JP2009026812A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤー接続やシリコン貫通を行うことなく、能動素子の受光及び/又は発光が可能なチップサイズの半導体装置を提供することを目的とする。
【解決手段】基体上に、第1の絶縁層22と第1の導電層25とにより配線層30を形成する工程と、配線層30上に能動素子2を搭載する工程と、能動素子2を覆って第2の絶縁層26を形成する工程と、能動素子2の受光及び/又は発光部と、電極3と、能動素子2の周囲の第1の導電層25とを露出する開口を第2の絶縁層25に設ける工程と、電極3と配線層30とを電気的に接続する接続部を含む第2の導電層29を形成する工程と、基体を除去する工程と、能動素子2の周囲の接続部31の外側で個片化を行う工程と、により半導体装置100を形成する。
【選択図】図7

Description

本発明は、半導体チップ等の能動素子を有する半導体装置であり、特に、チップサイズパッケージとする半導体装置とその製造方法に関する。
CCDやCMOS等の受光素子や発光素子を含む半導体チップ等の能動素子を備える半導体装置において、これを組み込むデジタルカメラやビデオカメラ、携帯電話等の電子機器の小型化の要求に伴って、更なる小型化が求められている。このため、能動素子上に再配線を行い、外部電極を形成してベアチップと同程度のパッケージングを行うチップサイズパッケージ(CSP)とすることが提案されている。
このように半導体チップ等の能動素子上に再配線を行うにあたり、能動素子に受発光素子が含まれる場合は回路面を絶縁層で遮蔽できない。したがって、外部電極は回路面とは反対側に形成することが求められる。この場合は、例えば能動素子の電極を回路から取り出して能動素子の下部に配線を行う必要がある。
能動素子の回路面と異なる面に電極を設ける方法としては、従来は、両面電極付の基板にワイヤーボンドで接続するか、能動素子そのものの側面をシリコン貫通して、貫通口いわゆるVIAを形成する必要がある(例えば特許文献1及び2参照)。
特開2006−303482号公報 特開2006−73852号公報
しかしながら、ワイヤーボンドによる場合はワイヤーパスが必要であり、能動素子から200μm程度離さなければならないため、チップサイズが大きくなってしまう。例えば上記特許文献1においては、スルーホール電極を有する有機基板を用いる構成が提案されているが、チップからワイヤーの接続を必要とし、チップサイズとすることは難しい。
また、上記特許文献2においては、シリコン貫通孔を設ける構成が提案されているが、シリコン貫通を行う場合は、貫通用の特殊なレイアウトとする必要があり、チップサイズとすることができない。また特殊なプロセスを要し、工程数が増加するので、コストが高くなるという不都合を有する。
以上の問題に鑑みて、本発明は、ワイヤー接続やシリコン貫通を行うことなく、能動素子の受光及び/又は発光が可能なチップサイズの半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の半導体装置の製造方法は、基体上に、第1の絶縁層と第1の導電層とにより配線層を形成する工程と、配線層上に能動素子を搭載する工程と、能動素子を覆って第2の絶縁層を形成する工程と、能動素子の受光及び/又は発光部と、電極と、能動素子の周囲の第1の導電層とを露出する開口を第2の絶縁層に設ける工程と、電極と配線層とを電気的に接続する接続部を含む第2の導電層を形成する工程と、基体を除去する工程と、能動素子の周囲の接続部の外側で個片化を行う工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の半導体装置は、第1の絶縁層と第1の導電層とからなる配線層と、この配線層上に搭載され、受光及び/又は発光部を有する能動素子と、能動素子の一部を覆って形成される第2の絶縁層と、第2の絶縁層の開口を通じて第1の導電層の一部に接続される第2の導電層と、を有する。そして、能動素子の電極形成面とは反対側の裏面において、第1の導電層上に電極が形成されてなることを特徴とする。
本発明の半導体装置及び半導体装置の製造方法によれば、配線層上に能動素子を搭載し、この配線層と能動素子の電極を、能動素子の周囲に形成した絶縁層を貫通して、配線層の第1の導電層に達する第2の導電層を形成して、能動素子の電極と配線層とを接続する。このため能動素子の回路面に形成した受光及び/又は発光部を被覆することなく電極の再配線が可能である。また、導電層が能動素子の周囲及び能動素子の下部のみに形成されるため、能動素子に、能動素子の周囲に形成する導電層を加えた大きさが半導体装置全体の大きさとなる。このため、能動素子の大きさに近い小型の半導体装置を形成することができる。
