JP2009024719A - 転がり軸受及び転がり軸受の加工法 - Google Patents

転がり軸受及び転がり軸受の加工法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた潤滑剤の漏れ防止効果を長時間維持可能な転がり軸受及び転がり軸受の加工法を提供する。
【解決手段】転がり軸受は、内輪5と、外輪1と、内輪5及び外輪1の間に転動自在に配置された複数の玉3と、外輪1の両端部の内周面に取り付けられたシール部材4,4と、を備える。シール部材4,4の表面と内輪5のシール対向面51には、CNT膜6が形成されている。CNT膜6の溌水溌油効果により、軸受空間に密封された潤滑剤は軸受空間内部の方にはじかれ、潤滑剤の外部への漏れを防止できる。
【選択図】図1

Description

潤滑剤のシール性能に優れた転がり軸受及び転がり軸受の加工法に関する。
従来から潤滑剤の漏れ防止及び異物混入の防止等を目的として、シール部材を装着した密封軸受が用いられている。このうち、シール部材の先端を軌道輪に接触させない非接触シールは低トルクが要求される用途に好適に用いられるが、非接触シールのシール性能を補完又は向上させるために、例えば、潤滑剤を密封する部分に燈油コーティング膜を形成する技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2006−226459号公報
しかしながら、特許文献1に示すような溌油コーティング膜は、耐久性が十分とはいえなかった。また、特に非接触シールにおいては、潤滑剤の漏れ防止効果のさらなる向上の要請がある。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、優れた潤滑剤の漏れ防止効果を長時間維持可能な転がり軸受及び転がり軸受の加工法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1による転がり軸受は、内輪と外輪との間に転動体を配設し、前記外輪と内輪のうちのいずれか一方の軌道輪に、他方の軌道輪に向かって延びるシール部材を取り付けると共に、両軌道輪及び前記シール部材により囲まれる軸受空間に潤滑剤を充填してなる転がり軸受において、前記シール部材の表面、軌道輪の軌道面、及び、前記他方の軌道輪の前記シール部材に対向する対向部分のうちの少なくともいずれかに、カーボンナノチューブ膜を形成したことを特徴とする。
本発明の請求項2による転がり軸受は、請求項戴こおいて、前記シール部材と前記対向部分との間のシール隙間を、0.01mm以上1.0mm以下としたことを特徴とする。
本発明の請求項3による転がり軸受は、請求項1又は2において、前記シール部材及び前記対向部分によりラビリンスを形成する転がり軸受において、前記ラビリンスの軸方向長さを、1.0mm以上5.0mm以下としたことを特徴とする。
本発明の請求項4による転がり軸受は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記軌道輪のうちの前記カーボンナノチューブ膜の形成面を、Ni、Fe及びCoのうちの少なくともいずれかを含む合金で形成したことを特徴とする。
本発明の請求項5による転がり軸受の加工法は、請求項1〜4のいずれかに記載の転がり軸受であって、少なくとも前記対向部分にカーボンナノチューブ膜を形成する転がり軸受の加工法であって、カーボンナノチューブ膜を形成する部分以外の軌道輪部分にマスキング処理を施した後、熱CVD法によりカーボンナノチューブ膜を形成することを特徴とする。
本発明の転がり軸受によれば、潤滑剤の漏れ防止効果に優れるので、長寿命である。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(構成について)
図1は、本実施形態にかかる転がり軸受の軸線方向部分断面図である。
