JP2009024962A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】接続電線の劣化による断線やセンサユニット交換時の接続忘れ等による異常を検出すること。
【解決手段】人体から放射される赤外線エネルギの変化量に応じた大きさの電気信号を発生するセンサ部2と、センサ部2の発生する電気信号を増幅する帯域増幅部3と、帯域増幅部3により増幅された信号を所定の閾値と比較する比較部4とから構成されるセンサユニットを有し、センサユニットと接続電線7を介して接続され、比較部4での比較結果を基に信号処理を行う信号処理部5を備えた空気調和機であって、センサユニットの電源電圧11をON状態としてから所定時間内に信号処理部5に入力される電圧レベルからセンサユニットの異常判定を行うことで、付加回路を使わずに、接続電線の劣化による断線やセンサユニット交換時の接続忘れ等による異常判定を簡易で安価な構成にて実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、室内機に人の在否を検知する人体検知装置を設けた空気調和機に関するものである。
従来、この種の空気調和機は、受動型赤外線センサを用いて人の在否を検出する回路が正常に機能しているか否かを検知し異常判定する方法として、擬似信号を発生させ、検出回路出力の反応有無を診断している。擬似信号発生手段として、センサケース内に発光素子または発熱素子を付加するものがある(例えば、特許文献1参照)。また、パルス発生回路を付加しているものもある(例えば、特許文献2参照)。
図11は、特許文献1に記載された従来の受動型赤外線センサを用いて人の在否を検出する回路を示すものである。図11に示すように、焦電型検出素子102と、赤色LED107と、増幅器103と、判別回路(防犯検知器)105と、切換スイッチ112と、タイマー115と、故障検知器114とから構成されている。
タイマー115が作動していないときには、焦電型検出素子102の出力は増幅器103を介して防犯報知器105に接続されており、防犯報知器105は焦電型検出素子102で侵入者からの遠赤外線L1を検出したときに警報を発するので、通常の防犯装置として機能する。これに対して、所定時間毎にタイマー115が作動すると、焦電型検出素子102の出力は増幅器103を介して故障報知器114に接続され且つセンサケース内の赤色LED107が発光する。故障報知器114は、防犯報知器105と逆の作動を行うものであって、焦電型検出素子102で赤色LED107からの赤色光L2を検出しないときに警報を発する。従って焦電型検出素子102が故障していれば警報が発せられることになる。
図12は、特許文献2に記載された従来の受動型赤外線センサを用いて人の在否を検出する回路を示すものである。図12に示すように、焦電型検出素子102と、増幅器103と、帯域濾波器104a、104bと、判別回路105と、パルス発生回路122とから構成されている。
焦電型検出素子102に赤外線が照射されると、電圧が変化し、増幅器103に導かれる。一方、パルス発生回路122は30Hz程度のパルスを発生する。パルス発生器122から出力されるパルスによって電圧が発生し、増幅器103に導かれる。
増幅器103で増幅された電圧は、帯域濾波器(BPFH)104a、(BPFL)104bに供給される。BPFH104aは10〜30Hz程度の高周波成分を抽出し、BPFL104bは0.3〜10Hz程度の低周波成分を抽出する。即ち、BPFH104aは、パルス発生回路122から出力されたパルスの周波数成分を抽出するものであり、焦電型検出素子102の故障あるいは回路中に断線等の異常がなければパルス発生回路122から出力されたパルスの周波数成分はBPFH104aで抽出される。これに対して、人間が侵入した場合の焦電型検出素子102の出力の周波数は0.3〜3Hz程度であり、BPFL104bは当該周波数成分を抽出する。
判別回路105はBPFH104a、BPFL104bの出力の有無を判別する。即ち、BPFH104aから出力が得られている場合は焦電型検出素子102及び回路は正常に機能していると判断し、出力が得られない場合には焦電型検出素子102あるいは回路
に異常が生じていると判断して図示しない受信機に信号を送る。
また、BPFL104bから出力が得られない場合には侵入者無しと判断するが、出力が得られた場合には侵入者有りとして受信機に警報のための信号を送る。
実開昭60−104993号公報 特開平4−315295号公報
しかしながら、前記従来の構成では、異常判定のために赤色LEDやパルス発生回路等の付加回路が必要であるために、部品コストや製造コストが高くなるという課題を有していた。また、付加回路自身が故障等で正常に機能しない場合でも、人の在否を検出する回路の異常と判定してしまうという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、特にセンサユニットから信号処理部までの距離が遠く、その間を長い接続電線で引き廻すような構成においては接続電線の劣化による断線や、センサユニット交換などのサービス時に誤接続や接続忘れが発生するおそれがあり、付加回路を使わずに、これら不具合発生時の異常判定を簡易で安価な構成にて実現可能とした空気調和機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気調和機は、人体から放射される赤外線エネルギの変化量に応じた大きさの電気信号を発生するセンサ部と、前記センサ部の発生する電気信号を増幅する帯域増幅部と、前記帯域増幅部により増幅された信号を所定の閾値と比較する比較部とから構成されるセンサユニットを有し、前記センサユニットと接続電線を介して接続され、前記比較部での比較結果を基に信号処理を行う信号処理部を備えた空気調和機であって、前記センサユニットの電源電圧をON状態としてから所定時間内に前記信号処理部に入力される電圧レベルから前記センサユニットの異常判定を行うものである。