本発明によれば、ワイヤー接続やシリコン貫通を行うことなく、能動素子の受光及び/又は発光が可能なチップサイズの半導体装置を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
図1〜図6の製造工程図を参照して、本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。以下の工程図においてはその構成の理解を容易にするために、導電層及び電極のみに斜線を付して示す。
図1に示すように、例えば能動素子ウエハ型の能動素子2を用意する。その他シリコンウエーハ等の基体上に能動素子が搭載された構成としてもよく、また能動素子2を形成する基体1はシリコン等の半導体基板に限定されるものではない。図1においては能動素子2の電極3のみを示し、回路部や下地絶縁層等は図示を省略する。能動素子2の電極3と回路部(図示せず)は保護層4いわゆるパッシベーションで覆われる。本実施の形態に適用される能動素子2は、受光及び/又は発光素子や、受光及び/又は発光用のセンサー面等が回路上に形成してある。
また、図1に示す例では、例えばウエハを25μm以上の厚さとしてグラインダーで研削を行い、ウエハの裏面にダイアタッチフィルム5をラミネートしてからダイサーでダイシングすることにより、薄型化及び個片化された能動素子2を示す。ダイアタッチフィルム5は、能動素子2の回路部を形成する面と反対側の面に被着され、ダイシングテープ及びボンディング剤の機能を備えるフィルムであり、絶縁性樹脂等からなる絶縁部材である。
一方、図2Aに示すように、別体のウエハ状の基体20を用意する。この基体20上に、外部配線と図1に示す能動素子2からの電気的な接続を行う配線層を形成する。基体20としては、シリコン基板、石英ガラス等の光透過性基板、金属基板等を用いることができる。例えば石英基板等の光透過性部材を用いる場合は、裏面側から感光性部材の露光等の処理を行うことが可能となる。その他石英基板を用いる場合は熱変形が少なく、Siウエハと同形状での供給が可能であり、Siウエハ用との半導体装置でのプロセスが可能であるという利点を有する。
この基体20の表面には、後の工程で剥離が容易となるように、例えばUV硬化型の自己剥離シート等の剥離層21を介在させて、その上の層(図示の例では第1の絶縁層22)を形成する。また剥離層21上に、剥離層21と絶縁層との接合を防止するための下地層(図示せず)を形成してもよい。この下地層は、例えば厚さ160nmのTi層上に、厚さ600nmのCu層を積層して形成する。
そして基体20の剥離層21上に、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)樹脂、アクリル樹脂等より成る第1の絶縁層22を成膜する。第1の絶縁層22の成膜方法は、スピンコート、印刷、ディスペンス、フィルムラミネート等を用いることができる。
また、第1の絶縁層22の厚さは50μm以上100μm以下とすることが望ましい。
第1の絶縁層22を50μm以上とすることにより、この第1の絶縁層22をパターニングした後形成する第1の導電層の膜厚を50μm以上の厚さで形成することができる。そして、第1の導電層の厚さを50μm以上とすることにより、例えば本実施の形態の半導体装置を基板等に実装する際に発生する応力を緩和することができる。このため、第1の絶縁層22の膜厚は50μm以上とすることが望ましい。
また、第1の絶縁層22が100μmを超えると、ウエハ状の基体20の反りによって平坦性が不均一になったり、後述する光透過性基体を搭載する工程において不具合が発生したりする場合がある。このため、第1の絶縁層22の厚さは100μm以下とすることが望ましい。
次に、図2Bに示すように、第1の絶縁層22をパターニングして開口22aを形成する。このパターニングは、第1の絶縁層22上にレジストを塗布して露光、現像及びエッチングにより形成してもよく、また、第1の絶縁層22を感光材とする場合はそのまま、露光及び現像によって形成できる。また、この開口22a内に被着する導電層により、基体20上に配線層を形成する。このため、外部電極のピッチや配線のサイズに合わせて第1の絶縁層22のパターニングを行い、開口22aを形成する。
その後、図2Cに示すように、導電層を電解めっきで形成するためのシード層として下地層23をスパッタ等により全面的に成膜する。下地層23としては例えばTi及びCuをこの順に積層して形成できる。この場合の各層の厚さは、Ti層を例えば160nm、Cu層を例えば600nmとする。下地層23のTi層は、Cu層の密着性を向上させるため、また、Cuの拡散を防止するためのバリア膜として形成する。