図1の転がり軸受は、内輪5と、外輪1と、内輪5及び外輪1の間に転動自在に配置された複数の玉3と、内輪5及び外輪1の間に複数の玉3を保持する保持器2と、外輪1の両端部の内周面に取り付けられたシール部材4,4と、を備える。このシール部材4は、薄鋼板製であり、外輪1から内輪に向かって延びるように形成されている。また、その先端は、内輪5に接触することなく軸方向に延在し、内輪5の外周面との間にラビリンスを形成している。以下、シール部材4に対向し、かつシール部材4と共にラビリンスを形成している内輪5の面をシール対向面と記す。これら内輪5、外輪1及びシール部材4,4によって取り囲まれ、玉3が配された軸受空間には、潤滑油16が封入されており、シール部材4により密封されている。
そして、シール部材4の表面全体、及び、内輪5のシール対向面51を含む面であって、軌道面以外の領域全面に、カーボンナノチューブ膜(膜厚約5μm)6を形成している。図1(b)に、カーボンナノチューブ膜(以下、「CNT膜」と記すこともある)6を形成した部分をハッチングで示す。
(作用効果について)
次に、本発明の作用効果について説明する。
ここで、一般的な濡れ性に関する理論について述べる。図2のように固体平面上に液体が滴下された場合、
θf : 見かけの接触角(deg)
θ1 : 物質(1)における接触角(deg)
θ2 : 物質(2)における接触角(deg)
φ1 : 物質(1)が表面を占める割合
φ2 : 物質(2)が表面を占める割合
とおくと、下記Cassieの式が成立する。
COSθf = φ1COSθ1−φ2COSθ2 … (Cassieの式)
物質(2)が空気の場合、θ2=180degより、Cassieの式は以下のように変形される。
COSθf = φ1COSθ1−φ2
= φ1COSθ1−(1−φ1)
= φ1(COSθ1+1)−1 … 式(1)
つまり、上記式(1)より、の1を限りなく小さくすれば、液体の見かけの接触角θfが大きくなり、超覆水撥油表面になる。本発明はこの効果を利用したことを特徴とし、CNT膜によりシール部材やシール対向面等に硬質で繊密な多孔質表面を形成し、撥水撥油性を付与する。これにより、シール部材4の表面とシール対向面にて潤滑油を軸受空間の内部にはじき、潤滑油の軸受外部への惨み出しや飛散を抑止できると同時に潤滑油を十分に保持して潤滑不良を防ぎ、低トルクでかつ長寿命の転がり軸受を提供することができる。
(熱CVD法を用いたCNT膜の形成方法について)
Ni、Fe、Coなどの遷移金属又はこの遷移金属の少なくとも1種を含む合金の基材を、真空排気した真空チャンバー内に載置された赤外線ランプで加熱して基材を真空下で熱処理し、次いで、炭素含有ガス及び水素ガスを真空チャンバー内へ導入し、真空チャンバー内の圧力をほぼ1気圧に維持して、該被処理基材上に熱CVD法によりグラファイトナノファイバーを均一に成長せしめることからなる。例えば、特開2002−115071号公報に記載される方法を用いることができる。
なお、ここで、基材は、内輪5又はシール部材4であり、夫々の表面にめっき処理により前記遷移金属の少なくとも1種を含む合金を形成させた後、熱CVD法によりCNT膜を形成させる。
(プラズマCVD法を用いたCNT膜の形成方法について)
熱CVD法の他に、プラズマCVD法を用いることでカーボンナノチューブ膜を作製することもできる。即ち、所定の真空度に保持された真空チャンバ内に前記基材を設置し、炭化水素ガスと水素ガスとからなる原料ガスを真空チャンバ内に導入した後、プラズマを発生させ、基材がプラズマに曝されることで、例えば500℃以上に加熱される。プラズマで分解された原料ガスを基材表面に接触させることで、カーボンナノチューブを気相成長させ、基材全表面に所望のカーボンナノチューブ膜を作製できる。
(リモートプラズマCVD法を用いたCNT膜の形成方法について)
また、前記プラズマCVD法と原理が共通のリモートプラズマCVD法によりCNT膜を作製することもできる。リモートプラズマCVD法では、プラズマからのエネルギーを受けて基材が加熱されないようのに、例えば遮蔽板を設けるなどプラズマからのエネルギーを遮蔽しつつ、プラズマで分解された原料ガスを基材表面に接触させることで、カーボンナノチューブを気相成長させる。このとき、基材の加熱は別個に設けた加熱手段により行う。これにより、プラズマによって基材表面に気相成長させたカーボンナノチューブが損傷を受けるのを防止でき、高い撥水撥油効果を得ることができる。