これによって、付加回路を使わずに、センサユニットと信号処理部とを接続する接続電線の劣化による断線や接続不良および、センサユニット交換時の接続忘れ等、不具合発生時の異常判定を簡易で安価な構成にて実現可能となる。また、付加回路を使わないので、付加回路自身の故障による誤診断の恐れがない。
本発明の空気調和機は、付加回路を使わずに、センサユニットと信号処理部とを接続する接続電線の劣化による断線や接続不良および、センサユニット交換時の接続忘れ等、不具合発生時の異常判定を簡易で安価な構成にて実現可能となる。また、付加回路を使わないので、付加回路自身の故障による誤診断の恐れがなく、信頼性の高い人体検知センサを設けた空気調和機を安価に提供することができる。
第1の発明は、人体から放射される赤外線エネルギの変化量に応じた大きさの電気信号を発生するセンサ部と、前記センサ部の発生する電気信号を増幅する帯域増幅部と、前記帯域増幅部により増幅された信号を所定の閾値と比較する比較部とから構成されるセンサユニットを有し、前記センサユニットと接続電線を介して接続され、前記比較部での比較結果を基に信号処理を行う信号処理部を備えた空気調和機であって、前記センサユニットの電源電圧をON状態としてから所定時間内に前記信号処理部に入力される電圧レベルから前記センサユニットの異常判定を行うことにより、付加回路を使わずに、センサユニッ
トと信号処理部とを接続する接続電線の劣化による断線や接続不良および、センサユニット交換時の接続忘れ等、不具合発生時の異常判定を簡易で安価な構成にて実現することができる。
第2の発明は、人体から放射される赤外線エネルギの変化量に応じた大きさの電気信号を発生するセンサ部と、前記センサ部の発生する電気信号を増幅する帯域増幅部と、前記帯域増幅部により増幅された信号を所定の閾値と比較する比較部とから構成されるセンサユニットを有し、前記センサユニットと接続電線を介して接続され、前記比較部での比較結果を基に信号処理を行う信号処理部を備えた空気調和機であって、前記センサユニットの電源電圧をON状態としてから所定時間後に前記信号処理部に入力される電圧レベルから前記センサユニットの異常判定を行うことにより、付加回路を使わずに、センサ部や帯域増幅部、比較部における不具合発生時の異常判定を簡易で安価な構成にて実現することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明のセンサユニットの電源電圧をON状態としてから所定時間後に信号処理部に入力される電圧レベルから前記センサユニットの異常判定を行うことにより、付加回路を使わずに、センサ部や帯域増幅部、比較回路部における不具合発生時の異常判定も簡易で安価な構成にて実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における空気調和機のブロック図を示すものである。
図1において、赤外線センサユニットAは、光学レンズ部1と、焦電型赤外線センサ2と、帯域増幅部3と、比較部4とで構成される。
所定の検知エリア内にいる人体から放射される赤外線は、光学レンズ部1で焦電型赤外線センサ2に集光され、焦電型赤外線センサ2は入射した赤外線エネルギの変化を検出して変化量に応じた大きさの電気信号を出力する。帯域増幅部3が、この電気信号を増幅し、不要な周波数成分を除去して必要な周波数成分の信号のみを出力すると、この出力と所定の閾値との高低を比較部4で比較し、比較結果に応じてHiまたはLoレベルのデジタル信号を出力する。
この赤外線センサユニットAの構成は一般的かつ人の在否を検知する機能を満足する為に必要な回路であり、従来技術もほぼ同様の構成を有する。
比較部4から出力されたデジタル信号は、信号線7aを介して、エアコンの室内機を制御する電子制御装置B内部の信号処理部5に入力される。また電子制御装置B内部にはこの他にセンサユニットAの電源電圧をON/OFFする電源スイッチ6を備えている。センサユニットAと電子制御装置Bは信号線7aおよび電源線7bからなる接続電線7により接続されている。
尚、比較部4がない替わりに信号処理部5でA/D変換処理をすることで同様の機能を持たせる場合もあるが、その場合でも本実施の形態の発明内容を応用することは可能である。
図2は、本発明の第1の実施の形態における空気調和機の室内機を示しており、(a)
は正面図、(b)は上部に設けられた人体検知装置のカバーを取り外した状態の正面図、(c)は側面図を示すものである。
図3は、本発明の第1の実施の形態における室内機の前面パネルが前面開口部を開放した状態の図1(b)の室内機を示しており、(a)は斜視図、(b)は側面図を示すものである。
図2、図3において、室内機は、部屋の壁面などに固定される室内機本体8と、本体8の前面開口部(吸込口)8aを開閉自在の合成樹脂製の可動前面パネル(以下、単に前面パネルという)(可動パネルの一例)9を有しており、空気調和機の運転停止時は、前面パネル9は本体8に密着して前面開口部8aを閉じているのに対し、空気調和機の運転開始時は、前面パネル9は本体8から離反する方向に移動して前面開口部8aを開放する。センサユニットAと電子制御装置Bとは空気調和機のそれぞれ図示した部分に収納されており、接続電線7により接続されている。
