溶解し始め、このろう材43の溶解に伴って、可動電極32の変位が大きくなるためである。
そこで、本装置10では、ろう材43がすべて溶解する発熱量を与える給電時間を調べるために、ろう材43が溶解し始めた時点から、ろう材43がすべて溶解して、銅製部品41,42の溶接部分にぬれ拡がった時点の間に着目することとした。
図1に示す装置を用いて抵抗ろう付けを行って、ろう材43が溶解する挙動を撮影して調査した結果、図5の例では、ろう材43が溶解し始めた時点が、変位量150μmに対応しており、ろう材43がすべて溶解して、銅製部品41,42の溶接部分にぬれ拡がった時点が、変位量250μmに対応していることが判明した。
ろう材有りの場合に、変位量が150μmから250μmに変化するのに要する給電時間T1は、図6に示すように、6サイクルであった。一方、ろう材無しの場合に、変位量が150μmから250μmに変化するのに要する給電時間T2は、12サイクルであった。すなわち、ろう材有りの場合の給電時間T1は、約100m秒であり、ろう材無しのの場合の給電時間T2は、約200m秒であった。
このように、ろう材有りの場合の給電時間T1は、ろう材無しの場合の給電時間T2の半分であり、両者の給電時間が大きく異なることが判明した。すなわち、変位量が150μmから250μmに変化するのに要する給電時間の値は、ろう材43が溶解し始めてから、すべて溶解するのに要する特徴的な時間を意味していることが分かった。
そこで、上述したように、本装置10は、可動電極32の第1の変位量を、図5の例では150μmを、ろう材43が銅製部品41,42に介在配置されている場合において、ろう材43が溶解し始めた時点に対応させることとした。そして、可動電極32の第2の変位量を、図5の例では250μmを、上記ろう材43が溶解し始めた後、ろう材43がすべて溶解して、銅製部品41,42の溶接部分にぬれ拡がった時点に対応させることとした。そして、給電時間T1を、可動電極32が第1の変位量に達した時点から第2の変位量に達するまでに要した電極への給電時間とする。
さらに給電時間T1として、統計的な信頼性を得るために、ろう材有りの場合について、多数の正常な抵抗ろう付けを行って、図6と同様の結果を得た。ここで、正常な抵抗ろう付けとは、発熱量が一定であり、ろう材43が、一方の銅製部品41と他方の銅製部品42との間に正しく介在配置されており、この銅製部品41,42が、一対の電極31,32間に正しく挟持された状態で抵抗ろう付けがなされることである。
具体的には、電極が新しいものに交換された図1の装置を用いて、多数の抵抗ろう付けを行って、正常に抵抗ろう付けがなされた場合の第1の変位量および第2の変位量を調べて、給電時間T1を求めた。このようにして得た測定データから、第1の変位量の平均値、第2の変位量の平均値、給電時間T1の平均値およびその標準偏差を求めた。
次ぎに、第1の変位量に達した時点から第2の変位量に達するまでに要した稼動電極32への給電時間T1を用いて、給電時間の下限のしきい値Tbを以下のように設定した。
給電時間の下限のしきい値Tbは、発熱量が増加する方向へ変動した時に許される給電時間の最大の値であり、この時間の給電を受ければ、ろう材43がすべて溶解できることが好ましい。
そこで、本装置10は、給電時間の下限のしきい値Tbを、給電時間T1の平均値に、該給電時間T1の標準偏差を3倍した値を減算した値とすることとした。
同様にして、給電時間の上限のしきい値Taを以下のように設定した。
給電時間の上限のしきい値Taは、発熱量が減少する方向へ変動した時に許される給電時間の最大の値であり、銅製部品41,42が不要な変形を受けることを防止できる時間であることが好ましい。
そこで、本装置10は、給電時間の上限のしきい値Taを、給電時間T1の平均値に、該給電時間T1の標準偏差を4倍した値を加算した値とすることとした。
本装置10では、給電時間T1を、下限のしきい値Tb以上、且つ、上限のしきい値Ta以下の範囲に制御することにより、ろう材43に加える発熱量を所定の範囲に収める。
上述したように求めた第1の変位量の平均値、給電時間T1の平均値およびその標準偏差、給電時間の上限のしきい値Ta、給電時間の下限のしきい値Tbは、入力部15を用いて、給電時間測定部12に記憶される。
