JP2009026528A - 固体高分子電解質型燃料電池および燃料電池用膜・電極接合体ならびに燃料電池用ガス拡散基板製造方法 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池および燃料電池用膜・電極接合体ならびに燃料電池用ガス拡散基板製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体高分子電解質型燃料電池におけるガス拡散基板の外周部のガスシール部が結露水の付着等によって電気的短絡を生じることを防止する。
【解決手段】単位セルが複数個積層された燃料電池であって、各単位セルが、固体高分子電解質膜、燃料極および酸化剤極を有する膜・電極接合体と、燃料極に接して配置されて燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給溝が形成された燃料極側セパレータと、酸化剤極に接して配置されて酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給溝が形成された酸化剤極側セパレータと、を備える。燃料ガス拡散基板および酸化剤ガス拡散基板は、ガス透過性の平板状あるいはシート状の基材1,2と、基材1,2の周辺近くに形成されて基材1,2に熱可塑性樹脂が含浸された含浸シール部4と、含浸シール部4の周囲を囲んで含浸シール部4の延長面内に延びる樹脂縁端部8aと、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガスシール性の改善を図った固体高分子電解質型燃料電池およびそのための膜・電極接合体、ならびに燃料電池用ガス拡散基板の製造方法に関する。
近年、高効率のエネルギー変換装置として燃料電池が注目を集めている。このような燃料電池は電解質の相違により幾つかの種類に分類されるが、このうち水素イオン伝導性を有する固体高分子を電解質とする固体高分子電解質型燃料電池は、コンパクトな構造で高出力密度を得ることができ、また簡素なシステムによる運転が可能であることから、宇宙用や車両用あるいは家庭用電源として大きく注目されている。
高分子電解質として最近では、パーフルオロカーボンスルホン酸膜(たとえば、ナフィオン:商品名、デュポン社製)等が用いられている。
このような高分子電解質を電解質膜として用いる固体高分子電解質型燃料電池は、通常図22ないし図24に示すように単位セル101を複数積層した積層体構造として構成されている。ここに、図22は従来の固体高分子電解質型燃料電池に組込まれた単位セルを示す模式的展開立断面図、図23は図22の単位セルの中の膜・電極接合体のみを取り出して示す立断面図、図24は図22の単位セルの中の膜・電極接合体に燃料極側絶縁スペーサを重ねて配置した状態を示す平面図である。
単位セル101中の膜・電極接合体102は、高分子電解質膜103と、高分子電解質膜103を相互で挟持するように配置された燃料極104および酸化剤極105から構成される。燃料極104および酸化剤極105のガス拡散基板106、107は導電性多孔質材料からなる。また燃料極104および酸化剤極105のガス拡散基板106、107上にはカーボン粉と撥水材を含むガス拡散層108、109をそれぞれ形成している。さらに燃料極104および酸化剤極105のガス拡散層108、109上に触媒と電解質、あるいはさらに撥水材も加えた触媒層110、111をそれぞれ担持した構造となっている。また膜・電極接合体102の形成方法としては、燃料極104および酸化剤極105を高分子電解質膜103に加熱圧着して接合し一体化する方法が行なわれている。
単位セル101は、膜・電極接合体102を挟持するように燃料極104の背面に接触配置された燃料極側セパレータ112と、酸化剤極105の背面に接触配置された酸化剤極側セパレータ113とを有する。燃料極側セパレータ112の燃料極104に接触する面には燃料ガスを分配供給する複数の燃料ガス供給溝114が形成されており、酸化剤極側セパレータ113の酸化剤極105に接触する面には酸化剤ガスを分配供給する複数の酸化剤ガス供給溝115が形成されている。
なお、単位セル101を複数積層した積層体(スタック)構造とする場合には、燃料極側セパレータ112と酸化剤極側セパレータ113とが表裏一体となっている場合がある。
また図22ないし図24において、燃料極側セパレータ112と酸化剤極側セパレータ113が膜・電極接合体102の外周部を挟みシール部116を構成する部分には燃料極側絶縁スペーサ117および酸化剤極側絶縁スペーサ118が配置されている。なお燃料極側絶縁スペーサ117および酸化剤極側絶縁スペーサ118は、膜・電極接合体102の電解質膜の外周部119を取り囲んで燃料ガスおよび酸化剤ガスの漏洩を防止するとともに燃料極側セパレータ112と酸化剤極側セパレータ113との間の電気的絶縁を確保している。
膜・電極接合体102面内の触媒層110、111が形成された範囲は電極反応面6として機能する。
電池内の電極反応においては、反応ガス特に燃料ガスである水素は燃料極側ガス拡散層108を経由して燃料極側触媒層110中を拡散し、カーボン担持体上の白金等の触媒に到達すると反応して水素イオンと電子に分離される。電子は燃料極側から外部回路を通り酸化剤極105側へ移動するとともに、水素イオンは燃料極側触媒層110中の触媒に近接する電解質を伝達経路として電解質膜103中へ移動し、酸化剤極105に到達して酸化剤極側触媒層111中の電解質を伝達経路として拡散して触媒上で酸素と反応して生成水となる。生成水は触媒層およびガス拡散層中を移動しあるいは蒸発してガス拡散基板の外部へ除去される。
上述のような電池内の電極反応を継続して円滑に維持するためには、燃料極104および酸化剤極105へ反応ガスである燃料ガスや酸化剤ガスをそれぞれ滞りなく分配供給する必要がある。この際、燃料極104と酸化剤極105は膜・電極接合体102の電解質膜103で仕切られており、電解質膜103の外周部はそれぞれ燃料極側セパレータ112と酸化剤極側セパレータ113に挟まれてガスシール部を形成している。単位セル101内で燃料ガスや酸化剤ガスをそれぞれ滞りなく分配供給するためには、ガスシール部において気密性を確保しガスの漏洩を防止する必要がある。
しかし、ガスシール部の接触の仕方によっては電解質膜103の外周部と燃料極側セパレータ112あるいは酸化剤極側セパレータ113との接触面に隙間を生じ、燃料ガスや酸化剤ガスが単位セル内で互いに漏洩してクロスリークを引き起こし、単セル101内で混合して触媒による燃焼を伴う異常反応が発生する恐れがある。
また未反応ガスが電解質膜のガスシール部より電池外部へ流出することにより、電池における反応ガス利用効率を低下させる恐れがある。さらに燃料極104と酸化剤極105との間に挟まれた電解質膜は数十から100ミクロン程度の薄い材料によって構成されているので、ガスシール部の固定の仕方によっては電解質膜の外周部とガスシール部の境界近傍において局所的な応力集中が発生し、電解質膜が破損して燃料極104と酸化剤極105が電気的に短絡して電池性能に支障をきたすことが懸念される。