図4は、室内機の縦断面図を示しており、(a)は図2(b)の室内機の縦断面図を、(b)は図3(a)の室内機の縦断面図を示すものである。
図4に示されるように、本体8の内部には、熱交換器13と、前面開口部8a及び上面開口部8bから取り入れられた室内空気を熱交換器13で熱交換して室内に吹き出すためのファン14と、熱交換した空気を室内に吹き出す吹出口15を開閉するとともに空気の吹き出し方向を上下に変更する上下羽根16と、空気の吹き出し方向を左右に変更する左右羽根17とを備えている。さらに、前面パネル9の上部は、その両端部にそれぞれX字状に交差して設けられた2本のアーム18,20を介して本体8の上部に開閉可能に連結されている。それぞれの2本のアーム18,20のうちの一方のアーム18の本体側の端部(図4(b)ではアーム18の右上端部)は本体8の上部に回転可能に支持されるとともに、それぞれの他方のアーム20の本体側の端部(図4(b)ではアーム20の右下端部)は本体8の上部に大略上下方向沿いに移動可能に支持されている。
また、それぞれの一方のアーム18の前面パネル側の端部(図4(b)ではアーム18の左下端部)は前面パネル9の上部に回転可能に支持されるとともに、それぞれの他方のアーム20の前面パネル側の端部(図4(b)ではアーム20の左上端部)は前面パネル9の上部に大略上下方向沿いに移動可能に支持されている。それぞれの2本のアーム18,20は、その大略中間部でピン19により互いに回転自在に連結されており、大略上下方向沿いでかつ大略一直線状に折り畳まれた収納状態(閉状態)(図4(a))と、2本のアーム18,20の両端部が互いに離れる方向に移動した展開状態(開状態)(図4(b))との間で移動可能となっている。
よって、一方のアーム18の端部(図4(b)ではアーム18の右上端部)に相対回転不可に連結された駆動モータ(図示せず)を駆動制御することで、一方のアーム18の駆動モータ側の端部が回転駆動されて、2本のアーム18,20が、大略一直線状に折り畳まれた収納状態から2本のアーム18,20の両端部が互いに離れる方向に移動した展開状態に移動することにより、空気調和機の運転開始時、本体8に対して前面パネル9は、空気調和機の運転停止時の位置(前面開口部8aの閉塞位置)から前方斜め上方に向かって移動する。
図2(b)(c)等に示されるように、前面パネル9の中央上部には、複数(例えば、五つ)のセンサユニット26,28,30,32,34が、前面パネル9の主平面から突出した状態で電装品の一例である人体検知装置20として、直に取り付けられている。これらのセンサユニット26,28,30,32,34は、図5に示されるように、センサ
ホルダ36に保持されている。なお、人体検知装置20は、その前面側が図2(a)に示されるように大略弓形の合成樹脂製の表面カバー21で覆われており、図2(b)はカバー21を取り外した状態を示している。
各センサユニット26,28,30,32,34を前面パネル9の上部に設けたのは、図6(a)に示されるように、各センサユニット26,28,30,32,34の視野範囲を拡大して遠方視野を最大限確保するためである。また、図6(b)に示されるように、運転開始時に前面パネル9を停止位置より前方に移動させることで、より遠くまで視野範囲を確保することができるとともに、図6(c)に示されるように、前面パネル9を停止位置より斜め上方に移動させることで視野範囲をさらに拡大することができる。なお、各センサユニット26,28,30,32,34の位置は前面パネル9の上部に限定されるわけではない。
また、図6(d)に示されるように、各センサユニット26,28,30,32,34を前面パネル9の主平面(外郭面)から前方に突出させて設けることで、各センサユニット26,28,30,32,34をより前方に配置することができ、図6(b)〜(d)に示されるように、室内機の構成部(例えば、上下羽根16や、前面開口部8aを開放状態の前面パネル9など)による死角発生を防止して視野範囲を拡大させることができる。
図7は、本発明の第1の実施の形態における空気調和機の帯域増幅部、比較部、信号処理部の具体回路図を示すものである。
図7において、帯域増幅部3は前段、後段のオペアンプOP1,OP2、帯域制限用の抵抗Rs1,Rs2,Rf1,Rf2、コンデンサCs1,Cs2,Cf1,Cf2、後段OP2の出力バイアス電圧を設定する抵抗Rb1,Rb2などで構成されている。また比較部4はコンパレータCP1,CP2、抵抗Rth1,Rth2,Rth3などでウィンドコンパレータ回路を構成している。
ここで、正常時の帯域増幅部3及び比較部4の各部電圧V1,V2,V3,V4,V5,V6について、状態I〜VIまでの各状態を次のように定義し、図8を参照しながら各状態における詳細動作を説明する。
図8の状態Iは電源スイッチ6によりセンサユニットAへの通電がOFF状態の期間であり、比較部4のCP1・CP2は動作しない。信号処理部5への入力は電子制御装置B内部の電源電圧10(Vdd)によりプルアップされるため、信号処理部5に入力される電圧レベルV6はHiレベル(Vdd)となる。
次に電源スイッチ6をオンさせると状態IIに移行し、センサユニットAへは電子制御装置Bの電源電圧10から電源スイッチ6を介して電圧が供給される。その結果、赤外線センサの出力電圧V1はVsとなり、OP1の(−)端子電圧V2はもう一方の(+)端子とイマジナリショートする電圧Vsまで増加する。センサユニットAの電源電圧11をViとするとV1は(数1)で表せる。
Figure 2009024962
但し、
Figure 2009024962