そして、図2Dに示すように、配線となる導電層を形成するため、レジスト等の絶縁層24を、スピンコート又はフィルムラミネート等で被着した後、露光及び現像によりパターニングして形成する。この場合、絶縁層24は、第1の絶縁層22の開口22aよりも大きい径の開口24aを有するパターンとする。
次に、図3Aに示すように、下地層23に電流を印加してCu等の電解めっきにより、第1の導電層25を形成し、第1の絶縁層22及び第1の導電層25により配線層30を形成する。めっき液にレベリング剤、促進剤等を添加することにより、図示のように開口22a、24a内を埋め込む導電体と第1の絶縁層22上の導電体の上部との平坦性が向上し、第1の導電層25の表面を良好に平面状に形成する。
また第1の導電層25の厚さとしては、表皮効果が第1の導電層25の上下で起こる場合を考慮して最小で7μm程度必要である。また、開口22aの径は50μm以上300μm以下とすることが望ましい。開口22aの最小開口径は第1の絶縁層22厚さに対するアスペクト解像度によって決定される。また、一般的に実装基板に実装可能な配線ピッチは0.3mm〜0.6mmであり、開口22aの径はこの配線ピッチの半分程度の大きさで形成することが望ましい。
なお、配線層30(第1の絶縁層22及び第1の導電層25)は、後述する工程において配線層30上に搭載する能動素子の厚さと、この能動素子上に形成する第2の絶縁層及び第2の導電層の厚さとの合計厚さと、同じ厚さで形成することが望ましい。この構成により半導体装置において、配線層30と配線層30の上層との強度等のバランスをとることができ、例えば、上述した第1の絶縁層22と第1の導体層25とによる実装時の応力緩和等が可能となる。
そして第1の導電層25を形成した後、図3Bに示すように、溶剤等を用いて絶縁層24を除去する。また、絶縁層24を除去した後、図3Cに示すように、露出した下地層23を第1の導電層25をマスクとして、例えばCu層、Ti層の順番でエッチングにより除去する。
次に、図1において説明した薄型化及び個片化した能動素子2を、図3Dに示すように回路面を上側にし、いわゆるフェイスアップとして基体1上の表面平坦化した第1の導電層25上の所定位置に搭載する。
能動素子2の搭載は、能動素子2の裏面に形成した絶縁部材であるダイアタッチフィルム5を、基体20上に形成した配線層30の第1の導電層25に接着することで行う。能動素子2の搭載条件は、例えば荷重2.5N、温度230℃、押し込み量0.3mmとする。
この能動素子2の搭載にあたっては、図3Cに示す基体20上の第1の導電層25より成る特徴的な配線パターンを位置決めとして行うことができ、これにより搭載精度±2.5μmとすることができる。
基体20上に能動素子2を固定する際には、例えば基体20上の第1の導電層25上等の適切な位置に位置合わせ目標(図示せず)を形成し、この位置合わせ目標と能動素子2とを、例えばCCDカメラ等を用いて同一視野内で認識し、x−y座標方向及びθ方向の位置調整を行う位置調整機構を用いて能動素子2の位置決めを行うことにより、±2.5μmの精度で能動素子2を搭載することができる。
そして、能動素子2の搭載後、能動素子2の電極3と、基体20に形成した第1の導電層25との接続配線を形成する。
まず、図4Aに示すように、例えばエポキシ樹脂、PBO樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等を用いて第2の絶縁層26を成膜する。成膜方法は、スピンコート、印刷、ディスペンス、フィルムラミネート等を用いる。この第2の絶縁層26の厚さは搭載した能動素子2の厚さ以上とする。
そして、図4Bに示すように、第2の絶縁層26をパターニングする。このパターニングは、第2の絶縁層26上にレジストを塗布して露光、現像により形成してもよく、また、第2の絶縁層26を感光材とする場合はそのまま、露光及び現像によって形成できる。また、このパターニングにより、基体20に搭載した能動素子2の周囲に第1の導電層25が露出する開口26aを形成する。さらに、能動素子2の電極3や、回路上に形成した受光及び/又は発光素子や、受光及び/又は発光用のセンサー面等を露出する。また、この開口26a内に被着する導電層により、能動素子2の電極3と第1の導電層25とを接続し、電極3の再配線を行う。
