JP2009028572A - エアレーション装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】海水を吸収剤として使用する排煙脱硫装置の脱硫塔から排出された使用済海水を流して排水する水路1に設置され、使用済海水中に微細気泡を発生させて脱炭酸を行うエアレーション装置10Aにおいて、空気供給配管に連通するヘッダ12を水路1の底面1aに設置し、ヘッダ12に取り付けられたエアレーションノズル13から微細気泡を発生させるエアレーションユニット20に、微細気泡を部分的に発生させない底面領域を形成するノズル欠落部30が設けられている。
【選択図】図1
Description
上述した脱硫塔内で吸収剤として使用した脱硫後の海水(使用済海水)は、たとえば図8に示すように、水路(Seawater Oxidation Treatment System;SOTS)1内を流れて排水される際、水路1の底面1aに設置したエアレーション装置10から微細気泡2を流出させるエアレーションによって脱炭酸(爆気)される。
なお、海水法を用いて脱硫する排煙脱硫装置の排水(使用済海水)をエアレーションにより脱炭酸(暴気)するエアレーション装置において、エアレーションノズルの設置に関して開示された技術文献は見当たらない。
一方、使用済み海水が流入する水路1の上流入口部においては、水路1の左右幅方向に異なる海水性状(たとえばpH等)を有している場合がある。
すなわち、エアレーションノズル13を底面1aの全面にわたって等間隔配置した場合には、たとえば図11に示すように、エアレーションノズル13毎に、あるいは、隣接するエアレーションノズル13が1つのユニットとなって、微細気泡2とともに水面へ向かう上昇流faが生じるとともに、上昇した底部側の使用済海水を補うようにして、水面側から底面1aへ向かう下降流fbが生じる。このため、使用済海水全体としては、上昇流fa及び下降流fbによる局所的な循環流を複数形成しながら、水路1の下流側へ流れていくこととなる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水路を流れる使用済海水の左右幅方向において、良好な混合を可能にしたエアレーション装置を提供することにある。
本発明に係るエアレーション装置は、海水を吸収剤として使用する排煙脱硫装置の脱硫塔から排出された使用済海水を流して排水する水路に設置され、前記使用済海水中に微細気泡を発生させて脱炭酸を行うエアレーション装置であって、空気供給配管に連通するヘッダを前記水路の底面に設置し、前記ヘッダに取り付けられたエアレーションノズルから前記微細気泡を発生させるエアレーションユニットに、前記微細気泡を部分的に発生させない底面領域を形成するノズル欠落部が設けられていることを特徴とするものである。
この場合のノズル欠落部は、水路の左右幅方向においていずれか一方の側壁に沿って連続するように設けてもよいし、あるいは、断続的な配置として設けてもよい。また、この場合のノズル欠落部は、左右の側壁に沿って交互に断続する配置としてもよい。
また、エアレーション装置の脱炭酸性能が向上すると、所定の脱炭酸を実施するのに必要となる水路長さを短縮できるので、水路の設置費用や設置スペースを低減できるという効果も得られる。
図1及び図2に示す第1の実施形態において、エアレーション装置10Aは、たとえば海水を吸収剤として使用する排煙脱硫装置の脱硫塔(不図示)から排出された脱硫後の海水(以下、「使用済海水」と呼ぶ)を流して周辺海域へ排水する水路(SOTS)1の内部に設置される。このエアレーション装置10Aは、水路1内を流れる使用済み海水中に多数の微細気泡を発生させて脱炭酸(暴気)を行うものである。
ヘッダ12は、底面1aの流れ方向及び幅方向に分岐されている。ヘッダ12の側面には、「ディフューザノズル」と呼ばれているエアレーションノズル13が水平方向に多数取り付けられている。すなわち、本実施形態のエアレーション装置10は、空気供給管11に連通するヘッダ12が水路1の底面1aに設置され、さらに、切れ込み14から多量の微細気泡を発生させるエアレーションノズル13が、ヘッダ12の両側面から底面1aに沿って水平方向へ延びる水平配置にして多数取り付けられている。
エアレーションノズル13は、たとえば図2(b)に示すように、ヘッダ12の側面にフランジ15を介して取り付けられている。なお、使用済海水中に設置される空気供給管11及びヘッダ12には、耐食性を考慮して樹脂製パイプ等が使用されている。