これらの対応として、従来の固体高分子電解質型燃料電池用電極のガスシール部の構成としては次のようなものがある。すなわち特許文献1では、膜・電極接合体の電解質膜の外周部において燃料極側セパレータと酸化剤極側セパレータに接する部分に絶縁スペーサ用のガスシール材としてパッキングあるいはOリングを配置してガスシール部を形成する。この構成により、セルスタックの積層時における締め付けを行なう際にガスシール材が密着することによって、電解質膜の外周部とセパレータ間との接触面の圧力を均一化するとともに気密性が確保されて反応ガスの漏洩を防止することが可能となる。またガスシール材を電気絶縁性の高い材料とすることで電解質膜の外周部におけるセパレータ間との絶縁性を確保し短絡の防止を行なっている。
またガスシール部の構成に関して、図22ないし図24に示すように燃料極104および酸化剤極105の基板106、107の外周部と絶縁スペーサ117、118との境界部においては隙間が生じて電解質膜103が露出しており、燃料ガスおよび酸化剤ガスの一部はそれぞれの反応ガス流路から当該隙間を経由して電解質膜103に直接暴露するので、発電時における反応ガスの加湿条件の変化や熱履歴による熱膨張や熱収縮によって電解質膜103が劣化して破損する結果、ピンホールの形成によって反応ガスのクロスリークが発生する懸念がある。これに対して電解質膜の保護のために特許文献2では絶縁スペーサ用のガスシール材として炭化フッ素系樹脂を用いて電解質膜の外周部を被覆し、反応ガスの直接的な暴露を防止して電解質膜の劣化を抑制している。
また上記のような電解質膜の外周部に隣接する端部シールやガスケットを有する組立体に付随して、不連続な段付き部分がシール形状に含まれる場合には複数の構成要素に精密な公差を必要として製造歩留りが低下する恐れがある。これらを防止する対策として特許文献3では、膜電極組立体の多孔質基体の周縁部が熱可塑性樹脂のシール剤で含浸された構造としている。さらに特許文献4ないし特許文献8等のガスシール部では、ガス拡散基板の外周端に樹脂を含浸して電極間を接着しているが、基板端部については電気絶縁性を確保するために膜・電極接合体とした構成で樹脂を充填したり、表面層を形成して被覆する加工を行なっている。
さらに特許文献9では膜・電極接合体を挟んで相対するセパレータの周端部に面取り部を備え、一組のセパレータ間の電気絶縁距離を増大させている。
特開平8−185872号公報 特開平10−308228号公報 特表2002−529890号公報 特表2004−523060号公報 特開2005−158690号公報 特開2005−135703号公報 特表2001−510932号公報 特表2005−516350号公報 特開2006−164653号公報
上記のように形成された従来の固体高分子電解質型燃料電池用電極の燃料極や酸化剤極のガスシール部の構成としては次のような課題があった。
すなわち、従来の固体高分子電解質型燃料電池用電極において電極反応を継続的に維持し所定の特性を得るための対策として、特許文献1や特許文献2で提案されているようなガスシール部の構成では、燃料極および酸化剤極の外周部において電解質膜は絶縁スペーサに上下を挟まれることによりガスシール構造を形成している。しかし当該部分に関して、燃料極および酸化剤極の外周部と絶縁スペーサとの境界部に面した電解質膜のガスシール部付近は燃料ガスおよび酸化剤ガスに直接曝されており、当該反応ガスによる加湿や乾燥、熱履歴に伴い、電解質膜の外周部と絶縁スペーサの境界部分で熱膨張や熱収縮による変形が生じて局所的な応力集中を発生して電解質膜が破損し亀裂を生じて燃料極と酸化剤極との間のクロスリークの原因となる恐れがある。
この対策として特許文献4ないし特許文献8等のガスシール部では、電解質膜の外周部を被覆し挟むように、燃料極および酸化剤極の多孔質のガス拡散基板の外周部に、使用温度において化学的に安定で電気絶縁性を有する樹脂による含浸部を設置して、電極間を接着している。この構成により上記における従来のような絶縁スペーサ部分での応力集中を抑制し電解質膜の破損を防止するとともに、ガス拡散基板の外周部における気密性を確保してガスシール機能を改善している。
この際、セルを積層し電池スタック(積層体)を構成する場合には、ガス拡散基板の外周部に設置した樹脂は、電池スタックの積層面を構成する。含浸部にはガス拡散基板が含まれているので、この状態では導電性(多孔質)材料からなるガス拡散基板の端部も電池スタックの積層面に露出した構成となる。運転中に電池スタック積層面に反応ガス中の蒸気が結露すると、膜・電極接合体端部の燃料極と酸化剤極との間において、不純物などの導電性成分を含んだ液滴により短絡経路が形成される場合があり、セル電圧特性の低下や局部的な電流の集中によりセルに損傷を与える恐れがあった。これに対しては、基板端部の電気絶縁性を確保するために膜・電極接合体とした構成で樹脂の被覆加工を行なう場合があるが、加工が複雑となり製造コストが増大する懸念があった。
上述のように従来の固体高分子電解質型燃料電池用電極にあっては、燃料極および酸化剤極の外周部において、ガス拡散基板の外周部に樹脂による含浸部を設置してガスシール構造を形成する場合に、電池スタック積層面に露出するガスシール部の一部に燃料極と酸化剤極との間の短絡が発生する恐れがあり、結果として電池寿命が短くなるという問題があった。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、固体高分子電解質型燃料電池におけるガス拡散基板の外周部のガスシール部が結露水の付着等によって電気的な短絡を生じることを防止または抑制できる構成とすることを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る固体高分子電解質型燃料電池は、固体高分子電解質膜、前記固体高分子電解質膜の第1の面に接して配置されて燃料ガス拡散基板を備えた燃料極、および、前記固体高分子電解質膜の第1の面の反対側の第2の面に接して配置されて酸化剤ガス拡散基板を備えた酸化剤極、を有する膜・電極接合体と、前記燃料極に接して配置されて前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給溝が形成された燃料極側セパレータと、前記酸化剤極に接して配置されて前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給溝が形成された酸化剤極側セパレータと、を備えた単位セルが複数個積層された燃料電池積層体を具備する燃料電池において、前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板の少なくとも一方が、ガス透過性の平板状あるいはシート状の基材と、前記基材の周辺近くに形成されて前記基材に第1の樹脂が含浸された含浸シール部と、前記含浸シール部の周囲を囲んで前記含浸シール部の延長面内に延びるように前記第1の樹脂によって形成された樹脂縁端部と、を有するシール構造を形成していることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池用膜・電極接合体は、固体高分子電解質膜、前記固体高分子電解質膜の第1の面に接して配置されて燃料ガス拡散基板を備えた燃料極、および、前記固体高分子電解質膜の第1の面の反対側の第2の面に接して配置されて酸化剤ガス拡散基板を備えた酸化剤極、を有する燃料電池用膜・電極接合体において、前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板の少なくとも一方が、ガス透過性の平板状あるいはシート状の基材と、前記基材の周辺近くに形成されて前記基材に第1の樹脂が含浸された含浸シール部と、前記含浸シール部の周囲を囲んで前記含浸シール部の延長面内に延