Figure 2009024962

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である。ここで、OP1の出力電圧V3はV1がVsに略一致するまでOP1の出力電圧範囲の上限値Voh1で張り付き、反転入力アンプである後段のOP2の出力電圧V5は出力電圧範囲の下限値Vol2で張り付くこととなる。比較部4では、設定閾値電圧範囲(Vth1〜Vth2)外であるV5が入力されると、信号処理部5の電圧レベルV6はLoレベル(≒0)となる。
次にOP1の(−)端子電圧V2がVsに略一致した時に状態IIIに移行する。V3はOP1の出力電圧範囲の上限値Voh1からVsに略一致するまで(数2)に従い放電される。
Figure 2009024962
但し、
Figure 2009024962

Figure 2009024962

であり、tは
Figure 2009024962
を満足する範囲とする。ここで、OP2の(−)端子電圧V4はOP1の出力電圧V3の直流成分をカットした電圧であり、OP2の(+)端子電圧Vbと略一致した時、V5はOP2の出力電圧範囲下限値Vol2から出力電圧範囲上限値Voh2まで立ち上がる。この時、V5は比較部4の閾値範囲(Vth1〜Vth2)内を通過するため、信号処理部5の電圧レベルV6にはHiレベルの比較的狭い幅10ms程度のパルスが入力されることになる。
状態IVはV4がVsに達してからVbに達するまでの期間である。Vbは、回路図上のRb1とRb2で得られるバイアス電圧である。V4は(数3)に従ってVb