なお、遮蔽板としては、例えばメッシュ状の遮蔽板を用いることができ、この場合、網目を通してプラズマで分解された原料ガスを基材表面に接触させることができる。例えば、特開2005−350342号公報に記載される方法を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されない。例えば、転がり軸受は、図1の玉軸受に限らず、保持器付きころ軸受、総玉軸受、総ころ軸受にも適用でき、軌道面は単列でも複列でもよい。また、上記実施形態では、シール部材4の表面及び内輪5の軌道面以外の領域にCNT膜6を形成しているが、少なくともシール部材4の表面及び軌道輪のいずれかの領域に形成されていればよく、例えば、シール部材4のみ、あるいは、シール対向面51のみであってもよい。また、シール部材4が内輪1に取り付けられる場合は外輪1のシール対向面に形成してもよい。また、場合によっては、軌道面にCNT膜を形成してもよく、この場合、玉3から受ける荷重によってCNT膜6の空隙に潤滑剤が入り込み、保持されることで、潤滑性能を長期間維持できる。
[実施例]
次に、本発明の効果を評価するために、本発明の各実施例及び各比較例について、評価試験を行ったので説明する。
(供試仕様)
転がり軸受:玉軸受(呼び番号:6306)
寸法:内径30mm、外径72mm、幅19mm
シール:非接触シール(ステンレス製シール)
潤滑油:グリセリン
潤滑油封入量:3.0g
(実施例1)
・シール部材4の全面に熱CVD法を用いてCNT膜6を施した。
・内輪5の軌道面にマスキングテープを貼り、その後熱CVD法を用いてCNT膜6を施すことによって、内輪5の軌道面以外にCNT膜6を施した。
・外輪1の内周面の一方の軸線方向端部に、一対のシール部材4,4の内の一方を取付けた。
・軸受の内部にシリンジを用いて潤滑油を3.0g注入し、もう一方のシール部材4を取り付け、潤滑油を軸受内に密閉した。
・シール隙間:0.1mm、ラビリンス長さ(ラビリンスの軸方向長さ):3.0mmである(図1(c)参照)。
(実施例2)
・シール部材4の全面にリモートプラズマCVD法を用いてCNT膜6を施した。
・内輪5の軌道面にマスキングテープを貼り、その後リモートプラズマCVD法を用いてCNT膜6を施すことによって、内輪5の軌道面以外にCNT膜6を施した。
・外輪の内周面の一方の軸線方向端部に、一対のシールのうちの一方を取り付けた。
・軸受の内部にシリンジを用いて潤滑油を3.0g注入し、もう一方のシール部材4を取り付け、潤滑油を軸受内に密閉した。
・シール隙間:0.1mm、ラビリンス長さ:3.0mm
(実施例3)
・シール部材4の全面に熱CVD法を用いてCNT膜6を施した。
・内輪5の軌道面にマスキングテープを貼り、その後熱CVT法を用いてCNT膜6を施すことによって、内輪5の軌道面以外にCNT膜6を施した。
・外輪1の内周面の一方の軸線方向端部に、一対のシール部材4,4の内の一方を取付けた。
・軸受の内部にシリンジを用いて潤滑油を3.0g注入し、もう一方のシール部材4を取り付け、潤滑油を軸受内に密閉した。
・シール隙間:0.01mm、ラビリンス長さ:1.0mmである。
(実施例4)
・シール部材4の全面に熱CVD法を用いてCNT膜6を施した。
・内輪5の軌道面にマスキングテープを貼り、その後熱CVD法を用いてCNT膜6を施すことによって、内輪5の軌道面以外にCNT膜6を施した。
・外輪1の内周面の一方の軸線方向端部に、一対のシール部材4,4の内の一方を取付けた。
・軸受の内部にシリンジを用いて潤滑油を3.0g注入し、もう一方のシール部材4を取り付け、潤滑油を3.0g注入し、潤滑油を軸受内に密閉した。
・シール隙間:0.01mm、ラビリンス長さ:1.0mmである。
(実施例5)
・シール部材4の全面に熱CVD法を用いてCNT膜6を施した。
・内輪5の軌道面にマスキングテープを貼り、その後熱CVD法を用いてCNT膜6を施すことによって、内輪5の軌道面以外にCNT膜6を施した。
・外輪1の内周面の一方の軸線方向端部に、一対のシール部材4,4の内の一方を取付けた。