びるように前記第1の樹脂によって形成された樹脂縁端部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池用ガス拡散基板製造方法は、固体高分子電解質膜、前記固体高分子電解質膜の第1の面に接して配置されて燃料ガス拡散基板を備えた燃料極、および、前記固体高分子電解質膜の第1の面の反対側の第2の面に接して配置されて酸化剤ガス拡散基板を備えた酸化剤極、を有する燃料電池用膜・電極接合体の前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板を製造する方法において、前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板の少なくとも一方のガス透過性の平板状あるいはシート状の基材の第1の面に重ねて、その基材の第1の面のガス拡散基板それぞれの外形に沿った周辺部の内側および外側を覆い、その基材の第1の面の電極反応面を覆わない第1の樹脂からなる樹脂枠を配置し、前記基材および樹脂枠をそれらの重なり方向に加圧しながら前記第1の樹脂の軟化温度以上に加熱して、前記基材の周辺近くに前記第1の樹脂が含浸して含浸シール部を形成し、前記含浸シール部の周囲を囲んで前記含浸シール部の延長面内に延びるように前記第1の樹脂によって樹脂縁端部を形成すること、を特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池用ガス拡散基板製造方法は、固体高分子電解質膜、前記固体高分子電解質膜の第1の面に接して配置されて燃料ガス拡散基板を備えた燃料極、および、前記固体高分子電解質膜の第1の面の反対側の第2の面に接して配置されて酸化剤ガス拡散基板を備えた酸化剤極、を有する燃料電池用膜・電極接合体の前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板を製造する方法において、ガス透過性の平板状あるいはシート状の基材に打ち抜き加工を行なうことによって、複数の前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板の縁端部に相当する位置に複数の貫通穴を形成し、その後に、前記基材の第1の面に重ねて、前記貫通穴およびその外側を覆い、前記貫通穴で囲まれた複数の前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板の配置位置に相当する各電極反応面の中央部を覆わない樹脂枠を配置し、前記基材および樹脂枠をそれらの重なり方向に加圧しながら前記樹脂枠の軟化温度以上に加熱して、前記基材に前記樹脂が含浸して含浸シール部を形成し、前記含浸シール部の周囲を囲んで前記含浸シール部の延長面内に延びるように前記第1の樹脂によって樹脂縁端部を形成し、前記含浸シール部および樹脂縁端部を形成した後に、この含浸シール部および樹脂縁端部とともに前記基材を、所定形状に切断して複数個の燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板とすること、を特徴とする。
本発明によれば、固体高分子電解質型燃料電池におけるガス拡散基板の外周部のガスシール部が結露水の付着等によって電気的な短絡を生じることを防止または抑制でき、セル内における燃料極と酸化剤極との間で持続的に電気絶縁性を確保することができる。これにより、長期に亘り安定した電圧特性を示し寿命特性を向上させ得る固体高分子電解質型燃料電池を提供できる。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池は、図22ないし図24に示した従来の構造と同様に、燃料極および酸化剤極により相互で高分子電解質膜を挟持するように配置された膜・電極接合体と、燃料極に燃料ガスを供給する溝を形成した燃料極側セパレータ、および酸化剤極に酸化剤ガスを供給する溝を形成した酸化剤極側セパレータとによって構成される単位セルが含まれる。そして、かかる単位セルが複数個積層されている。この実施形態では、前述の従来技術と違って、燃料極あるいは酸化剤極のガス拡散基板の外周部を樹脂で含浸した含浸シール部とし、含浸シール部に隣接した同一平面内のガス拡散基板の縁端部の一部あるいは全部が樹脂縁端部によって構成されている。
以下、図面を参照して第1の実施形態について具体的に説明する。
図1ないし図3は本発明による固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板の第1の実施の形態を示す説明図である。図1は第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板の製造過程を示す部分立断面図であり、図2は第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板を示す部分立断面図であり、図3は第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板を示す平面図である。
図1ないし図3における固体高分子電解質型燃料電池用電極の燃料極および酸化剤極のガス拡散基板1、2の基材1a、2aとして、たとえばカーボンペーパーを用いる。カーボンペーパーの面上にカーボン粉とフッ素樹脂粉末を混合して塗布した燃料極側ガス拡散層および酸化剤極側ガス拡散層をそれぞれ形成した後、焼成して各ガス拡散層の定着を行なう。
次に、図1に示すように、ガス拡散基板1、2の基材1a、2aは製造時のハンドリングのため耐熱性の剥離フィルム3a、たとえばポリイミド樹脂のフィルムに上に載せられ、さらに含浸シール部4を形成するガス拡散基板1、2の基材1a、2aの外周部にはシート状の樹脂(第1の樹脂)5aの縁端部が基材1a、2aの外形よりも大きくなるように配置される。この際、樹脂5aは、ガス拡散基板1、2面の外形に沿った外周近傍の内側と、その外周の外側に沿って延びた枠型形状とする。
さらに樹脂5a上に剥離フィルム3bを配置した後に、たとえばホットプレス7a、7bで樹脂5aの軟化温度あるいは融点以上に加熱昇温して加圧する。さらに、冷間プレスで冷却する過程を経て、樹脂5aを基材1a、2aの含浸シール部4に含浸させるとともに、含浸シール部4に隣接したガス拡散基板1、2と同一平面上の縁端部に樹脂縁端部8aを形成して定着させる。
上記工程を経て形成されたガス拡散基板1、2の形状は、図2および図3に示すように全体がほぼ均一厚さの長方形であって、長方形の電極反応面6の外側を囲んで含浸シール部4が形成され、その外側を囲んで樹脂縁端部8aが形成されている。
含浸シール部4の含浸と含浸縁端部8aの成形に使用する樹脂(第1の樹脂)としては、加熱加圧による樹脂成形の前後においてガス拡散基板1、2を構成する基材1a、2aやガス拡散層の材質を劣化させること無く、さらに電池運転温度における連続的な使用に耐える材質が好ましい。上記を考慮して、加熱成形温度が好適であり、たとえば熱硬化性樹脂の一部に見られるような加熱成形加工の過程における副生成物の発生と残留による電池反応の阻害を回避するものとして、熱可塑性樹脂を使用する。この際、熱可塑性樹脂としては電池運転条件において反応ガスに曝されても劣化が少なく化学的に安定であり、耐熱性を有して形状を保持し、電気絶縁性を兼ね備えたものが望ましい。すなわち、上述のように電池電極反応を阻害しない無害な熱硬化樹脂または熱可塑性樹脂が望ましい。