で充電される。
Figure 2009024962
但し、
Figure 2009024962

Figure 2009024962

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Figure 2009024962

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とする。この期間、信号処理部5に入力される電圧レベルV6はLoレベルとなる。
状態VはV5がOP2の出力電圧範囲の上限値Voh2から比較部4のウィンドコンパレータの高電圧側閾値電圧Vth2に達するまでの期間である。V5は(数4)で表せる。
Figure 2009024962
但し、
Figure 2009024962

Figure 2009024962

であり、tは
Figure 2009024962
を満足する範囲とする。期間IV同様に期間Vでは信号処理部5に入力される電圧レベルV6はLoレベルとなる。
最後にV5がVth2に達すると状態VIとなる。状態VIでは信号処理部5に入力される電圧レベルV6はHiレベル(Vdd)で定常状態となる。
即ち、焦電型赤外線センサ2が入射した赤外線エネルギの変化を検出しなければ(人検
知がなければ)、V5=Vb、V6はHiレベルのまま一定であるが、焦電型赤外線センサ2が入射した赤外線エネルギの変化を検出すれば(人検知があれば)、V6はLoレベルとなり、信号線7aを介して電子制御装置B内部の信号処理部5に入力される。
信号処理部5での処理によって、最終的に人検知と判断されれば、室内機本体8のファン14や、上下羽根16、左右羽根等を制御して、検知した人のいる方向に風向を変える等の制御を行って、省エネ運転等を行う。
続いて、異常時の回路動作について図9、図10を参照して説明する。
図9は、接続線に関わる異常時の各状態での電圧レベルのタイムチャート、図10は、回路に関わる異常時の各状態での電圧レベルのタイムチャートを示すものである。
図9において、接続電線7の接続忘れあるいは接続電線の劣化等による比較部4から信号処理部5への信号線7aおよび電源線7b、7cが断線した場合、信号処理部5に入力される電圧レベルV6は電子制御装置B内部の抵抗12でプルアップされるため、状態I〜Vの期間全てにおいてHiレベル(Vdd)で固定される。
つまり、状態Iと状態VIにおいては正常時と断線時で信号処理部5に入力される電圧レベルV6はHiレベルで同一であるが、状態II、III、IV、Vの期間では異なるので、この期間にV6がHiレベルか否かによって正常か異常かが判定でき、容易に断線時の判定が可能となる。なお、状態IIの期間で信号処理部5に入力される電圧レベルV6は10ms程度Hiレベルとなるが、このパルス幅よりも十分に長い時間(例えば5秒間)継続することを条件に、Hiレベルの判定を実施すれば良い。
図10において、接続線7が原因の異常とは別に帯域増幅部3、比較部4の回路が故障した場合、信号処理部5に入力される電圧レベルV6は、状態II〜VIでLoレベルとなる。
つまり、状態I〜Vまでは正常時と信号処理部5の電圧レベルV6はLoレベルで同一であるが、状態VIの期間では異なるので、この期間にV6がLoレベルか否かによって正常か異常かが判定でき、容易に帯域増幅部や比較部の故障時の判定が可能となる。なお、正常時の状態VIの期間では人検知信号により約1s程度のLoレベルのパルスが入力する場合があるが、このパルス幅よりも十分に長い時間(例えば10秒間)Loレベルが継続することを条件に異常と判断することが可能となる。
以上のように、本実施の形態においては、センサ部2と、帯域増幅部3と、比較部4とから構成されるセンサユニットAの電源電圧をON状態としてから所定時間内に、信号処理部5に入力される電圧レベルV6から異常判定を行うことにより、付加回路を使わずに、センサユニットAと信号処理部5とを接続する接続電線7の劣化による断線や接続不良および、センサユニット交換時の接続忘れ等、不具合発生時の異常判定を簡易で安価な構成にて実現することができる。
また、本実施の形態ではセンサ部2と、帯域増幅部3と、比較部4とから構成されるセンサユニットAの電源電圧をON状態としてから所定時間後に、信号処理部5に入力される電圧レベルV6から異常判定を行うことにより、付加回路を使わずに、センサ部2や帯域増幅部3、比較部4における不具合発生時の異常判定を簡易で安価な構成にて実現することができる。
以上のように、本発明にかかる空気調和機は、付加回路を使わず基本回路のみで、電圧レベルから接続電線や帯域増幅部、比較部等の不具合発生時の異常判定を簡易で安価な構成にて実現が可能となるので、空気清浄機、便座ヒーター等、人体検知装置を利用する種々の機器等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における空気調和機のブロック図 本発明の実施の形態1における空気調和機の室内機の(a)は正面図(b)は上部に設けられた人体検知装置のカバーを取り外した状態の正面図(c)は側面図 本発明の実施の形態1における室内機の前面パネルが前面開口部を開放した状態の(a)は斜視図(b)は側面図 本発明の実施の形態1における室内機の上部に設けられた人体検知装置のカバーを取り外した状態の(a)は前面パネルが前面開口部を閉鎖した状態の縦断面図(b)は前面パネルが前面開口部を開放した状態の縦断面図 本発明の実施の形態1における人体検知装置の(a)は正面図(b)は側面図(c)は斜視図 本発明の実施の形態1における人体検知装置の取付位置の変化に基づく視野範囲の変化を示す概略図 本発明の実施の形態1における空気調和機の帯域増幅部、比較部、信号処理部の具体回路図 本発明の実施の形態1における正常時の各状態での電圧レベルのタイムチャート 本発明の実施の形態1における接続線に関わる異常時の各状態での電圧レベルのタイムチャート 本発明の実施の形態1における回路に関わる異常時の各状態での電圧レベルのタイムチャート 従来の従来の受動型赤外線センサを用いて人の在否を検出する回路図 従来の従来の受動型赤外線センサを用いて人の在否を検出する回路図
符号の説明
1 光学レンズ部
2 焦電型赤外線センサ
3 帯域増幅部
4 比較部
5 信号処理部
6 電源スイッチ
7 接続電線
7a 信号線
7b 電源線
8 室内機本体
8a 前面開口部
8b 上面開口部
9 可動前面パネル
10 電子制御装置B内部の電源電圧(Vdd)
11 センサユニットAの電源電圧(Vi)
12 抵抗
13 熱交換器
14 ファン
15 吹出口
16 上下羽根
17 左右羽根
18、20 アーム
19 ピン
21 カバー(電装品カバー)
22 人体検知装置
26、28、30、32、34 センサユニット
36 センサホルダ
102 焦電型検出素子
103 増幅器
104a、104b 帯域濾波器
105 判別回路(防犯検知器)
107 赤色LED
112 切換スイッチ
114 故障検知器
115 タイマー
122 パルス発生回路
A センサユニット
B 電子制御装置