また、図5の説明に戻ると、図5の30サイクルの後半以降は、両者の変位量がそれぞれ、ほぼ一定の値となっている。この時点では、ろう材有りの場合でも、ろう材43はすべて溶解し終わっている。この測定では、35サイクル目に電極への給電を止めており、これ以降は加熱が中止された状態であり、所定の圧力下における銅製部品の変形もほぼ終了しているので、変位量が一定となっている。
図5では、可動電極32の変位量が420μmとなった時点で、可動電極32への加圧を中止している。すなわち、図5の例では、上記設定変位量は、420μmである。
なお、ろう材有りの場合、10サイクルから35サイクルの間の変位量には、ろう材43の溶解による変位と、銅製部品の変形による変位とがある。抵抗ろう付けによる溶接を確実にするためには、ろう材43がすべて溶解し終わった後も、銅製部品41、42を加圧して、変形させる必要があるので、ろう材43がすべて溶解した後にも、加熱および加圧を続けて、銅製部品41、42に所定量の変形を生じさせている。
上述した本装置10によれば、抵抗ろう付け装置30の接触抵抗などの電極間抵抗が変化しても、発熱量を一定に維持して、抵抗ろう付けを行うことができる。具体的には、ろう材34がすべて溶解するために要する給電時間Tを上限のしきい値Ta以下且つ下限のしきい値Tb以上の範囲に制御して、発熱量を所定の範囲内に収めて、ろう付け不良や、被溶接物である銅製部品を押し潰すこともなく、ろう付けの加工状態を常に安定させることができる。
また、本装置10を使用して、銅製品を製造することにより、良品の銅製品を製造できる。
また、本装置10の制御部11により、定電流電源33のプログラムNo.を選択して発熱量の制御を行うので、電極が劣化しても、電極へ給電する電流を変更して、発熱量を一定に維持することができるため、電極の使用寿命を延ばすことができる。
次ぎに、本発明の抵抗ろう付けの制御方法の例を、上述した図1に示す実施形態の抵抗ろう付けの制御装置10を用いた好ましい一実施態様に基づいて、図7を参照しながら以下に説明する。
本実施態様は、一対の電極31,32間に、ろう材43を介在配置した被溶接物である銅製部品41,42を挟持し、該銅製部品41,42を加圧した状態で、上記電極31,32に給電して行う抵抗ろう付けの制御方法であって、一対の電極31,32間の距離の変位量が、第1の変位量に達した時点から第2の変位量に達するまでに要した電極31,32への給電時間Tを測定し、該給電時間Tが下限のしきい値Tb以下であれば、一対の電極31,32への給電量を減少し、給電時間Tが上限のしきい値Ta以上であれば、一対の電極31,32への給電量を増加する。
以下、本実施態様について、さらに説明する。図7は、本発明の抵抗ろう付けの制御装置10の動作手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS10において、銅製品を製造する工程を流れてきた一方の銅製部品41と他方の銅製部品42とを、ろう材43で仮付けする。
次に、ステップS11において、他方の銅製部品42が仮付けされた一方の銅製部品41を、固定電極41にジグを用いて着脱自在に固定して、銅製部品41,42を一対の電極31,32間にセットする。
次に、ステップS12において、定電流電源33から一対の電極31,32に加圧および給電を開始すると共に、変位量測定器17を用いて、可動電極32の変位量の測定を開始する。加圧された可動電極32は、初期の位置から、固定電極31に向かって移動を開始する。
次に、ステップS13において、可動電極32の変位量が、上記設定変位量に達したのかを判断する。もし、可動電極32の変位量が、上記設定変位量に達していれば、次に、ステップS14に進む。一方、可動電極32の変位量が、上記設定変位量に達していなければ、S13の前に戻る。
次に、ステップS14において、可動電極32への加圧を止める。なお、電極への給電は、可動電極32の変位量が、上記設定変位量に達する直前に止める。
次に、ステップS15において、給電時間測定部12は、可動電極32の変位量および電極への給電経過時間の測定データの処理を行う。具体的には、給電時間測定部12は、記憶した測定データから、第1の変位量および第2の変位量に対応する給電経過時間を抽出する。
次に、ステップS16において、給電時間測定部12は、S15で抽出した第1の変位量および第2の変位量に対応する給電経過時間から、可動電極32が第1の変位量に達した時点から第2の変位量に達するまでに要した電極への給電時間Tを求める。