その後、図4Cに示すように、能動素子2の電極3と第1の導電層25との接続配線を電解めっきで形成するためのシード層として、下地層27をスパッタ等により全面的に成膜する。下地層27としては例えばTi及びCuをこの順に積層して形成できる。この場合の各層の厚さは、Ti層を例えば160nm、Cu層を例えば600nmとする。
そして、図4Dに示すように、電極3と第1の導電層25とを配線接続する導電層を形成するために、レジスト等の絶縁層28をスピンコート又はフィルムラミネート等で被着した後、露光及び現像により、パターニングして形成する。この場合、絶縁層28は、後の工程で第2の導電層を形成する部分を除去したパターンとし、能動素子2の電極3の再配線に合わせたパターンとする。
次に、図5Aに示すように、下地層27に電流を印加してCu等の電解めっきにより、必要に応じレベリング剤、促進剤等を利用して、第2の導電層29を形成する。また、第2の導電層29の厚さとしては、表皮効果が第2の導電層29の上下で起こる場合を考慮して最小で7μm程度必要である。
このようにして、能動素子2の電極3と第1の導電層25とを接続する第2の導電層29を形成する。第2の絶縁層26において能動素子2の周囲に設けた開口26aを埋め込んで形成された第2の導電層29によって、配線層30を構成する第1の導電層25の一部と接続される接続部31が構成される。
そして第2の導電層29を形成した後、図5Bに示すように、溶剤等を用いて絶縁層28を除去する。また、絶縁層28を除去した後、図5Cに示すように、露出した下地層27を第2の導電層29をマスクとして、例えばCu層、Ti層の順番でエッチングにより除去する。
次に、能動素子2を保護するため、及び、能動素子2上に形成した受光及び/又は発光素子や、受光及び/又は発光用のセンサー面等の透過率、反射率を規定するため、能動素子2の上方に石英ガラス等による光透過性基体を搭載する。
まず、図6Aに示すように、基体20の能動素子2が搭載された部分以外の位置、例えば第2の絶縁層26上の位置において幅Wを例えば50μm以上150μm以下で、光透過性基体を搭載するための接着層40を形成する。接着層40は、例えば感光性接着シートやBステージ状態(半硬化状態)のエポキシ樹脂等を、印刷又はフィルムラミネート等の方法により形成する。
そして図6Bに示すように接着層40上に、基体20のウエーハサイズとほぼ同じ大きさの石英ガラス等の光透過性基体41を搭載する。光透過性基体41の搭載は、例えば油圧プレス又は真空ラミネータにより行う。搭載条件は、荷重を0.5〜2.0MPa、時間を0.5〜5sとする。
なお、上述の接着層40を形成する幅Wは、後の個片化の切断に要する切り残し以上の幅があり、能動素子2の受光、発光エリアに掛からない範囲の幅であればよく、製造する半導体装置の大きさや、搭載する光透過性基体の大きさ等によって任意に変更することができる。
次に、図6Cに示すように、基体20を第1の導電層25及び第1の絶縁層22から剥離する。基体20の剥離は、予め基体20上に形成している剥離層21において行う。例えば、基体20として石英ガラス等の光透過性基体を使用し、剥離層21としてUV硬化型の自己剥離シートを用いた場合には、基体20の裏面側から2500mJ/cm〜4000mJ/cmのUV光を剥離層21に照射することで、基体20と、第1の導電層25及び第1の絶縁層22とを容易に剥離することができる。また、UV光を照射する際、基体20等の温度を40℃以下に抑えるため、パルス型の光源を用いることが好ましい。
そして、基体20を剥離することによって露出した第1の導電層25に、外部電極となる電極32を形成する。電極32は、露出した第1の導電層25にはんだボールの搭載、はんだ印刷、はんだめっき等を行うことで形成する。例えば、電極32としてはんだボールを搭載する場合には、第1の導電層25にフラックスを塗布した後、はんだボールを付着させてリフローで溶融接合を行い、この後フラックスの洗浄を行うことで電極32を形成することができる。
次に、図7に示すように目的の大きさに合わせて個片化することにより、本発明の実施の形態の半導体装置100を形成することができる。半導体装置100の個片化は、例えば電極32を保護テープで覆った後、ブレードダイサー等を用いて行う。能動素子2の周囲の第1の導電層25及び第2の導電層29による接続部31の外側の部分において、光透過性基体41と第1の絶縁層22及び第2の絶縁層26をダイシング等により切断する。個片化は、例えば搭載した能動素子2の外縁部から+0.05mm程度の位置でダイシングを行うことができる。このため、個片化後の半導体装置100の大きさは、能動素子2の大きさ+0.1mm程度の大きさで構成することができる。