エアレーションノズル13は、使用済海水に対する耐食性を考慮して樹脂製とした略円筒形状の基材16を用い、この基材16の外周を覆うようにして多数の切り込み14が形成されたゴム製のホース17を被せた後、左右両端部をワイヤやバンド等の締結部材18により固定した構成とされる。なお、上述した切り込み14は、圧力を受けない通常の状態においては閉じている。
なお、締結部材18は、ホース17を基材16に固定するとともに、空気出口16bから流入する空気が両端部から漏出することを防止するものである。
すなわち、空気供給配管11に連通するヘッダ12を水路1の底面1aに設置し、ヘッダ12に取り付けられたエアレーションノズル13から微細気泡を発生させるエアレーションユニット20に、微細気泡を部分的に発生させない底面領域を形成するノズル欠落部30が設けられている。この場合のノズル欠落部30は、水路1の左右幅方向において、いずれか一方の側壁に沿って連続するように設けられている。
一方、上述した使用済海水の上昇流により、水路1の底面1a側では使用済海水が減少するので、この減少分を補うため、微細気泡を発生させないノズル欠落部30の領域には下降流(図1の矢印Fb)が形成される。この場合の下降流は、水路1の側壁に沿って形成されたノズル欠落部30に形成される。
この結果、水路1内に形成される循環流は、仕切部材40を境にして上昇流及び下降流が確実に分離されることとなり、水路1の流路幅Wにわたる大きな循環流の形成をより一層促進することができる。
この実施形態では、エアレーションノズル13Aが鉛直配置されたエアレーションユニット20Aを採用したので、水路1の単位面積当たりのノズル設置本数を増すことができる。このため、水路1の流路幅Wや微細気泡を発生させる空気量等の諸条件が同じであれば、エアレーションユニット20Aを設置するユニット設置幅Wa′は、水平配置の場合より小さく(Wa′<Wa)設定することが可能となる。従って、ノズル欠落部30Aの欠落部幅Wb′については、水平配置の場合より大きく(Wb′>Wb)設定することができる。
図6に示す第1変形例のエアレーション装置10Cでは、微細気泡を発生しないノズル欠落部30Bが、水路1の流れ方向に断続的に設けられている。すなわち、ユニット設置幅Wa,Wa′のエアレーションユニット20,20Aと、流路幅Wのエアレーションユニット20Bとが、使用済海水の流れ方向へ交互に配設されている。この結果、微細気泡を発生しないノズル欠落部30Bは、水路1の一方の側壁に沿って所定の間隔で断続的に形成される。このため、下降流の形成も断続的となるため、使用済海水の流れに生じる乱れも大きくなって混合が促進される。
このように、ノズル欠落部30,30A,30Bの配置は、水路1の左右幅方向においていずれか一方の側壁に沿って連続するように設けてもよいし、あるいは、断続的な配置として設けてもよい。また、ノズル欠落部30,30A,30Bの配置は、左右の側壁に沿って交互に断続するようにしてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
1a 底面
2 微細気泡
10A〜10D エアレーション装置
11 空気供給管
12 ヘッダ
13,13A エアレーションノズル(ディフューザノズル)
14 切り込み
20,20A,20B エアレーションユニット
30,30A,30B ノズル欠落部
40 仕切部材
Claims (3)
- 海水を吸収剤として使用する排煙脱硫装置の脱硫塔から排出された使用済海水を流して排水する水路に設置され、前記使用済海水中に微細気泡を発生させて脱炭酸を行うエアレーション装置であって、
空気供給配管に連通するヘッダを前記水路の底面に設置し、前記ヘッダに取り付けられたエアレーションノズルから前記微細気泡を発生させるエアレーションユニットに、前記微細気泡を部分的に発生させない底面領域を形成するノズル欠落部が設けられていることを特徴とするエアレーション装置。 - 水路幅方向において前記微細気泡を発生させる領域と発生させない領域との間を分割するように水路流れ方向へ延びる仕切部材が設置され、該仕切部材は、前記使用済海水の水面側及び底面側で水路幅方向の流れを許容することを特徴とする請求項1に記載のエアレーション装置。
- 前記エアレーションノズルが、前記ヘッダから鉛直方向上向きに延びる鉛直配置とされることを特徴とする請求項1または2に記載のエアレーション装置。
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