次に、ステップS17において、制御部11は、給電時間Tが、下限のしきい値Tb以下であるのかを判断する。もし、給電時間Tが、下限のしきい値Tb以下であれば、次に、ステップS18に進む。一方、給電時間Tが、下限のしきい値Tbよりも大きければ、次に、ステップS19に進む。
次に、ステップS18において、制御部11は、発熱量が増加したと判定して、電極に給電する電流値を減少する。具体的には、図3(a)および図3(b)に示すように、制御部11は、定電流電源33に組み込まれているプログラムNo.を、例えばNo.3からNo.4に変更して、出力される電流値を減少する。
制御部11は、この判定結果を記憶する。その後、ステップS21の前に進む。
一方、S17から、ステップS19に進んだ場合には、制御部11は、給電時間Tが、上限のしきい値Ta以上であるのかを判断する。もし、給電時間Tが、上限のしきい値Ta以上であれば、次に、ステップS20に進む。一方、給電時間Tが、上限のしきい値Taよりも小さければ、次に、ステップS21に進む。
次に、ステップS20において、制御部11は、発熱量が減少したと判定して、電極に給電する電流値を増加する。具体的には、図8(a)および図8(b)に示すように、定電流電源33に組み込まれているプログラムNo.を、例えばNo.4からNo.3に変更して、出力される電流値を増加する。
制御部11は、この判定結果を記憶する。その後、ステップS21の前に進む。
次に、ステップS21において、制御部11は、その判定結果を出力部15から出力する。
次に、ステップS22において、可動電極32を、初期の位置に戻して、抵抗ろう付けされた銅製品を固定電極31から取り外し可能にする。
次に、ステップS23において、抵抗ろう付けされた銅製品を固定電極31から取り外す。また、出力部15から出力された判定結果に基づいて、発熱量が所定の範囲内になかった場合には、取り外した銅製品を、不良品として、工程から取り除く。
本発明の抵抗ろう付けの制御方法およびその装置、銅製品の製造方法は、上述した実施形態または実施態様に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態または実施態様では、可動電極32の第1の変位量が、ろう材43が溶解し始めた時点に対応しており、第2の変位量が、ろう材43がすべて溶解して、銅製部品41,42の溶接部分にぬれ拡がった時点に対応していたが、発熱量を一定に制御できれば、第1の変位量または第2の変位量は、他の時点に対応させてもよい。
また、第1の変位量の平均値、第2の変位量の平均値、給電時間T1の平均値およびその標準偏差、給電時間の上限のしきい値Ta、または、給電時間の下限のしきい値Tbは、電極へ給電する電流値、使用する電極、抵抗ろう付けする被溶接物、製造する銅製品によって、適宜設定されることが好ましい。
また、上述した実施形態または実施態様では、被溶接物が、平板の銅製部品と棒の銅製部品とであったが、被溶接物は、筒状の銅製部品と棒の銅製部品であってもよい。そして、抵抗ろう付けが、筒状の銅製部品の内面に棒の銅製部品が抵抗ろう付けされるものであってもよい。
また、上述した実施態様において、発熱量が所定の範囲内に有ることの判定は、可動電極42の位置を戻す前に行っていたが、ろう材の有無の判定は、銅製品を固定電極31から取り外す前までに行っていればよい。
また、上述した抵抗ろう付けの制御方法およびその装置では、被溶接物として、銅製部品を用いていたが、抵抗ろう付けが可能な被溶接物であれば、他の被溶接物を用いていてもよい。
また、上述した実施形態または実施態様では、制御部11が、定電流電源33のプログラムNo.を選択して、出力する電流値を設定していたが、定電流電源33の内部に配置された出力電流値を制御するフィードバックの信号を、制御部11が直接制御して、定電流電源33が出力する電流値を変更してもよい。
図1は、本発明の一実施形態である抵抗ろう付けの制御装置を備えた、抵抗ろう付け装置の構成図である。 図2は、図1の抵抗ろう付けの制御装置の機能ブロック図である。 図3は、定電流電源に組み込まれた電流値を選択するプログラムを説明する図である。 図4(a)〜(d)は、銅製部品が抵抗ろう付けされる過程を示す図である。 図5は、可動電極の変位量と電極への給電経過時間との関係を示す図である。 図6は、図5から求めたろう材の有りの場合と、ろう材無しの場合それぞれの給電時間を比較して示す図である。 図7は、本発明の抵抗ろう付けの制御方法の手順を示すフローチャートである。 図8は、定電流電源に組み込まれた電流値を選択するプログラムを説明する別の図である。