・軸受の内部にシリンジを用いて潤滑油を3.0g注入し、もう一方のシール部材4を取り付け、潤滑油を軸受内に密閉した。
・シール隙間:0.01mm、ラビリンス長さ:5.0mmである。
(実施例6)
・シール部材4の全面に熱CVD法を用いてCNT膜6を施した。
・内輪5の軌道面にマスキングテープを貼り、その後熱CVD法を用いてCNT膜6を施すことによって、内輪5の軌道面以外にCNT膜6を施した。
・外輪1の内周面の一方の軸線方向端部に、一対のシール部材4,4の内の一方を取付けた。
・軸受の内部にシリンジを用いて潤滑油を3.0g注入し、もう一方のシール部材4を取り付け、潤滑油を軸受内に密閉した。
・シール隙間:1.0mm、ラビリンス長さ:1.0mmである。
(実施例7)
・シール部材4の全面にプラズマCVD法を用いてCNT膜6を施した。
・内輪5の軌道面にマスキングテープを貼り、その後プラズマCVD法を用いてCNT膜6を施すことによって、内輪5の軌道面以外にCNT膜6を施した。
・外輪1の内周面の一方の軸線方向端部に、一対のシール部材4,4の内の一方を取付けた。
・軸受の内部にシリンジを用いて潤滑油を3.0g注入し、もう一方のシール部材4を取り付け、潤滑油を軸受内に密閉した。
・シール隙間:0.1mm、ラビリンス長さ:3.0mmである。
(実施例8)
・シール部材4の全面に熱CVD法を用いてCNT膜6を施した。
・内輪5の軌道面にマスキングテープを貼り、その後熱CVD法を用いてCNT膜6を施すことによって、内輪5の軌道面以外にCNT膜6を施した。
・外輪1の内周面の一方の軸線方向端部に、一対のシール部材4,4の内の一方を取付けた。
・軸受の内部にシリンジを用いて潤滑油を3.0g注入し、もう一方のシール部材4を取り付け、潤滑油を軸受内に密閉した。
・シール隙間:0.005mm、ラビリンス長さ:1.0mmである。
(実施例9)
・シール部材4の全面に熱CVD法を用いてCNT膜6を施した。
・内輪5の軌道面にマスキングテープを貼り、その後熱CVD法を用いてCNT膜6を施すことによって、内輪5の軌道面以外にCNT膜6を施した。
・外輪1の内周面の一方の軸線方向端部に、一対のシール部材4,4の内の一方を取付けた。
・軸受の内部にシリンジを用いて潤滑油を3.0g注入し、もう一方のシール部材4を取り付け、潤滑油を軸受内に密閉した。
・シール隙間:1.5mm、ラビリンス長さ:1.0mmである。
(実施例10)
・シール部材4の全面に熱CVD法を用いてCNT膜6を施した。
・内輪5の軌道面にマスキングテープを貼り、その後熱CVD法を用いてCNT膜6を施すことによって、内輪5の軌道面以外にCNT膜6を施した。
・外輪1の内周面の一方の軸線方向端部に、一対のシール部材4,4の内の一方を取付けた。
・軸受の内部にシリンジを用いて潤滑油を3.0g注入し、もう一方のシール部材4を取り付け、潤滑油を軸受内に密閉した。
・シール隙間:1.0mm、ラビリンス長さ:0.5mmである。
(実施例11)
・シール部材4の全面に熱CVD法を用いてCNT膜6を施した。
・内輪5の軌道面にマスキングテープを貼り、その後熱CVD法を用いてCNT膜6を施すことによって、内輪5の軌道面以外にCNT膜6を施した。
・外輪1の内周面の一方の軸線方向端部に、一対のシール部材4,4の内の一方を取付けた。
・軸受の内部にシリンジを用いて潤滑油を3.0g注入し、もう一方のシール部材4を取り付け、潤滑油を軸受内に密閉した。
・シール隙間:1.0mm、ラビリンス長さ:5.5mmである。
(比較例1)
・比較例1は、内輪5とシール部材4の全面にはCNT膜6を施さなかった。
・シール隙間:0.1mm、ラビリンス長さ:3.0mmである。
(評価方法1:CNT膜による潤滑油の密封性評価)
評価は、玉軸受からの油惨み出身こよる減量を測定することにより行った。より具体的には、1ヶ月放置後の軸受の重量を測定してその減量を測定した。評価結果を以下に示す。
実施例1=0.21g減量
実施例2=0.22g減量
実施例3=0.24g減量
実施例4=0.23g減量
実施例5=0.21g減量
実施例6=0.22g減量
実施例7=0.41g減量
実施例8=0.35g減量
実施例9=0.34g減量