なお、光透過性基体41の搭載方法は、図6Bを用いて説明した方法と異なる方法で行うこともできる。
例えば、基体20のウエーハサイズに合わせた光透過性基体を用いずに、個片化後の半導体装置100の大きさに合わせて予め個片化された光透過性基体を用いることもできる。この場合には、まず、図4Aを用いて説明した工程と同様に、第2の絶縁層26上の位置において幅Wを例えば50μm以上150μm以下で、光透過性基体を搭載するための接着層40を形成する。そして、図6Bを用いて説明した工程と同様に、形成した接着層40上に、個片化した光透過性基体41を、基体20上の各能動素子2の上方に搭載する。個片化した光透過性基体41の搭載は10N程度の荷重を加えることで行う。この個片化した光透過性基体の搭載は、例えば、基体20上の特徴的なパターンを位置決めとして行うことができ、これにより搭載精度±2.5μmで行う。
基体20上に光透過性基体を搭載する際に、例えば基体20上の能動素子2や第2の導電層29に位置合わせ目標を形成し、この位置合わせ目標と光透過性基体とを、例えばCCDカメラ等を用いて同一視野内で認識し、光透過性基体の位置決めをすることにより、±2.5μmの精度で光透過性基体を搭載することができる。
個片化した光透過性基体の搭載は、個片化していない光透過性基体を搭載する場合に比べ、接合に必要な荷重を小さくすることができる。光透過性基体を搭載する荷重を小さくすることにより、接着層40を薄く形成することができるとともに、搭載する際の荷重により接着層40が、例えば能動素子2の回路上に形成した受光及び/又は発光素子や、受光及び/又は発光用のセンサー面等の部分へ回り込むことを防止できる。また、荷重を小さくすることにより、例えば半導体装置100の導電層や能動素子2等への負荷を軽減することができる。
また、個片化していない光透過性基体を基体上に搭載し、図6C〜図7で示した工程において半導体装置と同時に個片化する場合には、例えばブレードダイサー等を用いて光透過性基体41、接着層40、第1の絶縁層22及び第2の絶縁層26を同時にダイシングする必要がある。各部位はそれぞれ異なる材質で形成しているため、このような異なる材質のものをダイシングする場合には、ブレードの種類の選択や条件の設定が難しく、絶縁層において膜剥がれが発生してしまう。半導体装置内において膜剥がれが発生すると、剥がれた箇所が水分の侵入経路となるため、半導体装置の信頼性を低下させる原因になる場合がある。
しかし、予め個片化した光透過性基体を基体上に搭載することにより、絶縁層のみのダイシングで半導体装置の個片化を行うことが可能である。このため、ダイシングの際のブレードの種類の選択や条件の設定を容易に行うことができ、絶縁層の膜剥がれを容易に防ぐことができる。従って、膜剥がれに起因する半導体装置の信頼性の低下を防ぐことができる。
一方、光透過性基体として、ウエーハサイズに近い石英ガラス基板を用いる場合は、光透過性基体を搭載する際に、精密な位置合わせが不要である。このため、光透過性基体を搭載する工程において作業の簡易化を図ることができる。
図7に示す本実施の形態の半導体装置100は、第1の絶縁層22と第1の導電層25によって配線層30が形成され、この配線層30上に絶縁部材であるダイアタッチフィルム5を介して能動素子2が搭載される。そして、能動素子2の電極3と第1の導電層25とが第2の導電層29により接続されて接続部31いわゆるVIA部が構成され、第2の導電層29によって電極3が再配線される。さらに、半導体装置100において、能動素子2の回路形成面とは反対側に第1の導電層25が露出され、この露出された部分に外部機器との接続用の電極32が形成される。
また、能動素子2は、電極3や、回路上に形成した受光及び/又は発光素子や、受光及び/又は発光用のセンサー面等の部分を除いて第2の絶縁層26によって封止されている。そして、半導体装置100において、能動素子2の回路形成面側には接着層40を介して、能動素子2を保護するため、及び、能動素子2上に形成した受光及び/又は発光素子や、受光及び/又は発光用のセンサー面等の透過率、反射率を規定するため、光透過性基体41が搭載される。
上述の構成によれば、ワイヤーボンドやシリコン貫通プロセスの特殊な貫通プロセスを行うことなく、接続部31を通じて能動素子2の電極3の再配線が形成される。そして、能動素子2の回路形成面とは反対側に外部機器との接続用の電極32が形成される。
このため、能動素子の基体となる石英ガラス等の穴あけを必要とせず、ウエハ状態の基体上で貫通電極を形成することができる。このため、低コストでCu等の導電体によるめっき接合が可能なチップサイズパッケージを実現することができる。