Claims (3)

  1. 人体から放射される赤外線エネルギの変化量に応じた大きさの電気信号を発生するセンサ部と、前記センサ部の発生する電気信号を増幅する帯域増幅部と、前記帯域増幅部により増幅された信号を所定の閾値と比較する比較部とから構成されるセンサユニットを有し、前記センサユニットと接続電線を介して接続され、前記比較部での比較結果を基に信号処理を行う信号処理部を備えた空気調和機であって、前記センサユニットの電源電圧をON状態としてから所定時間内に前記信号処理部に入力される電圧レベルから前記センサユニットの異常判定を行うことを特徴とする空気調和機。
  2. 人体から放射される赤外線エネルギの変化量に応じた大きさの電気信号を発生するセンサ部と、前記センサ部の発生する電気信号を増幅する帯域増幅部と、前記帯域増幅部により増幅された信号を所定の閾値と比較する比較部とから構成されるセンサユニットを有し、前記センサユニットと接続電線を介して接続され、前記比較部での比較結果を基に信号処理を行う信号処理部を備えた空気調和機であって、前記センサユニットの電源電圧をON状態としてから所定時間後に前記信号処理部に入力される電圧レベルから前記センサユニットの異常判定を行うことを特徴とする空気調和機。
  3. センサユニットの電源電圧をON状態としてから所定時間後に信号処理部に入力される電圧レベルから前記センサユニットの異常判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
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