符号の説明
10 抵抗ろう付けの制御装置
11 制御部
12 給電時間測定部
14 入力部
15 出力部
16 変成器
17 変位量測定器
30 抵抗ろう付け装置
31 固定電極
32 可動電極
33 定電流電源
41 一方の銅製部品(被溶接物)
42 他方の銅製部品(被溶接物)
43 ろう材

Claims (8)

  1. 一対の電極(31,32)間に、ろう材(43)を介在配置した被溶接物(41,42)を挟持し、該被溶接物(41,42)を加圧した状態で、前記電極(31,32)に給電して行う抵抗ろう付けの制御方法であって、
    一対の前記電極(31,32)間の距離の変位量が、第1の変位量に達した時点から第2の変位量に達するまでに要した前記電極(31,32)への給電時間(T)を測定し、
    前記給電時間(T)が下限のしきい値以下であれば、一対の前記電極(31,32)への給電量を減少し、
    前記給電時間(T)が上限のしきい値以上であれば、一対の前記電極(31,32)への給電量を増加することを特徴とする抵抗ろう付けの制御方法。
  2. 前記第1の変位量が、前記ろう材(43)が溶解し始めた時点に対応しており、前記第2の変位量が、前記ろう材(43)がすべて溶解して、前記被溶接物(41,42)の溶接部分にぬれ拡がった時点に対応することを特徴とする請求項1に記載の抵抗ろう付けの制御方法。
  3. 前記下限のしきい値を、
    前記ろう材(43)を前記被溶接物(41,42)に介在配置させた抵抗ろう付けを多数行って求めた前記給電時間(T)の平均値から、該給電時間(T)の標準偏差を3倍した値を減算した値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の抵抗ろう付けの制御方法。
  4. 前記上限のしきい値を、
    前記ろう材(43)を前記被溶接物(41,42)に介在配置させた抵抗ろう付けを多数行って求めた前記給電時間(T)の平均値に、該給電時間(T)の標準偏差を4倍した値を加算した値とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の抵抗ろう付けの制御方法。
  5. 一対の前記電極(31,32)に流れる電流を変えて、前記発熱量を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の抵抗ろう付けの制御方法。
  6. 一対の前記電極(31,32)が、固定電極(31)と可動電極(32)とからなり、
    前記可動電極(32)の変位量が、前記第1の変位量に達した時点から前記第2の変位量に達するまでに要した電極への前記給電時間(T)を測定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の抵抗ろう付けの制御方法。
  7. 一対の電極(31,32)間に、ろう材(43)を介在配置した被溶接物(41,42)を挟持し、該被溶接物(41,42)を加圧した状態で、前記電極(31,32)に給電して行う抵抗ろう付けの制御装置であって、
    一対の前記電極(31,32)間の距離の変位量が、第1の変位量に達した時点から第2の変位量に達するまでに要した前記電極(31,32)への給電時間(T)を測定する給電時間測定部(12)と、
    前記給電時間(T)が下限のしきい値以下であれば、一対の前記電極(31,32)への給電量を減少し、前記給電時間(T)が上限のしきい値以上であれば、一対の前記電極(31,32)への給電量を増加する制御部(11)と、
    を有することを特徴とする抵抗ろう付けの制御装置。
  8. 一対の電極(31,32)間に、ろう材(43)を介在配置した銅製部品(41,42)を挟持し、該銅製部品(41,42)を加圧した状態で、前記電極(31,32)に給電して抵抗ろう付けを行う銅製品の製造方法であって、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の抵抗ろう付けの制御方法を使用して、抵抗ろう付けを行うことを特徴とする銅製品の製造方法。
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