そのような樹脂材料としては、たとえば、ABS樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン−エチレン共重合体、ポリイミド樹脂、スルホン重合体、ビニル重合体、ビニル共重合体およびフッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、PET、PBT、PEN、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、PTFEおよびPFA、FEPのいずれか一つ、または組み合わせによって成形されることが望ましい。
以上説明した第1の実施形態によれば、燃料極あるいは酸化剤極のガス拡散基板の外周部を、樹脂で含浸した含浸シール部4と、この含浸シール部4に隣接した同一平面内のガス拡散基板の縁端部の一部あるいは全部を樹脂縁端部8aによって構成する。これにより、電池スタックの積層面に反応ガス中の水蒸気が凝縮して結露水が積層面を覆うように付着した場合に、膜・電極接合体の縁端部に設置した樹脂縁端部8aがガス拡散基板の外周部を被覆して電気絶縁部を形成するので、短絡経路となる結露水の浸透を防止して、単セル内のガス拡散基板の導電部と結露水との直接的な接触を防止することが可能となる。それにより、燃料極と酸化剤極との間の電気的な絶縁性を向上し、その結果、単位セル内の電気的な短絡を防止することができる。
また、樹脂により含浸した含浸シール部およびそれに隣接した縁端部の樹脂縁端部の材質として反応ガスに対して化学的に安定な材料を用いて成形されるので、電池の起動停止や80℃近傍の連続使用温度における熱履歴においても、燃料極および酸化剤極の各周囲を取り囲む樹脂によって被覆される。したがって、電解質膜の外周部が反応ガスに直接曝されることを防止して熱膨張および熱収縮による変形や材質劣化を抑制することが可能となる。これにより、電解質膜の外周部の局所的な応力集中を抑制して、電解質膜の含浸シール部の破損による燃料ガスおよび酸化剤ガスの漏洩を防止しガスシール不良のない信頼性が高く取扱いが容易な電極を提供することが可能となる。
さらに、熱可塑性樹脂を使用した場合は使用温度において耐熱性の絶縁性材料で構成されているので、燃料極と酸化剤極との間の電気的な絶縁を確保する機能を維持することが可能となる。
またさらに、膜・電極接合体の一体化成形時において、たとえば図10に示すように、電解質膜とガス拡散基板の接着剤として含浸シール部に用いた樹脂材料に比較して融点の低い第3の樹脂からなる熱可塑性樹脂のシート215、216を用いることにより、当該ガス拡散基板の縁端部が変形することを防止し電解質膜が熱劣化して変質することのない接着温度により一体化成形することが可能となる。さらに電解質膜の外周部と燃料極および酸化剤極のガス拡散基板の含浸シール部は、接着剤である熱可塑性樹脂の溶融によって被覆されることになるので電解質膜が反応ガスに直接曝されることを防止して反応ガスによる熱履歴等に伴う電解質膜の材質劣化を抑制することが可能となる。
さらにこの実施形態によれば、発電中の反応ガスに含まれる蒸気の結露水が電池スタック積層面に付着しても、当該部位は電気絶縁性を有する樹脂で構成されているので膜・電極接合体端部の燃料極と酸化剤極との間の電気的な短絡を防止し、セル内における燃料極と酸化剤極との間の電気絶縁性を持続的に確保することができる。
また含浸シール部は樹脂で含浸された部分に同一平面内に連なって樹脂縁端部が配置されているので、電池の通常運転時の反応ガスによる加湿や乾燥に伴う電解質膜の電極反応面外周部とガス拡散基板の含浸シール部との境界部分での局所的な応力集中を防止して、熱履歴による熱膨張や熱収縮による変形や材質劣化を抑制し、電解質膜が破損することによる燃料極と酸化剤極との間のクロスリークの発生を防止して反応ガスのガスシール性や電気絶縁性を継続的に維持することが可能となる。すなわち燃料ガスおよび酸化剤ガスの漏洩を防止するとともに燃料極側セパレータと酸化剤極側セパレータとの間の絶縁を確保することが可能となる。その結果、電池特性が安定し寿命を向上させた固体高分子電解質型燃料電池用電極を提供することができる。
以上説明した第1の実施形態の第1の変形例として、図4に示すようにガス拡散基板1、2の縁端部を所定の厚みとするために縁端部に同様の材質の樹脂5bのフィルムを追加して成形してもよい。図4は第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板の第1の変形例の製造過程を示す部分立断面図である。
さらに、第1の実施形態の第2の変形例として、図5および図6に示すように、含浸する樹脂5aよりも軟化温度や融点が高く、剥離フィルム3a、3bに付着することの無い樹脂(第2の樹脂からなるシート)9a、9bを配置して加熱圧着してもよい。図5は本発明の第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板の第2の変形例の製造過程を示す部分立断面図であり、図6は図5の製造過程によって製造されたガス拡散基板の第2の変形例を示す部分立断面図である。
これにより、剥離フィルム3a、3bと含浸シール部4の樹脂を含浸する部分の接触面境界部においてはプレスのたびごとに剥離フィルム3a、3bを交換したり、離型剤を塗布するといったプロセスを省略し簡素化できる。また、樹脂を含浸した含浸シール部4および樹脂縁端部8aと一体化するとともに、離型に伴うハンドリング性を改善できる。
使用するシート9a、9bの樹脂(第2の樹脂)としては、含浸シール部4に含浸した樹脂(第1の樹脂)5aと同等の化学的安定性と耐熱性、形状安定性および電気絶縁性を有するとともに、軟化温度あるいは融点の比較において、含浸に使用する樹脂5aよりもたとえば50℃以上高い材料を選択するとよい。たとえば、含浸に使用する樹脂5aがポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデンなどの成形可能温度が100℃近傍から180℃程度の樹脂の場合には、樹脂シート9a、9bとしてポリイミド樹脂やPETを含むポリエステル樹脂、PFAやFEPを含むフッ素樹脂などの融点が200℃から300℃以上であり、ガス拡散基板1、2の加熱成形温度で形状変化の少ない樹脂が適用可能である。
[第2の実施形態]
図7は本発明の第2の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の膜・電極接合体を示す部分展開断面図である。第2の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池は、図22ないし図24に示した従来の構造と同様に、燃料極および酸化剤極により相互で高分子電解質膜を挟持するように配置された膜・電極接合体と、燃料極に燃料ガスを供給する溝を形成した燃料極側セパレータ、および酸化剤極に酸化剤ガスを供給する溝を形成した酸化剤極側セパレータとによって構成される単位セルが含まれる。そして、かかる単位セルが複数個積層されている。また第1の実施形態と同様に、燃料極あるいは酸化剤極のガス拡散基板の外周部を樹脂で含浸したガスシール部において、ガスシール部に隣接した同一平面内のガス拡散基板の縁端部の一部あるいは全部が樹脂縁端部によって構成されている。