また、能動素子2の周囲に第2の絶縁層26を貫通して第1の導電層25に達する開口26aを通じて第2の導電層29が埋め込まれて接続部31が形成され、さらに第2の導電層29と能動素子2の下部に形成された第1の導電層25とが接続部31を通じて接続され、能動素子2の電極3の再配線が行われる。
このため、能動素子2の周囲には、絶縁層を貫通する接続部31が形成される大きさのみ必要となる。そして、この絶縁層を貫通する接続部31いわゆるVIA部は直径30μm程度あれば十分であり、したがって能動素子2の外側に、片側で例えば0.05mm程度あれば接続部31を含む再配線パターンを形成できる。すなわち、搭載された能動素子の大きさから+0.1mmの大きさのチップサイズ構造の半導体装置100を形成することができる。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法に適用する能動素子の概略構成図である。 A〜Dは本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程図(その1)である。 A〜Dは本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程図(その2)である。 A〜Dは本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程図(その3)である。 A〜Cは本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程図(その4)である。 A〜Cは本発明の一実施の形態に係る半導体装置の製造方法の製造工程図(その5)である。 本発明の一実施の形態に係る半導体装置の断面構成図である。
符号の説明
1,20 基体、2 能動素子、3 電極、4 保護層、5 ダイアタッチフィルム、21 剥離層、22 第1の絶縁層、22a,24a,26a 開口、23,27 下地層、24,28 絶縁層、25 第1の導電層、26 第2の絶縁層、29 第2の導電層、30 配線層、31 接続部、32 電極、40 接着層、41 光透過性基体、100 半導体装置

Claims (7)

  1. 基体上に、第1の絶縁層と第1の導電層とにより配線層を形成する工程と、
    前記配線層上に能動素子を搭載する工程と、
    前記能動素子を覆って第2の絶縁層を形成する工程と、
    前記能動素子の受光及び/又は発光部と、電極と、前記能動素子の周囲の前記第1の導電層とを露出する開口を前記第2の絶縁層に設ける工程と、
    前記電極と前記配線層とを電気的に接続する接続部を含む第2の導電層を形成する工程と、
    前記基体を除去する工程と、
    前記能動素子の周囲の前記接続部の外側で個片化を行う工程と、を有する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記基体を除去する工程の後、前記基体の除去により露出する第1の導電層に外部電極を形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記能動素子の上方に光透過性基体を搭載する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記基体として光透過性部材を用いることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記基体と前記第1の絶縁層及び前記第1の導電層との間に剥離層を設け、前記基体を除去する工程において、前記剥離層を、前記基体と前記第1の絶縁層及び前記第1の導電層とから剥離することで、前記基体を除去することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 第1の絶縁層と第1の導電層とからなる配線層と、
    前記配線層上に搭載され、受光及び/又は発光部を有する能動素子と、
    前記能動素子の一部を覆って形成される第2の絶縁層と、該第2の絶縁層の開口を通じて前記第1の導電層の一部に接続される第2の導電層と、を有し、
    前記能動素子の電極形成面とは反対側の裏面において、前記第1の導電層上に電極が形成されてなる
    ことを特徴とする半導体装置。
  7. 前記能動素子の上方に光透過性基体が搭載されてなることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
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