実施例10=0.39g減量
実施例11=0.21g減量
比較例1=1.51g減量
上記評価結果より、転がり軸受にCNT膜を施した場合には、潤滑油の漏れ量が減少することがわかる。
また、シール隙間が0.01mmより小さいとシール端面と内輪シール対向面が接触し、CNT膜が摩耗してしまう。反対にシール隙間が1.0mmより大きいと漏れようとするオイルの量が増えるので表面張力がオイルを支えきれなくなる。同様に、ラビリンス長さが1.0mmより小さいと表面張力がオイルを支えきれなくなる。更にラビリンス長さが5.0mmより大きいと、転動体あるいは保持器とシール部材が接触し、シール部材の変形あるいはシール部材の摩耗より、シール隙間の増大やCNT膜の摩耗を引き起こす。
(評価方法2:成膜方法の異なるCNT膜が濡れ性に与える影響)
次に成膜方法の異なるCNT膜が濡れ性に与える影響について述べる。試験に用いた潤滑油のCNT膜による濡れ性を比較するために、炭素銅のディスク試験片に潤滑油(3μl)を滴下した時の接触角の測定も行った。各CNT膜形成方法により各ディスク試験片にCNT膜を夫々形成し、実施例12,13及び比較例2,3とした。
・試験温度:室温(約25.0℃)
・潤滑油:グリセリン
・潤滑油滴下量:3μl
・接触角の観察:滴下6秒後
潤滑油の接触角を測定した結果を以下に示す。
実施例12=136deg(熱CVD法)
実施例13=137deg(リモートプラズマCVD法)
比較例2=29deg(未処理)
比較例3=103deg(プラズマCVD法)
このように、実施例12,13では、共に比較例2,3よりも接触角が大きいことが確認された。また、熱CVD法及びリモートプラズマCVD法で成膜することで、プラズマCVD法を用いた場合よりも大きな覆水溌油性を得ることができることも確認された。
本実施形態にかかる転がり軸受の軸線方向部分断面図である((a)は通常の断面図、(b)はCNT膜を形成する箇所を示す図、(c)はシール隙間及びラビリンス長さを説明する図である)。 固体表面に液体を滴下した様子を示す図である。
符号の説明
1 外輪、2 保持器、3 玉、4 シール部材、5内輪、51 シール対向面、6 CNT膜

Claims (5)

  1. 内輪と外輪との間に転動体を配設し、前記外輪と内輪のうちのいずれか一方の軌道輪に、他方の軌道輪に向かって延びるシール部材を取り付けると共に、両軌道輪及び前記シール部材により囲まれる軸受空間に潤滑剤を充填してなる転がり軸受において、
    前記シール部材の表面、軌道輪の軌道面、及び、前記他方の軌道輪の前記シール部材に対向する対向部分のうちの少なくともいずれかに、カーボンナノチューブ膜を形成したことを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記シール部材と前記対向部分との間のシール隙間を、0.01mm以上1.0mm以下としたことを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記シール部材及び前記対向部分によりラビリンスを形成する転がり軸受において、
    前記ラビリンスの軸方向長さを、1.0mm以上5.0mm以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. 前記軌道輪のうちの前記カーボンナノチューブ膜の形成面を、Ni、Fe及びCoのうちの少なくともいずれかを含む合金で形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の転がり軸受。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の転がり軸受であって、少なくとも前記対向部分にカーボンナノチューブ膜を形成する転がり軸受の加工法であって、
    カーボンナノチューブ膜を形成する部分以外の軌道輪部分にマスキング処理を施した後、熱CVD法によりカーボンナノチューブ膜を形成することを特徴とする転がり軸受の加工法。
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