第2の実施形態としては、第1の実施形態として説明したガス拡散基板1、2を燃料極および酸化剤極のガス拡散基板として用いた固体高分子電解質型燃料電池の膜・電極接合体について説明する。図7に示すように、電解質膜201を燃料極ガス拡散基板202および酸化剤極ガス拡散基板203の間に配置し、これら基板202、203の外周部に設置した含浸シール部204、205とその隣接して同一平面内に形成した樹脂縁端部206、207で電解質膜201の外周部208を挟み込んだ構造を持つ膜・電極接合体209とする。
図7における固体高分子電解質型燃料電池の膜・電極接合体の燃料極および酸化剤極のガス拡散基板202、203は第1の実施形態と同様に製作したものを使用する。さらに電解質膜201としては、燃料極および酸化剤極のガス拡散層210、211に対向して電解質膜201上にそれぞれ燃料極側触媒層212および酸化剤極側触媒層213が形成されたものを使用する。膜・電極接合体209の電解質膜201の外周部208を挟んで互いに対向する燃料極と酸化剤極のガス拡散基板202、203のガスシール部においては、熱可塑性樹脂がガス拡散基板202、203に含浸された含浸シール部204、205とそれに隣接した樹脂縁端部206、207が燃料極と酸化剤極との間でそれぞれ基板平面方向に互いに重なる範囲を持つように配置されて、電解質膜201の外周部208を挟み込んでいる。図7に示す例では、電解質膜201の外周端部214の形状はガス拡散基板202、203と同一の外周形状とする。
上記のように電解質膜201を挟んで燃料極と酸化剤極を対向して配置した膜・電極接合体209を単独であるいは剥離シートを介して複数積層した後に、たとえばホットプレスを用いて電解質膜201がガス拡散基板202、203あるいはガス拡散層210、211と接着する温度、たとえば120℃から150℃で加熱圧着することにより膜・電極接合体209が一体化成形される。
以上により一体化成形された膜・電極接合体209の燃料極と酸化剤極の外周部には、基板平面方向に樹脂が含浸された含浸シール部204、205とそれに隣接する縁端部に電気絶縁性を有する樹脂縁端部206、207が同時に形成される。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態で説明した効果が得られる。
以上説明した第2の実施形態の第1の変形例として、図8に示すように電解質膜201の外周端部214aが少なくとも樹脂で含浸した含浸シール部204、205に挟まれる範囲に亘り設置して、ガス拡散基板202、203の縁端部の樹脂縁端部206、207よりも内側となるように構成してもよい。
さらに第2の実施形態の第2の変形例として、図9に示すように燃料極と酸化剤極の含浸シール部204a、205aの範囲を基板平面内で互いにずらして配置してもよい。この場合、膜・電極接合体209a内の電解質膜201aの外周部208aにおいて、燃料極および酸化剤極のガス拡散基板202a、203aの含浸シール部204a、205aの境界線が重なることなく支持することが可能となり、電解質膜201aの外周部208aを少なくとも一方の含浸シール部の面で接触して固定するので安定して平板形状に保つことが可能となる。
さらに、第2の実施形態の第3、第4の変形例として、それぞれ、図10、図11に示すように、燃料極あるいは酸化剤極のガス拡散基板202b、203bの外周部を樹脂で含浸した含浸シール部204b、204c、205b、205cと、含浸シール部204b、205bの同一平面内に隣接した縁端部を構成する樹脂縁端部206a、207aと、電解質膜201b、201cの外周端部214b、214cとによってそれぞれ挟まれた平面に熱可塑性樹脂(第3の樹脂からなるシート)215、216を介在させてもよい。その熱可塑性樹脂シート215、216の融点は、ガス拡散基板202b、203bの縁端部を構成する樹脂縁端部206a、206b、207a、207bの樹脂(第1の樹脂)の融点よりも低く運転温度よりも高いものとする。
さらに、第2の実施形態の第5の変形例として、膜・電極接合体209bの一体化成形時の部材の積層を容易とするために、図12に示すように各部材の含浸シール部の外側に積層ガイド穴217、218を設置してもよい。積層工程において、このガイド穴217,218に通し棒500を通すことによって相互の位置決めを容易に行なうことができる。
これら第3および第4の変形例では、燃料極あるいは酸化剤極のガス拡散基板の外周部の含浸シール部204b、204c、205b、205cおよび樹脂縁端部206a、206b、207a、207bと、電解質膜の外周端部とによってそれぞれ挟まれた平面に樹脂が介在しており、その樹脂の融点はガス拡散基板の縁端部を構成する樹脂や電解質膜の融点よりも低く運転温度よりも高い構成としているので、加熱接着時の熱履歴により含浸シール部の機能を損なうことなく電解質膜の外周部における密着性を向上し膜・電極接合体209の接着による一体化成形を確実にできる。
[第3の実施形態]
図13は本発明の第3の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の単セルを示す部分展開断面図である。
第3の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池は、図22ないし図24に示した従来の構造と同様に、燃料極および酸化剤極により相互で高分子電解質膜を挟持するように配置された膜・電極接合体と、燃料極に燃料ガスを供給する溝を形成した燃料極側セパレータ、および酸化剤極に酸化剤ガスを供給する溝を形成した酸化剤極側セパレータとによって構成される単位セルが含まれる。そして、かかる単位セルが複数個積層されている。また第1の実施形態と同様に、燃料極あるいは酸化剤極のガス拡散基板の外周部を樹脂で含浸した含浸シール部において、含浸シール部に隣接した同一平面内のガス拡散基板の縁端部の一部あるいは全部が樹脂縁端部308、309によって構成されている。
さらに、第2の実施形態として説明したのと同様な膜・電極接合体301が構成され、膜・電極接合体301の両側を、熱可塑性樹脂からなる第3のシート306、307を介して電池の膜・電極接合体301を燃料極側セパレータ302および酸化剤極側セパレータ303で挟み込んで単セル304を構成している。
この実施形態では、膜・電極接合体301の含浸シール部と含浸シール部に隣接する樹脂縁端部、および膜・電極接合体301に隣接するセパレータ302、303に挟まれた平面に熱可塑性樹脂で構成された第4の樹脂からなるシート306、307が介在しており、その熱可塑性樹脂の融点はガス拡散基板の縁端部を構成する樹脂縁端部や電解質膜よりも低く、電池の通常運転温度よりも高い。シート306、307を構成する熱可塑性樹脂は、図10ないし図12に示したシート215、216を構成する第3の樹脂と同種類のものでもよい。
図13に示すように、膜・電極接合体301と燃料極側セパレータ302の外周部および酸化剤極側セパレータ303の外周部との間においても接着剤として膜・電極接合体301内部に設置した第3の樹脂からなるシート215、216と同様の熱可塑性樹脂を第4の樹脂からなるシート306、307としてそれぞれ配置し、ホットプレスによる加熱圧着により一体化成形する。
図13に示す構成では、単セル304を積層して電池スタックを構成する場合、単セル304の縁端部は電池スタックの積層面の一部を形成する。
この第3の実施形態により、第1の実施形態と同様の効果が得られるほかに次のような効果が得られる。すなわち、単セル304内の燃料極と酸化剤極との間には電池電極反応に伴う電位差を生じており、さらに電池スタックの積層面に反応ガス中の水蒸気が凝縮して結露し燃料極側あるいは酸化剤極側のセパレータ302、303端部側面に付着する場合には、導電成分を含む結露水が積層面を覆うと電気的な短絡経路が形成される可能性がある。
これに対し、燃料極側と酸化剤極側のセパレータ302、303の間に挟まれた領域では膜・電極接合体301の縁端部に含浸シール部320、321および樹脂縁端部308、309が配置しており電気絶縁部を形成する。また膜・電極接合体と燃料極側および酸化剤極側のセパレータ302、303との間については、膜・電極接合体301内部に形成されたシール部を損なうこと無く、電池運転条件においても連続的に使用可能な温度範囲で接着することが可能な熱可塑性樹脂を用いて一体化成形するので気密性を向上してガスシールを確実な構成とすることができる。
以上説明した第3の実施形態の変形例として、図14に示すように、膜・電極接合体301の縁端部に含浸シール部320、321および樹脂縁端部308、309を形成した構成と組み合わせて、燃料極側あるいは酸化剤極側のセパレータ302、303端部の側面近傍にフッ素樹脂を含む撥水剤の添加や塗布、あるいはフィルム材の被覆による撥水性樹脂層310、311の形成を行なってもよい。またさらに、電極接合体の縁端部に隣接するセパレータ302、303上面および下面の外周端部312、313の面取り形状の成形や加工を行なってもよい。これにより、電池スタック積層面に付着した結露水が積層面に沿って液膜状に連続的に付着し滞留することを防止することができる。
なお、図14には、撥水加工と面取り加工の両方を施す例が示されているが、これらの加工の一方だけでもそれによる効果がある。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態として、第1の実施形態として説明した固体高分子電解質型燃料電池の製造方法の例を、図15ないし図21を参照して説明する。
図15は第4の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の製造方法におけるガス拡散基板の基材を示す平面図であり、図16はガス拡散基板の樹脂フィルムを示す平面図である。また、図17は図15の基材に図16の樹脂フィルムを重ね合わせた状態を示す平面図である。図18は図17の状態の後に個々のガス拡散基板に切り離された状態を示す平面図である。さらに、図19は図18の状態の後に燃料電池として組み立てた状態を示す斜視図である。図20は図19の燃料電池のXX−XX矢視平断面図であり、図21は図20の燃料電池のXXI部拡大平断面図である。
本実施形態の固体高分子電解質型燃料電池の製造方法においては、図15ないし図17に示すように、1枚の長方形のガス拡散基板の基材401から4枚のガス拡散基板をまとめて製作する。図15に示すように、各ガス拡散基板の縁端部に該当する部分には、打ち抜き加工により細長い複数個の貫通穴402が形成されている。さらに基材401のコーナー部には位置合わせ用のガイド穴403が形成されている。
ガス拡散基板の含浸シール部と樹脂縁端部を形成するための樹脂フィルム404は、図16に示すように、貫通穴402をすべて覆う大きさの長方形であって、4枚のガス拡散基板の各中央部に相当する位置に長方形の切り抜き部405が形成されている。また、基材401のガイド穴403に対応する位置にガイド穴403aが形成されている。
図15の基材401と図16の樹脂フィルム404は図17に示すように重ねられる。重ねた後に、第1の実施形態として説明した手順と同様に、たとえばホットプレスにより加熱加圧して樹脂フィルム404を含浸して成形し、あるいは冷間プレスによる定着を行なう。さらに4枚分のガス拡散基板をガイド穴403に沿ってトリミング装置にセットし、所定の形状に切断することによって、図18に示すように、各葉毎に含浸シール部406と樹脂縁端部407を所定の形状に成形したガス拡散基板408を切り出す。この際、さらに後工程で膜・電極接合体を積層するための位置合わせガイド貫通穴409を同時に形成してもよい。図18ではガイド貫通穴409がガス拡散基板408のコーナー部に形成されているが、それに隣接する樹脂縁端部407面内に設置してもよい。
たとえば単位セルを積層し積層体構造として電池を締め付けるために当該ガス拡散基板408を含む膜・電極接合体とともに燃料極側および酸化剤極側セパレータのコーナー部に、位置合わせの基準となるガイド貫通穴409を追設することにより、各部品の位置を固定して一体化成形することが可能となる。すなわち、膜・電極接合体やセパレータを含む単セルを一体化成形する際に互いの位置がずれること無く含浸シール部406を被覆し接着することが可能である。
図19ないし図21に示すように、たとえば電池スタック積層面410に接して反応ガスを供給および排出するガスマニホールド411を取り付ける場合には、その取り付け面の接触部に電気絶縁材料を用いたガスシール材412で積層面を被覆する構成とする。ガスマニホールド内部の反応ガスに曝される電池スタック積層面410はガス拡散基板408のコーナー部がガスシール材412で被覆されて縁端部の樹脂縁端部407が露出した構成となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ガス拡散基板の縁端部を打抜き加工したのち、ガス拡散基板の含浸シール部を含む外周部とそれに隣接する縁端部に樹脂を配置して加熱加圧する。これにより、ガスシール部における樹脂の含浸と縁端部の樹脂縁端部の成形を同時に行なうことで、ガス拡散基板の縁端部に配置した樹脂縁端部が軟化して型崩れすることを防止し、所定の厚み精度を良好に維持することが可能となる。また同一の基材に複数のガス拡散基板を同時に成形加工できるので、製造プロセスを簡素化することができ連続的に製造することが可能となる。
上記作用により、寸法精度の揃ったガス拡散基板、さらには膜・電極接合体の製造が可能となり、各部材が積層された電池スタックのガスシール性能や電気絶縁性が向上するため、電池特性が安定し寿命を向上させた固体高分子電解質型燃料電池用電極を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板の製造過程を示す部分立断面図。 本発明の第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板を示す部分立断面図。 本発明の第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板を示す平面図。 本発明の第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板の第1の変形例の製造過程を示す部分立断面図。 本発明の第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板の第2の変形例の製造過程を示す部分立断面図。 本発明の第1の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池用電極のガス拡散基板の第2の変形例を示す部分立断面図。 本発明の第2の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の膜・電極接合体を示す部分展開断面図。 本発明の第2の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の膜・電極接合体の第1の変形例を示す部分展開断面図。 本発明の第2の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の膜・電極接合体の第2の変形例を示す部分展開断面図。 本発明の第2の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の膜・電極接合体の第3の変形例を示す部分展開断面図。 本発明の第2の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の膜・電極接合体の第4の変形例を示す部分展開断面図。 本発明の第2の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の膜・電極接合体の第5の変形例を示す部分展開断面図。 本発明の第3の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の単セルを示す部分展開断面図。 本発明の第3の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の単セルの変形例を示す部分展開断面図。 本発明の第4の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の製造方法におけるガス拡散基板の基材を示す平面図。 本発明の第4の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の製造方法におけるガス拡散基板の樹脂フィルムを示す平面図。 本発明の第4の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の製造方法において図15の基材に図16の樹脂フィルムを重ね合わせた状態を示す平面図。 本発明の第4の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の製造方法において図17の状態の後に個々のガス拡散基板に切り離された状態を示す平面図。 本発明の第4の実施形態に係る固体高分子電解質型燃料電池の製造方法において図18の状態の後に燃料電池として組み立てた状態を示す斜視図。 図19の燃料電池のXX−XX矢視平断面図。 図20の燃料電池のXXI部拡大平断面図。 従来の固体高分子電解質型燃料電池に組込まれた単位セルを示す模式的展開立断面図。 図22の単位セルの中の膜・電極接合体のみを取り出して示す立断面図。 図22の単位セルの中の膜・電極接合体に燃料極側絶縁スペーサを重ねて配置した状態を示す平面図。
符号の説明
1:燃料極ガス拡散基板、 1a:基材、 2:酸化剤極ガス拡散基板、 2a:基材、 3a、3b:剥離フィルム、 4:含浸シール部、 5a、5b:樹脂、 6:電極反応面、 7a、7b:ホットプレス、 8a:樹脂縁端部、 9a、9b:シート(第2の樹脂からなるシート)、 101:単位セル、 102:膜・電極接合体、 103:電解質膜、 104:燃料極、 105:酸化剤極、 106:燃料極ガス拡散基板、 107:酸化剤極ガス拡散基板、 108:燃料極ガス拡散層、 109:酸化剤極ガス拡散層、 110:燃料極側触媒層、 111:酸化剤極側触媒層、 112:燃料極側セパレータ、 113:酸化剤極側セパレータ、 114:燃料ガス供給溝、 115:酸化剤ガス供給溝、 116:シール部、 117:燃料極側絶縁スペーサ、 118:酸化剤極側絶縁スペーサ、 201、201a、201b、201c:電解質膜、 202、202a、202b:燃料極ガス拡散基板、 203、203a、203b:酸化剤極ガス拡散基板、 204、204a、204b、204c、205、205a、205b、205c:含浸シール部、 206、206a、206b、207、207a、207b:樹脂縁端部、 208、208a:外周部、 209、209a、209b:膜・電極接合体、 210:ガス拡散層、 211:ガス拡散層、 212:燃料極側触媒層、 213:酸化剤極側触媒層、 214、214a、214b、214c:外周端部、 215、216:第3の樹脂からなるシート、 217、218:積層ガイド穴、 301:膜・電極接合体、 302:燃料極側セパレータ、 303:酸化剤極側セパレータ、 304:単セル、 305:ガスシール部、 306、307:第4の樹脂からなるシート、 308、309:樹脂縁端部、 310、311:撥水性樹脂層、 312、313:外周端部、 320、321:含浸シール部、 401:基材、 402:貫通穴、 403、403a:ガイド穴、 404:樹脂フィルム、 405:切り抜き部、 406:含浸シール部、 407:樹脂縁端部、 408:ガス拡散基板、409:ガイド貫通穴、 410:電池スタック積層面、 411:ガスマニホールド、 412:ガスシール材、 500:通し棒

Claims (15)

  1. 固体高分子電解質膜、前記固体高分子電解質膜の第1の面に接して配置されて燃料ガス拡散基板を備えた燃料極、および、前記固体高分子電解質膜の第1の面の反対側の第2の面に接して配置されて酸化剤ガス拡散基板を備えた酸化剤極、を有する膜・電極接合体と、
    前記燃料極に接して配置されて前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料ガス供給溝が形成された燃料極側セパレータと、
    前記酸化剤極に接して配置されて前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給溝が形成された酸化剤極側セパレータと、
    を備えた単位セルが複数個積層された燃料電池積層体を具備する燃料電池において、
    前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板の少なくとも一方が、
    ガス透過性の平板状あるいはシート状の基材と、
    前記基材の周辺近くに形成されて前記基材に第1の樹脂が含浸された含浸シール部と、
    前記含浸シール部の周囲を囲んで前記含浸シール部の延長面内に延びるように前記第1の樹脂によって形成された樹脂縁端部と、
    を有するシール構造を形成していることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
  2. 前記第1の樹脂は熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  3. 前記第1の樹脂は、ABS樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン−エチレン共重合体、ポリイミド樹脂、スルホン重合体、ビニル重合体、ビニル共重合体およびフッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、PET、PBT、PEN、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、PTFEおよびPFA、またはFEPのうちの少なくとも一つを含むこと、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  4. 前記シール構造を形成している燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板の少なくとも一方の、前記含浸シール部および前記樹脂縁端部の少なくとも一方の面に、前記第1の樹脂よりも融点の高い第2の樹脂からなるシートが配置されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  5. 前記第2の樹脂は、ABS樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン−エチレン共重合体、ポリイミド樹脂、スルホン重合体、ビニル重合体、ビニル共重合体およびフッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、PET、PBT、PEN、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、PTFEおよびPFA、FEPのうちの少なくとも一つを含むこと、を特徴とする請求項4に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  6. 前記燃料ガス拡散基板および酸化剤ガス拡散基板の両方が、前記シール構造を形成し、
    前記電解質膜の外周端部が少なくとも前記含浸シール部に挟まれる範囲に亘り設置されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  7. 前記燃料ガス拡散基板および酸化剤ガス拡散基板の両方が、前記シール構造を形成し、
    前記含浸シール部および、前記含浸シール部の同一平面内に隣接した縁端部を構成する樹脂縁端部と、電解質膜の外周端部に挟まれて第3の樹脂からなるシートが配置されており、前記第3の樹脂の融点は、前記第1の樹脂の融点および前記電解質膜の融点よりも低く、かつ、当該燃料電池の通常運転温度よりも高いこと、を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  8. 前記燃料極側セパレータおよび酸化剤極側セパレータの少なくとも一部の外周部に撥水加工が施されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  9. 前記燃料極側セパレータおよび酸化剤極側セパレータの少なくとも一部の外周部に面取り形状の成形または加工が施されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  10. 前記膜・電極接合体の含浸シール部および前記含浸シール部に隣接する樹脂縁端部と、前記膜・電極接合体に隣接するセパレータとに挟まれて熱可塑性樹脂で構成された第4の樹脂からなるシートが配置されており、その熱可塑性樹脂の融点は、前記第1の樹脂の融点および前記電解質膜の融点よりも低く、当該電池の通常運転温度よりも高いことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の固体高分子電解質型燃料電池。
  11. 固体高分子電解質膜、前記固体高分子電解質膜の第1の面に接して配置されて燃料ガス拡散基板を備えた燃料極、および、前記固体高分子電解質膜の第1の面の反対側の第2の面に接して配置されて酸化剤ガス拡散基板を備えた酸化剤極、を有する燃料電池用膜・電極接合体において、
    前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板の少なくとも一方が、
    ガス透過性の平板状あるいはシート状の基材と、
    前記基材の周辺近くに形成されて前記基材に第1の樹脂が含浸された含浸シール部と、
    前記含浸シール部の周囲を囲んで前記含浸シール部の延長面内に延びるように前記第1の樹脂によって形成された樹脂縁端部と、
    を有することを特徴とする燃料電池用膜・電極接合体。
  12. 固体高分子電解質膜、前記固体高分子電解質膜の第1の面に接して配置されて燃料ガス拡散基板を備えた燃料極、および、前記固体高分子電解質膜の第1の面の反対側の第2の面に接して配置されて酸化剤ガス拡散基板を備えた酸化剤極、を有する燃料電池用膜・電極接合体の前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板を製造する方法において、
    前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板の少なくとも一方のガス透過性の平板状あるいはシート状の基材の第1の面に重ねて、その基材の第1の面のガス拡散基板それぞれの外形に沿った周辺部の内側および外側を覆い、その基材の第1の面の電極反応面を覆わない第1の樹脂からなる樹脂枠を配置し、
    前記基材および樹脂枠をそれらの重なり方向に加圧しながら前記第1の樹脂の軟化温度以上に加熱して、前記基材の周辺近くに前記第1の樹脂が含浸して含浸シール部を形成し、前記含浸シール部の周囲を囲んで前記含浸シール部の延長面内に延びるように前記第1の樹脂によって樹脂縁端部を形成すること、
    を特徴とする燃料電池用ガス拡散基板製造方法。
  13. 固体高分子電解質膜、前記固体高分子電解質膜の第1の面に接して配置されて燃料ガス拡散基板を備えた燃料極、および、前記固体高分子電解質膜の第1の面の反対側の第2の面に接して配置されて酸化剤ガス拡散基板を備えた酸化剤極、を有する燃料電池用膜・電極接合体の前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板を製造する方法において、
    ガス透過性の平板状あるいはシート状の基材に打ち抜き加工を行なうことによって、複数の前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板の縁端部に相当する位置に複数の貫通穴を形成し、
    その後に、前記基材の第1の面に重ねて、前記貫通穴およびその外側を覆い、前記貫通穴で囲まれた複数の前記燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板の配置位置に相当する各電極反応面の中央部を覆わない樹脂枠を配置し、
    前記基材および樹脂枠をそれらの重なり方向に加圧しながら前記樹脂枠の軟化温度以上に加熱して、前記基材に前記樹脂が含浸して含浸シール部を形成し、前記含浸シール部の周囲を囲んで前記含浸シール部の延長面内に延びるように前記第1の樹脂によって樹脂縁端部を形成し、
    前記含浸シール部および樹脂縁端部を形成した後に、この含浸シール部および樹脂縁端部とともに前記基材を、所定形状に切断して複数個の燃料ガス拡散基板または酸化剤ガス拡散基板とすること、
    を特徴とする燃料電池用ガス拡散基板製造方法。
  14. 前記基材および樹脂枠の互いに対応する位置にガイド穴を設け、
    前記基材および樹脂枠を重ね合わせる時に、前記ガイド穴によって位置合わせを行なうこと、
    を特徴とする請求項12または請求項13に記載の燃料電池用ガス拡散基板製造方法。
  15. 前記基材および樹脂枠をそれらの重なり方向に加圧しながら前記樹脂枠の軟化温度以上に加熱するに際して、前記基材と樹脂枠とを重ねた状態でその外側を2枚の耐熱性剥離フィルムではさみ、前記加熱は前記耐熱性剥離フィルムの融点よりも低い温度で行なうこと、を特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか一項に記載の燃料電池用ガス拡散基板製造方法。
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